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「ジョゼと虎と魚たち(アニメ映画)」

総合得点
78.3
感想・評価
196
棚に入れた
808
ランキング
568
★★★★☆ 4.0 (196)
物語
4.0
作画
4.2
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ジョゼと虎と魚たちの感想・評価はどうでしたか?

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

勇気という名の翼を胸に広げて未来へ飛び立とう

心温まる素晴らしい映画でした。
この映画を教えてくださったあにこれの皆さまに感謝します。

映画タイトルの『虎』は恐怖の象徴、『魚たち』は安らぎの象徴。

ジョゼは半身不随の歩けない女の子。
外に出るときはいつも車椅子。
しかし、彼女の祖母は「外は危ない」とジョゼに言い、なかなか外に出してもらえません。
それでも外に出たい。まだ見ぬ世界を見てみたいとジョゼは願っていました。
ジョゼの願いは、誰もが持っているごく普通の願いです。


主人公の鈴川恒夫(すずかわつねお)は大学生。
彼はクラリオンエンゼルの集団を海中で見ることを夢見ており、
そのためにメキシコ留学を目指し、勉強とアルバイトに明け暮れていました。

そんな二人が偶然にも出会います。
恒夫はジョゼの背中を押してくれます。まだ見ぬ世界を見せるためにフォローしてくれます。
砂浜のある海岸、公園の並木道、クレープ屋さん、図書館、…etc
誰もが普通に見ることができる光景ですが、ジョゼにとっては、どれもこれもが新鮮でした。

でも、ある出来事が起こり、それから…、今度は恒夫が夢を見失います。
ジョゼは恒夫を励ますために…あることをします。
それはとても心が暖まることでした。


ジョゼは障がい者です。
ですが障がい者だから特別ということではなく、
誰でも勇気をもって歩みださねばならないときがあります。
そんなときに友達が背中を押してくれたり励ましてくれたりすると、勇気がもらえます。

勇気という名の翼を胸に広げて未来へ飛び立ちましょう。

投稿 : 2021/10/27
閲覧 : 574
サンキュー:

40

ネタバレ

コタロー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

夢を追い求める若人達 夢はまぼろし?

夢を追い求め突き進む
目前に迫る危機を克服し
新たに夢に突き進む
若者はいいね!

手に届く事が現実なら
夢は目標に変わるのか・・・

追い求める先に不幸が待ち受ける
あきらめるべきか・・・

きれいにまとめてくれた作品です。
やはり相思相愛がいいでゆよね!

大いに夢に突き進んで下さい。

実行して後悔するより
やらずに後悔するほうが
後悔が大きいとの事。

一人取り残されるが
彼女は大丈夫でしょう。
敵役になるのかな。

人のエゴは間違いなくあります。
しかし
相手の事を考えてのエゴが
相手の為になるとは限らない

やはり、相思相愛ですね!!

投稿 : 2021/10/23
閲覧 : 200
サンキュー:

7

ネタバレ

aonisai さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

没入感に欠ける

酷評気味のレビューなのでご容赦ください。
まずいいところから
交通事故が起きてから恒夫が非常に後ろ向きな姿勢になってしまったのが視聴者の視点の転換として非常に面白かったです。それまではずっと健常者の目線で作品世界を眺めていたのが一転して障害者の目線に誘導されました。
そうするとジョゼや舞のかけてくれる言葉も届きません。
これにはリアリティを感じました。

次に悪いところです。
私自身が心情描写が緻密な純文学作家の小説や映像作品を好むのもありますが。それでも全体的にキャラクターの心情描写が浅いと感じざるを得ません。
心情描写が浅いので心情の変化に説得力を感じません。
負けヒロインの言動があまりよくなく、当て馬感があります。
民生委員が悪者っぽく扱われています。私は一般的に行政が単純に悪者として描かれるのは好きではないです。
ただ実際民生委員の言ったような方法でジョゼは夢を追っています。この二重の理由で釈然としないのです。
主人公が理想的な青年として描かれすぎています。他方ジョゼに惹かれていくプロセスは描かれていないように思われます。
このようにキャラクターの設定などに引っかかるところが多かったです。
それゆえキャラクターに感情移入できず、没入感を感じなかったのです。
Eveの曲は申し分ないのに残念に思います。

テーマは障害と将来の目標(夢)です。
後者の掘り下げも浅いように感じます。

全体的にテーマや個人の関係性の掘り下げが浅く、人間ドラマとしてのリアリティもなく、ふわふわした作品になってしまっているように感じました。

後述 原作を読みました。
テーマ自体がまず異なるようです。素晴らしい読後感でした。

投稿 : 2021/09/21
閲覧 : 209
サンキュー:

6

ネタバレ

特にありません。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

素敵な作品です。

微笑しく、心温まる素敵な作品。
物語もシンプルで、良いと思います。

{netabare} ジョゼの作った物語にも感動。{/netabare}

何度、視聴しても込み上げてきます。

投稿 : 2021/09/18
閲覧 : 255
サンキュー:

6

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

素直にいい話しかと

作画がいいですね
素直に良い話かと

気になった点は

障害のある方がヘルパーさんを横柄に扱う映画が他にも最近あったけど。。そうなのかな現実は。
でもくやしさもあるのかな

最後の坂は。。いるかな😅

坂と管理人さんで、どうも違うアニメを連想してしまう
テレ玉で今『めぞん一刻』やってるんで

まぁそこら辺ふまえてもいい映画なのかと。

しあわせはいつもじぶんのこころがきめる
という相田みつを的マインドですかね

投稿 : 2021/09/07
閲覧 : 218
サンキュー:

7

ネタバレ

teji さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

いやぁ~ 満足 面白かった

いやぁ~ 満足 面白かった
なんか 最近 サイダーやら膵臓やら 色々見たけど 久しぶりに 普通に最後まで見れた

投稿 : 2021/09/02
閲覧 : 232
サンキュー:

3

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人の苦しみや幸せの基準も人それぞれ

趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。 幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになった ところを、大学生の恒夫に助けられる。 海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れを いつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。(あらすじ)

見終わっての感想は、まず今見れて良かったなと思います。

私自身、持病持ちなので、この映画で出てくるようなジョゼに対するような心無い言葉や態度を浴びせられることは実際よくある事です。 

それが現実でもあり、現実というのは残酷なものであるので、自殺するわけにもいかず、それでも生きなければいけないのです。

これは別に病人や障害だけでなく、生活困難な人、そのほかにも苦しみを抱えている人全てに対して、言える事です。

そういう意味で言うと、まさに今の日本の現状を示してくれていた作品だと感じました。

このように見て学ぶ事はできても、実際体験してみないと分からない領域の話でもあります。

それでも、自分だけでなく、もっと周りに目を向け、他人と手を取り合い、助け合いながら、生きていかなければいけない時代に突入していると感じています。

そう考えると、このコロナの時期に制作されて良かったと感じた作品でした。

ただ、まいって子は好きにはなれないタイプでしたね。(笑)

投稿 : 2021/08/26
閲覧 : 160

やまじい。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ジョゼさんを愛する

広い世界に旅立とうとする恒夫と障害のため広い世界に旅立てないジョゼさんとの少し歪な恋愛物語。
キラキラしてて映えるアニメ版もいいし、原作の現実的で少し寂しい結末も好き。
今をときめくeveさんの主題歌との相性は抜群でしたね。
是非アニメ映画好きには観て欲しい作品です。

投稿 : 2021/08/08
閲覧 : 188
サンキュー:

7

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

往年の「少女漫画」を彷彿とさせる。。

まず「恋愛映画」としての完成度は、湯浅政明監督の「きみと波に乗れたら」に次ぐ位「映画」として非常に良く出来ています。

個々のキャラクターの心情や四季折々の背景美術などの繊細さは目を見張るものがあり、アクションが得意のBONS制作陣が、ここまで繊細で感情豊かなキャラクターを描けるのかと非常に驚きました。

数年前の実写映画は見ていないのですが、内容は至って王道の「少女漫画」。
最近、少女漫画にヒット作が出ていない分頑張って欲しいところではあります。

本作はアニメーションの可能性を追求しているという意味では、非常に実験的な作品であり、「どこまで実写映画に勝てるのか。」といった挑戦というか。。。スタッフの気概が感じ取れます。

作画陣が女性スタッフで固めている理由もあるのかもしれません。

ただ、「君と波に乗れたら」のようなアニメーション的な躍動感がないので、繊細な表現ではありますが、これだったら実写映画をアニメ的にトレースしているような感じがしてしまうことが気にはなりました。

新海誠監督や庵野秀明監督、湯浅政明監督などの作品は繊細な人間の心情を描きつつ、その「奥」にある哲学やアニメ的快楽まで追求しようとしていることを考えてみると少しアニメとしてはオーソドックスな作りだったかもしれません。

しかし、非常に細部まで気を使った演出は大人が観るに値するレベルで非常に感動できます。アニメが「総合芸術作品」として、幅広い層に支持されるだけのクオリティーを本作は提供しているように思います。

投稿 : 2021/07/23
閲覧 : 379
サンキュー:

17

Coara さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

悪くないが障がいがある身からすると内容がものたりない

作画は綺麗。2020年の作品の中では良い方のできだったと思う。ただ、肝心の内容が物足りなくて、もっとよくなれるはずがなりきれなかった感じがある。
私は足の病気があり、ひどいときは歩けないときがある。その立場でこの作品をみると、現実にはあるもっと暗くて綺麗ではない部分がかなりけずられているようにみえる。作品全体を美しくまとめようとしすぎて暗い部分を切った結果、現実味がなくなってしまった。暗い部分、綺麗ではない部分もしっかり描ききって、両方をみせればもっと深い作品になれたと思う。

投稿 : 2021/06/25
閲覧 : 195
サンキュー:

4

ネタバレ

BLEU62 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良かった。ジョゼがとても可愛かったです。

最後ちかくの絵本の読み聞かせは、ちょっとうるっとなりました。

投稿 : 2021/06/14
閲覧 : 171
サンキュー:

5

うぐいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

いかにも映画らしいクライマックス

物語としては非常に無難で淡泊。おばあさんが障害者である孫を人目につかない夜にしか散歩させなかったってのが印象的。古い障害者施設なんかは林の先とか目のつかないところにあって、昔は外には出さず家の中に閉じ込めて生活を成り立たせていたのだろう、と想像した。
ぼんやり観ていれば泣ける部分はある。

投稿 : 2021/06/12
閲覧 : 223
サンキュー:

4

ネタバレ

hana さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

想定よりよかった

少し前になるので、あまり覚えていないレベルではあるが結構よかった。
実写版にある、エロいシーンもあるのかなーと期待していたがなかった。
決して観て損する作品ではない。
しかし、絶対観てほしいとオススメするほどでもない。

投稿 : 2021/05/04
閲覧 : 220
サンキュー:

1

ネタバレ

けいP さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

おばあちゃんはジョゼを○そうとした?

映画終了した後に、
ジョゼ虎の映画感想キャンペーンとか言って
スクリーンにQRコードが出てきたんですよね。
それ読み取ろうと思ったけど映画中はスマホの電源切ってたから起動させようとするんだけど時間かかって、起動する前にスクリーンの画面が消えた。
いやいやもうちょい待っててくれよw

そもそも映画中はスマホの電源切って下さいって注意喚起してるのに映画が終わってすぐにQRコード読み取れってどうなの?w

映画の感想?とても良かったですよ。
あーあ、僕にも{netabare} 街歩いてたら可愛い障がい者の女の子が突っ込んできて {/netabare}くれないかな~?笑

2021/2/15{netabare}
数日前のニュースで、障がい者の娘を持つ父親が娘さんと無理心中しようとしたが父親は死にきれず娘だけ亡くなったというニュースを見た。
それでこの映画の事を思い出したけど、もしかしたらジョゼのお婆ちゃんはジョゼを殺そうとしたのかなって思ってしまった。
映画の序盤にジョゼが坂道を車椅子で暴走して主人公にぶつかるシーンがあるが、おばあちゃんは誰かに押されたて言ってだけどもしかしたら自分から落としたのかもって。
おばあちゃんは自分の余生が長くない事を悟って、自分が死んだらこの子はどうなるんだろうと思い詰めてひと思いに殺そうとしたのかなぁなんて思いました。
後にジョゼが「外は虎ばかりじゃないで」て言って元気に外出する様子を見ておばあちゃん笑ってだけど、自分が死んでも大丈夫そうだと安心したのかもしれない。
僕の妄想ですけどね。{/netabare}

投稿 : 2021/02/15
閲覧 : 350
サンキュー:

12

kunkunkunk さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

見る価値あり!

作画が綺麗、話のテンポも良いし、声優、音楽も描写にあっていてよかった。

投稿 : 2021/02/10
閲覧 : 158
サンキュー:

5

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

声と空と翼

視聴前 EVEさんが主題歌を担当してるらしい

視聴後 おう

この話は車椅子が下り坂から下ってきた話
ジャンルは恋愛・大学・魚
分かっていると思いますが、恋愛ものです。ゴリゴリの恋愛ものです。ラブコメと呼べるかどうかは微妙ですが。

田辺聖子さん原作小説。一度は目や耳にされたことがある人も多いでしょう。
実写映画もあったそうですね。私は見たこと無いのですが、話を聞く感じ実写映画が一人歩きしたそうですね。原作はアニメ版の方が近いようです。なので実写映画のようなドロドロとした恋愛や濡れ場などはありません。安心して親と見ましょう((

さて全体的な評価としては良いものです。正直そこまで期待はしていなかったのですが、見終わってびっくり、良い話じゃないか。
軽い導入から始まり、転換点の中盤、終盤の持っていき方。大分流れを意識した作りになっていたと思います。まぁその流れを意識したのか、大分長くなり、「長いな」と感じてしまいました。おそらくそれも本作の魅力の一つなのでしょうが。
ドラマ感を感じのは気のせいでしょうか。実写ドラマ特有の人と人のぶつかり、馴染んでいく感じがちょっと肌に合いませんでしたが、面白くなかったわけでは全然ないので、特に気にはしませんでした。

監督はタムラコータローさん。初監督だそうですね。
脚本は桑村さや香さん。初アニメ脚本だそうですね。
キャラデザは飯塚晴子さん。リトバスや変猫などのキャラデザをされてきた方ですね
劇伴はEVAN CALLさん。ハクミコやバイオレットなどの劇伴をされた方ですね
アニメ制作はボンズさん。ヒロアカや血界戦線などを制作したところですね

作画は良かったです。キャラデザも好みですし、表現も素晴らしかったです。特に水中の作画はとても良かったです。
主題歌はEVEさんの「蒼のワルツ」着々と注目され始めてて嬉しい限りです(誰目線)
声優さんは良かったです。

総合評価 損はしない。

投稿 : 2021/02/01
閲覧 : 251
サンキュー:

10

ネタバレ

Kei さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

綺麗だった

 作画が好みに合っていたので観にいきました。
期待通り、作画がきれいでどのシーンもキラキラと輝いて見えました。ジョゼが身体障害をもっているということで重苦しい話だと予想していましたが、観ていてしんどくなるほどの重苦しさはなく、しかし、適度に身体障害を持つ人と彼らとの接し方について考えさせらる部分もありよかったと思います。
 最初、嫌味な態度のジョゼのことが嫌いでしたが、物語が終わるころには好きになっていました。ちなみに恒夫のことは最初から最後まで好きでした。好青年過ぎます。

投稿 : 2021/01/29
閲覧 : 210
サンキュー:

9

デルタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

起承転結がしっかりした良作

本作を見て100分の中にしっかり起承転結が組み込まれていて話としてまとまっているなと感じました。

若干重い描写もありましたが、しっかりと恋愛ものとしての良さもありましたし、作画も綺麗でした。

またキャスティングも良かったとおもいます。本作はこういった単発のアニメ映画にありがちな「俳優、女優枠」の方が主演を務めていらしたのですが、主演のお2人はかなり違和感なくアニメの絵に馴染んでいてとても見やすかったです。とくにジョゼ役の清原さんの順応度は抜群に高かったです。

障がいを扱う作品でありながら、ときおり残酷な描写もあり、驚く瞬間も多々ありましたが、基本的にはいいキャラクターが多く、話としてもしっかりメリハリがあって、単発のアニメ映画としては非常に完成度の高い作品でした。

投稿 : 2021/01/29
閲覧 : 190
サンキュー:

5

既読です。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

PVから外れないけど実際観ると違う。(改

2021年1月27日2回目の鑑賞

コロナの影響で館内5人て
少な!
お陰で、声は出しませんでしたが
人目を憚らず笑えたし泣けました。

行く前に「よりもい」の再放送で
結構泣いてたのに、涙は残ってました。



告知されていたPVから概ね
想定していた通りの内容でした。
主人公ジョゼも解りやす過ぎで、
PVが既にネタバレな感じです。
でも・・・

クリボッチの私はいつも通り

どうせ?とか、
はいはい・・・とか、

引き気味に観ようとしたのですが
アニメーターや声優さんの力なのでしょうか
ついつい入れ込んで観てしまいました。

ED最後まで席を立てないのが
最近は定着してしまったようですね。
原作から改変してくれて良かったです。

投稿 : 2021/01/27
閲覧 : 228
サンキュー:

9

むらさきたましい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

素晴らしい物語でした

1回目を鑑賞したのち、すごく気に入ったので、原作を読んだうえで、2回目を鑑賞しました。
あの短い原作を、よくもここまですてきなお話にしたなと感激しております。


ジョゼがとにかく頑なだった理由が原作を読むと少し理解できます。
また、切羽詰まると訛りが出る舞のかわいらしさが際立つお話でした。

投稿 : 2021/01/22
閲覧 : 250
サンキュー:

19

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

野球に例えると、逆転ホームランのようだったです。

 劇場CM、TVCM、このお話の始まりしかみていないと、ジョゼに付き添う管理人というイメージしかわかなかったです。この先にある展開、結末を見たとき、予想もしなかった光景が分かるのです。パンフのP.3を先に見てしまったら、楽しみが半減するかもしれないです。

 帰宅途中の恒夫(つねお)が、巻きこまれたような出会いから、クミ子の祖母チヅの提案によりアルバイトという形で、クミ子の付き添いを始まるのです。
 クミ子は自分をジョゼと名乗り、恒夫を管理人と名付けるのです。殆ど自宅で過ごしチヅとしか人との関わりのないジョゼ。口調が見た目と違いきつい上、悪い言い方をすれば、性格が悪くも見えるです。

 管理人と衝突を繰り返しながらも、徐々に通じ合う様が描かれていたです。アルバイト先のことで、ジョゼが悪くいったことは見ているこっちも酷いと思えたです。
 やや順調かと思いきや、まさかの急展開4回ほどか?あって、それが思わぬ方向に進んでいくところ凄かったです。
 管理人って実はモテてた人間関係とジョゼとの絡み、絶望にまみれた管理人、自分の進む道を見出したジョゼだったです。ジョゼの作って読んだお話が、良かったです。

 特にどっかで見たような展開再びより、本当の気持ちを見せた管理人とジョゼには、「これで、いいのだ!」だったです。ただ、次に進めるために業とらしい、仕組まれた展開にも思えもしたですが・・・・です。これを見たとき、初めてこのお話が何なのか?を教えられたようだったです。管理人にしてもジョゼにしても、こんなに思ってくれる人がいて、幸せだなぁと思ったです。
 面白い以上に、予測できない展開の連続が、私を驚かせたです。

 因みに今頃になるけど2020年最後、私が見たアニメ映画になったです。

投稿 : 2021/01/22
閲覧 : 238
サンキュー:

10

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

心のバリアを穿つ物

原作小説は未読。実写映画版も未見。サガンも未体験。
鑑賞時は予備知識ほぼゼロで挑みました。

【物語 4.5点】
繊細。

原作よりは明るい方向でのシナリオ改変。
ヒロイン・ジョゼの車椅子設定も障がい者の生き辛さより、
人間社会全体における生き辛さの表現の一つとして。

との事前情報は耳にしていて、
車椅子がぞんざいに扱われたりして興醒めしないだろうか?
などの懸念を私は抱いていましたが、他の方の好評を信じて行ってみたら杞憂でした。
ありがとうございました♪


原作刊行当時の昭和→現代の大阪が舞台となり、
バリアフリーや行政支援など身体・生活面の障壁撤廃策は充実したけど、
最低限の暮らしは保障されるのだから夢だの恋だの自己実現は諦めよ。
といった形で浮き彫りになった心の壁や、障がいの有無以前の人間としての甘えや諦め。
障がい者だけでなく健常者にもある諸々を乗り越えるには?
という主題が{netabare}恒夫のメキシコ留学やジョゼに絵の才能を与える{/netabare}など
突破口となり得る夢の追加設定も交えて、丁寧な描写で伝わって来ます。

(因みに本作では“障がい者”という言葉は一度も出て来ません。
“健常者”なら一回だけ強烈に繰り出されますが。)

新しい日常の一コマかな?と思しきダイジェストで披露された小ネタが、
後々、回収されるなど伏線芸も細かい。

普遍的な青春物として目を懲らして観る価値がある。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・ボンズ

実写とアニメの中間を追求。

背景美術もリアル志向ながら全部描いて圧が強くなりすぎないよう情報量を調整。
フォトリアルにありがちなしつこさが本作は少なく見易いです。

loundraw氏のイメージボードを下敷きにしたヤマ場の背景の美しさは圧巻。
月並みですが{netabare}ジョゼと恒夫の波打ち際{/netabare}は本当に綺麗です♪

鍵となる絵や絵本の素材提供には、プロの絵本作家を起用。
生き辛さや言い訳で、絶やしてはいけない夢や芸術があることを視覚的に証明。
{netabare}あの絵本の虎さん動物園以上の迫力w{/netabare}


人物作画も台詞に表れない、或いは言葉の裏に隠した心情を良く拾う。
最初に、恒夫がジョゼ宅に上がると決まった時、ジョゼの後ろ姿がピクッと反応した瞬間、
私はこれは!とガチ鑑賞モードに切り替わりました。いい“先制ジャブ”頂きましたw


【キャラ 4.5点】
ヒロインのジョゼ。嫉妬などの心情が明快な、どこにでもいる普通のツンデレですw
ジョゼは2020年アニメ映画、私の最萌キャラです。萌えましょうw

そんなジョゼと恒夫の間に、入って来るアニオリキャラの舞。
恒夫に伝えまいとする分り辛い恋心(まぁ、隼人や鑑賞者にはバレバレですがw)
ジョゼの障がい故であっても、舞の一般的な乙女心故であっても、
想いを堰き止める青春の心の壁は共通であることを強調する好材料となる。
{netabare}ジョゼVS舞の無差別級・修羅場舌戦お見事でした。二人は強敵(とも)ですw{/netabare}

アニオリキャラ・その2・隼人。
女好きのチャラ男でも、いざという時はやる典型。
{netabare}恒夫を呼吸させる{/netabare}好アシストはシビれました。

あと、祖母に存在感のあるアニメ映画に外れはないと思います。


【声優 4.5点】
ジョゼ&恒夫。メイン二人は俳優陣。

が、キャスティングもまた実写とアニメの中間領域の開拓精神から、
声優、俳優幅広く検討した結果。
ジョゼ役の清原 果耶さん起用にしても、
大阪府出身で方言をカバーしつつ、実写&アニメ両要素の演技ができる
という勝算があったから。

重要なのは“ちゃんとした声優”か否かではなく、
結局スタッフが熱意を持ってオーダーできるか否かだと改めて痛感する好例。


脇の声優陣も舞役の宮本 侑芽さんが
表情と一致しない台詞など台本の裏を読む好演。
花奈役のLynnさんもサガン好きの“同志”来館に色めき立つ積極的な図書館司書を熱演。


意外性はジョゼ宅に居座る野良猫・諭吉役の河西 健吾さん。
『3月のライオン』主演声優がホンマもんのニャーとなり、闖(ちん)入者・恒夫を威嚇w


【音楽 4.5点】
劇伴はEvan Call氏。恒夫のバイト先で流れるBGMなど
エレクトロポップ配合のオシャレな都会ムードもフォローするが、
やはり魅力的なのは弦楽を生かしたファンタジー風で、海中世界や空想をカバーした仕事。
真骨頂は、その作風でクライマックスを彩った心情曲。

四季の移り変わりも美しい本作ですが、
美術だけでなく環境音の貢献も聞き逃せません。

他には砂浜にめり込む車椅子のタイヤ音や、
古式な和風民家であるジョゼ宅の木珠のれんが擦れる音など、
マニアックな効果音もリアリティや生活感の向上を下支え。


ED主題歌&挿入歌はEve。
今回は二曲共、場面の劇伴ソングとして使用。
“ああこのまま立ち止まってしまったら 涙の味でさえ 知らないままだったな”
などジャストミートな歌詞で{netabare}辛いリハビリ生活{/netabare}も乗り越える。

要するに本作はEDの後まで立ってはいけない作品だと言うことです。


※初回投稿2021/1/7 1/20誤記修正。

投稿 : 2021/01/20
閲覧 : 932
サンキュー:

36

ネタバレ

olmo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

予想の斜め上

ドラマ視聴済

ボンズが制作ということで観にいきました。
最初はドラマでメディア化しているので、爆死するだろうなぁ、と78%感じていました。(ドラマは最終回微妙だったため)
また声優に関しても何か大人の事情を感じるキャスティングでした。

しかし観始めると恒夫の顔と声がしっかりとあっていて、演技に関してもしっかりとした演技でした。
ストーリーは原作やドラマ版とは違い、終盤の紙芝居のシーンがうるっときました。(正直紙芝居の後は必要なシーンだったのかな…)
音楽に関してはヴァイオレット・エヴァガーデンや天晴爛漫
のBGMを作ったEvan callが今作でも輝いていました。
ただ挿入歌の入れるタイミングには少し疑問を持ちましたが、全体的に総評すれば星3.8です。

投稿 : 2021/01/18
閲覧 : 221
サンキュー:

4

R さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

90分でよくまとまっている!

短い時間の中で起承転結を入れつつ上手くまとまっていたと思う。
障害者と健常者の二人が徐々の心の隙間が縮まり、同じ目線になっていく過程が良かった。

投稿 : 2021/01/16
閲覧 : 175
サンキュー:

5

DB さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルなし

予告編で気になっていて我慢できずに見に行きましたw 期待を裏切らないとてもいい作品でした。大阪の下町を中心に感情を揺さぶられるストーリーが展開されていきます。とても幸せな気持ちで映画館を出られました。

投稿 : 2021/01/14
閲覧 : 177
サンキュー:

5

ネタバレ

ブラッキー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ジョゼちゃんかわいい

ハッピーエンドのようでハッピーエンドでない原作や悲しい終わり方をした実写と異なり、王道ではあるもののハッピーエンドで終わった今作。原作や実写のものを期待してると肩透かしを食らうが、アニメ映画単体で見ると面白い。
ジョゼは障碍者に対する世間の冷たさなどもあって外に出ることはほとんどなかったが、あることをきっかけに主人公に協力してもらいながらも外に出るようになった。外に出る中でジョゼは外というものを徐々に知っていくが、その時の無邪気な表情の数々がかわいくてそれだけで尾奈かがいっぱいになる。ストーリーはもちろんいいがなにより彼女の表情の一つ一つや彼女の心情の変化が愛おしい。外に出る中で彼女は絵描きを目指そうと考えるものの、自分を養っていた祖母が亡くなったことにより自立を余儀なくされ、堅実に働くよう周囲から言われる。画材道具を捨て、絵描きをあきらめようと考えていたが、交通事故により足が悪くなり、それにより将来の夢をあきらめようとしていた主人公を励ますために絵本を描き、それを主人公をはじめとした多くの人の前で読み聞かせを行ったことをきっかけに働きながら絵本作家を目指すことを決意した。絵本の内容は物語とマッチしてて思わずうるっときましたね。その後、主人公に頼ってはいけないと主人公と縁を切ることを決意した彼女だが、主人公は彼女を探し当てる。再開した二人は大変なことは多いけどそれでも好きだと告白。遠距離で付き合うことを決意し終わり。
話は結構王道であり、二作とは異なるテイストでしたが、普通に面白かったですね。また見に行けるなら行きたいなとは思ってます。
最後になりますがこの映画韓国でも実写化されてるみたいですね。日本ですでに実写化が公開されてることを考えるとかなり驚きましたがそちらは大丈夫なのか気になりますね。

投稿 : 2021/01/14
閲覧 : 285
サンキュー:

5

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

夢を追う青年と下肢不自由な女性の出会い

監督:タムラコータロー
製作:ボンズ

原作は田辺聖子氏の小説、
青年と下肢不自由な女性の出会いと別れ、
自立と成長譚を描くクール&シャインな物語、

実写映画化は2003年、
監督は犬童一心氏
少し是枝風味と言えば易いかダーク&クール醸し
切なき肌温からの成長譚描く青春群像劇の秀作、

そして今アニメ
シャイン&ポップライトな筋立てと映像、
序盤のファンタジーシーンなどアニメ作画ならでは、
終幕まで高揚す軽やかさと眩しき光溢る作品と相成り、

ジョゼはキャラ可愛く、声もバッチリ!

BGMなども良い感じでしょう、

弱視者が眼鏡を掛ける如く下肢不自由者は車椅子を使う。
当たり前に垣根作らず昨今の世況返す如き、
陽に絞り心軽やかにす青春恋愛アニメの良作でした( ^ω^)

投稿 : 2021/01/13
閲覧 : 244
サンキュー:

19

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

安定して面白い。

個人的な好みで言えば、もう少し含みが欲しかったなあーと思ったりする。
物語がどんどん展開して、飽きる事は無いのだけど、見せ場がどこかと言われると答えに詰まる。
純愛の映画は過程や、恋愛感情の気持ちの揺らぎが好きなので、この映画のように当たり前のように好きあっているのは引っかかる。面白いと思いつつアウェー感を感じてしまった。
インキャには辛い映画。

投稿 : 2021/01/09
閲覧 : 262
サンキュー:

13

ソース さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:----

想像以上に純愛

原作、実写を観てないのでそれらを観ている人がどう思うかは分からない。(バットエンドということは存じている)けれども健常者と障がい者が関わる扱いにくい恋愛物語をここまでピュアに描ける時点で評価せざるを得ないと私は考える。そして恋愛以外に主人公たちの苦悩、成長などがあり努力と諦めないことの大切さを改めて思い知らされた。

さらにBONES制作による美しい映像美、音楽面ではEveさんやEvan Callさんが関わっており、それらが物語と合わさって泣かされそうになった。さらに魅力的なキャラが多かった。個人的に好きなのは二ノ宮舞ですね。

とても素晴らしい音楽、映像美、緻密な描写があわさって素晴らしい作品になってたと思う。こんな情勢だが多くの人に見てもらいたいなぁと感じた。そんな中で悪い点を挙げるなら少し物語が駆け足だった感があったところとか健常者と障がい者との恋愛で起こる問題 生々しさから目を背けすぎた感じがあったところかな。(綺麗に描きすぎ?)

投稿 : 2021/01/08
閲覧 : 265
サンキュー:

16

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

12月25日ロードショーってクリスマスに映画デート中のカップルを地獄に叩き落す気なのか!?と思いきやジョゼの可愛さに全大阪人が泣いた!?

1984年、つまり36年も前の田辺聖子の短篇小説が原作
2003年、つまり17年前にも犬童一心監督の手で実写映画が制作されました
『ノラガミ』のタムラコータロー監督、アニメは初となる桑村さや香の脚本、『たまゆら』や『リトバス』のハルコミンさんこと飯塚晴子のキャラデ総作監、別にアクションアニメじゃないけど(笑)ボンズ制作で98分


舞台は現代の大阪
大学で海洋生物学を専攻する22歳の学生、鈴川恒夫
趣味はダイビングで幻の魚と言われるクラリオンエンゼルを間近で観るという夢を持ち、メキシコ留学をする為のアルバイトと勉学に追われる日々を過ごしていた
ある夜の帰り道、坂道を猛スピードで暴走する車椅子に乗った女の子、山村クミ子を助ける
クミ子は先天性の下半身不随で祖母と二人暮らし
祖母はクミ子に対してやや過保護な面がありつつも、健常者社会の厳しさから孫を守っていた
金に困っていた恒夫はアルバイトを紹介する、という態で祖母からクミ子の世話を依頼される
クミ子は愛読するフランソワーズ・サガンの登場人物から「ジョゼ」と自分を呼ぶように恒夫に言った
ジョゼは不信感の拭えない恒夫に対しキツイ物言いで接し、無理難題な我侭ばかりを押し付ける
渋々とジョゼの我侭に付き合っていた恒夫だが、彼女が家の外にほとんど出た事が無く、そしてまた絵を描くのが趣味であるという事を知るとジョゼの“散歩”に積極的に付き添う様になっていき、次第にジョゼも恒夫に心を開き始めるのだった…


























原作や実写版を知らないまっさらな気持ちで観られる方にはストレートに“純愛映画”としてオススメします
原作や実写版はもっとエロティシズム溢れる内容でしてw
キャラの設定からして全然違うし、中盤以降は今作の完全オリジナルで全く別の作品と思っていただいて結構です


ですが、ややペシミズムの残る原作の終わり方や、恒夫とジョゼが道を分かつ事を決意する実写版のラストを知っていると、今作はハッピーエンドなのか!?バットエンドなのか!?というのがどうしても気になるところでしょう


ですがそんな論争は最早無意味であることを今作は教えてくれました


まず誤解しないで欲しいのですが、この映画のヒロインが車椅子生活者で舞台が現代、ということでハンディキャップのあるジョゼが可哀想…等という安い同情を求める映画では決してありません


そもそも原作、実写版共にハンデを背負ったジョゼと暮らすことは社会的には後ろめたい事、とネガティブに捉えているのですが、今やその価値観は遠く古臭い考え方であり2020年では到底通用しません


原作は社会から隔絶されたとしても自分達なりの幸せを見つければ良いというスローライフの賛歌であり、
実写版はハンデを背負ったジョゼを若者の恒夫が支えるという事の責任の重さを描いていて、
それぞれが別のテーマを扱っています


そして今作は前者どちらとも違い、ハンデのあるジョゼが外の世界に出て行く伸び代よりも、何不自由なく暮らしてきた健常者の方が遥かに心が折れやすいし脆い…という部分がテーマになっています


確かに序盤では道すがらでジョゼに冷たく当たる通行人が登場したりしますが、それはジョゼが車椅子だからではなくオドオドして佇んでいたからです
健常者だろう誰だろうと、突然すれ違い様に舌打ちされたり、逆ギレで捲くし立てられたら竦んでしまいます
ですので序盤のシークエンスはハンデを背負った辛さというより、社会の生き辛さそのものを描写する場面と捉えることが出来ます


根本的なテーマが違うので原作や実写版とは直接比較出来るものでは無いのです


特に大きな改変を感じる部分は登場人物が総じて清々しい人達として描かれているところですね
恒夫のバイト仲間が恒夫の夢を応援してくれてたり、ジョゼに理解者となってくれる友達が出来たりと、前述の通行人のくだりで社会の冷たさを描写しつつも、人間そのものの優しさが描かれている点は原作や実写版には無い部分です
特にジョゼのおばあちゃんはジョゼの存在に後ろめたさを感じていた原作や実写版のキャラから、ジョゼの成長を温かく見守るキャラに改変されていてだいぶ違います


そして恒夫は原作や実写版のモラトリアムを持て余す学生ではなく、夢の為に努力を続ける苦労人
結果として今作はジョゼやジョゼの背負ったハンデの話なのではなく、恒夫やジョゼが抱く“夢”をお互いで支え合う事の尊さが主軸になっているのです


ですからまあデートムービーではありますが老若男女問わずオススメしたい青春映画なのです、今作は


また逆に原作や実写版をリスペクトしてか、部分的に取り入れられた要素もあります
踏み切りの前で海に行きたいと言い出したジョゼが「おっぱい触ったゆうてクビにしたる」と恒夫を脅すくだりは原作や実写版では本当にジョゼにセクハラを働く迷惑人が登場した事へのオマージュでしょう
今作ではそこまでクズな人物は登場しませんので安心して観て下さいw


また原作や実写版との分岐点になるシークエンスが2回ほどあるのでこれらを知ってる僕にとっては、ココでこの映画終わってしまうのか!?っていうドキドキが味わえたのでそれもまた面白かったポイントです
新海誠作品を観すぎて『君の名は。』で「なんでもないや」が流れた瞬間、この映画ぁ…終わったぁ…と早合点したのを思い出しましたわw


さてだいぶ長くなってしまいましたが最後にコレだけは言いたい!
細かい御託は抜きにしても今作、“兎にも角にもジョゼが可愛い!!!”


オシャレな見た目に反して辛辣な口調のギャップ、外の世界にキラキラと目を輝かせるところ、大口を叩く割にコミュ障気味なところ、ややオーバーなリアクションなど、ジョゼのヒロインとしての魅力はかなり丁寧に描かれています
これを実写でやるとだいぶ大袈裟になってしまいますがアニメならではの魅力の伝え方が出来ている部分だと感じました
またリアリティのある可愛さ、現実社会を舞台にしているだけあってその距離感を縮める演出としてジョゼの髪型が劇中で5パターンも出てきます
髪型が変わるってアニメとしては逆に手間の掛かる事なので監督のコダワリが感じられました
特にボブカットになったジョゼはおばあちゃんの面影を感じられるようにと、ハルコミンさんのコダワリがあるようです


個人的には手作りのスケボーに乗ってるシークエンスが最高でしたw


あとまあコレはどうでもいい話なのですが、今は僕も右足の骨が折れて足を引き摺りながらのリハビリ生活中なので、ジョゼの「健常者にはわからん…」って台詞が刺さりました;

投稿 : 2021/01/02
閲覧 : 825
サンキュー:

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ジョゼと虎と魚たちのストーリー・あらすじ

趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫に助けられる。海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、あるバイトを持ち掛ける。それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。(アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2020年12月25日
制作会社
ボンズ
公式サイト
joseetora.jp/
主題歌
Eve『蒼のワルツ』

声優・キャラクター

中川大志、清原果耶、宮本侑芽、興津和幸、Lynn

スタッフ

原作:田辺聖子『ジョゼと虎と魚たち』(角川文庫刊)、キャラクター原案・コミカライズ:絵本奈央
監督:タムラコータロー、脚本:桑村さや香、キャラクターデザイン・総作画監督:飯塚晴子、コンセプトデザイン:loundraw、劇中画:松田奈那子、プロダクションデザイン:平澤晃弘/片貝文洋/中村章子、画面設計:川元利浩、美術監督:金子雄司、色彩設計:梅崎ひろこ、撮影監督:神林剛、3DCG監督:三宅拓馬、編集:坂本久美子、音楽:Evan Call、音響監督:若林和弘、音響製作:ソニルード

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