missing31 さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
NHKらしい大作。連続アニメ版のナウシカ。
戦闘作画の素晴らしさで有名な「精霊の守り人」と同じ原作者。
全50話で、人と生き物がどう生きるべきかをテーマにした大作。
ナウシカの様に、生き物と心を通じ合わせる少女と、
生き物を戦争に利用する人間、それらの背景にある神話、
そして少女が傷つきながらも現実に向き合っていく物語。
かなり面白い内容だったが、全50話はいささか長すぎるかも。
無駄な回想シーンが多く使いまわしの絵が少し目立つ。
気にならない程度ではあるが物語のテンポが悪く感じた。
また、いろいろと伏線があるのだが全部回収されたわけではなく、
話が長い分「何故この伏線を放置・・・?」というような
部分もチラホラと見かけた。
正直なところ、政治に関しては描ききれて居ないと思う。
民族間の憎しみやマイノリティ(少数民族)に関しても少し要素が
入っているのだが、そのあたりの掘り下げは今一である。
例えば、軍を持たない国の王は「威厳」だけで国を治めているが、
それならば十二国記と設定はほとんど同じだ。だが、十二国記では
王が何故、王として認められるかがしっかりと説明され、
視聴者が納得できるように構成されているが、本作ではそれが無い。
物語自体は非常に面白いのだが、
物語のおこる「国」や「歴史」に関しての描かれ方が曖昧なので
今一そのあたりは納得いかない事が多かった。
とは言え、主人公の少女エリンが人の心を打つ魅力的な主人公で
ある事に変わりはなく、個人的には非常に楽しめた。
自然に対する畏怖と尊敬に満ちた素晴らしい作品だと思う。