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「Sonny Boy サニーボーイ(TVアニメ動画)」

総合得点
69.8
感想・評価
288
棚に入れた
803
ランキング
1704
★★★★☆ 3.4 (288)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.4

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Sonny Boy サニーボーイの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

いさ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

軽い鬱

しょぱなからよくわかない連発でまあ後半になれば
全体像程度はわかってくるだろうと思っていたら、。、
うん、やっぼりわからん 草
なんか意識高い系の思春期症候群はましイミフ
それでも見るモチベにしてた江口の美少女ヒロイン
なんと後半に退場 泣
それでも、現実社会に帰って君の名は。よろしく
生きていたヒロインと運命的出会いするのかと思えば
普通に擦れ違っただけ
しかも漂流中にヒロイン取り合う嫌な奴と付き合ってる
おまけまで着いてきて、なんかもやもやします~な

投稿 : 2024/07/23
閲覧 : 57
サンキュー:

1

ネタバレ

あと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

わかりづらいセカイ系SF青春なんでもありアニメ。

 学校ごと漂流した生徒たち数十名が謎多きこの世界からの脱出を試行錯誤して冒険する青春SF群像劇(?)
 アニメとして一話完結で何がなんだかわからない世界観で毎回考察でもしないとわからない、というよりわかりづらい作品なのであまり面白くはない。というよりは、そもそも群像劇でもなんでもなく、人生を諦観した主人公長良が集団から浮いた女の子二人と仲良くしながら持ってる能力を使って色々なことを経験して成長してなにかをするっていうアニメなので、エピソードごとのお話は奇想天外でなんとも不思議なお話で、ただそれも解決するっていうわけでもないのでモヤモヤはする。
 6話の時点で物語としての謎が明かされたり、非常に重厚で独特なお話で、毎話いろんなお話が出てくるので序盤はワクワクしましたが、多分特に意味はないですね……。
 最終回の締め方については、主人公長良の望んだ元の世界で、希がいる世界には戻れたけど、それは長良にとってのこの世界のようななんでもできるような望んだ未来ではなかった。現実を諦めて見ていた陰キャの少年が自分を変えようと思って、何かをしようとして走り出すけど、そう簡単に上手くは世界は回らない。望んだままに世界が変わる世界じゃなくなったわけだから。でも出会いはまたきっとあるんじゃないかな、わかんないし、知らんけど。世界を変える力なんてないんだからただ諦めるだけじゃないってことかな。まあなんというか、セカイ系だしエヴァみたいな現実に戻される終わり方だけど、なにかすることで自分を変えられるみたいなメッセージ性があったかな。
 まとめると、考察したい人には楽しめるアニメだと思うけどわかりづらすぎるしとっつきづらすぎる。キャラ自体は可愛いとは思うけどそういうアニメでもないし見ていて楽しいというアニメでもないし青春ドラマでも全くない。テーマはシンプルなのによくわかんない話にするのが多すぎて掴みどころがない。ただ、良いアニメだとは思います。結果的に言うとかなり良かった。全くオススメはできない。

投稿 : 2023/10/12
閲覧 : 115
サンキュー:

2

ネタバレ

Jet Osuga さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

むむむのむっw

なんじゃこの、ひねくれへりくつ説教アニメはっw! なんだかんだ言いながら最後まで観てしまった! お勧めはしませんけどw。

投稿 : 2023/09/18
閲覧 : 127
サンキュー:

3

ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

令和のセカイ系青春劇の力作。前半とっつき難かったのが残念、通して見れば良作

異世界・異能版の漂流教室な感じ?なセカイ系青春劇?全12話。
※作品データベース様より転載

【良い点】
漂流教室を更にセカイ系に尖らせた感じの世界観が興味深い。
(死後のセカイなのでは?)(現実と時間軸がズレている?)など「Angel Beats!」彷彿とする気配感じた。
空間も時間も歪み停滞しているセカイの異常さや、少しずつ島や各人の異能の法則を探っていく。
キャラデザ含めた作画が独特でアート的なのと、楽曲も併せて雰囲気がユニーク。

人生にも他者にも諦念抱いている主人公の長良が、孤高で独特な価値観持っているヒロインふたりとの関わりで成長する。
序盤に落ちた鳥を見捨てた→最終話の行動の変化で分かり易かった。
サブキャラ含めて会話劇に独特の含みあり、とっつき難いが妙に惹かれる。
希と瑞穂どちらもマイペースで他作品では見ないタイプで可愛かった。

各話とりとめが無くカオスじみていて困惑するが、世界観の考察は置いといて、各話ごとにセカイの縮図を示し
対する長良の心境の変化や成長を見ていくと、後半スタート地点から旅立つ辺りから朧げにテーマが見えてくる構成になっている。
序盤はセカイに対し各々が得た異能でこのセカイを変えられるんだ!な万能感に取り付かれたサブキャラたちの狂騒、
ラジタニ中心にセカイの法則解き明かす事も含めて少年たちの傲慢さ、そして滑稽さを表現していると思う。
対する長良の「世界は変えられない」という諦念が、中盤のアキ先生らの介入で揺さぶられていく。
ターニングポイントとなるラジタニがこのセカイの真理の一端を知り絶望する中盤過ぎ、
絶望的な真相を知って尚、長良と希たちが帰還を決意するまでの心境の変化が独特なタッチで描かれていた(気がする)。

長良たちがスタート地点の島から漂流する後半(津田犬登場以降)の方が、
より鮮明に長良に対する寓話的セカイ系の様相を呈していて面白かった。
一貫して「世界は変えられない」しかし、それでも生きていく…
最終話はビターな感じ、決して楽しい結末ではない灰色の日常だけど、セカイと自己の折り合いを付けるに至れた
漂流と出会いは無駄ではなかった。
一抹の切なさと、前向きで爽やかな後味を残す良き青春劇だった。

長良みたいな何者にもなれない青少年に対し「世界は変えられない」「だけどぼくが選択した世界だ」
と肯定的なメッセージを、一見支離滅裂で抽象的なセカイ系寓話を通して描いて見せた。
これは2020年代の新しい形の青春劇かもしれない。

【悪い点】
作画もキャラクターもとっつき難い。キャラは皆心を開いてないというか、生々しい不気味さも感じる。
見ていて楽しいアニメではない。
ラジタニら個性的キャラは複数いるものの大した掘り下げは無く、人間味に欠ける。アキ先生とか結局何なんだ?とか。
なので群像劇を期待していると思ったより面白くならない。むしろ個性が強過ぎるサブキャラの存在がノイズになっていた感。
本作は専ら長良の成長物語なんだけど、それが分かるのが後半まで見る必要があり、初見で分かりづらい構成に難あり。
青春劇として長良一強で、その長良が地味なので作品全般が地味に思える。
長良が顕著に成長見せるのが遅く、それまでは退屈しがち。

前半のセカイ系ミステリーやクラス内政治劇で群像劇か?と惑わせる割に主人公の影が薄い。
最後までというか中盤過ぎまで見ないと作品の意図が掴みづらい。
特に4話野球回は意味不明でストレスフル、この4話で見限った視聴者が多そう。
テーマ自体はシンプルだったのを、徒に難解に見せていたきらいも。
考察勢は楽しめても、そうでない視聴者には楽しみ所の軸が複数あり戸惑った。

【総合評価】7~6点
賛否両論のセカイ系青春劇。
正直面白くはなかったけれど、最後まで見れば意欲的な青春劇として良かったと思った。
完成度は「ワンダーエッグプライオリティ」を凌駕している。
後年振り返って味わう価値は十分ある。
もう少し分かりやすさと親しみやすさがあれば一段評価上げてた。惜しい。
評価はとても良い寄りの「良い」

投稿 : 2023/08/10
閲覧 : 151
サンキュー:

5

ネタバレ

Lilac さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

人生の節目に見たくなりそうな作品

一言で表すと鮮明に覚えている夢のような話だった。こういう作品にはなかなか出会えない。SFでかつスピリチュアルな作品で淡泊な演出で物語が進むが、たまに核心を突くような発言や描写がありはっとさせられる。もっとドロドロで激動を見せて欲しかったというふうに思わなくもないが、それはそれでこの作品の良さなんだと思う。時間を空けてもう一度見たいと思わせてくれる作品だった。

投稿 : 2023/05/21
閲覧 : 178
サンキュー:

10

ネタバレ

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

また余裕ある時にもう一度見返してみたい

序盤から面食らうような展開ながらそれでも最終話まで行けたのは作品が持つ雰囲気が大きかったかも。

一つ一つの話がそれぞれ作品になっているという印象で、さながら監督のショートフィルム集を見ているような感覚でした。

学校ごと漂流された中学生の少年少女の群像劇かと思いきや他の漂流物の作品とは違い、死ぬ事への恐怖とかサバイバルな感じが弱く、なんというか現実逃避に近い印象で、その中で主人公の成長が感じられた。

個人的には最終回が一番良かった。特に希が忘れている事を長良が理解して受け入れたところはちょっぴり切ないんだけど、長良が前を向く姿に希望を感じさせるものがありました。ただ、希の傍らに朝風がいた事に関してはそれまでの話での朝風のイメージがあるだけにちょっと腑に落ちなかったかな。

投稿 : 2023/01/03
閲覧 : 197
サンキュー:

8

ネタバレ

tot さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

異世界転生もの全盛時代へのアンチテーゼ

ブギーポップは笑わないの夏目真悟の第五監督作品。

意欲作だが、物語的な欲望(俗情としての期待の地平)を満たさない作品なので、あまり広く受け入れられない作品に見える。だが、異世界転生ものが現実の不如意を、ありうべき世界における「可能」へと反転させることで現実への意趣晴らしをするという、もはや繰り返されすぎたワンパターンであるのに対して、見るに値する珍しい作品だというべき。

物語は、ナガラ・ノゾミ・ミズホら中学のクラスメイトが、次元を異にするもうひとつの世界へと「漂流」したところから始まる。その世界は、かつて過ごしていた現実の世界とは異なるコピーされた世界で、そこでは各種の超能力が生徒達にそなわっている。それらの超能力と、生徒同士の摩擦と葛藤の中で獲得した「選択」への意志をとおして、最後にもう一度不如意な現実世界を再選択する、という構造になっている。

異世界転生ものでは、異世界で主人公は超能力を獲得し、周囲に抜きん出た力を発揮するが、この作品ではそうではない。ナガラの能力はむしろナガラを周囲から孤立させ、恋心を寄せるノゾミを世界から消滅させてしまう。セカイ系アニメでは「ぼく」と「きみ」の恋愛関係における結びつきが危機にに陥った世界そのものの救済とつながるのに対し、ナガラが選択した現実世界では、ナガラとノゾミは結ばれる結末にはならない。

だがそれでも、ナガラは末尾のシーンで、鳥を見捨ててしまう自己から決別し、その一点において、漂流した世界でノゾミから托された、もう一人のありうべき自己自身を選び直す。高校二年次においてはナガラとノゾミは結ばれていないが、すべてはこれから先の可能性に托されているという結末で閉じられる。

異世界転生ものは、その全能感と万能感ゆえに、想像力と現実世界の可能性の貧困をまねく。だがサニー・ボーイは、現実世界において可能な選択肢を選択する、凡庸で力ない選択を後押しする。現代においてこそ見られるべき物語はこういう物語だと私は思うが、しかしストレスフルな現実からの逃避が、欲望を意の儘にかなえてくれるフィクションの世界への没入である現状では、この作品が選択されることは少ないだろう。

それでも、アニメ的な魅力を最大限に生かしつつ、安易な欲望の充足にノンをつきつけた監督に、いいぞいいぞとエールを送りたい。

投稿 : 2022/12/18
閲覧 : 313
サンキュー:

4

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

Going My Way.

【概要】

アニメーション制作:マッドハウス
2021年7月16日 - 10月1日に放映された全12話のTVアニメ。

監督は、夏目真悟。

【あらすじ】

真っ暗な異次元空間に校舎があった。
校舎の外には無限の闇が続き、闇の中には何もないのかもしれない世界。
夏休みの折り返しを過ぎた8月16日。
その校舎に、36人の中学3年生が超常的な力で閉じ込められていた。

そこで少年少女たちは超能力に目覚めて、
その能力で好き勝手したい者、規律を求める者で意見が分かれていた。

元の世界に帰るという共通の目的があるはずだが、
明日の見えない異常な状況に巻き込まれていることで、
そのストレスで人を疑いやすくなっていて、
誰かを罰することで安定を求めたい者も、それでも冷静でいたい者もいた。

その集団生活の一人に、無気力で人生を諦めたような少年の長良と、
そして長良に話しかけるショートカットの帰国子女の少女の希がいた。

集団のルールで厳格に集団を統率したい生徒会と、
お前らのルールには従えないというグループによる対立。

彼らの歪な争いを横目に希は、この真っ暗な世界から脱け出そうと校舎から飛び出してジャンプ。
落下する希の手を掴む長良。長良が逆の手で握っていた手すりが壊れて落下する二人。

落ちた先は海で、校舎ごと36人は暗闇から無人島に転移していたのだった。
謎だらけの数々の世界で、元の世界への帰還への手がかりを探す彼らの長い道のりは続く。

【感想】

40年前には人気のジャンプ漫画家だった江口寿史氏の冴えないキャラデザ。
主人公は生気のないモブ顔。老猫が鼻水を垂らしている。
汚い男子トイレで脇役のおっさん顔の男子中学生がパンツおろして尻を出して便座に座る。
音は出してないけど、多分、排泄をしている。
その、おっさん顔の男子中学生が暴走した報復で全裸でうさぎ跳びを強いられる。

と、絵面が趣味じゃないな!と以前は余裕で1話切りだったが、今回はなんとか完走。

これがサバイバル状況下の険悪な人間関係に焦点を当てた作品か?
と予想すれば、部分的にはそうではあるが中心ではない。
謎の能力で物資は届くし、世界のルールだかで食べなくても餓死しない、
衣食住に不都合のないどこか温い異世界漂流生活。
よくわからない世界の法則を解き明かして次の世界に進む話?
現代社会の少年少女の心の行き詰まり、集団生活に適応することへのストレスや不安の話?

最初は36人いた生徒もシナリオ上に必要なのは5~6人程度で残りは殆どが意味がなく、
展開上の役割を終えた途端に長良たちとは別の道を選んで物語から消えていく。

このアニメのテーマは元の世界に帰ろうとする集団のドラマではない。

実は、長良少年を主人公にした不思議な体験を通じての陰キャの彼の成長の話。
市民劇団みたいな芝居じみたストーリーの連続でオムニバスにも似ている連続した物語。

それは、脚本を書いてる監督の頭の中にある、
ストーリーや思想や哲学を延々と聞かされているよう。
それでありながら、情報をフルオープンにするわけでなく、
作り手が断片的にストーリーを提示して、視聴者の頭で考えてくださいなスタイル?

いろんな話で毎回攻めてくるものの、何を言いたいのか実はよくわからない。
特に第4話で映像で見せずに暑苦しい口調だけで4分間も続く猿と野球の話の朗読が、
あまりにもつまらなくて苦痛だった。

ルールを守ることが世界の秩序を守ることであり、
ジャッジする者が情に流されてのルール破りで秩序を破壊してはならないジレンマ、
同調圧力に屈さずに最後までルールを守ったことで、
暴徒となった猿の軍団に殺された球審の猿は英雄だった言わんばかりの希の反応。
野球帽のおっさん中学生の長話とは、
自分も含めて漂流者となった生徒たちの集団生活のあり方と重ねていて、
答えは聞いたひとりひとりの心の中にあるのだろう。

モンキー・ベースボールはタダの彼の妄想や作り話だったのかもしれないし、
万事この感じで何が言いたいのかダイレクトさに欠けていて、
このアニメ全体が突拍子もなく支離滅裂で意味不明な話の集合体に思える視聴者もいる。

第6話の、ミミズを食事としてタコ部屋で雑魚寝をして何千年も労役している学生たちの話など、
監督の頭の中で紡ぎ出した夢のような妄想のような不条理な世界に、
あーだーこーだと考察するだけ実は無意味、理屈や法則なんて特に無いのだから。
ただ監督の妄想ホラ話に耳を傾けてなにか琴線に触れるものがあればいい、
といった類のアニメに思えてきた。

今どきの映像と音での感覚型、わかりやすい言い回しでのキャラへの共感型のアニメと逆の、
回りくどい言い回しで不条理丸出しのサブカルアニメ。
このアニメの創造主である監督はビューティフル・ドリーマーに憧れがあるのだろうか?

「頭の良い人間は わかりにくいことを簡単に説明し、
 頭の悪い人間は 簡単なことをわかりにくく説明する」

自分が頭がいい人間だとは思わないが、
見る者が困惑するアニメとは、
わかりやすく伝えることをクリエイターが放棄した自己満足の世界とも思えてくる。

と万事煮えきれないムードのままに進んでいくこのアニメのオチは、
現実世界はつまらなくて退屈で楽しくないことだらけだ。
思い通りになることなんて殆どないが、それでも前を向いて歩こうって感じ。
それはそれで悪くないけど、画作りが暗くてグダグダ喋るのが長すぎて、
観ていて大して面白いわけでもない。

第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品であるが、
この手の作品は審査員ウケと商業的成功が両立しない。

要するにマニアや審査員に評価されるように作っていて視聴ターゲットが選ばれる、
わかる人だけわかればいいアニメ、だから楽しめる人が限定的になる。
ゲージュツとは、そういうものなのだ。
商業的に振るわなかったとしても、
クリエイターが自覚して割り切っていればそれで良いかもしれない。
監督のコメントを自分は確認していない。

好きでもないのにモヤモヤ感と印象が残る、
なんとも不思議なアニメだった。
自分が今後これを見ることは多分、無いだろう。

銀杏BOYZの主題歌を頭の中で再生しつつ、
秒速5センチメートルにも似たビターエンドを思い出しながら、
自分は心のなかでこの作品に、そっとサヨナラを告げた。

ついでに言えば、瑞穂だけは嫌いではなかった。

これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/09/30
閲覧 : 259
サンキュー:

27

ネタバレ

エイ8 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

秒速?センチメートル

『Sonny Boy』(サニーボーイ)は、マッドハウス制作による日本のテレビアニメ作品。2021年7月から10月までTOKYO MXほかにて放送された。第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品(wikipedia)

一言で言うと雰囲気もの。何やらそれっぽい内容が続くけど言ってることはずーっと「前に進め」ただそれだけ。それを衒学的手法でコテコテに装飾しているだけで中身はむしろ空虚。ある程度まとめて見たこともあって酔っぱらった目上の人に繰り返し同じくだを巻かれ続けたかのような徒労感が残った。ストーリーも舞台も実のところあってないようなもので、作り手がやりたいことをやるためだけの空間でしかない。その中で脚本家がノートに書き溜めていたネタを小出しにして描いたかのような取り留めのなさが最後まで続く。

とはいうものの一応異世界に漂流した理由らしきものはある。例えばSFによく出るワープ、これは一旦その人の構成要素を分子レベルまで分解してそれを出力先で再構成させるという手順を取ることが多いのだが、では元の本人は実のところ分解された時点で死んでるのではないかという哲学的問題がある。逆に言うならば分解せずに再構成するなら二人の本人が生じることになり、本作品もそれに準ずるような形でコピーされた者達(或いはオリジナル)が漂流したという形をとる。なので、別の本人たちはちゃんと時間が進み中学を卒業していたりする(この辺の時間感覚設定は適当なので正直よくわからない)。後に瑞穂の持っていた能力ニャマゾンが(正確には猫たちのものらしいが)生き物にも適用されるコピーだという事が判明したことからも最低限の舞台設定自体は用意されていたと言っていい。もっとも、なら他の時代の連中はどうやって来たのかという問題も勿論あるのだが、まあ結局全ては黒幕校長の仕業ということにできるのでこんな合理的な疑問を持っても意味がない。作中頻繁に確率がどうこう言ってるが、ちゃんとしたSF考察班のもと作られてる感じは全くしない。

最初の印象は「うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー」。それっぽいだけの脈絡のない展開で異世界に閉じ込められ脱出を試みるという流れからして結構似てる。一応「ラム・ザ・フォーエバー」の方は様々な制約上わけがわからなくなったという経緯があると言われているが『Sonny Boy』の方は構成から見ておそらく初めからあんまり何も考えてないっぽい。

「たまたますごい能力を手に入れてさあ、女子達にも仲良くしてもらって、元の世界じゃいないも同然だった奴がさあ」
作中でこう言ったのは確か加賀君だったか。仲間からハブられてボッチ空間に隠れてた彼が後に長良に向かって言い放った台詞。わかるよ~、すっごいわかる。方や居場所がなくて追いやられた加賀に対し、長良は冒頭からただ教室に寝っ転がって天井見つめていただけで美少女帰国子女の希にずーっと気にかけてもらってる。その上チート能力付きの瑞穂にまで!何でお前なん?って思うのは当然だよねえ。これがエースだったり明星だったり百歩譲って朝風ならわかる。だけど何で長良?加賀と長良、能力以外何処が違う?と思っても当然だと思います本当に。

でも加賀は頑張ったんですよ。あき先生の下で皆勤賞まで果たしてスピーチまで任されるまでになって。だけど意中の骨折ちゃん(てかこの名前酷すぎない?一応つばさと言う名前があるのにスタッフロールでは骨折)からは心を読まれてキモがられる。パッとしない男子が手負いの女子相手にイケるんじゃね?って展開もありがちと言えばありがちだけど、彼女はそんなんより他の女子に恋してるイケメン?の朝風に首ったけなのだ。まあ中学生であることを差し引いても男女の関係は大体そういうもんではあるのでしょうけど、これだといよいよ長良が女子に囲まれる理由がない。一応瑞穂の方は彼が猫を助けたくだりに想う事があったと見ることができるが、その後の展開を見る限り長良に執着する理由としては薄い。希の方はもっと謎なのだが。

結果的に元の世界に戻った長良と瑞穂。瑞穂が何故最初長良のことを知らない振りしたのかは全く理解不能だけど、結局覚えてた。ここは長良の選んだ世界で、希が見た未来。だとすると?希ちゃんは生き延びて朝風とイチャラブできる世界を見ていたってこと?彼女は異世界で朝風と付き合えない理由としてこう言った。
「朝風を尊敬できない」
だとするとこの世界では出来たってこと?
「またバスケ部のやつらに助っ人に頼まれてさ~」
なるほど、スポーツ万能の男子を尊敬するのはJKとしてごくありきたり。彼女が欲してたのは重力を操るような厨二能力などではなく単に普通のスポーツマンだったようだ。だったらエースの方に靡けよと思うけどね。ブロンド相手には勝てないと思ったとか?

「あの島でのあんたが、まだ少しでも残ってれば、大丈夫だ」
そう瑞穂は言って長良の背中を押した。なのに結局朝風とイチャコラする希を前に何も言えない。そして一人黙って立ち去り、微笑みを浮かべる。いや何わろとんねん。
「もう一回、友達になろうって、絶対に、断らないって」
希とそう約束してたやろ?何自己完結してんの?別に断られてもいいじゃない、キモがられてもいいじゃない。約束したのはただの「友達」だぞ?「恋人」じゃないんだぞ?でも彼はそれすらしなかった。
彼女が幸せに生きてくれているだけで良いとか考えた?だったら初めに再会した時に「生きてるだけで丸儲け」とか思わせとけよ。明らかに未練たらたらだったじゃねーか。それとも「やっぱりあいつ別人だからもうどーでもいいやw」の方か?いずれにしろおじけづいて自己正当化したことを成長とは言わない。

結局のところ、異世界での長良は一カケラも残ってかったことを意味しちゃうんですよね、これ。作中で散々前に進め進め言われて、それまで誰も成し得なかった現実世界への帰還を果たしても尚一カケラも成長してなかった長良。
「飛べるようになるまで、私が面倒見ようかな」
最後、怪我した鳥にそう言った希。長良……お前まさか自分が飛べるようになるまで希に面倒見てもらった(だからもういい/だからもう相手にされない)とか思ったんじゃないよな?言っとくけど飛べてないからな?現実世界じゃ。もしその論理が正しいなら空白の中学時代でも相手にされ続けてる筈だけど、向こうはうっすらとしか覚えてないとこ見ると関係性全然築けてないからな。

実際問題、新しい現実で希と長良の間に全く関係性が築けてなかった意味がわからない(加賀とは築けていたようだがw)。初めに二人が出会ったのは漂流前で、その頃から彼女は長良を気にかけていた。逆に言うならば、何故異世界で希は長良を気にかけ続けたのか意味がわからない。帰国子女で話せる人が長良しかいないというのは最初だけの話。能力自体にはこだわらない(筈の)希が彼に執着する理由がないんですよ。帰りたいんならラジダニの方がはるかに重要人物だし。
静止した存在だから人間関係が変わらない?それだと長良と瑞穂、ラジダニが仲良くなる理由がない。せめて漂流後初めて仲良くなったとかだったら異世界での希は単に長良に都合よく設定されただけの偽りの存在とかできたんだけどね。あき先生が現実と違うように。実際心を読まれても何の偽りもないのは希だけというチートっぷりだし、案外そういうつもりで誰かに作られたキャラという可能性はある。まあそれはそれで誰が何のためにという疑問がでるけれど。長良には人を作る力はない筈だし、当時の瑞穂が(仮に出来たとしても)そんなことする義理もない。本作品がセカイ系である大前提はあるが異世界での希の存在はあまりにもラノベ的で長良に都合が良すぎる。

「ここから出てはいけない」
校長先生(表記上はヴォイス?)はこう言った。なるほど、戻ったところで成長なんてしてないからね。静止してたわけなんだし当然かwというか何故二年経ってんの?本人たちは静止してるのに?卒業式を見たから?まあこの作品に合理的な理由を期待してはいけません。初めから雰囲気しかないんです。

結局全然設定を活かせてない作品なんですよ。というか活かす気なんてさらさらないただの舞台装置。36人も一緒に連れてったのに活躍したのはごく一部。それも当初重要な役割を担っていたと思われる明星とその生徒会の面々やエース達一派もすぐに持て余し6話の時点でさっさとお役御免にし舞台から追っ払い希の葬式にも参列させない徹底っぷり。
そもそも名前の時点で作り手の入れ込み度合いがわかるというのもどうかと。長良や希ら主役級には名前を与えて脇役はポニーwキャップw上海w(明星はどっちともとれる)。一方更なるモブキャラになると今度は名前が与えられる。村山、犬山、加賀……とは言え「はやと」のノートによると上海以外はちゃんと名前があるみたいだけど、なのにあえて属性化したのはただの装置でしかないから。

朝風も一話の時点では「パッとしない」奴だったのにいつの間にか現実世界でもすごい奴扱いになってる。この辺は単純に設定忘れただけ、というか気にしてなかっただけだろうけど。
あき先生が実は同い年だとか校長先生が黒幕だとかやまびこが犬になったりならなかったり最終話に出てきた意味深金髪だとかぜーんぶ適当で雰囲気だけ。後インド人なのに仏教徒とか……勝手なイメージで作ったキャラでしょラジダニって。普通はヒンドゥー教徒だと思うよ。

MANTANWEBというところに監督インタビューがあって、最終回は「前向きな終わり方」にしたとあるが、ちょっとよくわからない。前向きなのはこのオチを前向きとした監督自身な気がします。「雨のシーンが続き、最後に雨がやむけど、夜なんですよね」……そんな小手先の演出ドヤられても……というか、そんな枝葉のことばかり気を取られてるから本筋がおろそかになるんじゃないでしょうかね。作り手が前向きだとか成長したとか言えばそういうことになるわけではないと思いますよ。
「やり切った 言いたいことは言えた」ともある。そりゃそうでしょ、じゃなきゃ9、10話のシナリオ執筆時で行き詰ったりしないでしょうから。
(一部他作品である「秒速5センチメートル」の核心にも触れるのでネタバレ扱いで隠します。)

{netabare}
この作品のオチってほとんど秒速5センチメートルなんですよね。昔の女に会ったけど何も言えず笑みを浮かべるってw音楽も山崎まさよしが銀杏BOYZ(12話挿入歌はミツメ?とのこと)になっただけだし。まさかクリエイターが天下の新海大監督の作品をチェックしてないとかありえないと思うんだけど、まあ「あえて見てない」とかありそう。結局予定調和的な「希にアプローチする、或いはしてもらう」という「ありきたりなラスト」を避けた結果大迷作と同じオチになったというオチだったら逆に嗤えるんですけどね。ちなみに秒速の方の笑みは実は女がどうこうは関係なくて「桜が咲いて綺麗だなあ」ということを監督が舞台挨拶で言ったという話もあるんで、案外こっちも「雨が止んで良かったw」ぐらいなもんかもしれないね。だけど、約束破棄は重いですよ。成長物語なのだとしたら尚の事。ただひょっとしたら私小説的側面のある作品なのかなという気はちょっとしました。
{/netabare}

一応、映像表現自体はヘタウマという感じだが上手ではある。80年代風味の描写で、わざとセル画数を減らしたかのような表現も悪くない。ただ無駄なサイケ演出はチカチカするだけで鬱陶しいことこの上ない。結果的に中学生の制服の着こなし描写だけが際立つというヘンタイじみた評価となるわけですが。まあそんなんでも第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品になれちゃうんです。雰囲気は正義。

この手の雰囲気ものってどうしても評価が高くなりがちなんですよね。確かに無心で見る限りはそこそこ楽しめる作品ではあるんです。後味は最悪ですし論理的にはグダグダもいいとこですけど。
だけどこれを評価すると似たようなことをやって華麗に散った「グラスリップ」が浮かばれないんで心を鬼にして順当に低評価とすることにします。ちなみにこの辺を上手くやって名作との呼び声をほしいままにしたのが「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」。個人的にはこれもあまり評価してませんが。

ただ同じ監督の「ワンパンマン」の一期に関しては悪いイメージ無いんで、やろうと思えばこういう一般受けするのもできるんでしょう。変に尖った厨二な作品なんかじゃなく地に足付けた普通の作品の方が良い気がしますが。バスケアニメの助っ人とかどうです?おすすめですよ?(^^)

投稿 : 2022/07/09
閲覧 : 365
サンキュー:

8

ネタバレ

Tokusa さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

もったいない作品

よくもまぁこんな企画が通ったものだと感心した。全体的に設定をあれこれ詰め込みすぎ、広い世界の部分を切り取って描写していることは理解できるが特に前半部はシーンの切り替わり、人物の動きが唐突で視聴者に付いてきてもらう気が皆無に見える。感覚的には、山盛りの皿を出されて食べ終わる前に下げられ、次の皿が出てくる繰り返し、満腹にはなるが満足感は得られない。同じ夏目監督のブギーポップ2019でもそうだったが、話数ごとのクオリティが極端に違う。比較的線の少ない絵なら作画の乱れがごまかせるかと言えば大間違いで、シンプルな絵こそ崩れてしまうと見るに堪えない。
ずいぶんな酷評をしたが、作品中盤からテンションが上がってくる。第8話「笑い犬」は一つの話としてとてもまとまりがよくできている。10話以降は終わりに向けてはっきりと方向性が定まってストーリーの流れが良くなり、コンテや作画の質も各段に良くなる。長良と瑞穂が走るシーンが素晴らしい、この勢いを最初から見せてもらいたかった。異世界転送物としては珍しく、戻った後の話がきちんと描かれ単なるハッピーエンドに終わらない。ボーイミーツガールの定石を崩した結末もたまには悪くない。個人的な好みが問題かもしれないが、メインヒロインであるはずの希が周りの皆とは違う個性キャラのつもりでデザインしたかったのだろうが没個性的で好感をもてず、長良に感情移入できなかった。自分なら瑞穂一択! 声もいい! 犬もネコもプリティ!! 
冗長すぎる超能力謎解き話はバッサリ切って、2時間の映画もしくは6話アニメぐらいの長さにまとめれば良作になり得たのではないか。つくづくもったいない作品だと思う。

投稿 : 2022/02/24
閲覧 : 224
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5

ネタバレ

U さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

C. ネタバレ注意 – ひまわり派、タンポポ派?

マッドハウス制作のオリジナルアニメ
原作:夏目真悟 キャラデザ:江口寿史

異次元に飛ばされた36人の生徒が協力したり、誰かを責めたりしながら
元の世界に戻りたいと行動したり、この世界で生きていくと決心するファンタジー?SF?


<メモ>
2回観たけどよく分からない話でした。
話が繋がっているようで繋がってないオムニバス?

元の世界に戻りたいと願ったのは36人中2人だけ。少なくない?

長良と瑞穂が戻った世界には自分達の本体(コピー元)がいなかったし
死んだはずの希が普通に生活していたので元の世界ではなく長良が選択した別の世界に移動しただけなのかな。

元の世界の2年後っぽい世界に戻った高2の長良は
アルバイトして自活してたり、雛の心配したり少しは成長したようだけど
瑞穂に知らないふりされたら諦めたり、会いたかったであろう希に声をかけなかったり。

未来は自分の選択で変えられるっていう話かと思ったのだけど違うのかな。


<主要登場人物>
・長良:市川蒼 エスケープ・観測者(自分のいる場所を丸ごとほかの世界に移動できる能力だと思われていたが、実際には“この世界”そのものを作り出す能力)
・希:大西沙織 コンパス
・瑞穂:悠木碧 ニャマゾン
・朝風:小林千晃 重力を操れる
・ラジダニ:後藤ヒロキ

・やまびこ先輩:津田健次郎


<ストーリー>
~ HPより
長い長い夏休みも半ばを過ぎた8月16日。学校に集まっていた中学3年生・長良たちは突然、思いも寄らない事態に巻き込まれていた。
長良自身はもちろんのこと、謎の転校生・希や瑞穂、朝風ら、36人のクラスメイトとともに、学校が異次元に漂流 してしまったのだ。
しかも彼らは、漂流と同時にさまざまな《能力》を入手。人知を越えた能力に大喜びし、好き勝手に暴れ回る者もいれば、
リーダーとして他の生徒たちを統率しようとする者も、元の世界に戻るための方法を必死で探す者もいる。
次々と浮かぶ疑問の渦の中、理不尽に満ちた世界でのサバイバル生活が始まりを告げる。
果たして長良たちはこの世界を攻略し、無事に元の世界に帰ることができるのだろうか… ~


中学3年の生徒36人は、校舎しかない世界で超能力をもてあましていた。
窓の外は真っ暗な闇で行動範囲が学校内しかなかったが、希と長良が暗闇に飛び込むと空間が開け山や海が広がっていた。

サバイバルのような生活がはじまるが、この世界は復元能力があるようで怪我が治ったり、減った食料が補填されたり、
瑞穂の猫がニャマゾンで必要なものを運んでくれるので生活に困ることはない。
青い火、人が真っ黒になってフリーズ、モンキー・ベースボールが行われているというエピソードの後

長良とラジダニはフィルムメーカーを使い未来の映像に自分達をカットインさせれば元の世界に戻れるかもと考え試してみるが、そこには自分達がいた。
漂流している自分達は本体ではなくコピーだったのだ。


突然あき先生が現れ
「元の世界には戻れない。前の世界にいる時から能力を使えた人物がこの漂流をおこしたのだ」と言われ
生徒達はエスケープという能力を持つ長良を疑う。
実際はさくら(白猫)がコピーして長良が世界を作っていた。

あき先生と行動を共にするもの、明星(内藤有海)と共に箱舟で新天地を目指す物、ラジタニは航海の冒険に旅立つ。

そして、長良、希、瑞穂は島に残ることにする。

骨折(尾崎由香)に会いに行った希は朝風と「戦争」を攻略中に溝に落ちてしんでしまう。

残された長良と瑞穂はラジダニの力を借りて元の世界に帰っていく。


21.10.22

投稿 : 2022/02/13
閲覧 : 314
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8

ネタバレ

するめ♀ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

まるで、国語の教科書に載ってそうな、深読みのお話

備忘録としての感想

物語について
とても難しい。
国語の授業で取り上げる小説のようで、かのSTEINS;GATEや転生ものの心持ちで見るとまるで違う。

世界は変えられない。だが未来は変えられる。
と、考察ブログで見たが、まさしくその通りだった。
未来を自分でつかみ、中学3年生の夏から卒業まで、そうなるべきだった未来を、中学3年生の夏に果ての島に行ったことで変えられた。

変えた世界では、この世界で振っていた朝風と付き合う希がまた、なんとも言えなくなった。

この世界のキャラクターと、未来の世界では、性格が違っていた。ということである。

ただ、そこまでのストーリーが長く、難しく、登場人物の心情を読むようで、見ていて少し疲れた。

作画は、時々7倍録画では追い付けないほどの変わりようで、ちょっと不気味である。

声優は、最近の声優が分からないので何とも言えないが、特に悪くはなかったので☆3

音楽は作中にほぼないので☆1.5

キャラは、ラジタニの顔が少し怖く、なんなら全体的にアニメでありながら、現実に寄せた絵なので、リアリティと怖さがあった。

ともあれ、ながら見はおすすめしない。
無音のシーンなどがあるので、ちょっとだけ集中して見るのがオススメ(特に後半)

投稿 : 2022/01/24
閲覧 : 237
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3

ネタバレ

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

最後まで観れたのが評価って事かな

オリジナル作品(2022.1)
観念的で抽象的な世界観の中で、中学3年という、大人とも子供とも言えない生徒達を俯瞰的に捉えて眺める・・・そんな感じだったかなぁ。
そこに意味を求めても意味はなく、答えを求めても答えはない。でもすべてはここにある。そう全てはサガにある(嘘)。

私のツボ:世界中が敵だった

投稿 : 2022/01/18
閲覧 : 247
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3

ネタバレ

ドウ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

独特な雰囲気もあり人を選ぶかも、自分はお気に入り。

結構お気に入りの作品に出会えたようです。感動しました。
学校ごと異次元に漂流してしまったキャラクター達の理不尽なサバイバル生活、ぱっと見設定は「漂流教室」に近かったりしますかね。

最終回観終わった後の余韻も凄かったです。
観ていて「その終わり方はやめてくれ~」とも思ったのですが、「切なさ」も含んだその余韻にエンディングが流れている時には拍手していました。

SF作品でしたが内容的には、物理的に無茶な展開やツッコミたい点もいくつかありマイナスポイントもありました。
ただそのめちゃくちゃな所に放り込まれたキャラクター達の感情の機微や、ボーイミーツガールという側面でも面白かったです。
ボーイミーツガールとしての見方でも、{netabare} セオリー通りの「この男女はくっついてハッピーエンド」とかでもなかったのも面白い点ですし。{/netabare}
例えば「出会いと別れ」という点においても現実の日常にありふれた「人と人との繋がりや出会いと別れってこんなものだろう」ぐらいの距離感がとてもリアルに描かれていて。起こった事はめちゃくちゃファンタジーなのですが、その中に見える色々なところのリアルさが自分に突き刺さった部分は大きかったです。

最近観たSF作品では、自分の中では「宝石の国」以来の良質なSF作品でした。
特に印象に残っているエピソードは最終回と第8話辺りでしたね。
第8話ではこの作品に登場するキャラクターの中でも特に上位に入るくらい好きな「こだま」が登場していて、そのエピソードも印象的でした。

作品全体として結構印象に残ったので、起承転結自分としては大満足でした。
この作品を作ってくれた制作陣、クリエーターの皆様には「素敵な作品でした、ありがとう。」と伝えたいです。

投稿 : 2022/01/07
閲覧 : 226
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15

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とりあえずの簡単な感想

 キャラクター原案が江口 寿史氏ということで、全体的雰囲気は懐かしい感じ。

 作中でも触れられていたが、設定などは楳図 かずおの「漂流教室」を思い出す。
 「漂流教室」もそうであったが、本作もある集団が他とは隔離された状況に陥ったことによる、
主導権争いや非同調者の排除などの「集団ヒステリー的鬱展開になるのかな?」と思っていたが、
案外そうでもなかった。
 クラスメイトの長良、希、瑞穂に対する態度など、一部にそういった要素はあったが、
特殊状況におけるキャラの関係性より、個々の心の有り様に焦点を当てていた感じ。

 非現実的な設定や世界観などもSFやファンタジーとしてのそれよりも、キャラの心情や
状況の比喩的なものといった感じで、そういう意味ではエンタメ作品より文芸作品のある種の
ジャンルに近い印象。
 こういう作品は何度か観返して考察するのが楽しかったりするのだが、最近は時間も気力も
なく、そういうことはやっていない。
 そういう意味では本作に関して理解していない部分が多々なのだが、不思議と雰囲気や
キャラの魅力だけで楽しめてしまう作品はあるもので、本作もそんな感じ。

2022/01/05

投稿 : 2022/01/05
閲覧 : 219
サンキュー:

5

ネタバレ

ゆうゆう さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 1.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

1話1話の話としては悪くないけど・・・

話としては結構面白いのですが、最近の販促商法なのか時系列がバラバラで初見では理解しにくいですね。
原案は江口さんなのでキャラも今風ではないが好きです、正直ちゃんと時系列でやったほうが良いと思います(少しのフラグ回収は良いです)
ビーチ〇ーイリバーサ〇ドと同じで面白いのにワザと難解にして失敗した作品かな
最後に話としては悪くないです、あと途中から他の生徒完全に蚊帳の外、生徒達の能力も掘り下げて欲しかった、そしてもう少しアノ先生が何故あのようなことやってるとかのフラグ回収して欲しかったです。

投稿 : 2021/12/15
閲覧 : 233
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3

ネタバレ

ハニワピンコ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

理想の高すぎた意欲作

何が面白いとか何が起こってるとかはイマイチ分からないんだけど、なんとなーく見てる作品
高校生が謎の世界に飛ばされて、そこで生活していく中で起きるトラブルや与えられた試練にどう立ち向かっていくのか系?
といっても、仲間内での不毛なトラブルから見える幼さやしょうもなさに呆れながら見てる感があって、面白いとは感じてない
能力も謎が多く、それぞれが一つ何かしらの脱出のための重要なとなる能力やらを持っていそうであったけれど、数十人も描くことは無理そうだから結局数人で解決していくんだろうなと


とまぁかなり序盤の頃、2.3話見て感想を書いたのを最後に理解して書くのを諦めた作品

この作品、マジで変に複雑に描き過ぎている。能力に関しても、世界に関しても基本的によく分からない。そんな中でなんとか全話見切って辛うじてテーマを探し出して一応この作品に区切りを付けた

様々な意味を含んだ"漂流"の中で自分はどう考えどう選択するかということを多分テーマに、様々なキャラの迷いや後悔からの"漂流"をそれぞれ描こうとしていると思った
まぁ、テーマは正直良かったと思う。ただのサバイバルアドベンチャーかと思ったら意外と深く、ハマれば名作になっていたと思う

やっぱ、展開から結末までを楽しめて見れたと思えなければどれだけテーマが良くても自分にとって良い作品とは思えないかな
この作品はテーマが独り歩きし過ぎて、描きたかった"高尚な物"へは、アニメとしての描写の複雑さと説明不足さによって全く届いていないと思う
少なくとも、自分はそう見えた。しかし、この作品になんらかが"見えた"他の人はどう感想を綴ったのかはとても気になる

そんな感じで、『ひぐらし』とかいう爆弾以外は比較的平穏だった夏アニメ界に突如として現れて、やりたい放題やって走り抜けた、まさに雷騰雲奔如き作品である『Sonny Boy』の感想は以上となります

投稿 : 2021/11/25
閲覧 : 255
サンキュー:

12

ネタバレ

アベベ晴明 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

酩酊者が一気に書き上げたような感じの話

といっても別に否定してるわけではなく、脈絡なさすぎて見てる方までまるで夢見てるようなそんな印象。
序盤は結構退屈に感じた。
中盤以降は少し持ち直すけど、終盤でヒロインロストしてサブヒロインと一緒に現実に帰るとかなんとかいってるあたりでなんか説明臭いというか、「どっかで見た話」から脱げ出せてない、というか…

子供に見せてる分にはシーンもコロコロ変わるんで、存外悪くないかもしれない。

投稿 : 2021/11/17
閲覧 : 188
サンキュー:

3

ネタバレ

teji さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

まったく 意味が分からなかった

まったく 意味が分からなかった
最初から最後まで 意味わからなかった・・

投稿 : 2021/10/25
閲覧 : 259
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3

ネタバレ

hidehide さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

自己満

何年か、何クールかに一度湧き出る、
作者、作画、構成、等など…
制作側の誰かの自己満作品にしか感じませんが。

…と、
低評価、低レビューを掲げると、
『さも』解った(と思っている)方々の
お叱りを受けるのでしょうか…

アニメでしか映像化できないから、
又は、そこまで本気じゃないんで、と
アニメ化したが、本来は実写寄りで
観る人を選ぶ作品なのではないですかね。

実写化してはいけないアニメ同様、
アニメ化しなくていいアニメ。

アニメとして面白いか面白くないか?

正直、面白くない。

投稿 : 2021/10/12
閲覧 : 351
サンキュー:

10

ネタバレ

けいP さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

哲学アニメ?

最初は閉じ込められた学校の中で
中の生徒だけでやり取りする
アニメなのかなと思ってたのですが、

舞台がコロコロ変わり、
登場人物が増え、
中には2000年も漂流?
している奴とか現れて
訳わかんなくなったw

3話目あたりからストーリー
分かんなくなってたけど、
全部観ました。

キャラデサが有名なイラストレーターの方で、
作画も一般的なアニメと違い
なんかカジュアルな感じ。

登場人物のセリフも
意味深な発言が多々あり、
なんか深い話の様な
雰囲気だけは楽しめた。

投稿 : 2021/10/10
閲覧 : 252
サンキュー:

12

ネタバレ

スイキ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

青春漂流もの考察アニメ

青春漂流ものアニメ
突然な不思議な世界に飛ばされる内容

なかなかない不思議雰囲気をもつ作品

一度観ただけだとキャラの心情が終えきれない
考察が必要なアニメ

投稿 : 2021/10/10
閲覧 : 190
サンキュー:

1

ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

うん よくわからん

感想

これもオリジナルですかね?
なんか見たことあるキャラデザで、いやに古いなぁって思ってたら、コレ『ストップ!! ひばりくん!』書いてた江口寿史さんなんですね。どうりでと言った感想。

ジャンプで連載された 令和版「空飛ぶ教室」ですかね?(似てないか)
「空飛ぶ教室」は、核兵器で汚染された近未来での小学生達の話ですが、こっちは中学生で異世界へ飛ばされた話。
因みに、楳図かずお氏の「漂流教室」は未読なので分かりません。

飛ばされた異世界では、何故かそれぞれ異能力があるし、なんでもアリな世界なので、観てて「わけがわからないよ」状態がしばしば。
初っ端からこうだと視聴意欲も湧かず・・・序盤の内からながら見でした(長良だけにw)
あ、そうそう 主人公の長良って、僕が住んでる地名と同じ読み書きなんですよね。
なのでちょっと親近感勝手に湧いて観てました。

クラスメイト36人が異世界で漂流し、仲間とのいざこざ等、いろんなことがあって最後は無事帰還できたけど、正直ながら見だったので、人間関係とかイマイチ把握できてないしで、結局何が言いたかったのかよく解ってないです。
なんの役にも立たないレビューでさーせん。
本編をしっかり観てた方のレビュー読んで補完したいと思います。




 

投稿 : 2021/10/06
閲覧 : 226
サンキュー:

25

ネタバレ

tt さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

なぜか心惹かれる、見ていてワクワクする作品

最後まで見ても、色々と理解できない設定とか会話が多いが、なぜか見続けてしまう。今までに無い感じの漂流物で、好き嫌いは当然別れると思いますが、私はとても好きな作品で、面白かったです。

SF? Horror? Suspense? ジャンルが今までに無い感じで新鮮でした。 多分、青春物ぽい?

私が知ってる漂流物
・女神転生・if(Game)
・エデンの檻
・漂流ネットカフェ
・漂流教室

能力が使える設定、女神転生? でも、どれにも当てはまらない感じだし・・・ 本当に不思議な世界観とジャンルでした。
製作者の意図やメッセージもよくわからない、なんでこれを作ろうとしたとんだろ?、だけどなんか見てしまう中毒性、何が面白いの?と聞かれたら、なんて答えればいんだろ><
他の方のレビューを見て、参考にさせてもらおうw

投稿 : 2021/10/05
閲覧 : 205
サンキュー:

7

ネタバレ

まつまつ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

挑戦的な作風そしてかなり難解

世界観が自分には難解過ぎて1回の視聴では理解出来なかった。
かといって2周したいかというとそうでもない。

かなり賛否両論が分かれる作品だと思う。
演出もかなり挑戦的だと感じた。

内容としては漂流教室もので、学校が突然異世界に移動してしまい、
生徒達には何かしらの能力が備わるようになる。
ただその能力は個人差が大きく、強力な能力を持つ者が強者の世界となっている


そして漂流している人間は実は相当数いて、共通なのは同じ学校の生徒である事、だが漂流した時代は大きく異なるのでその世界で数百年生きている者もいる。

この漂流した世界にもあらゆる世界と時空が存在していてその世界を行き来する。

この世界の解明にはラジダニという天才の力があってこそ。

合っているかは分からないがざっくりとはそんな感じ。

作画はマッドハウスで何か昔の今敏監督作品を連想させられた感じがする。
そして音楽の使い方がかなり特徴的。
本当に必要最低限しか使わない。
その分演者の演技力が試される感じがした。
OP曲無しというのも珍しいしEDの銀杏BOYSや挿入歌のアーティストも
なかなか通好みの選曲。

他の方のレビューも見させて頂いたが、そう解釈出来るのかと感心させられレビューも多数。
理解出来る人の考察能力の高さが凄いと思わされてしまった。

投稿 : 2021/10/04
閲覧 : 252
サンキュー:

13

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

「希」が主人公に残したもの、「希」の本当の意味、「瑞穂」の本当の役割

この作品は、全体を通して最後に静かな感動が待っています。
それは、漂流中の1話1話で、何かを判断できるものではないからです。
主人公も現実に戻った時「漂流は本当にあったのかな?」と言っています。
それだけ主人公にとっても漂流は、全部ひっくるめて「何か」だったからです。

自分は、最後の2話は、すばらしかったとしか言いようがありません。
それは、「希(のぞみ)」と言うヒロインの本当の存在理由が分かるからです。

現実に戻った先の希は主人公「長良(ながら)」のことを覚えていませんでした。
主人公自身もたとえ希がいたとしても別人の可能性があることは理解していました。
ただ、漂流中にあれだけ心が通じ合った仲なのにこれではあまりにも残酷です。
しかし、主人公の心の中には今まで持ったことが無い気持ちが芽生えていました。
それは、「なんとかなる、なんとかしよう、これからだ」と言う「希望」です。

漂流前の主人公は、これから先、何処へ行っていいか分かりませんでした。
人生に諦めを感じ、何事にも無関心で気力がなく、「ながら」で生きていました。
まるで針がぐるぐる回って示す方向が分からないコンパスのようです。

しかし、自分の進みたい方向を「希」と言うコンパスが指し示してくれたのです。
それは、「希」が最後に主人公に残した「希望」と言う「光」だったのです。
この瞬間、主人公の中のコンパスの針がピタリと方向を指し示して止まりました。
「希」が主人公に残したもの、それは「希望」を持つことだったのです。
希は、主人公のことを覚えていなくても、とても大切なものを残したのです。

考えてみれば、希は第1話から暗中模索の主人公に対して、問いかけていました。
「そう言うやつに限って結局どこにもいくところないの!」
「それとも、本当は、どこかに行きたいと思っている?」と。
そして、「今いる場所よりも眩しく見える場所があったら行ってみたいか?」
と尋ね、「暗闇」の中の1点の「光」を目指して駆けだしていたのでした。
この作品では、最初から最後まで、このテーマを貫き通していたのです。

自分は、戻った先で希が主人公のことを覚えていることを最初は期待しました。
でも、それではダメだと気づきました。なぜなら、簡単に結論が出てしまうと、
「まだ形のない未来に対して希望を持つ」ことの重みが失われてしまうからです。


幸いなことに、瑞穂が主人公のことを覚えていたのは、救いでした。
主人公は、漂流は実際にあったのかと最初は信じられませんでした。
つまり、暗闇の中をさまよっていた自分が、今は希望を見つけることができた、
と言うことが、本当に事実だったのかと疑っていたのです。
しかし、瑞穂が主人公を覚えていたので、それは事実だったと確信するのです。
同時に主人公の希への気持ちも本物だと確かめられたのです。
瑞穂は、主人公のそんな気持ちを「確定」するための観測者的役割だったのです。

このあたりは、たびたびアニメのネタになる「観測理論」です。
つまり、「誰かが観測することにより存在が確定する」と言うことです。
最初は主人公が観測者だったはずなのに、最後は自分が観測されるなんて面白い!


この作品は、哲学的なことを織り交ぜ一見分かり難いように思えます。
しかし、終わってみれば、伝えたいことは驚くほどシンプルだったと思います。

投稿 : 2021/10/04
閲覧 : 284
サンキュー:

29

ネタバレ

にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

突如として、平穏な日常から放り出されてしまった少年少女たちの“SF青春群像劇”アニメ(公式)

公式情報 
{netabare}
INTRODUCTION
{netabare}
監督・脚本・原作:夏目真悟
×
制作:マッドハウス
×
キャラクター原案:江口寿史
主題歌:銀杏BOYZ「少年少女」
最強スタッフ陣による、 オリジナル“SF青春群像劇”アニメ
誰もいない空っぽの教室、退屈な日々。それはいつもと変わらない夏休みのはずだった。突如、異次元を漂流し始めた学校と、そこに取り残され、超能力に目覚めた36人の少年少女。なぜ? どうして? ……次々と浮かぶ疑問の渦の中、理不尽に満ちた世界でのサバイバル生活が始まりを告げる

世界的な大ヒットアニメ「ワンパンマン」の監督・夏目真悟と『サマーウォーズ』「DEATH NOTE」などを手掛けるアニメスタジオ・マッドハウスが贈る、青春SFサバイバル群像劇。再びタッグを組む両者だからこそ生み出せた、エッジの効いたビジュアルとユニークな世界観も、本作の魅力のひとつだ。またキャラクター原案として、マンガ家&イラストレーターとしてジャンルレスに活動を続け、多くの人々を魅了する江口寿史が参加。突如として、平穏な日常から放り出されてしまった少年少女たちの表情を、繊細に鮮烈に描き出してみせる。

そして、本作の主題歌を銀杏BOYZが担当しているのも注目のポイントだろう。銀杏BOYZといえば、青春の痛みをヒリつくサウンドに乗せて、多くのファンを熱狂させてきたロックバンド。2005年にリリースしたアルバム「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」では、ジャケットイラストに江口寿史を起用したことでも話題を呼んだ。今回の主題歌「少年少女」では、子供と大人の間で揺れ動く思春期という青い季節を鮮やかなメロディラインで描き出し、「Sonny Boy」の世界観とも強く共振してみせる。ノイジーな音響の中を疾走する、ボーカル・峯田和伸の歌声も印象的だ。


STORY

少年少女たちの新たな漂流物語が始まる―。
長い長い夏休みも半ばを過ぎた8月16日。学校に集まっていた中学3年生・長良〈ながら〉たちは突然、思いも寄らない事態に巻き込まれていた。長良自身はもちろんのこと、謎の転校生・希〈のぞみ〉や瑞穂〈みずほ〉、朝風〈あさかぜ〉ら、36人のクラスメイトとともに、学校が異次元に漂流してしまったのだ。しかも彼らは、漂流と同時にさまざまな《能力》を入手。人知を越えた能力に大喜びし、好き勝手に暴れ回る者もいれば、リーダーとして他の生徒たちを統率しようとする者も、元の世界に戻るための方法を必死で探す者もいる。渦巻く不信や抑えきれない嫉妬、そして支配欲からくる対立。次々と巻き起こる不可解な事態を前に、少年少女たちは突如として、サバイバル生活に放り込まれてしまう。果たして長良たちはこの世界を攻略し、無事に元の世界に帰ることができるのだろうか……?
{/netabare}

スタッフ{netabare}
監督・脚本:夏目真悟
キャラクター原案:江口寿史
アニメーション制作:マッドハウス
キャラクターデザイン:久貝典史
美術監督:藤野真里(スタジオPablo)
色彩設計:橋本賢
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二

主題歌
「少年少女」銀杏BOYZ
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キャスト{netabare}
長良:市川蒼
希:大西沙織
瑞穂:悠木碧
朝風:小林千晃
ラジタニ:後藤ヒロキ
明星:内藤有海
ポニー:佐藤はな
キャップ:上田燿司
はやと:山本祥太
上海:荻野佳奈
あき先生:加隈亜衣
やまびこ:津田健次郎
ヴォイス:大川透
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1話ずつの感想


第1話『夏の果ての島』
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公式のあらすじ
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夏休みも半ばを過ぎた8月16日。長良たち、36人の生徒は虚空を漂う学校に閉じ込められていた。元の世界に帰る方法もわからず、漂流とともに発現した不思議な能力を使って、遊ぶ生徒たち。そんな状況を見かねた生徒会の明星やキャップたちは、学校に秩序を取り戻そうといくつかのルールを決め、生徒たちに守らせようとする。反発する朝風や希たちには厳しい罰が下され、校内は秩序を取り戻したかに見えたのだが……。
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感想
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学校以外が消えた世界で、校舎に残った中学生たちが
フシギな能力を手に入れて、わちゃわちゃするおはなしみたい。。


公式のキャラ紹介には13人のってるんだけど、キャストには4人だけ
その中で長良クンが主人公、希がヒロインってゆう感じ。。

今回のおはなしは、能力がない長良クンが教室で寝そべってると
自由人の希がからんで話しかけてくるところからはじまって
おもに希がこの怪異現象の説明っぽいセリフを話してた。。

それと、学校で能力を手に入れた少年たちがかってなことしはじめるから
ルールを作ろう、ってゆうグループがあらわれて
リーダー決めて、罰ゲームとかさせるようになって、対立するおはなし


長良クンは消極的で、積極的な希に引っぱられて動くってゆう感じみたいで
今回はさいごに、この世界から抜けようとして
屋上から真っ暗な空間に飛んだ希をつかまえようとして2人で落っこちた。。

そこは海か湖みたいで、気がつくと校舎ごと真夏の大自然の中にいた。。
ってゆうおはなし。。



夏休み中なこととか、どうして36人だけ?とか、校内だけで使える携帯とか
細かいことはおはなしを見ててもよくわからなかった。。
たぶんSFがしたいわけじゃなくって
とつぜんフシギな世界に飛ばされた少年たちを見せたいんだと思う。。

ほとんど校舎の中で、ほとんど動かないから
ずっと話してるだけみたいな感じがする。。

ただでさえ異世界や超能力が出てくるフシギなおはなしなのに
過去の話になったり、あちこちシーンが飛びまくるから
ちょっとメンドウな感じかもw
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第2話『エイリアンズ』
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公式のあらすじ
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漂流が始まっておよそ1ヵ月。抜けるような青空の下、海に囲まれた小さな島で、長良たちは元の世界に戻るための方策を探していた。とはいえ、当面の食料に困ることもなく、欲しいものは瑞穂の能力【ニャマゾン】を使えば手に入るという状況。生徒たちの間にどこかのんびりとしたムードが漂い始めるが、その矢先、突然、次々と原因不明の火事が起きるという事件が発生する。いったい誰が火をつけたのか。犯人捜しが始まるのだが……。
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感想
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異世界では、時間が立つと元にもどるみたい。。
あと、そこで扉を見つけていろんな世界に行けるみたい。。
長良クンたちのいる島はまわりが海で囲まれてて、どこにも行けない。。
それから島では対価なしで人からもらったものは燃えだすみたい。。


今回のおはなしは瑞穂がメインの回で、瑞穂の不正を許せなかったり
言いたいことをはっきり言えなかったりする性格とかが
よくわかる回だった。。


今回も過去の話が飛び飛びにまざったりして分かりにくかったけど
生徒会長選挙のとき、生徒たちがノリで選んだふざけて立候補した人を
ポニーが明星クンにたのんで、不正に結果を変えてもらって当選した。。

それを許せない瑞穂が、証拠もないのにネット掲示板にそのことを書いて
たぶんだけど、それが原因で好きな先生がやめさせられた
ってゆうような事件が過去にあって
瑞穂はひねくれちゃったみたい。。


それで今回、瑞穂がみんなにあげたものが炎上する事件があって
長良クンが言ったひとことで、それが瑞穂のせいになって
イジメみたいになったんだけど、長良クンがはっきり否定するように言ったら
ラジダニくんの証言もあって、疑いがはれた。。

ついでに長良クンがいなくなってた瑞穂の猫を保護してくれてて
瑞穂が長良クンには、ちょっと心を開いたみたい^^


ってゆうおはなしだったんだけど
長良クンが鳥を見すてるってゆうちょっとした事件もあって、希から
「誰かに見すてられたことが、誰かを見すてる理由になるの?」って言われて
瑞穂に関わることにしたのかな?

あと、ラジダニくんが電子マネーを作り出したけど
これだったら仮想だから燃えなくっていいみたい^^


感想書くとよく分かるんだけど
今回もおはなしがあちこち飛ぶからすごく分かりにくいみたい。。

でも、ナゾ設定と超能力を取ってまとめてみたら
正義感の強い子がみんなから浮いてて、事件があったとき疑われたけど
長良クンが相談に乗ってあげて、事件が解決した
ってゆう、学園ものとかでよくありそうなおはなしだった。。

生徒会選挙は、いくらひどくってもみんなが選んだんだから
かってに結果を変えるってゆうのは良くないことだけど
それ以上に、バラされたからって逆ギレして瑞穂を悪者にするなんて
反省して罪をつぐなわないと、いつか地獄に落ちちゃうかも。。
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第3話『下駄を履いたネコ』
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公式のあらすじ
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それぞれの能力を活かし、新しい世界を探す長良と希、朝風、ラジダニたち。そんな中、生徒のひとり、村山が全身真っ黒のフリーズ状態で発見されるという事件が起きる。しかもほかにも、行方不明の生徒が存在するらしい……。生徒会長のポニーから依頼され、調査を任された瑞穂は助手に長良を指名。その調査中、瑞穂は自分の能力が漂流の前から発現していたことを明かす。その頃、希は明星から彼にだけ聞こえる「声」の話を聞く。
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感想
{netabare}
あらすじのおはなしで、メインキャラの能力の紹介みたいなおはなし

それと
黒い影になった生徒は黒幕の中に引きこもってた、って分かった。。

あと、ほかの異世界を見つける能力って
長良クンが持ってるみたいだって分かったけど
もしかして、長良クンが作り出してる、ってゆうことはないのかな?

それに、この世界にはルールがある。。
仲間外れ外しはこの世界のルール、ってゆうけど
ほんとに仲間はずれになるんだったら、そっちの方が楽しそうなんだけど。。

さいごに明星クンが、聞かれてもいないのに
「救世主?それは誰なんだろう?」って言ってたけど
情報を教えてくれる声と話しをしてたのかな?



今回は長良×希から、長良×瑞穂になって
瑞穂が自分から指名したのに、長良クンをはっきりしない!とか
ケンカしろとか言って、自分たちがケンカしてたw

にゃんも長良クンのはっきりしないところは気になってたけど
2人が後で反省して、仲直りするところはよかった^^
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第4話『偉大なるモンキー・ベースボール』
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
シンクホールに飛び込んで遊んでいる最中、自分に世界をワープさせる能力が備わっていることを知る長良。キャップはそんな彼を、野球の練習に誘う。場所はキャップが整備したという、お手製の野球場。しかもそこには目に見えないサルがいるという。サルが存在する世界を見るには、エースが持っている「サル・ゲッター」なるアイテムが必要。長良は、サル・ゲッターを賭けてエースと野球で勝負をすることになってしまう。
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感想
{netabare}
あらすじのおはなしで、エースと勝負して負けたら
元の世界につれて帰る、ってゆう約束で勝負したんだけど負けて
みんなをつれて元の世界に帰ろうとしたんだけど帰れないことが分かった。。
ってゆうおはなし。。


さいごは海の中から「アキ先生」ってゆう人があらわれて
「黙れウジ虫ども!遊びはもう終わり。。」とか言ってたけど誰?



えー!今回は何だったんだろう。。酷評になっちゃうけど
おはなしのほとんどがキャップのサルの野球の実況みたいので
セリフが棒読みってゆう感じで、とちゅうで眠たくなっちゃった。。

そのサルの試合って何回もあったみたいだけどいつ見たの?

それにアニメなんだから、
セリフが長い時はセリフに合わせてサルの試合をほんとに見せるか
それは見せたくなくって、セリフだけでもたせようってするんだったら
声優さんはよっぽどうまい人じゃないとダメだと思う☆彡

それに今回のおはなしはとくにテンポが悪くって
もう見るのやめようかな。。って何度も思ったくらいだし
長良クンが行き先をコントロールできないのはなんとなく分かってたよね?


さいごでやっと、新しい展開になったからよかったけど
もしかしたら「途中で断念した」になってたかも。。
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第5話『跳ぶ教室』
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公式のあらすじ
{netabare}
元の世界に戻るべく、長良の能力を使って、次々と新たな世界を探索する希と朝風、ラジダニ、瑞穂の5人。一方、建設中のシェルターに集まった生徒たちは、突然現われたあき先生から衝撃的な言葉を告げられる。「貴様らはもう、元の世界に帰ることはできない!」。漂流前から能力が使えた生徒たちの存在を告げ、この漂流は誰かが能力を使った結果ではないか?と話すあき先生。生徒たちの疑いの目は当然のように、長良に向けられる。
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感想
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あらすじのおはなしで、あき先生は生徒たちに
この世界に来たのは長良クンのせいだって思わせるように誘導して
ほかの生徒たちから責められた長良クンは逃げた。。

逃げて行った先ははじめの島だったけど、燃えたまま。。

そこに希、瑞穂たちといっしょに追いかけて来たラジダニくんは
長良クンの能力が移動じゃなく、世界を作り出してるんじゃないか?
ってゆう仮説を話した。。

希は希望の明りがもうすぐそこだ♪って言ってる


そのころ、みんなに朝風クンを救世主だと信じ込ませたあき先生は
「世界を変えたいか?私といっしょに行くか?」ってさそって
朝風クンが「うん」って言ったところでオシマイ。。



長良クンはみんなに「犯人は自分じゃない」って
はっきり言えなくって瑞穂にツッコまれてたけど
この前は、長良クンが瑞穂におんなじこと言ってたような。。

長良クンは先生からも「逃げるのか?」って言われてたけど
もしかしてこの世界って、長良クンの心の中の世界だったりしない?

じゃなかったら
みんなホントに長良クンの作り出した世界に巻き込まれたとか。。


あと、あき先生って性格は前と変わってるみたいだし
どうやってここに来たかとかちゃんと説明できないってあやしいよね?

それに、神が。。とか言ってるだけで、変な宗教の教祖サマみたい。。


それに、明星クンにだけ聞こえてた声が長良クンにも聞こえたみたいだけど
{netabare}「ココロコネクト」のふうせんかずら{/netabare}みたく、人間を超えた存在が
生徒たちを使って何か実験してるみたいな感じなのかな?
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第6話『長いさよなら』
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公式のあらすじ
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あき先生に率いられた生徒たちが、姿を消した長良たちを捜し始めて2ヵ月。その頃、長良とラジダニは映画館の姿をした世界「フィルムメーカー」にたどり着く。そこで上映されている映画が、すべて長良の視点からの映像であることに気づくラジダニ。長良たちがそのフィルムを持ち帰り、調べ始める中、瑞穂が一匹の野良犬を連れて戻ってくる。やまびこという名前のその犬は、長良たちと同じ漂流者で、同じ中学校の先輩だったという。
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感想
{netabare}
あらすじのおはなしで、フィルムを加工するとその通りになるみたいだ
ってゆうのが分かって、自分たちが卒業する映画を撮ったんだけど
その世界にはもう1人の自分がいたり、死んでたりして
今の自分たちの帰る場所はなかった。。ってゆう感じ。。


あと、同じ中学の先輩がノラ犬になってあらわれるんだけど実は後輩
ってゆうのが分かって、彼はこの世界に5000年もいて戻れないけど
長良たちはまだ間に合う、ってゆうの。。

それからこの漂流は校長の意思により引き起こされてるってゆうんだけど
それが校長になった理由はただの偶然で、漂流には意味はない。。

それから漂流するのは学校と生徒だけだって言ってたから
あき先生がいるのは変みたい。。



あき先生と明星クンは帰れないってゆうし
ノラ犬先輩は、まだ間に合うってゆうけど
どっちも未来のことは先には分からないハズなのに
言い切っちゃうのはおかしいと思う。。

言えるとしたら「たぶん」付きだから、やってみないと分からないよね^^
それなのに明星クンが長良クンを止めようとする理由って何なのかな?


それと校長?が、長良クンに

「君は世界を作っていたわけじゃない。。
可能性の箱を開けているだけのただの観測者なんだ」って言ったあと
「君がいるからこの世界は存在している」って言ったけど
「君たちはただのコピーなんだよ」ってゆうのはよく分からなかった。。

もし漂流してる長良クンが選ばれなかった方だったら
いないハズの長良クンが観測した世界が存在してるっておかしいから
漂流長良クンのほうが本物で
だから明星クンとあき先生は

「本当にこれでよかったんですよね?」「あぁ、これで世界は守られた」
って話してたんだと思う。。



こうゆう、わけもわからないままいろんな変った世界に行くおはなしって
「不思議の国のアリス」とか「ガリバー旅行記」に似てるかも?

おんなじ監督の「スペース☆ダンディ」に、ちょっと似てるかな。。
あと「フリップフラッパーズ」「18if」もワケがわからないけど
謎がよくわからないままおわったりすることが多いから微妙かも。。
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第7話『ロード・ブック』
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公式のあらすじ
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この世界の真実を知ってしまった長良たち。あき先生に率いられた朝風たちや、方舟に運命を託した明星たちのグループは、それぞれ旅立ちの準備を進める。そんな中、キャンプに残っていた長良は丘の上で鉄棒を発見。好奇心に駆られて逆上がりに挑戦した長良は、次の瞬間、見知らぬ世界へとジャンプしてしまう。二つ星という名の少年と知り合い、流されるままに、無限に続く塔「バベル」の建築現場で働き始める長良だが……。
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感想
{netabare}
あらすじのおはなしで
飛ばされたのが天国に行くためにバベルの塔を作ってる世界で
上下が逆さになってたみたいなんだけど、よく分からなかった。。

あと
漂流被害者の会やコウモリ先輩がやりたいこともよく分からなかった。。
けっきょく長良クンを助けただけみたいな気がする。。

今回のおはなしで見せたかったのは
長良クンがあきらめない心を持つことと
虫を食べるグロいシーンだったのかも?

あと、キャラが増えたかなって思ったら
ほとんどの人は卒業して、どっかに行ったみたい。。
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第8話『笑い犬』
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公式のあらすじ
{netabare}
希を残して、荒野を旅する長良と瑞穂、やまびこ。夜、たき火を囲んで食事を済ませた瑞穂はやまびこに、犬になった理由を尋ねる。そうしてやまびこが話し始めたのは5000年前、まだ彼が人間だった頃の話。クラスメイトたちから離れ、ひとり旅を続けていたやまびこは、ある時「祝祭の村」という世界にたどり着く。そこでこだまという名の少女と出会い、少しずつ心を寄せるようになるやまびこ。しかし、幸福な時間は長くは続かなかった。
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感想
{netabare}
あらすじのおはなしで、やまびこが人間だった5000年前に
旅の途中で出会った、万能みたいな能力を持ったこだま。。

旅人から広がった病気で、死んじゃったみたいで
雰囲気は「不死身のあなたへ」みたいだったけど
あんまりチートな能力で、なのに死なないはずの世界で死んじゃうって
何でもアリ。。

こだまと別れることになるところは悲しかったけど
戦争ってゆう名前の旅人が何がしたかったのかもよく分からなくって
眠たかった。。

変わったおはなしが見れて、つまらなくはないんだけど
よく分からないおはなしばっかりだと眠たくなっちゃうみたい。。
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第9話『この鮭茶漬け、鮭忘れてるニャ』
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公式のあらすじ
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どこまでも雪原が広がる白銀の世界。そこでは、ソウとセイジの双子の兄弟が何千年もの間、争いを続けていた。この世界を変えるには、ソウとセイジが持つ【リセット】――すべてを巻き戻し世界をリセットできる力が必要だと話すあき先生。長良たちは、ソウとセイジの争いに巻き込まれ、困った様子の生徒たちを手助けすることになる。そんな中、やまびこは瑞穂が飼っている3匹のネコのうちの一匹、〈さくら〉にあることを尋ねる。
{/netabare}
感想
{netabare}













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第10話『夏と修羅』
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
あき先生率いるグループの一員だった骨折は、大勢の人でごった返す「サイハテノステーション」という世界にいた。通り過ぎる人々の心の中を、彼女の本当の能力である【モノローグ】の力を使って、聴き取る骨折。彼女は、片想いの相手である朝風と過ごした日々を思い返す。彼が希に好意を寄せていることを知りながらも、何もできないままの自分……。一方その頃、ハテノ島の長良たちは、3匹のネコたちの能力についてある実験を試みる。
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感想
{netabare}
人の心が読める骨折と希と朝風クンの三角関係のおはなしみたいだった。。

朝風クンは傲慢で、ちょっとイヤなヤツっぽくって、おまけに希が好き。。

骨折がどうして朝風クンを好きなのか分からなかったけど
やっぱり悩みを持つ、ふつうの人で
自分が「戦争」を殺さなくっちゃ、って思う気もちって
傲慢だけど、ほかにできる人がいないからしょうがないよね。。

希は朝風クンをきらってたけど、ちゃんと認めるところは認めててよかった☆

世界のキズみたいなガケを下りてたのはどうしてか分からなかったし
空っぽのまま落ちてた男子も何だかよく分からなかった。。

あと、希がガケから落ちた時
朝風クンは能力を使えなかったけど、どうしてなのかな?

それと、希は死なないよね?
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第11話『少年と海』
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公式のあらすじ
{netabare}
骨折からの手紙で、希の「死」を知った長良と瑞穂。思い出の品を箱に詰め、額縁に彼女の写真を入れると、ふたりは静かに希を送り出す……。大きな喪失感を抱えながら、元の世界に戻る「ロビンソン・クルーソー計画」の準備を進める長良たち。そこに現れたのは、すっかり様子の変わったラジダニだった。ラジダニの協力を得て、少しずつ発射場作りを進める長良。希を忘れられない彼に、ラジダニは「死」を発明したという男の話をする。
{/netabare}
感想
{netabare}
希のお別れ式にラジダニが来てくれて
長良クンの考えた「ロビンソン・クルーソー計画」の準備をする
ってゆうおはなしだったけど、はじめのころから2000年くらいたってみたい?


「死」を発明した男のエピソードは
この世界の死は体が消えるんじゃなくって、意識が消えることだ
って言ってるみたいだった。。

それって、あの谷を落ち続けてた男子みたいな感じなのかな?
希もそんな感じだったのかも?


「ロビンソン・クルーソー計画」は、宇宙に出て
そこから元いた世界にもどるってゆうことみたいだったけど
どうしてそれで帰れるって思ったのかフシギ。。

何でもやってみたら、そのうち。。ってゆうことなのかな?

それに、帰ったら記憶がなくなってるかも?ってゆうのも
本当に帰った人は、この世界にはいないんだから、分からないよね。。

でも、どんなに忘れても
すき焼きして具をぜんぶ食べてもダシが残るみたく
きっと何かは残ると思う☆彡
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第12話『二年間の休暇』
{netabare}
公式のあらすじ
{netabare}
憂鬱な雨が降る中、工業高校に通う2年生・長良は、2学期の始業式に出席していた。漂流のことなど、まるで知らない周囲の様子に、居心地の悪さを隠せない長良。瑞穂とも再会するものの、冷たくあしらわれる。あの漂流は、本当に起きた出来事だったのか……。真っ暗な部屋にひとり帰り、針がくるくると回り続けるコンパスを見つめながら、長良は宇宙に飛び出したその後の出来事を思い出す。
{/netabare}
感想
{netabare}
長良クンと瑞穂は、元いた世界とそっくりの世界の2年後に着いたみたい。。

そこは不思議なことが起きない世界で
希は生きて、朝風クンとつき合ってたけど、漂流はしてないみたい。。


瑞穂は、夜の中学校に忍びこんで、異世界の入り口をさがしてたみたいだけど
この世界に満足してないのかも?
それは長良クンも同じかも?

でも、何にも不思議なことが起きない世界でも
漂流して手に入れた明日をあきらめない思いは残ってるみたいだった。。
{/netabare}
{/netabare}


見おわって。。


中学2年のあるクラスが、何がおきても不思議じゃない世界に飛ばされて
そこで、飛ばされた人たちがいろんな経験して
それぞれの世界を目指す、ってゆうおはなしだったみたい。。


監督・脚本・原作が夏目真悟さんってゆう「スペース☆ダンディ」とか
「ブギーポップは笑わない」の監督だから、何がおきても不思議じゃない
変わった世界がいろいろ見れておもしろかった☆

あと、意味がありそうだけどよく分からない、シュールなおはなしだから
何がおきてるのか?とか、哲学みたいなむずかしいこととか
いろいろ考えちゃうけど分からなくって、ちょっと眠くなったりしたけど
そうゆうところもおもしろかったかな。。

でもキホン、少年がいろんな人と会ったり、経験したりして成長していく
ちょっとセンチメンタルなおはなしだったみたい。。


考えれば、いくらでも考察とかできると思うけど
監督さんが「スペース☆ダンディ」の人だから
あんまり難しく考えないで見てたほうが楽しめると思う^^



いろいろクォリティは高いから★の平均は4になったけど
物語の評価が、イミフだったとしか思えなかったら1とか2で
変わったおはなしが見れたとか、考えれたとかで楽しめたら4とか5かな?

見る人によって点数がかなり変わりそう。。




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投稿 : 2021/10/04
閲覧 : 403
サンキュー:

39

ネタバレ

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

江口寿史懐かしい。奇妙な世界観で興味深い。ただ変なキャラが多く感情移入しづらい

漂流教室ものですね。30人くらいが奇妙な異世界に捕らわれて、それぞれ超能力を手に入れたり… という展開でなかなか興味深いです。
この世界は一体なんなのか、興味深いですね。

ただ変なキャラが多くてイマイチ感情移入しにくい感じ。
見慣れてくればはまるかもしれません。

ただ興味深いので見続けます。

全話感想
最後まで見てもいまいち感想が変わらなかったかもしれない。
奇妙な世界観が興味深く、キャラに感情移入がしにくいと。

最終的に主人公はこの奇妙な世界から元の世界に帰ると決めます。
その理由はイマイチよくわからないのですよね。
いやあの奇妙な世界が魅力的で帰りたくない、というわけではない以上、帰りたくても別に良いのですが。

ただ、のぞみが居る世界が良かった、と解釈すればスッキリするし良いと思うのですが。

ただ最終的には恋の話でした、というほど主人公は恋愛重視でも無かったと思いますし…。
結局主人公がうすぼんやりしていてはっきりしない所がいまいちだったかも。
でも雰囲気は良く、奇妙な世界は面白く、何となく良かったです。

投稿 : 2021/10/03
閲覧 : 247
サンキュー:

9

ネタバレ

byGar61324 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

分かりにくい

とにかく難しいので、しっかり見ないといけないアニメだと思います。
ただミステリアスな雰囲気だけでもそれなりに面白いです。
ストーリーというより小さなエピソードも楽しめます。
人を選ぶ作品なのは間違いないです。
世界観が強烈だけど意外と世界観や細かい設定や原理とかは気にする必要はなくてキャラクターを中心に見ていった方が良いのかもしれないですね。
ちなみに自分はこの作品を理解出来ている自信はないです。

投稿 : 2021/10/03
閲覧 : 215
サンキュー:

8

ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

【解説】このアニメの謎を解いてみた

今期のアニメで考察できそうなのは、この作品くらいなので、考察してみた。

第1話・第2話 舞台について考えてみた
{netabare}
まずは、世界観というか、この物語の舞台について考えてみる。

1.内面世界
夢や無意識の世界。現時点ではこれが一番説明しやすい(後述)。

2.異邦人(宇宙人、未来人、高次元人など)による世界
キャラクターたちが異邦人、または、異邦人によって作られた世界。

3.閉じた世界
実験などで隔離された空間で、外部は未来や荒廃した世界。観察している人物が存在する。

4.AI・量子コンピュータが作り出した世界
さいきんのオリジナルアニメには、この手のものが出てくるようになったので。

5.擬人化された世界
『はたらく細胞』のような体のなかの世界。


現時点では、1かな。ここまで見てきて、辻村深月の『冷たい校舎の時は止まる』の雰囲気を感じたから。このクラスの担任教師になにかがあって命を落とす。長良は現場を目撃したけど無視した。鳥はそれの比喩。原因を突き止めるため、指輪を嵌めていた女子生徒が、この世界を作り出した。

あとは、長良(軽巡洋艦)、瑞穂(水上機母艦)、朝風(駆逐艦)、明星(航空機)といった名前と、8/16という日付から、戦争に関係しそう。ただ、キャラの名前が謎解きのヒントになる可能性は低いと思う。
{/netabare}

第3話 生徒たちの内面世界か
{netabare}
考察が難しい。現時点では、こんな感じ。

長良が見つけるのは、生徒たちの内面世界。トイレは、闇を抱えている生徒がいることを表す。

現在いる場所は、瑞穂の内面と関係する。瑞穂は、祖母に頼めばなんでも手に入る裕福な生活をしていた。だけど、祖母が認知症になって対価を払う必要が出てきた。

失ったもの(または状況)→能力、向き合うもの→ルール、と考えると、炎のルールは、瑞穂が向き合うものだから、瑞穂がみんなと働くようになればなくなる。

長良は、本来、人の気持ちを汲み取る性格だったけど、なにかあって(身近な人を失ったか裏切られたか)、その性格を失ってしまう。失ったものは能力となり、人の心の扉を開く能力となった。

今回の、"仲間外れ外し"はルールなので、向き合うもの。視聴覚室と繋がった世界が瑞穂の内面世界で、暗幕に隠れた三人はシンクロしただけ。瑞穂がフリーズしなかったのは、能力のおかげ(満ち足りている)。長良と一緒に解決して、瑞穂は心が成長したから、視聴覚室と繋がった世界も消えた。

ほかの生徒の能力は説明しにくいけど、この方向で考察していこうと思う。さすがに、宇宙人が能力を与えて、指が光る奴と交信するとかはないだろう。
{/netabare}

第4話 現象学で考えてみた
{netabare}
前回考えた内面世界の考察は変わらないけど、フッサールの現象学を加えてみた。

1.現象学とは(説明は適当)
目の前にリンゴがあるとする。赤い色で甘い匂いもする。だけど、それは五感を働かせた人の認識で、リンゴが目の前にあるという証明にはならない(その人の意識のなかにリンゴがあるだけ)。現象学では、リンゴがあるかどうかを、エポケー(判断中止、一時的な保留)させ、なぜ、リンゴがあると認識したのかを考える。

リンゴを見た人が屋台のリンゴ飴を思い出すと、目の前のリンゴと意識のなかのリンゴにズレが生じる。どんなにリンゴ飴を思っても、目の前のリンゴがリンゴ飴に変わることはない。だから、目の前のリンゴは想像したリンゴではないと認識でき、リンゴがあると確信する。


2.このアニメの世界観
元の世界がエポケーされ、意識のなかの世界となった(元の世界は消えたわけではなく、一時的に隠れている状態)。暗幕や野球をする猿も、意識のなかの現象(現象を出現させる要因は、生徒の内面にある)。意識のなかの世界だから能力も持てる(いくらでも想像できる)。元の世界に戻れば、能力は消える、というか元々持っていない。元の世界がリンゴで、現在の世界がリンゴ飴って感じかな。


3.今回の野球について
これも同様に、審判を元の世界、ピッチャーや観客を現在の世界と考えればいい。意識の世界は、いくらでも改ざんできるけど、元の世界が変わることは決してない。そういったことの比喩だと思った。
元の世界にいない人が、現在の世界では存在することも考えられる。希や長良があやしそう。
{/netabare}

【考察】結末まで考えてみた
{netabare}
〇現象学で考察

「野球とはなに?」と問われれば、たいていは、ボールを投げてバットで打つ球技と答える。「野球」を現象学で考えてみる。まず、五感で捉えている「野球」をエポケーする(一時的に考えないようにする)。
そして、また「野球とはなに?」と問えば、例えば、Aは「ユニホームを汚しながら仲間と練習したのが野球」と答え、Bは「手作りのボールとバットで友達と遊んだのが野球」と答え、それぞれにとって違う「野球」が現れる。これを現象学で、還元と言う(たぶん)。

AがBの野球を見たら「あんなの野球じゃない」と争いになるけど、「野球」をエポケーして、お互いの意識のなかの「野球」を知れば歩み寄れる。

キャップにとっての野球は、猿のように楽しむのが野球なので、猿が出現した(元の世界はエポケーされ、意識の世界と考察中なので)。長良はその気持ちを理解できたから猿が見えた。
エースは周囲の期待に応えるのが野球で、楽しんではいない。楽しい気持ちは陰に隠れて灯りを照らさないと見えない。だから、楽しく野球をやっている人を見て落ち込む。能力は失ったものと考察中なので、エースは楽しく野球をやっていたときは水道の水もおいしく飲めた。


〇結末まで考えてみる

元の世界で、長良と希は親しく、希が故人だと仮定する。長良にとっての「世界」は希がいる世界。長良が世界を認識するときは、希がいる世界を意識してから、希のいない世界を五感で捉える。ズレがあるために、長良は自分がどこにいるのかわからなくなり、希がいない世界をエポケーして、(長良の)意識世界に閉じこもった。長良の意識世界だから、元の世界に戻るのも、長良しかできない。

希だけが世界のズレに気づいている。希のいない世界でも楽しく過ごせると希が導いて、長良の意識の世界と五感で捉える世界が一致して、元の世界に戻る。
{/netabare}

第5話 意識と無意識の世界
{netabare}
哲学と心理学で考察すると、とても面白い。

〇これまでの考察
元の世界で、長良と希は親しく、希は故人。長良は希のいない元の世界から、希がいる(長良の)意識世界に閉じこもった。希だけが世界のズレに気づいている(希はズレそのもの)。漂流しているのは長良の意識で、戻りたくない気持ちがあるので戻れない。希は長良を導く存在で、光の先に長良が戻るべき(これまでとは違う価値観の)世界がある。


〇ルールがあるのは超自我の世界
学校と孤島にはルールがあるので、フロイトの超自我だと思う。超自我は、しつけや道徳に関係する。生徒会が仕切っているのも、それっぽい。長良の意識世界なら、ルールは長良が親から受けたしつけ。暗幕や猿はルールではなく、意識に起こる現象。長良に心の変化があれば、新しい世界(意識)が出現する。


〇地下には無意識の世界がある
イドという本能や欲望の世界(無意識に存在)が出てくると思う。意識と無意識は、海に浮いた氷山で説明したりする(このアニメでは孤島)。孤島の地下に長良の無意識がある。海(無意識)から上がってきたあき先生は、長良にとっての欲望の象徴。朝風を利用して無意識に通じる穴を開けている。生徒たちはあき先生を信じているから無意識の世界に行く。もしくは、穴から何かが現れる。

 /\  意識 
/孤島\
――――――海
\地下/
 \/  無意識

{/netabare}

【考察】時系列で並べてみた
{netabare}
長良の家は、高火力(青い炎)で料理する上海(中華)料理のお店で、父親からは「店を手伝わないと飯抜き(対価)」と罰が与えられたり、雷を落とされる(叱られる)。長良は押し入れに逃げたりした……と仮定する。

時系列で並べてみる(考察も含む)。

1.長良が進路相談を受ける→2.希になにかがあり、長良が相当ショックを受ける→3.長良は意識(心)の世界に逃避→4.学校の屋上(意識世界)で、(上海の)雷が落ちる→5.学校が暗幕で覆われる(漂流したのは長良の意識で学校は動いていない)→6.超自我(父親のしつけ)に押しつぶされ、校舎も沈んでいく→7.希の導きで、新しい世界(意識)、孤島Aへ→8.孤島Aが燃えて、孤島Bへ→9.暗幕の現象を解決し、長良の心が成長→10.海(イド)からあき先生(抑圧された欲望の心)が現れる→11.ネズミの世界を解決し、超自我に縛られた心が解かれる→12.生徒たちに問い詰められ、上海の雷で、オレンジ色の空間に逃避→13.長良だけが孤島Aに逃避→14.希たちと合流し、遺物で孤島Bに戻る
{/netabare}

【考察】キャッチャーになりたいと思っている
{netabare}
『ライ麦畑でつかまえて』のネタバレがあるので注意。
長良の能力は二つあると思う。

1.雷が落ちる(叱られることの比喩だと思う)と、暗幕に覆われる
屋上で雷が落ちて、学校が暗幕に覆われ(第1話)、みんなに問い詰められ、上海の雷で(色は違うけど)暗幕に覆われた。

2.新しい世界(意識)を生む
以前の考察した意識、無意識に、前意識を追加する。前意識は、努力すれば意識できる領域。意識を学校や長良が新しく生む世界、前意識を孤島、無意識を孤島の地下や海の中とする。

意識  □◇〇(学校や新世界)
    ――――――
前意識  /\  ↑気づき 
    /孤島\ │
    ――――――海
無意識 \地下/
     \/  

前回、長良は元の世界に戻ろうとしたけど戻れなかった。長良は戻れないことを、孤島(前意識)で気づいた。その"気づき"によって、今回のネズミの世界(意識)が新しく生まれた。

赤いネズミが長良で、引っ越しが元の世界に戻ること。価値観を変えることで、引っ越しに成功した。価値観が変わった長良の意識にあるのが『ライ麦畑でつかまえて』なら、崖から落ちそうになる人を捕まえる役になりたいと思っている。光に向かってダッシュした希を捕まえたのも伏線になると思う。
{/netabare}

第6話 二つの世界のズレが原因かな
{netabare}
前半の終りで、ある程度の謎を明かすのは好印象。解釈はさらに難しくはなったけど。自分の考察に沿って整理してみる。

A.長良の意識世界(これまでの世界)
進路相談で教師が親身になってくれる→屋上で希が教科書を破いている→屋上のドアがあかない→雷が落ちて学校が暗幕に覆われる→(ハテノ)島に移動

B.長良が五感で捉えている世界(元の世界)
進路相談で教師が冷たい→屋上に希がいない(破れた教科書は希のものか?)→屋上のドアをあけて、学校を出る


〇現時点での解釈
現在の長良の意識で世界を知覚すると、心が壊れる(島が沈む)からあき先生は阻止しようとした。あき先生の妨害をくぐり抜け、AとBの世界を重ねよう(一致させよう)としたけど、希というズレがあったために成功しなかった。

元の世界は変えられないので、希は故人のまま。だから、長良の意識を変えて、(希がいない)世界の見方を変える。そのために、いままで意識世界で成長してきた。超自我はクリアしたけど、イド(無意識)が残っている。

映写室の世界に、希に関する記憶がある気がする。例えば、長良と希が海に行って楽しく過ごしたけど、その帰りに事故に遭った。その記憶を抑圧したから、現在は希を転校生としか見ていないし、希がいない元の世界も可能性の一つとして見ているだけ。
{/netabare}

【考察】8/16と時間についての解釈
{netabare}
意識世界では何に意識を向けるかによって、時間の流れ方も変わる。長良の場合は希で、8/16に希が命を落としたから、長良の意識世界では、8/16からの未来は存在せず過去しかない。学校は時間が戻る。

・夏服で進路相談(希がいる)は、意識の世界
・冬服で進路相談(希がいない)は、長良が五感で捉えている元の世界、意識のなかは8/16で止まったまま

希に関する記憶は無意識に抑圧されて、それを知っているのがあき先生。抑圧したまま元の世界に戻っても、長良の意識世界の時間は進まないので、あき先生は阻止した。

あき先生の正体は瑞穂かな。猫の餌を鳥に盗まれた瑞穂が火で追い払おうとして木に引火。それを長良が目撃。希は落ちた鳥を助けようとして犠牲になる。瑞穂の家は金持ちで校長が口止め。長良は耐えられず記憶を抑圧し、意識(心)の漂流が始まる。

抑圧しても意識に上がるので、耐えられるようあき先生の姿(中身は瑞穂)で現れた。過去にも校長によって心が漂流した生徒がいた。朝風は、そういう大人に抗う長良の心(朝風に憧れる気持ちから生まれた、ある意味コピー)。
{/netabare}

【考察】能力と思考実験の関係
{netabare}
今回のラストで、こうもり傘のコウモリ先輩が出てきた。哲学の思考実験に、『コウモリであるとはどのようなことか』がある。コウモリになるには、コウモリの身体や脳を持つ必要があるので、想像はできるけど知りようがない、という結論に至る。

やまびこ先輩は、これの犬版と思ったりした。ただ、パブロフの犬も考えられる。犬にチョコを与えては駄目なので、チョコの匂いで涎を垂らすのは、人間の脳を持った犬と考えられる。しゃべっている時点でそうだけど……。

やまびこ先輩は長良の弟(両親は離婚)かな。兄弟で思考実験をして、人間の脳を持つ犬が誕生するには五千年はかかると弟が答えた。
コウモリ先輩の隣にいたツノの人物がカブトムシ先輩なら『箱の中のカブトムシ』が該当する。

キャラクター(または能力)に思考実験が当てはまるなら、瑞穂は『シュレーディンガーの猫』、マグロ缶を頼んだのにちゅーるを運んだりして、箱をあけるまで中身がわからない。上海は『中国語の部屋』。ポニーは、『テセウスの船』かな。生徒会長を船に例えて、ポニーという部品を取り替えた。
{/netabare}

第7話 大人(親、教師)vs子供がありそう
{netabare}
元の世界は変えられないので、希は故人のまま。だから、長良の意識を変えて、(希がいない)世界の見方を変える。そのために、いままで意識世界で成長してきた、と考察中。

今回の話も、心の成長が描かれたと思う(細かいところは次の考察で)。長良の意識にあったのは、"救世主"になること。その考えが変わったので生徒たちも去った(意識から遠ざかった)。元の世界で起こったことを考えてみた。

8/16より前に火災事故があって、エース(犯人)、長良(目撃者)、希(犠牲者)とする。
エースの親は政治家で、ある国にきれいな水を提供する政策を打ち出していた。息子が放火犯になると、責任を問われ政策も実行されず、何千という人がきれいな水を飲めなくなる。長良は何千という人を助ける救世主のような立場に立たされる。

長良は8/16に学校に行って嘘の証言をし、その結果、心が漂流する。第2話のように、火災現場にいた瑞穂(猫を捜していた)を目撃して、そのことを校長に告げたのかも。

能力は親の職業と関係があるようにも思える。瑞穂は宅配業者、はやとは囲碁棋士、ヒカルの碁からの発想、対戦相手を分析もするだろうし……。能力については適当だけど、元の世界に戻ってから、大人(親、教師)vs子供という闘いはある気がしている。
{/netabare}

【考察】今回の話の細かいところの解釈
{netabare}
『天気の子』のレビューでも書いたけど、相手の考え方や物の見方を理解すると、その人の世界が見える。妖精が見える人を理解すると妖精が見えるし、陽菜を理解したから帆高は雲の上に行けた。

長良は、二つ星の食べる物を食べず、流れ星も信じなかった。洞窟のなかで二つ星が差し出した物を食べたから流れ星が見えた(二つ星の世界が見えた)。だけど、ラジダニのことを思い出して、長良が景色を上書きした。

おそらく、長良は希と一緒に流れ星を見ている。流れ星は命を落とした希を連想させるから、流れ星は命を奪うものに変わる。塔の世界は、コウモリ(と呼ばれた少年)と接したときにできた意識世界。彼は、周りからコウモリと馬鹿にされても気にしない人間。長良はコウモリと馬鹿にされたくない、疑問を持たずに周りと同じように行動する人間だから、指示に従って黙々と石を運ぶ世界ができている。

コウモリ先輩→長良の心の住民、コウモリ少年→現実にいる人。
コウモリ少年を理解できたから、長良は逆方向に歩き出した(周りを気にせず行動する)。塔の世界を作り出したのは、長良の心なので、長良は申し訳なく思っている。長良は自分がどこにいるのかわかったのかも。

ネガティブをポジティブに変えるには、楽しかったときの記憶を思い出せばいい。長良にとっては野球だろう。そのときの日向の匂いを嗅げば、今後、落ち込むことがあっても立ち直れる。そして、長良が目指すのは、希の世界だと思う。
{/netabare}

【考察】漂流の原因を考えてみた
{netabare}
キャラクター紹介にエースがいないのは、長良=エースだからと仮定し、さらに、煙草の不始末による火災事故があり、長良(犯人)、希(犠牲者)、瑞穂(冤罪)とする。

長良の父親は政治家で(両親は離婚)、ある国にきれいな水を提供する政策を打ち出していた。火災事故の犯人が長良と知れたら、父親は責任を問われ、何千という人がきれいな水を飲めなくなる。

長良は救世主のような立場に立たされる。深読みすると、サブミナル効果を利用して、何者かが長良の潜在意識に『救世主になれ』と植え付けた。

長良は8/16に学校に行って、瑞穂(猫を捜していた)が火災現場にいたと校長に告げる。瑞穂は冤罪をかけられ、瑞穂のフィアンセ(?)の教師が罪をかぶり教師の職を辞する。希と瑞穂を犠牲にして救世主になったが、心が漂流する。

あき先生の正体が、抑圧された本当の瑞穂。あき先生は浮き上がる存在で、朝風はそれを押し返す存在。バランスが取れているので、長良は正常を保っていられる。

能力は親の職業か、将来なりたい職業のようにも思える。
瑞穂(宅配業者)、朝風(宇宙飛行士)、ラジダニ(SE)、明星(クリエイター)、ポニー(マジシャン)、キャップ(職人)、はやと(囲碁棋士)
上海は、長良の妹かな。妹にはエースだと嘘をついている。
{/netabare}

第8話 長良と希の話だと思う
{netabare}
視聴者を気にせず好き放題に作っている印象。こちらも好きなように解釈してみる。

元の世界(希は故人)は変えられないので、(希がいない)世界の見方を変える。そのために意識世界で成長してきた。長良(=エース)が起こした火災事故で希が犠牲になり、瑞穂が冤罪をかけられる(フィアンセが身代わり)。長良は罪を逃れたので父親の政策(数千の人がきれいな水を飲める)が実行され、救世主になったが、対価が見合わず心が漂流した。能力はなりたい職業と考察中。

今回は、長良(やまびこ)と希(こだま)の話で、希と接したときに出来た意識世界と解釈。希の命を奪ったから、5千年前の出来事のように遠ざけている。塔の世界は野球時代の記憶で、忘れたいミスがあるから2百年前。年数は意識から遠ざけている尺度。(ベルリンから帰国した)希の本来の外見は、こだまのほう。

戦争はタナトス。長良の心がタナトスに支配されて、命を絶とうとする気持ちが疫病となり、希の世界を破壊した。
希と瑞穂に関する記憶は無意識に抑圧している。瑞穂は冤罪だけで心の負担が重くないので、無意識から浮上し、あき先生の姿となって現れた。現在の瑞穂は、火を点けたことを謝る都合のいい瑞穂だから、彼女を見ても長良は正常でいられる。

『意識』  学校、ネズミの世界、塔の世界   火災事故の記憶
 ↑↓   意識に上がったり、前意識に戻ったりする  ↓
『前意識』 あき先生  やまびこ先輩         ↓抑圧
(検閲)   ↑      ↑            ↓
『無意識』 瑞 穂    長 良←←検閲を通って姿を変えれば意識に上がる
{/netabare}

【考察】前回の考察を少し変更
{netabare}
やまびこは長良の弟で、こだまは希。長良には、「後悔ばかり」と言えば「後悔の天才」とポジティブに返してくれる人が二人いた。一人は優秀な弟。だけど、弟は病で命を落とす(ゴミ袋放置の理由)。弟を失って長良は荒れて学校の窓ガラスを割ったりした。そのときに現れたのが希(外見はこだまのほう)。

戦争はタナトス。ここでのタナトスは、破壊と再生の、破壊かな。やまびこ先輩(弟)が破壊されて(疫病を患ったシーンが少しある)、やまびこ先輩(長良)となって再生した。再生のきっかけになったのが、希。
長良の心にある弟の世界に、希(こだま)が住むようになり、心も安定していたけど、希もまた失ってしまう。

弟が犬だったから、希は鳥になって再生かな。能力はなりたい職業と考察中なので、希は医者。
{/netabare}

【考察】長良を立ち直らせた希のセリフ
{netabare}
長良と希の関係や、漂流が二度目という考察をしてみる。

〇長良
家族構成は、長良、両親、弟(やまびこ先輩)、妹(上海)。弟は長良の理解者で、話しかければ応えるやまびこのような存在。

弟を失い(赤い結晶から血液のがん、白血病と推測)、長良の最初の漂流が始まり、学校で窓ガラスを割ったり素行が悪くなる。両親は離婚し、妹は父親に引き取られ、中国語を学ばされている。長良は山田から姓が変わる。

エースは、長良が理想とする息子や兄。妹には野球部でエースと嘘をついていた。汚れた水をきれいにする父親の政策(または事業)を、将来継ぐように言われている。エース(理想的な長良)の能力なので、長良自身はその職業を望んでいない。


〇希
現実世界の希は、生徒たちの悩みを聞いてくれる良き相談相手。能力のMはマインド。流れ星を眺めながら、長良が弟の話をすると、希が「ぼくが、きみのこだまになってあげるよ」と言って、最初の漂流が止まる。

将来、父親の仕事を継ぐ長良に、希は自信を持たせるために、"救世主"になることを勧めた。長良は希を信じて救世主になったが、心の傷を深めてしまった。

希は病気だった、と考察する人がいたけど、自分もそちらに傾きつつある。弟と希は、同じような性格で、病気も同じ白血病だったから、希を失ったあと、長良の二度目の漂流が始まった。こだまとやまびこの会話は、入院した希と長良の会話かも。エース(長良の理想)が見つけたこだまの遺物(救世主になる)では戻れなかった。毛玉(野球を楽しんだ気持ち)のほうで戻れる気がする。
{/netabare}

第9話 ユングの心理学で解釈してみた
{netabare}
〇これまでの考察
元の世界(希は故人)は変えられないので世界の見方を変える。そのために意識世界で成長してきた。長良には話せば答える"やまびこ"のような弟がいた。弟を白血病で失い、最初の漂流が始まるが、希に「きみのこだまになってあげるよ」と言われて止まる。父親の仕事(数千人にきれいな水を提供)を継ぐ長良に、希は"救世主"と言って励ます(Mはメシア)。

希も白血病で失い(前回は入院した希と長良の会話)、長良は煙草に手を出して火災事故を起こす。父親が責任を問われると水を提供できないので、瑞穂に罪を負わせた(フィアンセが身代わり)。数千人を救った救世主になるが、対価が見合わず二度目の漂流を始める。エースは長良の理想で現実にはいない、能力はなりたい職業と考察中。


〇影(シャドー)
ユングの心理学で解釈すれば、もう一人の自分(影)との戦い。影を倒したけど、影を失うと、その影の持ち主も生きてはいけない。影は必要不可欠な存在。長良にとっては希で、瑞穂は祖母、鮭茶漬けでは鮭。

影を失った者の末路を朝風に教えるために、あき先生が仕向けた気もする。朝風は能力で、長良の記憶(漂流の原因)を抑圧していると思うので。希(影)を失った長良を助けるには、抑圧を解放し、長良が変わる必要がある。解放すると心に負担がかかるので、そういう意味で希はお荷物。ただ、長良の心は成長して、受け入れられる状態にありそう。
{/netabare}

【考察】瑞穂について考えてみた
{netabare}
ラジダニのゲームは一つだけで、コピーは、長良の心の中のイメージ(心象)と考えている。人物についても、長良と接点があった人が長良の心のなかに現れる。希、瑞穂、朝風のセリフは、長良の心の葛藤かな。

塔の人は野球のメンバーで、忘れたいミス(石を落としたのが、ボールを落とすに該当)があるから2百年前の出来事のように意識から遠ざけている。誠二とはおもちゃの銃で遊んだ仲。学校で命を絶った誠二を生徒たちが遠巻きに見ているとき、希がそばに寄って、抱きかかえたりした。鳥はその比喩かな。つらい記憶なので何千年前。そう考えると、心の奥底に向かっている気がしてくる。

漂流の原因に火が関係しそうなので、火災事故と考察中。花火は目立つので、こっそり吸った煙草の不始末が原因。現実世界の瑞穂は、周囲から疎ましく見られ冤罪をかけられやすい存在だった。第2話のように長良がぽつりと言ったことを周囲が勝手に解釈して、火災事故の犯人にされてしまった。

現在の瑞穂は、火を点けて謝罪する、長良にとっては都合のいい瑞穂。ただし、外見は同じ。あき先生の正体が本来の瑞穂で、その姿が現れないよう朝風が押さえている。だからそばを離れない。
{/netabare}

【考察】瑞穂は、長良の母親か?
{netabare}
長良は、五感では母親を捉えているけど、(心を安定させるため)意識のなかでは母親を瑞穂に変えている。故人である希が意識世界では存在するのと似た感じ。意識世界の瑞穂は母親だから結婚しているが、現実の瑞穂は結婚していない。

母親は祖母がいないと何もできずゴミ放置。三匹の猫は、三人の子供に家事をやらせている比喩。意識世界では兄は明星、弟(故人)はやまびこ先輩、妹は上海に変わる。

漂流前(この時点で漂流していると考察している)から能力を持っている人を推測すると、オーロラを出したのは明星、三億円は瑞穂、雷は上海。さらに、ヴォイスの声も聞こえていたから、ヴォイスを父親と考えると、漂流前は家族が能力を持っていた、となる。時系列で考えてみる。

1.8/16に病院で希が息を引きとる。現実は変えられないので、長良は意識世界のなかで希と出会ったときに戻る(リバース)。第1話の屋上のシーンが漂流前で、学校は8/16から時が進まず、長良の家族(父親は除く)が能力を持つ。

2.上海の雷で学校が暗幕に覆われ、生徒たちも能力を持つ。

こう考えると、ヴォイス(父)に対抗するために能力を持ったような気がしてくる。
長良の意識世界に入り込めるのは、長良を理解している人だけ。候補としては妹。あき先生の正体を妹にしようか、検討中。
{/netabare}

【考察】家族全員同級生か?
{netabare}
長良の母親は、祖母がいないと何もできない、という問題を抱え、息子である長良も悩んでいる。長良が悩むのは、親子というタテの関係があるからで、母親を同級生の瑞穂にして(もちろん、意識世界で)、ヨコの関係に変えると長良の問題ではなくなる。アドラーの心理学を参考に考えてみた。

仮定だが、長良には兄妹がいて、兄に対しては劣等感を抱き、妹にはエースと嘘をついて見栄を張る。これらもタテの関係から発生する問題だから、兄妹も同級生にする。兄は明星か朝風。

父親はヴォイスと考えたけど、誠二のほうが考察が進む。父親は弟の病気を治すため宗教にはまった。弟(白猫のさくら)を祭壇に載せているのを母親(瑞穂)が止めようとした。さくらはコピーの能力を持ち、コピーは同じものを返すから、やまびこと似ている。やまびこ先輩は弟と考察中。さくらとやまびこ先輩はどちらも弟だから会話ができる。

三匹の猫が長良の兄妹として、さらに深読みする。こだまがくしゃみしたときの鼻水と、とら猫の鼻水を一致させる。こだまは希と考察中。現実世界の希は故人だけど、意識世界の希は長良の妹で、現実世界では生きている。危ない状態だけど、やまびこ先輩は「まだ間に合う」と言っている。

長良には双子の弟(やまびこ)と妹(こだま)がいて、弟は白血病で他界。妹も同じ病気だが、弟で移植がうまくいかなかったから、妹も諦めている状態。妹を救うには長良の意識を変える必要がある。そのために、親子兄妹といったタテの関係を、家族全員同級生というヨコの関係に変えた……といった感じで今後は考察していこうと思う。
{/netabare}

【考察】猫の名前は、放浪するあの映画から
{netabare}
猫の名前は『男はつらいよ』からだと思う。放浪しているのは寅さんだから、漂流している長良がとら。漂流から戻ってくるのを待っているのが、妹のさくら。げんは兄かな。長良(とら)、妹(さくら)、兄(げん)、弟(やまびこ)。

長良には、双子の弟と妹がいて、二人とも白血病を患い、やまびこのような弟が他界。妹も危ない状態で、父や兄が神の力で治そうと妹を連れ出す。『止めたいが、父や兄には逆らえないので従うしかない』、考え方と行動が一致せず、心が不安定になる(漂流)。救世主のような希に出会い「きみのこだまになってあげる」と言われる。『希のような人がいるなら、妹を神にゆだねるのは正しい』、行動を変えずに、考え方を変えることで心が安定する。

希も白血病で、息を引き取る前に「本当の世界に戻って」と言い残すが、二度目の漂流。卒業式のころに神にすがっても妹は助からないと気づき、バベルの塔を逆に歩くころから考え方を変える。タテの関係では父や兄に逆らえないから、意識世界で家族全員を同級生にして、現実に立ち向かう。考え方と行動が一致して、長良(とら)は漂流から戻り、妹(さくら)を父や兄から取り返し、治療を受けて回復する結末。
{/netabare}

第10話 瑞穂の能力について考えてみた
{netabare}
〇これまでの考察
長良の家族(仮定)にキャラをあてはめて考察する。
長良(とら、エース)、妹(さくら、上海)、兄(げん、明星)、弟(やまびこ)、母(瑞穂)、父(誠二)

長良には、白血病で危険な状態の妹がいる。長良は、『病院で治すのが正しいから(考え方)、病院に連れていく(行動)』としたいが、父と兄は神の力で治そうと宗教団体に連れていこうとする。父や兄に逆らえないから、『病院で治すのが正しいけど、宗教団体に連れていく』となり、考え方と行動が一致せず、心が不安定になる(漂流)。

不安定を解消するには、どちらかを変える必要があるが、行動を変えるのは困難。そこに、救世主のような希が現れたことで、『病院で治すのが正しい』→『神の力で治そう』と考え方が変わり、心が安定する。

救世主のような希も、白血病で助からず、『神の力で治そう』を疑い、心が不安定になる。父や兄というタテの関係が行動の妨げになるので、意識世界で家族全員を同級生にして現実に立ち向かい、『病院で治すのが正しいから、病院に連れていく』と一致させ、妹を救い出す結末。
妹(さくら)は漂流の原因の一つであるが、妹を助けるには、漂流は必要だった。


〇意識の流れ
サブタイトルは、宮沢賢治の『春と修羅』から。この作品に関係するのが、心理学者ウィリアム・ジェームズの『意識の流れ』。意識は、ブツブツに切れた状態ではなく、川の流れのように連なっているもの、といった感じかな。いままで、色々な場所に移り変わったのも、すべて意識の流れで繋がっている、と言いたいのかも。


〇エロスとタナトス
あき先生はエロスで、朝風がタナトス(戦争)。こだま(希)と戦争という関係だから好きになれず、希を助けなかった。深読みすると、あき先生が妹で、朝風が弟(故人)かも。二つのものは双子を示すと思う。古代ローマの双子の像もあったし。ただ、最終回を見たあとで解釈が変わりそう。


〇瑞穂の能力
ニャマゾンの能力は猫のもの。瑞穂がいつも注文したから瑞穂の能力に見えた。瑞穂は蘇生させる能力。例えば、生きた魚を注文して料理すると、魚が生き返る。それを確かめるためニワトリで実験した。長良たちから向かって右が瑞穂で、左が長良。両方に刃を入れた(両方に血がある)ところ、瑞穂のほうだけ生き返った。

この能力を持った理由は、瑞穂が母親(瑞穂=母親ではなく、役割を演じている感じ)で、息子(長良にとっては弟)を失ったから。
{/netabare}

【考察】いろいろ深読みしてみる
{netabare}
考察を簡単にまとめると、長良が妹を助けるために、意識世界で家族を同級生にして、考え方と行動を一致させる、という話。自分の考察を補強するために、いろいろ深読みしてみる。

〇長良と朝風
卒業式が終わったあと、勢いよく門を出る朝風が、希を好きとは思えない。好きなら希の机のそばにいると思う。だから、エースと同じように長良の分身とする。エースは理想的な長良で現実にはいない。朝風は、長良のマイナス面。マイナス面を解決するには、現実の朝風を必要とするから心のなかにいる。

〇あき先生の役割
あき先生は、考え方と行動が一致しない生徒をキャンプで鍛えた。骨折は、相手にされない朝風についていくという矛盾を抱え、スマホを捨てたときに解消した。朝風は、希のようになれないと認めたとき。ウニは『ハリネズミのジレンマ』、近づきすぎると(嫌われて)傷つく。

あき先生は生きる手助けをするエロス(愛の神でもある)。崖の世界は、命を奪えても、命を救えないタナトスの世界だったから、希を助けられなかった。朝風(長良の分身)が、希のように考え方と行動が一致したから、希とさよならしたとも考えられそう。

〇やまびこ先輩の言う「あのとき」と「このこと」
「あのとき」は卒業式を終えて門を出たときで、「このこと」は漂流の原因がさくら(妹)、ということ。このことに気づいて朝風に声をかけて協力を求めていたら、その時点で妹を助けられた。
{/netabare}

【考察】意識から無意識に変えてみる
{netabare}
意識世界と考えたのを、無意識に変えてみる。ただし、学校だけはほかと違う気がするので、意識としておく。

・学校(意識)……双子の弟と妹が入学を楽しみにして、8/16に弟が他界したから静止?
・ハテノ島(前意識、努力で意識できる領域)……山と木があり、弟と希と考察中
・この世界(無意識)……待ち合わせた希と時間のズレがあったり、時間の流れが違う?


意識   逃げる    学校(8/16で静止?)  考え方
‐‐‐‐‐↑‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐↓‐
前意識   /\     /\
     /山びこ(弟) /\木だま(希)  
    ――――――――――――――――――――――ハテノ島
    スカート 毛玉 マウス 芋虫 コピー? コンパス
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無意識  暗幕  猿  ネズミ 塔  映写室   希
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身体  視・聴覚 嗅覚 触覚? 味覚 記憶・脳?
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世界  妹に叱られる            一致する行動


攻略した世界や能力遺物は、身体(主に五感)に関係すると思う。暗幕は、最初、"視聴覚"室だったので、視覚と聴覚。猿の野球の遺物は毛玉なので嗅覚。ネズミの世界はマウスになったので触覚。塔の世界で、長良がヒメにあげた芋虫が遺物なら味覚となる。映写室が視覚のような気もするが、記録があるので、脳ではないかと思う。

例えば、現実世界で妹(上海と考察中)に大声で叱られる(雷はその比喩)と、怒った顔と声が視覚と聴覚を刺激し、暗幕の世界から遺物のスカートとなり、"逃げる"と意識する。
希のコンパスは、考え方と行動を一致させるもの。告白したい(意識)→コンパス(前意識)→希(無意識)→言葉を発する(身体)→告白する(世界)

静止すべきもの(世界?)が動いて、動くべきものが静止して、逆転している気がしている。ヴォイスのメガネが逆さメガネだと逆転の逆転で、ヴォイスだけが世界を正しく見ている。あき先生にメガネを奪ってほしい。
{/netabare}

【考察】心の世界を、本当の世界と思っている
{netabare}
長良は、心の世界を、本当の世界と思い、異世界を漂流していると考えている。「ここは本当の世界ではない!」と叫んだ瞬間に、現実世界(外界)に切り替わるのかも。

心は見えないが、心の世界では、身体や世界(外界)が見えなくなる。映写室を通ったときだけ逆転して、身体や世界が表に出てきた。心(生徒たち)は見えないのが正しい気もする(外界の人からは見えていない)。卒業式は、現実世界が本当の世界と気づく機会だったけど、コピーとこじつけたから、また心の世界に戻ってしまった。

意識(学校)―前意識(ハテノ島)―無意識(塔などの世界)―身体(見えない)―世界(見えない)

現実世界の長良の意識は静止、自発的になにもしない状態で、命じられたら動くだけ。だから、意識→……世界といった流れはなく、世界→……前意識という流れしかない。

心の世界では、身体と世界(外界)は見えない。見えないけど何かが起きて、(無意識で)塔の世界やネズミの世界が現れる。そして、能力遺物をハテノ島(前意識)に運ぶ、ということがくり返される。

塔を逆に歩くのは意識的(自発的)だから静止が解除された(解除中は二つ星は生き返らない※)と考えると、ニワトリの実験も解釈が変わってくる。長良が自発的に注文したニワトリは静止が解除され、瑞穂は解除されないニワトリとなる。そうすると、瑞穂の能力は蘇生ではなくなり、能力不明となる。
※意識が途切れると静止状態に戻り二つ星が復活するから「二つ星によろしく」と長良は言った。
{/netabare}

第11話 衝撃的な最終回になると思う
{netabare}
元の世界は変わらないので、(希のいない)世界の見方を変える、そのために長良の心のなかで鍛えてきた、と考察してきたけど、その雰囲気が少し出てきた気がした。

まず、明星は命を絶とうとした長良の心。卒業式はその葛藤があったけど、希によって救われた。こだまの遺物をセットした箱舟が、元の世界に戻ったら、(現実の)長良は命を絶っていた。やまびこが「彼女の選択を正すべきだった」と言っていて、希=こだまと考えると、希は(病が重くなり)命を絶っていた。戦争はやはりタナトスで、勲章は命を絶ってきた人の数を言っていると思う。

長良は心の世界に閉じこもって、希を止められなかった。崖が崩れて落ちていく希を、朝風が救えなかったことと繋がる。おまえ(長良)のせいだと書かれたポストカードの差出人は、朝風でも誰でも、(長良の心だから)長良となる。長良は希とまだ形のない未来を、この世界で作ろうとしていた。
{/netabare}

【考察】現実世界の出来事を推測(前編)
{netabare}
最終回の予想にもなると思うので、現実世界の出来事を推測してみる。

双子は伏線があるので、長良には双子の弟と妹がいる。残り1話なので、妹は元気としておく。瑞穂だけ一緒に戻るのは、母親をヨコの関係(同級生)と見方を変えるため。現実世界[現]と心の世界[心]とに分け、漂流が始まるまでを時系列で考えてみる。表裏一体なので、[現]で起きたことは[心]に反映される。

[現]8/16、白血病だった弟の最期を見たくない長良は『弟が危ないのに学校に行く』と矛盾した行動をとるが、長良は選挙の集計係でポニーを生徒会長にする考えがあり、『学校に行く』が正当化される。

屋上に行き、教科書を破る希に出会う。屋上で、妹から連絡をもらい、弟が他界したと知る。どんな考えも正当化できず、心が不安定になり、心の世界を本当の世界と思いこむ。弟のそばにいなかった兄に対し、「お兄ちゃんのバカ」と妹が叱る。

[心]学校静止、家族を同級生にする。母親→瑞穂となり三億円(治療費?)を能力で出す。選挙の不正を明星がやったことにして(弟が見たかった)オーロラを出す。ここまでが漂流前。妹→上海の雷で学校が暗幕に覆われ、漂流開始。

希が漂流の原因とするより、漂流中だったから希を止められなかったとするほうが、やまびこの語りとも一致すると思う。
{/netabare}

【考察】現実世界の出来事を推測(後編)
{netabare}
前回の続きで、漂流後の現実世界を推測してみる。
(補足)最初の心の世界は屋上。現実と変わらないから本当の世界と思う。そのつぎが学校と続き、徐々に異世界のような景色に変わっていく。

[現]希が転校してきて、長良を連れまわす→[心]希に引っ張られ、ハテノ島へ
[現]希が「こだまになってあげる」と言う→[心]後述の命日のとき、こだまとして現れる
[現]長良の両親が離婚         →[心]瑞穂の指から指輪が消える
[現]希が命を絶つ           →[心]ハテノ島の木が燃える

第3話~第5話は、長良の成長過程だと思う。第6話の卒業式は、長良が命を絶とうとして、心のなかの希や妹が止めた感じかな。あき先生も「世界が終わる」と言って阻止しようとした。あき先生に正体があるなら妹。白猫と白衣で(強引に)繋げた。卒業後、妹(上海)に見栄を張る長良(エース)は意識から遠ざかる。妹は骨折としてふたたび現れる。

第7話以降は、弟と希の1年目、2年目の命日で、その人を思い返している。
(1年目)
第7話(塔の世界)……二つ星が弟に該当、オーロラや流れ星から弟は南極に行きたかった。それが寒そうな世界に繋がる。自分を責める日でもあるので、漂流被害者の会が長良を責めた。
第8話(祝祭の森)……こだまが希に該当、同じ病気を患った人がいる病院? 希を止めなかった後悔を表す。

(2年目)
第9話(南極?)……誠二は父親を表す。命日なので離婚した父親を訪ねると、長良以上にひどい生活。妹は足を骨折してベッドで寝ている状態。
第10話(崖の世界)……希が心に描いた場所かな。空っぽの生徒は、二年間の長良を表す。希と親しかった妹から遺品を渡され、それが現実に戻る気持ちを高めた?
{/netabare}

【考察まとめ】このアニメは何を見せたかったのか
{netabare}
〇物語の舞台
マインドワンダリング(心ここにあらず)になった長良の心の側から描かれた物語だと思う(wanderは"さまよう")。
コインの裏側をずっと見せられたようなもので、時間の流れは違うけど、物語は表側(最終回でまとめて出てくると思う)と同じように進んでいる。


〇哲学・心理学
各話には、哲学や心理学が絡んでいる。『ソフィーの世界』みたいなのを作りたかったのか、長良の家に哲学書がたくさんあるのか。以下、サールとアームストロングは合っていると思う。
第1話(アドラー)、第2話(フェスティンガー)、第3話(フッサール)、第4話(サール)、第5話(アームストロング)、第6話(デカルト?)、第7話(サルトル?)、第8話(ヘーゲル、キルケゴール、サルトル)、第9話(ユング)、第10話(ジェームズ、ヘーゲル)、第11話(キルケゴール?)


〇ストーリー
唯一、視聴者が理解できるのが最終回のストーリー。以下の三つは必要と考えている。
1.命を絶つ希を、長良が止められなかったこと
2.弟を失ったことで、長良が心の世界に閉じこもったこと
3.親の問題(離婚)を、長良の問題と考えたこと

これら三つも唐突で難しいと思う。だから、希がこだまと同じセリフを言うシーンがあれば、視聴者も理解でき、泣きアニメにもなると思う。

あらすじを考えてみた。
弟を失って心の世界に閉じこもる長良に、希はそこから出してあげようと考えた。だけど、長良は希の言うことを何でもきく、受け身の人間になり、飛び立つ邪魔をしてしまう。希も病が重くなり、自分の心境を描いたポストカードを長良に送る。それを見た長良は不安を感じつつも、希を信じて、過ちを犯すとは思わなかった。さらに、両親の離婚問題に関わってしまい、希に会いに行かなかった。希は、病が重くなったり、長良に対して責任を感じたのもあって命を絶つ。

ここからは少し解釈を入れる。
弟がジェンガが好きだったのを、一年目の命日のときに思い返し、塔の世界になる。二年目は南極を思い返し、骨折した妹を助けたことで、生きている人のほうが大事と考え方が大きく変わる。

希の一年目の命日は、病院にいたころを思い返す。崖の世界は、長良の心のなかにある希の心。そこには深い傷があり、空っぽの長良がいる。飛べなくなった長良が希の心の傷となっていた。それを取り除くことは、希の願いを叶えることで、長良は心ここにあらずから抜け出す。二年目の希の命日に、希が一緒に歩きたかった外の世界に長良はたどり着く。

一緒に外の世界を歩きたかった希と、それを叶えてやれなかった長良、そのシーンというより、そのすれ違い感を、このアニメが一番見せたいところかな。
{/netabare}

最終話 いつものオリジナルアニメだった
{netabare}
Aパートが終わったとき嫌な予感しかしなかった。結局、謎を放置したまま終わるいつものオリジナルアニメだった。大切な人が復活したけど忘れてしまうのは『ワンエグ』と同じパターン。考察で考えた物語はオリジナル作品として、どこかに投稿しようと思う。

この作品で、哲学の知識が増えたのはよかったと思う。とくに現象学を知ったのは大きいと思う。現象学を使ったアニメ作品は今後も出てくるのではないかと思う。

最後に一つ考察すると、キャラの名前が電車の名前なのは、電車を乗り換えるように、希から瑞穂に乗り換えるってことだった、とか。
{/netabare}

【解説】このアニメの謎を解いてみた
{netabare}
各話の謎には哲学が絡んでいる。合っていると思う順に並べてみた。

〇アームストロング(第5話)
アームストロングは、唯一名前が出てくる哲学者。アームストロングには、『現代普遍論争入門』という著書がある。著書の内容ではなく、普遍論争が関係すると思う。
長良が名前だけの救世主なのか、本当に元の世界に戻してくれるのか、生徒たちの間で論争になったことを指すと思う。

〇サール(第4話)
サールは意識についての特徴を考えた哲学者。キャップの長話はサールの哲学で説明できる。サールと猿をかけたのは言うまでもない。以下、説明は適当。
人と話しているとき、あれも話したい、これも話したいという気持ちになったりする。『あれもこれも』を意識に上げてしゃべっていると、また、あれも話したい、これも話したいという気持ちになる。そのようにして話が長くなっていく。

〇ヘーゲルとキルケゴール(ほぼ全話)
赤と青の描写が多かったと思うが、赤はヘーゲルで、青がキルケゴール。これは『ソフィーの世界』からの引用だと思う。適当に説明すると、ヘーゲルはすべてを一つとする考え方、キルケ―ゴールはその逆で、一つ一つが貴重な存在という考え方。
わかりやすいのが、希がヌシを釣ろうとしたシーン。赤いウキでヌシを釣ろうとしたのが、ヘーゲル。水の中(暗かったけど海なので青)で、ヌシの正体が魚の集団だったことが、キルケゴールとなる。瑞穂のものを盗んだときの青い炎や希の赤いセーターも同じ。ほかにも赤と青はあるので、同じように考えれば、少しは謎が解けると思う。

〇フェスティンガー(第2話)
生徒たちは『働く』という行動を変えられない状態(炎が出たり、元の世界に戻れるかわからない)にいて、対価が見合わず心が不安定になったが、「働くのも楽しい」「体を動かすのは気持ちがいい」と考え方を変えて心を安定させた。見合わない対価を、物ではなく心で満たした。それができない三人は暗幕に隠れてしまった。

〇フッサール(第3話)
暗幕の現象は、フッサールの現象学だと思う。いるかいないかわからない三人をエポケー(一時的に考えないようにする)して、三人を詳しく知ることで暗幕の世界(彼らの世界)に入れた。本当は出たいことを理解し助けてあげた。

〇ジム・ローン(第7話)
名言集からの引用かな。該当しそうなのを挙げてみる。
『運命を一夜で変えることはできないが、あなたが進む方向を変えることは一夜でできる。』
『大人がアリを踏みつけて歩いているとき、子供はアリをじっくり観察している。』

〇サルトル(第8話)
『ソフィーの世界』におけるサルトルの説明が、やまびことこだまに該当すると思う。あとは、希と会うのに遅刻したのが、サルトルの『存在と無』のなかにある15分の遅刻だと思う。

〇ユング(第9話)、ジェームズ(第10話)
以前、説明したので省略。

ヘーゲル(第6話)、キルケゴール(第11話)
赤い遺物をセットした箱舟をひとつのまとまりと考えれば、第6話はヘーゲルだろう。第11話はキルケゴールのように思える。

〇カント(第1話)、ハイデガー(最終話)
第1話をカントとすれば、英知界(可想界とも言う。理性で認識する世界)にいたと解釈もできる。元の世界は、感覚界(知覚で認識する世界)。

いままであたりまえのようにあったものが突然なくなると、その存在が強く感じられる、というのがハイデガーの哲学(説明は適当)。電車がなくなったら困りはするが、車を使えばいい。だけど、人間は代わりがいない。最終話はそういうことを言いたかったのかなあ。


改めて、このアニメを考えてみる。
まず、多世界解釈なので、希がいる世界といない世界が同時に存在する。長良も多世界の住人だから、長良もたくさんいる。長良が観測したら世界が増えるわけではない。希がいない世界がオリジナルで、長良たちはコピーだからその世界には戻れない。英知界でもイデア界でもいいが、そこでコピーから唯一無二のオリジナルへと変わり、希のいる世界へと戻った。
{/netabare}

投稿 : 2021/10/03
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サンキュー:

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Sonny Boy サニーボーイのストーリー・あらすじ

長い長い夏休みも半ばを過ぎた8月16日。学校に集まっていた中学3年生・長良〈ながら〉たちは突然、思いも寄らない事態に巻き込まれていた。長良自身はもちろんのこと、謎の転校生・希〈のぞみ〉や瑞穂〈みずほ〉、朝風〈あさかぜ〉ら、36人のクラスメイトとともに、学校が異次元に漂流してしまったのだ。しかも彼らは、漂流と同時にさまざまな《能力》を入手。人知を越えた能力に大喜びし、好き勝手に暴れ回る者もいれば、リーダーとして他の生徒たちを統率しようとする者も、元の世界に戻るための方法を必死で探す者もいる。渦巻く不信や抑えきれない嫉妬、そして支配欲からくる対立。次々と巻き起こる不可解な事態を前に、少年少女たちは突如として、サバイバル生活に放り込まれてしまう。果たして長良たちはこの世界を攻略し、無事に元の世界に帰ることができるのだろうか……?
(TVアニメ動画『Sonny Boy サニーボーイ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2021年夏アニメ

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