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「薔薇王の葬列(TVアニメ動画)」

総合得点
62.1
感想・評価
74
棚に入れた
220
ランキング
5063
★★★★☆ 3.1 (74)
物語
3.1
作画
2.8
声優
3.3
音楽
3.1
キャラ
3.1

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薔薇王の葬列の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 2.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

歴史ものとしての面白さはあるが、終始暗い

 原作は未読。
 英国史はあまり詳しくないが、こうやって薔薇戦争辺りの歴史を知れるのはありがたい。
 まあ原案がウィリアム・シェイクスピアの戯曲ということで史実と異なる部分は多々
あるのだろうが、それでも大きな流れが分かるだけでも嬉しいところ。
 リチャード三世というといわゆる英国史では悪役扱いされる人物で、そういった見方を変える
研究もあったりするが、本作も自身の出生から始まる悲劇の人物として描かれている。
 とは言え、悲劇の人物だろうが、リチャードも王位に魅せられた一人であり、彼も含めた
本作で描かれる王位を巡る権力闘争はかなり陰湿なドロドロとしたもの。
 「まあ権力闘争というのはそういうもの」と言われてしまえばそうなのだろうが、とにかく
醜いの一言に尽きる感じで、リチャードも含めて、王になった、あるいはなろうとした者で、
「王にしたい」」と思えるようなキャラが一人もいなかった。

 歴史もので史実とは異なる性別にすることで、新機軸を打ち出す作品があるが、本作では
主役のリチャード三世を両性具有にするというかなり大胆な設定。
 先に書いたような史実とは異なる性別に設定された作品においては表向きは史実の性別で通し、
本当の性別を秘す作品がよくあるが、本作は男性として振る舞うも、女性として振る舞うも
いずれも本当であり、嘘であるといった複雑なものになっており、ヘンリー六世や
バッキンガム、あるいはアンとの関係性の感情は男女間の恋愛的なものにも、同性愛的な
ものにも思える。
 こうした複雑な関係性に加え、両性具有で生まれたこと自体が母であるセシリーに
代表されるように忌み嫌われるようなものであり、そのために他者や世間にそれを
隠すべきこと自体が重荷になっていたりと、より苦悩が深いものになっている。

 表向きは男として振る舞い、王位にも就くことができたリチャードだが、基本的展開自体は
本作の下敷きになっている「ヘンリー六世』」と「リチャード三世』と同じものであるために
最終的にはバッドエンドは避けられないもの。
 リチャードだけでなく、かなり多くのキャラが悲劇的結末を遂げるが、こういった盛者必衰的
展開は洋の東西を問わないようで、テレビ放映時に同時期に放映された「平家物語」に
通じるものがある。

 王位に執着せず、一人の女性として生きたら幸せだったのか?、と考えてみたりするが、
それはそれで父であるヨーク公リチャードの意を継げなかったと終始苦悩していたように思え、
「どちらに転んでも幸せにはなれないのかな?」という感が。
 結局のところ、幼い頃から生じた苦悩が呪縛となっており、王になってもそれが払拭できず、
結局は死によってようやく解き放たれたように思える。

 割と歴史ものが好きなのでそれなりに楽しめたが、終始悲劇的展開が続き、それに伴う暗さが
漂う作品で、ある程度のカタルシスを求める人には不向きな印象。
 この作品の雰囲気を反映してか、作画カラーは終始暗い感じ。イギリスの天候自体どんより
曇っている印象があるが、そういう点でもこのカラーは合っているのかな。
 あとストーリーはともかく、アニメとしては絵的にはパッとしない。
 この手の歴史スペクタクル作品は合戦シーンなどが見どころの一つだったりするが、
こういった部分は止め絵を多く使用した紙芝居状態で迫力なし。

2022/09/18
2024/10/27 加筆・修正

投稿 : 2024/10/27
閲覧 : 207
サンキュー:

2

ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ベルサイユの薔薇族

往年の名作よろしく男装の麗人つまり女性のお話のような、某ニッチ雑誌つまり男性のお話のような愛憎劇全24話。いろんな意味で薔薇祭りでしたが本筋は15世紀のイングランド界隈の歴史イベント“薔薇戦争”にまつわるあれやこれやです。日本では“応仁の乱”とかやってた頃合い。
史実を基に(A)、シェイクスピアが戯曲にしたものを(B)、原案にして日本で漫画化したもの(C)です。
原案=シェイクスピアってけっこうなパワーワードですよ。そして歴史ものってアニメ単品での面白さ判定とは別に元ネタ知っているとより楽しめたりします。私なんか中途半端で

(A)色違いの薔薇を模した家紋を持つランカスター家ヨーク家の家督争いだったことは覚えてる
(B)イギリスの劇作家で四大悲劇など悲劇のイメージ強し。触れたのは映画のロミジュリだけ
(C)未読

キリスト教社会の宿命なんですが名前のヴァリエーションに乏しく、リチャード・ヘンリー・エドワード同名が複数出てきて混乱します。リチャードと聞くと“獅子心王”を思い出したりしますがそれは1世、こっちは3世。ついでに主人公もリチャードなら父親もリチャード。同族だから同じ名前なのかというとそういうわけでもなく主人公兄(ヨーク家)とヘンリー6世息子(ランカスター家)は互いにエドワードだったりします。「名前を覚えられない」と苦情がきそう。
ただし“名前”は重要でした。

 「リチャード、私の名を残せ!王の名だ」

主人公父の遺言に沿って進む物語でした。
冒頭「薔薇薔薇してる」と茶化しましたが、耽美的なノリで終始進行してたのは事実ですが、両性具有主人公の愛の葛藤だけと見るのは尚早な気がします。男性の名前である“リチャード”を残せとの言葉は特殊な性である主人公にとっては十字架でしかないし、偉大な獅子心王“リチャード”を想定してるのは明白で家柄・血筋を残せってのも十字架。父の呪縛が物語に深みを与えています。
我々日本人がリチャードと聞いてもピンとこないでしょうが、ゴジラ松井選手や村神様が背負った背番号“55”みたいな意味合いです。王の誇りと重荷を背負ってるとみないと容易に道に迷うでしょう。


取り急ぎ迷子になりそうな作風なのと、2クール分と長丁場なのもあって、「薔薇戦争ってなんだったっけ?」とwiki洗うくらいのことしても良いと思います。

そして本題の中身です。だいぶマニアックな感じがしますね。
人の多さは人物相関を片手にしながらなんとかクリア。漠然と観てると取り残されそうです。戦争と言いながら合戦シーンはこじんまり。それに代表されるようにアニメーションは止め画を多用してるのが気にかかる。人が多くて迷子になりがちな仕様と動画のちんまり感はあまりウケる類のものではないでしょう。感情移入するには終始暗いトーンなのも気にかかります。

そんなでも私は本作を推したいですね。
人物相関図をなんとか頭の中で描ければ、ちんまり動画もある意味“観劇”の再現といえる動画表現だと腑に落ちる。モブの目線が消えてるのをよく見かけましたが、手抜きというよりスポットライト浴びてる演者の芝居に注目してねということなんだと思います。演劇の照明さんがやるようなことはアニメで表現できませんがなんとかかんとか再現してみたらこんなん出ました!ってところでしょう。そしてスポットライト浴びた演者さんの台詞回しは聞きなれたアニメ的やり取りとは違う。往々にして大仰なんです。作風からしてベテラン・新人問わず数多くの声優さんが参加されており普段とは違った演技を楽しんでたんじゃないかと想像してます。

繰り返しますが物語は終始暗いです。シェイクスピアって悲劇が得意なんでしょ?で割り切りましょう。漫画家さんの元ネタへのリスペクトを感じました。
主人公リチャード3世にとっての父ヨーク公リチャードを常に念頭に置いて楽しめた私ですが皆さんいかがでしたか?



※ネタバレ所感

■『リチャード3世』『ヘンリー6世』そして『ルパン3世』

原案としていた2点『リチャード3世』も『ヘンリー6世』もシェイクスピアの劇なんですって。それをガッチャンコしてマゼマゼしたのが本作。
{netabare}そのメインどころ主人公リチャード3世(ヨーク家)と敵方ヘンリー6世(ランカスター家)の関係性がなんとも切なかったです。
ヘンリーは最初リチャードに“天使”を重ねそう見立てていたのに、政局絡みの入れ知恵によって終にはリチャードに“悪魔”と呪いの言葉を残して非業の死を遂げるわけでして。
彫刻や絵画見てわかるようにマッチョりした男性や柔らかそうな女性、つまり“おとこおとこ”して“おんなおんな”したのを良しとする文化が根っこにあるとこでよりによって両性具有とはありえない、すなわち“悪魔”としか考えられないって彼の地の人々が考えるのはごく自然で腑に落ちるのですよ。そんなキリスト教世界での“悪魔”の意味合いは宗教的観点から重く、当事者リチャードも身体的特徴から実母から疎まれーの、本人も諦観してーの、って中での“天使だ”と好意を寄せてくれたヘンリー6世との出会いと結末がなんともほろ苦かったのですね。{/netabare}

{netabare}そして一見関係なさそうな『ルパン3世』。ま、実際にこじつけだけど以下

『この手の中に 抱かれたものは
 すべて消えゆく 運命なのさ』

ルパンの主題歌のひとつでこれほど作品の世界観を一言で言い表した詞は無いと思うのですが、本作のリチャードがまんまそれ。

ヘンリー6世(CV緑川光)は前述の通りだし
ウォリック伯の娘アン(CV鈴代紗弓)の不用意な一言で心閉ざしちゃうし
好き好き光線全開だったヘンリー息子エドワード(CV天﨑滉平)もまんざらでもなかったのよ

ご破談しまくった末「ともに地獄に…」のバッキンガム(CV杉田智和)とまるで救いがありません。{/netabare}


■ハイスコアカップリング

いやほんとどうでもいいんだけど…
先の項目で挙げたCVさんにピンとくる方いそうなんだけど…
{netabare}天﨑さんと鈴代さんってハルオと大野ですよね?
夫婦役だったし 鈴代さん声出してるし そういえば杉田さんも担任役で爪痕残してました。
某ハイスコア作品ご存じない方すみません。悪ノリついでにこれで小春いりゃ完璧だなと思ったら…

{netabare}いましたね。リチャード兄で女好きエドワード4世の子供役で広瀬さんの名が!あざっす{/netabare}{/netabare}


■これまたタイムリーなことに

{netabare}好色な長兄エドワード4世が悪い女に掴まって…

そりゃ遺恨残すだろうよって女性を妃に迎えたら王室荒れるじゃん、と雑魚キャラスタートした彼はなぜかしら中盤あたりで賢王っぽい描写が増えていく。別に成長したわけでも、なにかを起点にガラッと変わったわけでもないがそれとなくできちゃう。いかにもな感じです。家柄も大事だけどほとばしる愛も大事よねって文化。

そんでもって現代に目を移してイギリスの王室ですよ。不敬かもしらんが新国王は不倫の末に奥さん入れ替えちゃった方。前妻の息子さんの一人もある意味愛に生きちゃったかもわからん方。人間って変わらんな~と思うのです。そんで序列だなんだとマウント取り合いしてみたり。
新国王は不人気だからスコットランドが足抜けするみたいなネタも冗談と言い切れないし、権力闘争で王朝がころころ変わった歴史も納得の情勢です。{/netabare}


なんとなしに史実もののエッセンスを消化している作品に思えて満足しました。

投稿 : 2022/09/29
閲覧 : 341
サンキュー:

17

ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

シェイクスピアの史劇、を題材にしたBL愛憎劇。アニメ的には癖が強いが、引き込まれてしまえば味わい深い良作

薔薇戦争(1455年~1485年に発生した、ヨーク家とランカスター家の王位争い?)を舞台に、主人公リチャード三世(ヨーク朝最後の王)の半生を愛憎渦巻く悲劇や燃え盛る情熱で描いた。
リチャードは両性具有(本人と周囲的には男だけど、女性の特徴持ち)や、父からの過剰な期待と母から悪魔の子呼ばわりな境遇からアイディンティティー求めて?愛や憎しみや王冠を求める…

【良い点】
シェイクスピアの史劇、薔薇戦争という渋い題材。
世界史では年表ちょこっと程度だけど、イギリスの歴史的戦乱で掘り下げると非常に興味深い。
「ベルサイユのばら」(フランス革命)とか、こういう題材だけで既に面白そう。

シェイクスピア史劇の雰囲気の演出重視しており、良くも悪くも普通のアニメとは異質。
シェイクスピア劇めいた芝居がかったセリフ回しやドラマチックなシーン多々、モブは顔無しなのも作画節約だけでなく劇みたいな風情感じるので良し。
暗く静止画多く、アニメというより演劇の場面毎に絵にしている感じ。
ここら辺癖が強いが、慣れてくると心地良くドラマに引き込まれる。
戦記要素や政治劇をバッサリ切り捨てる作劇も良し悪しではあるが、本筋はリチャード中心の愛のドラマなのでこれで良かったか。

歴史物だけどリチャードや取り巻く愛憎劇に集中しており、イギリス史に詳しくなくても十分楽しめる。
複雑に見えるが、要点はリチャードとの関係と、誰を王にしたいかの二点に絞られるため、愛憎劇に集中できる構図。
主人公リチャードはヨーク家の王子で、敵対するランカスター家に父討たれて復讐誓い、途中出会った男の子とBL友情育むが実は彼は敵の王子でロミジュリ状態云々…と、リチャード中心の背景やキャラ関係は分かり易い。
父の愛情と母の憎しみそして両性具有の体と心の狭間で苦しみ、出会う男たちと禁断の愛に身を焦がし、立場上相容れなかったり、宮廷闘争で相棒になったり、運命の悪戯で敵対しちゃったり、王権を巡る暗闘に翻弄される男たちの愛のドラマに目が離せない。

各キャラの心情や葛藤を丁寧に掘り下げている。各々が個人の感情と背負っている立場の挟間で揺れ動く、群像劇としても見応え抜群だった。
忠臣ケイツビーなど魅力的で華のあるキャラ豊富。
基本BLだがリチャードの妃となるアンなど数少ない女性キャラが非常に可愛い。
声優陣が豪華かつはまり役多く、キャラの魅力に貢献。

前半からの丁寧な掘り下げが効いてきて、後半回が進むほどに面白味が増していく。
特に終盤は父となったリチャードが愛息子エドワード(ショタ可愛い)への愛と血筋の秘密でドロドロするのが(リチャードには気の毒だけど)めっちゃ面白かった。
王権を巡る思惑が複雑に絡むので(イギリス史に詳しくなければ)先が読めず、誰が味方で誰が敵か常に緊張感孕む。

リチャードの両性具有設定もBLぽくやりたい放題な免罪符にしつつ、理性と情熱の挟間で揺れ易いキャラクター付けとして絶妙。
本質は女性故に逆に男らしく王らしく強がった結果、宮廷闘争や運命の悪戯で裏目に出て余計愛に苦しむ展開が非常にドラマチックだった。
策謀家で男性的な野心溢れるバッキンガム公爵の方が、土壇場でリチャードへの愛を優先し散る、終盤の逆転の構図もグッと来る。
愛か王冠か?の二択でどちらを選ぶ?という単純な愛のドラマに収束していくのがポイントだった。
幾多の愛憎劇の果てに、自分を憎んだ母の想いを汲んだり、妻と息子を得て心境が変わったり、初期から着々と成長した主人公だった。

終盤~ラストも非常に良い。
どう転んでも悲劇確定と思われた矢先まさかの救済エンド、やはり悲劇よりも救いがあった方が嬉しい。

【悪い点】
歴史物としては説明不足でダイジェスト感。
特に序盤は分かりづらくてイマイチ。
ここは回が進む程に面白味分かってくるので、ややスロースターターな作品。

キャラたちも背景が分かってくるまでに時間が掛かる。
通してみれば魅力的だが魅力が分かるのが後半以降なキャラ多数。
ここも含めて総じてスロースターターで長い目で見れる人向き。

良い点と裏腹、アニメーションとしては独特すぎる。
モブの個性を排除するのは良いんだけど、合戦や殺陣など動かすべきシーンが紙芝居状態なのは残念。
絵すら放棄してセリフや文字で長々解説するシーンもあり、アニメとしては微妙。
暗い色調も雰囲気は良いけれど、動的なシーンで画面が見づらい。
作画は本作独特な雰囲気出せているものの、キャラと声優の演技頼りで絵的には微妙。
…作画評価は悩む所。酷評されても仕方がないが、独特な魅力も捨てがたいし?(3点)

【総合評価】7~8点
とっつき難いけれどハマれれば抜群の魅力がある。隠れた良作と言われそう。
素晴らしいドラマ性があるが、アニメーションとしての評価には迷うところ。
掛け値無しで名作と絶賛するには紙一重で惜しかった。
評価はギリ「とても良い」

投稿 : 2022/07/28
閲覧 : 264
サンキュー:

4

ネタバレ

スイキ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3
物語 : 3.0 作画 : 2.0 声優 : 2.5 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:途中で断念した

BLアニメ

BLアニメ
シェイクスピアの物語を原案にしたBL

4話まで視聴

投稿 : 2022/07/05
閲覧 : 215
サンキュー:

0

ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 2.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

シェイクスピア原案のドロドロ系アニメ

{netabare}
今期一、というか個人的に視聴済みの全アニメの中で二番目に良かった。
昔のGONZOが作ってそうな気がしないこともないアニメ。
一話を見て今後面白くなりそうと感じたなら最後まで見るべき、地味でつまらないなと感じたなら切るべき。
個人的にはコメディ要素など一切なしでずっと真面目な雰囲気の本作は常に筋が通っていて好感が持てた。

薔薇戦争中の出来事を描いた作品だが、戦争自体にはそれほど焦点は当てられず、登場人物の関係性などに重きが置かれた作品。
リチャードを中心に各キャラの心理描写が丁寧でかなり深い部分まで描かれるので共感しやすく、それぞれのキャラの顛末には感慨深いものがある。

ヘンリーの話も、バッキンガムの話も主人公が固よりの立場を取るか、それともその立場を捨てて情を取るかの狭間で揺れ動くという話。
そう言う内容だからこそ、主人公の両性具有設定も、主人公の女性的な側面と男性的な側面を表す象徴としても機能していて良かった。
時々見せる恋心的なものは女性的、だが本人は恋愛感情を優先させたくはなく、王(王族)としての立場(=男性的)を取りたいと思いつつも、時には誘惑やヘンリー、バッキンガムの後押しもあり、その狭間で葛藤する様が良く描けていた。

ヘンリーやバッキンガムがその時のリチャードにとっての心の拠り所になってることがそこまでの話の内容的に見て取れるため、実は敵だと分かったヘンリーとの接触や、バッキンガムに対する最後の決断の辛さには共感ができ、両者の殺害/処刑シーンには哀愁が漂っていた。
だからと言っても、ヘンリー編では父を亡き者にしたランカスター派に対する憎しみも理解でき、バッキンガム編では一度選んだ道でもある王の道から今更引けないことも理解でき、恋愛的感情と立場を優先しての意思双方が理解できるからこそ見ている側もより辛いものがあった。
バッキンガム編に関してはバッキンガムはリチャードとは対照的に立場よりも恋愛的感情を優先させており、その面で相反する二人のすれ違いには悲しいものがあった。

母の話も、リチャードが大きく孤立して初めて母の気持ちを理解できたということなのだろうか。
その直前のアンの愛してほしかったのに愛されず荊に縛られ続けたままだったという本音の訴えもあってこそ、同じように父から愛されずに孤立していた母の気持ちに同意できたというのもあるんだろう。
序盤から引っ張られてきた部分もきちんと回収されて良かった。

最終回のオチも良かった。
ティレルと言うヘンリーに瓜二つな存在が、(声優的にも物語的にも辻褄が合うため同一人物だろうが)、12話のリチャードの「どうか、愛してくれ」と言った頼みに呼応するかのように「愛しているよ」と言うセリフで締めるのは、ここまでの話の繋がりが感じられて完璧だった。
ただただ話が進んでいくように見えて序盤の話も後半にしっかりと活きており綿密に作られた物語だというのが実感できる。
最後には序盤からずっとリチャードのそばにいたケイツビーに行きつくのだろうか。悲しくも救済があるオチ。

キャラの描写以外にも様々なキャラの思惑が錯綜する群像劇としても見応えがあった。
主人公を含め誰がどんな行動を取るかが読めない作品でもあり、常に誰かが裏切るのではないか、敵対するのではないかと言う緊張感があった。この時代の王権は歴史の教科書などを見るだけでも暗殺とかばかりで不安定なものだというのが分かるし、その雰囲気が作品内でも見て取れた。

話が良かっただけに作画が今期でも最低クラスだったのは本当にもったいない。基本的に紙芝居。
一か所褒められるのは背景がずっと暗い色調だったのがこの作品の陰鬱な雰囲気にマッチしていて良かったということ。
よくよく考えれば、モブキャラ全員のっぺらぼうなのも、この作品の暗い雰囲気に合致していて、むしろ作画の悪さすらも偶然とはいえこの作品の暗い雰囲気を強調させていた説も微レ存...?
いやさすがにそうだとしても重要な部分で枚数が少なかったり褒められたものではないけど。

最後まで見た後にもう一周すると見える物も変わってきそうなので今年中に二周目視聴したい。
↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
跡継ぎ闘争? やばい話が全く頭に入ってこない。難しい作品。
父のために王位継承権を持つヘンリー(友人)を主人公が殺そうとしてるってこと? 

2話 ☆7
特に書くことがない、雰囲気がいい。演劇風の演出見にくい。
作画を演出で誤魔化すな。主人公父の死体見て正気なんか。
主人公狂ってる? これ後半面白くなる奴かな。

3話 ☆8
何がどうなった? ヘンリーは? 直訴大丈夫なんか。
兄弟二人どこ行った。草、エリザベス上手くいきすぎやろ。

4話 ☆6
ホモアニメ? やばいもの入ってそう。直接的すぎるたとえ話w

5話 ☆8
いつか化けそうと思って見続けているアニメ。
ほんとちょろすぎやろw 顔省略すんな。
回想に見えるから紙芝居やめろw
この脳内会議の奴結局何なんすか。
この作品の女ほんと裏があるキャラ多いな。
いや悪気はないんだろうけど。悲しいなぁ。
女が生まれたらどうするんですか()

6話 ☆8
女生まれ取るやん。手抜き作画。
同姓同名多いしキャラの書き分けもあまりできてないし単純に話が難しいしで疲れる。
ジョージとウォリック普通に組んでそうだけどな。
組んどるやんけ。主人公もやる気出してくれていい。面白い。

7話 ☆7
エドワード女好きすぎだろw
演出というか手抜き作画が滑りすぎだ。
ガバガバ警備 準備万端だな。ウォリックの方がまともじゃねーか。
言い訳苦しいぞ。なんでそこでヘンリーが出てくる

8話 ☆7
? ウォリックがやっぱ黒幕的位置なのね。手抜き作画やめろw
ほんと作画ひでーな。そこに愛はあるんか?
ホモ?

9話 ☆8
BL まだ気づいてないんかよ正体
主人公が父の影をちらつかせたおかげか。作画手抜きするな。

10話 ☆9
エドワードはほんと無能なんだな。
この謎空間結局何なんだよ。あっ

11話 ☆10
誰が殺してたっけ。主人公だったか?
ヘンリーつかまってんのかよ。ヘンリーじゃなくてエドワード?
のっぺらぼう兵士。同名多いからほんとわかり辛い。
こいつもランカスター側なんか。
主人公仲間と思ってた奴らに裏切られてばかりだな。
何で同じとこで暮らしてたの?
マーガレットも仲間思いなキャラなんだな。
くっ...殺せ! ヘンリーどこいったの?

12話 ☆8
外普通に許すのねw ヘンリー死んだか...
死体ないけど実は生きてましたにはならないよね。作風的に
作画は圧倒的に平家だけど話は個人的にこっちだったな。

13話 ☆8
2クール目。口の動きが合ってないw
草、こいつ女癖悪すぎだろ。運命の媚薬。毒盛られてそう。
やっぱり媚薬かよwイザベル一瞬で退場するじゃん。
ジェーンド正論で草。そこは殺すとこでは。EDめっちゃいいな。

14話 ☆9
ベスって誰。エリザベスの子供? バッキンガムとか言う有能。
実際悪魔のごとき所業。リチャードって言うても結構サイコパス。
ヘンリー処刑してある意味吹っ切れてんのか。

15話 ☆9
やっとあの女癖悪い奴消えるのかw キャラだいぶ減ったなぁ
エリザベスのゲスさを久々に見た。バッキンガム裏切ってて草。
まさかの再会。真っ白。モブはモブだった。悪魔の契約。
なぜ、やった。イキリモード。結局こいつらも裏切る気なの?

16話 ☆9
森(暗喩) 過激は怖い。毎回ヤってる。
殺したら同情されて、殺さなかったら単純に勝つのね。
エリザベスが噛ませになるとは。マッマ怖すぎ。
いや腕何があった。

17話 ☆9
失言。
ケイツビー空気。光が呪いに変わりとか、OPの歌詞とセリフがマッチしてていいな。芝居感ですぎやろ。宝塚かよw ここだけ本当。
そういやあの心の声の人どこ行ったの。
今更だけど国王になりたい行ってるけど目的は?
なること自体が目的? NTR また裏切るのか? 誰?

18話 ☆10
このドロドロ感いいわ。
いつのまにかバッキンガムを本気で好きになってたんか。
この仮装シュールすぎる。
別に女装してもばれないのでは。レズ堕ち。
ヘンリー生きてる? 最初から女だったらこんな感じだったのか。
最後の家パートが悲哀感漂ってていい。

19話 ☆9
ヘンリーの話あっさり終わったと思ったからあれで終わりじゃなくてまだあったみたいで良かった。二人の仲が。
廃嫡したらしたらで事実認めてるようなものでは。

20話 ☆9
恋愛思考なバッキンガムと王になりたいリチャードどっちの考えも理解できるから辛いものがある。

21話 ☆9
リッチモンドの強敵感。
前回のリチャードを殺せって、もしかして、王としてのリチャードを殺せという意味だった?
こいつらいつの間にこんなにゲスくなった。
しょけえええ
序盤とは打って変わって段々と可哀想になってくるエリザベス。

22話 ☆10
一人で突っ込む。案外平和的なオチだな。
確かにバッキンガムが一番の茨。リチャードの方が歳上なのか。
EDへの入りがずるい

23話 ☆10
中毒じゃん。結核移りそう。議会ってこの頃からあるんだ。
処刑対策。負ける前提かよ。リチャード女っぽくなったな。
アンの話が合っての母親の話か。
アンもリチャードも母もだれにも気にかけてもらえなかったのね。
本当に話が繋がっててすごい。

24話 ☆10
怪しい。いつものナレーション遅いぞ。
やっぱりバッドエンド不可避なのか。
相変わらずの紙芝居。ティレルが身代わりになったということか。
最終回も最高だった。

OP1「我、薔薇に淫す」☆9
ED1「悪夢」☆8.5
OP2「荊棘輪舞曲」☆6.5
ED2「螺旋」☆9.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2022/07/02
閲覧 : 399
サンキュー:

1

ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 1.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

男と女の心が愛と憎しみに揺れ動く愛憎劇の傑作

【紹介】
イングランドで起きた史実であるばら戦争をモチーフにしたシェイクスピアの歴史劇を原案とした話
人物の関係や歴史背景などがとても複雑ですごくわかりづらいですが、背景が複雑なだけで意外と単純な話で、わかれば面白いです。
たくさんの人物の思惑が複雑に絡み合ったドロドロした愛憎劇なのと、BLが苦手な人にはつらいかもしれなくて、好き嫌いが分かれそうな作品
この作品を見るなら、人物相関図や目的なんかを1話ごとに紙にでも書いて整理しながら見るといいかもです

【はじめに】
最初に身もふたもないこと言いますが、原作漫画読んだほうがいいです!
私は「この漫画が凄い!!」って感じのテンションで妹からオススメされたので原作を読んでみたのですが原作はとても描写が細かく面白くて絵もとても綺麗で繊細で妖艶な感じの絵柄ですが、その美しさとシナリオの面白さが十分に再現されていないのでとても勿体ない。

【感想】
複雑で視聴はしづらいけど話は面白い。でも原作はもっと面白い。
正に愛憎劇で、ただ愛と憎しみと嫉妬と裏切りだけの話じゃなくて、愛のカタチも結構歪んでて一人一人の愛が重くてどんどん話がややこしくなっていくし、それぞれのキャラクターの意思が強くて絶対譲れない信念とか目的があるので、激突したりすれ違ったりする
そういった面倒くさい複雑な人間関係と重たい愛憎劇がこの作品の魅力!
{netabare}
また、主人公が両性具有で男の気持ちと女の気持ちの間で揺れ動く葛藤がさらに人間関係を複雑にしていて見ごたえ抜群です!
女の気持ちの時は恋愛対象が男で、見た目が男性っぽいし本人は男であろうとしているのもあってBLに見えるんですよね
私にはその時のリチャードは女の子で普通の男女の恋愛に見えるけど、BLが苦手な人にこれがどう映るのかはわかりません

主人公は母親から愛されずに育って厄介な身体で生まれてきて不幸だと思うけど、作中ではいろいろな人から愛されるようになったのは良かったと思います
今後リチャードが愛に目覚めて幸せになるのか、愛に溺れて不幸になるのかはまた別の話ですが

とにかくダメなのは人の作画とシナリオ構成、どちらも原作の良さを殺しています
こういう題材は多少間延びしてもいいから多めに枠確保してゆっくりやったほうがいいと思いますよ。もちろん作画の予算もちゃんとつけて・・・
コミカルなキャラクターを使って各話の冒頭に人物の相関図をわかりやすくまとめてくれれば視聴もしやすいと思う。
{/netabare}
【主人公について】{netabare}
主人公はヨーク家の3男
リチャードは両性具有という扱いで、男性でも女性でもあるみたいです
母親からは忌避され、父親からは愛され、男性として育てられたので男性であろうとしていますが、
恋愛対象は男女両方なようで、どちらにも惹かれている描写があります

男性として育てられたから女性が恋愛対象になるってことはたぶんないと思うので、男女両方恋愛対象なのは身体が影響しているのでしょうね
ドロドロ愛憎劇としては面白い設定ですが、どう考えても生きづらそうな設定ですね・・・
ポジティブに考えれば男にも女にもなれるとも言えるけど、私は絶対に嫌です{/netabare}

【キャラクター】{netabare}
原作の良さが十分に発揮できていませんが、それでも素晴らしいです。
みんなドロドロしてますね。戦乱の種があちこちにあって目が離せない。

主人公の設定が人間関係をより複雑にしていて面白いと思いました。
{/netabare}
【作画】{netabare}
背景の描き方で雰囲気は良く出ているけど人物作画は残念すぎます。
また、ほとんど動きがなく、止め絵ばかりでアニメと言うより紙芝居のようです。
原作の美しく妖艶で強い意志が感じられ、どこか儚さを感じる絵柄がまったく再現できてなくて、ただ暗いだけののっぺりした絵になってしまっています。
できるだけ動かさないように、顔を描かないように手を抜くならなんでアニメ化したのでしょうか?
また、話し手以外の顔を描かないようにするのは演出なのか知りませんが、より紙芝居感を増す結果になっていると思う。
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
何度も言いますが、これは原作の漫画を読んだほうが絶対にいいです。
説明不足で場面が飛び飛びなところがあってとても不親切でわかりづらい。大事な場面をさらっと流しすぎで勿体ない。

派閥、血族、愛、嫉妬、政略、陰謀、裏切り、復讐、利害関係、リチャードの複雑な気持ち
そういった様々な要素が背景にあって、誰がどんな行動をとるのか予測不能ですごく面白い話なのですよね。
ただ残念なことにアニメはただでさえ複雑でわかりづらい関係性が描写不足と低質な作画でさらに分かりづらくなってる。
原作から色々なシーンをカットして無理やり収めている感じ
失敗とは言わないけど納得いかないですね。本当に勿体ないことをしてる。
{/netabare}
【主題歌】
1クール目と2クール目で曲が変わりますが、どれも作品の雰囲気に合った良曲です!

【薔薇戦争(史実)について調べたことまとめ】{netabare}
わたしも詳しいわけじゃないので史実を調べてまとめてみました。

大雑把にいうと、フランス人の大貴族同士(親戚同士)による誰がイギリス領土を統治するかを決める内乱です。
中世ヨーロッパの国のほとんどは、国っていう意識はあまりなかったようで
中世欧州の戦争はだいたい国同士じゃなくて有力貴族同士(しかもみんな親戚同士)の勢力争いです。
だから欧州の王族はみんな似た顔しているんです。ちなみに今のイギリス王家は元々ドイツ系がルーツです。
第一次世界大戦の時に、家名が敵国ドイツの名前だからわざわざ変更したっていう経緯があります。
この作品から400年ほど前の1066年にフランス系のノルマン人によるノルマンコンクェストという事件が起きて
フランスの一諸侯によってイギリスが統治されていて、それを気に入らないフランス王と戦いになった。それが百年戦争。
その百年戦争の敗戦責任などの言い争いから発展して戦いになったのが本作のばら戦争です。
こちらはイングランドの有力貴族であるランカスター家とヨーク家(親戚同士)の権力争いですね。
{/netabare}

投稿 : 2022/06/29
閲覧 : 237
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12

§レイン・スターク§ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

★★☆

2022.6.29 ★★☆(2.9) 1度目観賞評価

投稿 : 2022/06/29
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Prospero さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

美しい音楽に乗せた難解なシェークスピアの物語

リチャードは中性だから、BLの話っぽいがちょっと違うのかな。
結局最後は周りの人間が全ていなくなって…ケイツビーと静かに生きていてほしいと思った。

投稿 : 2022/06/28
閲覧 : 198
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栞織 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

背景画に注目

原作の菅野文さんは、その昔「北走新選組」などで読んだことのある方です。今回アニメの他に、原作の無料コミックも目を通しました。かなり難解なイギリスの薔薇戦争の話が題材で、アニメ版も歴史事項を知らないと置いてけぼりっぽいです。私も詳しいことはわからないのですが、何かの本でこのリチャード三世は両性具有者みたいなことが書かれていたのを見た事があります。それにシェイクスピア史劇などでの話を加えているのではないかと思います。不勉強なのでそれ以上のことは言えないのですが、お話としては、ヘンリー六世?とこのリチャードの恋物語みたいな話になっていて、リチャードが女性と男性の心のふたつの間で揺れ動くのがテーマになっていると思います。それが、これまでよくあったBLものや男装の麗人ものではないもの風に描かれていて、今後どうなるのか非常に興味が湧く展開です。この作品はリチャードの生い立ちから丁寧に設定されており、一人の人間としてその心に迫っていると思います。

そういった両性具有者の話がこの作品の見どころなのですが、それ以外に特筆できるのは、背景画が非常にすぐれていることです。昔にアニメ界で活躍されていた、故・椋尾篁氏の画風を受け継いだもので、ムクオスタジオの方なのでしょうか、おそらく水彩画の洗い出し技法が、この作品のブラック・ファンタジーっぽい感じによく合っていると思います。アナログ画の手法でとても繊細な表現になっています。最近CGで描いたような背景画が映画「君の名は」以来主流になっていましたので、このような昔ながらの背景画は、私のような年寄りにはほっとします。惜しむらくは日本が題材の作品でない事が残念ですが、イギリス王室の話であっても、うまく作品世界を構築されていると思います。今後の展開に期待します。また最終話まで拝見して感想を書きます。

→8話現在、両性具有ではなくて、男装の麗人だという話になってまいりました。しかしリチャードはキャラデザインがほんと男みたいな感じなので、最終的にはどうなるのかと思ったり。たぶんでも女性ということでFAかな。見た目BLぽいというところが、この作品の売りなんでしょうきっと。

最終話まで見ました。両性具有ということで決着しましたね。あらすじは多岐にわたり,拙には説明できないので割愛させていただきます。バッキンガムが第二部で成長しまくりで驚きました。第一部ではちびみたいだったので、そこがちょっと違和感だったかな。リチャードは全然変化がなかったですからね。リチャードの父がリチャードの実の親でなかったという話で、父親はそれも知っていたとしたら、かなり罪な男だと思いました。しかしヘンリーが最後替え玉で死ぬとは思いもよりませんでしたね。リチャードはケイツビーと愛の逃避行ということで、ヘンリーが気の毒だったり・・・しかし第一部でリチャードを拒絶したから、当然の報いということになるのでしょうか。

全体的にリチャードが女性だったら、まさに多くの男たちに思われるハーレクインな展開でもっと楽しめたと思いますが、BLを全面に打ち出していましたから、私には今ひとつで作画もあまりよくなかったしで。ただ波乱万丈のお話でさすがシェークスピア劇と思いました。お話は楽しめましたです。

投稿 : 2022/06/27
閲覧 : 467
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3

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たくすけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:今観てる

作画が死んでる

シェイクスピアの作品を元に作られた話だそうで、話自体はそんなに悪くない。
王族のドロドロした話は嫌いじゃない。
女性向けだとは思うが、抵抗が無ければ見ていける。

しかし作画が低カロリーすぎる。
動きが少なくて静止画が多い。
イメージ映像見せられてる気分。

話はポンポン進むのでわかりにくい所はあるが1部と2部の間に総集編があるのでそこで補完。

声優は豪華で申し分ない。
主人公のリチャードに斎賀さんを起用したのは大正解。
一見男性か女性かわからないキャラにピッタリ。
プリパラやプリチャンの斎賀さんのキャラを知ってると尚更そう思う。
他の声優陣も十分。
芳忠さんが最初のナレーションだけなの贅沢すぎる。
本編に出してあげてくれw
ただ、作画が悪いのでドラマCDでも良いよねって感じ…

少女漫画ばりのキャラデザだったら良かったんじゃないかなと思います。
古いけどベルサイユのばらとか少女革命ウテナとかの感じ。
原作漫画は知りませんが。

評価は最終話視聴後に。

投稿 : 2022/04/16
閲覧 : 403
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2

mimories さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 1.5 作画 : 1.0 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 1.5 状態:途中で断念した

陰湿な色ボケ雰囲気アニメ

 
原作未読。

(6話視聴後→脱落)

ありがちなドロドロ愛憎劇。登場人物の感情だけにフォーカスしたようなシナリオで、理詰めの話が好きな人には全く向かないだろう。

誰かと誰かがくっついたり離れたり擦れ違ったり裏切ったりするが、なんともテキトーでヒネリの無い話は退屈だった。キャラも濃いようで深みがなく平面的。下品な描写にもついていけない。好みの問題なので逆にそういうのが好きなら凄くオススメ。

ハナシも作画も個人的には極めて低く評価してるので、さすがに24話も観ていられない。残念ながら脱落。

__________

(3話視聴後)

一言で表せばエロドラマ
おっと、メロドラマだったかな…?

キスとか抱き合うとか、そういう言葉が欲しい人には結構刺さるんじゃないだろうか。誰かに馬乗りになるorなられるポジションに胸が高鳴るアナタにもピッタリ。馬の作画は馬なのに全く動かないが、その挑戦的なスタイルに共感する漢たちにもオススメ。

「薔薇戦争」を描いた作品とあるが、間違っても戦記モノだと期待すべきでない。争いに翻弄されるキャラたちを描くために理由も解らず勝ったり負けたり泣いたりするので。
あと、紙芝居っぷりは凄いのでアクションは一切ないとご承知おきを。

OPテーマ「我、薔薇に淫す」とあるように(?)淫猥な気持ちで観れたら非常に楽しめそうな作品。
あとは連続2クールにわたる視聴をどう判断するかだろう。

投稿 : 2022/02/17
閲覧 : 773
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0

酒留母江 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 1.0 作画 : 2.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 1.0 状態:今観てる

原作が良いのでアニメも期待したが…

アニメ化を知り、原作コミックを3巻まで読んで予習。状況やキャラクターの表情、心理描写が細やかで素晴らしく、アニメもかなり期待したけれど、話の進むスピードが早すぎて、原作を読んでいないとついていけそうにありません。リチャードが父に執着する過程もかなり端折って、感情移入できず。声優陣はかなり豪華なだけに勿体ない。主役周り以外は人気声優にこだわらず、原作の良さにウェイトを置いて欲しかった。原作は完結しているようだが、限られた尺でラストまで映像化するためにこんなに急いでいるのだろうか。
自分は原作既読分まで視聴したら切って、原作をじっくり読みたいと思います。

投稿 : 2022/01/30
閲覧 : 666
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はなぬゆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 2.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:今観てる

紙芝居

アニメというには絵が動かなすぎ。まぁ動く紙芝居といったところでしょうか。
しかもその絵が下手という、どうしようもない状況。
ストーリーや雰囲気だけは良いのだけれど、下手な絵が気になって見るのが辛いです。止め絵を多用するのならば巧い人に描かせるべきかと。

投稿 : 2022/01/24
閲覧 : 451
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0

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観たい

女性向けですが歴史的でもあり、なかなか深く面白そう。主人公が半陰陽とは

薔薇戦争を舞台にしたリチャード三世とヘンリー六世の物語。シェイクスピアを元にしているとのことで。
教育的でもありますね。

主人公のリチャードは原作では醜悪な不具とあったのですが、それを半陰陽というように変更したのですね。

半陰陽(ふたなり)は男性向けエロマンガではややマニアックな好みの分かれるジャンルですが、私は大好きなので、半陰陽主人公にはちょっと注目。

ただ本作のリチャードはリアルに近い方、両方で生殖能力がない、男でも女でもない半陰陽、という感じのようですね。
男でもなく女でもない半陰陽のキャラクターというのはどうでしょうね。女子にはどう思われるのでしょうか。
私は男なんで勝手な想像ですが、性の役割を超越した存在ということで、ある種憧れをもって見られる面もあるのでは。
というわけで男でもあるから王子として戦争にも参加して違和感がないし、女でもあるから共感もしやすい。
といういいところ取りな面もあるのでは?
なんて思いました。

女性にはとても面白いのでは? と思う本作、少女漫画に特に抵抗がなければ男が見ても面白そうです。

投稿 : 2022/01/14
閲覧 : 375
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1

ネタバレ

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

3クール目くらいまでやると盛り上がるんだけどねぇ<45>

1話視聴。
止まってるなぁと感じさせる作画・演出、作劇に支障をきたすほどカットされてるお話ということで、結論としては漫画で読んどけばいいよね、と。
原作漫画もわりとスロースターターで
{netabare}
リチャードがぐずぐずと悩んだりポワワァーンとなったりしてる序盤はあまり興が乗らず。かと言ってカットすると後のエピソードにつながらず。
リチャードが覚醒して自身が王になろうという辺りが個人的には絶頂で、その後王になってからつまらない陰謀とこだわりで破滅に向かうあたりでまたテンション落ち気味。
{/netabare}

てな訳で、他のアニメでも演劇してるとよく出てくるのでこの機会に、とは勧めにくく。
替わりに「7人のシェイクスピア」を読んでブラックメタルバンドのようなビジュアルのリチャードを刷り込んでおくと良いでせう。

投稿 : 2022/01/13
閲覧 : 250
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0

大貧民 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

イメージアニメ

まるで、PVや予告動画のようだ。
内容も女子向けで、男の視聴者にはちょっと辛い。
歴史ものは嫌いでは無いが、なんか違う。
一話視聴で断念。

投稿 : 2022/01/13
閲覧 : 197
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0

saitama さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.5 作画 : 2.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:今観てる

初回から紙芝居とは…途中で断念すると思う

シェイクスピアかぁ。
題材は世界に通用するけれど、初回から見事なまでの紙芝居。
紙芝居コンセプトなのかな? それくらい紙芝居。

JCSTAFFなのかぁ、信じられんけど、最近のJCSTAFFって大量制作によるオーバーワークなのかなんなのか知らんけど、出来不出来の差が激しすぎる。

これは大外れだな。

テーマも…うーん、これ作るなら、パタリロ再放送で良くないかい?笑

初回でこれだと、先は期待出来ないだろうなぁ…。

投稿 : 2022/01/11
閲覧 : 248
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1

raimu さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:今観てる

微妙なスタート

よく分からないまま話がどんどん進んでいくから総集編を観てるようでした。
スタートの1話としては引き込まれないし、作画も良くないです。
1話切り。

投稿 : 2022/01/10
閲覧 : 166
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0

ゆた さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.5 作画 : 1.5 声優 : 1.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:途中で断念した

投稿 : 2024/10/05
閲覧 : 2

めー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/07/31
閲覧 : 6

fluid さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2024/01/13
閲覧 : 12

kochan さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2023/08/26
閲覧 : 15

暴走インコ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/07/19
閲覧 : 17

モリモリ7976 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/07/09
閲覧 : 16

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2023/04/19
閲覧 : 13

ののこ さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2022/12/27
閲覧 : 16

ドウ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/12/23
閲覧 : 15

銀くじら船ブリキ丸 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2022/12/13
閲覧 : 17

llil さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2022/12/04
閲覧 : 19

りほ さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2022/11/13
閲覧 : 14
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薔薇王の葬列のストーリー・あらすじ

中世イングランド。ヨーク家とランカスター家が王位争奪を繰り返す薔薇戦争時代。ヨーク家の三男として生まれたリチャードは、母からは「悪魔の子」と疎まれる一方、同じ名を持つ父からは真っ直ぐな愛情を受けて育っていた。 リチャードの願いは、この世の光である父・ヨーク公爵が王位に就くこと。だがリチャードの純粋な願いは、イングランドに戦乱の嵐を招くことになる。 さらにリチャードは、男女二つの性を持って生まれたという秘密があった。 誰にも明かせぬ秘密を胸に秘めたまま、リチャードもまた戦いの渦中に巻き込まれていく。そこで待つのは愛の温もり、絶望の痛み。痛ましくも美しい邂逅と別離が、「悪」への道へとリチャードを誘っていく――。
(TVアニメ動画『薔薇王の葬列』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2022年冬アニメ

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