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「チェンソーマン(TVアニメ動画)」

総合得点
79.6
感想・評価
663
棚に入れた
2006
ランキング
499
★★★★☆ 3.8 (663)
物語
3.7
作画
4.0
声優
3.6
音楽
3.8
キャラ
3.8

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チェンソーマンの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

マサ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

【65点】監督の余計なアレンジが足を引っ張った残念な作品。

マンガ原作。極貧生活の少年デンジが公安所属のデビルハンターにスカウトされて戦うことになる話。

原作ファンからはあまり評判が宜しくなく、自分は原作未読だが原作ファンの落胆の気持ちもわからなく無い。映画オマージュや会話劇に力を入れた結果バトルシーンがわりとあっさりしていて迫力不足になっており、原作では勢いありそうな場面もどことなく躍動感を感じないものになっている。声優の声も抑揚がなく声のハリを感じられずどのキャストもわざとらしい棒読みに聞こえたのが気になった。

監督がしゃしゃり出た結果改悪アニメになったらしいけど、人の褌で相撲をとるようなことはせず、極力自我を出さずに原作ファンが納得できるような形のアニメ化を目指した方が良かったと思う。

投稿 : 2023/07/03
閲覧 : 140
サンキュー:

6

ネタバレ

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

普通になりたい

チェンソーマンの OPに
米津さんこないかなと思ってたら
きたよ!ぬーまで

しかもEDが毎回変わる
こっちも豪華なのよ
時雨に女王蜂にホルモンに
もうね好きなのてんこ盛り状態

もともと見る気ではいたけれど
これは、、、と絶句したわ

楽しみで仕方ない
音楽にこれだけ力入れるのだから
内容も相当期待できるとふんでる

楽しみが増えるっていいね
生きてるのが楽しい

オープニングテーマ:米津玄師「KICK BACK」

挿入歌:マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」

エンディングテーマ
ano「ちゅ、多様性。」
Eve「ファイトソング」
Aimer「Deep down」
Kanaria「大脳的なランデブー」
syudou「インザバックルーム」
女王蜂「バイオレンス」
ずっと真夜中でいいのに。「残機」
TK from 凛として時雨「first death」
TOOBOE「錠剤」
Vaundy「CHAINSAW BLOOD」
PEOPLE 1「DOGLAND」
マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」


あらすじ

公安編
「悪魔」と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界。
少年デンジは死んだ父の借金を返すべく、
「チェンソーの悪魔」であるポチタと共に、
悪魔を駆除する「デビルハンター」として生計を立てていた。

{netabare}

わかる

私も中学生の頃から8の人や
闇金の人たちとディベートしてきたから

仕事も食事付きのとこで働いて
一食食べれるかどうか
食事って大事よ

と、私の話はさておき
OP良かった
動きがufoのほうがいいんじゃと思ったくらいで
作画は綺麗
EDは
Vaundy「CHAINSAW BLOOD」だった
これも良き

子供の頃気がついたけど
原作読んで映像化されると
がっかりすることが多かった
だから今は映像から
原作に手を出すか出さないかの順番にしてる

イメージと違うとキーってなるから
純粋に楽しみたい
今後の期待値高め

ご飯くれる人はいい人

{/netabare}

2話

{netabare}

デンジのエロに対して以外の気持ちならわかる
人並みって難しい普通とか
最低限の教育させてもらってないと
わからないもんね
3食ご飯食べるとか
毎日風呂入るとか
普通ってだけで幸せ

新しいキャラもじわじわ
今回EDに絵がついてた
もしかしてこれも毎回変わるとか?

曲は
ずっと真夜中でいいのに。「残機」
これも良き

{/netabare}

3話

{netabare}

どうでもいいけどOPの「KICK BACK」
MV見たら
爆笑してしまった
元気だな米津さんw
ライブに熊本があるっぽいので
当たらないと思うけど当たればいいな

パワーちゃん胸を餌にデンジの命を差し出すw
ちょっと先まで見たくなったので
とりあえず原作5巻まで読みました
その夜夢で流れてきた曲があったので
検索かけてみたけどでてこない
全然違うのがひっかかったけど

ときめきが痛くて16days

ああこれぴったりだなと
12話ってどこまでやるんだろうな

曲は
マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」
ホルモンらしい曲で良き
EDの絵柄も変わっていた
力の入れようが半端なくて良い

動きが良ければもっといいんだけどな

{/netabare}

思ったこと

{netabare}

私ならこれどう描くかなぁと考えてみた
ラスボスは森羅万象で
リリス的なキャラもぶっこむかな
ぽちたが1話だけでは勿体無いので
大きな意味を持たせる
後なんでもありの世界観なので
良いキャラは殺しても生かす

2クールめがあるなら
八十八ケ所巡礼聞きたい
多分かっこいいの作るし
海外ウケも良さそうなの作れると思う

{/netabare}
4話
{netabare}

パワーちゃん回
野性味溢れんばかりの
元気の良さ
今まで色々見てきたけど
キャラ的に近い感じで生きてたw
EDもパワーちゃんPVって感じ

{/netabare}

見終わって総評

生米見れて良かった
生OP聞けて嬉しい

作者さん、頭1つ抜けてるよね
台詞運びのセンスの良さ
ルックバック読んだ時
いい感じの漫画家さんだなって

アニメは導入部分だと
思ってほしい
この次から面白くなるから
いいとこで終わって
たしか漫画もこの次くらいから
人気が出てきたと思う
恋愛入るからね

原作読む?と聞かれ
頑なに断った
アニメ2期あるよねって期待

ラストの終わり方よw
Cパートがあって安心した
あの終わり方じゃ
女子ウケ悪いだろうし

毎回EDがすごく楽しみでした

投稿 : 2023/06/30
閲覧 : 456
サンキュー:

19

ネタバレ

腐った牛乳侍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 1.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

原作の方が面白い

アニメ化に期待を寄せてたけど微妙だったかな…ボソボソ小声で話すだけの会話劇ばかり目立っててバトルシーンがやけにあっさりしててしょっぱいクオリティなのが気になった。原作の勢いの良い場面や注目を集めるようなも声優の声の抑揚のなさや薄暗いだけのカメラワークで台無し。せっかくのバトルの迫力と質感を大幅に削いでしまっている。

原作の魅力を引き出せてないような残念な改悪アニメ。メインキャラの声優だとアキとパワーは良かったけどデンジは新人だからなのか棒読みだしマキマはミスキャスト。楠木ともりの声と合うキャラじゃない。

投稿 : 2023/06/18
閲覧 : 113
サンキュー:

4

camuson さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

印象度:65

1クール12話という短さにもかかわらず、
エンジンがかかるのが遅かったようで(チェンソーだけにってかww)、
次話を見たい気持ちがなかなか起きず・・・

それゆえに間が空いてしまうので、話を忘れてしまっていて、
仕方なく少し前の話数を重ねて見るけど、
新鮮味が薄れているのでさらにつまらなく感じてしまう・・・
という悪循環にはまってしまいました。

主人公を中心としたキャラクターのキャラの立ち方が弱く、
共感するところも少なく感情移入がしづらいのと、
特に序盤の展開が遅いのとで、
物語世界に有無を言わさず引きずり込まれてしまうようなことが、
まったくと言っていいほどないのですよね。

作品の芯がグラついている感じがしてしまい、
ちょっとしたエロ要素とか周辺の小物が、スパイスとして効いてこないし、
いろいろなものが噛み合ってなくて、相乗効果が得られていないと感じました。
何か一つが悪いというよりも総合力の不足ですね。

これまでのMAPPAの作品に比べて、
いい意味ではない若さを感じるというか、
中身の詰まった安定感からくる力強さが感じられないというか。

原作未読なので、原作の良しあしはよくわかりませんが、
MAPPA制作作品としては珍しく、
つくり方によっては、全然良く成り得るのになぁと感じてしまいました。

アニメ視聴後に原作漫画読みました。
展開早くて一気に引き込まれ、1日で公安編読了してしまいました。
むしろ後半は置いてかれ気味でしたね。
姫野先輩は漫画ではもう少しごつい感じで姉御肌で、
表面的なガサツさと内面の繊細さのギャップが際立ってますね。

投稿 : 2023/05/16
閲覧 : 120
サンキュー:

7

メタルジャスティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:今観てる

こうゆう話なのかー

映画愛に満ちたオマージュ満載のオープニングと毎回変わる挑戦的なオープニング。
作画も良い。
キャラも立ってる。
先が気になる設定と世界観。
最初は使い古された感がある設定とは思いつつもきっちり面白い。

アンチはエロスに満ちた主人公の煩悩にアレルギーを感じるようですが、
悲しいかな、あの頃の男はみんなあんなもんだ笑。
個人的には主人公の言動が受け付けない。
敬語言えや、ってそれも時代なのだろうか。
とはいえ、まあ悲惨な境遇と整った顔立ちながら残念な行動にキュンとくる方々も多いのだろう。

とりあえず、先が楽しみ。

個人的には「人間どもが!」とかいうパワーちゃんが好き。

今更追記。

え?!
この作品評価悪いの?!
円盤の売り上げが悪いとはいえ・・・。
原作を映像作品として昇華した良作だと思うんだがなぁ・・・。

投稿 : 2023/05/11
閲覧 : 169
サンキュー:

8

しろくま さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

読めない面白さ

原作未読。
大体観ながら先がどうなるかある程度予想しながら観てしまうけど、全然読めないから面白い。キャラもどこかで観たテンプレじゃなく読めない言動のキャラばかりで新鮮。
一応ジャンプでバトルもの?だと思うけど、バトルをたっぷり見せるために無意味に時間使い過ぎなものとは違って、結構バトルはあっさりめな描写の印象だから、バトルシーンが好きじゃない自分の好みにマッチしてて観やすかった

投稿 : 2023/05/08
閲覧 : 115
サンキュー:

5

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

親友が心臓となり、悪魔となった男

大人気漫画が原作の作品。

なんとなく自分の好みとは違うと思ってたので
アニメもパスしようと思ってたのですが、

EDの週替わりアーティストの発表に衝撃を受けて、
これは見なくては…!となりました。

豪華すぎてびびりました。笑

全12話です。


● ストーリー
悪魔のポチタと暮らす青年、デンジ。

死んだ父親の借金を返済するため、
デビルハンターとしてヤクザに飼われていたが、
ヤクザに騙されて殺されてしまう。

しかしポチタがデンジの心臓となり、
チェンソーの悪魔として蘇る。

公安のデビルハンターであるマキマに拾われ、
公安の管理下に置かれながら、
デビルハンターとして悪魔退治を仕事とすることになる。


悪魔が人間を脅かす世界で、
悪魔と戦う人間たちのお話。

血ぶしゃーなグロイ描写も多いです。

人気漫画が原作だから、
苦手な表現があったとしても内容は楽しめるかなと思っていたのですが、

予想に反して、
内容がちっとも面白くない…!笑

世界観もキャラクターも、
自分の好みからは外れていることも大きかったと思うのですが、

中盤までは見ているのがきつかったです。

“銃の悪魔”が関わってきてからは、
展開が気になるところも出てきましたが、

どこが面白いのか、何が人気な理由なのか、
つかめませんでした。

演出はかっこよかったのですが、
単純にストーリーがつまらなかったです。

敵と戦うところも、
特訓して強さを鍛えるところも、

なんだか見ごたえがないというか、
ぼんやりしているというか、
はっきりと面白さを感じない。

どうなるかな?と、わくわくした割には、
結末はあっさりなことも多かったです。

「自分には合わない作品だろうな」という初期の予感は見事に的中していました^^;


● キャラクター
多額の借金により、
ごく普通の生活に憧れることしかできないデンジ。

相棒のポチタだけが唯一の心の支え。

そんなデンジが悪魔となり、
マキマと出会うことで人生に転機が訪れる。

性欲全開な主人公、
嫌いではないけど好感も持てない。

今まで普通の生活にさえ届かなかったデンジが、
普通の生活に憧れ、欲求に忠実となるのはわからなくもないですが、
おそらくそういう論理的な設定のキャラクターじゃないですよね?笑

チェンソーの悪魔姿もかっこいいと思わないし、
どうも好きになれないキャラクターでした。


私が一番好きだったのはマキマさん。

謎の多い彼女、
気になるしかっこいいし可愛いし。

彼女の秘密は最後まで明かされなかったので気になります。


他のキャラクターも魅力があって好きだったのですが、
いまひとつ魅力を爆発させきれてなかったような。

これからの活躍に期待ですかね。


● 音楽
【 OP「KICK BACK」/ 米津玄師 】

文句なしにかっこいい♪
この作品にもぴったりです。

この曲とアニメーションを観ていると、
もっと盛り上がってもよかったのになあと思います。

肝心の内容がこけちゃうなんて…。


EDは週替わりで変わります。
曲に合わせてアニメーションも変わります。
ものすごく力が入っています。

Vaundy(1話)、ずとまよ(2話)など、
アーティスト発表の時にはその豪華さに思わず声が出ましたねw

どれもそれぞれのアーティストの魅力たっぷりでかっこいい!

しかし、週替わりなので印象に残りにくいのが欠点。

せっかくどれもかっこいいのに、最終的には印象が薄まった結果になってしまってもったいなかったかも。


● まとめ
制作時にはきっと続編を作る気もあったと思うのですが、
人気はいまいちだったようだし、どうでしょう。

気になる点はいくつも残っているので回収したい気もするのですが、
内容はつまらなかったし原作まで手を出そうとは思えない…。

なぜ原作は人気なのでしょう?

絵の構図とか雰囲気がかっこいいのかな。
アニメだと原作の足りないところが浮き彫りになってしまった?

OPやED、作画では制作側のものすごい気合を感じただけに、
楽しめきれなくて歯がゆい思いです。

投稿 : 2023/04/30
閲覧 : 154
サンキュー:

18

Lai2tao8 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

ここ1年ではSPYxFAMILYに並ぶ神作

基本的には「マキマさんうひょひょ」って言いながら見るアニメ。

OPがカッコいい。それから、公安だと確かに着てるイメージあるけど、スーツ着て戦うっていうのがツボ。

投稿 : 2023/04/28
閲覧 : 79
サンキュー:

6

太郎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

最強のアニメができちまったぜぇ〜

作画:神
演出:完璧
ストーリー:最高
声優:ピッタリ
音楽:バッチリ
キャラ:超個性的

生半可な劇場版では足元にも及ばないクオリティ。よくこれがテレビアニメで実現したと思う。暴力的表現が多いし下品だしキャラも全員イカれてるので完全に好みは分かれますが、アニメ作品としてのクオリティは間違いなくトップオブトップ。

出来のいい原作ありのアニメは「最高のアニメ化」なんて言われますが、これは最高を通り越して異常。原作はアニメの後で読みましたが、永遠の悪魔が何言ってるかわかんないのを除けばケチのつけようがない。

投稿 : 2023/04/02
閲覧 : 167
サンキュー:

12

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

デンジの夢を私に見せてくれ

 全12話。原作既読。

 全部見終わったので書き直し。

 とにかくアニメも漫画も同時に更新されるため、毎週チェンソーマンにワクワクしながら見てました!とても充実した期間でした。

 原作でもそうだけど、サムライソード編からかなり面白くなりましたね!それに伴ってバトルシーンも不気味な演出にも拍車がかかり、さらに面白くなったという印象です。最終話のバトルシーンは最高でしたし。

 個人的には1~7話はチュートリアルなため、序盤は駆け足でも良かったのかもしれない。

 ここからもっと面白くなるので、もっと先をアニメで見てみたいな。次の○○編は尺的にも映画にするのが良いかもですね。そしてさらに次の刺客編、×の悪魔、△△の悪魔など。ここからが楽しみです。でも次の話はいつになるんだろ・・・2023年は厳しいかな。2024年だろうか。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2023/03/25
閲覧 : 399
サンキュー:

41

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

悪名は無名に勝るか?

【概要】

アニメーション制作:MAPPA

2022年10月12日 - 12月28日に放映された全12話のTVアニメ。

原作は、第1部が『週刊少年ジャンプ』に連載されていた、藤本タツキによる漫画作品。
第2部は、主人公を変更して『少年ジャンプ+』に連載中。

監督は、中山竜。

【あらすじ】

悪魔が実在している世界観の日本で、天涯孤独の少年・デンジは、
自分を残して死んだ父親の借金をヤクザに返すべく、
子犬のようなチェンソーの悪魔のポチタと契約を結びタッグを組んで、
ヤクザの仲介で安い報酬でデビルハンターとして駆除した悪魔の死体を売って、
極貧生活をしていた。

自分の目玉や内臓を売ったり、吐血で先が長くなかったりで絶望しか無いデンジは、
16歳(自称)のときに、ゾンビの悪魔と契約してその身を捧げたそのヤクザに騙されて、
ヤクザたちを自分の奴隷のゾンビにした悪魔の命令で、
ゾンビとなっているヤクザたちに惨殺されてしまった。

バラバラ死体でゴミとして捨てられたデンジとポチタ。
ポチタからの「私の心臓をやるかわりに、デンジの夢を私に見せてくれ」とともに、
ポチタが彼の心臓となってデンジは復活。デンジは頭と両腕がチェンソーの怪人の、
チェンソーマンとなってゾンビたちを切り刻んで皆殺し。

終わったあとに、公安のデビルハンターたちがたどり着き、
その中での最上位者であるマキマという美女からデンジは選択肢を与えられる。

①悪魔として私に殺されるか。

②人として私に飼われるか。

ゴミのような生き方で、人並みの生活に憧れていたデンジは②を選択。
人の優しさに飢えていたことで、自分に優しくしてくれるのと、
美人なことでマキマに惚れてしまったデンジ。

公安警察対魔特異4課として悪魔と戦う。これがデンジの新しい仕事だった。


【感想】

新規投稿の2023年1月5日時点では、原作の116話まで読了。

世には天才アーティスト・天才クリエイターと呼ばれる人たちが存在しますが、

パブロ・ピカソの言葉に『優れた芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む』があります。

天才といえども無から価値を創造するのではなくて、
なにかを生み出すのにも自分が影響を受けた映画や音楽や芸術などを咀嚼する過程があります。
独創的な誰も見たことのない前衛的な芸術で、ファンからはすげーすげー言われるのは、
承認欲求の強いクリエイターの夢かもしれませんが、学びこそがいちばん重要であります。
クリエイター気取りの凡人の場合は、パクリの継ぎ接ぎコラージュになったり、
誰もが思いつくが恥ずかしくてボツにしたネタを、ドヤ顔で出して顰蹙を買っていますけどね。

原作者である藤本タツキ氏の場合はジブリや京アニなどの数々のアニメを愛し、
クエンティン・タランティーノ監督などの映画マニアでありながらも、
独自の自分の世界観に変換して作品を発表していることから、
また、自分が「ルックバック」を読んだこともを併せて、
この方がクセが強い作風ながらも非凡な漫画家であることは疑いようがないですね。

デンジから三鷹アサに主人公を変更した、第二部も面白いですしね。

もとから人気作・問題作として話題性が高い「チェンソーマン」をアニメ化するにあたって、
「ばらかもん」のED原画や、夜ノヤッターマンのキーアニメーター、
「マクロスΔ」のメインアニメーターなどで実績豊富なアニメーターながらも、
新人監督であるフリーランスの中山竜氏が任されましたが、
中山監督のこだわりの数々が自分にとっては余計ではありますね。

中山監督らは数々の映画を「チェンソーマン」の演出の参考にしているっぽいですが、
邦画のつまらない特徴ばかり取り入れたに等しいカット割りと、
『アニメ芝居をこそぎ落とし、日常芝居のようなリアル感を出したい』
と自分の思うリアリティにこだわる監督の方針で、声優同志のお芝居の打ち合わせがNG扱いで、
結果としてダメな邦画にありがちな男性声優陣の抑揚のない小声のボソボソ芝居。

アキ役の坂田将吾から岸辺役のベテランの津田健次郎まで、声量が小さくて聞き取りにくいのですが、

声優がみな、『今回の演技は監督の指示によるものです』と証言していて、
原作を読み込んで構築した役作りを否定する監督による指導に疑問を感じながら従っている通りに、
本来の役者としてのポテンシャルを削ぎ落とされた不本意な芝居だったようです。
声優への評価を低くしていますが、指示の問題で声優の能力自体が悪いわけでありません。

女性陣はずっとましなのですが、男性陣の喜怒哀楽に乏しい淡々とした喋り方がリアル?
それは、中山竜監督にとってのリアルであって、現実の日常での会話のほうが、
アニメのチェンソーマンよりは語気の強弱で感情を伝えているでしょうに?

庶民的な中華料理屋でラーメンを食いながらのサムライソードの台詞なんて、
遠くの席からボソボソ小声でデンジたちに主張しまくってるのが聞き取りづらくて、
コンテ切った奴もどうかしてますし、担当した声優の濱野大輝氏も気の毒ですね。

原作からの解釈で特に問題なのが、悪魔によって多くの人命が失われているダークな世界観で、
義務教育を受けていない欠食児童だったデンジの頭のネジが抜けている明るさで、
困難をぶち抜いて粉砕していくエネルギッシュな爽快感が作品の魅力であるはずが、
アニメのデンジは声優が抑えた演技を強いられているために、
元気のない陰キャに見えてしまいますね。

インタビューで中山監督が一貫してデンジを名前で呼ばずに主人公と呼んでいるとの指摘もあり、
その監督が、早川アキや4回連続でEDメインにした姫野といった贔屓の脇役に較べて、
デンジに対して興味も彼の内面を深く理解しようとの気概もない疑惑もあります。

早川をアキ君!アキ君!と呼んで、中山監督が声優の坂田将吾に目をかけてるのと対照的に、
デンジを名前で呼ばない態度の違い。無意識なのか?原作を預かる身としては、問題ありですね。

と言いますか、ポチタを失った後で出会った幼い少女の言葉に共感するデンジの優しさという、
主人公のキャラを掘り下げる筋肉の悪魔のエピソード(少女は悪魔に操られていましたが)
をオールカットした上で、4話で原作にないアキの優雅な朝のモーニングルーティンを、
イケメンがこういうことやったらかっこいいでしょ?と2分も流したり、
(監督のお気に入りシーンを質問されて原作ではなくてアニオリを真っ先に挙げるのはどうなの?)
アニオリでマキマの着替えシーンに気合いを入れたり、
姫野をやたらフィーチャーしてエロく描いたりで、そういうの描きたいのね?
と大体察しがついてしまいますね。

アニオリなどがゆったりなのと毎回変わるEDとか最終話ラストのレゼねじ込みなどの尺があれば、
筋肉の悪魔の話を無理せずとも入れられましたよね?

原作通りにアニメ化するのを“忖度しながらやっているとどうしてもブレーキがかかってしまう”
と中山監督がインタビューで文字に残しているのを見るに、
藤本タツキ先生のセンスを活かす方向の映像づくりではなくて、
中山監督を中心としたアニメスタッフの感性で上書きされて作られたというのが、
このアニメの本質的な部分でしょう。原作を参考にしたら“忖度”なんですか?

20歳時点でクラウン新人漫画賞(第5回)で審査員特別賞を受賞して、
審査員の増田こうすけ先生から“天才”のお墨付きを貰って、
その通りに後に大ヒット漫画家として活躍し続けている藤本タツキ先生を、

同じくジャンプSQで美大生のみを対象とした企画で最終候補に残ったものの受賞できなかった、
企画当時は21歳の青年だった中山竜監督が意識しまくって、
原作を踏み台にして乗り越えようとして、原作を素材に自分の色で染め上げた、
アニメの「チェンソーマン」を作ろうとしたのではないか?と勘繰ってしまいます。

一応は作画は整っていて映画を参考にした写実性はこれはこれで活かせる道があるのでしょうが、
それよりも自分は、ペンキをぶちまけたような原作絵のカラーセンスの作画で動かして、
「モンスターストライク」の「チェンソーマン」コラボでのデンジが、
声優が原作を読んだ解釈通りにノリノリのハイテンションな絶叫で演じられているみたいに、
中山監督による変なリミッターを解除されている「チェンソーマン」を、
自分はアニメで見てみたかったですね。

そもそも、悪魔との戦いという非リアルな物語と写実的な画作りが合致していませんし、
原作の迫力あるコマ割りと比較するとアニメでは意図不明な引き構図だらけですね。
このアニメに対しての自分の疑問が確信に変わったのは、永遠の悪魔との戦い。
原作では決めゴマで決着してるのが、アニメでは後ろ向きで切り刻んでいる遠くからの変な構図。
永遠の悪魔の末期の台詞なんか聞き取れなくて、原作を読んで確認せざるをなかったです。
コウモリの悪魔との戦いでも、チェンソーマンが性欲丸出しで叫んでいる決めゴマが、
アニメでは真後ろからちんまりと描かれているカットに途中で切り替わりますし、
これが演出だと思うのなら、センスが無いと言わざるをえないですね。
戦闘シーンを外連味たっぷりに迫力で魅せる気がサラサラ無いのでしょう。
その点では、「鬼滅の刃」とは正反対ですね。

『原作読んでアクションなにやってるか分かる人なんかいないと思うんですよ』

みたいなことを中山監督がインタビューで言っていて、
原作のコマとコマの間の空白を埋めるアクション芝居の補完が多いのですが、
一見はスタイリッシュでありながらも、岸辺との訓練やコベニの銃撃戦などで、
行動の整合性がおかしくなってる部分が9話・10話などであります。
わざと改変してるならセンスがなさすぎですね。

特に原作サムライソード戦のこうなってこうなったとのコマ順のカットの繋がりを全く理解してない、
アニメ12話での戦闘映像は監督自らのコンテと演出ですが、
監督の義務教育時代の国語の答案を読んでみたいレベルで、
原作を読めば理解できるキャラの感情と思考から来るとっさの行動の理由付けが、
アニメでは理由なく身体を動かしてるだけと、かなり杜撰な意味不明さになっていますね。

①原作での、岸辺との修行でサムライソードの必殺の居合い切りを防御できるほど強くなっている、
 チェンソーマン(デンジ)の成長を示すシーンでは、アニメでは居合のポーズの描写をして無いので、
 アニメではサムライソードの驚きの、『ナニィィィィ!』が意味不明になっている。
 →そこから、二人が同じレベルで得物を振り回すチェンソーと日本刀のチャンバラになってるが、
  原作ではサムライソードは居合い切り以外の攻撃を一切していない。

②ビルから落下して走行中の電車に原作では着地してる原作チェンソーマンが、
 アニメでも受け身をとれずに叩きつけられて慣性を無視して無様に転がっている始末。

③まともに戦えばチェンソーマンはサムライソード相手に互角に立ち回れるのに、
 電車の中で戦闘の巻き添えで斬られそうになった一般人女性を護って、
 チェンソーマンの腕が切断された原作でのシーンが、 アニメでは一般人女性は傍観者で、
 サムライソードの攻撃がチェンソーマンにのみ向かっていて一般人女性はただの背景同然で無関係。
 女性の横で身動きひとつとれずにサムライソード腕を斬られてから女性が逃げ去ったなど、
 バカでもハチャメチャでも女は助けるヒーローである原作デンジの資質と強さが削がれている。

デンジの戦闘能力の下方修正や、映像上でもラーメンを食べてるシーンでもアキと姫野を優遇で、
デンジの顔を椅子で隠したりしている画作りに意図があるならば尚更たちが悪いみたいに、
主人公に含むところがあるのか?レベルの、ここがダメ!の具体例を列挙したらキリがないです。
細かいところを見れば変えられてるところが多くて、決して原作どおりとは言えませんね。
それで良くなっているのならばともかく、残念なことになっています。

17人の作画監督と7人の総作画監督でぬるぬる動こうが、それはマンパワーに頼り切ったものであり、
演出家が情報のインプットを間違っていれば、ただの動きの連続であり、
作画芝居としては落第点ですね。要するに絵を見て動きを理解する能力に乏しい演出家である監督が、
原作の絵がわかりづらいとか読者には理解できないとか自分の物差しで作者と読者をディスりながら、
アニメでは明後日の方向に独自解釈した映像を出しているわけです。

他にも、アニメではデンジの初変身時の台詞からポチタから貰った生命を背負って二人で戦う意味の、
“俺たちの”が削られているなど、きちんと原作を読んでないか?読んでいて理解できていないか?
それが第一部の終盤になって回収される伏線となっているのですが気づかずに削ってしまったのか?
脚本家のミスかもしれませんが、最終的にチェックするのが監督の仕事でありますし、
どちらにせよ、監督は絵は描けても演出家として抜けている部分が多々あります。

そもそも第一部の「チェンソーマン」は、デンジのキャラありきのデンジの物語である原作なのに、
アニメでは、脇役の強調が過ぎるために、デンジがぼやけてしまった二次創作みたいになっています。

演出全般に言えることですが、原作漫画のブラックコメディ的な空気感からギャグ顔を抑えめにして、
本来ならデンジのおかしさによるギャグシーンが笑えないものになっていたり、
更にはアニメでは無駄に辛気臭さを加えようとしているといった、
主題歌を歌う米津玄師や声優らが把握している作品の性質とは角度が大きく異る作品理解度からの、
中山監督の我意の押し付けが原作漫画の作風と喧嘩してないか?
気にならない人のほうが多数派かもしれませんが。

『アニメは漫画と違う!』『原作通りにやってもつまらないだろ!』
との意見もあるかもしれませんが、そもそも原作のどこがウケてるのか?
を理解しているのかが疑わしいままに好き勝手に演出をしているアニメ。
それは、「鬼滅の刃」のように原作そのままにクオリティだけあげても、
作品が称賛されても個性的な監督という名目で名前が売れないとの思い?
スタイリストをつけて、“天才監督”の触れ込みでインタビューを受けまくっている中山監督は、
承認欲求がかなり強いようです。

演出家(監督)が原作を読み込む能力で思い出しましたが、
アニメでは作中にスマホ歩きの通行人やウーバーイーツの自転車が存在しますが、
原作の設定を遵守するならば20世紀末の日本が舞台の物語ですよね?
中山監督は雑誌のインタビューでのリップサービスで「こだわりの悪魔」を名乗っていますが、
原作では銃の悪魔の話で1997年と書かれているのを、ありえない見落としをしています。
アニメでは敢えて時代設定を変更したのかを明確にしてもらいたいものです。

作画のクオリティは高めなのに声優への演技指導が残念なのと演出方針が原作に合ってると言い難い。
総合評価としては低くはならない出来でしょうが、もしアニメで新展開があるなら、
原作の良さを引き出した「ドロヘドロ」の林祐一郎監督に、
現在、担当中の「進撃の巨人 The Final Season」
の終了後にでも引き継いでもらって演出プランを見直してほしい。

原作の良いところの理解に努めて、長所を伸ばす佐藤順一方式ではなくて、
原作を土台に監督の趣味全開で意識高い系アニメにするぐらいなら、
自分で作った企画を通してオリジナルアニメで思う存分に自己責任でやってほしい。
アニメ版独自に原作に無い設定を作りまくって成功した別のアニメを自分は絶賛していますので、
結局は好みに沿ってるかどうかの話かもしれませんが。

売上が全てとは言いませんが、原作の知名度と派手な宣伝で「呪術廻戦」の1/10以下という結果は、
ぱっと見は良作画に見えながらも、それは株式会社カラーのアニメーターがTwitterで驚いてたほどの、
潤沢な予算とマンパワーに頼り切って、ぬるぬると動かしているという以上の意味が無くて、
インタビューで漫画的表現を下に見ている監督の主導の意識高い系実写映画のような画作りが退屈で、
13巻までの発行部数が2300万部の原作読者から見れば、「呪術廻戦」の余波からの期待を裏切られて、
積極的な支持をするほどのレベルでもないアニメだったということでしょう。

ネットではダメみたいに散々言われているアニメでも現実にはクオリティと人気が高くて、
あくまでも個人の思想に基づく感想に過ぎないものが増幅されている実例とは話が違います。

MAPPAは「呪術廻戦」の主要スタッフが自分の作品作りのために独立してしまった穴を埋めようと、
瀬下プロデューサーが外部から監督未経験のお気に入りのアニメーターを連れてきて、
優秀なサポート役をつけずにいきなり大人気原作の監督を任せたのが眼鏡違いだったようでして、
それが原作のための監督選びではなくて、監督の実績づくりのために原作があてがわれたとの話。

基幹スタッフが違うのに「呪術廻戦」の大ヒットの成功体験が前提の皮算用が崩れた、
見込み違いの単なる収益の問題だけではなくて、
新宿渋谷のハチコーボード広告など都内の18駅と、渋谷・新宿の街、
更には海外でのプロモーションで莫大な宣伝費用をかけたのが回収出来ていない様子。

ジャンプの有名原作のアニメ化作品ですが、
実績の無い新人監督で巨額の金が動いて歯止めがかからなった点で単に見通しが甘かったのか、
集英社や広告代理店などの大人の事情が色々絡んで後押しをした負けるはずのない戦で、
総司令官である監督の人選ミスで、あり得ない結果を招いてしまったのか?

朴監督の置き土産である「劇場版 呪術廻戦 0」が大ヒットしていたので助かってはいますが、
MAPPAの単独出資で赤字をモロにかぶることになったことで、
2016年に大塚学氏にMAPPAの社長の椅子を譲った、
丸山正雄会長の人材の目利きの力が今のMAPPAに再び必要ではないか?と思いました。

話題作品だけあって毀誉褒貶があって、自分は出る杭を打つ側と思いつつも、
原作を読んだうえでこのアニメについてしっくりこない部分を語ってしまいました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2023/03/18
閲覧 : 493
サンキュー:

57

ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

命をかけて生きる(※藤本タツキの見ているものを考える)

アニメーション制作:MAPPA、
監督:中山竜、脚本:瀬古浩司、
キャラクターデザイン:杉山和隆、音楽:牛尾憲輔、
原作:藤本タツキ(集英社「少年ジャンプ+」連載)

「金持ちになりたいわけじゃない。
ただ普通の生活がしたいだけなのに、
そんなことも叶えられないのかよ!」

主人公、デンジの叫び。
冒頭から異様な環境が明らかになる。
木を切って月収6万円、腎臓を売って120万円、
右目が30万円、金玉を片方売って10万円くらい。
悪魔を1体殺せば約30万円。
ただし、命がけだ。

大げさかもしれないが、私はこの作品を観たときに
漫画の世界でこんな貧困が描かれるほど、
日本の若者の深刻な経済状況は、現実的なのだと感じた。
実際、30歳を超えても奨学金の返却を続けている人は
たくさんいるし、ネットカフェを転々とする若者は後を絶たない。
今は両親が離婚している家庭が多いこともあり、
実家を頼ることができない若者も相当数いる。
普通の生活が「夢」になる。
冒頭のデンジの言葉が、現代の若者のセリフにそのまま当てはまる。

デンジはトタンで造られた倉庫のようなところで、
悪魔のポチタとともに寝泊まりしている。
ポチタとは、チェンソーの犬の悪魔で、
首を吊って自殺した父親の墓の前で、
まだ小学生くらいの年齢のときに出会った。
デンジはやくざから「死ぬか、父親の借金を返していくか」の
二者択一を迫られていた。
死にたくないデンジは、悪魔と契約し、
デビルハンターの道を歩むことになる。

異能力バトル漫画を描きたいだけなら、
こんな設定にする必要はない。
主人公の境遇についての作者の意図。
そこは、はっきりとしたこだわりが感じられる。

私がこの作品を観て思い出したのは、
是枝裕和監督の『誰も知らない』という映画だった。
主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で
最年少主演男優賞を獲得したことで話題になった作品だ。
実話をヒントに制作を行う是枝監督が基にしたのは、
「巣鴨子供置き去り事件」だった。

父親の蒸発後に4人の子供を連れた母親が、
恋人と同棲するために家を出ていった。
僅かな送金はしていたものの、
2歳、3歳、7歳、13歳の子供たちを
1年近くも放置していた事件だ。
13歳の長男は、全員が生きるために
子供なりに頑張るのだが、
映画でも実際の事件でも放置されていた間に
幼い女の子が死んでしまう。
事件自体は、1988年のものだが、
この後ネグレクトは、大きな社会問題となっていく。
当時の私には想像もできないことが現実に起こっていた。
しかし、現在ではこういうことが当たり前に
なっているのではないだろうか。

また、もうひとつ脳裏に浮かんだのが
50セントというアメリカのラッパーだった。
ドクター・ドレーとエミネムのバックアップを受けた
2003年の1st.アルバム『Get Rich or Die Tryin'』は、
全世界で1200万枚の売上を記録した大ヒットアルバムとなり、
一躍、時の人となった。
当時の紹介が「9発もの銃弾を受けて生きていた男」というもの。
アメリカの黒人のリアルを体現していた。
父親が不在、母親はドラック・ディーラーで、
15歳のときに50セントを産んだ。
そして、彼が8歳のときに母親は殺害された。
そんな苛酷な運命のなかで、50セントが考えていたのが、
このアルバムのタイトルだった。
「金持ちになるか、努力しながら死ぬか」
彼にとっては金持ちになることが、
命をかけてやるべきことだった。

こういう想いは、アメリカの黒人たちが
経験することだと思っていた。
どこか遠くのお話だと考えていたのだが、
そうでもないらしい、というのが
『チェンソーマン』を観て、痛切に感じたことだった。

ようやく本編の話になるが、
{netabare}デンジは、自分の所属する公安対魔特異4課の先輩である
姫野が沢渡のヘビの悪魔に殺されたあとに
それほど悲しんでおらず、
パワーと一緒に早川アキの病室で
林檎を食べながら漫画を読んでいる。{/netabare}
このシーンはなかなか衝撃的で、
視聴者がショックを受けるほどなのに、
主人公は、ほとんど何も感じていない。
嫌な思い出だったとはいえ、
姫野は一夜をともに明かしたこともある仲間だった。
デンジは、このことをポチタの悪魔の心臓が入っていることで、
自分の人間らしさが失われつつあるのかもしれないと危惧する。
しかし、この感覚は悪魔だからとかいうのとは関係ないのではないか、
と個人的には考えている。

デンジには「死」が、幼い頃からいつも近くにあった。
知り合いが死んでも、そのこと自体には
ショックを受けない性質になってしまったのだ。
まさに、これは人生を「生きるか、死ぬか」で歩んできた人間の
生きるための処世術とでもいえるのではないだろうか。
50セントのように「夢をかなえるか、努力して死ぬか」であり、
それで死んでしまったときは、仕方がないと考えている。
だから、デンジは悲しめないのではないだろうか。

そして、夢のためには命をかける。
夢といってもデンジの場合、

食パンにジャムを塗って食いたい。
女の胸を揉んでみたい。
女を抱いてみたい。

ということくらい。
3度の美味しい食事ができて、寝る場所があれば、
夢はほとんど叶ってしまっている。
上記した夢もほとんど今回の作品内で叶えてしまった。
デンジは普通の生活をするために、
生きるために、いつも命をかけている。

今回、放映された12話分では、
物語としては、まだ何も明らかになっておらず、
多くの謎が残ったままだ。
だから、本来なら高評価をするところにまで至ってないが、
作品自体には大きなポテンシャルを感じる。

映像と音楽も優れている。
OPアニメは抜群にカッコいい。
動きといい、構図といい、映画を観ているような感覚になる。
実際、OPは15本もの映画のシーンが参考にされている。
『レザボア・ドッグス』、『悪魔のいけにえ』、『パルプ・フィクション』、
『ノー・カントリー』、『ジェイコブズ・ラダー』、『ビッグ・リボウスキ』、
『ファイト・クラブ』などなど。
タランティーノとコーエン兄弟が2本ずつ。監督がファンなのだろうか。
音楽は山田尚子や湯浅政明の大のお気に入りである牛尾憲輔。
相変わらずの多彩な音を聴かせてくれる。
OPの米津玄師の曲もいいし、EDが1話ずつ変更となる豪華ぶり。
ただEDは同じ曲のほうが、作品の余韻を楽しめた気がする。

個人的には、大好きな作品のため、
続きが気になって仕方ないのだが、
アニメ自体の評判が芳しくないことを
いろいろなところで目にする。
私は原作を未読なので分からないが、
どうやら、原作ファンからは表現や改変した部分で
不満が出ているらしい。
これは、いつも起こることなので仕方ないが、
作品自体は、よくできているので
ぜひ同じ布陣で続編を制作してもらいたい。
1巻の円盤の売上が2000枚を超えた程度ということで、
続編制作では危険水域だろうが、
配信なども含めて、何とか辿り着いてもらいたい。
1年経っても続編の話が出なければ、
原作を購入しようと思っている。

銃の悪魔の正体。
マキマの目的と悪魔との関わり。
早川アキの仇討ち。
新たに登場した公安対魔特異4課の悪魔や魔人。
デンジの戦う意味の行方。

楽しみな要素が盛りだくさん。
そして、無学のデンジは、生きるか死ぬかの戦いのなかで、
何を感じ取っていくのだろうか。
私がいちばん興味をもっているのは、実はこの部分だ。
(2023年2月12日初投稿)

藤本タツキの見ているものを考える
(2023年3月18日追記)

藤本タツキという漫画家に今さらながらに興味がある。
『チェンソーマン』は、会社の若い女の子から
「凄く面白いですよ!」と薦められていて気になっていた。
そして、アニメで初めてその世界にふれて、
作者が感じているベースのようなものを知りたくなった。
というのも、私が『チェンソーマン』で心に残ったのは、
どちらかというと本筋の部分ではなく、
デンジの生きざまや、その思考についてだったから。
このキャラ設定は、入念に計算されたもので、
作者のこだわりを感じさせられた。

例えば、最初にも書いたが、デンジの貧困の状況。
死にたくないからとはいえ、全てをひとりで引き受ける強さ。
また、困った他者に対するシンパシーや、
助けたいという優しい心持ち。
相手が悪魔であったとしても身分にかかわらず。
そして、借金が嫌いという理由もあるだろうが、
借りを作ったときは、命をかけても返すという律儀な性格。
ホテルに閉じ込められたときのように。
さらに、自分の心に悲しみが生じないことに違和感を覚え、
それを悪魔の心臓のせいかもと感じること。
バトルだけでなく、人間性そのものにスポットを当てている。

作品世界が気になったため、
『ルックバック』と『さよなら絵梨』、
『17-21』、『22-26』を手に入れた。
最初の2作は、宝島社「このマンガがすごい!」オトコ編で
1位と2位に選ばれたという作品だ。
読了して、作者のことが少し分かった気がした。
『チェンソーマン』を観ていたときにも感じていたことだが、
藤本タツキは、決してバトル漫画を描きたいと
思っているのではないということだ。
バトルを通して、その背景にある「何か見えないもの」を
捉えようとしているのではないか。

そのひとつは「悲劇」から滲み出るものだ。
東日本大震災の直後に山形の美大に進学した
藤本タツキにとって、
「美術をやっていてもいいのだろうか」という気持ちが
いつも心のなかにあったことだろう。
ボランティアに参加して、とてつもない無力感に苛まれ、
自分自身の経験と気持ちを表現したのが
『ルックバック』という作品だった。
いわゆる自叙伝的な部分も多分に含まれている。

漫画を描くとは、どういうことなのか。
過去を振り返ったとき、自分は正しい選択をしていたのか。
誰かに背中を見せられることは幸せなことなのか。

人生のなかで、私たちは多くの悲劇に直面する。
そんなときに、自分のやっていることが
誰かの役に立っていると確認することができれば
大きな力になる。

一方『さよなら絵梨』は、とてもテクニカルな作品で、
映画に対する造詣の深さが表現されている。
ここには、作者の作品に対するアプローチ法も記されている。
それは、物語にリアリティをもたせること。
リアリティとは言っても、物語の設定や世界観ではなく、
人の心にとってのリアリティで、何をどう感じるのかについて、
とてもよく考えられている。
そこに「ひとつまみのファンタジー」を入れる。
作品が大きく変わることを理解し、
大切にしているのが分かる。

作品づくりに対してとても真摯で、
現代社会の背景についても巧みに取り込んでいる。
すでに業界では認められている存在で今さらだろうが、
個人的には、今後、最も期待したい漫画家だ。

投稿 : 2023/03/18
閲覧 : 572
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45

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とりあえず簡単な感想

 原作は未読。
 ネット上の感想なんかだとあまり評判は良くないようで、特に原作ファンからの批判が多い
みたい。
 その中の批判意見では「原作の雰囲気を壊して、実写の邦画のような演出をしている」という
ものが結構多かったりする。
 前述のように原作未読のため、原作との差異は分からないが、単体で観る分には確かに邦画、
それもエンターテイメント性の強いものではなく、かってATGなどで作られていたアート系作品に
似た雰囲気を感じる。
 個人的にはアート系邦画にはまった時期もあったので、こういった淡々とした雰囲気自体は
嫌いではなく、バトル主体作品にしてはそぐわない静的な印象にはなるものの、それはそれで
作品の個性としてはありという感じ。
 むしろ静的ゆえにギャグコメディ要素にシュールさが感じられたり、いきなりのキャラの死
などはよりインパクトが感じられたり。

 ただストーリー展開を見る限り、緻密なプロットを追うような作品ではなく、キャラの魅力や
キャラ同士のやり取り、作品の空気感などを楽しむような作品に思え、そうだとすると、本当に
原作の雰囲気と異なる作品になってしまったのなら、「それはまずかったのでは?」と
思ってしまう。
 以前、別作品のレビューで書いたが、個人的には例えばドロヘドロのような「ポップでいかれた
バイオレンスもの」が大好きで、本作も設定や世界観、キャラを見るにそういった系統作品に
似たものを感じる。
 原作がそうなのかは分からないんだけど、仮に原作がそういった系統の作品なら、原作の雰囲気
そのままにアニメ化してくれた方が自分は面白く感じたかなあ。

 敵味方問わず、面白いキャラが多かったが、陽性なお馬鹿キャラが多く、そういう点で本作の
雰囲気では割を食った印象。

2023/03/12

投稿 : 2023/03/12
閲覧 : 156
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9

白毛和牛 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

前評判ほどではなかった

この作品は放送前の期待が最高レベルで世間が物凄く騒いでたが
終わってみれば完全につまらなかった分けじゃないけど
少なくとも放送前に騒がれた程の作品ではなかったですが
それでも話題になってた事もあり最後まで興味を持てる程度には付き合えました。

【評価】

50点・1B級

投稿 : 2023/03/01
閲覧 : 123
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3

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ある意味で普通な能力バトルアニメ

殺人などで人の世に混乱をもたらす「悪魔」とそれに対抗する「デビルハンター」との戦いを描く、能力バトル作品です。

タイトルが「チェンソーマン」なのは、主人公のデンジがチェンソーの悪魔であるポチタと一体化しており、その能力を行使できることに由来しているんですかね。

私は週刊少年ジャンプを読まなくなって久しい(10年くらい?)のですが、最近のジャンプの人気連載らしいです。

性欲と食欲を行動の原動力に置くデンジっていうのは、ある意味で少年漫画の主人公っぽさはありますけど、イマドキな感じからはやや外れているような気もして、そこら辺がかえって新鮮なのかもしれないですね。知らんけど。

性的な誘惑に動揺して釣られそうになったり、ごくありふれた食べ物に幸せを感じるデンジくんは観ていて微笑ましいです。

夕方に再放送された『呪術廻戦』などと比べても残虐と判断されそうなシーンも多いので、放送枠のコストの問題を除いても深夜に放送されるというのは妥当な気がします。

本作における「概念が悪魔化する」というのは、実体のある物に魂が宿る「付喪神(つくもがみ)」とは似て非なる物ですね。

敵対する人外と本質的に変わらない能力を何らかの代償によって手に入れて戦うという、いわば「毒を以て毒を制す」的なバトル作品はわりとたくさんあると思うので、そういう意味では「普通の能力バトルアニメ」ってことで良いんじゃないでしょうか。

事前に評判は高かったので、1クール完走しました。結果、つまらなかったとか損したとかは思わないんですけど、なんか中途半端な感じで最終話を迎えたのでちょっとモヤモヤは残ります。

続編が制作されるなら、それが作られてから続けてみるのが良いのかも?

余談その1: 国家公認のデビルハンター「公安対魔特異課」ですが、通常の国家公務員が少なくとも高卒以上を求められることを考えるとかなり特殊な組織なんでしょうね。

余談その2: デンジの同僚、新人のコベニちゃんのしぶとさは注目に値します。異能生存体なんじゃなかろうか(笑)。

余談その3: 本作で提示される「魔人の中では理性がある方」っていうのの解釈というか描写というかが絶妙で、パワーちゃんのキャラクターはかなり面白かったです。

投稿 : 2023/02/28
閲覧 : 436
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41

ネタバレ

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

MAPPAさん流石とは思うけど・・・

原作未読(2022.2)
キャラのインパクトといい作画といい頭一つ出ている作品とは思う。
しかし、見終えた全体的満足度というと評価点ほど感じてないのが実情かな。
むしろ、MAPPAさんの作画じゃなかったら魅せる内容ってどこにあるんだろう?というのが率直な感想かな。
ジャンプ系らしく登場キャラは皆、個性的で「なろう系」の皮を被った何かとは違い、やや陰鬱とした世界観(ドロヘドロぽい)でバイオレンスアクションを中心に皆ちゃんと息づいている・・・。
だけど、何だろう・・・これはこの作品の拭えぬ特徴になるのかな、主人公がほんと軽い頭の悪いチンピラでしかない(あくまで1クール見た印象)。勿論、主人公のそれまでの生活環境だと仕方ない部分もあるのだが何ともね。これは若手声優さんだからという事でもないような気がするが果たして・・・。
仮に続きがあるならその辺り何かしら変化等あるのか興味はありますけどね。

私のツボ:恵まれないチンピラが変身するってだけだよね

投稿 : 2023/02/26
閲覧 : 129
サンキュー:

9

漫画家になる男 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

すっげぇ面白かった!

中山竜監督が俺好みの演出をしてくれた!
まじで洋画っぽい演出大好き!

投稿 : 2023/02/24
閲覧 : 102
サンキュー:

6

ネタバレ

みかんちゃん さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

メモ

流行ってるからなんとなく見たやつ
見る前からハードル上げてたからか思ってたより凡

流行ってるアニメを見ると流行ってる曲が分かるね

エッチなことはね、相手のことを理解すればするほど気持ち良くなれると私は思うんだ。

投稿 : 2023/02/17
閲覧 : 112
サンキュー:

4

ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

契約の悪魔

著名作品のアニメ化には賛否両論がつきものだが、
本作をめぐっては制作陣が志向する映画的・写実的な表現コンセプトが
主に原作ファンからの批判に曝されているようだ。本稿を書くにあたり、
自分もアニメがカバーしている範囲を一読してみて、成程、と思った。

個人的な印象に過ぎないのだが、アニメでの主人公デンジは
設定とバトルシーンのインパクト以外、存在感が希薄なのではないかと感じた。
主人公でありながら、深い部分で物語と同期できていないような気がして、
むしろ早川アキたち公安のデビルハンターの側に力点をおいて観ると
自然にストーリーに入っていかれる感覚があった。

デンジのキャラクターは多分、原作のユニークな作風と不可分なのだろう。
そのため、デンジの生きた躍動感がアニメではあまり感じられず、
映画風のリアリズムとも相性は良くないようだった。その一方で、
アキたち公安サイドのシリアスなドラマを描いた部分に関しては
それなりに見応えがあった。この主観的な見地が本稿の出発点になる。

本作の物語にはデンジとアキ、二つの対立する極が内在している。
それが作品深部の、人間と悪魔の対立の構図に対応しているわけだが、
自分の印象では、主人公デンジが中心から退いて"周縁化"する力学が
作品の構造自体に内包されているように思われた。それを確かめようとしたのが
以下の、限りなく独り言に近い作業である。参考にはなりません。



Ⅰ 夢と動機

{netabare}主人公デンジの初期設定は、インパクトが強烈なだけに注意が必要になる。

"持たざる者"である彼の唯一の拠り所であり、アイデンティティでもある
「夢」が、「貧困」によって規定されている状況、そんな風に要約できるだろうか。
彼が夢見たのは、食パンにジャムを塗り、毎日風呂に入れるようなごく普通の生活。
そんなささやか過ぎる夢を、彼の最底辺の生活と結びつけて受け取ることで、
何かを理解した気分にさせられてしまう、そこが危うい。

一生を通じて、ただ見るだけで満足して終わるはずだった彼の「夢」。
それが現実にもなり得ることを知ったとき、彼の内部では革命が起こった。
「見つけたぜ…俺の本気!俺のゴール!それは…!・・・胸だ!!」
胸を揉みたい―。ただその一心で地獄のような死闘を繰り広げてみせる
第4話の"夢バトル"に、彼の「夢」の本質が表れている。

目的と手段とのあまりの落差に、いじましさを感じてしまうのは自然だが、
その時点で、デンジ本人の尺度を見落としてしまうことになる。
彼は、自分の「夢」を低俗な欲求として見下す連中に向かって
これまで虐げられてきた怒りを爆発させるのみならず、そこには
自明とされた価値の序列を力任せに覆そうとする獰猛な破壊衝動が発現している。

デンジの「夢」は多分、「動機」や「目的」とは異質なものだろう。
この生活を続けるために戦う、とは言うが、それは動機や目的とは呼べない。
「夢」を邪魔するものはぶった斬る。煎じ詰めればただそれだけのことだ。
いわば「動機」にまつわる人間的で高尚な"ストーリー"を
剥き出しの本能的な欲求によって相対化し、無効にする凶暴な"力"。
それがデンジの「夢」の本質である。

バトルの最中、彼は狂気のようにおのれの力に酔い痴れる。
精神的ないし心情的な理由付けなどとは無縁の、直接的な力の行使として
夢とバトルは一体であり、夢とは、バトルなのである。
生温いヒューマンな"ストーリー"を拒絶し"解体"する者。それがチェンソーマンだ。
デンジというキャラクターの本質はここにあると自分は考える。

shinoさんが最近提唱された「ポストヒーロー」という刺戟的な言葉を、
自分はポストモダンの文脈に絡めてこう理解したいと思う。
"大きな物語"に終焉をもたらした何物かを、ある"力"として客体化した時に
個々人の"ストーリー"="小さな物語"をも解体するほどに凶暴な存在が出現した。
ポストヒーローとは多分、善悪その他の相対的な価値づけを無効にすることで、
「正義」という曖昧な"ストーリー"を解体する、そのような絶対的な"力"である。
新しいヒーローとは、凶暴で剝き出しの、純粋な"力"そのものだ。

そしてそれは、彼の貧しく悲惨な生い立ちをめぐる"ストーリー"にも及ぶ。
その種の残像に浸りがちな我々の夢想もまた、解体されるべきなのだろうか。
メタレベルで"夢バトル"を挑まれているのは、私たちなのかも知れない。


デンジの「夢」について注意したいのは、それが更新される局面である。
マキマの飼い犬になった結果、人並みの生活をする夢は叶ったのだが、
第5話のマキマとの「契約」によって、この初期設定は更新される。

「もしもデンジ君が銃の悪魔を殺せたら、私がキミの願い事なんでも一つ叶えてあげる」。

本作の主要な登場人物は全員、何らかの契約を結んでいるのだが、
優越的な立場を利用して有利な条件を呑ませる点にマキマの本質が覗いている。
ヒエラルヒーを想定すれば、頂点に位置するのはマキマに違いない。
彼女から漂う不穏な気配はあたかも、"契約の悪魔"の存在を予感させるようだ。

この局面で重要な点はさらにもう一つ。
デンジの「夢」の対極には、殺された家族の復讐というアキの「動機」があるが、
この両者が、銃の悪魔という同じ目標を結節点として交差することである。
「俺はもう夢にゴールしちまってるからなあ。あいつはまだ追いかけてんだ…」
デンジのこの言葉が予告していたとおり、ここでデンジの「夢」は前景から後退し、
代わってアキを中心とした公安のデビルハンターたちの"動機の物語"がせり上がってくる。

物語全体を俯瞰すると、二つのフェーズが重なり合っているように見える。
仮にそれらを「人間圏」、「悪魔圏」と呼んでおくとすると、
デンジのドラマは「悪魔圏」に属しおり、デンジとマキマの間で潜在的に進行する。
一方、本作は公安サイドを中心に、ほぼ「人間圏」の枠組みの中で展開している。
要するに、本当の物語はまだ始まっていないのである。{/netabare}


Ⅱ 悪魔と人間

{netabare}デンジとマキマが新たに契約を交わす第5話には、
「人間圏」のドラマの出発点となる場面も含まれている。
こちら側のメインキャラである姫野とアキとの最初の出会い、そして
岸辺が初登場するシーンが、姫野の回想のかたちで挿入されている。

そのシチュエーションはとりわけ注意を引く。
そこは無数の十字架が果てもなく大地を覆い尽くす、広大な墓地の中だ。
悪魔との際限のない戦い。犠牲になった人々。殉職した仲間たち・・・。
そうした濃密な"意味"を凝縮させた、一種の「トポス」とも言える場所であり、
それぞれの「動機」と結びついた、彼らの心象風景をそこに重ねることもできる。

ドラマは主に姫野の視点で切り取られ、アキとの関係を軸に進行する。
メインのプロットに並行してやや間接的に、控えめに語られるそのスタイルを、
自分は「ミニマムな群像劇」、そんな捉え方ができると感じた。
こうした手法が可能なのはおそらく、キャラクターに共通する何らかの条件が
先行して物語の"磁場"を形成しているからで、それが「契約」なのではないかと思う。
それは抑制された心情を浮かび上がらせる、一種のフィルターのように機能する。


デビルハンターたちは悪魔と契約して悪魔と戦う。
力で劣る人間が必要に迫られて選択した、合理的な対抗手段であり、
契約の対価も「魂」ではなく、身体の部位を差し出すという現実的なものである。

「力を借りる代わりに、体の一部を狐に食わせる契約だ。今回は皮膚を食わせた。」
「公安でこいつと契約している人は二人。一人は寿命半分、
 もう一人は両眼と味覚、嗅覚を差し出しています。・・・」

何気なく語られる「契約」の非情な代償。そして、その非情さに麻痺した心。
「契約」は彼らの重い軛であり、自らの命を侵食するものですらある。
常識的には全く引き合わない職務であって、余程の覚悟がなければ遂行できないだろう。
だからこそ、彼らの内部にあるモチベーションは葛藤を孕みながら強く迫ってくる。
それが作品全体を貫く、どこか沈鬱なトーンとなっているように感じられる。

「契約」のフィルターをとおして見えてくるもの、それは、
自らの「動機」と死への恐怖との狭間で葛藤する、"普通の"人間たちの苦悩である。
岸辺の人格の破綻も、頭のネジをストイックに緩め続けた結果であって、
デンジたちに情が移り、それを言ってしまうあたりに彼の人間性は覗いている。
姫野のはっちゃけぶりも、絶望から目を逸らすために演じられたキャラであることは
遺された手紙からごく普通の、心優しい女性像が窺えることからも明らかだ。
第7話の墓地の場面では抑え切れずに、血を吐くような悲痛な叫びが漏らされる。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ・・・。」

一見クールな雰囲気を装いつつ、内面に潜むこうした痛切なドラマを掬い取り、
表現する手法としては、映画的なリアリズムは有効だったように思われる。


姫野の最期は二重の意味でドラマのクライマックスと呼べるものだろう。
自らの身体の全てを契約の対価に差し出し、死体すら残らない壮絶な死にざまは、
「契約」の極限的な帰結以外の何物でもない。まさに"契約のドラマ"の極致だ。
その死はまた、"動機の物語"の完結をも意味している。
彼女の「動機」はいつしか、アキという存在の中に集約されていた。
次々に先立って行ったバディたちの死が心に重くのしかかる彼女にとって、
アキの"普通さ"は絶望の中の救いであると同時に不安の種でもあった。

「アキ君は死なないでね・・・私が死んだ時さ・・・泣いてほしいから・・・」

アキを死なせないこと。その一念を貫き、敢えて引き受けた悲惨な最期によって、
彼女の「動機」は貫徹されたのである。

これに続く最終盤のバトルが本来のクライマックスなのだろうが、
姫野の"復讐"が果され、アキの「動機」の一部が成し遂げられたという意味では
姫野の"動機の物語"の延長戦と見ることができる。その点でこのアニメの結末は、
公安サイドのドラマの結着となっていると言っていいだろう。

その戦いの最中にアキが死の危機に瀕するが、その直後、
彼の前にゴーストの手が差し伸べられる。開かれた手のひらの上には一本のタバコ。
このとき差し出された"右手"は確かに、姫野自身の右手だったのだろう。
「私の右目を食べさせた代わりに、ゴーストの右手を使えるってわけ。」
彼女の「契約」は最後に、彼女の「動機」を助けたわけである。

 Easy revenge!(気楽に復讐を!)

このメッセージの意味は、ここまでの文脈に即して
姫野がアキの「動機」を肯定し、背中を押したもの、そのように解したい。


「人間圏」のドラマの中でデンジが周縁化するメカニズムも、
同じフィルター越しに説明できるのではないかと思う。

初期設定のデンジは「契約」の犠牲者とも言うべき存在である。
「腎臓が120万、右目が30万。キンタマ片方売って、いくらで売れたっけ・・・」
その彼が悪魔になることで、起死回生の大逆転劇が生じる。
死んでも元通りに生き返るのであるから、もはや身体の欠損など問題にならない。
自力で悪魔と戦える彼は公安の人間たちに対して圧倒的に優位な勝ち組である。
逆説的ではあるが、この特権性のゆえに彼は「人間圏」の中心から外れ、周縁に退く。
初期設定が解消された後のデンジの捉えにくさは、ここに起因するようだ。

結局のところ、デンジのキャラクターについては複雑なのか単純なのか、
現段階ではそもそも判別がつかないことになっている。
例えば、仲間が死んだことに涙を流すアキを見て、自分は泣けないと感じ、
「心臓だけじゃなく、人の心までなくなっちまったのか…?」と自問するシーン。
並みの主人公ならば、この葛藤がストーリーへと展開されるところだが、彼いわく、
「ま、シリアスな事は考えなくていっか!
 楽しくねえ事考えても楽しくねえだけだからな!」・・・これがデンジだ。{/netabare}



デンジのキャラクターは現段階では未分化の状態にある。
・・・これが相応に時間を費やした挙句の、結論らしからぬ結論である。

ただし、直観に過ぎないものだが、付け加えておきたいことが一つ。
Ⅰ章で指摘したとおり、彼は価値の序列の破壊者であり、かつ、その存在が
善悪、あるいは悪魔と人間の境界で、両義性と媒介性を体現している点で、
そこには「トリックスター」の本質がベクトルとして認められるのではないか?

特に示唆的だと思われるのは、本作ラストの{netabare}"キン蹴り"{/netabare}のエピソードだ。
この悪ふざけが彼一流のリベンジであることによって、
アキのシリアスな"復讐"をコミカルに反転させた戯画になっている点が、
秩序を撹乱するいたずら者であるトリックスターの要件に合致するのではないか。
何にしても今後の展開によって、彼の正確な像が定位するのを待つしかないのだが。

あるいは本作の演出の意図も、作品が孕む二極性を踏まえた上で、
第1部「公安編」を文字通りに、公安のデビルハンターたちの物語と捉える
ややイレギュラーな視角から作品にアプローチした結果なのではないだろうか?
・・・などと想像してみたが、これはおそらく考え過ぎだろう。

ところで本稿の作業中、参考のためにWikiを開いたところ、
いきなり強烈なネタバレを食らってしまった。・・・くれぐれも注意されたい。
お蔭でマキマさんの正体も含め、衝撃的な展開がこれから待っていること、
このアニメはいわば前座に過ぎず、本当の物語はこの先にあることが確認できた。
二期が制作されないうちは、トータルな評価は時期尚早と言うべきだろうか。


2023.1.20 投稿  2.6 補完

投稿 : 2023/02/14
閲覧 : 2357
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24

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

監督「映画作るしかないよなあ!」→爆死

藤本タツキ先生原作の大人気ジャンプ作品。初監督作品となる中山竜監督の元、制作会社は今勢いに乗るMAPPAになります。

原作ファン待望のアニメ化であり、放送前からの熱もかなりのものでした。しかし、いざ蓋を開けてみると何かが違う。そうなんです。"ノリ"なんです。あのオタクが大好きなぐっちゃぐちゃした感じがあまりないんです。監督の意向から、アニメ寄りではなく映画のような制作作りをしていることもあり、どうしても暗い感じが抜けません。そのため主人公デンジの大袈裟な感じや、飛んでる感じが制限されてしまっている印象です。キャストの方々もおっしゃっていた通り、「これはアニメなのか」という感情が残りました。

そして今作もう1つの注目作である主題歌。OP楽曲は米津玄師が担当。ED主題歌は、J-POPを代表する錚々たるアーティストが名を連ねる週替わり物。この試みは確かに興味深いものがありました。しかし、たったの1話限りの楽曲なのでどうにも印象に残りづらかったものがありました。

藤本タツキ先生はコマ割りも含めて、漫画の描き方がめちゃめちゃ上手いので原作を読みましょう。

投稿 : 2023/02/14
閲覧 : 218
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15

ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 1.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

監督のせい...なんだろうか

{netabare}
MAPPAの期待作だったのかな。
思ってたより話題にならなかった感はあるけど。

【物語&キャラ】
話は終始地味、キャラは全員不快の最悪の作品だった。
主人公が対悪魔組織に入って、異能の敵と戦う...いつものジャンプ。
ただただ目的や話の終着点も見えないまま、わけのわからない敵"悪魔"と戦っているだけで何も面白くない。
一応銃の悪魔の退治が目標だったんだろうけど、銃の悪魔と言う存在は口で語られるだけで大して印象がないし、どのキャラも本気で銃の悪魔を追い求めている感じがしない。ストーリーに抑揚が感じられない。
アキは銃の悪魔絡みで悲しい過去を持ってた気がするけど、それでも地味に感じてしまう。

アキに限らず、この作品のキャラは全員感情に起伏がないように感じる。
たぶんストーリーの抑揚や、感情の起伏があまり感じられないのは質素な演出、監督が言っていたアニメ的表現の排除、邦画に寄せた作風のせいだと思う。そう感じたのは自分だけかもしれないが。
起伏がなくて何を考えてるのかもわからないまま、変な行動を繰り返す。
主人公や岸辺みたいな、狂ったキャラばかりなことがこの作品の見所なんだろうか...。悪魔と言えば悪魔感はあるけど。
真面目な作風でキャラ達が狂ったことをし続ける展開は全く面白いようには思えなかった。
汚い展開やキスは不快感しか醸し出してないけど、何が面白いんだろう...。
戦闘シーンのグロはスプラッターとして見れば悪くなかったが。(ただ、戦闘シーンは面白くない)

正直、原作の雰囲気完全再現のアニメ化だったとしても軸の話を面白いと思えていない時点で、同じような感想になっていたとは思う。

【声優】
なんか演技に抑揚がないなと思ったら、監督の指示らしい。
ツダケンですら下手に感じてしまう始末。
かと思えばコベニの声のあの感じ。拒否反応が出るくらい嫌い。

【作画】
作画に気合入ってるのは認めざるを得ないから4.0だけど、この作品のキャラの細かい動きの書き方は大嫌い。
散々言われてるけど、戦闘シーンの構図や演出も微妙。
CGの上に手書き?の手法はいいように働いていたとは思えない。
CGじゃないにしても、CG感が強すぎて微妙だったかな。
好き嫌いのみで付けるなら2.0ぐらいにしたい。

【音楽】
劇伴は地味。と言うか無音のシーンが多くて退屈。
OP曲は無難にいい。
ED曲は...いい曲3曲ぐらいしかないんじゃない?
中高生人気のボカロPが多数の時点でお察しではあるけど、こんなに酷い曲ばかりとは思わなかった。
まだVAZZROCKの毎話変更EDの方が平均値は高い。
そもそもED毎話変更は力の入れ方、入れる場所が間違ってる。
歌手を売り出したいという意図が透けて見えて嫌い。
少なくともCHAINSAW BLOODに関しては秋アニソントップクラスにいい。

【その他】
OP曲は無難にいいと書いたけど、いいのは曲だけで映像は酷い。
よくわからん映画のパロディらしいけど、チェンソーマンと言う作品にそういう要素がどこにあるのか。
異世界おじさんの場合は作品自体にもセガネタが豊富に含まれているから、あのパロOPは面白いと思えたけど、この作品は特に意味のないパロディ。
意味不明だし、ただただ自分から何かを創ることを諦めた、パクリでしかないと思う。

おまけにBDの全巻購入特典の収納ボックスのデザインまで映画からのパク...オマージュ。
この作品は他人の褌で相撲を取ることしかできないのか。
ここまでパクリに頼るのはチェンソーマンと言う作品の個性を否定しているようにしか思えない。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
作画綺麗だな。借金返し? 呪術と同じくあんま惹かれない1話だな。
2年前なら切ってた。主人公の声優下手じゃない?
いや、作画そんなに良くないな。ED好き。

2話 ☆5
結局面白いのこれ? 惹かれる要素、先の気になる要素がない。呪術系か…。
隊に入って怪物と戦うみたいな作品マジでワクワク感が何も無い。ED普通。

3話 ☆5
このヒロイン声合ってなくね?
マジで悪くは無いけど何を楽しめばいいかわからん。
こういうのって朝の戦隊ヒーローモノと何ら変わらんくない?

4話 ☆2
マジで何がおもろいんこれ。
ストーリーに加点要素も減点要素も一切ないアニメ。死ぬほど退屈。

5話 ☆3
こう言う写実的な作画嫌いなのかもなぁ。このレベルの相手をもう倒すのか。
マジで面白くないな。面白くないけど良い作品とかそう言うのでも無い。
EDゴミやんけ。サビだけ好き。

6話 ☆1
さむ。テンポ悪すぎいつまでここに留まってんねん。
この情緒不安定キャラキモすぎ。これみてたら眠くなってくる。
ED毎週変更がなければ切ってたレペル。
テンポわっる。声量無さすぎ。
ED力入れてる割に好きな曲の方が少ないっていうね。

7話 ☆1
ちょっと面白い? ノリがつまらない。
変に大人感あるのがなんかつまらない。この地味さ何なんだろうなぁ。
汚い。ミュートしたわ。もう画面も見てない。

8話 ☆1
ほんとにきつい。作画いいのは分かるけどこの描き方くっそ嫌い。
正義のヤクザって何だよ。1人でも殺してたらアウト。
あいつそんなに強いんか。すまん、あの女誰?
TKの良さがマジでわからん。

9話 ☆2
どう見ても人質が通じる相手じゃないだろw 銃の悪魔って何かのグルなの?
デスノートかな? 内蔵どこいった? マジでこの作品どこに向かってんの…。
クソエイム 何が描きたいのかさっぱり分からん。
意味無く血や残虐シーンばかり見せられても。
ミュートしたわこいつ嫌い。Aimerにしては微妙な曲だな。

10話 ☆1
ポチタ死んでも普通に過ごしてたじゃん。この茶番展開は何…?
マジでキャラが全員生理的に無理だわ。EDのクオリティが上がってきた。

11話 ☆1
この地味さは何なの? 最初から脅せやそんなもん持ってきてるなら。
今期嫌いなキャラトップ5作ったら全部チェンソーマンで埋まりそう。

12話 ☆0
血多すぎワロタ。あくびが出るほど退屈。何そのしょうもない拷問パート。
主人公がキモすぎる。マジでびっくりするほどつまらんかったわ。
本気で何で人気なんかわからん。

曲評価(好み)
OP「KICK BACK」☆7.5
1話ED「CHAINSAW BLOOD」☆9.5
2話ED「残機」☆6
3話ED「刃渡り2億センチ」☆2
4話ED「錠剤」☆1.5
5話ED「インザバックルーム」☆2.5
6話ED「大脳的なランデブー」☆4
7話ED「ちゅ、多様性。」☆1
8話ED「first death」☆1
9話ED「Deep down」☆4.5
10話ED「バイオレンス」☆6.5
11話ED「DOGLAND」☆8
12話ED「ファイトソング」☆7
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2023/02/14
閲覧 : 456
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13

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

グロと厨二のパルマコン

エログロB級映画お約束大全を楽しむノリのギャグ漫画を高尚な何かと勘違いしたアニメ。
気合入れすぎたアニメ版はなかなかに鼻につく。

OP・TMGEっぽいと思えばまたしても米津。
ED・週替わりタイアップってソニーも節操ない。

物語・原作なぞってるはずなのに別物だがまあこれはこれで
作画・原作の雰囲気は消失。気取った演出がクサすぎる
声優・ファイルーズさんのパワーはハマりすぎ。他は慣れる
音楽・ヒット請負人米津はいいとして毎週宣伝は萎える
キャラ・悪魔キャラのデザインはいい

お約束切り貼りアニメはエヴァガや旅々みたいな逸話集をやりがちだが、浮いてないし唐突感もないしでさりげなく使いこなしてるのは素直に凄い。ここまで美味しいお約束てんこ盛りなら人気出るのもわかる。若い頃は誰しも一度はグロにハマるものだがこの手のやつは昔はアフタヌーンとかの役割だったような。鬼滅呪術アビス進撃などグロをウリにしたヒット作がジャンプを始め大手ばかりになってきたのも時代を感じる。欲を言えば悪魔をもっとキモくしてヒャッハーして欲しかったかなあ。

追記
レゼ編!レゼ編!みたいな意見があちこちあるので原作見てみたら不器用男子主人公に女子がグイグイくる陰キャラブコメと「どう?ビックリした?」みたいな虚淵芸だった。いかにもゴリゴリな深夜アニメっぽい展開なので2期があればそれなりに馴染むのかなあとは思う。MAPPAは止まるわけにはいかないだろうが、ソニーミュージックの営業はこっちよりぼざろ2期に乗っかりそうな予感。声優は原作漫画と声が違う()のは人それぞれなので仕方ないが流石にボソボソで聞き取れないってのには驚いた。もっとキンキンさせないと聞こえないのかな。作画同様にあくまで一般向けに作ってるつもりだろうから最近のアニメ映画みたいなディレクションでしょう。でもいかにもゴリゴリなアニメ芝居なのに全然うるさくないファイルーズさんは流石だと思う。監督はサメ映画漬けの刑にしよう。

MAPPA死なないで。

投稿 : 2023/02/12
閲覧 : 396
ネタバレ

ちょま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

噛み合わせ激悪アニメ!

星評価3.7なんだけど、それは要素要素の平均評価…アニメに限らず世の中「つまらない」とされる作品ていうのはたいてい「キャラが不快」だったり「設定がおかしい」だったりダメな部分がわかりやすい。だがこのアニメ違う!構成要素一つ一つは間違いなくハイクオリティ!しかしそれらが奇跡とも言えるレベルで噛み合わず、結果「つまらない!」という稀有な作品である!作品としてみたら星3切るぞ!

悪魔の力を手に入れた少年デンジ。悪魔として処理されるべきところ、公安のデビルハンターになることで免除してもらうことに。しかしどうやら、手に入れたその力は他の悪魔たちも狙うシロモノらしく…?というお話自体はジャンプらしい王道もの。そこをキャラや設定や話運びで差別化していくのが作家さんの腕の見せ所であり、動く絵でどれだけ魅力的にできるかがアニメ製作陣の力が問われるところ。

キャラの個性よ!みんな狂ってたり何か圧があったりと、言葉少ないながら奥に隠れた魅力を感じさせてくれる!マキマさん怖いし、アキくん余裕ないし、バカな主人公デンジが一番まともに見えてくるよ!
作画のクオリティの高さ!流石に後半はちょっと息切れしていたが、美麗でスマート!アニメーターさんにちゃんと還元されてる?サブスクで申し訳ない…
声優も素晴らしい!よりリアルに近い抑揚ながら決して棒読み感がない!キャラにより深みが出てて、これで新人とは恐れ入った!
作風もまたおしゃれでダーク!Ghost in the Shell のような作風を令和ナイズドした感じで、ゆったりしたテンポがジャンプアニメとは思えない「現実感」を醸し出している!

こう見ると、ほんと構成要素一つ一つはどれも素晴らしい。マジ最高峰。が、ほんとびっくりするくらい噛み合ってない!
キャラそれぞれの個性は強いのだけど、それって「リアルな癖の強さ」ではなく「創作としての癖の強さ」。デンジくん、お仕事が命懸けなのに頑張る理由が「胸を揉むため」よ?ギャグじゃんそんなの!なのにそれを大仰にリアル演技。全然マッチしてないよ!
作画のクオリティすごいよ。でもキャラのビジュアルがアニメっぽく崩れる(デフォルメされる)わけじゃない。だから所々でのアニメ的な大げさな動きにマッチしてなくて違和感、というか「うわ、なんかイタイよ!その動き!」ってなることも。「そこでダブルピースして待ってて」って言うだけでそんな動く必要ある?
ダークでリアルでゆったりとした作風も、崩れないビジュアル・リアルな声優演技にはピッタシなんだけど、根本に感じる「ジャンプ漫画ぽいノリ」と全然マッチしてない!先の胸揉みといい・キンタマ蹴り大会といい、なんか変にダーク感出して滑ってるよ!

こういった違和感がず〜っと続くから作品に没入できず、結果残った感想が「展開おそっ!テンポわるっ!つまらなっ!」である!なんだろ、アイテムひとつひとつは高価なのに組み合わせたらクソダサファッションになった、っていう感じだ。

実のところあまりのノレなさに5話で一旦切っており、一気見すれば行けるかと思い再挑戦。しかし評価は変わらず。「良さそうなアニメなのになぜ…?」とモヤモヤしてたのだが、後で原作読んでやっと得心が行った。やっぱギャグじゃねーか!なによりテンポが段違いによく、「作風」「早いテンポ」「癖強いキャラ」の噛み合いが見事!思えばB級映画くさい「頭がチェンソー」や「飛び散る臓物」っていうビジュアルも、このB級スプラッター感にぴったり!この原作はもはや崩しようがない「正解」だ。これなら原作通りの作風にするか、攻殻機動隊並みにキャラもストーリーも別物に突き抜けたほうがよかったかもしれない。THE FIRST SLAM DUNKですらちょっと噛み合わせが悪かったのに、半端に手を加えると火傷するといういい例になってしまった。あ、でも姫乃先輩とアキくん周りの描写はアニメ演出の方が良かった。しんみり感動しちゃうよ。

「へぇ〜こういう形でつまらなくなることがあるのか!」と、創作の世界の奥深さを味わえる作品。そういう意味では必見アニメ。ぜひ原作と合わせて体験してほしい。

投稿 : 2023/02/08
閲覧 : 198
サンキュー:

9

オカルトマン さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:途中で断念した

感想

2話で断念
呪術廻戦に似てるなーって思った。
好きなアニメじゃなかった。
グロかった

投稿 : 2023/02/07
閲覧 : 130
サンキュー:

4

とろろ418 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

無法者たちの集い

【魅力的に思った点】
・物語が単純明快
・良い意味でキャラがイカれてる
・醜いからこそ光るものもある

【残念に思った点】
・下ネタやグロなど不快に感じやすい描写が多い
・バトルが単調
・既視感のある展開
・悪い意味でもキャラがイカれてる

【総評】
・70点
  まず下ネタについて。
  所謂特殊性癖に近い部類なので、下ネタ自体が苦手な人はもちろん、少年漫画等のライトな下ネタが好きな方にもおすすめしません。 
  設定の都合上キャラがイカれてるのは正解だと思いますが、感情移入がしにくく、人によっては嫌悪感を抱くと思うのでこちらも注意が必要かと。
  物語構造に関しては直近の呪術廻戦とまんま同じだったこともあり、新鮮味はゼロ。
  あと一番残念だったのが、バトルが派手な割に味気ないこと。これから盛り上がるのかなってところで唐突に終わることが多いので、もう少し工夫が欲しかったです。
  パワーの生い立ちやアキと姫野の関係性など人間模様は良かったと思いますので、主人公の今後の成長に期待ってところでしょうか。

【こんな人におすすめ】
・アウトローが好きな人
・下ネタ耐性が強い人
・分かりやすい物語が好きな人

投稿 : 2023/02/04
閲覧 : 117
サンキュー:

8

ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

原作の再現性は高かったように感じる

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
原作既読です。私の場合、ストーリーを重視してアニメを観るので、原作既読の作品は、「どうアニメ化されるか」という「確認」みたいな意味合いが強いです。

よって、2、3話観て、ある程度のクオリティがあってアニオリ要素がない場合は、途中切りで評価は3(デフォ)にすることが多いです。

本作もその1つ。ただ、単純に私は、グロいの苦手だし、原作からして、そこまで楽しめなかったのは、あるんですけどね。

本作、原作をよく表現できている、、、どころか、はっきり言って、原作より良く出来ている気がしました(笑) 私と違い、原作が好きな方は、楽しめると思いますよ!

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
原作を読む前、面白い面白いという評判を聞き、ハードルが上がりすぎたのも悪かった気がする。

1期?を全巻読んだ上で、中の中くらいの面白さ、と感じてしまった。

私の中では、本作は、「空気系」の作品なんですよね。「けいおん」や「ゆるゆり」と同じ系列。

違いは、陰か陽か。「けいおん」などが、「陽の空気系=日常系」なら、本作や「MONSTER」などは、「陰の空気系」。

ちなみに、私は、「MONSTER」も「二十世紀少年」も、陰の空気系だと思ってます。それは悪口ではなく、読んでいる「最中」が楽しい作品だということ。「その作品の空気感(雰囲気)に浸ることが楽しい」のが、空気系です。

日だまりの空気が好きな方も、墓場の空気が好きな方もいるだけの違い。

あとはまあ、、、いわゆる「考察系」とか言われる作品の中で、不思議な雰囲気とメチャクチャな展開によって読者の解釈合戦が盛り上がる、、、みたいな作品は、昔から苦手なのもあります(苦笑)

というか、それ系の作品で、綺麗に伏線を回収し、素晴らしい最終回を迎えた作品を、ほとんど知らなくて(汗)

そういう作品って、大抵が「ただの言葉足らず」です。言葉を扱う仕事として、相手に伝わるよう、言葉を厳選して積み重ねている丁寧で誠実な作品より、だだ「伝えられない」「伝えない」作品が評価される現実が、個人的に悔しいというのもある(苦笑)

大抵の場合、連載初期からの筋はなくて、偶然盛り上がっちゃって、読者に作者が乗っかっちゃって、風呂敷広げるだけ広げて、最後も謎を残して、雰囲気だけオシャレに、あるいは残酷に終わる。

本作がそうならないことを、切に願っています。
{/netabare}

投稿 : 2023/02/03
閲覧 : 190
サンキュー:

31

ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

狂気の悪魔ハンター

原作未読 全12話

悪魔と呼ばれるこの世ならざる存在がいる世界。不幸な少年「デンジ」が「チェンソーの悪魔」ポチタと共に悪魔を倒しながら最終的には、「チェンソーの悪魔」の力を手に入れて「チェンソーマン」変身して悪魔を倒していくお話。

主人公のデンジは、頭のネジが何本か飛んでいっていますね。でも、そんな性格じゃないと不幸なことを受け入れることができなかったのでしょうね。

民間の悪魔ハンターだったデンジはある出来事から公安の悪魔ハンターになり、様々な悪魔と対峙することになります。

お話は、テンポよく進んでいきますね。

作画は写実的なのでより現実的に感じてしまいます。

たくさんの人が簡単に死にます。悪魔や悪魔憑きの人間との狂気の戦いは凄まじい迫力でした。

この作品の印象的なことをいくつかあげます。
{netabare}
姫野の散り際が物凄く印象に残っています。体が少しずつなくなっていて切なくなります。でもゲロチューは見ていて引きましたw

マキマの技は凄かったですね。手で捻っているシーンはゾクゾクして怖かったですね。新幹線で死んでいたのにすぐに生き返っていたところをみると悪魔憑きか悪魔なのですかね〜

岸辺の「真面目な奴ほど早く逝く」という感じのセリフが印象的でした。
{/netabare}
残酷な場面が多い作品です。よく地上波で放送できたと思いました。

切りがいい所で終わっていますが、まだまだ謎の多い作品です。続きがあれば観たいですね。

OPは米津玄師さん、EDは毎話変わって色々なアーティストさんが歌っています。

最後に、7話の「あの」さんが歌っている曲の歌詞と映像を見ると申し訳ありませんが気分が悪くなりますw

投稿 : 2023/02/03
閲覧 : 240
サンキュー:

25

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:----

シフト

シフト

投稿 : 2023/01/30
閲覧 : 100

まだ初心者 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

作画のクオリティがすごい

CG使ってるからなのかわかりませんが、たまに実写かと思うぐらい作画がリアルなときがあります。
ストーリーは最初の方はびっくりするぐらい面白くないのですが、後半から少し面白くなってきます。ワンパンマンを最初に観た時の感覚に似てます。ワンパンマンも最初の方は全然面白くないので。
EDも毎回違う曲と映像で、かなり凝った造りになってるので全体的な評価は高めです。
2期も観ます。

投稿 : 2023/01/27
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サンキュー:

5

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

悪魔も、規制も、製作委員会も全部まとめてブッタ斬る!!!

原作コミックは11巻(第一部・完)まで購読中。

【物語 4.0点】
ダークヒーロー物。
当面の大目標となる“銃の悪魔”を始め、悪魔は人間の恐怖心を根拠に力を発揮する。
よってヒーローは、正義心で悪魔を糾弾する人間では不適任。
むしろデビル・メイ・クライ。悪魔も泣き出すくらいイカれた奴じゃないと務まらない。

その観点から、悪魔を倒すため、代償を払い悪魔と契約するデビルハンターという設定は合理性がある。
その上で“チェンソーマン”と化す主人公デンジ。
底辺よりマシなデビルハンターの暮らし、メシ、女、マキマさん。
己が欲望のために悪魔を狩る姿を見ていると、悪魔の方が段々可哀想と倒錯して来ますw

デンジと悪魔の戦いを通じて、人の剥き出しの欲望、恐怖をぶちまける。
原作の志向性をアニメでも好表現。

ただ1クール目はウォーミング・アップ。
デンジが如何に欲望に忠実か、軽く自己紹介しましたといった所。
私が好きなレゼ編はこの先にあるので、評点は及第点+αにとどめます。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・MAPPA

CGも交えて構築した広大な空間にキャラクターを躍動させる映像は相変わらず圧巻。
特に{netabare} 12話のサムライソード再戦{/netabare} 辺りはハリウッドのアメコミ映画にも引けを取らないリッチさ。


グロ過剰じゃないか?と思う方もいるかもしれません。
ですが私は上述の剥き出しの人間を表現するにはグロは不可欠だと思っているので、
規制せず良くやってくれたと拍手を送りたいです。

ただ、グロ上等とイキって飯時に鑑賞していた私も、
{netabare} 姫野のゲロチュー{/netabare} からは3日間逃げ回った末に食間にビビりながら見ましたw
ここは流石のMAPPAもモザイクかけて来ましたね。
ですが、ED映像では悪ノリしてしっかりトラウマを固定化させてくれました。
全くどうしてくれるんだよ(含み笑いw)


【キャラ 4.5点】
ダークヒーロー・デンジとは対照的な公安の先輩・早川アキ。
復讐心に正義心も残して生き急ぐ姿には儚さすら感じます。
そりゃ{netabare} 最悪の死に方を見せろと未来の悪魔に契約を許されるわけです。{/netabare}
デンジ&パワー。二人の欲望モンスターとルームメイトになるなんて幸薄すぎですw


デンジの戦う原動力たる欲望の多くを占めるヒロイン・マキマさん。
戦法や人の操縦術も含めて、悪魔より怖いお方なので、
マキマさんの飼い犬になるのはデンジだけで十分です。

追い詰められ錯乱した私がすがるのは新世代ヒロイン?魔人・パワーちゃん。
ここは私如きが語るより、第1回チェンソーマン・キャラクター人気投票・第1位に輝いた際のコメントが秀逸なので、僭越ながら引用させて頂きます。

“虚言癖でも差別主義者でも糞を流さなくても、人気さえあればヒロインだ!みんなの応援で完全証明!!”


【声優 4.5点】
主人公デンジ役には本作が初主演となる戸屋 菊之助さんを抜擢。
奇をてらった新人起用ではなく、
煩悩に塗れたデンジのキャラクターにちゃんとハマっているのが驚き。

マキマ役の楠木 ともりさん。
オーディション時、意中の役はパワーだったとのこと。
ですがこのマキマさんの背筋の凍るような静かな演技も良いですね。

パワー役にはファイルーズあいさん。
キャスト本人のキャラクターも相まって、
これはこれで、放送前から楽しみな配役&放送後も好印象。
これからもインテリには程遠い虚言で笑わせて頂きたいですw


岸辺役の津田 健次郎さん。
私は原作で岸辺隊長のセリフ読んでいる時も、
モロにツダケンのネットリボイスで脳内再生していたので嬉しかったです。
私も日々積み重ねて頭のネジを緩めていきたいですw


総じてキャラクター提供よりもありのままの自然さを重視したキャスティング&ディレクション。
劇場アニメでよく、ナチュラルな演技を求めて声優ではなく俳優・タレントを起用しましたとの弁明を耳にしますが、
本シリーズを通じて、自然な芝居くらいアニメ声優にもできると証明して頂きたいです。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は牛尾 憲輔氏ら。
バトルで電子爆音の暴風が吹き荒れたかと思えば、静謐さが重要なシーンでは自重して無音になる。
緩急自在な音響で作品を下支え。

特に{netabare} 早川アキが姫野の煙草をくゆらせるカットでBGMを流さなかったの{/netabare} は好判断でした。
『チェンソーマン』は喫煙も自主規制せず、意味のある表現として息づかせた作品としても語り継ぎたいです。

OP主題歌は米津 玄師さんの「KICK BACK」
“あれが欲しいこれが欲しい”“楽して生きていたい”と頭のネジを緩めて煩悩を垂れ流す。
相変わらず迷いのないタイアップ対応。
売れる曲を作ることを邪道と思わず、野心を隠さない希少なアーティストです。

EDは全12話別々のアーティスト&EDアニメーションによる週替り。
毎週アクの強い個性派による楽曲提供で胃もたれしそうになりますw

中でも私の脳天に刺さったのは、第3話のマキシマム・ザ・ホルモン「刃渡り2億センチ」
激しく変化する曲調の全容を早く知りたいので、フルの完成を電ノコを長~~くして待ってます。


【付記】
放送前、リスクを分散する製作委員会方式を取らず、MAPPAが100%出資するとの方針発表にも度肝を抜かれた本作。
その真意の一端が示された対談記事も興味深かったです(※①)

要約すると……
従来アニメは“ガワのビジネスに引っ張られる”産業であり続けた。
(パチンコやスマホゲーム業界が伸長すれば、アニメ制作会社はメディアミックスの一端を担い食い扶持を繋ぐ)
現状を打破して、アニメを制作する側が主導権を握って、
グローバルにコンテンツをビジネス展開するには、
リスクを取って勝負に出る経営判断が必要。
こうした志向もあっての、今回の100%出資判断。
……といった具合。

洋画でもトレンドのダークヒーロー物で打った今回のMAPPAの勝負手。
1クール終わった段階では世界に突き抜けるまではいかない印象。
大成するかは、今後の人気エピソードの成否次第といった所でしょうか。

クールジャパン(死語?(苦笑))の一翼を担うゲーム業界なんかでは、
ゲームメーカーが自社の知的財産(IP)を自らの資本力で世界展開し利益を享受。
幹部が長者番付にランクインしたりもする。

アニメ制作会社も、そういう夢のある段階に登るチャレンジを続けて欲しいと願います。


①アニメ『チェンソーマン』異例となる「100%出資」の理由は? FIREBUG佐藤詳悟
×MAPPA大塚学が語り合う“アニメビジネスの未来”
https://realsound.jp/tech/2022/10/post-1141127_5.html

投稿 : 2023/01/25
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サンキュー:

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チェンソーマンのストーリー・あらすじ

『チェンソーの悪魔』ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジ。親が遺した借金返済のため、ド底辺の日々を送る中、裏切りに遭合い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つもの『チェンソーマン』として蘇る──。(TVアニメ動画『チェンソーマン』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2022年秋アニメ
制作会社
MAPPA
公式サイト
chainsawman.dog/

スタッフ

原作:藤本タツキ(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)

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