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「アニメ ブルーピリオド(TVアニメ動画)」

総合得点
74.1
感想・評価
279
棚に入れた
888
ランキング
947
★★★★☆ 3.7 (279)
物語
3.8
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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アニメ ブルーピリオドの感想・評価はどうでしたか?

既読です。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

当時も今も解らない。

アニメーターやアニメに携わる人たち
もっと言えば芸術方面に進まれる方

何故それを生業にしようと思ったのか

私には到底マネ出来ません。

好きだけでできる家業ではないでしょ?

元々の才能が有ったからでしょうね。
+のパッションでしょうか?

超ど凡人の私は、こつこつと努力を
積み重ねることしか出来なかったので
(スパコン相手におはじきで戦ってたレベル)
芸術の業界に身を置ける人たちが
たまらなく羨ましいです。

3浪目で合格した知り合いが
デッサンの課題で酷い目にあったって
こぼしていたのを覚えています。

投稿 : 2024/01/13
閲覧 : 137
サンキュー:

1

きゅん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良かった

見て良かったけどまた見たい

投稿 : 2023/12/23
閲覧 : 51
サンキュー:

0

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

おもしろい〜

早く続きが見たい
次のシーズンでたら見直す

投稿 : 2023/12/19
閲覧 : 44
ネタバレ

恵み さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

自分探しの作品

高校生の自分お思い出す

投稿 : 2023/12/17
閲覧 : 61
サンキュー:

1

ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

【そろそろ来い!】これほど2期をやるべき意義がある作品はない!!

【レビューNo.37】 (初回登録:2023/3/5)
コミック原作の2021年作品。全12話
原作はマンガ大賞2020と、第44回講談社漫画賞一般部門を受賞してる評価の高い作品ですね。
芸術など幅広いジャンルのレビューを入れておきたいなと。

(ストーリー)
矢口八虎は、学校では高成績のなんでも要領よくこなす優等生。しかし将来については明確な目標
もなく、仲間とつるむも味気ない日々を送っていた。
ある日美術室で見た一枚の絵に惹かれ美術部に入部したことで、超難関といわれる東京藝術大学の
受験を目指すをいう目標を掲げることに・・・
そんな八虎を中心とした、学生として美術を学んでいく姿を描いた青春群像劇。

(評 価)
・美術の素人でも十分楽しめる良作
 原作者山口つばさ先生が、都立芸術高校→東京藝術大学という経歴の持ち主だったこともあり、
 美大を目指す学生の実態がかなりリアルに描かれています。
 では美術の知識のない者に敷居が高い作品かといえば、そうじゃないところがこの作品の上手さ!
 主人公・八虎が初心者なので彼の目線に合わせて、デッサンや構図・作品の鑑賞方法等視聴者に
 もわかりやすく解説してくれるので、素人でも十分美術の世界を楽しめる構成になっています。
 また八虎の成長に合わせ、学校美術部→(美大用の)予備校→受験対策・本番と舞台を移していき
 美術に関する内容も本格化していくとともに、美大を目指す学生のリアルな奮闘ぶりを1クールの
 物語として、最後まで視聴者を惹きつけてやまない作品に仕上がっています。

・しっかりとした人物描写
 ただでさえ出遅れ気味の八虎が、本気で向き合えるものと出会いひたむきにその道を邁進していく。
 その過程では彼の努力だけでなく、学校美術部の先生や先輩、予備校での新たな出会い等いろいろ
 な人々との交わりが彼を大きく成長させてくれます。特に予備校では同世代の才気ある予備校生と
 関わっていくのですが、そこで八虎は自分は後発であることを思い知らされます。でもそんな彼ら
 にも葛藤があって・・・
 他にも因縁(?)の相手ユカちゃん(♂)や日頃つるんでた仲間とのドラマもあり、本作は単なる美術
 を題材にしたアニメに留まらず、しっかりと人物描写をしているから面白いのです。

・本作2期の意義
 これは単純に「1期が面白いから続きを」という話ではありません。1期ではある意味「受験美術」
 がテーマでしたが、{netabare}大学編では「芸術家として自分の価値観を確立させていくこと」等テーマが
 がらりと変わるからです。大学編の八虎は苦悩しているシーンが多く読むのが辛いです( ノД`)
 (なので高校編に比べアニメ化の場合の面白さはちと怪しいところもありますが・・・){/netabare}
 そういう意味では2期こそ本当の意味でのスタートであり、そこを描いてこその本作ともいえます。
 「のだめカンタービレ」もクラシック音楽の世界を、音大→海外留学→一人の演奏者として自分を
 確立していくまでの物語を原作完結まで完全アニメ化してくれたので、本作も是非最後までアニメ
 化してもらいたいものです。
 原作ストックはありますし、(円盤に替わり)ネトフリ独占配信で制作費用の優位性もあるので、
 そろそろ2期決定の朗報を期待したいところ。
 (他にもCMコラボや舞台化などかなり力が入っている様子なので、原作販促目的だけの1期で終わる
  状況ではないように思います。)

この作品は「是非娘にも読んでもらいたい」と思い、原作を即買いしました。美術というニッチな分
野であるものの、自分の目標に向かって努力する様や人との出会いを通じて成長していく過程等本当
に見どころが多いです。
アニメも原作の良さを引き出してくれており本当にいい作品に仕上がっています。上述の通り美術に
関する敷居もそんなに高くないので、美術の素人でも安心して面白く視聴できると思います。

OPEDもアニメにぴったりなよい曲です。
特にOPを唄う「Omoinotake」に娘はライブに行くほどハマってたし、個人で習ってるトランペット
でもOP曲「EVERBLUE」を選曲してたなw

【追 記】
ここまで原作もそうですが、{netabare}女性キャラも多数でてきますが色恋沙汰が全くありません!!
(サブキャラ同士とかもなく、集まれば美術談義に花を咲かせるって感じ?!)
しいて言えば、アニメでも放送されたユカちゃん(♂)が男に秘密を打ち明けて振られる話位?!
ストイックに美術の世界で奮闘する美術学生を描いており、{/netabare}近年の青春群像劇ではかなり稀有な存在
じゃないですかね。

(2023/6/24)
お気に入りに追加。
この辺まだ基準が決まっていないので、随時調整ですね。

投稿 : 2023/06/24
閲覧 : 250
サンキュー:

16

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

芸術とは何か?答えの無い問いに悶絶しそう。良質な青春群像劇です。

 超高難度な東京学芸大学へ現役合格を目指す若者達の青春群像劇です。2023.06.23

 合格には学力と美術力が必要ですが、後者は明確に点数化出来るものでは無いので、受からん人は何年やっても受からないという、無限地獄にハマります。

 実家の近くに美術専門予備校がありましたが、まさに死屍累々で、多浪の上おかしくなって故郷に強制送還されたり、事件をおこしたりするような受験生の悲劇は枚挙に暇がないほどで、地元でも伝説になっていました。

 主人公の八虎と他の登場人物達が合格出来るのか、毎週ハラハラして観ていました。

 ワンクールで合格発表までとしたのは、良かったと思います。原作はまだまだ続きますが、二期は無くても良いかもです。

 少し若い、世代の違う友人と話していて、ちょっと難点かな?と思ったのは、八虎のキャラが2020年代ぽくない点です。

 作中では少しオブラートに包んでいますが、明らかに高校生なのにタバコを吸って渋谷で飲酒しています。

 友人はそれが凄く気になると言っていました。確かに、ここに引っかかる人も多そうです。

 今だと、めちゃくちゃ悪い不良の所業ですが、90年代末位まで、ある意味渋谷は少し不良っぽい高校生の解放区でした。

 流石に制服で昼から飲酒していると警察に捕まりましたが、夜に私服なら、高校生同士で居酒屋やオシャレなバーで飲んでいてもOKな雰囲気でした。実際に私も覚えがあります。
 
 よくよく考えたら、17の夜に渋谷で貫徹で飲んで、明け方マジで泥酔しながら道端で喫煙していても誰も咎めなかったのは、さんざんやっておいてなんですが、褒められた事ではありません。

 当時の社会は、若者に興味なんて無かったのか、大人扱いとは少し異なる次元の狂いっぷりのような気もします。
 
 そのため、街の不良と言っても、地方のヤンキーと渋谷の不良は意味合いが違います。

 渋カジやカラーギャング、高校生イベサーとかも、初期は渋谷周辺の割と高偏差値の高校生が始めたものです。

 有名になると、地方のガチ悪が参入してきて、構成員の偏差値が低下し、警察のご厄介になるといった感じでした。

 今も渋谷は若者に人気の街ですが、高校生に対する締め付けは、かなり厳しいようです。

 だから、八虎のキャラクターに現実感が無いと言うのも分かります。

 不良なのに勉強出来るなんて!?と友人も不思議がっていました。

 そのへんの時代背景の説明は必要だったかもしれません。ただ、過去の話にすると、それはそれで若い視聴者が感情移入しづらくなりそうなので、難しい所です。

 昔と言っても、ほんの20年位前と今の社会状況が違いすぎて、現代劇を作る上での作者と受け手の齟齬となると言うのも、何か不思議な感じです。

 ただ、そうした欠点を補って余りある魅力のある作品でした。

投稿 : 2023/06/23
閲覧 : 104
サンキュー:

8

hidehide さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

内容はまぁ…が、架空の話、親泣かせ作品

成績が優秀である事が、先ず大前提という事実。

見た目は、
髪も染め、ピアスに、喫煙、夜更し、朝帰り。
そんな、俗に言う ヤンキー(死語ですが)主人公。

しかし、学校には真面目に行き、成績も優秀…

素行など、もはやどうでもよく、
国立の大学に現役で合格する学力がある、
要は、
見た目どうあれ、学力ありき、
馬鹿は東芸入れません、と匂わせている訳で。

既に
スタートラインに立てている事が出来過ぎです。
(ま、アニメだから、なんですけど…)

そして、絵に関して。

描く という事の「技術力」があったのでしょう。
世間で言う「手先が器用」という類のモノです。
描きたい、と思っても、描けない、のが一般的、
ナンか、描けてしまうのが、器用な人。
そこに、
芸術家『肌』、というか、感性が刺激され、
描いてみたら褒められた、
そこに、「喜び、楽しさ」を見出した…

(ちなみに、
この絵、幾らするのか、や、作者は、と絵ではない所に
最初に意識がいく人はその『肌』ではない…そうです)

ラインに立ち、器用であり、絵を描きたいと思い、
褒められ、高2で花開いた…

それでも合格しないのが東芸、東京芸術大学…

内容云々については、敢えて記載しませんが、
悪くはありません。
…が、

本作しかり、
音楽系、楽器系の作品…
…成功までが、余りにも安直というか、
簡単過ぎるのではないかな、と。

主人公の並々ならぬ努力も解ります…解ります…が、
それでも…それでも、『簡単』に見せ過ぎでは、と。

そして、リアルを言うならば。

東芸の学費は、武蔵美の、私立の学費が、と
『金』についての描写がありました。

これを『親』の視点で見ている内はいいです。
しかし、
青春只中の、我が子が、アニメに映画に感化され、
音楽系、美術系の大学に行きたい、なんて言いだしたら?

とんでもない事です…

いや、
1つのきっかけ、未来への可能性としてはアリなのですが…

この先、自身の嗜好品、ゴルフ、新車、一軒家も、
先ず、諦めるくらいの覚悟をするしかないです。
東芸は学費が低いだけで、掛かる画材、経費は莫大です。
毎日使う、消費していく画材、絵の具、幾らか知ってます?
それが私立になったら…

音楽も同じです。
管楽器は音大生もプロ使用モデルでも、100万以下。
SAXやクラリネット等の木管も100万以下。
消耗品も少なめで、どうにか…
これでも安い部類…それでも100万単位。

ですが、
バイオリン等の弦楽器。音大生クラスで500万、
少し上のモデルで1000万です。(プロで2000万〜)
これが、ビオラ、チェロになったら?
スタートから1000万近い楽器が必要になるのです。

サラリーマンには厳しいのではないか…
何と親泣かせな事か、と…

…と、そんな事を言い出したら、
翼君でサッカーへ、スラムダンクでバスケへ
ツルネで弓道、ちはやふるでかるた、
水泳、陸上、スノボにスキー、
…何にでも当てはまるかと思いますが、

根本的に掛かる費用がケタ違いですので。

アニメだから、夢を追うのはイイんです。
成功(合格)するのもイイんです…が…

本作、全国の多くある美大、芸大。
その受験生、予備校生が見たら、どう思うのでしょうね?

家計に余裕がある、
勝ち組視点の、イイ所取り作品では?と。

自身が『親泣かせ経験者』の部類でしたので、
他の方とは違う視点で、
思った事を羅列させて頂きました。

ま、所詮、架空の話し、アニメですから、
異世界モノとして見るとイイのでは、と。

投稿 : 2023/06/13
閲覧 : 145
サンキュー:

2

ネタバレ

やまげん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

美術と受験

原作は読んでいない。

芸術については、それ関係のテレビを見たり、美術館に年数回行くくらい。西洋絵画より日本画のほうが断然好き

作者も藝大出身のようで、描いたり作ったりする側から見た、芸術とはなんぞやという意義に迫る葛藤がリアルに描かれた良作だったと思う。大学受験の焦燥感や苦しみも、実際に体験したからこその描写なのではないだろうか。美大は受験していないが、受験を思い出した

原作を読んでいないので正しいかわからないが、アニメでは原作をかなりはしょっている気がする。話の進み具合が相当早かった
{netabare}ただ、芸大の受験とその結果まではアニメで見せてくれたほうが良かったので、はしょったのはある程度仕方ないだろう。原作では白黒だったであろう作中の絵画作品がカラーで見られただけでも満足

ブルーピリオドというタイトルから、ピカソが大きく取り上げられるのかと思ったけど、今のところほぼ関係なし。これから取り上げられるのかな

矢虎が藝大に合格したことで、今後は大学受験という要素がなくなり、単純に芸術に対して制限なく向き合っていく展開になるのではないか。大学受験までやる、といったアニメ制作上の制約もなくなると思うので、続編制作に期待{/netabare}

投稿 : 2023/03/04
閲覧 : 138
サンキュー:

5

白毛和牛 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

芸大を目指す青春ストーリー

内容としては芸大を目指す青春ストーリー的な作品となってるけど
確かに内容としては絵に関する所やお金に関する問題などの
芸大を受験する事の大変さとかはリアリティが有りそうかなと思えるけど、
まあ内容的に悪いと思える所は無いが個人的には特にハマった部分も無かったのでそれなりの評価の作品って所です。

【評価】

55点・1B級

投稿 : 2023/02/12
閲覧 : 151
サンキュー:

0

ネタバレ

たんたんたぬき さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

普通の人

 あれー評価低いな。私は漫画アニメにファンタジーを求めてるのに高い評価は現実的な作品ばかり…。矛盾してるとは思いますよ。ですがそうでもないんですよ。ファンタジーな作品は過去の作品に集中しています。理由は2つ、1つは誰もが納得できる点、何もなかった時代に次々生まれる奇想天外な作品は面白い。これはもう若い人に言ってしまいますよ。お前らアニメ漫画の本当の面白さ知らんわと。

 同時にそりゃ個人的贔屓だろ!って突っ込まれたら、うんもう1つの理由はそれです。多感な時期見た作品と、枯れた感性で見る作品が同じ価値なわけがない。私はアニメ漫画を世代間で見て同じように楽しむのは無理だと思っています。その辺りは冷めてる。だからこそ逆に分かってるから、若者の楽しみの邪魔はしない。ただ攻撃されたらきちんと反撃はする。

 んで今の感性にマッチするのは現実的なものになってしまう。じゃドラマとかにしておけよ。それがね、現実的な作品で良質な作品が少ないのよ…。だからこの評価びっくりしてる。こりゃ応援してあげなきゃかわいそうだと。

 はっきり言うと、これ漫画で読んだ方が多分良いですね…。でもね私は極限の評価するならそれを持ち出しますが、大半の作品ほどほど楽しめれば良いのです。原作がーってうるさい人本当に嫌になります。くそくだらない作品に溢れてる中、この素晴らしい原作の持つ魅力をちょっとでも与えてくれたアニメに感謝してる視聴者に気を使ってほしいのよ…。

 何故アニメだと駄目なの?静止画を扱う題材だからね…。アニメ作りをモチーフにした作品は漫画原作でもそれなりに光るでしょ。

 ただこれアニメとして素晴らしい部分がある。どう見てもこの先続いていくのが分かるし、それも素晴らしいと思うが、入学ってゴールに向けた疾走感が1クールにあってる。私は原作完結以外1クールアニメの評価が低いが、これは稀有な作品。区切りの良さが素晴らしすぎる。その点だけは多くの1クールアニメとストーリーについて考えてきた私が一押しするから是非見てほしい。

 んじゃ原作が持つだろう魅力ですね。とにかく絵を評価されるって魅力を存分に引き出してますね。そもそも題材がくそ珍しいのでそれだけでも面白いです。しかも重要なポイント、素人にも分かりやすい。なんていっても素人が主人公ですから。そこが良くないと主人公が光らない。芸術家って特別な人って見方があるけど、半分は普通の人が特別になろうとして経験がそうさせてしまう。

 この辺り結果として特別な人だけ見てると分からない部分。特別になろうとして特別になった人ってちょっと変じゃない?なら間違いなく変人だけどね…。この作品を見ればわかる。この主人公凡人として語るけど、根底の部分でちょっと変かも?って部分がある。特別になるための手順を理性的に人教えを受けてだけど作ってしまうんだ。

 ガンダムの冨野監督が昔超能力者になりたいと思って、訓練したそうだ。その結果全く役に立たなかったが、アニメにはわずかに役に立ったんじゃないかな…。おかしな人って能力が凡人でも、おかしな道筋を作ってしまう。この主人公目覚めが遅かったからごくごく凡人だけど、こんな事を小学生からやっていたら多分入学前にはかなりの特別な人になってたと思うよ。

 実はその芽生えあった。過去の青の体験がこの主人公を特別に走らせているから。多くのおかしなクリエイターは特別になろうとする時期がちょっと早いんだ。決して彼らは天才と言われるような人物とは違うと思う。この作品は主人公を際立たせるため、非凡な人間で周りを固めたが、実際は半分以上が変わってる事を意識的にやり始める人がかなりいるんだ。

 ただそれを高校生で大学受験を意識してやり始めるのは稀有かな…。その点は主人公の凡人っぷりはリアルだったと思う。

投稿 : 2022/11/12
閲覧 : 152
サンキュー:

4

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アニメの制作陣、そして原作者に賛辞を贈りたい。追記 龍虎の対比と受験絵画

 なんといいますか…青春時代に人生をかけて何かに取り組み、自分と向き合うことの大切さをここまで表現したアニメの制作陣、そして原作者に賛辞を贈りたいです。

 よくまあこれだけ人気がなさそうなテーマをアニメ化してくれました。今の時代だからこそ本作は特にSNSで時間を消費している高校生中学生の人たちに見て欲しいです。自分の過去を考えると偉そうなことは言えませんが、こういう青春の過ごし方があったということがIFになる前にぜひ考えてほしいテーマです。

 ユーフォの麗奈にもちょっと通じますが、青春時代に何かに取り組むことの素晴らしさ。ただ本作はユーフォより努力のプロセスも内面も具体的だし、成長が明示的なだけにより深い感動がありました。

 ストーリーは、森先輩の絵に憧れて、誰よりも深く表現するということ、そして自分というものを考え抜いた…そのことがただ素晴らしいと思います。まさにブルーピリオド、青の時代でした。

 人がみんな自分よりうまく見えるという劣等感。でも、浪人を重ね技術を持つ彼らは、所詮は不合格者です。それが分からない。この不安感の中、自分が正しいか、自分はどういう位置なのか。そういう自問自答。これがまた青春していました。

 そして龍二との対比も良かったと思います。龍二は自分と結局向き合えませんでした。あの女装の意味は性同一性障害というよりは、アイデンティティクライシスのように見えます。歪みといってもいいでしょう。自分を直視せず外に原因を委ねた結果なのかもしれません。
 その他いろんな人物が八虎という人物を成長させ、また八虎の人物像を浮かび上がらせていました。

 本作は美大受験がテーマでしたが、まさしく青春時代の無限の可能性ですね。社会の閉塞感が若者を苦しめているのはわかりますが、八虎のような青春を送れば自分で道は切り開けるということでしょう。

 沢山語りたい気もしますが、書けば書くほど薄っぺらくなりますので、これくらいにしておきます。本当にいいアニメでした。



追記 改めて見ましたけど、いいですね。

 龍二と八虎が2人でセルフヌードをやるところがいいですね。やっぱり龍二は性認識で苦しんでいる面もあるかもしれませんが、どちらかといえば、自分が分からない状態=溺れていると。つまり、本来的な意味での女性の心を持つ男ではなく、男性から逃げていたという感じがしました。日本画をやりたいのが主体的な意志ではないところで、自己認識がズレていったんでしょう。
(もともと龍虎なので対比なのはすぐわかりますけど)
 一方で八虎はどんどん、美術を通じて自分を見つめ直し、やりたい事に向かって進化してゆきます。この対比が素晴らしかった。

 美術はよく「自分の個性というフィルターを通じて、自然界の真理・本質を写し取ること」みたいに言われます。

 ただ、こんな「本質」みたいな抽象的な言葉ではなくて、とにかく自分が何を表現したいのか。自分が何者なのか。自分は何をしたいのかを徹底的に考え抜く。それが大事なんでしょう。
 そして、表現の方ですけど「受験絵画」と本当の絵画を区別するのかどうか。八虎くんは、描いて描いて技術として手段を手にいれたことで、自分の表現したいことが表現できるようになります。このプロセスが邪道といえるか、という部分です。当然そうではなく、目標に向かって枚数を描いた八虎は新しい境地を見付けました。

 美術予備校の先生がスーパーマンすぎるきらいはありますが、八虎くんの導き手ですし、物語の密度を考えるといいキャラだったと思います。

 八虎くんの一つ一つの行動も悩みも全てが青春でした。それがブルーピリオドだという話なのでしょう。数度見返しましたが見るたびにちょっとずつ何かを感じられる良作でした。








6話まで。
 6話の冬休みの画材の課題を先生に提出するところ。白黒の絵で2人が語っている場面でなぜか涙があふれてきました。

 とにかくセリフの一つ一つにいろんな感情が刺激されます。絵画の現実がどうかしりませんが、確かに青春ですね。


3話見ました。最高です。冗談抜きで最高です。

 ブルーピリオドでピカソなら個性と不安の話でしょう…以上のことを語れません。とにかく最後まで見て、コミック買おうかなあと思います。

 今、こういうアニメがあるのは素晴らしいと思います。最高です。

 追記 作画に1点注文が。龍二の1話の作画は{netabare}スカートをはいた男子の腰の骨格の作画ではなく、普通に女子でした。2話のズボンの時の腰つきも微妙だったし。{/netabare}ここは重要ポイントなのだからしっかり作画してほしかった。

投稿 : 2022/11/03
閲覧 : 495
サンキュー:

33

うにゃ@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

藝の道

東京藝大に高校2年生から受験をはじめ合格するまでの受験作品。
八虎が自身の内面にひたすら問いかけ葛藤し、それを作品に表現し研鑽を重ね技術と共に成長していく。
そして弛まぬ努力をもって合格する。
前半からテンポ良く進み、後半の盛り上がりには引き込まれた。
八虎の内面の表現が声優の演技含め特に魅力的で、主人公を取り巻くキャラクター達も個性豊かで、受験という中での個々の環境や個々の作品を作る苦悩など引き込まれる内容が多かった。

個人的には絵の上手な人は沢山いる、その中で秀でた物を生み出せる人はどういう人かをコンパクトに纏め上げた作品な気がした。

100点中84点

投稿 : 2022/09/02
閲覧 : 142
サンキュー:

4

ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

飛べない鳥は足掻き続ける

この話はやりたいことが見つかった青年の話

美大関係の話
私絵については全くの無知識ですので「本作は正しいことを言っている!」とかは言えないのですが、まぁ美大の教授が公認してるということはそういうことなのでしょう。
さて個人的にはあまり期待していなかったのです。最近私は「このマンガがすごい!」通称このマンの大賞作品に期待しないほうが良いというのを学びました。ですので「どうせ今回も」と望んだ所「これはこのマンをとるだけある」と思ってしまいました。

内容は美大もの。正確に言うなら美大受験もの。教育番組でやるような「おえかききょうしつ」ではなく、ハイレベルなやつ。私からすれば絵は全て同じに見えてしまうので「おお。この絵は主人公の心情を表している!」と察することは出来ませんでしたが、そこに付随というか本来そっちがメインなのですが、ストーリーがよく組み立てられており、絵というジャンルにおいてではなく、単純な物語としての評価が出来る作品となっています

途中、ジェンダー的要素が出てくるので、慣れている方以外は注意したほうが良いかもしれません。が、メインは絵についてですのでジェンダー初心者入門としては割と良いのかもしれませんね。
{netabare}
ちなみに私が一番好きなのは龍二君(この時点でものすごい批判をくらいそうです)。理由としましては、好きな絵が描けない悩み、でも恩義のために描かなければならない悩み、劣等、嫉妬、憎悪、絶望、自暴、渇望、そして自分の不安定さ、拠り所の無さ、それを否定したいが否定が出来ない自分の弱さを自覚する怖さ、そのどれもに葛藤。人間らしくて、好き。葛藤するシーンが非常に素晴らしかった。
え?主人公も迷っていた?いやいやアレはだめです。解決方法が単純すぎます。なんですか。自分の絵が認められたら解決って。まぁ人それぞれですからね悩みの大きさって。私が軽い重いを決めつけるのは違うのでしょう。
{/netabare}

監督は舛成孝二さん。マギの方ですね
シリーズ構成は吉田玲子さん。ガルパンなどの超有名脚本家ですね
キャラデザは下谷智之さん。サクラダリセットの方ですね
劇伴は井上一平さん。
アニメ制作はSevenArcsさん。りりかるなのはの所ですね

作画はかなり良い方。どうでも良いですが、私の友達の従兄弟が本作の絵の一つを描いたそうで、放送終了後になって家族親族に報告したと嘆いてました
声優さんはとても素晴らしく、特にリュウジ役の花守ゆみりさんが素晴らしい

人はなぜ描き始め、なぜ描き終わるのか
ということで締めます

投稿 : 2022/07/31
閲覧 : 182
サンキュー:

8

ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

「表現すること」への覚悟と熱情に圧倒されます。

お正月休み、録り貯めしておいたのを、一気視聴でした。

本当に、一気視聴向きな、
凄い気合いの入った傑作だった、と思います。

美大受験については、何となく
「デッサン勉強しておいて、構図が上手ければ合格点」という認識でしたけど、
東京藝大だけは別格で全くの別物!!!
っていうのは、知っている藝大卒業の方から、
ボンヤリ聞いてはいたんですけど、{netabare}こうしてリアルな感じでみてしまうと、
ホント凄い!です。。。
デッサンの1次試験では構図だけではなくて、
すでに自己表現のレベルとクォリティを容赦なく選別される!
これが、創作ではなくて、おそらくは実話に基づいているということに圧倒されます。
2次試験では裸婦が素材の油画創作。
武蔵多摩が美大のハイスペックブランドだと思っていましたが、
これはもう、全然次元が違いますね。

しかも、同じ藝大でも、
卒業後の展望が推測できる音楽系とは全然別で、
せっかく藝大を出ても、デザイン系の少数の卒業生を除いて、
絵画とかクラフト系の人たちって、なんの保証もアテもない世の中に船出するのですよね。
こんな時代に酔狂な・・・とも思いますけど、
だからこそ、若い時期にすでに老成していくほどの、
表現のありかたととことん向き合う人たちだけが、
勝ち取れる世界なのかも知れません。

絵画経験ゼロからスタートして、
2年足らずの期間で藝大合格を勝ち取る、
そんな鬼気迫る修養との相克が鮮明に描かれていて、
曲者だらけの美大系受験生の描かれ方も上手くて、
人間の、表現行為への希求と可能性を否応なしに突き付けられる。

そんな素晴らしい作品でした。創造することに執り付かれ、自己を削っていく{/netabare}情熱の温度の高さ、堪能しました。

投稿 : 2022/07/26
閲覧 : 501
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26

ピエロ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

多分楽しいことをするのが1番良い

ひっさしぶりにアニメレビュー書きます!
最近あまりアニメを見ても感想を書く気にならなかったのですが久々にレビューが書きたくなるような良いアニメに出会えました。
ストーリーはこれまで平凡に生きてきた主人公があることをきっかけに絵に出会いそこから美大を目指すといった内容でした。
まず、個人的に良いなと思ったのはキャラクターですね
このアニメに出てくるキャラはそれぞれ違いはあれど、かなりの名言を残していきます笑
自分が1番刺さった言葉は初っ端の佐伯先生の好きなことは趣味でいい、これは大人の発想という言葉です!
自分もこれまで生きてきた経験の中でやはり好きなことと仕事は別にした方がいいよねという考え方でいます。
しかしその考えって確かに大人の発想なんですよね笑
好きなことを仕事にそれで稼げればみんな絶対その方が人生楽しいし、それこそ幸せでいられると思います。
でも大人になると現実を知り、好きなことを仕事にすることを大半の人は諦めてしまいますよね。
先生はこの作中の主人公に向けてまだまだ若いのにそんな大人になるなって感じに伝えたかったのかなと思いました。
自分はもう普通に社会人として日々生きていますが、いつしかそういったかたまった大人の思考になってしまっているのかなと考えさせられましたね。笑
あと、OPの曲も良かったですね!
作品に合っていて素晴らしいと思いました!
おそらく原作は続いていると思いますが、一期の区切りとしてもベストな感じでアニメだけを見た僕もとりあえず作品がひと段落した感じで満足感がありました!
この作品の欠点というか悪いところは特に思い当たらないのですが、しいてゆうならアニメBGM?というかOSTがなんか変なやつがありました笑
下手するとアニメの雰囲気とかを損なうことになりかねないのでそこだけはマイナスでしたかね笑
以上!久々に良い作品に出会えて楽しかったです!

投稿 : 2022/06/14
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9

DB さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

芸大ってどんな人がいくんだろう、なんて思ってましたが、主人公はいたって普通の人物。芸術を学びたいっていう人は才能のある限られた人というわけではなく、普通に受験テクニックを学び、受験勉強をするのだなあと思いました。
特別な世界でないという感想ですが、それでいいのかな?ww
主題を見失っているかもしれませんが、まあしょうがない・・・

投稿 : 2022/04/24
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1

ネタバレ

エイ8 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

*高校生のおはなしです

『ブルーピリオド』(Blue Period.)は、山口つばさによる日本の漫画。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて2017年6月24日発売の8月号から連載中
2021年10月から12月にかけて毎日放送・TBS系列『スーパーアニメイズム』枠ほかにて放送された。同系列では各話放送後に、山田五郎によるミニコーナー『明日誰かに話したくなる!ブルピリ美術豆知識』を放送(wikipedia)

冒頭どこかのスポーツBARでテレビ観戦を楽しむ男四人組。もくもくと立ち昇る煙草の煙、色合いからみても明らかなアルコール、徹夜後のラーメン、眉毛無しが二人……そう、この物語は成人男性たちの熱い友情を描いtこ、ここここーこーせいいいいぃぃぃ!?

このシーンから高校生の物語と看破できた人は果たしてどれほどいただろうか?いくらなんでもおっさん臭過ぎるだろ……それとも最近の高校生はこんな感じなの?酒かっくらいながらのスポーツ観戦が娯楽……にわかに信じがたいんだけど……

まあそんなどう見てもおっさん描写の四人組の中の一人こと矢口八虎が本作の主人公。ようするに特にやりたいこともない中、自堕落に青春の時間を浪費していたという事が言いたいんだろう。少なくともアニメでは元から絵画に興味があったという描写はない。むしろピカソの絵がわからないとマイナスのイメージから出発している。
そんな彼が絵に興味を持つきっかけとなったのがオール明けの渋谷の空の色。タイトルの『ブルーピリオド』はその時の空の色から来てるのだろう(と、思ったのだが他所様のレビューのお陰でピカソの一時期の作品の定義だと知る。その名もズバリPicasso's Blue Period……勉強になりました。なんでピリオドやねんとか思ってしまってました……)。

行動力のある彼はすぐに美術部に入部し芸大を目指すことに。と、ここで部員の放った「DQN」という言葉からやや時代を感じさせるが、初出は2017年。うーん、この頃にはもう廃れていた言葉なような気もするが。

全体を通して女性陣に関してはある程度リアル志向と言うか、あーいるいるこういう人って感じの人が多い気がした。美術部員たちに関しても最早偏見で描いてるんじゃないかと言った感じのリアリティ(オレっ子はさすがにいなさそうだが)。ただ先輩の一人である山本に対しタメ口なのはどうしてなのだろうか?業界的にそういう慣習みたいなのがあるの?彼女の卒業式でもそれは変わらず、うちら受験終わったら同人誌だかrど、どどど同人誌ぃぃぃ!?
……こっそり八虎と龍二のカプもの描いてそう(偏見)攻守で揉めてそう(偏見)ヤトラソー〇ケとか言ってそう(げん〇けん)

冗談はともかく老婆の割にスタイル抜群の美術部顧問と予備校の大場といった教師陣以外はちゃんと人間を見て描写してると感じるのに対し男性陣はファンタジックな連中が多い。その筆頭となるのが鮎川龍二で彼はいわゆる男の娘タイプ。制服を男性もの女性もの上下バラバラに着こなすなど普通ではありえないというか許されないことを学校内でやってのけている(同じことやってる人、個人的にはつい最近「古見さん」で見た)。彼が何故「ゆかちゃん」と呼ばれるのか謎だったが「あユカわ」から来てる模様。それを先生どころか自身の祖母にも呼ばせてるのだから大したものだなあ、と。

推測だが、本来彼はもっと大きな役割があったのではないかと思っている。理由は単純に八「虎」に対して「龍」二だから。ひょっとしたら数字の八と二にも理由があった?合わせて10なとことかも含め意味深だけど、アニメ一期中にはそういったことは無かった。一応大きなイベントはあったが二人の関係が大きく変化するといったものにはなっておらず、今後もそんな気配は感じない終わり方だった。
男性陣でリアルと言っていいのは高橋世田介ぐらい。八虎の不良友達は冒頭のアレでとても高校生とは感じられないし。というか改めて見直すと男性陣少ないな。残りの準レギュラー級は橋田くらいじゃないか。後は予備校のイガクリ頭君……

美術を題材にしているだけあって風景描写はかなり上手。とくに校舎内に関しては下手な実写トレースよりも雰囲気が出てた。そうそう、学校ってああいうアブラ引きの匂いが漂ってくるところだったよね、とか。
一方で人物描写に関してはそうとも言えない。上手いは上手いが、例えば予備校生の桜庭と龍二の顔の書き分けはほとんど出来てない。彼女が私服で現れるシーンがあったのだが、顔だけ映されると本当にどちらかわからなかった。多分作者の中での「美人」があれで似通ってしまうのだろう。せめて髪の色をもうちょっと変えてたら良かったな。

さっきは男性陣が少ないと書いたが実際のところは男女双方とも少ない。ほとんどが八虎が絵画に向き合うシーンで消費されていくため他の登場人物は実質アクセントに過ぎず、サブキャラとしてはぶっちゃけ講師の大場が一番出番多い気がする。
そんな中では龍二がもっともドラマがあった方だが、これも先述した通り彼等の人間関係を深めるためでなくあくまで絵画の成長として利用される。あれだけのイベントをこなしておきながらそれだけで「はいお終い」と言うのもどうだかなとは思った。原作では違うのかもしれないけど。(あ、いや何も尊い関係になれと言いたいわけじゃないですよ?)

ただまあ、それらもそもそも八虎の性格に起因しているのかもしれない。他ならぬ龍二に「救命道具はもってくるが飛び込まない」タイプとして揶揄され結果飛び込みはするものの、単に飛び込んだという事実だけで終わった感は否めない。もっともこれは八虎よりも無茶振りだけした龍二の方に問題があるとは思うが、あのイベントによって得られたものは二次試験でのヌードの先取と龍二が作中ではちゃんと男に見られてたということぐらいでしかなかったのはやはり残念だ。

八虎というキャラはかなり空気が読めて立ち回りも上手いタイプで、挙句努力もできその効率も良い。高校生に見えないガタイの下には年がら年中絵画に向き合っても尚腹筋が浮かび上がってるぐらいのフィジカル派でもある。終盤にストレスによる蕁麻疹と眼精疲労でダウン寸前まで追い込まれはしたが、あれだけのオーバーワークを重ねながら崩した体調と言えばそれぐらい。世田介に「何でもできる奴がこっちくんな」と言われてしまうが、まあ気持ちはわかる。そもそもズブの素人から二年弱で芸大合格までこぎつけるほどのポテンシャルを持った完璧超人なのだ。

その一方で他人に対するこだわりは少ない方。世田介と美術部の先輩である森に関しては別格扱いだが、それは彼らがどうとかでなくあくまで美術に対するものでしかない。不良仲間の恋ケ窪に「その笑い方されるとそれ以上こっち入ってくるなと言われてる気がする」と言われたこともあり一応愚痴らせてもらうが、あの流れも何だか社交辞令的であまり良い印象を受けなかった。先述した龍二の一件も含め、多分彼は人間相手には本気になれないタイプなのだろう。何かに打ち込むことに対する集中力は群を抜くため合格までこぎつけることはできたが、ヒューマンドラマ自体が少ないのは必ずしもアニメ尺の都合だけでなく人間そのものに対する興味が薄いという事情もありそうな気がする。或いは自分の中で簡単に割り切りができてしまうからか。世田介に例の発言をされてからも暫くしたらへらへら電話に出る。Mなんじゃないかと自嘲気味だったが、少なくとも恨み妬み嫉み系とは無縁そうだ。

八虎が学ランの下に常にネクタイを締めている本当のところの理由はわからないが、真面目さの象徴と言った感じはする。じゃあどういう理由で不良化したのだろうか?多分、本当に人付き合いのための一種のコスプレに過ぎないんだろう。

全体的に感じたのは八虎を筆頭にみんなとても高校生とは思えないぐらい色んな意味で成熟しているということだった。龍二も実際のところは煙草慣れしてそうだし、どういうツテなのかスナックでホステスとしてバイトしている。(単純に大丈夫なの?あれ。風営法とかに引っかからんの?)
不良仲間達ももっと八虎の足を引っ張るかと思ったら、普通に良い奴揃い。正直何しにあんな尖った不良設定にしたのかわからないぐらい。八虎自身も空気読んだお付き合いを続けていた割には結構あっさり美術に打ち込めた。最初の頃は遊びは夜だからとか言ってたが、夏休みを全く焼けずに終わらせたという描写からもずっと絵を描いていたんだろう。要するに、不良仲間達とはどこにもいかなかったと見ていいと思う。

あくまで美術に対する成長譚として見れば悪い作品ではなかったが、「高校生の成長譚」として見れば色々チグハグしてるなとは感じた。冒頭のシーンもいくら着替えたところであんな空間にずっといれば髪の毛にヤニの匂いはどうしたって移る。しかも胃の中にはアルコール。朝っぱらからそんなんじゃどうしたってバレますよ。そういう面などをファンタジーとして描いてるのなら良いんだけど、やはり実在の学校の名前を出している以上そういう言い訳も難しいなという気もする。

初めから浪人生としての物語だったならスッと納得できただろうなあとは思う。いずれにしろ不良設定はむしろ邪魔にしかならなかったんじゃないかなあというのがディティールとしての感想。

投稿 : 2022/03/23
閲覧 : 241
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11

ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

青い水平線を駆け抜けていくような

原作未読


芸術で『青の時代』ときたら、あーピカソっすねくらい想像しやすい親切なタイトル。たしかあれも偉大な芸術家20歳前後のゆらぎだったような。
そのピカソの時まで“青”が憂鬱や貧困などの負のイメージと結びつける表現は無かったよとどこかの美術館の説明文で見かけた気がします。

物語は主人公矢口八虎(CV峯田大夢)が高校2年生の時から始まります。彼がとあるきっかけで絵画に目覚め美大を目指して奮闘するストーリー。美大受験とは珍しいテーマです。

そんでもってこちら↓

 『響け!ユーフォニアム』の吹奏楽
 『この音とまれ!』の箏

共通するのは原作者が実務者であったこと。『響け!』の武田氏は吹奏楽部経験者、『とまれ!』のアミュー氏は一家総出の筝曲家一族で自身も英才教育受けとります。血肉レベルまで落とし込まれている題材への深い造詣が

 知識 +α

αの部分。その題材ならではの心の動きみたいなのが垣間見えて作品のオリジナリティを担保しているところがありますよね。本作の原作者山口つばさ氏は東京芸術大学卒かつ芸術系高校出身のいわばサラブレット。全12話を通して期待したい+αを感じることのできた良作でした。

大多数の視聴者?と同じく当方絵心とは無縁です。噂では狭き門と聞く美大受験も一般受験しか経験したことのない身にとってはこれまた縁遠い。
そんな僕らに美大受験のお作法だったり美大専門予備校の存在だったり、そしてなにより受験に向かう若者のメンタリティを教えてくれました。良きチュートリアル系アニメで自身の見識を広げることに繋がるかもです。



 
※ネタバレ所感

■驚きと納得

芸術畑の人って独自の感性があって空気読むのに長けておらず唯我独尊っていうパブリックイメージ。一方で芯を突いた発言に納得させることも多々で変人と言い切れないハイスペック常識人が実際会った方には多い気がします。なぜか?

理由①{netabare}おかんの観察。デッサンの絡みで八虎の気づきは絵を描いてなければ知り得なかったことと描写されてます。目にはしててもスルーするのか意味を見出すかで断然後者のほうが有能なんでしょう。{/netabare}
理由②{netabare}構図の計算。名画と呼ばれるものは三角形四角形の配分が完璧だとか。これ数式解くのと全く一緒ですやん。{/netabare}
理由③{netabare}手段の多様性。画材いっぱいあり過ぎて(笑) なんだかんだ成果物が出来上がるわけでして、都度都度選択した表現手段に評価が下されるわけです。{/netabare}

対象の本質を見抜いた上で①、整合性を保ちながらプレゼンプランを練り②、相手に納得理解を促す方法を採用する③。
めちゃくちゃ普遍的なことだよね、と納得しました。こんなん若い時分から訓練してたらすごいことになりそうです。


■さらに納得

{netabare}「違うな。矢口さんはご飯食べたりう〇こしたりするのを褒められたらそれに自信持てるの?」

八虎に才能を褒められての高橋世田介(CV山下大輝)のセリフ。結局自分すら客観視できているがゆえに断言できるのだと思います。
徹底した観察を経ての表現(アウトプット)と捉えるならば、こういったキツイ台詞も根拠があるのだな、と。はたから見て「ちょっとユニークね」なのは鮎川龍二(CV花守ゆみり)の女装なんかもそうですね。

“本人なりに突き詰めた結果”と“突発的な奇行”とではまるで違うのでしょう。自省も込めて後者と受け取りがちなところをもしかすると前者かもねと懐深くあたりたいものです。そしてひとかどの芸術家もまた前者であることに説得力のある作品でした。{/netabare}


■アニメーションにも納得…わりと重要

おおむね満足しましたが、一歩間違えれば作品を台無しにしてたかもしれないのが成果物の魅力。ここはアニメ制作スタッフありがとう!です。

{netabare}絵です。これしょっぱいと興ざめもいいとこなんですが描いた絵どれもが美術品っぽい。工程如何に凝りまくっても蘊蓄たれまくっても出てきたものがこれですか?となれば説得力もなにもなくなります。{/netabare}


※余談

■OPって…

一瞬…{netabare}山下達郎かと思った。良い意味でまとわりつくねっとりとした高音。{/netabare}
{netabare}なお、EDはEPOかと思った。どなたか共感できる方おります?{/netabare}


■なんか普通

脱陰キャな主人公はそれだけでポイント高い。
おいそれと都合よくいじめられてたり、ぼっちだったり、ゲームやアニメ好きだったりしないのです。
見た目よかろうが、友達いようが、それなりにコミュ力あろうが、煙草吸おうが悩むものは悩む。

{netabare}「後悔はないですよ。反省は山ほどあるけど」
受験しながら脳味噌フル回転だったからこそ課題が具体的に見えてくる。ものすごい成長です。{/netabare}

{netabare}そしてそんな成長を促すことのできる良い大人がいるアニメってだいたい良作なんですよ。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 地上波リアタイ

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2022.02.01 初稿

投稿 : 2022/03/19
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35

ネタバレ

ハニワピンコ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

美大受験で見た受験生たちの青の時代

かなり注目されてる漫画。アニメ化部分までは視聴後買って読んだ。目標に突っ走るキャラ達と自分との乖離でコンプ発症しそうになるけれど、めちゃくちゃ面白い

で、アニメのはなし
こういうのはアニメ映えするし、漫画とアニメどっちが良かったかって明確に差が出る系の作品だと個人的には思っていて、"動く"というより"どう表現するか"に注目して見ていた

アニメ見てから漫画を読んだら、八虎の友達が絵を描いてるって気付くシーンや、親を説得するシーン等、そこカットするんだーって思ったシーンが結構あった。初見でアニメ見た時に違和感があった訳では無いけれど、あったら尚良いって思った。特に友達が応援してるってアニメだとほとんど描写されなかったのにいつの間にか応援してる風だったし

全体のアニメとしては
内容が良いだけに勿体ないと思う部分は多々あったかな
まず、かなり原作でもかなり早かった前半の展開を更に早くし過ぎてるから、描き始めたばかりの状況が飛ばされてるのは勿体ないと思った
もちろん、あくまでも受験だから予備校に重点がいくのは分かるけれど、森先輩との関わりや、始めたてからの少し上手くなった後の悩みなんかを経て予備校ってなったらもっと感情移入出来たかもしれない

何が言いたいかというと、視聴者にとっても共感し易い"描き始めてすぐの初心者の状態"を深く描かずに視聴者にとっては魔の"予備校"で、結構良い順位取ってるんだったら元から才能あるんじゃねとすら思う
視聴者がそう思っている中で、本人は才能が無いから量をやるしかないとか言ってると、かなり視聴者とキャラとの距離が生まれて上手く感情移入ができなくなってしまう。まぁそんな中でも、受験生らしい悩みはよく分かるし、プレッシャーや周りの環境の描き方は上手いと思った

こんな感じで、キャラの印象がよく変わっていく作品だった。特に龍二は途中かなり嫌いになった
途中までは基本的に龍二のキャラというものは他者(特に八虎目線)から客観的に見たキャラであったので表面化してこなかったけれど、一次試験退場した時に試験監を越えて、美大生 芸術家に対して毒を吐いた所でかなり嫌いになり、そこからは自分が1番の被害者だと決めつけて他人に当たり、勝手に絶望したりしてるのは、もちろん外的要因もあるのは重々承知してるけれど、結局は"自分自身の問題"なんだから、自分が正面から向き合わず、親のせいや、おばあちゃんの期待がある等の逃げ道に逃げているのは悪いと思う
それでも、水に飛び込んだ八虎を通して、家を出て自分も変わっていこうと思ったといって終わったから、最終的には嫌いではなくなったかな
自分の事をちゃんと自分から語ってくれて良かった。それをヌードを描きながら語るという構図もかなり凄いと思った


この作品は"受験物"と安易にカテゴライズすると、某東大受験作品と並べられてしまうので、受験を通した人間ドラマと言った方がいいかな

キャラ達が言ってる事ってある種"当たり前"なんだけれど、受験という試練に当たって自分を見つめ直した結果、その"案外気付かない当たり前"に気付けるというスポ根物や人間ドラマでは王道展開を、この作品も受験 芸術という題材にしっかり沿ってしっかりとやっていて良いし、それを言語化して漫画として成り立たせている作者も凄い
それがストレートにラストの二次試験で生かされていて、キャラの成長も感じられるし、見ていて気持ちが良い

とても良い作品だと純粋に思った

投稿 : 2022/03/10
閲覧 : 231
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16

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

美大進学を目指す青春群像劇

原作漫画はかみさんに貸してもらって、既刊11巻は読了しています。
第1話視聴時点で、このレビューを書いています。

タイトル『ブルーピリオド』の由来は、パブロ・ピカソの作品制作年代の呼称「青の時代」(1901~1904)に由来すると思われます。

本作中で、画家や作品の評価という文脈でピカソについては作中キャラによってたびたび語られるので、本作品のメインテーマと深く関わっているとは思いますが、特に美術や美術史的な予備知識はなくても楽しめる作品だと思います。

お話としては、普通に大学進学を目指していた矢口八虎(やぐち やとら)が、あるきっかけから絵を描くことに目覚め、美大進学を志すといった感じの導入です。

取りあえず1クール作品だとすると、今後は主に八虎以外のメンバーも含めた美大受験を中心としたストーリーによる青春群像劇が展開してゆくと思われます。

第1話を観た限り、作画についても私はあまり気になりませんでした。また本作にはストーリー上、未成年喫煙・飲酒の場面がありますが、地上波放送があるにも関わらず自主規制的なそれらのシーンの排除はされていませんでした。

原作を損ねずにこれらのシーンを描く判断がされて良かったです。

余談: 地上波テレビ放送で視聴すると、Netflix配信には付いてこない山田五郎の美術解説コーナーが観られます。

==

2022.3.3追記:
2021年内に観終わっていたんですが、12月半ばから仕事が怒涛の勢いでレビュー更新もメッセージへの反応もほとんどできず、今頃の更新で申し訳ありません。

原作からの目立ったストーリー改変もなく、作中作である絵もほぼ原作の忠実な再現になっていて、アニメ化のレベルとしてはとても満足のゆく出来だったと思います。

もちろん原作はまだ続いていますが「美大受験」という大きなストーリーの山があったので、とても最終回らしい最終回を迎えました。もちろん続編を作る上でも問題ない終わり方でしたね。

個人的には高校生の頃に一応建築学科も志望していたこともあって芸術の選択科目として美術を履修していたんですが、もちろん藝大や多摩美などをガチで受験する人たちが周りにいたこともあって、少々懐かしさなども感じながら本作を楽しんでいました。

何にせよ絵画に限らず「創作」というものに向き合う上での普遍性をうまくとらえている作品だったと思うので、そこに共感できる人にはとても響いたんじゃないかと思います。

逆に「萌え要素」みたいなのはあんまりないアニメだったかなあ。たとえば桑名さんとか私から見ると可愛いんだけど、深夜アニメの支持層的にどうだったのかは良くわかんないです。

けど、あまりウケるタイプではなかったんじゃないかなあ…?

なお、評価での「作画: 5」は原作の雰囲気の再限度で付けたみたいなところはあって、「ゴリゴリ動く」とか「ヌルヌル動く」とかそういうアニメ的に凄いっていうんじゃないので、そこは割り引いてみてください。

投稿 : 2022/03/03
閲覧 : 347
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33

GOMA さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

正直期待してなかったけど、結構面白い!

月間アフタヌーンにて2017年6月から連載中マンガのアニメ版。2021年10月~12月アニメ放送。題材的に正直あまり期待してなかったんですが、結構面白かったです。

製作はSeven Arcsさん。声優さんは峯田大夢さん、花守ゆみりさん、山下大輝さん、平野文さん、河西健吾さんなど。なんだろう?メインとなる登場人物が少ないから?失礼な言い方かもしれませんが、有名どころが少ない割にキャスティングはとてもマッチしてました。良い意味で変な感じは全くありませんでした。

キャラデザ、作画、絵コンテは普通にキレイかと思われます。OPもまぁ好きな方でした。なんだろうな~、とにかくバランス?まとまり?が良いアニメです。
原作のマンガ読んでみようかなぁ♪

投稿 : 2022/03/02
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2

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「美術」初級編

正直、美術漫画と言えば、美大生活を描いた「ハチミツとクローバー」があるし、少女漫画でも数知れず多く存在するので、内容はそこまで目新しさはないですが、キャラクターデザインが昨今のトレンドを入れているせいか、非常にアニメにしやすく観やすくなっていると感じました。

なので、「美術」に興味があるかな程度の中学生や高校生にはちょうど良いアニメではないかと思います。実際は東村アキコさんや羽海野チカさんが描かれているように、毎日担当教授や先輩からの課題に追われ、感性が合わなければ罵倒され貶されて、人間関係がうまくいかない人間は美術の世界に生き残れないのが現状です。

アニメや漫画業界では、担当のプロデューサーや編集者といやがおうにも取っ組み合いの「打ち合わせ」やら、どうにか世間にお披露目するために話し合いをしながら作品を作りますが、「美術」はその人の「個性」そのものなので、「感性が合うかどうか」だけ。。。まさに孤独な作業なのです。

そういった側面は。。。残念ながら原作にもそこまで描いてないので、「初級」だと思います。

投稿 : 2022/02/19
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18

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フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

美大を選択するという生き方

アニメーション制作:Seven Arcs
総監督:舛成孝二、監督:浅野勝也
シリーズ構成・脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:下谷智之
美術監督:仲村謙、金子雄司、
美術設定:緒川マミオ、中島美佳
音楽:井上一平、原作:山口つばさ

よく行く飲み屋には、美大出身の人が何人かいた。
多摩美、ムサビ、東京藝大の人もいたように思う。
ひとりはフィギュアを制作する会社に勤めていて、
ほかには、三越に勤務している人や、
飲み屋を経営している人もいた。
彼らと話していると、美大出身の人は
インテリが多いのだと感じさせられた。
幅広い知識を持っているし、音楽や文学、芸術には
やはりこだわりがあって詳しかった。
彼らと話す時間は楽しかった。

今回、美大受験がテーマのこの作品を観ていて、
彼らがなぜ深い知識を有し、面白い話ができるのかが
分かったような気がした。
東京の美大は難関が多いのはよく聞いていたし、
彼らはやはりほかの人と少し違った性質を
持っていたように思う。

それは美大を選択するという困難さ、
そして、受験するに当たり、
自分という人間を深く理解しなければならないという
難しいテーマについて、この若い時期に対峙するからだろう。
しかも、美大に入学したとして、
それが良い就職につながるというイメージはない。
もちろん、美大は優秀なところが多いので、
それなりに良い就職先はあるだろうが、
普通のサラリーマンになることを考えるような人は、
まず選ばない進学先だと思う。
美大を選択することは、将来の仕事というより、
生き方を選択することに近いのかもしれない。

主人公の矢口八虎は、ノルマをクリアする感覚で
楽しく人生を謳歌している人間だった。
頭は良いし、何でもそつなくこなす。
ピアスと夜遊びで、周囲から不良と見られているが、
それは、自分が何を好きなのかが分からないことの
裏返しの行為だった。
趣味のひとつは、サッカー日本代表の試合を
スポーツバーで観戦し、友人たちと騒いで、
喜びを共有することだった。

ある日、八虎は学校で美術を本気で志している人の
F100号という大型サイズの天使の絵を目にする。
そのことによって自分のなかの何かが動く。
美術講師から授業で「好きな風景」の課題を出され、
徹夜明けの渋谷の街が心のなかで膨らむ。
自分の感じたもの、自分の目に見えた渋谷の街を
ブルー基調で紙に表現する。
その絵を多くの人から感じ取ってもらえたことで、
自分の好きなもの、自身の感覚を大切にする
真っ直ぐな生き方に心が動かされる。
そして、絵を描くことで、これまで見えていなかった
現実の景色も、より明瞭に見えるようになるのだった。

この作品は、矢口八虎が美術に出会い、
美大受験に取り組んでいく話でしかないのだが、
内容はとても深く、哲学的ですらある。
物事の「価値」は、一体どこにあるのか。
自分にとって大切なものは、何なのかを
一人ひとりに突き付けてくる。
もちろん、美大受験、あるいは好きなことを
目指すことだけが幸せになるとは限らない。
しかし、自分の好きなことに対して、
真正面から取り組むことは、きっとその人の人生に
豊かな彩りを与えてくれるのだろうと思わせてくれる。

私は美大受験に対して全くの無知なのだが、
東京藝大出身の作者が描くこの世界の論理は
スッと自分のなかにも入ってくる。
結局、東京藝大を目指すには、
「好きなもの」や「表現したいこと」が
自身のなかではっきりしていないといけないし、
そこには誰もが知っているありきたりなものではなく、
自分自身が何度も反芻して導き出した
理屈が必要になってくる。
そこは、企画書作成のやり方に似ているかもしれない。
誰もが分かりやすい表現方法で、問いに対する明快な解答を
オリジナリティを加えながら行わなければならない。

「美術は生き方」だと予備校の大場講師は言う。
人によってゴールの場所が違うし、
ゴールに行くまでの方法は、自分で考えなければならない。
正しい解答があるというよりも、
見た人を納得させられるロジックと技術力が必要なのだ。
これはもう「受験」という部分とは外れているように思える。
一般的な大学と違い、2浪、3浪、4浪以上までが
たくさんいるのもかなり特殊だろう。

受験で興味深いのがスケッチブックを提出すること。
普通の試験なら解答が合っているか間違っているかでしかないのに、
美大受験の場合、作品と一緒にその過程を表現するものも
提出しなければならない。つまり作品を補完する役割のもので、
これがとても重要になってくる。
その解答に至った「過程」や「考え方」を重視するのだ。

受験は人生の重要イベントのひとつだ。
思春期ということもあり、
人によっては色々なことが起こるだろう。
でも、私自身の経験では、やはりかけがえのない日々だったように思う。
自分が将来何をやりたいのかも見えない時期に
ただひたすら勉強ばかりするのは辛くもあるが、
自分の知らなかったことをどんどん吸収できる喜びがあった。
勉強のことしか考えていなかったのに、
未知の世界を旅するような感覚だった気がする。
八虎はそんな時期に龍二の悩みにまで入り込み、
自分自身の問題として捉える。
海に飛び込まないと、冷たさや暗さ、怖さなど、
本当のところが分からないのなら、飛び込むしかないと思える。
これは、八虎が美大受験を通して受け入れた副産物ともいえる
他人に対する考え方でもあったのだろう。

{netabare}東京藝大の一次試験・自画像に続き、
二次試験のモチーフはヌードモデル。
実際に若い裸の女性が現れてモチーフにするという。
こんなテーマが受験で出されることがあるのは驚きだ。
やはり美大受験は一筋縄ではいかない。
八虎は龍二との小旅行時に自分の裸を描いたことで、
自分にとって裸が意味することを理解していた。
毛の生えた薄いゴムのように情けないのが裸で、
だからずっと武装しようとしていたのが
自分自身だと気づいていたのだった。

ありのままを認めること

それが人生において、生き方において
とても大切なことなのだと八虎は最後に行き着く。{/netabare}

受験を通して、主人公が自分自身について深く考え、
成長していく様子をつぶさに見せてくれる。
これはどの世代にも響くだろう。

私は、この作品がとても気に入っているのだが、
はっきり言ってアニメ自体には不満も多い。
いろいろな事情で制作の難しい面はあっただろう。
12話で受験までを構成しなければならないのは、
どう考えても必須だっただろうし、
そのためには、時間をかけずに物語を
進めなければならなかったのも分かる。
ただ、個人的にはメリハリが不足していたと思う。
というのも、内容は良さそうなのに1度観ただけでは、
ぼんやりしている部分が多すぎるのだ。
これは、見せ方や演出、そして捨てる部分を
増やすべきだったのではないだろうか。

内容はとても好きだったので、
アニメを全話鑑賞したあとに、コミックスを全巻購入した。
そして、読後に感じたのが、漫画で大切にして
2ページを使って表現しているような部分を
アニメでは軽く流してしまっているので、
そこが、重要で心に響くシーンなのだということに
気づきにくいのだ。これは演出の問題だと思う。

この作品は作者の「言葉の選び方」も秀逸で、
そこをきっちりと視聴者に伝えないといけないのだが、
アニメでは無頓着に感じる。
原作者との打ち合わせなど擦り合わせが必要な部分も
多かっただろうが、個人的には制作会社の力不足を感じた。

しかし、それはあくまで作品の良さのいくつかを
表現できていないというだけで、
私はアニメを鑑賞して原作購入を決めたので、
十分に奥深い魅力を伝えてくれているとは思う。
あくまで、原作レベルでの良さを
伝えきれていないという意味だ。

おそらく時間や人手不足もあったのだろう。
本編のアニメーションの質自体は、
崩れる一歩手前というレベルの部分など、
観ていて引っかかる場面は多数あった。
美術作品をアニメーションのなかで表現しないといけないという
とてつもない高いハードルもあったので、
仕方ないのかもしれないが、良い作品だけに
余計に気になってしまったのかもしれない。
ただ、OPとEDのアニメーションは、
とても良く出来ていたと思う。美術アニメとしての
イメージを存分に生かして落とし込んでいる。

私の感覚でしかないのだが、
この作品のアニメにおける続編は
BDがよほど売れない限り、
ほぼ期待できないのではないだろうか。
内容がそもそも一般受けしないことに加え、
視聴者に伝わりにくいと思えるからだ。

「青の時代」なのか青春なのか、
それとも全く別の何かなのか。
タイトルへと導く物語の行く末は、
コミックスで最後まで見届けたい。
(2022年2月19日初投稿)

投稿 : 2022/02/19
閲覧 : 548
サンキュー:

44

ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ふと足を止めてみたくなる、展覧会の絵

ずっと前、アンディ・ウォーホール展を見に行った時、

  ああ、この人って特別すごい才能があるわけでもないのに、
  シルクスクリーンで一発あてちゃって、
  けっこうしんどい人生を歩むことになったんだなあ。

なんて感想をしみじみと抱いてしまいました。

シルク以前の作品には、ぱっとしたところが感じられないし、
後期の作品には半ばヤケクソみたいな匂いのするものがけっこうあって、
芸術家というのも大変なんだなあと思った次第です。

  いや、もちろんウォーホール好きなんですが。
  そう言えば『中二病でも恋したい』のOPでオマージュ演出ありましたね。
  ママパチオマージュ全盛の中、ああいう使い方っていいなあ、と。


さて、本作『アニメ ブルーピリオド』は、
そういう芸術家というか、
その卵である東京藝術大学の絵画科(油絵)を目指す受験生のお話です。

この作品、放送前は、正直まるで期待していなかったです。

  総監督が『宇宙ショーへようこそ』の舛成孝二さん。
    『マギ』以来9年ぶりの監督で、かなりのブランク。
    作風も、こういうのじゃないという印象が。
  制作が『リリカルなのは』のSeven Arcs。
    作画がちょっとな……ジュニアっぽいというか、かなり微妙。
  主演が元コスプレイヤーの峯田大夢さん。
    所属も声優系ではなく、芸能系のスターダストプロモーションだし。

要するに『いいものができる』と予測する要素が何もないというか、
申し訳ないけれど『コケなければ御の字』ぐらいのつもりで、
とりあえず視聴を始めた次第であります。

  で、結論からいうと、見事に惹き込まれてしまいました。
  まいった。ほんとうにおもしろい。
  偏見もって見始めてほんとうにすまんかった、ごめんなさい。


さて、この作品の魅力は、大別すると以下の三つに集約できると思います。

 ① 絵画技法や芸大受験を全く知らない人でも引き込まれちゃう親切設計
 ② 主人公・八虎を中心とした、悩み彷徨う若者の青春群像劇
 ③ 有無を言わせぬ作品講評のリアリティ


まず①ですが、これ、本当に大事です。

 僕ももちろんそうなんですが、視聴者の大部分というのは、
 絵画の技法だの藝大受験の難しさだのというのは
 まるっきり『知らん』わけでありまして。

 その点、本作ではズブの素人だった八虎が藝大を目指すという、
 視聴者と同じ立ち位置から学びを始める体裁をとっているわけです。

 だからものすごくわかりやすいし、共感できる。
 いや俺アニメぐらいしかわからんし芸術とか言われても……
 というタイプの方でも気軽に見て楽しめる安心設計でないかと。

   おまけに、段々と言われることが専門的かつシビアになってきます。

 初回と二話までは、高校の部活レベルのお話ですから、
 そんなに難しいこととか高度な技法なんてのはでてきません。
 本編後に流れる『ブルピリ豆知識』も基本中の基本ですし。
 {netabare}
 ふふん、そのぐらいオレだって知ってるもんね、
 そんな感じで油断しながら見ているうちに、
 三話目から六話目までの予備校編がスタートします。

   もう、教室に入った瞬間から、雰囲気が全然違います。
   見かけからしてイカレてる奴が多くて、
   リアルなんだろうけど、笑っていいのやら納得したらいいのやら。

 もちろんここは本気で藝大を目指す連中の巣窟ですから、
 知識や技術、さらには視点や意識の持ち方までもが全然違います。
 少なくとも僕は『知らんかったこと』がほとんどだったわけなんですが、
 その解説が自然なうえに丁寧なんだ、これがまた。
 いやあ、勉強になります。

   ここで視聴者は、いろんな技法を知らず知らず学ぶだけでなく、
   プロによる『絵の評価』はどういう視点でなされるのか、
   そんな狭くて難しいことをイチから教えてもらえるわけですね。

 そういうのをこってりアタマに叩き込んだ上で、七話からは藝大入試編。

 このあたりになると見る側もけっこうその気になっていて、
 おお、その手できたか、みたく、
 わかったような感想を持ってみたりみなかったり。

 二次試験の課題がヌ-ドモデルというのも、おおっ、藝大っぽい。
 というか、モデルさんが休憩のたびに前も隠さずストレッチしてるのが、
 新鮮な驚きというか発見というか。 ヨロコビ言うな。
{/netabare}
 総じて、実生活にはまるで役に立たない知識がてんこもりで、
 視聴後はちょっとした知ったかぶりができるぐらいのレベルにあります。
 この辺、うまく知的好奇心をくすぐってるなあと感心してみたり。



そして②の群像劇要素が、じわじわぐいぐいと視聴者を魅了していきます。

 八虎の初期設定は、やるべきことをきっちりやる、イケメンチャラ男。
 それに調子こいてたら単に『イヤなやつ』なんだけど、
 そのきっちりさが『自信のなさの裏返し』なのが、共感度あげています。
 {netabare}
 そしてその自信のなさは、制作姿勢にも現れています。

   俺は天才じゃない。書いた分しかうまくならない。

 そういう自己認識の元、千本ノックのごとく書くわ書くわ。
 講師にダメだしされても、世田介くんに才能の違いを見せつけられても、
 決してココロ折れたりせずひたすら書き続ける。
 もはや『スポコン』ならぬ『芸コン』領域。
 あの『響け!ユ-フォニアム』の、さらにハードモ-ドみたいな感じです。

 そのくせ、わき目もふらず自分のことだけ考えてるわけでもなく、
 藝大受験の二次試験前に、
 親友でもない鮎川に付き合って海まで行くとかね。いい奴なのよほんと。


 その鮎川がまた、いいキャラしているんです。
 性自認は男みたいだから、女装指向のゲイになるのかな?
 いやほんと、告られたら迷っちゃいそうなぐらい美形です。

 鮎川のいいところは『おかしなやつ』じゃないところ。

 外観上は一番かわってるんですが、
 ただ自分の『好き』に正直かつ必死にしがみついてるだけで、
 ポ-ズとはうらはらに、根っこは繊細で、悩める青少年。

 わが道を行ってる顔をしながら自分に対する周囲の目を客観分析したり、
 しんどそうな生き方をしてますが、共感できる部分が多いです。
 八虎にだけ甘えて本音を吐露しちゃう弱さも、なんか純粋でいい感じ。

 てか、この二人、実はけっこう互いを理解し合ってるんですよね。
 そのくせ馴れ合いもせず適度な距離を保っているところが、
 逆に相手を認めている感じがしてステキです。


 そして、天才、世田介くん。
 圧倒的な才能と傲慢なまでの自信、
 そしてそれ以外は何もないというコンプレックスを標準搭載。

 イケメンで友だち多しの八虎に対して
   おまえ、リア充のくせに美少女アニメなんか見んなよ
 的な敵愾心を抱くあたり、見事なよじけっぷりです。

 ぐいぐいくる八虎を表面上は迷惑げに拒否りながらも、
 内心うれしたったり困惑していたり、
 ほんと、わかりやすくひねくれた性格してるなあ、と。
 
 そのくせ、なんやかんやで二次試験のときには、
   今日だけは無理した方がいいよ
 なんて『対等な仲間』としてアドバイスもしたりして、
 けっこうなついちゃってるあたりが、かわいいんだ、これまた。


 そして、迷える秀才、桑名マキ。
 藝大主席合格の姉など、家族全員が藝大出身という血筋の為、
 世田介くんの絵を見てもビビらないし、タイマンはれる実力の持ち主。

 そのくせ、こっちはお姉ちゃんコンプレックスを抱えていて、
 自分のことを天才だとはこれっぽっちも思っていない。
 謙虚なんじゃなくて、自分と比較する相手がデカすぎるんですよね。

 性格はナチュラルそのもので、ふつうのトモダチ感がすごい。
 ちょっと黒い部分もあるけれど、それをきちっと自己批判しているし、
 あたりまえのように八虎に手を貸してあげたりとか、性格かなりいいんだ。
 あと、弁当箱のデカさは、もはやかっこいいレベル。
 {/netabare}

 その他、個性あふれる受験生がびっしり脇を固めていて、
 しかも一人一人の人物造形がしっかりしているから、
   さまざまな若者が、それぞれの思いを胸に抱いて受験に挑む、
 という『ありのまま感』がびしびし伝わってきます。

 これぞ青春群像劇の醍醐味。いやあ、惹き込まれる。
 

で、③の『作品講評のリアリティ』が、ものっそい説得力あるんです。

 なんと言ってもすごいのは、実際に作品を『描いている』こと。
 それも一枚二枚のレベルではなく、
 講評棚にならぶ作品だのボツ作品だのを全部。

 しかもそれが
 ・うまくはないけれど『いい絵』
 ・うまいけれど『つまらない絵』
 ・うまくて面白いけれど『藝大レベルじゃない絵』
 ・うまくて面白くて『藝大レベルの絵』 
 みたく綿密に描き分けられているわけで。

 あの『響け!ユ-フォニアム』でも、
 プロのトランペット奏者と音大生に実際の演奏をしてもらい、
 実力者同士のオ-ディションを再現してましたよね。
 それと全く同じで『ちゃんと描いている』から説得力が違う。

 美術さん、大変だったけど楽しかっただろうなあと感心してみたり。
 {netabare}
 八虎が最初に書いた渋谷の絵なんか、
 確かにこれっぽっちもうまくはないけれど『いい絵』だもの。
 お母さんの絵はちょっと微妙だったけど。
{/netabare}

 で、その講評をする美術部の佐伯先生と予備校の大葉先生が、
 するどいんだ、これがまた。

 佐伯先生は示唆して気づきを与えるような言い方、
 かたや大場先生はズバっと切り込む言い方、
 方向性の違いはあるけれど、どちらも根っこはわしづかみ。
 {netabare}
   矢口にとって『縁』は糸のカタチをしてた?

 なんて大葉先生のセリフ、よくぞ言ってくれた、と思いましたもの。
 昔から言われている直喩の使い回しなんて、思考停止でしかないしね。
 よく聞いとけ、そのへんのラノベ作家。
{/netabare}
 その他の講評も「ふんふん、なるほど」と納得させられることしきり。

 もちろん実物の絵を前にしたら異論を感じる可能性もあるけれど、
 画面に出てくる絵を見る限りでは、
 僕ごときの眼力では「おっしゃるとおりでございます」と平伏するしかありません。

   ちなみに同じ芸大ものでも『僕たちのリメイク』なんか、
   完成作品を一切見せずに「すげえ」なんて言わせてましたよね。
   それがいかにチープで不誠実な演出か、
   本作と比較すると、しみじみご理解いただけるのではあるまいかと。


**************************************************************


僕的な作品の総合評価は、堂々のSランクです。

もちろんアニメに何を求めるかによって個人差はありますし、
一話まるっとバトルとか、萌え萌えきゅんきゅんとかを求める方には、
ぜんぜん、まるっきりおすすめできません。

ですが、きちんと『人のカタチ』をしていて、
誠実に作られた骨のある青春ドラマを求める方には好適の逸品です。


映像は、絵画作品だけでなく本編自体も、
見せたいと狙っているところはきっちりしっかり描けています。
博物館の背景なんか、かなりやばい。美術さん、えらい。
作画も、きちっと見せたいところは力入ってて、
一枚絵としても充分鑑賞に堪えうるレベルにあります。

  ただ、それが全編で貫けてないんですよね。
  カットによる出来不出来がすごい。
  つなぎのカットなんか「え? 中国?」みたいな。
  それが続くと「あのなぁ、Seven Arcs……」と思わざるを得ず。

  美術さんの頑張りに5点をあげたいところなんだけれど、
  京アニ品質を5点とするなら、
  その部分で-1点は致し方ないところ。むしろかなり甘めかと。


かたや役者さんのお芝居は、高レベルで安定しています。

冒頭に書いたけれど、八虎役の峯田大夢さん、
作った感がほとんどしないナチュラルな基礎性質が好感度高し。
あまり『張らない』自然体のお芝居なんだけど、
きっちり感情を載せて台詞の奥にある核みたいなものをうまく引き出し、
矢口八虎という人物像を見事につくりあげています。

  元コスプレイヤーとかで偏見もってほんとにごめんなさい。
  これからいい役を引き続けられれば、人気出るんじゃないかしら。
  お願いだから、乙女系やアイドル系は出ないでね。

鮎川役の花守ゆみりさんの男声もいい感じ。
演技がしっかりしているだけでなく、声そのものに表情がありますよね。
なでしこ演ってることでもわかるけど、使える音域がすごく広い人なんだ。

  まだ24歳とかなり若いし、
  足のケガもあるけど、信念もってアイドル活動控えてるみたいだし、
  さらなる伸びしろのありそうな、いい役者さんです。

そして宮本侑芽さんの演じる桑名マキも、僕的にはかなり惹き込まれます。
作った感じがほとんどしない、ナチュラルなともだち声。
同じくナチュラルな峯田さんとの相性、抜群かも。耳、おおよろこび。

そして、なんと言っても影のMVPは、
佐伯先生を演じたラムちゃんこと平野文さんと、
大葉先生を演じた和優希(かず ゆうき)さんではあるまいかと。

  このお二人には、揺るぎのない言霊、オトナの説得力がありました。
  だからこそ、物語にびしっと芯のようなものが通ったし、
  迷い、右往左往する受験生の『若さ』が浮かび上がったわけで。


音楽も「え? ヤマシタ?」と思わされるOPも、
きれいな声で実はけっこうエグいこと言ってるEDも、いい感じです。

  劇伴は、いささか狙い過ぎなのが気になったかな。
  あと、なんとかならんかったのか、OPのカット割り。
  EDじゃないんだからもうちょっと動かそうよ。



ちなみに、原作者の山口つばささんと画家の山口健太さんが、
ねとらぼで対談やっておられて、こっちもかなり興味深い内容です。
いま35歳以下で年収300万ある油画家って、20人ぐらいじゃないか、とかね。

村上春樹さんの小説の中に、
 「ピアニストの世界っていうのは神童の墓場なのよ」
なんて台詞がありましたが、油画の世界もどっこいどっこいだなあ、と。

  それでも後先考えず飛び込むのが『若さ』の特権だし、
  それぐらいイカれたやつじゃないと
  突き抜けたものなんか創れないんじゃないかと思ってもみたり。

もちろん、イカれたまま最後まで突っ走れる人はほんの一握り。
ほとんどの人は川石のごとくカドを削られ、
海に近づくころにはまあるい普通のおっさん・おばさんになってしまいます。

  何かを『好き』になるのは簡単なことです。
  だけど『好き』に向かって突っ走るには、相応の覚悟と根性が必須。
  さらに『突っ走り続ける』なんて、めったにできることじゃありません。

  そして、足を止めたとき、
  その人の『青春』と呼ばれる心的情景が終わるのではないかと。

だからこそ、本作は『ブルーピリオド』なんですよね。
ブルーピリオド=青の時代=青春時代と掛けたタイトルそのものが、
この作品が描こうとしている情景に他ならないわけで。

  うん、よく描けてる、と僕は思います。


玉石混合のいまのアニメ業界は、
絵をまるでわかってない大富豪が買い漁ったコレクションを一堂に会した、
カオスやサバト的な展覧会のよう。

変な画商が売りつけた、
『なにを描きたかったのかちっともわからない絵』
みたいなものが、相当数まぎれこんでいます。

そんな中で本作は、
思わず足を止めて見入ってしまうだけの『青い輝き』をもっています。

  両手をポケットに突っ込み、
  軽く息を吐いて首なんか回したりしてから、
  改めてじっくりと眺めてみたくなる。

  ぐちゃぐちゃな展覧会で時折見かける、そんな一枚なのでありますよ。
  

投稿 : 2022/02/18
閲覧 : 383
サンキュー:

26

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

青い熱量を感じた。

タイトルがおかしな日本語なのは自分でもわかってる。
だけど、この表現がぴったりだと思ったのでそのままにしておきます。

1話視聴時点で、熱量が感じられた。
物語の導入部から主人公の心情の変化のきっかけとなると気づきが描かれる。

気づきを得ることの大切さと気づきを与えてくれる人、承認してくれる人の大切さをしみじみと感じた。

そして、自分のやりたいことに気づき、自分自身の思いを表現する事、したいという欲求。
その思いを評価、承認される喜びというものに気づき、エネルギーが高まっていく。

これは、人というものが「何」を求めているかという根元的な「問い」に対する、大きな「答」の一つであると思う。
勿論「金」「名声」「モノ」等々、欲するモノは人それぞれ、その人のおかれた環境、タイミングにも影響を受け、変化していくものだとは思うが、大抵の人は共感と承認を求めているものだ。



1話の段階で主人公は大きな方向性とエネルギーを得ることとなった。

ワンテーマな青春群像劇なら、テーマは違えども他にも類作品はある。
今回はそれが、たまたま芸大を目指し美術部に入った主人公だっただけ…。

と終わらせてしまえないほど好みの作品だった。

芸術、美術という正解のない世界での「答え探し」は、私の「仲間ができる話が好き」というモノサシと同じくらいのレベルで良作と判断する価値基準の一つになっているみたいです。
ちょっと哲学的な部分とかかな。
ああ、そう言えば「人でない「人」の物語」を好み、良く練られたその手の物語を高く評価するっていうのも、同じか近い感覚かもしれません。


正直、こんなヤロウが主人公の作品で心が震えるような感覚を覚えたのは久しぶりです。
是非とも、今現在、中学~高校生くらいの若者に観て欲しい作品だと思っています。
広い目で観てもらえば、きっと役に立ち、正しいエネルギーをもらえる作品ではないか、と考えます。
そして、自分、自分の好きなモノ、自分のやりたい事を考え、深掘りする機会になるのではないか、とも思っています。
主人公の「思考を動かす」プロセスをじっくりと受け止めてみて下さい。
今後のあなたの方向性を整理、動かすエネルギーが得られるかもしれません。

また、登場してくるキャラクターもとても魅力的でした。
人間的と言うか、個性が強く感じられました。
当然、クリエイターとしての狂気(こだわりや譲れないもの、表現者としての探究心)も感じられます。

ライバルであり、同級生であり、同じ部員であり、友達であり・・・、と複雑な立場、立ち位置が絡み合い、それがいい形で表現されていました。
それぞれが、それぞれの思いを抱え、それを外へ表現する者、抱え込む者、本当の思いに気づいていない者、飄々としている者、色々です。
そんな中、八虎と龍二のカラミは一番大きな固まりかもしれません、確かに私にとっても印象深かったですし、八虎にも大きな影響を与えたと思います。
物語の中でも、見所と言ってもいいと思いました。
しかしながら、全体的な印象としては、各キャラクタの関係性は、ドロドロでも、ねちょねちょでも、アッサリでもなく、本当にいい塩梅だったと思います。
なぜか、いやな気持にならず各キャラクタを観れました。

もっとも、これは各キャラクタの進むベクトルが同じ方向だったのもあるかもしれませんね。
乱れというか、ノイズをあまり感じなかったからかもしれません。


あと、美術部の顧問の佐伯先生と美術予備校の大場先生はいい先生でしたね。
こういう恩師と出会えた生徒さんは幸せだと思います。
「出会い」というモノの大切さを実感します。


この作品は、本当にワンテーマ、ワンクールで表現をした作品としては突出した作品だと感じました。
コンパクトにスピーディに、そしてしっかりと締めくくっていました。
もちろん、各キャラの悲喜交々や今後の姿も気になる終わり方ではあるのですが、主人公の矢口八虎のスタートダッシュの物語としては、完成されていると思います。

私は、エネルギー不足になった時や迷ったとき、もやもやしたときにきっとこの作品を見返すことがあると思っています。
そして、見返したときにきっと新たな発見やエネルギーを貰う事があるんじゃないかと感じています。

ちょっと、誉めすぎかもしれませんが、
本当にコンパクトでよい作品と感じています。
作品の印象は人それぞれだとは思いますが、まだ、見ていらっしゃらない方は観る機会をつくってみてはいかがでしょう。
おススメしたいと思います。



ところで、作品の中で「美術作品」は作家の思いや表現したい事を具現化するために計算しつくされている旨の説明があったかと思いますが、これは、本当にそうなんですよ。
美術展や絵画展などで、学芸員さんの説明を聞きながら回ってみるといいと思います。
最近は、そういう機会を作ってくれている会場も多いはずです。

教えてもらうと、構図、作品の意味や作家の意図、思い、考え、表現したい事が実感でき、その事に気づけると思います。

そして、ごく稀にですが、とんでもないことまで、意図されている作品に出合う事もあります。ひねくれた作家さんのひねくれた思いや、あるいは他の作家さんへの嫌味や批判、嫉妬さえも内包されているケースもあるんですよ。
ほんと、おもしろいものですね。

作品を観て、好き、嫌い、綺麗、そうでもないという視点はもちろん大事ですが、人から教えてもらって、初めて気づき解ることもあります、何でもそうなんでしょうが、そういう機会があるのとないのではだいぶ違うかもしれませんねw。

投稿 : 2022/02/16
閲覧 : 344
サンキュー:

21

ネタバレ

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

芸術系ね

原作未読(2022.2)
芸術系はスポ根系と違い勝ち負けっていうのが解らない、良い悪いも判別しにくいテーマですよね。ただ、それだけにスポーツで無名校がいきなりメンバー寄せ集めて全国大会はないわーという冷めた見方はないかなぁと。
高2で絵画に目覚めて競争率の高い芸大に現役合格なんてありえん!とは言い切れない余地があると思います。個人の才能次第なわけですから。
「さくら荘のペットな彼女」の時も書きましたが、自分も昔から絵は上手いと言われてたもんですが地方の三流大学の美術部で「子供の絵だね」って言われてショック受けた記憶があります。勿論専門的な事を学んだ事などないわけですが、芸術というのは上手い下手とは違う次元なんだろうなと感じます。大人になって絵画教室にも通いましたが陶芸と同じく、義務感が強くなって1年で辞めました。自分にとって趣味を楽しくすら難しかったりするわけですが(単に情熱がないともいう)、答えのないものに人生かけて情熱を傾ける、ましてそれを生業にしようとする人達って物凄い事だと思います。
さて、話は変わりますが東京五輪のエンブレム問題ってありましたよね。結局あれって結果ありきの出来レースだったわけですが、権威ある人とコネクションがあるかないかで評価される世界って芸術で生きていこうとしてる人達にとって何とも虚しいですよね。まぁそこが基本的に実力社会のスポーツと大きく違う部分で何とかならないかな?なんて思ったりしてしまう今日この頃です(はい、脱線しました)。
作中、ある人物が主人公に「美術にくるなよ」的な台詞があるのですが、凄く響きますね。それしかない人からしたら何とも言えない憤りがこの言葉には詰まっています。
この作品これからこの主人公はどういう道をたどるのか興味はありますね。


私のツボ:大葉講師

投稿 : 2022/02/13
閲覧 : 203
サンキュー:

11

ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

自分の意思で絵を描いたことが少しでもある人には殊更に響く

<2021/10/5 初投稿>
「ずっきゅーん!」
撃ち抜かれました
これは・・・凄い・・・かも

<2021/11/21 追記>
7話まで見ました。
いいですね。
素晴らしく面白い。

音楽ものの物語ってアニメにしろ小説にしろ映画やドラマにしろ数多くあるんですが
「絵画」系は実は少ない。
特に絵画制作における葛藤とかを具体的に真っ向から描いた作品となると全く思い出せない。

例えばハチクロははぐみや森田の天才性を抽象的に表現しているけど、メインは人間模様ですし。
(この手法は3月のライオンも全く同じ)

こういう作品って、実際に美大で真剣に絵画に取り組んだ人には物足りなく感じるかもしれないのですが。
私のように趣味で絵を描いてた時期があるような人間には大大大好物なのです。

ところで東京藝大について少し。
本名は「国立大学法人東京藝術大学」
日本で唯一の「国立」の「総合芸術大学」なのだそうです。
総合なので絵画から音楽まであらゆる芸術を網羅してるんでしょう(よく知らんけど)

そして特定の学科専攻はえげつない競争率と難易度でも有名。
例えばピアノやヴァイオリンとかの「器楽科」や
そして本作に登場する油画や日本画などの「絵画科」も。
さらに言えば学科専攻によって、合否基準にかなりの個性というかクセがあるそうで。
ピアノやヴァイオリンはいくらコンクールで優勝とかしてても関係なく、特定の技術(流派なのか?)を叩き込まれた人の中からだけ合格者が生まれるのだとか。
おそらく絵画科も難易度でだけでなく、かなりクセ強なんでしょう、たぶん。

ただどんな学科専攻でもそんなアホのような難易度とクセ強ではないそうで。
以前、東京藝大の邦楽科卒のお琴の先生に聞いたら「琴なんて競争率低すぎてラクショー」なんて言ってました。
もちろん多分に謙遜が入ってるんでしょうけどね。
でも「全然違う」はめちゃくちゃ力込めて言ってました。

そんなわけで、東京藝大受けるのは他の美大受けるのとは根本的に違うらしいですよ。

ちなみに東京藝大・絵画科出身のアニメ関係の有名人には安倍吉俊さん、そして故・増岡弘さんがいらっしゃいます。

安倍吉俊さんは「灰羽連盟」の原作・脚本・キャラデザなど多数のアニメ作品に携わる名イラストレーター
19の時、先輩の漫画の手伝いをきっかけに絵の道へ進もうと専門学校へ進学。
バイトで学費稼ぎながら勉強して東京藝大の絵画科の日本画に一発合格したのだそうです。
すげえ!

そしてまさかの増岡弘さん!
まさかマスオさんが東京藝大出身とは!
本作で芸大受験する矢虎の声がマスオさんで再生されそう笑

<2021/11/28 追記>
9話見ました。
一次試験と二次の狭間、鮎川龍二がクローズアップ。
前話で久しぶりの登場でしたが、9話は凄かったですね。
声優さんって凄いな、とあらためて。
龍二の声を当てている花守ゆみりさんの演技力が凄すぎる。
龍二という性自認が身体の性と異なるキャラクター。
身体は♂なので声の高い男性声優が演じるという選択肢もあったのかもしれないけど。
(実際、自分は3話くらいまで龍二のことを「たまに男っぽい格好する美女」だと思ってました 笑)
ここまで話が進んでみると花守ゆみりさんで大正解だったんだな、と。
「心が女性の男性」としての男っぽさと可愛らしさを醸し出しながら、そして肝のシーンでは凄まじいまでの迫力。
これ、花守さんも演じてて楽しいんじゃないかな。
もちろん物凄い努力と苦労されてるとは思うんですが。

<2021/12/18 追記>
最終話見終えました。

{netabare}矢虎合格しましたね!
びっくり!
これまでの流れから浪人させるのかな?とも思ってましたが。
これからは世田助くんと共に藝大ライフを送ることになるのでしょうが、どんなふうに展開するのか楽しみです。
でも龍二や森先輩、佐伯先生や大葉先生とか普通に出てほしい。
{/netabare}

ところで毎話予告後の山田五郎先生のコーナー。
内容はごくごく普通なんだけど。
まさかの山田五郎先生。
昔「タモリ倶楽部」で女性のお尻の品評会みたいなコーナーやったて人ですよね。
出てくると毎回笑っちゃって。
Wikipedia調べたら本当に美術に詳しい人でした。
Wikiに書いてあったのですが、この山田という苗字は芸名なのだそう。
この芸名が生まれ、世に広まった経緯が最高に頭おかしいwww

閑話休題。

というわけで本作は、他に類を見ないスペシャルな作品でした。
続きが見たいです。

2期はあるのが当然、と期待していいんですよね。
とにかく待ちます。
んー、でも原作読みたいな。
どうしよっかな

<2022/2/11 追記>
最近知ったのですが「ドロヘドロ」作者の林田球さんも東京藝大卒なんですね。
それも矢虎と同じ絵画科油画専攻。
凄いな。

投稿 : 2022/02/11
閲覧 : 630
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41

ファルコーニ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 2.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:----

単調になりがちな成長物語をどう描くか

テーマは美術だが、ジャンルはスポ根に近い。目標に向かっていく学生たちの熱い日常を描いている。

・良い点

現実味があるところは面白く、美大を目指す学生たちの苦悩ぶりが伝わってくる。才能の世界でもあるだろうから、そこの残酷さも伝わってくる。

美術という分かりにくいテーマを上手く視聴者に見せているし、美術の世界の奥深さが分かる。

・悪い点

ただ、この手のスポ根作品はネタが出尽くしている。よほど上手く描かないと、主人公が最後に勝つと誰もが分かっている。だからこそ、主人公が成功を掴んでも感動が薄くなる傾向にある。

主人公や周囲の学生の苦悩は伝わってきたが、1クール通して美術の練習をしているといった感じで盛り上がりには欠ける。淡々と日々が過ぎ去っていくイメージ。

続編があるのかは分からないが、本当の物語はここからスタートって感じかな。この1クールは準備段階というところもあり、全体的には薄味。我慢して1クール見れるかは人それぞれだろう。

投稿 : 2022/02/03
閲覧 : 184
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2

ネタバレ

岬ヶ丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

めっちゃ面白い!

もともと期待値高めの作品だったが、アニメを見たらやっぱり面白くて、原作も読んでしまうくらい虜にされた。美術という本来正解がないものを受験でふるいにかけて合否を決めるってかなりシビアで繊細な世界。それでも迷い葛藤しながら絵を描き続ける登場人物たちの姿に爽やかな青春を感じた。

美大受験というかなりマニアックな題材だが、登場人物の印象的なセリフとか、丁寧な作画とか、声優さんの好演のおかげで、こういう世界があるんだという新しい発見がたくさんあった。実際問題八虎の年齢で東京藝術大学合格を目指すってかなり厳しいとは思うのだけど、それを感じさせない主人公の努力や葛藤にリアリティーがある。

キャラの個性もそれぞれいいし、登場する大人がみんなちゃんと大人ってのもいい。金言みたいな言葉がいっぱいあって大人にも響くし(真面目さが評価されるのは義務教育までよBy大場先生とか)、美術に関係なくためになる部分がいっぱいあった。

それから八虎役の声優さんは本作で初めて知ったのだけど、長台詞や専門用語をただの説明じゃなくて演技で伝えられるポテンシャルに脱帽。あとは花森ゆみり、山下君などなど安定の布陣でよい。

気になった点としては主人公の八虎は不良なんだが、かなり真面目な性格で人あたりもいいし、初期設定として不良である必要はあまりなかったかなと思う。

八虎も晴れて藝大合格ということで、大学編(2期)もぜひ放送してほしい!

視聴日 21/12/21

投稿 : 2022/02/02
閲覧 : 142
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7

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とりあえずの簡単な感想

 原作は未読。
 以前、何かのレビューで「文系、アート系をモチーフにした作品が増えてきた」みたいな
ことを書いたが、その手の多くの作品がアニメ映えもあってか、音楽や芝居など動的要素を
モチーフにしているの対して、本作は絵画という静的なモチーフ、それも漫画やイラストと
いったアニメと親和性の高いジャンルではなく油絵という部分がなかなか他の作品では
見られないものだったため、その辺は非常に興味深かった。
 自分自身は絵を描く人ではないので、絵画などは感覚的に見るだけで終わってしまうのだが、
東京美術学院の講師である大葉 真由の指導シーンなどでは絵の見方の技術のようなものにも
触れていたりして、結構学ぶべき要素が多かったのも嬉しいところ。

 やはり以前、音楽もののレビューだったかで、「作品世界で良いとされるものは、視聴者も
良いものとして感じ取れることで作品自体の説得力が増す」みたいなことを書いた。
 音楽ものなら音自体は良い演奏や歌唱を乗っけてやればいいわけだが、絵画の場合は
アニメ自体が絵ということもあって、「その辺はどうするのだろう?」という興味があった。
 例えば「冴えない彼女の育てかた」、「Re:CREATORS」、「僕たちのリメイク」なども
絵の上手いキャラが登場したりするが、これらのキャラの描く絵は漫画、イラストといった
ポップカルチャーの範疇にある絵ゆえにアニメ作画の延長線上にあってもさほど違和感は
なかった。
 その点で、本作は「アニメとしてどう油絵を表現するのだろう?」と思っていたら、どうも
本当の油絵を乗っけてきたようで、これは原作もそうなのかな?。
 個人的にはさほど違和感を感じることなく、かつ作品に説得力を持たせることにも
成功していたような印象。

 ストーリー的には主人公の矢口 八虎が絵画に目覚め、芸大入試で合格するまでと比較的
まとまった内容。
 もっとも時間の経過が早く、この辺はテンポが良いと言うより、中抜け感が強かった。
 絵を描く喜びなどより、創作の苦しみや受験の追い込み、それに伴うストレスなどが
描かれており、全体的には重苦しい雰囲気が続くが、その分キャラ達の真剣度や真摯さが
伝わってきて、この雰囲気は嫌いではない。

 高校生キャラに関してはなかなかアクが強い者が多く、そういったキャラはまだ高校生とは
言え、「芸術家」といった感じ。
 とは言え、「いかにも変人です」といったフィクション作品ゆえのデフォルメされた
キャラではないために、やけに生々しさを感じる。
 こういったキャラの存在が作品を面白いものにしていたが、身近に鮎川 龍二や高橋 世田介が
いたら、めんどくさいだろうな、という感も。
 こうした曲者キャラに対して、八虎は絵に触れたのが遅かったこともあるのか、常識人的な
風情を一番強く感じるが、それゆえに曲者達に囲まれていると浮いているように見えるという
面白い構図。
 ただ八虎も八虎で独特の感じ方や捉え方があり、彼のモノローグなどはその辺が読み取れて、
なかなか興味深いところ。

 少年少女の成長譚的側面のある作品は彼らを導く良い大人キャラの存在があると、より作品に
深みが増す印象があるが、本作に関しては高校教師の佐伯 昌子や東京美術学院の講師である
大葉など、良いキャラだらけで言うことなし。
 こと八虎の成長という部分に関してはこういった先生キャラや切磋琢磨する受験生
キャラだけでなく、歌島、恋ケ窪、純田といった友人、先輩である森 まるの存在も
大きかったりする。

 男女キャラがバランスよく出てくるが、恋愛関係は皆無。まあ、これだけきつい受験じゃあ、
そんなことにかまけている暇はないか。

2022/01/27

投稿 : 2022/01/27
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アニメ ブルーピリオドのストーリー・あらすじ

成績優秀で世渡り上手な高校2年生・矢口八虎は、悪友たちと遊びながら、毎日を過ごしていた。誰もが思う"リア充"……そんな八虎は、いつも、どこかで虚しかった。ある日、美術室で出会った1枚の絵に、八虎は心を奪われる。「絵は、文字じゃない言語だから」絵を通じてはじめて正直な気持ちを表現できた八虎は、美術のおもしろさに目覚め、衝動のままにスケッチブックへ向かっていく。そして八虎は、ついに進路を固める。「第一志望 東京藝術大学」実質倍率200倍、入学試験まで、あと650日──!国内最難関の美大を目指して青春を燃やす、アート系スポ根物語、開幕!(TVアニメ動画『アニメ ブルーピリオド』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2021年秋アニメ

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