ようす さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
日常の何気ない時間。ふとした幸せを感じるその瞬間を追い求めて生きる。
進撃の巨人4期。
ここで最終話を迎えるので、
ファイナルシーズンです。
4期の60話から最終回の94話までをまとめてレビューします。
88話からの完結編は“放送版”と“配信版”がありますが、
どちらを見ても大きな違いはありません。
私は結局どちらも観ました。笑
最終話の終わり方が放送版の方が丁寧なので、
どちらも選べる環境ならそちらを選べばよいかと。
放送版なら3~4話分がまとめられている一方、
配信版なら1話ずつ区切られているので、
一気見したくないなら配信版の方が見やすいという点もありますが。
というわけで、
4期・ファイナルシーズンは全35話です。
4期を観る前に必ず3期までのストーリーを見てくださいね。
この先のレビューには3期までのネタバレが含まれますので、
未視聴の方はご注意を。
● ストーリー
世界を支配するほどの力を持つ大国・マーレ。
そこに住むエルディア人は、悪魔の血を持つ種族として収容区に閉じ込められて暮らしていた。
エルディア人は巨人になれる素質を持つ。
絶大な力を持つ巨人は、味方であれば絶対的な戦力として頼られ、
敵であればその圧倒的すぎる力を恐れられていた。
マーレ軍が持つ巨人は4体。
彼らはエルディア人ながらもマーレに忠誠を誓った戦士として、
戦いの最前線で戦っていた。
マーレを含む世界中の国が手を結び、
エルディア人の末裔が住むパラディ島を制圧するための戦いが始まろうとしていた。
エレンたちの住んでいた世界の外の世界にも人類がいた。
さらにその世界の人たちに自分たちは大いに嫌われていて、
今にも戦争をしかけられそうなことを知る。
外の世界は知らないことにあふれていて、
豊かな暮らしがあって、
自分たちと同じ人間のはずなのに考え方が全然違っていて。
正義も悪も、視点が変われば見え方が変わる。
望んでいることは同じで、
平和な暮らしを守りたい、大切な人と安心して過ごしたい、
ただそれだけで、同じなはずなのに。
自分のその暮らしを守るためなら、
他人を傷つけることはやむを得ないのか。
争いが絶えることはない。
そしてそれはエレンも同じだったのか。
自由を求めて、ただ壁の外の世界を知りたがっていたエレンが、
ミカサやアルミンの理解できない行動をとるようになり、
信じたいのに信じられない不安定な関係が続き、
最後にはマーレを含む世界中が恐れていた展開へ向かう。
これまで主人公していたエレンは、
ダークサイドに堕ちて、すっかり悪役のようです。
最後まで走り抜けてようやくわかる巨人の謎。
長い長い巨人との戦いが、
ようやく終わりを迎えます。
たくさんの犠牲を払って、ですが…。
しかし長い旅がきちんと終着点にたどり着いてくれたことには、
物語を見続けてきた身としてほっとしています。
● キャラクター
これまでのキャラクターに加えて、
マーレの人々が登場します。
こちらもまた魅力的なキャラクターでした。
彼らも戦うことを使命としながら、
でもやっぱりエレンと同じ“人”なんですよね。
仲間がいて、笑い合って、夢があって。
違うのは生まれた場所と、
そこで刻まれた思想の違い。
子どもゆえに純粋でまっすぐなガビが、
違った考えに触れる中でちょっとずつ考えが変わっていくのが良い。
私のお気に入りはピークちゃんでした。
巨人化の姿は可愛くないけど、
頭の良さと柔軟な思考は物語の展開にも大きく影響を与えていました。
● 音楽
【 OP 】
「僕の戦争」/ 神聖かまってちゃん
「The Rumbling」/ SiM
「最後の巨人」/ Linked Horizon
【 ED 】
「衝撃」/ 安藤裕子
「悪魔の子」/ ヒグチアイ
「いってらっしゃい」/ ヒグチアイ
【 完結編 】
「UNDER THE TREE」/ SiM
「二千年... 若しくは... 二万年後の君へ・・・」/ Linked Horizon
どの曲も“進撃の巨人らしさ”を感じるものばかり。
好きだったのは「悪魔の子」かな。
壮大な曲で、感動的でした。
「最後の巨人」は、今までのリンホラ要素がいっぱい寄せ集まって懐かしさもありながら、曲調がコロコロ変わっておもしろい構成だなと思いました。
そして「二千年... 若しくは... 二万年後の君へ・・・」。
この曲と終わり方がとてもよかったなあ。
今回もBGMがかっこよかったのは変わらずでした。
● まとめ
世界が広がるとぐっと深まるな。
正義と悪、人種差別。
見えていることと見えていないこと。
見えていることが増えると世界が広がり、
正しさに迷いが生まれる。
だけど、エレンはただ馬鹿な男でした。
がっかりしてるんじゃないよ。
最初から最後まで、変わらずに馬鹿だったんだなと、
その変わらなさになんだか安心したということ。
戦争、平和、人種差別など、
いろいろと考えさせられる内容も多かったです。
未視聴の方は機会があればぜひ。
作画と音楽による盛り上げは最後まで格別でした。