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「竜とそばかすの姫(アニメ映画)」

総合得点
69.7
感想・評価
221
棚に入れた
641
ランキング
1742
★★★★☆ 3.5 (221)
物語
3.1
作画
4.1
声優
3.3
音楽
4.0
キャラ
3.3

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竜とそばかすの姫の感想・評価はどうでしたか?

たいが さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2
物語 : 1.0 作画 : 4.5 声優 : 1.5 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

おもしろくない

まずサマーウォーズに似た世界観に白ける。
細田守は、サマーウォーズがヒットしたからって頼っているのか?
正直、見苦しい。

ダメ出しポイントは沢山あるが、結局「キャラが多い」に尽きる。
キャラが多すぎて、名前すら思い出せない。
そのうえ存在意義のないキャラが多すぎて、主人公ヒロインに焦点を当て切れていない。
「1クール」と勘違いしてなかろうか?これが「映画」である。
よく分らんキャラ描写が多すぎて、肝心の主要人物の心情が驚く程伝わってこない。本当に伝わってこない。
通常、会話に多少の伏線を持たせたりと、楽しめるものだが、それも無し。
終わってから「あの会話なんだったんだ。ただの陰口じゃん」と思うと胸糞悪い。

・物語を誤魔化す様な音楽。
・尺伸ばしのカット。
・すぐ泣くヒロイン。
・謎の超展開
これらが演出といえば聞こえは良いが、素人が見苦しいと感じてしまう点で既に失格。

細田守の映画はどんどんつまらなくなっている。
次に細田映画が公開されても映画館に金払って足を運ぶことは無い。
地上波放送で片手間に見るので十分。そんな印象になった。
細田守は超展開に向いてないと気づいた方がいい。

あまりのつまらさに、何度途中退出しようと思ったことか。
映画が終わった瞬間、映画館内に響き渡る程の声量で発狂した
い気持ちを抑えて席から立った。
一緒にみにきた友達は「まじ?www」と気持ちを抑えきれなかった模様。
その後の感想トークは他の映画に負けないぐらい盛り上がりました。


作画は綺麗だったので聖地巡礼好きの私には嬉しかった。
ストーリーを忘れたら聖地に行こうと思う。

投稿 : 2022/07/06
閲覧 : 224
サンキュー:

7

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

「メタバース」+「U理論」、ここまではイイのですが、最後、「なんですか、これ」。

主題歌「U」に乗せて展開される冒頭のシーンは、とてもすばらしいですね。
これからいったいどんな世界を見せてくれるのだろうかと、わくわくしました。
と、思った矢先、いきなり現実、なかなかやってくれます。


■メタバース
{netabare}
『サマーウォーズ』は、メタバースを描いた作品としては優秀だったと思います。
2009年公開なので今から10年以上前ですが、かなり先を見ていたと思います。
やっと時代が追いついた感じです。
この作品も同様の世界観です。
しかし、『サマーウォーズ』からあまり進化を感じられなかったのが少し残念でした。
{/netabare}


■U理論
{netabare}
この物語のメタバース空間は、「U」と呼ばれています。

ここでピンとくるのが一時期流行った「U理論」。
これは、変革、変容を起こすための物事の考え方です。
「U」の字は、「山→谷→山」となっています。
この谷の部分がターニングポイントとなる構造です。

私の場合、「U理論」については、当時、あまりピンときませんでした。
でも、この作品を観て、なるほどねって思えたのが、めっけものでした。
ここからは、この「U理論」をかい摘みながら物語を見ていきたいと思います。
ちょっと長いので興味がございましたら・・・。

{netabare}
人は、過去の経験による枠組みで物事をとらえます。
すると事実をありのままとらえることができなくなります。
思い込みと言うやつです。
それが思考停止や自己否定につながり自分が変わることの足かせになってしまいます。
それはなぜかと言うと、思い込みがあると、事実と解釈を混同してしまうからです。
そして、自分の解釈を事実として受け取ってしまうため動き出せなくなるのです。

この物語では、主人公がまさにそのようなキャラでした。
本当は、歌うことが大好きなのに過去の出来事から人前では歌えなくなりました。

     *   *   *

では、これを解消するためにはどうしたらよいのでしょうか?
それは、自分を観察し、自分の心に気づくことだそうです。
そのためには、自分を俯瞰し、心の動きや感じたことに意識を向けます。
自分を俯瞰するとは、言うなれば、もう一人の自分から眺めることです。

この物語では、仮想空間上に作ったアバターを主人公が俯瞰する構図でした。
仮想空間では、自分の思い通りのことが実現できます。
主人公は、アバターを通じて自分の本当の思いに気づいていくのです。

     *   *   *

次に、自分の思いに気づいても、すぐには決めつけず保留にしておきます。
そして、結論を出せないもどかしさに耐えてみます。
こうして、気づきと保留を繰り返すと、次第に心が柔軟になってくるそうです。
また、その影響で他人とコミュニケーションもとれるようになってきます。

この物語でも、主人公は、仮想空間と現実を行き来しながらいろいろ思慮しました。
一方、現実では、恋敵だと勘違いしていた知人と結果的には仲良くなったりします。

     *   *   *

心が柔軟になってくると、思い込みのせいで今まで見えなかったものが見えてきます。
これは、ある意味、他人が見ている世界を自分も見えるようになったとも言えます。
ここまでくると自分の解釈を無理やり「思い込む」ことができなくなります。

この物語では、自分の世界と他人が見ている世界との融合を仮想空間で表現しました。
つまり、この仮想空間は、単なる仮想空間でなかったのです。
主人公の心の変革への思考過程そのものを象徴していたのです。

     *   *   *

ここで、この物語はターニングポイントを迎えます。
U理論によれば、この後は、根源的な問いが出てくると言います。
それは、「私は何者なのか?」、「私の成すことは何か?」ということです。
そして、この問いにより、「本来の自分」へとつながります。
この「本来の自分」からの発信する言葉は、他の人にも響くと言われています。

この物語でも、主人公は、最後に、仮想空間上で「本来の自分」を晒しました。
「私は何者なのか?」に対する答えです。

そして、歌たったのです。
「私の成すことは何か?」に対する答えです。

主人公の歌う歌は、この仮想空間の人々に響いたことは、言うまでもありません。

「本来の自分」とつながり、行動を起こすことで生まれるものが変革、変容です。
主人公は、最後、まさに行動を起こすことにより、今までと違う自分になれたのです。

     *   *   *

主人公は、仮想空間では、他の人々から「彼女はいったい誰?」と言われてきました。
実は、これは自分を失いかけていた主人公の自分自身への問いかけでもあったのです。
{/netabare}
{/netabare}


■「なんですか、これ」
{netabare}
主人公と「竜」との関係については、正直、あまりグッとくるものはありませんでした。
しかし、主人公の気持ちだけを追っていくとトラウマと思春期特有の悩みの合わせ技で、
意外とグッとくるものがありました。
主人公が仮想空間で「本来の自分」を晒して歌ったところまではとても良かったです。
感動もしました。

しかし、その後、虐待されている子供を助けに行くところの展開はいただけません。
「なんですか、これ」、正直、やっつけとしか思えません。
赤の他人でも助けると言う死んだ母親譲りの動機で行動したのは納得できます。
でも、もうちょっと描きようがあったのではないかと思えて残念です。

結局、主人公はどっちの男の子が好きなの?的な展開となり頭の中が、グチャグチャ。
そして、今まで積み上げてきたものが、メチャクチャ。
なんだか、ダイナシ。
{/netabare}


■まとめ

この作品は、主人公の心の中で起きている変革を仮想空間に投影し表現しました。
また、主人公は、トラウマとコンプレックスを抱えていますが、ごく普通の女の子でした。
このあたりの設定はとても良かったと思います。

でも、物語としては、正直、もう少しだったかなと思います。
特にタイトル「竜とそばかすの姫」のうち「竜」については、ピンときませんでした。
極端な話、「竜」じゃなくてもいいんじゃないの?とも思わなくもありません。
なぜなら、主人公の心の変革のきっかけ以上のものを感じなかったからです。
つまり、他にきっかけになるものがあれば、「竜」じゃなくても成り立つからです。
どうしても「竜」でなければならないと言う必然性が欲しかったと思いました。

全体的に各要素がもっと有機的につながっているストーリーだとよかったと思います。
少し支離滅裂だったかなと。
でも、それがネットワーク上の仮想空間の本質なのかもしれませんが・・・。

投稿 : 2022/06/08
閲覧 : 271
サンキュー:

27

うぐいす さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.5 作画 : 5.0 声優 : 1.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

ジブリ版美女と野獣って感じ

近未来、主人公がヴァーチャルの世界で出会った竜の化け物とのお話。

そもそも声優使ってくれないとボソボソボソボソ聞こえなくて物語に入り込めない。アニメの絵を使うならアニメの顔に合う声を出せる人に演じさせてほしい。
CG感満載のキャラ絵なら逆に良かったかもしれないが。

大河で信長を演じた染谷翔太は良かった。
主人公役はハスキー声だとヒロイン感一気になくなる。
歌も大して盛り上がる曲じゃない。

ジブリに憧れた人が監督になっても似たような物しかできないと感じた。
売れてる俳優使うのは商業的な部分もあるのだろうけど、宮崎駿に憧れるイコール声優なるべく使わないとかいう信仰でもあるのかね。

助けられるか分からないのに助けようとして死んだ母、それと同じ事をした娘。

ジブリを見ると(ジブリじゃないけど)自分がどれだけひねくれてるか思い知る。
それだけで自分にとって存在価値があるのかもしれない。

作画のCG部分はとってもきれい。

投稿 : 2022/06/05
閲覧 : 176
サンキュー:

3

横比較無用ノ介 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

VRの中で完結させることもできたが、

バーチャル紅白歌合戦で始まり、ミュージカル美女と野獣になる。
で、最後は小さな勇気の物語。
VRの竜とリアルとの落差が大きかった。

以下、雑感。

「仁淀ブルー」
世界的にも有名な清流。きれいな川のイメージがあるが、時として牙を剥く。
自然は人間の都合なんか考えてくれません。

「こんなVRはいやだ」
ネットの世界では、ネカマを演じようが、正義の味方を演じようが自由だと思う。
だが、勝手にアバターを作成されるとか、能力を決められるとかありえない。
そんなVR、50億人以上が利用するとは思えない。
さらに、ユーザーが他のユーザーを「unveil」できるなんて...

「Who are you ?」
まだ被疑者の段階でも、実名や顔を曝そうとするネット警察はたくさんいる。
だが、ネット冤罪騒ぎを起こせば、あなた方がリアル被告人になってしまいますよ。

「VRの功罪」
ハマり過ぎてリアルが崩壊したり、リアルでもVRでもうまく交流できなかったり...
バーチャルがリアルに好影響を与えることは、実際には少ないのでは?

「壁に耳あり障子に目あり」
情報交換ばかりしているリアル空間では、秘密を持つことは難しい。
開けっぴろげじゃないと、うまく生きていけない世界もある。俺には無理だけど。

投稿 : 2022/05/25
閲覧 : 201
サンキュー:

4

ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 1.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ワリ喰う人々

冒頭から私事で恐縮なんですが、
僕はここのレビュ-で『声優』という言葉をなるべく使わず、
作品に声をあてている方を『役者』と表現することにしています。
(『中の人』も使いますが、まあ、それは置いといて)

といっても、昔は『声優』という言葉をふつうに使っていました。
ですが10年ぐらい前、
たぶん名前を知らない人は少ないであろう某有名役者さんと飲んだとき、
こんなことを言われたんです。

  フリさんさあ、その『声優』っての、できればやめてくんないかなあ。
  俺はさ、自分のこと『役者』だと思ってんの。
  自分の仕事っつ~か商品ってのは、
  何かを表現するための『芸』であり『芝居』であると思ってんだよね。
  そのことに誇り持ってるし、持てるだけの努力もしてるしさ。

  だから『役者』としてアテレコもするし、ラジオも出る。歌も唄う。
  機会があれば舞台にも立つし、もちろん顔出し仕事もしてる。
  声だけじゃなく、俺の芸全てが俺の商品、
  というか、俺の生きざまそのものだったりもするわけでさあ。

  だからさ、俺の『声』だけを切り出して俺の仕事だと言って欲しくないっつ~か……
  俺はさ、『声』をあててるんじゃなくて『役』を演じてんだよね、
  エラそうなこと言って悪いんだけどさ、
  そこんとこ、もうちっとだけ、わかってくれたら嬉しいんだよなぁ。

もちろん『酒の上での話』ではあるのですが、
僕にはガツンときました。
そういう思いを製作サイドの僕に対して正面から語ってくれたことも、
人として認めてくれたみたいでうれしかったですし。
(実際のところ、それってかなりリスクのあることなんです)

それ以来僕は、現場でも書きものでも、
リスペクトを込めて『役者』という言葉を使うよう心掛けています。
ごく一部『声優』も使っていますが、
それは『第三者が一般に用いる呼称』として使用するときに限っています。

勘違いして欲しくないのですが、
その『声優』という呼称に誇りを持っている方もたくさんいらっしゃいます。
そのことを否定するつもりは毛頭ありません。

  『声優』と呼ぼうが『役者』と呼ぼうが、
  マイクの前に立った瞬間、求められるのは『芸』だけです。
  そこに矜持があり、
  そして矜持を抱くに値する『芸』の力があるのなら、
  呼称なんてのは、極論、どっちでもいいことなんだと僕は思います。


さて、本作『竜とそばかすの姫』は、
はっきりと『アテレコ役者の力量』に問題を抱えた作品です。

とりわけ、主人公すずを演じる中村佳穂さんに関しては、
  お金をとって劇場で聴かせることができる『芸』ではない
というレベルにしか、僕の耳には聴こえてきません。

だけどそれはまあ、あたりまえの話で、
彼女は『役者』ではなく『ミュージシャン』であるわけです。
音楽に関しては長い修練と努力を積み重ねてきた方ですし、
その点に関してはリスペクトすべきですが、
お芝居については、何一つ積み上げたものがない『素人さん』なんです。

もちろん、自主製作映画程度の作品ならば
『声質がいい』『素人のわりにがんばってる』という評価はアリだと思います。
ただ、本作は何億円もの出資を募って製作され、
一般の方々から高額な鑑賞料金をいただく『商業作品』なわけです。
その主演が『素人のわりにがんばってる』ではダメなんじゃないかしら、と。


もちろん、そのことが作品すべてを否定することには繋がりません。

映像はそこそこ美しいし、音楽は素晴らしい。
脚本も、個人の好き嫌いや細かな突っ込みどころを考慮しなければ、
よく練られていると評価していいレベルにあると思います。
{netabare}
  『仮想現実』と『リアル』の狭間で揺れ動く『人間』も描けているし、
  その『残酷さ・無責任さ』と『暖かさ』の対比も充分です。
  そして、ただそれを描きっぱなしにするのではなく、
  ジブリ作品みたいにがばがばじゃない、
  現代に通じるきちんとしたメッセージが内包されています。

  もちろん「いやそれは違うだろ」とか「考え、古くね?」とか、
  人によってつまづきそうなところがあちこちにあります。
  脚本として評価するなら、言葉選びにキレがないところも多数見受けられ。

  ですが、細かいところに目をつぶり、
  あくまでも娯楽作品なんだよこれはと俯瞰するなら、
  きちんと一つの世界観を構築しているものではあるよなあ、と。
{/netabare}
ですから『映像娯楽作品』という意味では、
一定以上の評価を与えられて然るべき作品であると思います。
興行収入62.7億円という立派な数字も、それを証明していますよね。


ただし一方には、アニメとは『総合芸術』だ、という考え方があります。

  映像だけでも音楽だけでも、ましてや脚本や芝居だけでもダメ。
  それらすべてが複合的に折り重なって
  一つの作品・世界・メッセージを創造するのがアニメなんだ。

そういうのは『制作』に関わる方々多くの共通認識でもあります。

その観点からすると、
少なくとも僕にとってこの作品は『総合芸術作品』ではありません。
ゲ-ジュツなどと呼べるお芝居にはほど遠く、
お金をたくさん稼いだ映像娯楽作品、という位置づけです。

同様に、本作の細田守監督に対しても、
優れた映像作家・ビジネスマンであることは認めるところですが、
芸術家としては、首をひねらざるを得ないところです。

特に本作は「役者と歌唱は同一人物でなければならない」という、
ほとんど意味をなさないこだわりのもと、
オ-ディションを経て監督本人が確信的にキャスティングしたわけですから、
役者の演技品質については、100%、監督の責任です。
  {netabare}

  ちなみにこの作品、『音響監督』がクレジットされていません。
  細田監督が東映アニメーション時の経験を引っ張り、
  監督が音響監督を兼ねるやり方を貫いているのだとか。

  音響監督というのは、BGMやSEも当然扱いますが、
  同時に、お芝居のスペシャリストでなければいけません。

  監督の意向・イメ-ジを咀嚼してキャスティングを進行し、
  (もちろん『提案』であって、決定権は監督にあります)
  実際のスタジオ収録現場にあたっては、
  役者の解釈と監督のそれを一致させる通訳兼演技指導者として、
  それぞれの役者に的確な指示を与えていきます。

  オ-ケストラに置き換えるならコンマス以上に重要な役割で、
  現場によっては監督が『作曲家的立ち位置』で音響監督が『指揮者』、
  みたいになることも珍しくありません。

  で、細田監督が音響監督を兼ねるということは、
  フルオ-ケストラを相手に単なる音楽マニアがタクトを振る、
  みたいな状況に、かなり近いと考えていいと思います。

  なにせ、細田監督は完全な『アニメ-タ-上がり』であって、
  自分で演じた経験も、先輩音監について専門的に学んだ経験もありません。
  平たく言えば自分の『感覚』だけでやっているわけです。

  それでも、そのオケがプロの演奏者ばかりなら、
  素人が聴いて破綻しているとすぐわかるような演奏にはなりません。
  誰が指揮者でもそれなりに鳴らせるからこそ、プロなわけで。

  ただ、本作を演じるオケには『楽器を握るのも初めて』みたく、
  音を出すのもやっとこさっとこな方もいるわけで……
  はっきり言って、ぜんぜん鳴ってません。てか、鳴る道理がない。


  ちなみに、同じようにテレビ俳優さん等を多用する新海誠監督は、
  あたりまえの話ですが、きっちり音響監督をつけています。

  細田監督の『サマーウォーズ』と新海監督の『君の名は。』、
  どちらも主演は神木隆之介さんなのですが、
  そのお芝居は、なんかもう、雲泥というか月とすっぽんというか。
  (後者が『よかった』というより、前者が『ひどかった』)

  もちろん、七年という時間軸の差はありますが、
  神木さんがアニメで声をあてるのは『サマーウォーズ』で六作目です。
  当時でも実写ではすでにキャリア10年、
  あの『風のガーデン』で倉本聰作品にも出ていた実力派だったわけで、
  若かった・経験不足だった『だけ』だというのは、ちょっと違うかな、と。

  つまるところ、音響監督とはそういうものであるわけです。

  そして、この演技品質の差がすなわち、
  新海監督と細田監督の『総合芸術家』としての矜持の差、
  みたいなものだと僕は考えております。
  {/netabare}


作品全体の評価は、僕個人としてはB-からCといったところです。
仮想空間の表現や『美女と野獣』ママパチ演出が好きくないのもありますが、
やはり役者さんのお芝居が『自主製作レベル』なのが最大要因です。

  主演の中村佳穂さん以外にも『問題のある』演技が散見され、
  しょっちゅう引っかかったりつまづいたりで、
  作品そのものに集中することができませんでした。

  調律の狂ったピアノの演奏を聞かされているようで、
  曲想やメロディがアタマに入ってこなかった、みたいな。

  おまけに一つ一つの音の粒も粗くて、
  『その音がなんのためそこにあるのか』ということが伝わらない、
  ただ音を出しているだけの演奏(演技)であったような気がします。
{netabare}
いやいや、この作品、カンヌ国際映画祭でも上演されてんだよ、
世界的にも認知された芸術作品なんだよ、
なんていう方も少なからずおられるとは思いますが、

  日本語の演技を評価できる審査員、まずいませんから。

  カンヌに限らずジャパニメーションに対する海外の評価って、
  日本語役者の演技品質って、ほぼ『対象外』なんです。

  海外のアニメフリ-クには、吹替ではなく字幕版を好む人が多いですが
  それは日本人独特の『かわいい声質』が好きなのであって、
  なにを言ってるのかなんてこれっぽっちもわかっちゃいません。
{/netabare}

もちろん『芸』にこだわるのは僕個人の嗜好・思い入れですから、
そういうところにおおらかな方は、
もっと違った、内容に踏み込んだ感想になるのではと思います。

映画の楽しみ方は、人それぞれ。
どのような視点でどのような感想を抱いたとしても、
そのことを否定するつもりは全くありません。

あくまでも僕は単純に、
自分が尊敬する『芸に全てを賭けた方々』が侮辱されたように感じたので、
ネガティヴな評価になったに過ぎません。

  視野の狭い、古くさい矜持に固執するバカ野郎のいうことなので、
  本作を楽しく視聴されたみなさん、
  どうか気にしないでやっておくんなまし。


************************************************************


ここから先は、作品本編にほとんど関係ない『役者』の話です。
興味のない方は読む必要のない、読んでも仕方ない内容ですので、
いつものとおりネタバレで隠しておきますね。

{netabare}
現実問題として『声優』と呼ばれるアテレコ役者さんは、
一部の心ない製作・制作関係者から『軽視』される傾向にあります。

芝居の『し』の字もわからない、
モノローグとデンマークの区別もつかないような連中が、
したり顔でキャスティングに口をはさんでくるなんて日常茶飯事です。

  泥臭い話で恐縮ですが、
  アニメのアフレコとテレビドラマの役者一話あたりのギャラは、
  (もちろん尺や拘束時間が全然違うというのはありますが)
  ふつうに一ケタ、主演クラスだと二ケタ違うというのが実情です。

  ものごとの価値をカネでしか判断できない連中にとって、
  アフレコ役者の報酬は『エキストラに毛が生えた』程度のものなんです。
  だから、その金額が仕事そのものの評価額である、つまりは
    誰にだってできる簡単なオシゴト
    実写で通用しなかった役者のするオシゴト
  ということなんでしょう、みたいな認識であるわけです。

  ですから、リスペクトみたいなものは頭から存在しません。
  あの史上最悪アニメである『もしドラ』のEDクレジットなんか、
  主演役者や先輩役者を後回しにして、
  ろくに台詞もなかったAKB歌手を最初に表示させたりしてますし。
  制作サイドがブチ切れるの、あたりまえです。

  いやほんと、月夜の晩ばっかりじゃねえ……ないんですのよ、おほほ。


まあ、制作に一切かかわらない連中は致し方ないにしても、
前述のように監督が『アニメ-タ-あがり』であることによって、
とんちんかんなキャスティングが成立してしまうケースも存在します。

  誰でも知っている某おじいちゃん、はっきり言ったら宮崎駿監督は、
  「媚びた声がいや」「注文通りの芝居になり過ぎる」
  とか言ってましたが、それはちょっと違うんじゃないかなあ、と。
  そういうのって、どういう芝居が欲しいのか
  自分の要望を役者に伝える語彙力がないだけのことなんですから。

  そしてその「媚びた声がいや」発言を岡田斗司夫が全肯定したりして、
  それが識者の意見みたいに拡散される。
  ほんと、いやな世の中になったもんだとつくづく思います。


もちろん、現場に『声優』として送り込まれた方々は、
それぞれが『与えられた仕事』として大真面目にやっています。
専門的な訓練を受けたことがないから、
専業の方々と比べて技能的に劣る方が多いだけで、
決して、アテレコという仕事をなめているわけじゃありません。

  中には、専業の方々と遜色ない技量をお持ちの方もおられます。
  そういう方は、本当にすごい。感心するしかありません。

  また芸の『味』という意味では、
  あの『DEATH NOTE』でリュークを演じた中村獅童さんなんか、
  既存の役者では出せない、素晴らしく『味』のある芸だったと思います。

つまるところ、きちんと『役』を演じることができるなら、
別にテレビ俳優でもお笑い芸人でもミュージシャンでもかまわない、
というふうに僕は考えています。

ただ『声優』とは役を演じるのではなく『声をあてる』仕事だ、と考え、
  だったら誰でもできるじゃん、
  そんなら有名な人の方が客よべるじゃん、
  お金もうけには集客大事じゃん、
ということを本当に実践してしまう輩が多いからハラ立つだけで。

ですから『鬼滅の刃』が興行収入の一位に躍り出たとき、
ほんとうに、マジで、南極大陸に降り立ったような気持になりました。

  ざま-みろ。
  ざま-みろ。ざま-みろ。ざま-みろ。
  ざま-みろ、ざま-みろっ、ざま-みろっ、ざま-みろっ!

  ……ああ、おとなげない。
    いいトシこいて、なに言ってんだか。
{/netabare}

投稿 : 2022/05/06
閲覧 : 286
サンキュー:

23

动画三郎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 1.5 音楽 : 4.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

映像・演出・音楽は良い感じ。

声優さんが上手い下手とかではなく、声優じゃないかたが声優をした時の声の当て方な感じで。他の声優界隈じゃない方を無理に起用する監督もですが、駄目じゃないけど抜けた感じの演技の声当ては(大半がそんな感じで)もう差別化にはならないので、監督や製作関係者の一人よがりに終わっている気がします。たまに耳心地も良く上手いかたもいるので、全員否定ではなく、素人ぽさを売りにした起用の方はほどほどが良い様に思います。

内容ですが、脚本か話しの繋ぎなのか何かが上手く繋がっていない感じで、場面場面が線で繋がらず、点で存在している感じで。あまり引き込まれないです。

場面場面だけで観るとレベルの高い作品には思います。

投稿 : 2022/04/30
閲覧 : 144
サンキュー:

4

ネタバレ

ミュラー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

時間長すぎ

ぱっと見の感想は、「美女と野獣?」。だから名前もベルなのか、と思いました。
ちょっと長すぎないですかね。時間的に30分で充分じゃない?
終盤まで間延びしすぎて、何度か眠くなってしまいました。
{netabare}
竜の、というか、子供の虐待が出てくるところ以降から面白いですが、そこだけで良くない?
「U」という仮想空間で誤魔化している感はあるけど、ストーリー自体は単調で面白みがない。劇場版にすべきトピックというか、物語もない。
ちょっと全体の構成的にはいまいちな感じがしました。
{/netabare}
テレビシリーズの1話としてなら大変面白かったと思いますけど。
映像や音響のすごさは認めますが、それだけではねぇ。

投稿 : 2022/04/16
閲覧 : 205
サンキュー:

10

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

期待しなければ良い作品かと。響く人には響くのかな。薬もすぎれば。。

言い方悪いですが
おおかみこども以来観る気が。。なもので。

〈既視感〉
今のネットでの揶揄
サマーウォーズのカズマ、ネットの描写、🐳
手塚作品や石ノ森作品のようなキャラのジャスティス


主人公のアバターがベルで竜がモンスターで見るなーって
それって『美女と野獣』のまんまよね

批判ではなく感じただけで。
サマーウォーズのとかは
ジョンウーも映画には鳩だすとかあるしで。

〈ひっかかるとこ〉
正体を暴くためとはいえ人の家の玄関のライブ映像漁ってて。。◯◯のよう
あとあのライブ映像は子供たちがこっそりやってるの?虐待映像を晒してるなんて親がやっていたのであれば正気の沙汰ではないが。。

あ、子供達がやってたのね。読み取れなかった。

いきなり状態を戻すより、あのジャスティスのおかしな振る舞いと虐待をみんなに言った後で姿を解いて歌ったら良かったかも。あそこなんかネットの観客も視聴者もよくわからないかなとちと思う。

〈トータル〉
期待しないでって失礼ですが
知らない監督の作品と思って観るとクオリティは高いかと。
現実のいじめ、ネットのいじめ、お母さんの死、それをまだ引きづる描写、自分のコンプレックス、虐待。。
すごく正しいことを表現してるようですがお腹いっぱい。
扱う問題を半分にして1時間半ならよかったかも。

あそこらへん共感もあるかもだけどトラウマある人はぞっとしないかな。

細田さんと思ってしまうとまた教訓か。。と勘繰ってしまう。

大ヒットを飛ばす監督なのでもうやりたいことをやっているのはうらやましいと思いました。

投稿 : 2022/04/16
閲覧 : 201
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6

ネタバレ

楼蘭 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

家庭内暴力は1万件くらいはあるんじゃないの??

そのうち、たった一件を解決するのに顔まで怪我して大変だね。
世界と繋がってんだから、全件解決してね!としか言えないなあ
子供が親に暴力ってのも一杯ある訳で、そちらも身体はって解決してね💛

というくらい、意味がないストーリーだと思った。

投稿 : 2022/03/25
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0

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shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

内にある迷いと弱さ

細田守監督作品。

50億人がすれ違う仮想世界「U」、
ベルの歌声は、孤独な誰かに届くのか!?

自然豊かな田舎に住む平凡な女子高生鈴は、
とある事故がきっかけで歌うことが出来ない。
ある時、友人から紹介されたUへの招待から、
{netabare}現実では厳しくとも、Uでなら歌えると、
まだ可能性が残されている仮想世界で、
彼女は後に話題となる、歌姫ベルとなり、{/netabare}
自己再生の物語を始めようとしている。

美女と野獣をオマージュした演出と、
サマーウォーズを想起させる仮想空間、
娯楽性に富んだ世界観ではありますが、
ネット文化に対する啓発的な印象を受け、
物語は思いの外、娯楽性一辺倒ではない。
その点をどう感じるかで印象も変わる。

{netabare}家族との絆、臆病な私、竜の存在意義、{/netabare}
あまり多くを語るのも難しいものですね。
それぞれが薄くなった印象を受けます。

物語の文脈を読み解くことそれ以上に、
歌と映像美をただ体験することに於いては、
満足度の高い作品ではないでしょうか。

投稿 : 2022/03/21
閲覧 : 446
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35

九会 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 2.5 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 5.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

歌と映像パワー、娯楽映画としては楽しめたが性癖は抑えて

アニメ映画作品で声優が本業じゃない芸能人の方を採用する理由と言えば話題作りというイメージですが、今作では歌がテーマの作品でシンガーソングライターの方が主演を演じられています。同じくマクロスやVivyなどの歌がテーマの作品ではキャラクターに歌が上手いという設定があり、その設定に納得付けを行うために(声優さんの歌が下手という訳ではなく餅は餅屋的な理由で)キャラクターとその歌唱を別々の方が演じられています。
その為作中の設定に忠実であると言えますが、どうしても「キャラクター」が歌っている感が薄れてしまうので、今作のように歌がテーマの作品においては本業の方が主演でも良さそうに感じました。映画館という薄暗く閉鎖的な空間だからこそ引き立つ力強い歌声と迫力ある映像で「キャラクター」の演技自体は「声優初挑戦」という感じでまぁという感じでしたが、それを差し引いてもお金を払ってみた価値はあったかなと。
一方でYOASOBIの幾多りらさんは話題作りで採用したと思うのですが、せっかく歌が本業の子で歌がテーマの作品なのにろくに歌わせて貰えないのは大人の事情ながら勿体ないなと思いました。
ストーリーはサマーウォーズでも描かれていたネットの仮想空間とリアルを描いている感じ。ただサマーウォーズと比べるとリアルの繋がりは少し薄いように感じました。ヒロインの生い立ちなども描かれていますが、家族ドラマというよりは青春の1ページ的な雰囲気をやる感じで少し薄味だっなかなと。それよりもどちらかと言うと傷の舐め合い要素が強くそっちがメインのお話だったのかなと思いました。また監督お得意の仮想空間での悪意も今作では描かれていてその辺は自分もこんなんになったら嫌だなぁ……と感じたので問題提起として良かったです。
個人的に1番気になった要素がタイトルにもある竜のアバターのデザインが竜というよりケモノケモノしている感じで爬虫類には見えず、もっと竜らしくして欲しかったなぁと……細田守監督の作品はどれも何かしら獣の要素がある作風ですが、この作品に関してはタイトルに竜と冠してるんだからしっかり竜をやってくれ!と性癖は抑えて欲しかったです。
総評としてはストーリー自体は正直めっちゃ面白い!という感じではありませんでしたが、歌と映像は間違いなく良かったので総合的には悪くない作品かなと。ただ映画という媒体だからこそ楽しめた作品で他媒体だと良かった要素が薄くなってしまうのでこれから見る人にはそこまでオススメ出来ない作品です。

投稿 : 2022/03/06
閲覧 : 176
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11

ゆーしゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

歌が素敵

なぜこんなに酷評なのか?疑問である。
Belleの歌全てが素敵。あとかわいい。
サマーウォーズの設定に近いと思ったけど、お話面白かったです(*^ω^*)

投稿 : 2022/03/03
閲覧 : 153
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2

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101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

誰かを見守る眼差しの強さ

【物語 4.0点】
一部より、合理的な観点から見てシナリオが不自然だと叩かれて来た細田 守監督。
出る杭を引っ込めるどころか、本作では世間に不合理と非難されても貫き通したい信念がある。
また、こうした想いを理解することで一回り成長する。

『美女と野獣』を下敷きに、ネット上の仮想現実にまで広がる世間体を突破する脚本により、
批判をも呑み込んで主題に掲げるが如きふてぶてしさw

例えば、終盤、{netabare}JKヒロインを単身、子供を虐待する危険人物がいる知人宅に向かうのを容認する
周りの大人の対応の是非。

確かに常識的に考えてフツーではありません。
が、そもそも本作はヒロイン・すずの母が、一部から偽善と叩かれる無謀な水難事故救命により死去した。
すずが母は知らない子を優先して私を捨てた?とトラウマになっていた不合理を理解していく過程。
結果、娘が赤の他人だった子のために非常識な行動に出たとしても、
それは母の行動と対になっており、亡母と親交も深かった合唱隊にとっては忘れ形見の勇姿に感慨すら覚える。{/netabare}
不合理だが筋は通っているし、
{netabare}ヒロインが皆に白眼視される”竜”に手を差し伸べる、”顔バレ”して歌う決意表明と、{/netabare}
見るべき角度から見れば、伏線もちゃんと繋がっている。

世間や自分が納得できぬと作品を叩くのも結構ですが、
こと、この監督に関しては叩けば叩くほど杭どころか槍を出す有様なので、
もういい加減、これが監督の作家性なんだと諦めましょうw


【作画 4.5点】
仮想世界<U>のデザインに英国人建築家エリック・ウォン氏。
ヒロインが迷い込む幻想エリアのコンセプトに世界有数のアニメスタジオのカートゥーン・サルーン。
ヒロインの<U>でのアバター、歌姫・ベルのキャラデザにディズニー関連で実績のあるジン・キム氏。

日本発の作品にて、世界規模でこれだけの才能の結集。
日本アニメのグローバル化という点からも意義深い。

CGと手描きの使い分けは、コスト面からの適材適所ではなく、表現上の意図を優先。
リアルは川面の作画が高カロリーだろうが手描き中心、
仮想現実はキャラやスタッフが泣こうが喚こうが断固CGを貫く意地で魅せる。


真骨頂は登場人物の目線の繊細さ。
誰が誰をどれだけ強く想っているのか?
”竜”の心を開くのも”姫”の歌よりむしろ瞳の力。
目の動きから伝わる心情がセリフ以上に重要な伏線。
そこを拾えれば、すぐに手のひらを返す数万の雄弁なフォロワーより、
黙って見守る人間。
すずは最初から、ひとりぼっちじゃなかった。
EDアニメーションにて、実はここでも見守っていました。
という”答え合わせ”で感動できる。

故に、外面の映像が豪華な大衆向け作品だから、
心情理解はセリフと歌任せで良いだろうと気軽に乗ると取り残されかねない。

鑑賞者が、気軽なエンタメ映像から深い作画表現との段差を乗り越える誘導に関しては、
監督、もうちょいバリアフリーをwというのと、
ワールドワイドなコラボも、次はより狙った効果を確信して選択できるだろう
との伸び代への期待も込めて、5.0点満点までの0.5点は取っておきます。


【キャラ 4.0点】
仮想現実<U>で主人公すずをベルとして”プロデュース”する親友ヒロちゃん。
ベル出現前はトップ歌手だったペギースーの栄光と転落、嫉妬、許容。
頼まれてもないのに仕切るネット自警団団長ジャスティン。
その他”竜”の正体候補などに現代ネット社会の縮図が凝縮。

ネット理解度は高いが、無節操なネット野次馬の動きなど、捉え方は割とネガティブw
ヒロちゃんにネット世論になんて半分理解してもらえれば十分との趣旨の発言を代弁させている?のが何とも(苦笑)


青春物としては重たく息苦しいヒロインすずと”竜”の傍らで
清涼剤となるのがカミシンとルカちゃん。
空気読めない体育会系少年と、ツンツン&ソワソワする吹奏楽少女の、
駅での甘酸っぱいやり取りで息継ぎしましょうw


【声優 4.0点】
すずの母役の島本 須美さん、ジャスティン役・森川 智之さんの正義マンボイス。
など”ちゃんとした声優”も脇を固めるが、メインキャストは俳優、タレント陣が中心。

主役には劇中歌担当ミュージシャンの中村 佳穂さんを起用。
演者と歌い手の一致により、主人公心情と歌詞の連続性を追求。
すずとベルが一つになる、仮想現実とリアル融合のクライマックスを彩る。

吉谷さん役の森山 良子さん率いる合唱隊も、歌声含めて温かい。

あとは娘の力になれないけど、不器用なりに関わろうとする役所 広司さんの父親役とか。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は音響監督・岩崎 太整氏の元に多数の作曲家を集める「作曲村」方式。
オーケストラ、ジャズ、テクノとジャンルを横断して音が積み重ねられるゴージャスな”フェス感”

劇中歌の中村 佳穂さんのボーカルは、
鬱屈を抱えたまま日々を過ごす焦燥も含んだ湿気が味わい深い。
リアルでは歌えなくなっているヒロインという無茶振りにもまずまずの歌唱表現で対応。

投稿 : 2022/02/20
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18

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Kansan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

ディズニー×細田守監督

普通に楽しめました。まるでディズニー映画を観てる気分(お城のシーン、笑いました)。音楽と3D世界と手描きの世界のギャップを楽しめて良かったです。ストーリーを無理に大きくしたり強いメッセージ性をだしたりせず、最終的には小さく綺麗に話をまとめてくれて嬉しかったです。
まぁ日本アニメーションの名作たちと比べたらチープに見えてしまうけれど。ディズニー映画に複雑なキャラクター性や深い感動を求めないのと同じように、過度な期待をせず、野暮なツッコミを入れずに見たら十分楽しめると思います。

投稿 : 2022/01/30
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1

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たつや さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

求めていたのはこれでは無い

思ってたよりは良かったが、微妙というのが正直な感想。とはいえ最後の演出が良かったので終わりよければすべてよしって感じだった。ただ序盤、特に中盤は完全に細田守版美女と野獣で、だれるところもあった。竜の正体もあまり知らない(思い入れのない)、ある意味予想外の人で、ミスリードを誘いたかったのか分からなかったが、そこかー?とは思った。とはいえ演出と作画は素晴らしいと思った。最後のありのままの自分で歌うシーンとか良かった。もっとストーリーを練って製作されていたら面白い作品になっていたのになぁと思った。

投稿 : 2022/01/30
閲覧 : 237
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7

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たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

となりの女子高生が「感動した。」と言ってたからよかったのかもしれない

正直言って、面白いかどうかと聞かれたら新海誠監督と同じく「普通」で卒のない作品である。

細田監督らしく毎回テーマもキャラクターもほとんど変わっておらず、一貫して「家族とはなんなのか。」というテーマを元に作られている。

今まで僕は「バケモノの子」や「おおかみ子供と雨と雪」「未来のミライ」を酷評してきたが、今回はそれらの作品と比べると良く纏まっている。

しかし決して目新しいわけではないし、CGのクオリティも体して良いわけでもないので映像表現としては現存のアニメと変わらない。

「シンエヴァ」のようなキャラクターの掘り下げや、今まで自分を作り上げてきたものに対する感謝のようなリスペクトがあるわけでもない。

しかし、隣に座って鑑賞していた女子高校生が

「面白かった。感動した。」

と言っていたので、それでよかったのだと思う。

別に僕だけがオーディエンスなわけではないので、一般の人に解りやすくしているという意味では成功しているのである。

最近は、アニメ映画は老若男女関係なく様々な人が鑑賞するようになってきた。

既に一般化したコンテンツにアート的な評価を下すのも無粋かも知れない。

それだけより多くの人が観に来るようになったのである。

投稿 : 2021/12/15
閲覧 : 394
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20

ネタバレ

オパマ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.0 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 4.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

支離滅裂

主人公が何を望んでいるのか伝わらない。
{netabare}母の死を乗り越えたいのか。
ネット空間で成功を収めたいのか。
現実世界での対人関係を改善したいのか。
気に成る彼氏と結ばれたいのか。
ネット空間の謎の人物と結ばれたいのか。
で、結局人助けだけど、周囲に大人がいたにも関わらずネグレクトに走るような危険人物の元へ未成年女子が単身向かうって、あり得ないよね。
警察か児童相談所に電話一本かければ済むことでしょ?
その後、なんとなく達成感を持った彼女は明るくなりましたとさ。
なんだろね、これ。

いっそ、母が大舞台で歌唱することを夢見ていた歌手志望だった。
母の死で歌が怖くなっていたが、トラウマを打ち払いネット内でも、現実でも、歌うことが出来た。
で、いいんじゃない?
超有名人になる必要なんてどこにもない。
{/netabare}

投稿 : 2021/11/28
閲覧 : 237
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4

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ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 1.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

細田…お前…

この話はUの世界で有名な歌姫の話
ジャンルは学生・歌・仮想空間
正直細田守監督の中で一番面白かったです

事前準備はなし。ただ細田守がまた仮想空間に手を出した、ということは知っていたので「あ、終わった」と思っていました。細田守はそういうやつだったのだと。
今までの作品全部好きになれなかったけど、今回もだめなのかな。
そして迎えた視聴日。後。「細田…お前…」
内容としてはどこぞやの夏戦争とは関係ありません。どちらかというと「美と獣」の方がイメージとしては強いです。というかほぼそれでは?主人公ベルですし
まぁパクリかオマージュかインスパイアかはともかく、細田守さは保っていましたと思います。

本作は要は{netabare}トラウマ持ちの父子家庭陰キャ女子がネット弁慶してたけど、色々あって現実と向き合うようになった{/netabare}て感じでしょう。まぁ細田らしい。名称が付けられない感情、細田守は好きですよね。それがよくわかる作品でした

内容です。しっかりしてたと思います。ただ本作に声(歌)がなかったらどうなってたのだろうと。しかし、歌を含めてまでがアニメです。これは小説でもゲームでもなく、アニメです。アニメとして考えた際、面白いか面白くないか、が重要なのであって別に「小説はゴミ」と叩く必要はないでしょう多分
中盤の盛り上がりもよく、コメディは一切面白くなくとも意味のあるシーンになってました。もう少しコメディの種類を増やせ本作はものすごく面白くなるかもしれません
終盤で綺麗に着地。拡張性を残しながらも伏線が展開を限定的にしています。後味としての展開はサイコーといってもよいのではないでしょうか。

どこぞやの夏戦争をイメージした方へ
本作はかなり対比が用いられています
夏戦争とどこが違い、何を志し、結果として何が違ったのか、を意識しながら見ると面白いですよ。個人的にはサマーウォーズは好かなかったですが、別にサマーウォーズも本作も好きだという方は珍しくありません。
とりあえず観ることをオススメします。そしてUで頭を振りましょう。ララライララライ🎶

ではここから良くないところ。
展開が細田守監督
事前情報全くなしとはいえ予告編くらいは見てます。で今までの細田守監督の傾向から察するに、といくつかの予想をたてながら見たのですが、まぁみごとに被った。(いくつか、なので厳密には完全に予想はできなかったのですが)
私が細田守監督のことを完璧に理解してるかどうかは微妙ですが、予想が合っていたということは、きっと大体の感性はわかり始めているのではないかと自分では思っています。と言っても私は細田守監督の方向性は理解しているぐらいですが。
良い言い方をすれば「個性が現れている」です(が、正直細田守監督の個性は「万人受けの普遍」だと思っているので、個性と言って良いのか…)
しかし言葉を選ばないなら。「細田守監督のスペック以上の作品でもなければ、意外性もない」細田守監督の中ではいちばん面白いですが、やはり細田守監督の作品であると強く感じられます。それが「この面白さは…細田守監督だ!」なら全然良いのですが「このぬるま湯のような展開は…」となっている状況です。
しかしそれは展開の話です。本作を無理やり文字に起こして小説にしたらきっと面白くはないんだろうな、程度に思ってください

が、何度も言いますが本作はアニメです。雰囲気は非常に良く、歌もさることながら描写も丁寧さを感じました

要は
細田守監督のテイストや限界がよく見えた脚本でありながら、その他が今まで以上のものであり、全体的な印象はとても良いということです

声優は完全に話題作りだけで選んでますね。
私YOASOBIはめちゃくちゃすきですが、幾田りらさんの演技は..お世辞にも良いとは言えませんね

投稿 : 2021/11/05
閲覧 : 279
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10

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栞織 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

匿名性と自分らしさ

最近はやりのVtuberなどはまったく知らない年寄りなので、ぱっと見た感想です。

まずネットでの匿名性がテーマになっていると思いました。誰もがアバターを持っている時代です。それが暴かれても、ネット上で無事にいられる。このあたりの描写は、「おまえも顔出しのアイドルになってみろ」みたいなメッセージに取れて、今ひとつ納得できませんでした。あのオチ以外になかったのかと。しかしあれ以上に事件を解決する手段は、私も思いつきませんので、仕方がないのだと思います。しかし後味が悪いシーンでした。そう思いつつも、感動的な音楽とカット割りで涙は出ましたです。それはベルと竜が虚空で抱き合う場面でもそうでしたね。映像の力だと思います。しかしそれは、情に流された涙で、自分で論理的に納得して流れたものではなかったです。そういう、古臭い「情」に訴える映画だったと思います。

ひとつひっかかった事は、はじめに鈴がベルのアバターを作った時に、ルカの写真を切り抜いてアバター指定していた事です。要するに、あのベルのアバターは、彼女自身のルカへのコンプレックスから作られたものだという事です。最近読んだ本で「純喫茶トルンカ」という作品に、死んだ姉の着ていた服ばかり着て、姉の恋人だった男と会う高校生の話がありました。その子はふられるわけですが、やはり忍のようなボーイフレンドからたしなめられて、我に返るという話でした。何かこの映画とそっくりだと思いました。最近読んだ新書で「無理ゲー社会」という本で、現代人は「自分らしく生きられない」という事が呪縛になっているという話がありました。自分らしさ、という文句自体がすでに私には古い感じがするのですが、一面の真理だと思うし、この映画も底流にそれがあります。要するに最後に忍から鈴がおまえらしくなった、というようなセリフを言われるのは、まさにその意味なのです。

しかし言っていいでしょうか、非常にその考え方が表面的すぎて、深く描かれていないように思いました。全体的に洋画風になっていて、しかし深い洋画のいい部分がなくて、見終わった後も、いわゆる人情話をひとつ聞かせてもらったみたいな感想しか出てこなかったです。もちろん家庭内暴力については、深刻な問題で、この映画で取り上げられたのはいい事だと思います。しかし、途中までミスリードで竜は忍の事ではないかという予想は見事に裏切られたし、まったくの見ず知らずの兄弟を助ける、いや助けになっていないかもしれない場面で終わるのは、はっきり言って納得ができなかったです。ネットはそれほど遠くの人間と結び付けられるという事を示したかったのかもしれせんが、作劇上盛り上がりに欠けてしまいました。

苦言ばかり呈しましたが、Uの世界は魅力的だったし、アニメート的にいろんな作風の作画が見られたのは楽しかったです。ベルの顔も動いていたら、それほどぎょっとしない顔に思いました。停まった絵では魚みたいな顔だと思ったのですが。あの顔をヒロインにした勇気は、ほめられていい事かもしれません。劇中の音楽については非常によかったです。

投稿 : 2021/10/17
閲覧 : 189
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11

BLEU62 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 1.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

あまりにもディズニーちっく。声優さんの使い方にも?

先回の「未来のミライ」でも思ったが、主人公がダメダメ。
歌の上手い声優さん、いっぱいいるのに・・・
クレジットみて有名声優を無駄につかってるのが残念。
ストーリーもいまいち。
作画は素晴らしかったが、ラストの雲は新海さんのほうが上手。

投稿 : 2021/10/08
閲覧 : 151
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1

24LnQZmizq さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

途中で切った

開始15分で脚本がちょっと微妙だなと思い、あとは20分くらいずつ飛ばしながら見ました。映像は綺麗でした。

投稿 : 2021/10/08
閲覧 : 161
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1

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テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

仮想世界

見に行く予定ではなかったのですが、職場の人から映像が凄く良いから、映像だけでも見に行く意味あると言われ見に行きました。

確かに、映像や色は拘りがあり綺麗だし凄く良かったと思います。
物語として良かったと思ったのが作中にキャラの心情のヒントがあったのが少し印章的かな?

演奏しているルカ達の横でカヌー部の勧誘にきたカミシンが凄く目立って、皆からウザがられて、演奏してるルカが背中を向けるシーンがあって、私は「あぁ〜演奏中に絡まれたら嫌だから目を背けたんだ」って思ったけど、後から駅のやりとりで、なるほど〜ってなりました(◍´꒳`)bᴼᴷ
駅のあのシーンはカミシンの1人コントぽくて面白かったです。

さて、物語としては仮想世界の竜とお姫様のお話って感じでしょうか。
少し少女漫画に近い物がある気がしました。
ただ、これは恋愛?と言うかなんと何と言うか……

ベルは竜の本物をみてくれた。
竜は悪い奴だと周りから思われ、正義づらした自称警備団?みたいなのにも攻撃されたりするけど、ベルは本当は心が傷付いた竜である事に気が付いてくれる。
噂の悪い竜ではなく、心に傷を持つ竜だと。

その辺から、竜はベルに心を許していった気がします。
そんな時、竜の城が襲撃されます。

この警備団は、正義を振りかざして自分達がUの世界を守っていると思い込んで居て、悪だからと竜を潰そうとするけど、私には正義には見えなかったなぁ〜

ただの自分達の勝手な物差しで勝手に正義って言葉武器にして盾にして自己満足に浸ってる人って感じがしました。

かなりのスポンサーがついていたから間違えなく実績もあるんだろうし悪人達ではないんだろうけどさ、それでも正義を執行する中で、いつの日からか道を踏み外してしまった人達に映りました。

そんな中、鈴達は、竜を助けるために、竜の正体を探さなければなりません。
私が思ったのは、やっぱり時代の流れは怖いですね。
夕方のアラームと部屋から見える2つのビルってヒントだけで、あの場所を特定するとか本当に凄いけど同時に怖いなぁ〜ってw


さて、竜の正体が判明するのですが、竜は父から虐待されていたのです。
人の親とは思えない言動。
子供は親の私物ではありません。
子供の自由を奪って言葉と力で押さえつけて、消えろと言う。
本当に酷い大人だと思います。

その映像を偶然見てしまった鈴は自分がベルだと明かしますが、信用して貰えません。
当然ですが、ベルはアバターで鈴は生身で証明する事が出来ません。
ベルは有名人だし成り済ましの可能性すらあります。

鈴は必至に助けたいって言うけど竜は「助けるってどうやって?」と言います。
彼は助けたいなんて沢山の人から聞いてきたけど実際に助けられる事は無かったそうです。

実は私も子供の頃に凄く大人って嫌いでした。
大人は子供だからと見下して約束も平気でなかった事にしたり、口だけで何かを相談しても結局解決していない解決が変な方向に向いてしまったなんて沢山ありました。
凄く理不尽だと思った事もありました。
大人は子供に色々言うけど、大人の方が出来てないじゃんって思う事もありました。

だから、絶対に大人になったら子供に寄り添える大人になりたいって思ったのを覚えてますw
勿論、全ての大人がそんな人ではないのですけどね(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

だから、竜の気持ちって凄く解ったんだけど、彼の鈴達への八つ当たりには私は( ˘•ω•˘ )ムカッってなりました。

助けたいと言っても誰も助けられなかったと言います。

私は人を助ける人って凄いって思います。
でも、私は助けられる人の方が更に凄いって思います!

人は助けるなんて言うけど、人が手を差し伸べるなんていくらでも出来ちゃうんです。
困っている人を助けたいって思ってくれる人は世の中には案外沢山います。

でも、1つ絶対に必要な事があります。
それが無ければ絶対に助かる事はありません。

それは「助かりたいと言う気持ち」です!

助けようとしてくれる人が、全て知らない間に全てを解決してくれるなんて事はありません。

例えば、いくら助けようとしてくれても、本人に現状を打破する勇気が無ければ手を差し伸べても現状を変えられず助けられないのです。

竜がすべき事は何だったのか、大人達に解決していない事をハッキリ伝える事
勇気を持って、もっとSOSを叫ぶ事
助け舟がある間に父に自分の気持ちをぶつける事

これは本当に勇気が必要な事です。
怖いです!泣きたいです!逃げたいです!
でも、助けられる側も勇気を出さないと、誰がいくら手を差し伸べてくれても救えません!

助けたい人が、何も解決していない事を話してくれないと解決したと思われます。
SOSを出さないと気がつくまでに時間が掛かり助けが遅れちゃいます。
1番、心に響くのは当人の声なのです。

だから、助けられる側は勇気が必要だし凄いなぁ〜って思うのです。

ですが、竜は耐えることしかしていません。
自分が耐えたら良い、といいますが、耐えて解決する事なんて殆どの場合はないです。
最悪の場合は心がズタズタになります。

助けようとしてくれた人達を見て彼は、心のどこかで諦めていたのではありませんか?
どうせ無理だと……1番に諦めていたのではないでしょうか?

そんな人をどうやって救えばいいのでしょうか?
竜の言い分も凄く解るけど、私には誰にも救えないと諦めて殻に閉じこもり、助けようとしてくれる人に敵意を剥き出しにしてしまう駄々っ子にみえてしまいました。

でも、最後に駆けつけてくれた鈴を見て彼は立ち向かう勇気を貰えました。
きっとこれからも大変だと思いますが、きっと勇気を持てた彼なら大丈夫だと思います。


さて、鈴ですね。
彼女はリアルでは母を亡くしたトラウマから歌をうたえなくなっています。
仮想世界のベルなら素敵な歌を奏でるのに……
ですが、竜にベルと鈴が同一人物である事を知って貰うには自分の正体を証すしかなくて……

ベルとして人気の彼女……
でも、中身は田舎の地味な普通の女の子。
ベルとしてイメージが高い分、ファンは顔を出したら離れていくかもしれない……悪口を沢山言われるかもしれない……彼女の必至に作り上げたベルのイメージを自分で壊してしまうかもしれない。

でも、竜に自分の正体を知ってもらうには、それしかなくて……
たった1人の為に正体を明かして積み上げた物を崩すか、たった1人を見捨てて積み上げた物を護るか。

彼女の決断はすごく良かったと思います。
カッコイイと思いました。

さて、物語としてはツッコミ要素あったり、?が浮かぶシーンもありましたが、人の心情を上手く描けていると思います。
映像も綺麗だし、気になる人は見てみてもいいかな?とは思える作品になっていたと思います。

投稿 : 2021/09/20
閲覧 : 224
サンキュー:

14

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ハウリングインセクト さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

仮想世界でしか歌えなかった少女の成長

仮想空間''U''でBelleとしてしか歌えなかった少女が竜のAsに心惹かれ、理解したい、助けたいと鈴のままで歌って見せた成長は心にズンと来るものがあります。

鑑賞後も彼女達のその後がどうなるか想像したくなる作品です。

投稿 : 2021/09/14
閲覧 : 103
サンキュー:

1

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 1.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

シナリオが悪質

歌唱シーンの制作だけで力尽きた駄作
物語が退屈、苦痛、胸糞の三拍苦なので、この映画の売りである歌唱シーンが全く頭に入ってきませんでした。

•退屈
 見た目しか魅力のない竜とヴィランズ
 尺を割く必要が感じられない同級生
 ひたすら竜の噂話をしているモブアバター
 同じセリフの使い回し
•苦痛
 陰キャな主人公がSNS上の特定のアバターを執拗に追いかけ、キスしようとする展開
 陰キャ拗らせすぎてパーソナルスペースが狂ってるのかな。自分と同じ悲しみを感じての行動なんだろうけど、行動が飛躍しすぎて病んでるの?って思っちゃった。
•胸糞
 ディズニーの美女と野獣のシーンのトレス
 虐待されている子供達が、話を盛り上げる演出だけに使われており、救われるシーンがない
 凶暴な成人に未成年が丸腰で挑むことを美談にする倫理観

劇中歌が気になっている人は、YouTubeに上がってるMVを視聴して、気に入ったらサントラ買う、で良いと思います。そちらの方が無駄な時間を過ごさなくて済むし、モヤモヤした気持ちを抱えずに済んで幸せです。

監督は高尚そうなテーマを映像に捻じ込んで自分を大きく見せようとする前に、まず最低限値段に見合ったエンターテイメントを提供してください。
今後この監督が作った映画にお金は払わない。

投稿 : 2021/09/13
閲覧 : 124
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郷音 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

もう、ひとりじゃない。

2021年劇場公開アニメ。

高知県の田舎に住む女子高生がインターネットの仮想世界を通して自分を取り戻し成長していく物語。

細田守監督作品のため公開前からメディアでも大々的に取り上げられた注目作です。

見た瞬間の背景の綺麗さは流石です。雨や川の流れ、雲の描写は繊細で実写と遜色ないものになっています

音楽も綿密に作られており主人公すず役の中村佳穂さんの歌声に酔いしれます。

そして本業が声優の方はメインキャストにはいないのですが、これがみなさん適役で。よくある棒演技も感じられませんでした

特にヒロちゃん役の幾田りらさんは上手くてびっくりしました

ただ内容がね。特に終盤。

{netabare} すずが竜に固執する理由がよくわからない。(ただ気になるだけにしてはやりすぎでは?)竜だけお城があったり護衛隊?がいたり特別感がすごいよね。竜の中の人を助けに行くため高知から東京を目指すのにか弱い女子高生一人で行かせるのもどうかと思うし、ネット世界があれだけ発達してるけど移動は電車なのね。いくら助けに行くと言われたとしても半隔離状態の子が外で待っててくれているのも違和感があるよね {/netabare}

絵と歌に関してはアニメ映画最高峰と言っていいのではないでしょうか。

一度は見てほしいアニメですね

投稿 : 2021/08/30
閲覧 : 200
サンキュー:

4

めんまぁ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 2.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

うーん…

とりあえず映像と音楽は圧倒的。素晴らしかった。…が、脚本は絶望的。細田監督が脚本書くのはやめたほうがいい絶対。
てか途中見ててディズニー?って思うところがちょいあって気になった。

投稿 : 2021/08/28
閲覧 : 190
サンキュー:

2

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esso-neo さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

あーなるほどというツッコミどころ

あの人たちの行動が理解できない
という声が批判としてよく出てきたが、たしかにわからん。あの一幕だけ異常さがある。あとは大体出来上がってると思うんだけど。
あれで親父がいて、すずと同行してメッセージじゃあなく直接会話するのが一番良かったんじゃないの?って思うんだけど、肉体言語も生きるし。あれがすずただ一人でないといけない部分かというと違うんじゃないかと思うんだよな。
そこだけ。他は後ほど。

投稿 : 2021/08/27
閲覧 : 196
サンキュー:

1

knightgiri さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

歌姫は世界を救う!

結構人気みたいですね。なので見にいってきました。

世の中ソーシャルオンラインゲーム、仮想現実、バーチャルアイドルが全盛。そんな「今」をてんこ盛りに盛り込んだ作品です。つい最近、「歌姫アニメ」といえばVivyが記憶に新しいですが、歌についてはこっちのほうが本格的ですね。サウンドトラックでも収益を狙っているのか・・・・・お金をかけています。

脚本というかストーリー自体に何か強いメッセージ性があるかどうかというと、あるような、ないような。でもしっかり笑わせるし、泣かせるシーンもある。コロナでなんだか世の中ぎすぎすしている今だからこそ「歌姫は世界を救う」という事で綺麗に流したのか。

個人的には、いろいろ新しい試みが織り込まれた作品だと思います。下衆な言い方ですが「儲からないとアニメは作れない」のですから、そのために作品性を損なわない試みはドンドンすべきかと。特に作画、作画は「時をかける少女」「サマーウォーズ」から繋がる作画タッチが、PIXYなどに代表されるアメリカアニメかと思わされるような作画タッチと併用されます。この併用が、作品内での現実世界と仮想世界を上手い事分ける効果がでている。アメコミ的な作画タッチの利用、この試み商業的にも米国での「ウケ」を狙ってやったものなら評価したい。仮想空間上に現れるヒロイン「ベル」と「リュウ」が心を交わすシーンとかもうあのディズニーアニメ映画かと思わせるような・・・・・・・(米国ウケしそう)

評価しているのか酷評しているのかわからないレビューになりましたが(笑)、個人的には是非映画館に足を運んで観て欲しい作品だと思ってレビューを書きました。自分も、もう一回みたいですね。

追伸:映像美は印象的でした。一見の価値ありです。

投稿 : 2021/08/23
閲覧 : 188
サンキュー:

4

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ナルユキ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

歌は良かったよ、歌は

仮想世界という世界観をふんだんに活かした演出と映像美、今回主人公声優も努めた中村佳穂というミュージシャンによる楽曲で派手に彩られているが、やっていることの大半は『ネットあるある』の詰め合わせ。形が違っても歌い手と信者、荒らしに自警団といった属性を各登場人物に当てはめることができるインターネットの縮図である。
しかし、そのリアリティはまるで時代についていけない老人が描いたかのように稚拙だった。

【ココがつまらない:竜の正体に興味が湧かない】
そもそも本作を視聴する途中で竜が誰なのか気になった人はいるのだろうか。
仮想世界〈U〉は50億人以上──実に世界人口の7割を凌ぐ膨大な利用者が物語開始時点でいる。“竜”というのはその中の1人が作り出したAs(アズ)というアバターであり、仮想世界で暴れている“荒らし”というポジションでしかない。そしてその正体はAsによって一分の隙もなくスポイルされている。
そう、竜は“50億人の中の誰か”なのである。この設定時点で竜がどんな人間かだなんて割とどうでもよくなってしまう。
現実の、本作より後進的なインターネット事情を思い返してほしい。自分の好きなコミュニティが匿名の荒らしに荒らされたとして、そいつに「許せない」とか「邪魔だ」という義憤を抱いても「こいつは誰なんだ?リアルではどういう奴なんだ?」という興味を持つまでに至るだろうか。Twitterのバイトテロくらいならその投稿から特定できそうなので、面白がって調べる──なんて事例があるのもわかるが、只の荒らしに躍起になって特定を急ぐなんて事例は聞いたことがない。
{netabare}ところが本作では〈U〉の秩序を乱す者として竜を迫害し、その正体探しが世界規模で行われる様を見せられるのである。Asの特徴や他人のAsを破壊する残虐性という共通点だけでアーティストや格闘家などに疑惑を向けたかと思えば「普段から抑圧された本性を〈U〉で晒けだしてるのかも」と品のいいセレブやメジャーリーガーにも疑いの目を持つ。さながらミステリーのようなパートが序中盤の尺を盗っているのだが、観てるこちらは茶番のようにも感じる。{/netabare}
『名探偵コナン』だってサイバー犯罪を扱って「地球上にいる人間全員が容疑者です」なんてやったら人気が急落するだろう。要はそういうことである。

【ココもつまらない:〈U〉のある世界観がよくわからない】
そんな竜に荒らされているらしい〈U〉だが、そもそも具体的に何をするところなのかがよくわからず、よって竜が暴れてみんなが怒るというのもどこか納得がしづらい。これは細田守監督の前作である『サマーウォーズ』の〈OZ〉に大きく劣る部分だ。
あちらでは好きなアバターで格闘ゲームに加えてカジノなども楽しめるという“遊技”の部分をきっちり描いていて魅力的に見えた。そんな世界がラブマシーンによって破壊されていき現実世界にも悪影響を与える。だからこそサマーウォーズの登場人物たちの怒りや結束というものに共感できるようになっている。
{netabare}しかし〈U〉は『もう1つの人生、もう1つの世界』という謳い文句がある割には、それにのめり込めるコンテンツを殆ど描写しておらず、端から見ればだだっ広い空間でAs(アバター)が宙を浮き人流を作ってさまよっているようにしか見えないのである。そんな楽しくなさそうな世界の秩序が乱されたとて、サマーウォーズとは違ってどうでもよく感じてしまう。
これらの説明がおざなりなのも前作のサマーウォーズと世界観が似ていて、その代表作をみんな押さえていると予期してのことだろうが、本作は別にサマーウォーズの続編でも同じユニバース作品というわけでもないのだから、説明を丸投げしてしまうのはよろしくない。{/netabare}
【ココがひどい:ネットの嫌な部分を誇張し過ぎ】
盲信、誹謗中傷、掌返しetc...確かにSNSには利用者の醜い部分が見え隠れしている。しかし本作はそれをオーバーに描いており「そこまでひどくないだろ」とツッコまずにはいられない。いくらなんでも〈U〉の利用者が攻撃的過ぎて実際のネットユーザーから見たら嘘臭く感じてしまう。
{netabare}自警団ポジションであるジャスティスなんて仮想世界とはいえ、徒党を組んでの直接攻撃で竜やBelleに襲いかかる上、竜の住処である城を焼き討ちしたりAIキャラクターを傷つけたりBelleを拉致して尋問を行ったりする。今後実際に仮想世界が構築されて上記の行動が可能だったとして、匿名でもここまでの愚行に走れるユーザーは現れるのだろうか。私だったら「やり過ぎだ」と非難されることが怖くて実行には移せない。ところがジャスティスの蛮行を快く思わないのは竜と心を通わせることになったBelle=鈴しかおらず、彼の背中に浮かんだ多数のスポンサーが彼を支援してる上、右腕にはAsをオリジン(生身の人間の姿)に変える光線を撃てる能力まで与えられているのである。50億人もの利用者がいるSNS仮想世界としてはあまりにもマイナス的なご都合主義を描いているのではないか。{/netabare}
どうも本作はAs(アバター)という匿名的な肖像を、正体を隠す仮面のようなものとして描いている節がある。現実の自分を隠しているからこそ他者に対して容赦ない攻撃ができる、と。
しかし竜を見れば結局Asの姿で不適切な行動をとれば〈U〉にいられる場所はどんどん無くなってしまうのだから、Asという匿名であっても振る舞いをきちんと考えて尚さら清廉潔白に使う人間が多くなるのが本来のSNS仮想世界の描き方なのではないか、と私は思う。

【でもココがすごい!:Belleの歌唱シーン】
脚本面では色々と粗が気になる本作。それをはね飛ばすのが主人公・Belle=内藤鈴の歌唱シーンだ。「〈U〉の世界に突如現れ、『自分のために歌っているように聴こえる』歌声で人々を魅了し〈U〉の歌姫となる」という設定に確かな説得力のあるアルトボイスを披露してくれる。
{netabare}とくに『心のそばに』は初めて〈U〉にログインして歌を歌う鈴の心情とシンクロしており、最初のたどたどしい「う、たよ……」が本当に歌えるかどうかの躊躇い、そこから段々と自信を付けたかのように跳ねるような歌声に感動できる。
劇中ではガヤの野次がとても耳障りなのでMVかサントラで聴くのが非常にオススメだ。 {/netabare}

【総評】
映像良し、演出良し、音楽良しの三拍子がそろった映画として見応えのある作品だが、脚本だけはやけにツッコミどころが多い。
一見、現在のインターネット社会問題に一石を投じているように見えるが、その投げかけ方がかなり偏っており、まるでネットで嫌な思いをした人が極端な例を膨らませて描いているようだった。確かにネット社会は炎上だの誹謗中傷だの負の部分が多く見られるが、一方的な情報の発信から相互の意見交換へと変わることでこれまで見えなかった各々の意見が表出するようになっただけの世界を否定的に描くのは、どこか迂闊に使って身から出た錆にやられた方々の憂さ晴らしのようにも思えて呆れの感情すら芽生える。
仮想世界の描写も拙い。まるで只の舞台装置のように扱っている。恐らく描きたかったのは、{netabare}
①終盤の竜の正体だった少年らを鈴が助け、その過程で母の想いを知る
②誰かを助けるためならSNSで素性を明かすことは厭わない。それが匿名で好き勝手言う連中より遥かに素晴らしい{/netabare}
という部分だろうが、それにしては今回用意された〈U〉は随分と大掛かりで仮想世界である必要性は演出部分にしかない。「現代のインターネットじゃ文字のやり取りが主だし映えないよね」という浅い理由で今回の舞台を作ったようにしか思えない。ちなみに公式で「ネット版『美女と野獣』をやったらどうなるか」というのを本作で試みた旨を明かした。うーん浅慮浅慮
描きたかった部分らしい終盤の展開までとやかく言うつもりはない。人によっては{netabare}「DV親の下にどうして子どもを1人で行かせてしまうんだ、大人がついていくべきだろう」や「高知から東京までなんて一体いくらの交通費と時間がかかると思ってるんだ、突発的に向かうには遠すぎる」{/netabare}という至極全うな意見も見受けられるが、細田監督の作品でそれを言うのは野暮というものだ。年端のいかない少年少女の成長を描き、最後に体を張らせるのがあの人のお家芸であり、今作再び『時をかける少女』以来のパワフルな女子高生キャラを拝めた。それでいいと思う。
ただその終盤まではBelleの歌で繋ぐだけのつまらない話だったし、他のキャラクターが軒並み脇役に撤せられたことでそれらもまた舞台装置にしか見えなくなってしまってるのが大変よろしくない。
もう1、2キャラくらい深めに掘り下げて血を通わせた方が、お客が視聴後にポジティブな感想を語りやすいのではないだろうか。「歌が良かった」「映像が良かった」だけでは映画の後にお茶しても間が持たないと思われる。

投稿 : 2021/08/16
閲覧 : 287
サンキュー:

14

ネタバレ

う り さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

歌と映像すごい

細田守監督は昔から好きで
毎回新作が楽しみでした。

大画面であの歌と映像はまじで良かった。
鳥肌が立った。
内容は、、、、うーーーん。
良かったとは言えなかったかな。
ツッコミ箇所が多かったというか
なんで?っていうのが多かった。
{netabare}何個かあるけど、なぜ鈴の母親は鈴を置いて
氾濫した川に取り残された子を助けにいったのか。
救命着2つ持っていけばよかったのに・・・とか
高知県から東京まで女子高生が1人で行くの?
など・・・思う箇所はあった。
そしてキャラがディズニーぽい。
というか美女と野獣。途中からあれ、美女と野獣の
新作見てるんだっけ?という感想を持った。{/netabare}

サマウォは超えられなかった・・・。
自分の中でサマウォが1番好きでした。

投稿 : 2021/08/13
閲覧 : 126
サンキュー:

4

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竜とそばかすの姫のストーリー・あらすじ

高知の自然豊かな村に住む17歳の女子高生・すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずはその死をきっかけに歌うことができなくなっていた。いつの間にか父との関係にも溝が生まれ現実の世界に心を閉ざすようになっていく。曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日偶然にも、全世界で50億人以上が集う超巨大インターネット空間の仮想世界<U>に「ベル」というキャラクターで参加することになる。もうひとりの自分。もうひとつの現実。もう、世界はひとりひとつじゃない。<U>では自然と歌うことができたすず(ベル)は自ら作った歌を披露し続けていく内にあっという間に世界中の人気者になっていく。そんな驚きも束の間突如轟音とともにベルの前に現れたのは竜の姿をした謎の存在だった―。(アニメ映画『竜とそばかすの姫』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2021年7月10日

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