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「オッドタクシー(TVアニメ動画)」

総合得点
87.6
感想・評価
661
棚に入れた
2217
ランキング
146
★★★★☆ 4.0 (661)
物語
4.3
作画
3.8
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.1

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オッドタクシーの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

群像劇の良作、だが「バッカーノ!」の続編のが見たい。一挙放送に合わせて。

 全く期待しないで見始めたが、しっかり立っている群像キャラ、会話の妙、犯罪を中心したサスペンスと謎で引っ張る力が充分にある良作でした!。隠れた良作として今後も語られるかも。


 伏線回収と謎の解明は尺をとられるが、1クールで収まるスケールにちゃんとなっているので大きな破綻はなく大成功とまでは言わないが、かなり上手に風呂敷を畳み、かつ全部畳まないでオープンエンドにする上手さがあるのは見事。なにより白川さん萌え。終盤スーパーウーマンになってきたような気もしないでないが。


 そしてこっからは謎になってた部分のネタバレの話と、こうだった方が良かったなぁ〜話です。


 正直謎の部分はあまりこちらの予想を超えてくるものはなかったので悪くはないが、まぁまぁという感じ。もっと捻りがある展開を期待してる気持ちもあったのだが…。殺人の犯人が和田垣さんなのはわかってたが、割とそのまんまな動機だった。それにしても、この部分は最後に持ってくるべきだったろうに。


 ラストも不安な後味エンドなら、「これからタクシーに乗るね」って言った後にタクシーに向かう和田垣さんの後ろ姿で終わる締め。逆に勧善懲悪ラストなら、知らずに乗ったタクシーが真犯人が和田垣さんだと知ってる小戸川で、ラストは振り向いて和田垣さんの方、ひいては画面のこちら側に向かって笑顔で「どちらまで?」と小戸川が言って締めた方がえがったような。


 それとボスのクロちゃんがなんで育英事業やってるのかと動機の部分が微妙な感じだったのがなぁ…。てっきり小戸川の両親と関わりがあるとかだと思ってたが。そして一番感じたのが、人間の姿にみんなが戻るのはラストの方で点景的に流していって、最後に小戸川の姿…とかの方が味わい深かったんじゃ。


 こうやって書いていくと不満ばかりのように思われるかもしれませんが、面白かった作品だからこその愛のムチであって、面白くない作品ならここまで書く気力は全然湧かないのだ。春アニメは期待して見始めた作品が、最後まで見たら正直ガッカリという傾向があったので本作は癒やしな存在であり続けてくれて感謝です。それにしても、不穏な形で終わるというのは「タクシードライバー」オマージュではあるな。

投稿 : 2024/11/20
閲覧 : 1169
サンキュー:

46

ネタバレ

もんちろー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

何で登場人物の名前は人間なのにが動物なのに姿が動物なのか。

人間が苦手な主人公、両親は小さい頃に亡くなったらしい。
事件に巻き込まれて最終的には解決!
なんだけど、最後の最後がゾワっとした。
これはいいアニメを見つけたわ。

投稿 : 2024/10/08
閲覧 : 33
サンキュー:

0

ネタバレ

ナルユキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2、3度観ても飽き足らないスルメアニメ

偶然。奇跡。巡り合わせ────こういった要素を多分に含ませると心無い批評家からは「ご都合主義」となじられてしまう。正であっても負であっても。しかし現代サスペンスにおいては良い刺激(スパイス)だ。
この作品は面白いくらいに新宿────ひいては世間の“狭さ”を描いている。乗降客数世界一を誇る「広い」筈の新宿。そこで勤める“1頭”のタクシー運転手と友人、劇中の乗客全員が思わぬところである1人(1匹?)の女子高生失踪事件に繋がっていく。
こんな偶然あり得るか。そんな野次は捨てて是非ともご覧いただきたい。

【ココが謎:なぜ動物人間?】
日本は新宿が舞台である筈なのに主人公はセイウチ。ヒロインのナースはアルパカで医者はゴリラ、友人は白猿で飲み屋の女将はカンガルーetc.本作で登場するキャラクターは全て擬人化された動物で統一されている。『ズートピア』のような動物人間────というよりは人間の登場人物を動物で表現しているようにも見える(名前は日本人)。
各キャラを覚えやすくするためか?
或いはキャラクターグッズを作って売り捌くためか?
そんな邪推をしてしまう程にサスペンスというジャンルには不釣り合いなほのぼの動物アニメで第一印象を飾ってしまっている。
しかし、この“動物に見える”ということが最期の伏線になろうとは、観始めの時点では誰も想像だにしないであろう。

【ココが面白い:練馬区女子高生失踪事件(1)】
さて、主人公である小戸川(おどがわ)はセイウチでありタクシー運転手でもある。昼夜問わず不特定多数のお客を運び、決してお喋りではないものの口を開けば小粋とも偏屈とも言えるトークであらゆるお客に自身を印象づけている。そのおかげで乗客の誰もが小戸川というタクシー運転手がいることを覚え、また小戸川も一度乗せた客の顔は絶対に忘れない。たった1度の乗車で互いが互いに面識を得ることになるのである。
そういう下地があってこそ、展開されるのが面白い『練馬区女子高生失踪事件』。被害者は終盤まで名前すら明かされないのだが、確かなのは「1度だけ小戸川のタクシーに乗車した」ことであり、その記録も車内のドライブレコーダーに残っていたらしい。しかしその肝心のレコーダーは双子兄弟で警察官を勤めている大門(だいもん)兄の手によって押収されてしまう。
大門兄は小戸川を練馬区女子高生失踪事件の犯人と疑っているが、そう視聴者に思わせる点もいくつかある。
1番の理由はやはり彼が一人暮らしの部屋で「押し入れに向けて誰かに話しかけている」ことであろう。それが行方知れずの女子高生だとしたら、彼はなぜ彼女を匿っているのだろうか。違うとしたら、彼は一体「何」を匿っているのだろうか。
謎が謎を呼ぶミステリー、主人公すら「容疑者」だと疑わせるサスペンス。ほのぼの動物アニメーションと皮肉混じりの軽快なトークとは裏腹な不穏な雰囲気に視聴者はのめり込んでいく。

【ココが面白い:練馬区女子高生失踪事件(2)】
容疑者候補としてもう1人挙がるのは狒々(ヒヒ)の溝口恭平──通称“ドブ”──である。東京中にその名を轟かせているヤクザであり、指名手配犯でもある奴ならば女子高生の1人や2人拐ってても可笑しくはないと世間はそう思っているご時世だ。
しかしドブは小戸川のタクシーに乗り込むと拳銃を突きつけながらも『神に誓ってそんなことはしていない』と言う。逆にドブはボスの命令で行方不明の女子高生を捜す側におり、その手柄や上納金の額を後輩のヤノ(ヤマアラシ)と競っている最中であった。
第3の容疑者・ヤノ。彼はメジャーデビュー目前のアイドルグループ『ミステリーキッス』の後ろ楯(バック)に付いており、そのアイドルたちのマネージャー・山本(キツネ)が小戸川のドライブレコーダーを欲しがっている。奴らこそが女子高生失踪事件の犯人、そうでなくても大きな関わりを持っているに違いないと、ドブは踏む。
ドブはヤノを失墜させるため、そして自分を脅かす相手を全て排除するために小戸川のタクシーや類い稀なる「認識能力」を度々、利用するようになる。
脅されながらも堅気とヤクザが協力し合う奇妙な関係が築かれ話が続いていく。しかしその心内では悪を許せず、ドブやヤノの“シノギ”を白日の下に晒してやろうと小戸川の正義が燃え上がっている。只のタクシー運転手が裏社会相手にどんな立ち回りを見せるのか。それもまた本作を追う大きな楽しみだ。

【ココも面白い:「偶然」の8連鎖(1)】
本作最大の面白さは、序盤に見せた何気ないキャラクターの行動や台詞、そして「アイテム」に至るまであらゆる物が新たな展開に繋がり、最終的には女子高生失踪事件やその結末へ辿り着くという「巡り合わせ」を描いたところにある。簡単に書くなら怒涛の「伏線」と「伏線回収」で以て映像の力に頼らない純粋な脚本力を視聴者に叩きつけてくれる。
『呑楽消しゴム』という物1つとってもとんでもない展開となる。世界に1つしかないものの、たかが落語家の呑楽(どんらく)を象っただけのキャラ消しだ。これが第1話で先ずナースの白川の所持品として登場し、何気なく小戸川にプレゼントされる。
これが16年前、ピューマの田中が親のクレジットカードを盗んでまで手に入れようとし結局、彼が手にすることはなかった曰く付きの品であることが第4話『田中革命』で明かされる。

【でもココがつまらない?:田中革命】
話変わるが、この田中革命というエピソードは本作を視聴継続するか切ってしまうかの分かれ目となるくらいアングラな内容だ。4話までに気になる謎を一時、全部ほっぽってサブキャラ同然の田中の過去話をモノローグ付きで掘り下げていく。それも要は幼少期の消しゴム集めから現在廃課金しているソシャゲの話────1つのことに熱中して見境がなくなるギークな猫人間を延々と描写するのだ。人によっては少しも感情移入できない「くだらない」話であり、その時は完全に作品のテンポを阻害していると思ってしまうだろう。しかし、そんな過去話も根気よく追っていけば現在の時間軸に繋がるのである。
{netabare}往来ど真ん中で歓喜の涙を流し叫んでいる田中。彼は歩きスマホでガチャを回し続け、念願の最高レアをそのタイミングで引き当てていた。そこを「たまたま」急いでいた小戸川のタクシーが接触ギリギリで通ってしまう。
飛び退いた拍子に側溝へ落として破損・水没してしまったスマホ。後日、端末を直してデータを復旧しても引き当てた最高レアは無かったことになっていた。
恨むべきはあんな所でガチャを回していた田中自身だろう。しかし、彼は「自業自得」ということで被った怒りを『呑楽消しゴム』の件で納めてしまっている。今回もそうするほど、できた人物ではない。
同じ日に可愛がっていたペットのオカメインコが死んでしまう。これも只、インコの天寿(15~6年)を全うしたに過ぎないのだが、田中にとってはどうして悲しい出来事が2ついっぺんにやってくるのか理解できない。この世に神様がいるのだとしたら刺し違えてでもこの悲しみや怒りをぶつけてやりたい。そんな破滅的な心境に陥る。
そしてペットを埋葬しようと木の下を掘ると、彼は見つけてしまう。引き金1つで人命を奪い取れる圧倒的な武器──「拳銃」──を。これまた偶然にもドブが小戸川の脅迫に持ち出した後、念入りに隠そうと木の下に埋めていた奴の持ち物であった。
只でさえ理性のタガが外れやすく、課金依存症の気もある田中という人物を丸々1話かけて描いた状態。当然──否、天命を受けたか──の様に拳銃を持ち出して街を彷徨う彼は、タクシーを走らせる小戸川を見つけると、ニタリと醜悪な笑顔をドアップで我々に見せつけるのである。
本来、どのキャラクターとも関係が無い田中が正に「運命のいたずら」によって群像劇の中心にいる主人公をつけ狙う“追跡者”として参戦。このいつ・どこで謂れのない恨みを買うのかが解らなくなるような、決して他人事ではない顛末には思わず怖気が走ってしまう。{/netabare}

【ココも面白い:「偶然」の8連鎖(2)】
このような偶然やキャラクター間の隠された関係は他にも沢山用意されており、とくに後者は「この2人が繋がっていたのか」「こんな因縁があったのか」と毎回、驚かされてしまうし、判明しない内に予想・考察するのも楽しい時間となる。
{netabare}ミステリーキッスのメンバーとマッチングし盲目の恋のまま貢ぎ続けていたら実はヤノの仕掛けた美人局(つつもたせ)で手酷くやられてしまう柿花、第1話で撮った小戸川との2ショット写真に偶々写ったドブのおかげでバズると調子に乗って私人逮捕系YouTuberの様な活動に傾倒してしまう樺沢太一(かばさわ たいち)、小戸川の羅列した番号で当てた10億円の宝くじをSNSで報告してしまいヤノとドブに狙われてしまう今井etc.{/netabare}
事件とはまるで無関係な一般人が風刺の効いた形でヤクザたちに絡む展開となっており、とくに迂闊なSNS利用は現実で最も頻発するトラブルであるだけにそのリアリティにも感服してしまう。

【そしてココがすごい!:真相を覆い隠した叙述トリック(1)】
偶然の連鎖から実に30匹弱もの動物キャラクターを1つの事件やヤクザの抗争に関わらせた壮大な群像劇。それが本作であるのだが、やはりストーリーを追う時点ではキャラが動物人間である意味合いが限りなく薄い。どうして主人公がセイウチで、他も人間ではないのだろうか。
{netabare}実は動物に見えているのは小戸川唯一人だけであり、彼らは始めから全員、人間だったのである。小戸川は幼い頃に培った人間不信と交通事故のショックで人間が動物に見えるようになってしまい、然れど都合が良いのでおよそ30年もその状態で生きてきた。この作品は動物が人間のように振る舞う世界観であるという思い込みを利用した「叙述トリック」を仕掛けていたのである。
これは勘の鋭い人なら序盤から気づけるが、鈍い人は恐らく最終話のタネ明かしまで気づくことはできない。私は中盤辺りでなんとなく察することができたのでまあ、普通くらいかな(笑) 2週目を観るとこの事実へのヒントが劇中随所に散りばめられていたことも解り、新たな発見に二度、驚く仕掛けにもなっている。{/netabare}
{netabare}さて、そんな叙述トリックが話のどこに関係するのかというと、思いっきりオチである。
ドブの『オッドタクシー作戦』をぶち壊し、ヤノ陣営に追われてタクシーごと海へ飛び込んだ小戸川。これが嘗ての交通事故に酷似していたおかげか、目を覚ますと正常な視界に──人物は全て人間に──戻っていた。
行方不明の女子高生は死体で上がり身元が判明。それはミステリーキッスのメンバーの1人・三矢ユキであり、劇中で活動していた三矢ユキは山本が用意した替え玉であった。
この替え玉こそ、本物の三矢ユキを殺した真犯人だったのである。{/netabare}

【そしてココがすごい!:真相を覆い隠した叙述トリック(2)】
{netabare}全てが彼女にとって都合良く事が運んだ。殺した三矢はリーダーの二階堂ルイが呼び出しており、動機も固い。なのでマネージャーの山本も心内ではルイが殺ったと思い込んでしまい、然れどミステリーキッス存続のために穏便に済まそうと後ろ楯のヤノ陣営と共に遺体を解体、海に投げ捨ててしまったのである(この義理があってミステリーキッスはヤノのシノギを一部、手伝うことになる)。
結果、真犯人に繋がる物的証拠が出る筈もなく、逮捕されたのはルイ・山本・ヤノ・関口の4人。真犯人=和田垣さくらは彼らにとって冤罪である殺人罪を擦り付けることに成功したのだった。
残るは自分が事件当日に事務所へ向かった証拠となる小戸川のタクシーにあったドライブレコーダーのみ──これは既に大門兄の手で押収されているので懸念しても手遅れなのだが和田垣には知る由もない──。彼女は芝公園で休憩する小戸川のタクシーに再び乗り込む。
これまで1度乗せた客を絶対に忘れなかった小戸川ももう彼女の顔を覚えていない。彼の類い稀なる「認識能力」は人間が動物に見えてしまう「病気」にあった。
本物の三矢も三矢を演じていた和田垣も同じ「黒猫」として見ていた小戸川にとって、人間の少女となった和田垣が自分を殺してレコーダーを奪い取ろうとしていることなど、微塵にも思わないのである。
『どちらまで?』と尋ねる小戸川に対し、後部座席に乗った和田垣がニッコリと微笑むところで、物語は締め括られる。{/netabare}

【他キャラ評】
ホモサピエンス(柴垣&馬場)
{netabare}一見無関係な人物がまさかの所で絡んでくる────という展開を連発する作品だからこそ「何か関係してきそうだけど最後までそこまで重要じゃなかった」キャラも笑って赦せてしまう。ホモサピエンスはそんな本作を彩り、視聴者をミスリードする漫才コンビだ。
彼ら自身が骨太なサイドストーリーの主役でもある。口は悪いがお笑いに対する熱い情熱で相方を引っ張っていく柴垣{しばがき}と、そこまで意識が高くなくとも相方を諌めつつ付いていこうとする馬場{ばば}。上京してからいまいちブレイクしない2人の仲は劇中で大きく歪んでしまう。{/netabare}
{netabare}「コンビ格差」というヤツであろう。ホモサピエンスとしてではなく馬場ピンでの仕事が舞い込み彼だけの人気が集中していく。まあみ○ぞん然りや○子然り、現実の芸能界の流行的に考えても当然な抜擢であろう。コンビで売るには柴垣のヒートアップ癖がそのまま炎上に繋がりそうで使う側も怖い(笑)
彼らは某漫才大会に勝ち上がりながら各々の仕事をこなしていくが、次第に馬場の方がネタ合わせの時間を確保出来なくなってしまう。弥の明後日{やのあさって}の予定まで訊く柴垣とそれを断る馬場の気まずさよ……。
元は相方に発破を掛ける意味で柴垣が宣言した“負けたら解散”も現実味を帯びてきてしまう。1人で売れている馬場はいつの間にか強気になっており、コンビ解散など何の脅しにもならなくなっていた。そして敗者復活戦当日、密かな相方への不満をぶちまける。

{netabare}『お前昔の方がオモロかったで……腐っていくお前もう見てられへんねん。今流行っているドラマも映画も売れてる芸人も全部『オモんない』って────それってもう“お前が”ズレてんねん』

『お前が漫才好きなんもよう知ってる。俺がそれの足引っ張ってんのもわかる。だからごめん柴垣……今日で解散させてくれ』{/netabare}

これがメンタルに来てしまったのか、柴垣は鉄板ネタの披露中になんとネタを飛ばしてしまい、復活戦敗退。ここまで追い込まれて柴垣はようやく自分が間違ってたことに気づいたのだろう。
自分は相方に厳しくしたかったんじゃない。そもそもそんなことするような上下関係じゃない。
1人お笑いで売れたいわけでもコンビで売れれば誰と組んでもいいわけでもない。素人でも柴垣1番の理解者である長嶋の誘いを蹴ったのもこれが理由だ。

自分が相方と一緒に漫才をやり続けたい。この気持ちをたった1度も相方に伝えたことがなかったんじゃないか、と。

コンビの顛末自体はエピローグの勢いに任せてダイジェストで流すという雑な作りになってしまっていたが、2キャラには本物の漫才師を起用したこともあって会話や漫才の空気を見事、再現しており本編そっちのけで中々、見応えがあったと評する。{/netabare}
{netabare}余談だがこの『ホモサピエンス』というコンビ名、思えば堂々と本編のネタばらしである『人間』を表しており、2週目を観てる途中で「そういうこと!?」と膝を打ったものだ。{/netabare}

二階堂ルイ(にかいどう - )
自分ケモナーではないんですけどね、可愛いねこのトイプードル娘! 今井がゾッコンなのもわかるわ~
神の視点だからこそアイドルではない彼女の裏の姿も見放題なのだが────殊勝。ファンを見下したり気持ち悪がったりすることはない、然れど自分たちミステリーキッスがのし上がるためにファンは食い物にしていかねばならない。もっと魅了してもっとお金を出させる。そのためのファンサービスは決して手を抜かないという心情の吐露はそのままファンへの売り物になりそうな健気さだ。
{netabare}それだけに三矢ユキへの「殺意」は本物であったことだけは残念。本物だからこそ遺体遺棄を手伝ってしまったのかな……もっと早く馬場と出会って「負けてもいい」という生き様を学んでいれば、遠回りでもアイドルの夢・武道館ライブを実現できたかも知れないのにね。ブタ箱に一度ぶちこまれた者はもう──
でも人間体の儚げな表情も良いよね!{/netabare}
【総評】
2、3度観ても飽き足らないスルメのようなアニメだと評する。
事件の概要は終わってしまえば大したものではなかったと言える。{netabare}アイドルの卵であった女子高生が同業者に殺され隠蔽される{/netabare}のは米花町では日常茶飯事以下のレベルであり、だからこそ多人数が個々の事情を抱えて参入する【群像劇】として本作は複雑化されているので観づらいといえば観づらいのかな、とも思えてしまう。
しかしその中心に主人公兼タクシードライバーの小戸川を置いて「言葉のプロレス」のような会話劇を繰り広げさせることにより、言わば『化物語』の様な聴いて楽しい作品として最期まで観客を惹き付けていく。
とくに皮肉屋な小戸川と負けん気の強い白川を象徴する『ジェネレーションギャップアピールいらねぇんだよ』から始まる2人の応酬は、絵面はセイウチとアルパカなものの“ひたらぎ”の様な関係性をも思い起こさせて好ましい。群像劇の中に漫才コンビを入れ込む辺り、脚本家は漫才がすごく好きなようで話の脱線具合が正にそれである。
見た目の世界観も話の牽引力を補強しており、マスコット的な動物たちの可愛らしい世界でありながら、それとは裏腹に物語の主軸はアウトローであるというアンバランスさが初めに物語にしっかり引き込んでくれる。
そういう風に視聴者を引き込んだところで──
主人公のトラウマとは何か?
ラジオで流れてきた事件の詳細は?
テンポよく会話するけれどもこの2人はそもそもどういう関係?
──といった数々の謎を掲示していく。本作への興味・関心が高まったタイミングでの掲示なので自ずと視聴者は謎にのめり込んでいく筈だ。
謎を紐解いていく中でもしっかり飽きさせない。上記した通りに会話は勿論、各キャラが持つ劣等感や正義などといった「感情」も綺麗に生々しく描かれているのがすごい。四十代で結婚したくてマッチングアプリを始めたり、負けるのが嫌で自分にも他人にも厳しくしてしまったり、さらにはSNS上での承認欲求が暴走してしまったり────と、とても現代的な自分の曲げられない信念が人間臭い感じで描かれているため、各登場人物のキャラクター性が確り立っており感情移入も容易なのである。
だからこそ本作は声優や作画といった要素をウリにせず、且つ話題性を獲るための実験的な試みを随所に入れている。そのどれもが失敗しない程度の「計算」をされていて秀逸と言えるだろう。ミステリー兼サスペンスというジャンルで作画がポップでもBGMや主題歌で雰囲気を作れば全然許容される。芸人役には本物のお笑い芸人、双子の兄弟役には本物の双子、そしてラップ調で喋るキャラには本物のラッパーを起用することで声優初挑戦ながらその違和感が殆ど伝わってこないよう配慮されていた。
ここぞという主要キャラにはちゃんと本職の方々を起用しているが、こちらも驚き。41歳の小戸川に声を当てるのはあの花江夏樹であり、いつもの少年役ではなく見事、皮肉屋なおっさん声を再現していた。彼の意外に広い演技幅も見所──否、聴き所──の一部であろう。
本作を肉付けするサイドストーリーは観づらさの要因になっているかも知れないが、「これなしでもOK・より楽しむために」という精神を忘れないながらにしっかりと核心を突いてきており、個人的には脱帽ものだ。だからこそ謎が解かれた2周目・3周目といった繰り返しの視聴の度に本作はより味わい深いものとなっている。
決め手は最後の大どんでん返し。その内容も予想の範囲内レベルではなく革新的。何より伏線をほぼ全て回収して視聴者を驚嘆させてくれる。この綺麗な終わらせ方はジャンル違いながら『魔法少女まどか☆マギカ』を彷彿とさせるものがあり、何よりあちらと違ってゾクゾクと怖気が走るようなオチとなっている。これはアニメ界でもかなり珍しい。
それ故に総集編兼続編となる『オッドタクシー インザウッズ』は蛇足感漂うが、残された謎を回収するならあちらを続けて観るのも乙である。そしてオーディオドラマ『幸せのボールペン』。これは絶対試聴して欲しい。各キャラのさらなる掘り下げ、謎を解く鍵、そして本作の秀逸なオチに箔がつく。YouTubeで無料公開されているので本作と合わせて楽しんでもらいたい。

投稿 : 2024/05/04
閲覧 : 132
サンキュー:

8

ネタバレ

gafa1234 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

41歳厄年!わかる重なるトラブル。

私も厄年は酷かったー
オドさんには共感するよ!笑

自分の厄年エピソードと共通項いっぱい・・・
(私はドライバー業ではないけど)

勤め先のボスに振り回されてトラブル続き、自分も期待してない仕事で謎のバズり、ボスの取り巻きから無理難題ばかり、更に倅のイジメ被害も学校に隠蔽されて、どっから湧いてきたか精神病んだ旧知の人から被害妄想で脅迫されるわ、いろいろ重なりボロボロで潰れた途端、ボス命令で行った仕事が世間の大バッシング受ける痛恨!周囲からは何もかもの責任を押し付けられたりと、もうメチャクチャだった。

実際に身の回りに起きたものは、大人の嗜みとして特定材料は書かないと心得ているが、とにかくオッドタクシーの登場人物には親近感。ほんと分かる。

そんな厄年を通じて、理不尽と自己顕示欲と承認欲求は「トラブル生産」と「身に覚えのない噂」と「多方面の八つ当たり」を呼ぶと、あらためて痛感。

ただ、厄年で再発見した良いこともある。

理不尽に立ち向かう勇気を持てた自身への納得感、そして共に困難を協力した伴侶の有り難さ、多方面で共闘したくれた「まとも」な友人の存在。

本作のラストシーンを見て、倅をいじめたガキもこんな感じの「自己中」だろうな、と続くトラブルへの匂わせを受けて、自分も心を引き締めるのであった。

厄年3人組、仕事エピソード、小学校3年、メンクリ、見ていて共通項は尽きないけど、とにかく「後ろめたくない生きかた」をしてれば、大体なんとかなる。

と、書いてて思ったが、自分もお疲れ様でしたー

会社と学校とメンヘラはやっぱ公的機関に通報しよ。

投稿 : 2024/01/01
閲覧 : 58
サンキュー:

2

ネタバレ

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:----

東京の街の人々の群像劇。傑作ミステリー。

街に暮らす人々がみんな動物の顔をした世界観で生きるタクシー運転手が主人公で様々な客を乗せていくことで物語が進行していく群像劇。脚本と台詞回しが秀逸でした。もうどんどん引かれますし、伏線も色んなところにしかれていて完璧で、無駄が全然なかった。

キャラクターは動物になっているのでポップで可愛い感じなんですが、中身はもうドロドロで何が裏で動いているのかわからなくなって怖くなる、色々なことが同時に展開していくミステリーで、いい感じにイヤラシさがないのでとっても見やすいですし、可愛いキャラクターたちに愛着も湧いて楽しめました。かなり中身があるアニメで、後半の展開も怒涛でした。様々な謎があるアニメで、その回収の仕方も凝っていて、匂わせ方も、最終話に至るまでの感情の寄せ方も良かったです。

{netabare}
そして最後……。ああ、こういうことだったのか、いやでもまだ回収できてなくないか、と思わせておいたところで裏切ってくるとは……。とっても衝撃的でした。~ {/netabare}いやあ、これだけの内容があるとは。どんでん返しとも言える内容で期待以上の出来でした。声優さんの演技もリアリティ重視のこの世界観にマッチしていてよかったです。1クールアニメでずっと楽しめるアニメのベストの一つ。

投稿 : 2023/11/03
閲覧 : 93
サンキュー:

1

ネタバレ

カール さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

承認要求が強いほどサンキュー獲得に必死な説

「動物さん大集合よ~♪」
そうやってお子さんと一緒に視聴すると、

脅迫、暴力、美人局、遺体処理、殺人など、
世の中の黒い部分が
ドロドロ出て来るものだから、

「ちょっと早かったかな~」
と、親御さんは慌てて、
アンパンマンの動画にチェンジする。

「見てくれだけで判断してはダメ」
という、
お子さんの情操教育にも
もってこいの本作品。

内容はといいますと、
個人タクシーの一般ドライバーが、
ヤクザのいざこざに巻き込まれながらも、

洞察力と皮肉めいた会話術で、
悪党どもを一網打尽にするお話。

テレビの2時間サスペンスでも
やってそうな内容ですが、
2時間では収まりきれないボリューム。

一応13話で解決していますが、
所々腑に落ちない点や、
そもそも話の締めが不穏な感じ。

すっきりしたい方は、
「劇場版見てね」という、
いわゆる「あのね商法」丸出しですが、
TV版だけでも十分楽しめると思います。

ただ、こういった作品は、
明確に表現しないことで、
考察というかこじつけし放題なので、
人によって話の深みも増していきます。

例えば、
本作品の真犯人でありラスボスの
和田垣さくら。

アイドルオーディションに落ちても、
「グループに入れろ」と直談判。
一見すると自信家で行動力の化身なのだか、
その反面、異常なまでに自己肯定感が低い。

-ずっと母親に迷惑をかけている。
私なんか何の取り柄もない。
消えてしまいたい……-

同一人物とは思えないほど、
気持ちの振り幅が大きい。
こんなふうに彼女を作り上げたのは、
一体誰なのか?

最も怪しいのはやはり母親である。

-夢破れたお母さんからしたら、
あんたは眩しい。
どんな手を使ってでも、
夢を叶えなければいけない-

親からの教訓にしては、
なかなか物騒なことを言っていますが、
実際に娘は、
物騒な手段で夢を叶えてしまいます。

そういえばもう一人、
自己肯定感が低いのに、
目立ちたがり屋がいましたね。
SNS中毒でドブを追っていた樺沢太一です。

あっさりと返り討ちにあい、
その流れからなぜか、
ドブからカウンセリングの体をした
誘導尋問がなされます。

ドブの言葉通りに内省し動機を語る樺沢。

-注目されたかった……-

項垂れる樺沢にドブは更に深掘りします。

Q.どうして注目されたいのか
A.他人から認めてもらいたいから

Q.なぜ他人から認めてもらいたいのか
A.自己肯定感が低いから

-自信が無いから、
自分で自分を認められない。
そのくせ、
自己愛だけは人一倍強い-

ドブの言葉に感化された樺沢の本音は、

-こんな自分が大嫌いで、
消えてしまいたい……-

和田垣さくらと同じことを言っています。
そして、
彼女も樺沢同様に「目立ちたい」
承認要求モンスター。

こんな樺沢が抱える問題に対し
ドブの応えは、

-不特定多数ではない、
自分が信じられる、
尊敬できるメンターを探せ。
評価の軸があればブレない。

それが難しければ自己承認。
自分で自分を認めること-

樺沢はドブからの教訓に目が覚め、
過去を精算し新しい評価基準を模索します。
ただしそのセミナー料として、
全財産をドブに差し出すのですが。

樺沢にとってドブは、
メンターではないにしろ、
完全にドブに操られているのは明白です。

では同様に、
自己肯定感が低くて目立ちたがり屋の、
和田垣さくらはどうなんでしょう。

彼女の軸は全くブレません。
殺し屋でもない普通の女の子が、
「消えてしまいたい」と呟く彼女が、
夢のために躊躇せず人を殺すのです。

彼女は全て自分の意志で動いていたのか。
それとも、
メンターの言葉で操られていたのか。

実行犯は和田垣さくらですが、
この事件は本当に、
彼女一人の犯行なんでしょうか。

「どんな手を使ってでも
夢を叶えてみせる」
次のターゲットを決め、
スマホ越しに母親へ伝える彼女。

そんな娘の言葉を聞く母親の心情は、
一体どのようなものなのでしょう。
下手すると
この物語が根底からひっくり返る。

夢見る少女のサクセスストーリーは、
夢破れた母親の復讐劇へと変貌する。

果たしてその真実は!



続きが気になる方はサンキューしてね♪
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


ありがとうございました。

投稿 : 2023/09/23
閲覧 : 116
サンキュー:

1

ネタバレ

ララフェル さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ネタバレ厳禁のアニメ。

可愛い絵。
変わったキャラ達。
全てに隠された伏線の回収。
最終話まで見るべき。

投稿 : 2023/09/14
閲覧 : 77
サンキュー:

2

ネタバレ

ウィスタリア さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

まさかの結末!

キャラが動物だからどんな事件起こしてもいいのか?人間だったらやばいな…と思いながらがら見ていたけど、まさか最終回に全てがひっくり返されるとは…。しかも結局本当の犯人つかまってないし。小戸川狙われたままだし。でも怖いのは苦手なので、動物のままでよかったです。OPがめっちゃ好き。

投稿 : 2023/09/13
閲覧 : 88
サンキュー:

1

ネタバレ

ゆーしゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観たい

最後までミステリー

動物ミステリー。
色んな登場人物出てきて最後まで面白くみれました。
主人公に感情移入しにくい分、途中で折れそうになりますがw
後半の回収は完璧で、そのへんの作画が綺麗なアニメよりキレイにまとまって完結してます(*´꒳`*)

投稿 : 2023/08/13
閲覧 : 93
サンキュー:

1

ネタバレ

fBAtg62143 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

群像劇として面白かった。

個人的に今まで面白かった群像劇アニメは成田作品位だったが、この作品はそれらに負けない位ストーリーや個々人で動く各キャラの繋がりや様々な伏線が終盤で綺麗に回収されて行くのは非常に楽しめた。
また各キャラが動物であることもキャラへの理解を手伝うだけでなく、多くの登場人物が登場する群像劇において、誰が誰か分からなくなるのを防いでいて良かった。

個人的に少し気になったのが2点。
1点目は終盤も終盤、主人公を中心に1箇所(というにはちょっと広いが)に集うシーンが今まで群像劇として各キャラの行動を丁寧に描いて来た本作においてこのシーンだけは、何故全員そこに集まった?となった。
2点目はTV放映版しか見てないのでラストのシーンが中途半端に終わるのが気になった。
どちらもラスト付近なのでちょっと詰めが甘いように感じた。

群像劇として凄い面白いという評判だけは聞いていて、再放送時に実際に見てみると、ラスト付近に気になる所はあるがそれでも評判通りに面白い作品だった。

投稿 : 2023/07/16
閲覧 : 87
サンキュー:

3

ネタバレ

ラスト さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

観れば観るほど引き込まれる展開

鑑賞する前はこの作風でサスペンス?ほのぼの系のアニメじゃないの?って思っていたのですが、期待をいい意味で裏切られましたね。
タクシーに乗る乗客一人一人が物語全体に大きく関わっていくようになっている主人公を中心とした物語には強く引き込まれました。この作品はサスペンスですが、物語の真相が気になって仕方なく、どんどん次の話を見たくなりましたね。声優の配役、演技も素晴らしかったです。キャラクターも、アニメ作品ではありながら、どこか現実味のある感じで親近感がわきました。おすすめしたい作品です。

投稿 : 2023/07/16
閲覧 : 80
サンキュー:

4

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ひとりひとりが主人公。

【概要】

アニメーション制作:P.I.C.S.、OLM Team Yoshioka
2021年4月6日 - 6月29日に放映された全13話のTVアニメ。

監督は、木下麦。

【あらすじ】

家族がいない41歳独身の個人タクシー運転手の小戸川宏。
彼は東京住まいで渋谷や新宿などで客を乗せている。愛想の無い彼は、
ときには行きつけの居酒屋でママを相手に会話しながら飲み食いをしている。
また、不眠症であるのと小戸川の目に見える世界が他人と全く違ってるため、
個人病院に通院している。友人が少ないながらもそれなりに楽しく生きている。

その小戸川のタクシーの乗客であるいろんな職種の人々、そして小戸川自身が、
ニュースで報道されている練馬の女子高生失踪事件に絡んで、
繊維を束ねたロープのように繋がっていくのだった。

【感想】

ミステリーで引っ張って物語の続きが気になるタイプの群像劇。
面白いこと言ってやろうとのくどい台詞回しがやや鼻につく傾向がありますが、
そこを否定しちゃうと作品の良さも全否定になってしまいますね。
お笑い芸人を多数起用したネタだらけの軽妙な会話が持ち味のアニメですね。

シュールさが強めの会話の何気ない一言、背景にある小物が実はこうだったなど、
伏線がいたるところに散りばめられていて、それが回収されていくのは、
考察好きのアニメファンにウケそうなスタイル。

擬人化された動物のビジュアルで『100日間生きたワニ』かよ!?
と最初は敬遠しそうになりながらも、
実際に観てみたら全く違っていて、チュンソフトの『街』『428』みたく、
学生やアイドルなどの芸能人や警察の人や反社など登場人物のひとりひとりが、
それぞれの人生の主役であって、それぞれの視点で物語があって、
繋がりのあったり無かったりする個々のキャラクターの決断や偶然が、
相互に作用して複雑に積み重なってラストまで繋がっていく、
ヒューマンドラマとサスペンスでありネタバラシのターンでは衝撃の展開もあります。

また、最終回のクライマックスに該当するアレが『街』のラストの花火と役割が一致していて、
脚本の此元和津也氏は、『街』をプレイしてないですか?と断定しそうになりますね。

動物の擬人化キャラのアニメですが、仮にリアルな人間を描いてる作画でやったら、
18歳の小娘に入れあげて金持ちだと嘘をつく41歳の貧乏な禿げたオジサンの話であるとか、
事件の真相に迫る回想シーンでのエグさとか、見るに堪えない部分が一部にありまして、
デフォルメ化された動物のビジュアルだからこそセーフであったりでして、
また。キャラクターが人間でなくて動物であることにも意味がありまして、
その種明かしからの不穏さを残すまでのエピローグの構成が上手かったと思います。

本編を見てるだけでは解らない部分もある御都合主義的さも部分的に存在する脚本ですが、
そこは小説やオーディオドラマなどで補完すれば良いのでしょうか?

拾った拳銃で人を撃っておいて銃刀法違反と殺人未遂に問われることもなく、
社会復帰してるキャラがいたり、
作中ではスルーされているのですが、来年の4000万円近い所得税が待っていて、
支払い能力が無いとネットで考察されているキャラがいたりでして、
現実と照らし合わせると、この終わり方で良いのかな?と思わないでもないですが、
小戸川の物語の終わり方としてはめでたしめでたしで順当でしょうか?
と言いつつも最後の最後で不穏さを残すシーンで終わり、その続きは映画までお預けですけどね。

個人の好みで言うとキャラデザで一見敬遠しがちですが、
懐かしのサウンドノベルみたいな構成のストーリーを、
アイドルとファンの距離感の近さとかソシャゲ中毒者の凶行などの、
令和の世相?をネタとして絡めてまとめあげた良作ではあると思います。

未見の人がいましたら予備知識無しで予測不可能な状態で楽しむのが良いと思いました。


これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました

投稿 : 2023/06/18
閲覧 : 193
サンキュー:

42

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

どちらまで?

 全13話。

 いや~思ってた以上に面白かったです!本格的なミステリー・サスペンスでしたね。可愛らしい動物のデザインに反して、中身は結構ダーク。ファンタジーの世界ではなくあくまで現実に即しています。

 一応主人公は小戸川さんなんですが、本作はいろんな人に焦点を当てた群像劇となります。色んな人がいますが、彼らに共通しているのが「承認欲求」ですね。いいねをとるために、バズるためにあらゆる手段を取る人、婚活アプリで出会った人に虚勢を張る人、皆に認められるために10万円の消しゴムを買おうとし(失敗しましたが)、アプリに500万円以上課金したり、、、人間の闇を垣間見たような気がしました。

 あとは駆け引きがスゴイです。小戸川さん、ヤクザに対しても物怖じず交渉を持ちかけてきて、的確に情報を引き立てる、、、一見平穏を望む男に見えて大胆なハートを持ち合わせてますね。

 最初色んな人が様々なことをしていますが、それが一つに繋がっているのがスゴイですね。最初に示された女子高生失踪事件から始まり、それから小戸川さん、アイドルたち、ヤクザ、柿花、剛力、白川さん、、、などなど、最後にすべてがつながる感じが爽快でした。そして爽快と共に恐怖や闇も増していくという、、、

 最終話まで見て、、、最終話が素晴らしかった。これって実写のドラマでもいいんじゃね?って途中思ってましたけど、最終話まで見て、あ、これってアニメが一番いいわ、って思わせてくるあたりが素晴らしい。動物のデザインにも意味があったんですね。
 そして最後のシーンもグッド。一見平和に戻った、、、かと思いきや、、、?ゾッとしました。ああいう不穏なラスト、なかなかお目にかかれないです。一昔前のホラー、ミステリーの海外映画のような、含みを持たせたラスト、大好きです。

 本編も良いんですが、ラジオもおすすめです。本編をより一層深めてくれるので。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2023/03/25
閲覧 : 532
サンキュー:

48

ネタバレ

ペンギン丸 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

カポエイラ

面白くて一気見した。台詞回しが独特でツボにハマる。なんとなく池袋ウエストゲートパークっぽさを感じた作品。
ホラー映画みたいなラストも好き。秀作でした。

投稿 : 2023/03/05
閲覧 : 107
サンキュー:

4

ネタバレ

はろい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

あにこれが無かったら一生観なかったようなアニメです。

まず絵の雰囲気から観る気がしませんが、80点以上は一度は試そうという気持ちでみました。

ラスト以外は好きで面白いですが、ラストの部分をオチとして物語の評価をつけるとしたら、★0.5ぐらいにしたいぐらいです。

気になって映画のラストも観ましたが、あの流れを最後に持ってきた事が不快です。


多分、他の人も書く感想だと思いますが、雰囲気は伊坂幸太郎です。

参考になるか分かりませんが、
・フィッシュストーリー
・重力ピエロ
・ポテチ
は好きです。

・アヒルと鴨の
・グラスホッパー
・ゴールデンスランバー

は好きではありません。

投稿 : 2023/01/16
閲覧 : 213
サンキュー:

6

ネタバレ

yut さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

ストーリーがうまくまとまっていて面白かった。いろんなキャラが現代のいろいろな問題に直面し、それが最後ひとつに繋がる感じ。白川さんがかわいい。

投稿 : 2022/11/11
閲覧 : 87
サンキュー:

4

ネタバレ

pino さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

まともなのは

ゴリラの医者だけですな。

ホモサピは結構出番がある割に
大して重要じゃないからいらなかったのでは。

サスペンス的には面白かったけど
結末がイマイチだったので物語の評価はプラマイゼロで。

投稿 : 2022/10/25
閲覧 : 131
サンキュー:

4

ネタバレ

なばてあ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

キレイはキタナイ、キタナイはキレイ

ネタバレせずに見られた自分はとても幸せだったと思う。

とてつもなく出来の良い作品。クライムサスペンス+ハードボイルドなストーリーはきわめて上質で、1秒ごとにしっかりとした質料を積んでいく。伏線を丁寧に敷き詰めつつ、それらを最終話のとあるシーンですべて一気に回収する。良く出来たハリウッド映画的なウェルメイド感。

敢えて難をいえば、なぜスタッフはこのストーリーをアニメーションというメディアで再現しようと思ったのかという疑問がずっと脳内を回り続けることくらい。それはでも、1秒ごとに感動させられるということで、煩わしくもあり、嬉しくもあり、という感じ。

そのウェルメイドなストーリーを、このオフセット感あふれる、もしくはリミテッド味満載な作画で綴るからもうたまらない。たとえば『{netabare}攻殻機動隊{/netabare}』的な作画で仕上げることもできたと思うけれど、そうしなかったことが正解としか。なぜなら{netabare}このストーリーと作画のズレさえも伏線になっているから{/netabare}。

プレスコ特有のタイム感でセリフのいちいちが気持ちいい。なんとなく『{netabare}じゃりン子チエ{/netabare}』を想起したけれど、それはたぶんわたしだけではないだろう(理由は明白)。ともあれ、芸人さんの台詞回しが心地よくて気持ち良くなってしまって、ついついとお話が進んでしまうのに慌ててしまうほど。

劇伴もOP、EDも抜かりなく。とにかくどこを切り取っても破綻しないクオリティコントロールに舌を巻くほか、ない。とにかく{netabare}白川さんがかわいくて{/netabare}しかたなさすぎる。オトナなアニメ。ちゃんとこの作品がおもしろいと思える自分になれていて良かったなあと心の底から安堵する。なんだか褒めちぎってばっかりだけど、致し方なく。

衝撃:★★★★★
独創:★★★★★
洗練:★★★★☆
機微:★★★★☆
余韻:★★★★☆

投稿 : 2022/09/20
閲覧 : 160
サンキュー:

6

ネタバレ

maki3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:----

良い感じにまとまったストーリー

色々なキャラが入り混じった群像劇のような作品
キャラの絡め方が上手く面白い
バッカーノとか好きなら見るといいかもしれない

いい味をしたキャラが多い
ドブとシラカワがお気に入り
キャラ同士の掛け合いも面白く特に「新大阪の喫煙所」がめちゃくちゃツボった
妙に高い語彙力&ボキャブラリーと突っ込み力のあるオドカワも面白い

何気に芸人二人の声優としてのスキルが高く非常に良かった

ストーリーとしては完全に解決はしておらず続きは劇場版で
といった終わり方をしてモヤっとするのが残念
配信されたら劇場版も是非見たい

投稿 : 2022/08/23
閲覧 : 175
サンキュー:

5

ネタバレ

テングタケ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

もしリアルタイムで観ていたら、

多分数話で切っていたでしょう。
ふざけたような絵柄に、無愛想で共感できない主人公、どいつもこいつもクセがあって好感が持てないキャラたち、私の好みじゃないラップ系のOP&ED…。
それでも私が最後まで観れたのは、アニコレで本作が良くできたミステリーだと分かっていたから。ありがとう、アニコレ。
で、評判に違わぬ良い出来でした。あちこちで勝手に動いているキャラ達がうまく一つのストーリーに絡まってくる構成力の高さが見事です。
前述のようにキャラたちは皆クセが強く、客に対して常に無礼な主人公、承認欲求のウザいカバ、見え張って婚活するサル、職場から薬を盗むナース、売れないくせに態度デカい芸人、悪党とズブズブの警官、ぶっ壊れの廃課金野郎、美人局をする小娘、ラップがウザすぎる小悪党など、どいつもこいつも死んでどうぞという奴らばかりです。ですが、最後には皆落ち着くところに落ち着いて、ああ良かったねと素直に思えました。
そんな中で、ダブという悪党がかなりオイシイキャラでしたね。本作の面白さは彼に依っている部分が大かも。
ミステリーとしては、なんかすごい偶然が重なりすぎているような気がしますが、まあ面白かったからOKでしょう。本作最大のトリックは、本筋とあんまり関係ないような気がしますが、それも面白かったからOK。雑な感想でスミマセン。ストーリーの発端である女子高生殺人事件の真相が適当な感じだったのはちょっと残念。

投稿 : 2022/07/09
閲覧 : 177
サンキュー:

5

ネタバレ

エイ8 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

たくさんのミステリーとファンタジー

『オッドタクシー』(ODDTAXI)は、P.I.C.SとOLMの共同制作による日本のテレビアニメ作品。2021年4月から6月までテレビ東京ほかにて放送された
『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』のタイトルで2022年4月1日に劇場公開予定。配給はアスミック・エース。テレビシリーズのスタッフやキャストが再集結し全13話を小戸川に関わった登場人物の証言という形で再構成するほか、最終話の後日談も描かれる(wikipedia)

あにこれ2021年春のテレビアニメランキングで長らく一位だったVivyを抜きいつの間にか一位になっていた作品(2022年4月4日現在)。
本作品は伏線ものであり、一話から最終話まで完全にプロットを組み込まれた作りとなっている。舞台はやや箱庭でご都合主義的な展開も少なくないが、ここ最近の伏線ものの中ではかなり良くできた部類であると言える。

主人公の小戸川宏はセイウチのタクシードライバー(41歳)。舞台は概ね彼の視点を通して描かれることになるが、厳密に言うと彼の視点外のものも彼の視点に合わせられている。未視聴の方なら「何?その変な言い回し」と思われるだろうが視聴済みの方にはわかってもらえると思う。(ネタバレ扱いのレビューなので核心を避けるつもりは無いが、とりあえず今は婉曲的な表現に留めておこうと思う。)
個人的にはセイウチがオッド何とかとも呼ばれていることをうっすら知っていたため改めて調べてみるとodobenusというのがセイウチ科の標準属の名称のようだ。セイウチそのものの学名はOdobenus rosmarusで、小戸川が「odokawa」なのも彼がセイウチなのもこれに合わせられている……のだと思っていたら、終盤にoddの意味の方だという事が明らかになった。というかタイトルの時点でよくみたら「ODDTAXI」……ただまあ、全体の構成から言っても彼がセイウチなのは語呂合わせによるとは思う。

小戸川はかなり寡黙で孤独なタイプだが、それでも友人と呼べる人物がいる。その一人が医者の剛力歩……え?「あゆむ」って言うの?彼……ねえ君はもう~友達じゃな~い♪――いや、「友達だからだ!」。逆に言うと友達より大事な人でもない、そちらの方は白川さんに任せよう(願望)。
とは言いつつも剛力は親友レベルの行動力で小戸川を救おうと尽力するわけだが、一方でもう一人の友人である柿花の方は小戸川の方が助ける展開となるのだから面白い。友人の数自体は少ない小戸川だが、ちゃんと「持ちつ持たれつ」の関係性を築けている。
そのもう一人の友人である柿花英二の方は、まあわかりやすいうだつの上がらない中年で、考え方も実に短絡的。逆に言えばそれぐらい人生を追い込まれてると言っていいのかもしれない。マッチングアプリで自分を高めに設定する……というのはあるあるなのだろうが、虚像の自分で18歳相手にプロポーズしようと思える度胸はある意味中々のもの。結果的に借金をこさえて怖いお兄さん達に追い回されるわ、狙ってた子が美人局(つつもたせ)で命まで取られかけるわと散々な目に合う。それにしても美人局って命まで取られる展開になるの?怖すぎなんですけど。

この二人はともかくドブこと溝口恭平と小戸川が過去にどういった関係だったかは作中では(多分)明らかにされていない。今度映画化されるそうなのでその時に明らかになる可能性はある。かなりやり手のチンピラで警察ともパイプを持つわ銀行員すら従わせてるわのチートキャラ。相当のワルだが一方で最低限の筋は守るという憎み切れないキャラ設定でもある。白川さんがハマったのも正直わからなくもない。一方で何故彼が一匹狼を気取ってるのかよくわからない。ヤノなんかより遥かに人望ありそうなんだけどな。それにしてもドブの由来って、まさか溝(ミゾ)口から来てる?

登場人物達の関係性はかなり複雑に入り組んでいるのだが、その中でも田中一は作中のジョーカー役として場をひっかきまわすと同時に締めてもいる。彼はほんの些細な偶然の積み重ねで小戸川の命を狙うことになるのだが、彼の名前を見ても本質的にモブ属性のキャラでも何かを起こせる、ということが言いたかったのかもしれない(現実の田中一さんごめんなさい)。ただわからなかった点が二つ。一点は彼がどうやって三矢ユキ(唐揚げ)と関係性を築いたのかということ。もう一点は、どうやってお咎めなしで社会復帰できたのかということだ。この辺も映画で回収されたらいいなとは思う。

キャラによって名が体を表す場合とそうでない場合があるのは気になった。先述した田中一などはわざと特徴のない名前にしたのだと思うが主要キャラで言うなら柿花英二、これはちょっとわからなかった。柿とサルという事で「さるかに合戦」辺りと関係ありそうな気もしたけどあまり関連性を見つけられない。柿の花についても色々調べてみたが、存在が地味なことぐらいしか関連性があるようには見えない。そもそも何故わざわざ「シロテテナガザル」なのか。ただの猿ないしはテナガザルじゃダメだったのか、地味に気になるところではある。

ミステリーキッスの二階堂ルイ、市村しほ、三矢ユキ……順に2,1,3なのは単に立ち位置左から順にということなのだと思う。一方で和田垣さくら……さくらは所謂「やらせ」な感じがするが和田垣に意味はあるのだろうか、これも少し気になるところではある。

他の樺沢太一は明確に「カバ」だろうし、警察の大門兄弟はまあ、過去の名作刑事ドラマの大門刑事から来てると思われる。白川美保は白衣ナース兼アルパカだろうし剛力歩はゴリラ(場合によっては本当に例の歌の歌詞をオマージュしてる可能性もある)だろうが、残りはほとんど関連性が見当たらない。原田タエ子、今井旬、山本冬樹、関口東吾それにホモサピエンスの二人……ちょっと自分ではわからなかった。ひょっとしたら大門のように何かの作品のオマージュなのだろうか?ヤノは何となくハリ(彼はヤマアラシ)と矢がかかってる感じがするが……

登場人物が皆動物の姿で描かれているのは最初は作品をマイルドに見せるためだと思っていたのだが、実はちゃんとした理由があったことは素直に驚いた。確かに作品を見ていると何故柿花の後姿がわからないのだとか、親子で種族が違うのは何故かといった謎描写は仕込まれていた。白川にアルパカはあんただけと指摘した時もスルーされていたとか色々あった。お笑いコンビ名が「ホモサピエンス」なのも人間がいない世界だからと思い込ませるミスリードも大したものだと思った。

本作では声優としてお笑い芸人が多数採用されているが、個人的に発見だったのはお笑いコンビ「ホモサピエンス」役のダイアンがやけに上手だったことだ。津田の方はアニメに向く声だなというのは元から思っていたが、むしろ西澤の方がハマッていたのは意外だった。技術的な事云々より声質や間の取り方がちゃんとサマになっていたのだ。古くで言うと「じゃりン子チエ」のテツ役をしていた西川のりおのような奇妙なハマり役だった。一方で樺沢太一役のトレンディエンジェルたかしや原田タエ子役の森三中村上はよくある芸能人が声役やってみました的で、ある種の味があったと言えなくもないが正直作品としてはマイナス要素。もっとも彼等芸人からしたら声優として貶されても痛くもかゆくもないというか、むしろ褒められる方が屈辱ぐらい思ってそうではあるが。

本作品はたくさんのミステリーとファンタジーに彩られている。場合によっては、公園を掘って銃を発見する人もいるかもしれない。10億当たる人やカリスマインフルエンサーになってモテる人もいるかもしれない。ずっと韻を踏むことに執心するヤクザもいるかもしれないし、本当に人間が動物に見えてる人だっているかもしれない。ただ一つだけ、しがない40代のおっさんのために命懸けで助けてくれる20代美女ナース、これだけはぜ~~~ったいにありえないことだからおじさん達は期待しちゃダメだよ!あるとしてもそれは美人局だからね!

投稿 : 2022/04/04
閲覧 : 213
サンキュー:

12

ネタバレ

やまだいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

エンディングまで切るんじゃない

待ってほしい。オープニングで切るには早い。
確かに最初に見た時は、なんだこの動物アニメは? 謎アニメ化作か? と思うかもしれないがそうではない。

主人公は人間のタクシー運転手。見た目動物なのは主人公がそういう精神的な疾患を抱えているからそう見えるという理由がある。
それを絡めながらも、メインとなるのはクライムサスペンスとでも言うべき悪人達を交えての金を巡る攻防戦だ。
複雑に張り巡らされた伏線に、大勢の思惑が交錯する人間ドラマ。主人公の人が動物に見える疾患も単純なデメリットではなくメリットになることもあるのが楽しい。
次回への引きも強く、早く次を見たくなってくる。

完成度も高く、最後まで崩れない。お勧めの作品です。

投稿 : 2022/02/19
閲覧 : 251
サンキュー:

7

ネタバレ

napi さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

全てがいい!

絵、ストーリー、声優キャスト、キャラクター、ジョーク、全てが良かった。最後の最後、どんでん返しも。間違いなく2021年マイベストです。

投稿 : 2022/02/03
閲覧 : 180
サンキュー:

3

ネタバレ

ハニワピンコ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

二日連続の衝撃に負けた

放送時は見ていなかったが、めちゃくちゃ面白いと聞いて視聴。こういう会話系サスペンスは好みなので毎話毎話楽しんで見れた

普通に物語を展開しながら、真っ当に伏線を張り、真っ当に回収していく作品
洋画の"伏線回収が凄い!"とか、"どんでん返しを謳ってる系"って「実は最初からこうだったんだぜ」ってのが多かったので、逆に新鮮だった

↑これ、最終話見る前にウキウキで書いてた感想。見事にひっくり返されたね。マジで気付かなかった。これもまた「実は最初からこうだったんだぜ」系でした。でも、この作品は、途中に出てきたキャラを使い捨てすることが全く無く、ここまで繋げてくるかと思わせる作品だった。しかも、その繋げ方が、サラッと張っていた伏線を1からセリフで説明させずとも理解しやすい形で自然に介入させたりと、とても上手い仕様だった。その点では、後出しとも言われかねない「実は最初からこうだったんだぜ」系とも一線を画すと思う

余談
※とあるデビッド・フィンチャー作品のネタバレあり
{netabare} この作品の最終話を見る前日に『ファイトクラブ』を初見した。めちゃくちゃ面白かった。そして次の日に『オッドタクシー』を見た。自分の今目の前に写ってる物がホンモノかどうか疑わしくなりました {/netabare}

ここまで手放しで褒めてたけれど、正直「最終話見るまでに書いた感想」の熱のまま最終話を見終えたかと言われれば微妙

まず、ラストの真犯人の存在
自分は、矢野のマッチポンプ辺りを予想してたけれど、矢野は予想よりもずっと小物だった。それまで、ヤクザ関連で色々と起こっていたと思ったら、実は一人の少女の手のひらの上でしたってなんか釈然としないかな
もちろん、これも謎として物語の一つにしっかりと組み込まれて、車内カメラの映像とか、タクシーにGPSを仕込んだ犯人とかの伏線があったけれど、ヤクザ関連と一人の少女のスケールの違いとなると、小さく見えるのはしょうがない。それを黙らせる伏線がアレばこういう意見も出なかったかもしれないけれど、監視カメラに関しては、ラストにチョロっとだけだし、そもそもちゃんと写ってるかも不明。GPSに至ってはかなり運ゲーかましてるように思える

そしてラストの後日談も、終始小戸川を狙ってた奴も何故か普通に社会復帰してるし、漫才コンビも普通に復活してるしと、特に銃持って暴れた奴は何でラスト自殺しそうだったのに、普通に生きて普通に生活してるのか読み取れなかった
良いラストではあったけれど、そこらへんのモヤモヤがあってイマイチ締まらなかった

それと、「~かよ」「~じゃねーんだから」みたいな90年代の洋画を彷彿とさせる会話を行っていたけれど、それをツッコミで説明してるのはザ・日本の寒いコントみたいな感じで自分は嫌い

良い作品ではもちろんあるけれど、そこまで話題になってないが故の過剰な持ち上げを少し感じた作品
大どんでん返しは確かに全く予想出来なかったけれど、ネタの箱が開けられてタネが明かされてみれば、よくある8.90年代のクライムサスペンス映画の設定で、見慣れていたと言えば見慣れていたことはある
そこの展開一発勝負の作品では無く、中盤までの会話劇にも魅力があった作品だというのももちろん分かってるけれど、前半 中盤のこのキャラがここに繋がってくるのと驚かされてとても楽しめて好きだったからこそ、ラストの大展開に期待するのも当たり前という事で

この作品は、キャラとキャラの横の繋がりと会話劇を楽しむ作品で、あまりどんでん返し どんでん返し言われない方がいいと思う

さいごに

{netabare}
個人の問題で、これを主旨にして語るのも作品に対して申し訳ないので控えたかったので最後にぼやくけれど、正直この作品をそこまで好きにならなかった理由をハッキリ言ってしまえば、最終話視聴前に『ファイトクラブ』を観てしまってその衝撃と比べてしまった。これに尽きる
オッドタクシーの感想なのでこの映画について語るのもアレなのだけれど、とにかく全部面白い。仲間が集まっていくワクワク感 集まってさあ何をするからの急展開

二日連続でどんでん返し系(しかも結構似てる)を見てしまったが故に優劣を自分の中で勝手に付けてしまって、このような感想になったのだと思う

※上記した感想を全て否定するわけではもちろん無く、ラストの展開に満足していないのも、世間の評価よりも自分の評価は低いというのも事実である。然は然り乍ら、こういった感想になった一部の要因として考えるものを挙げただけ
{/netabare}

投稿 : 2022/01/24
閲覧 : 262
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12

ネタバレ

ほらいぞんちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

アニメである必要があんまり感じられない

ネタバレになりますが!アニメであるからこその表現だなーと思えたのは最終話だけというか、最終話みてあーまあアニメだからの表現だなーと思えた。
それまではドラマでよくない?ドラマだとしたら内容かなりチープじゃない?と思ってみてた。

ダイアンのふたりが声優として起用されていたり、音楽をVaVaやPUNPEEが制作していたりと挑戦的な作品ではあるとおもいました。
世界観もいまどきというか暗めで嫌いじゃない終わり方。
普段アニメ見ない若い人とかサブカルに興味がある人が見るぶんは楽しめると思います。

投稿 : 2022/01/16
閲覧 : 158
サンキュー:

3

ネタバレ

ももも さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

見る前に感想を見てはいけない系のサスペンス/ミステリー

面白かったです。

ストーリーとして、主人公の小戸川は特に何かに追われるというわけではありません。
群像劇的な見せ方というか、各人の視点で伏線っぽいものをばらまきながら全体の話がゆっくりと進んでいきます。
が、それぞれに視聴者が引き込まれるような強烈なイベントがあるわけではなく、物語の勢いというか、見るに当たってのフック的なものが薄いので、途中気持ち的にちょっと間延びしたりもしました。
が、最後に繋がるカタルシスはかなり良かったです。

キャラデザ、作画。
色々意図があってのオタクっぽさがない絵柄なんだとは思いますが、これも逆に人を選ぶ気がしました。
{netabare}海外反応で「最終話で実写化するかと思ってた」ってのがあったんですが、それをやったらたしかに突き抜けてただろうなぁ。{/netabare}

声。
声優がどうのこうのはあんまり気にしないんですが、本作ではお笑い芸人とがっつりタイアップし過ぎで、演技が下手上手い以前に中の人のカラー的なものが出すぎてしまってる気がしました。

最後のあれは流石に気になりますね…。
二期があるとしたらサスペンスミステリーじゃなくてサスペンスホラーになりそう。

投稿 : 2022/01/16
閲覧 : 206
サンキュー:

11

ネタバレ

カモミール さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.3
物語 : 2.0 作画 : 1.5 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

ラッパーのキャラが最悪

お笑い芸人を声優にしているせいか、棒読みが目立つ。ラッパーキャラは何言ってるのか分からなくて最悪。会話がやたらと長かったり説教じみてたり、アニメーションの動きもあまり無い。

投稿 : 2021/12/19
閲覧 : 291
サンキュー:

1

ネタバレ

ハルジオン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ただのアニマルアニメではない!

全ての人物が重要人物になる新しい作品でした!
ここ最近見た中では1番面白いと思います!

投稿 : 2021/12/14
閲覧 : 179
サンキュー:

8

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

世にも奇妙なわくわく動物ランド

世にも奇妙な物語の長編のような感じでした。

簡単な動物擬人化
簡単な背景
国営放送でおにぎりが誰かに食べられたとかゆるい話で1話終わるような作画
しかし内容は
893
地下アイドル
ネトゲ狂い
美人局
東京湾へ死体遺棄。。
こっちの方がIWGPのアニメ版じゃんと思うほどの
現代病まつり
しかし、作画がそれを柔らかくする。。巧み

軽い気持ちで観てましたが、2021春で最後には一番楽しみになっていたアニメ

声優も、ダイアンのユースケが聴きごたえあるなぁと。
てか主人公。。有馬公正なのか
全然わからなかった
最終回の子供の頃の声は流石に有馬公正だったけど
花江夏樹さんすごいなぁ

待ち望んでいた最終回
このお話の中で数少ない常識人?常識人動物だった小戸川が一番おかしかったとは。。
ちと衝撃でした。。そして人型モード、怖い系(^_^;)
『お前が一番おかしかったやんけ』とホモサピエンスの柴垣に突っ込んでほしかったw


いろいろ絡めていくところは宮部みゆきさんの小説、たまに出るエグさは乙一さんの小説のようで
最後のバッドエンディング?になる?も含め
いい作品でした
持ち前のカンとのらりくらりの知恵でグッドエンディングになってることを祈ります

カポエラ。。だいぶツボでした(≧∀≦)

※追記
YouTubeに各話毎のミニオーディオドラマが上がってますね。
色々遊んでていいですね💡

※追記
2週目観ました
会話劇としても面白いですね
YouTubeのミニドラマはおまけかと思ったらアニメで描かれてない情報がありますね。
んー、やるなぁ。。改めて良い作品だわぁ

※追追記
てYouTubeまだ更新してるし(2021/11/22)
白川さんとカポエイラが。。。

投稿 : 2021/11/22
閲覧 : 408
サンキュー:

19

ネタバレ

やん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

サスペンスというやつですね

毎回どこか不穏な引きで終わり次回が楽しみなアニメでした。そういえば最近こういうのなかったですね、面白かったです。ミステリーキッスいいなと思ったらひかりちゃんとばななちゃんでした。

投稿 : 2021/11/15
閲覧 : 269
サンキュー:

9

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オッドタクシーのストーリー・あらすじ

平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。(TVアニメ動画『オッドタクシー』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2021年春アニメ
制作会社
P.I.C.S. / OLM
公式サイト
oddtaxi.jp/

声優・キャラクター

花江夏樹、飯田里穂、木村良平、山口勝平、三森すずこ、小泉萌香、村上まなつ、昴生、亜生、ユースケ、津田篤宏、たかし、村上知子、高井佳佑、フェニックス、浜田賢二、酒井広大、斉藤壮馬、古川慎、堀井茶渡、黒田崇矢、汐宮あまね、神楽千歌、METEOR

スタッフ

企画・原作:P.I.C.S.
監督:木下麦、副監督:新田典生、脚本:此元和津也、キャラクターデザイン:木下麦/中山裕美、美術監督:加藤賢司、色彩設計:大関たつ枝、撮影監督:天田雅、編集:後田良樹、音響監督:吉田光平、音響制作:ポニーキャニオンエンタープライズ、音楽:PUNPEE VaVa OMSB、音楽制作協力:SUMMIT, Inc.、音楽制作:ポニーキャニオン

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