タック二階堂 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
いざさらば、さらば先生。いざさらば、さらば友よ。
詳細は公式サイトでも見てください。
アラフォー、アラフィフの皆さんなら馴染み深いドラマ「高校教師」などの野島伸司さんがアニメ初脚本、原案を手掛けているアニメです。下馬評でアニオタからは、ほとんどスルーされていた作品。続編の多い今期で、しかもギリギリまで事情報がなかったからというのもあるでしょうね。でも、僕は注目していた作品なんです。
制作は「約束のネバーランド」と同じClover Works。このほか、今期は「ホリミヤ」も制作していますね。どんだけ仕事するんだ、Clover Works!(笑)
で、初回。
=====初回視聴後、所感です。
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とにかく圧巻の作画、演出。よく、作画がすごい作品のときに社名を挙げてしまうんですが、マジで京アニレベル。今期では「無職転生」もハンパない作画ですが、甲乙つけがたいレベルです。けっこうグロテスクな表現も出てきますが、美しささえ感じる演出。
ストーリーは、いじめを受けて不登校のヒロイン・大戸アイが、深夜の徘徊で死んでいたコガネムシを埋葬するところから始まります。するとコガネムシが蘇り、声をかけてきます。「欲しいものは何だ? 友達だろ」と。
卵を割ったら現れた少女・くるみ。過去に声をかけてきてくれた転校生・小糸。学校という閉鎖空間で、いじめと「見て見ぬ振り」の同調圧力によって、心を切り裂かれ、小糸は死を選んでしまいます。
そしてまたひとり、たくさんの卵を求めて謎の人形・アカとウラアカの元を訪れていた少女・ねいる……。はたして、彼女たちが望むものは?
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というお話です。
さすが天才・野島伸司。オタクには媚びない闇を描いてきていますね。初回は、なんというか主人公の空想世界を見せたような印象。アイのオッドアイからは、世界は光見えているのでしょうね。
もちろんね、これを見て「ジジイには、俺たちが抱える闇の本当のことなんて分かんねえんだよ。説教くせえアニメ書いてんじゃねえよ」というのは簡単。ただ、こういったテーマに正面から取り組んで、誰からも傷つけられない世界に逃さないというベテラン脚本家の姿勢は買いたいです。
実写ドラマ同様、野島伸司さんの描く世界は、どこか陰鬱としていて、こういった雰囲気が好きな人なら、どっぷりとハマれそうな期待感があります。これも今期では期待しかない作品ですね。もちろん、継続視聴です。
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=====第4話視聴後、追記です。
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ワケわからないという声をよく聞きますが、むしろ超ウルトラシンプルでわかりやすい話ですよね。
野島伸司さんお得意の「汚い大人(的な何か)」の悪意に対抗する少女たちという図式。そんな悪意の手によって、自殺へと追い込まれてしまった少女たちを甦らせるための戦いを、アイたち4人が繰り広げていくというストーリーです。
相変わらず、圧巻の作画と好ましいキャラデザ。そして、今回はゲストキャラのCVが豪華でしたね。痴漢がお父さんの上司だった娘が花守ゆみりさん(「ゆるキャン△」なでしこ他)、女性専用車両のモンスターババアから守った女の子を古賀葵さん(「かぐや様は告らせたい」かぐや様他)、桃恵を誘惑する同級生・ハルカを本渡楓さん(「魔女の旅々」イレイナ他)。
すべての要素が非常に高いレベルで安定している作品。着地さえ間違えなければ、名作に数えられる作品となりそうですね。
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=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
いよいよ、アイがパラレルワールドの自分、そして片想いをしている先生、さらに自殺してしまった唯一の親友・小糸ちゃんとの訣別ということを……描きたかったのでしょうね。
野島伸司らしい、煙に巻いたようなフィナーレのようなものが、いかにもという印象です。で、まあ、終わってないので6月に特別編が放送されるということで。
作画・キャラデザが本当に素晴らしいところからのスタート。ポップな作風なのに、根底に流れるドロドロとした陰鬱な何かを感じられるストーリー。一見、複雑なストーリーに感じますが、主要キャラは4人の少女たちで、それぞれが抱えるトラウマや人間関係などを、バトルで打ち破っていくというもの。意外とシンプルで、思春期の14歳という年齢の少女たちが、現状の最大の敵としての大人と戦っていくという構図です。
若いアニオタに刺さるかどうかと言われると、そんなことはないんだろうなという。まあ、ただ大脚本家・野島伸司のアニメ処女作として、それなりに爪痕は残せたのではないかと思います。
まだ完全に完結していないので、結論は出せませんが、ひとつ言えるのは「野島伸司先生の次回作にご期待ください」といったところ。あまり染まりすぎるのは危惧するところですが、次あたりは今回のワンエグの経験を踏まえ、さらに面白い作品を送り出してくれそうです。
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=====特別編視聴後、追記感想です。
{netabare}
え……?
なにこれ?
いや、もう……。3ヶ月待たせて、結末がこれ?
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まず、この特別編が1時間枠ですが、前半は総集編です。
で、わかったことは…
・小糸が生き返る世界線になったが、その世界ではアイとは友達ではない
・小糸の自殺の原因は単に足を滑らせただけ
・桃恵もリカも生き返らせた子は知り合いではなくなっている
・その世界線で、ねいるは姿を消し、会社は妹のあいるが回している
・寿も生き返った
わからなかった(明かされなかった)のは…
・結局、AIのフリルはどうなったのか
・いろいろと散りばめたことをぶん投げて、アイの戦いはこれからだ
そんな状態で、あっちの世界に来たアイが、ねいるに会いたいからガチャを引く。で、「アイちゃん、復活!」でニコッとWピースして終わり。
{/netabare}
いやホントに「なにこれ?」。
ここからは、あくまで僕の想像なので真に受けないでください。
大先生・野島伸司氏は、あくまで脚本を書きましたよと。これは、すでに本放送のときに納品されてましたと。で、制作のClover Worksは、さすがにこの作画クオリティを維持し続けるのが難しく、本放送で1回万策尽きて総集編入れました(まあ、総集編入れたことで理解が進んだわけですが)。
で、日テレの放送枠は12話分だったため、エクストラの1話分(最終話)は枠がないと。なので、特別編として次のクールのお尻(枠が空いていた)に放送しましょうと。せっかく特別編なんだし、1時間枠を空けましたよと日テレ。
でも、すでに野島大先生からは12話分の脚本を受け取ってしまっている。加筆してほしいと頼めるような相手でもない。ほかの脚本家に加筆させるわけにもいかない(大先生の脚本をいじれないよ)。仕方がないので、どうせ3ヶ月も空いて視聴者も忘れてんだろということで、また総集編入れましょうと。
で、この間、Clover Worksは全13話の「シャドーハウス」を作ってますよということで、「おかしな最終話の脚本だなあ」と思いつつも、大先生に書き直してもらって作り直すことも時間的にできないし、そのまま納品しちゃいましたと。
で、こんなことになったんじゃないかと。
そうでもなければ、こんなおかしな最終話になるわけがないです。3ヶ月も空いたんだから、もう少しスッキリとした完結にできたでしょ。
11話までは非常に高く評価した作品ですが、最終話で大暴落です。
{/netabare}
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