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「バビロン(TVアニメ動画)」

総合得点
69.3
感想・評価
371
棚に入れた
1137
ランキング
1873
★★★★☆ 3.3 (371)
物語
3.1
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.3
キャラ
3.3

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バビロンの感想・評価はどうでしたか?

Pocali さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

せめてる、くそせめてる、さいこうだ

全く無駄がない。
素晴らしかったです。
普段小説は読まないのですが、初めて原作を読んでみようと思いました。

自分の神経を広げたい、ただ生きているだけでは知り得ないことを知りたい、感じたい、その為にアニメを観たり、映画を観たりする。
はたまた物語を作る人たちは、伝えたいことがあるから作り続けている。誰かに届けたい気持ちがある。
それが素晴らしい事だと、改めて考えるきっかけを、このアニメにもらいました!
私はこの終わり方が「悪」とは思えなかった。
なぜなら曲世愛がまだ本当のところは何がしたいのかハッキリしていないから。
心の中では何を思っているのか。
だから「悪」と決め付けることはできない。
何なら私は自分の身近に居る人が死ぬ事を、「悲しい」とは思うけれど、「悪」とは思わない。
自殺だってしたければ勝手に人は死んでいく、「死にたい」ということしか考えられない人を無理矢理生かす方が大変で、苦しい事だと思う。(経験があるのでそう思います)
ただ、悼む気持ちが無いわけではない。
この物語の中で自殺してしまった人たちの事も、観ていてとても悲しい気持ちになった。
でも、この気持ちに、善いか悪いかは、関係はない。

素晴らしかった。
全力でお勧めです!

投稿 : 2020/05/09
閲覧 : 482
サンキュー:

10

ネタバレ

牧場しぼり さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

善いこと、悪いこととはなにか。

話題になったと聞いていたのでGW中に視聴。
1話から驚かれされる展開が続き、政治家と検察の話かなと思ったら新域での自殺法是非を問う話になっていくが、途中から舞台が世界に変わり自殺法是非を問う話から善いこと、悪いことを問う話に切り替わっていく。
レビューを見る感じだと自殺法の是非を問う作品であるのに曲世愛の死を運んでくる死神のようなとんでも設定が矛盾しているという意見があり、その通りだと思うのと同時にこのとんでも設定キャラを作らないとそもそも自殺法は支持に至らない、議論の対象にならないのではと感じた(自殺法自体は齋が作るが、制定に至るまでには曲世愛の手助けによりビルからの集団飛び降り自殺、世界各国市長への働きかけなどがあった。)
この作品の根本はアメリカ大統領のアレックスが考えた通り、自殺法の是非を判断しようにも僕らは善いこと、悪いことがなにかの明確な基準がない。そこから考える必要があるということ。
そして考えた結果、自殺が善いことなら死んでもいいとまで発言する。
私がこの作品を評価したのはとんでも設定はひとまず置いといて(ここが気になる人がいるのも分かる)、善いこと、悪いことが何かを明確に結論付けたことである。善いことは「続くこと」、悪いことは「終わること」。そしてアレックスのように考え続けることが大事だということ。

決して多くの方に支持される作品ではないと思いますが、色々考えさせられ、演出、作画、演技力も高かったので高評価としました。大人向けですが視聴することをお勧めします。

投稿 : 2020/05/05
閲覧 : 242
サンキュー:

7

ネタバレ

うるかり さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

野崎まどは要注意、いいね

一話目から楽しみに観ていました。のっけからまさかの展開で毎週楽しんで観ていました。
硬質で無機的な映像も、まあ作品に合ってはいるのかなと。
飾り気のないOPも、「だって誰も見ないし飛ばされるじゃん」といわれれば、それも道理だなと。

ただ、宙ぶらりんで中休みをとった挙句に着地したのがあれ、というのは、もうね、、、
もうこちらが自衛するしかないかもしれない。

7話、いや6話くらいまでは楽しみました。

投稿 : 2020/04/29
閲覧 : 628
サンキュー:

9

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

何も残らない

猟奇的な7話が話題になり、再放送から追いかけて視聴しました。
生死・善悪の価値観を問うお話です。
生死について、どのように展開していくのか気にしていましたが、期待外れでした。
政治色が強かったですが、茶番劇だったとしか思えない。
原作は続いているようですが、完結してからアニメ化した方が良かったのでは?
後味の悪い終わり方でした。

投稿 : 2020/04/19
閲覧 : 335

おーいん君 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

表題に帰る

アニメの内容は大人向けです。
物語には過激な内容の描写が出てきます。

物語の中で自殺法というものが出てきますが、自殺の是非を考えさせられるアニメと勘違いすると、この作品の良さも悪さも見えてきません。

不完全な作品である印象を受けました。視聴後、モヤモヤする人もいると思います。

けれどこの物語を通して見終わって、表題であるバビロンという言葉に還った時、視聴した人間の心に不定形な揺らぎのようなものを与えてくれる要素があり、そこはとても文学的だと思えます。

正直、一言で言えば「アニメじゃないほうがよくね?」でした。
けれども、見始めたら目を離してはいけないと思える匂いのするアニメでした。

投稿 : 2020/04/16
閲覧 : 265
サンキュー:

4

ネタバレ

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

何だこりゃ。でも、たくさん語りたくなる内容ではある。

1話感想 3.8 CMで内容に興味を持ちました

一見絵面も内容も地味な雰囲気ですが、CMで内容に興味を持ちました。
テーマが深そうです。引き続き興味深く見ていきます。

全話感想 3.7
例え何だこりゃー、と思うような内容でも、その後熱く語りたくなる場合はもしかしたら良作なのかも知れません。

本作は
・自殺法 自殺は是か否か
・人を自由に操られる超能力者曲世愛 正義とは、悪とは
という2つのテーマを持った作品です。それぞれについて語りたいのですが、まずこの2つのテーマの組み合わせが最悪です。
なぜ混ぜた。

自殺法は興味深いテーマです。
自殺は悪なんですけど、悪いと言ったって死ぬ人は死にます。
だったらビルから飛び降りたり電車に飛び込んだりされるよりは、きちんと正しく手続きして死んでくれる方が、処理する人が助かります。
『死にたいけど人に迷惑かけたいわけじゃない』という人も居るはずですから。
とまあ自殺法には議論の余地がたくさんあって、政治家齋の話している内容も面白いし、興味深いテーマだと思うのですが…

この中に人の意思を変えさせられる超能力者が存在する、となったらもう論外です。生きるか死ぬかを自分の意思で選べるべきでは、というテーマが他人の意思で簡単に殺されるとなったら、何の意味も無い。
本当にもう何で混ぜたんだか…。

曲世はもう超能力者として強すぎて、対抗するとかそんなレベルじゃない気が。
電話で他人を操れるなら音声データで十分なはず。
だったら「この音を自分の可能なあらゆる手段で拡散してから自殺しろ」、という命令を吹き込んだ「自殺したくなる音」というデータをWebで放流したら、1日で全人類滅亡です。
そうしないだけで善人なのかもしれないですね。

なんかもう、面白そうな雰囲気ながら、テーマがとっちらかって、もう何だこりゃですよ。
でもまあ、文句ではあってもこうぶわーっと感想を書きたくなるのは、やっぱり良作なのかもしれませんね。

投稿 : 2020/04/13
閲覧 : 344
サンキュー:

5

はく さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.5 状態:今観てる

悪くないけど・・・

まあまあ面白いけど放送している時期が安定していなくてよくわからない。
Amaonプライムビデオで観れます。

投稿 : 2020/04/12
閲覧 : 326
サンキュー:

2

順順 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

衝撃的な作品

とても考えさせられる

投稿 : 2020/04/09
閲覧 : 311
サンキュー:

3

ネタバレ

ぽぉ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 1.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

胸くそ悪い

原作はまだ未完だそうです。
原作者が正解するカドと同じ人らしいですが、
正解するカドはこれを見た後に消しました。
救いもない。
希望もない。
あるのは胸くそ悪い気分だけ。
11話あたりはなかなか面白かったんだけどなあ。
私には無駄な時間でした。

投稿 : 2020/04/04
閲覧 : 291
サンキュー:

9

ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

で、オチは?

自殺法とやらのオチと曲世愛に、正崎善は操られ殺されたでOK?
視聴者に丸投げエンドだったなー

何でもかんでもアニメ化すればいいというものじゃないと思うのよ。
講〇社さん…

投稿 : 2020/04/03
閲覧 : 277
サンキュー:

6

ネタバレ

RUSHIKA꙳★* さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

魔性の女ってレベル超えてる。。。

小説をアニメ化した作品ということで、
音楽や雰囲気が哲学的でムードがあります。
深く考えさせられ、自殺という行為について
焦点を当てている作品です。
7話が少々グロ注意なので、苦手な人は
気をつけてください。
最終回はなんと原作とは全く違うので、
原作を読まれた方も見てみることをオススメします。かなり難しい作品なので、理解力がいると思います。年齢層的に大人向けです。
{netabare}
あまりのバッドエンドで消化不良になった。
主人公はたぶん自分で自分を打ったのかな。
最期の最期に曲瀬愛に負けたのか…残念。
そして…曲瀬愛はこれからも……
{/netabare}
小説の世界をそのままアニメにしたような作品
なので、哲学的な作品を味わいたい人に
オススメです。

投稿 : 2020/04/03
閲覧 : 264
サンキュー:

7

ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1
物語 : 1.5 作画 : 2.0 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 1.0 状態:観終わった

どこかで間違えた作品

【総合評価☆☆】
【重大なネタバレあり】
 「どこかで間違えた」としか言いようのないアニメ。どこでどう間違えたかが特定できないので、星2つという中途半端な評価にせざるを得なかった。以下、いくつかの推測を記すが、原作とアニメの重大なネタバレがあるので、これから作品に接する予定の人は、読まないように。

【原作者が間違えた?】
 原作になったのは野崎まどの小説で、これまで『バビロン I -女-』(2015年10月)『バビロン II -死-』(2016年7月)『バビロン III -終-』(2017年11月)の3冊が刊行された (いずれも講談社タイガ刊、私はアニメ放送後に読んだ)。この3冊で完了したのか、第4巻が準備中なのか、中断されたまま執筆されていないのか、はっきりしたことはわからない。この原作小説からして何とも奇妙な作品であり、作者の意図が読み取れない。
 ここで扱われるのは、自殺の問題。自殺を扱った作品というと、従来は、フォークナー『響きと怒り』、漱石『こころ』、ルイ・マル『鬼火』など、自殺しようとする人の内面を見つめるものが主流だった。しかし、近年になると、伊藤計劃『ハーモニー』やソフィア・コッポラ『ヴァージン・スーサイズ』のように、意図が不明確なまま自殺する人を取り上げた作品が目立つ。『バビロン』は後者の系譜に連なるもので、なぜ自殺するのかわからないケースを描く。ただし、『ハーモニー』『ヴァージン・スーサイズ』が、理由不明であることが人間の曖昧な本性を浮かび上がらせるのに対して、『バビロン』では、魔性の女によって強制的に自殺に導かれており、「人間とは何か」という哲学的な問いかけとは無縁である。
 刊行された3冊のストーリーラインは、どれも同じである。第1巻では、政治的陰謀を匂わせる医学ミステリとして始まりながら、やがて医学から離れ、曲世愛(まがせあい)が登場して多くの関係者を自殺に導き、謎の解明を目指した正崎善の計画をぶち壊す。第2巻では、実質的な国家内国家である独立自治体・新域の首長選を巡る社会派ドラマとして始まりながら、やがて社会問題から離れ、曲世愛が登場して多くの関係者を自殺に導き、不正の暴露を目指した正崎善の計画をぶち壊す。第3巻では、国法が倫理に踏み込むべきかに関する論争の話として始まりながら、やがて法と倫理から離れ、曲世愛が登場して多くの関係者を自殺に導き、倫理の復権を目指した正崎善の計画をぶち壊す。
 すべて、ミステリやドラマのオーソドックスな展開が、曲世愛によって断ち切られ忽然と終了するというストーリーである。ギリシャ悲劇では、物語が混迷の度を深めたとき、しばしばからくり仕掛けによって舞台に神が降臨し難題を一刀両断にする。これを「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)」というが、曲世愛は、まるで舞台そのものを壊してしまう機械仕掛けの破壊神のようだ。
 気になるのは、『バビロン』というタイトル。作中での記述から明らかなように、このタイトルは、堕落した社会の象徴として『ヨハネ黙示録』に登場する大淫婦バビロンを意味しており、直接的に曲世愛を指す。とすると、作者は曲世を神話的存在として捉えていたと推測され、彼女を機械仕掛けの破壊神として描いたとしても不思議はない。
 ところが、曲世愛が物語を断ち切るために利用するのは、接触した人を操って自殺させるという(まるでルルーシュのギアスのような)婉曲な手段でしかない。野崎まどは、なぜこんな手段を利用したのか? その謎を解く鍵が、第2巻で言及されるフロイトの学説である。
 フロイトは、あらゆる人間にエロス的な衝動(リビドー)と並ぶ《死の欲動》があると主張し、これをタナトスと呼んだ。正崎は、曲世が中学生の時に読んだとされるフロイト著『快感原則の彼岸』を、わざわざ取り寄せ熟読している。
 「正崎は繰り返し読んだ一連のページをもう一度見遣る。/死の欲動。死へ向かおうとする欲動。タナトス。デストルドー。それは、自我が抵抗し難い衝動であり、個体発生上もっとも古い原初的な欲動であり、悪魔的な生命の破壊衝動である。/全ての人間がそれを持っていると、フロイトは言っていた」(『バビロン II』p.187)
 曲世愛は、言葉を交わした人のタナトスを活性化させる能力を備えているようだ。彼女に接触した人が、まるでリビドーを抑えかねるように自殺に向かうことを考えると、野崎まどは、曲世を「タナトスとエロスを入れ替える」能力の持ち主としてイメージしたのかもしれない。もし、タナトスとエロスに関するフロイトの学説が正当ならば、『バビロン』は、この2つの欲動に支配される人間の性(さが)を直視した神話的物語として評価できる。
 しかしながら、タナトスとエロスを人間の根源的な欲動と見なすのは、はっきり言って滑稽な考えである。現代のまともな精神医学者ならば、フロイトのタナトス論を真に受けることはないし、大半の医学者は、エロス論にも否定的である。精神医学が未発達でヒステリーやPTSDに関する知見に乏しかった20世紀初頭ならともかく、神経科学のデータが集まった今日、無意識下の欲動という曖昧な概念を持ち出す必要性は全くないのである。
 自殺を法律で禁止するという発想は、法学的に見て論外である。現在、自殺に関する法的な議論は、自殺幇助・自殺教唆の問題を中心に、社会との関係という文脈で取り上げられるのが一般的。ALS患者など手厚い介護を必要とする人に見られがちな「他者を思い遣っての自殺願望」とどのように対処するか、抑鬱症状として現れる希死念慮をどこまで薬物でコントロールすべきか、自殺衝動の持ち主を狙った性犯罪をいかにして抑止するか、さらには、自爆テロのような過激な自殺を防ぐにはどうしたら良いか---自殺に関する論点は、こうした具体的な問題に絞られている。『バビロン』第2巻や第3巻で政治家たちが行う議論はあまりに皮相的で、自殺について深く考えてきた研究者に鼻で嗤われるような内容である。
 作中で語られる自殺論が、野崎まど自身の考えかどうかは判然としないが、もしそうだとしたら、医学的知識の乏しい作家の戯言でしかない。もちろん、第4巻でフロイト説を嘲笑する深遠な人間観を提示する予定かもしれないので、あまりに厳しい評価は留保せざるを得ないのだが。

【プロデューサーが間違えた?】
 アニメ『バビロン』は、TOKYO MXほかで2019年10月に放送が開始されたものの、原作第2巻の終結部に当たる第7話「最悪」でいったん中断、しばらく第1話から再放送した後、12月30日に、前半が第2巻のまとめ、後半が第3巻の導入となる第8話「希望」が放送された。それ以降は、時間帯を変えて第3巻に基づくエピソードが描かれたが、最終第12話「終」の終結部は、アレックスと曲世愛の退場の仕方が原作小説とは異なっている。
 全12話をわざわざ2クールに分割して放送したのはなぜか? 内容からして、視聴者の関心を煽ろうとしたとは考えにくい。この期に及んで、制作が間に合わなかったのか。あるいは、第7話の終盤が放送コードに引っかかる内容だったため、大幅な手直しが必要となったのだろうか(第8話冒頭には、「この作品には一部刺激的な表現が含まれます。児童および青少年の視聴には十分ご注意ください」という文言が表示される)。
 そもそも、「人々が欲動に駆られて自殺する」という過激な小説をアニメにすること自体、暴挙に近い。しかも、第3巻までのいささか中途半端と思える段階では、優れた作品にするのが困難だとわかるはずである。アニメ化の企画が発表されたのは2018年春であり、第3巻までの執筆ペースからすると、18年末か19年初頭に第4巻ができあがると予想された。そこで、全4巻を各巻6話程度の2クールアニメとするつもりで企画したものの、結局第4巻は発表されず、取り急ぎ各巻4話前後にまとめ直したのかもしれない。原作の内容を各話にどのような割り振るかを考えるシリーズ構成の担当者が(放送版にも公式サイトにも)クレジットされていないが、監督と並ぶ重要スタッフの名前が欠落していることから、制作現場がかなりバタバタしていたのではないかと想像される。この想像が正しければ、完全な企画ミスである。
 アニメ制作にあたったREVOROOTは、『刻刻』『フリクリ オルタナ』などで制作協力を行った会社だが、実績は乏しく、これまでのところ元請け作品は『バビロン』くらいしかないようだ。アニメ化を企画したのは、2014年設立という新興のプロデュース会社・ツインエンジン。出資企業の寄り合い所帯でアニメを作る製作委員会方式を改め、海外配信を行うことで1社製作を可能にするビジネスモデルを目指す(ちなみに、アニメやTVドラマでは、クリエイティブな作業を行うことを「制作」、金回りの実務を行うことを「製作」という)。もっとも、このやり方で優れた作品を生み出せているかどうか、微妙である。“尖った”原作を狙うあまり、描写が過激で見終わって不快になる作品が多いからである。ツインエンジンは、自社製作のアニメ『からくりサーカス』『どろろ』『ヴィンランド・サガ』『バビロン』『pet』をAmazonプライム・ビデオを通じて海外独占配信したようだが、これらの作品が海外のファンに日本アニメの最先端と思われたら、ちょっと口惜しい。

【アニメーターが間違えた?】
 アニメ『バビロン』は、人々が自殺する動機や曲世愛の正体がはっきりしないまま制作されたせいか、キャラの内面が充分に表現されていない。
 第3話「革命」の終盤、高層ビル屋上の端に立つ人々は晴れがましい表情をしており、次々と飛び降り自殺する瞬間には、まるで遊戯に興じるような笑顔を見せる。もし、この行為が活性化されたタナトスによってもたらされたのならば、欲動を制御しきれない狂気染みた表情か、逆に理性の喪失がもたらす法悦の境地を示すのが相応しいだろう。また、意識が完全に曲世のコントロール下にあるとすると、自由意志を感じさせない能面のような顔貌になるとも予想される。ところが、アニメで描かれたのは、訳もなく楽しそうに飛び降りる人々の姿である。まるで空中浮遊を試みるかのように、手足を奇妙に伸ばして…。こうした描写は、視聴者に行為の意味を考えさせることなく、単に、異様な不快感を与えるだけである。『バビロン』の作画は、何らかの意図を表現すると言うよりも、見る者を嫌な気持ちにすることを第一目標としているように思える。
 曲世愛のキャラクターデザインは、いかにもありきたりで、“大淫婦バビロン”にはほど遠い。原作の記述はあまりに観念的で、どのような外見かを確定できないため、仕方ないとも言えるが、アニメという具象的な表現に移し替えるのだから、もう少し工夫すべきだったのではないか。新域のトップとなる齋開化(いつきかいか)も、ちょっと頭の良い優男にしか見えない。山岸凉子「パイド・パイパー」の真犯人のような、見た瞬間に心を抉られる凄まじい顔立ちにしてほしかった。
 周辺人物も、生きた人間として肉付けされていない。例えば、正崎の助手の立場にいた陽麻(ひあさ)は、うまく膨らませていれば、野崎まどが脚本を書いた『正解するカド』の沙羅花のような面白いキャラになったと思われる。第5話「告白」Bパート、剣道の試合の後で、陽麻が「私は…“善くない仕事”を要求されていると思っていました」と語る。同じ台詞が原作にもあり、ここから彼女の人間性が浮き彫りになるかと期待したのだが、以後、彼女の内面に触れる描写はほとんどなく、どんな人物だったかわからないまま退場させられてしまう。たとえ原作になくても、絵の力によって人物像を形作ることは可能だったはずである。
 結局、観念的で心理描写に欠ける原作をそのままなぞるようにアニメに起こしたため、心に訴えるものがなく不快感だけが残る作品になってしまった。アニメーターが自主的に作品世界を膨らませられなかったのは、プロデューサーが原作から逸脱しないようにと要求したからか、監督や原画マンの実力不足のせいか、原因はっきりしないものの、何とも残念な出来である。

投稿 : 2020/03/28
閲覧 : 356
サンキュー:

8

ネタバレ

anime さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

見事に釣られてしまいました。。

東京都の西側の市部あたりに「新域」と呼ばれる特区みたいなものができて、そこのトップである「域長」選挙を巡る不正を捜査する検事が主人公。捜査の途上で行動を共にしていた部下が突然の自殺を遂げたことをきっかけに、大いなる「悪」との闘いが始まる・・・というようなお話。

ひどかったです。
序盤から中盤にかけて、自殺を認めるかどうかという話と、普通に生きてる人に暗示みたいなのをかけて自殺させちゃうっていう別々の問題をごっちゃにして進めているあたりから「大丈夫かな?これ」と嫌な予感はしたんだけど、想像以上でした。

これは作り手の力量不足というより、始めからまともなお話として練り上げようという意志がなかったのではないかとすら思えます。

とにかく刺激的な展開をこれでもかとぶち込んで、支離滅裂なまま突然終わるという、いわば「釣り」のための作品であるといった見方がしっくりくるような気がしますね。

ちょっと大げさだけど、アニメとかこの種のコンテンツの信頼に関わるので、ほんとこういうのはやめていただきたいものです。

投稿 : 2020/03/18
閲覧 : 317
サンキュー:

8

ユッキン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

★4.1

すごく考えさせられるとても良い作品だ

評価は高くないが
俺は名作だと思ってる。
素晴らしかった

投稿 : 2020/03/14
閲覧 : 229
サンキュー:

3

みっちゃん.a さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:途中で断念した

胸糞だけが残る

自分は胸糞ものが嫌いという訳ではないし
バッドエンドも嫌いじゃないんですが
これは途中があまりに酷くて、最終回のネタバレ見て視聴を辞めました。
とにかく残酷なストーリーを作りたいだけ、という印象。
まがせあい、というキャラの能力に現実味がないのに
残酷シーンだけリアルに描く。
そして微妙な終わり方の最終回。
これをアニメ化した理由も分かりません。
よく規制されなかったなぁと思います。

投稿 : 2020/03/12
閲覧 : 289
サンキュー:

6

ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

萌えと怪事件

【2020/03/12 末尾に追記】


怪事件を巡り、架空の政治的特別区で、生と死や、正義と悪を揺るがす政治的/法的闘争が開始される。

といった展開を予期させる冒頭の数話だが、「重そうな」要素は、サスペンスの設定のために効果的にそう見せかけるための装置に見えるので、あまり本質的ではない「哲学」への拒絶感で視聴を遠ざけるのは筋が違う気がする。

政治特区や検察特捜部などの「道具立て」がリアリズム的な効果を期待されながら、現実の「特区」は首相や有力閣僚のお友達に利権を分配する装置になっているとか、現実のアメリカ大統領は知性や熟慮とは100パーセント無縁の人物であるといった、作中のリアリズムが「現実」に減殺されてしまうような事態は、本作のせいではないので少しばかり気の毒だ。
が、必ずしも作中の「フィクション」性と「現実」が分離しきれていないところが、同情だけしてはいられない視聴感をもたらす。(後述)


なぜ人を殺してはいけないのか、という難問が中二病的な空想の産物に過ぎないように、なぜ自殺はいけないのか、という問いも、現代の視聴者が感じるほどの「深さ」はない。

文明との接触が限定的な狩猟採集の伝統社会においては、嬰児殺し=子殺しが広く観察されていることはよく知られた事実だ。
が、入手可能な食料の総量と人口とのバランス調整の手段は、「子供を減らす」に限ったことではなく、「高齢者の自殺」という形でも行われている。
そうした社会では、老人が自主的に自殺していく、あるいは老人の自殺の幇助は、自然な決断や称賛されるべき名誉ある行為とされているらしい。

伝統社会で観察されるという事は、人類史において、広範な範囲にわたって「名誉ある自殺」(と幇助)が存在していたことが推察できる。
日本の「姥捨て山」のお話にしても、老母を「殺す」というよりも、老人の「自殺の幇助」という習慣であるとも見ることが可能だ。

状況によって評価が変わる行為が「深く」見えるのは、問い自体の「深さ」というよりも、語りの「レトリック」の問題だろう。
相対的に「評価」される行為を、絶対的な「善悪」の価値と結びつける「レトリック」は、もう一方では「絶対的」な価値を「相対的」に引きずり落とすレトリックでもある。



{netabare}世界には、「正義」も「悪」もない。すべては相対的なのだ。
とは、中学二年生が言いそうなセリフだが、いい年した大人でも、どうかすると口走る。

中二であれば、人生でこうした考えに一度は向き合うことも大切だと思えるが、大人で口にする者が、得てしてブラック経営するIT成金だったりするところに、どっちもどっち論の幼さや無根拠性が表れている。


たとえば、虹の7色と言われるが、実際の虹はスペクトルであって、境目のないアナログな連続体であることはよく知られている。

ためしに赤色から橙色へ変化を追うとき、境目を見出すことはできない。
特定の波長を設定して、それより長いものは「赤」、短いものは「橙」と「定義」することはできるし、そうされてもいるが、それは光や色について取り扱う利便のために設定された「方便」であって、境界線のすぐ両側の「色」を見比べても違いを指摘することは困難だ。

「設定」は恣意的なものであり、「赤」と「橙」を区別する絶対的な境界線はない。
が、だからと言って、「赤と橙には違いは無い」、さらには「色の区別は不可能」といったことにはならない。

「境界線」の両側では、確かに違いを識別できない。
しかし、誰でも、「明らかに〈赤〉としか見えない」色や、「どうしても〈橙〉にしか見えない」色があることは「疑えない」。

「これは明らかに〈赤〉だ/〈橙〉だ」という直観(直感、ではない)、両者の区別の根拠はこれだと現象学は主張する。
「赤」を見たときに感じられる「あの感じ」。「橙」とは異なる「あの感じ」が現れることが、「赤」という直観を支える本質だ。
本質洞察されたこの直観によって、「赤」と「橙」の両者は峻別されるし、この区別=違いが直観されて不可擬であるからこそ、事後的に「区別」できない領域という疑惑が生じる。
論理的に、最初に区別が「ある」という確信があるからこそ、区別は「無い」かもしれない=「ある」は誤りかもしれない、という懐疑が生じるのであって、逆はあり得ない。
「境界線」、「定義」、の発想自体が、「ある」の確信の上にしか生まれないのも明らかだろう。

境界線の付近ではどちらの色か決定が困難に、あるいは不可能になるが、それは「ここでは決定できない」という「明確な」判断が下されるのであって、区別の原理的な不可能や、ましてや一切の決定不可能性を意味するものではない。

「正義」と「悪」にも、まったく同じことが言える。上記の「赤」と「橙」に、正義と悪を代入すればいい。
「色」も含め、あらゆる知覚像が人間にはアナログなものとして現れることが、人間にとって世界がアナログとして存在する根拠であり、「正義」と「悪」もアナログなスペクトルとして現れ出る理由だ。
取扱いの「利便」のために「境界線」が引かれるが、境界の設定や曖昧性は、正義や悪という区分の存在の不可擬性を脅かすわけではないし、善と悪の区別が一切不可能であると証明するものでもない。

中二病の患者が主張するように、「正義」も「悪」も存在しないのではない。直観に対する懐疑と再確認が「世界」での人間の振る舞いの実質だが、中学二年生はその経験を重ねる途上にいるだけだ。
中二じみた言動をする大人は、いい年して直観と本質洞察に無自覚なだけか、自覚しているなら意図的に「ウソ」を吐いているという事で、どちらにせよ真に受ける必要がない。


ついでに、作中の「政治」要素についても記しておこう。

哲学や倫理といった根本原理が、物語る設定のために意図的に「法律」という「利便」のための道具に重ねわされているように、政治もまた、本作内では変形している。

「正義」が「法律」という「方便」と二重化されているように、作中では「政治」は「多数決」という「方便」と一体視されている。

作中の「日本」は民主主義の「政治」体制だが、選挙=多数決の「多い意見を集める」ことは、国民が国民自身を支配する民主主義「政治」を具体的に運営する「制度」=「道具」に過ぎない。
何らかの方法で何が「国民の意思」かを可視化しなければならないし、意思が複数存在するならどれかに決めなければならい。
が、それは「利便」の手段、あるいは運用上の「限界」=「制約」であって、本質である「国民による支配」そのものではない。

選挙の投票率が著しく低い、あるいは意見投票がしばしば「どちらでもない」が多数になることがあるように、多数決=選挙が、そもそも投票者=主権者の「意思」=本質を反映できていない事態は当たり前に存在する。
そもそも「選択肢」から選ぶという選挙=多数決は「デジタル」であって、「アナログ」の本質は原理的に再現できない。
少数意見を切り捨てずに議論するというのは、せめて「選択肢」を精緻化して少しでもアナログの再現度を向上させる「実利的」な方法論であって、綺麗事のタテマエ論ではないのだ。

民主「政治」が「多数決」と同一視されるのは、今のところ「本質」を具体化する「道具」がほかに考案されずにいるからに過ぎない。

本作内での「政治」が、「本質」から離れた「多数決」の言い換えなのは、言うまでもなくサスペンスドラマの設定がパワーゲームの要素を必要としているからだ。
本作内の「政治」は、本質的な意味での政治とはかかわりのない、「ゲーム」の「ルール」の一部をなしているだけに過ぎないし、それゆえ作中で「政治」を問うことは見せかけに過ぎない。

作中の「政治」という言葉は、全て「架空の数取りゲーム」と置換して構わない。


作中で主人公が追い求める「正義」が揺らぐように見えるのは、「法律」の本質がまさに「利便」のための「境界線」であって、「正義」の本質とは異なるという食い違いによる。
「正義」が揺らいでいるのは見せかけで、揺らぎは「正義」と「法」の、本質の範疇的な違いが生み出している。

「正義」と「法」の範疇が混淆するのは、主人公の職業意識が反映されているからであり、サスペンス性を主人公視点で演出するからだ。
だが、終幕に至って、所属組織を離れ、職業上の立場を離脱してもなお、主人公の思考と価値基準が変化しないことで、サスペンス性が急速に拡散してしまう。

「サスペンス」は、怪事件が「捜査」され「真相」を追うことで発生していた。
だが、終幕では、「捜査」は放棄され、主人公は「職場」を離れる。

職場=捜査を離れることで、サスペンスを発生させる支点=視点の特権的な「立場」が喪失されているにも拘らず、行動の核である「職業的」信念が変化しない主人公は、中二病の自問自答じみた空虚な詭弁の狂言回しのように迷走し、「サスペンス」は決定的に喪失される。



それにしても、原作は小説のようだが、事件のキーパーソンの曲世という女性の造形は、まるでアニメ化のために創られたかのようだ。

いっさいの作為なく、対面する男の性的な欲動を(強制的に)挑発する、とは所謂「萌え絵」(の概念)をキャラクター設定にしているとも云えるだろう。

「乳袋」に代表されるような、現実からは不自然な衣服の張り付きや、皺の強調。
殊更にまくり上げられたスカート、しかし下着を描かない「はいてない」。
あるいは身体のひねりや指の微妙な曲線、「乳揺れ」、などなどなど。

描かれている(女性)キャラには挑発する作為などないと見せかけるイイワケを担保しつつ、性的な印象を喚起する「萌え絵」の技法。
こうした技法の数々に支えられる「萌え絵」の概念が、そのまま彼女のキャラクター設定に重なる。
と同時に、アニメ化に際して、こうした「萌え絵」の技法をなぞった描写をすることによって、このキーパーソンの特異「能力」を、最小限の説明で視聴者に納得させることが可能になる。

「意図的に」この「異能」で事件を操作する曲世愛というキャラクターは、まさに「萌えキャラ」構造の可視化という事になるかもしれない。
作為は無いという暗黙のイイワケを投げ捨て、「キャラ」「自身」が「自覚的」に「萌え」るビジュアルを誇示してきたならば、男子オタクは能天気に「萌え」つづける事はできるのだろうか。
彼女に「犯された」という同級生男子たちの証言は示唆的だ。

こうしたところが、本作が「アニメらしくない」物語ではなく、アニメならではのものだと思わせる。


バタイユの有名なエロティシズム論では、エロティシズムは、禁止によって規定されている人間存在が、規定された「禁止」線を「侵犯」することで立ち現れるのだという。

正義と悪の境界線=「禁止」の境界線を揺さぶり、混乱させる「犯人」=曲世が、性的イメージを喚起する「萌え絵」の化身のようなキャラクターであるのは必然だろう。

だが、アニメやマンガに投げかけられる「エロい」が「エロティック」のカジュアルな短縮形であるように、「萌え絵」の「エロ」は、バタイユ流の「死にまで至る生の称揚」である「エロティック」に比べれば貧弱で弱々しく、言葉同様に内実もカジュアルに薄弱化しているようだ。

挑発はしていません、という「言い訳」で性的要素がないかのように見せかける「萌え絵」の概念。
大人の目を盗んで「怒られ」無いようコッソリと逸脱を楽しもうとする子供のような態度を思わせる「萌え絵」の「エロ」が、死にまで至る生命の燃焼を求めて「禁止」を正面から「侵犯」するバタイユの「エロティック」に到底及ばないのは当然かもしれない。

何かの拍子にたまたま「萌え絵」が公共の場に出て、批判的な意見に曝されたとき、まるで発狂したような勢いで批判者に罵言が集中して、なんとしても批判者の口を塞ごうとありとあらゆる屁理屈が並べ立てられるのは、どうしてでも「こっそり」侵犯している姑息な「仕掛け」を隠蔽したいからなのだろうか。

禁止線をめぐる「境界線」の問題を、表現や自由などの「絶対性」に結び付けて一切の批判を一挙に無効化させたいという自堕落な欲望は、まさしく正義や悪を持ち出して「境界線」を「絶対」化しようとする曲世=「萌え絵」キャラの欲望と共鳴している。

こうした騒動は主にネット上での「炎上」という形で現れ、様々な「論客」とやらが「議論」をかわしている、とみられているが、ネットの掲示板やSNSには、「議論」など無い。
掲示板の書き込みやSNSのつぶやきは、交互に書き込むことで「対話」や「議論」が行われているように見せかけられてはいるが、実質的には単に自分の「意見」を書きこんでいるだけに過ぎない。

現実に対面しているもの同士の会話では、おのずから「意味」が立ち上がり、交換され、それによって「議論」や「決着」も導かれる。
一方的に、相手の「意見」を無視して「議論」が成立することは、原理的にできない。

言語の「原理」とは、「意味」が発生していると相互に不可擬な間主観的信憑が発生する、という現象学の本質洞察であって、言語哲学者の「言語は定義できない」は転倒した錯誤に過ぎない。
だが、掲示板上では、間主観的な不可擬性の信憑がなくとも、一方的な書き込みで「議論」の形式を見かけ上捏造することができる。
論客とやらの「論破」「オレの勝ち」の勝利宣言は、要するに独り言の書き込みと本質的に変わりはない、端的に無意味だ。


アニメの感想にこんなことが浮かんでくるのは、本作のラスト数話で繰り広げられる「議論」や「思索」が感じさせる空虚感、空想性、空回り感が、まさにこうした「形式上」の形を整えただけの無意味感と同じ感触を感じさせてくるからだ。

日常的な会話では、「よい」は、「良い」「善い」「好い」「正義」「優れている」「悪くない」などなどの多様な意味の中から、その都度使用する人間たちの間主観的信憑において「意味」を相互了解しながら使われている。
「よい」という言葉を使っているという「形式」だけで、善悪という根源的審級における「よい」、法律上「よい」、政治的に「よい」、などなど、本質の異なる諸要素を同一平面において混淆してしまう形式主義の言葉遊びが、本作ラストの空虚さを支え、ネット「議論」を連想させる。

あるいは、意図的な「詐術」として形式化を利用しているのではなく、作者や製作者の中では「本気で」先入観のない幅広い思索を試みていると自覚されているのだろうか。
掲示板で「勝利宣言」する「論客」が、ともすれば自覚的に詭弁を弄しているのではなく、本気で「勝った」気になっているように見受けられるように。
だが、上述したような、正義についての本質洞察の確信を把握する普通の視聴者には、本作の「議論」も、ネット論客の「勝利宣言」のように、独り相撲のつぶやきにしか感じ取れないだろう。


作者や製作者が形式主義を自覚できず、詭弁の空論を「本気」で捉えているのかもしれないと疑ってしまうのは、掲示板やSNSのみならず、形式主義が現実に浸透しているような日常感覚があるからだ。

この数年、首相を始めとする有力政治家が、論理的には明らかに不法行為を行っていると推察されるのに、一向に追及が効力を発揮できない事態は、ネット同様に他者の意見や言葉の意味を一切受け止めることなく、一方的に妄言を並べたてる態度を、「議論」とみなしてしまう「形式主義」の呪縛にある。

「形式」上、議論であるかのような体裁があれば、本質を顧みることなく事実的な「議論」として取り扱ってしまう「形式主義」

昔話では、「王様は裸だ」と言えば下らない欺瞞は霧散した。
が、「奴は嘘つきだ」という単純な真実を言えなくする「形式主義」の呪縛が、際限なく空論を繰り返す下らない「議論」を無限生産する。

こうした「現実」が、ネット同様、本作のようなアニメにも浸透して、サスペンスが空論に落ち込む事態を招いたのかもしれない。
「性的な挑発はしていません」という「形式」主義の産物である「萌え絵」を体現したキャラの姿で幕を閉じるラストは、象徴的だ。



【追記】

萌え絵を愛好することは、別に悪いことではない。
いや、むしろ「萌え絵」の魅力は性的な要素があってこそなのだろうし、それを間接的な仕方で匂わせる処に「萌え絵」の技術性があるのだろうと考えている。

だが、「炎上」で不毛な「論争」が爆発するのは、擁護したい者が、自分は「エロいから」この絵が好きだ、という明らかな「事実」を否認=隠蔽したまま「擁護」しようとするために、「擁護」の立脚点が架空の「論点」の上に築かれざるを得ないからだ。
「架空」の土台上に重ねられる言葉に、間主観的な「意味」の共有が生じないのは当たり前で、再反論もどこまでも空論へ流されていくのは、これまた当然だ。

「萌え絵は性的な挑発をしている(だから好き)」と事実を認めるだけで、不毛な議論の大多数はたちどころに消滅するだろう。
「形式」的な「議論」(の体裁)にこだわって、どう見ても明らかな「事実」を無いことにする歪みが、不毛な言説の氾濫となって「炎上」は繰り返される。

本作では、「曲世愛」が、(作品内の「現実」では)「事実」として他者の思考や情動に影響を与える「能力」があることはどう見ても明らかであるのに、法律上の構成要件に該当するかどうかという「形式」にこだわり、危険な異能という「事実」性を基礎に置かないために実効的な対応が取れない。

終幕の「空論」の空転感を底で支えているのが、「事実」を見ないことにして「形式」上の体裁に縛られる形式主義であり、中心点である曲世愛が「萌え絵」(概念)を象徴するキャラであることは、やはり必然だと思う。

その意味では、時代と現実を反映していると云えるのかもしれないが、触発的に告発しているというよりも、単に時代に「取り込まれ」て呪縛されてしまっているだけという印象しかないのは、作者や製作者の自覚的な内省や能力の問題だろうか。{/netabare}

投稿 : 2020/03/12
閲覧 : 505
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8

ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

バビロンな考え方なら、この終わり方は悪になる

 東京地検特捜部検事・正崎善の活躍と、共に立ち向かう人達も巻き込まれるお話ですねです。

 よくニュースで見るような東京地検特捜部の強制捜査から何が始まるな出だしから、どうなるのかなぁ?とワクワクしながら見ていたです。
 徐々に大きくなるような犯罪交えた展開と、闇に潜む黒幕を追い詰めるのか?と思いきや、何かどんでん返しみたいな展開になっていくなぁでしたです。

 新域とかいって、自治体という以上にあんな独立地区、現存したら凄いなぁです。「自殺法」は、ないだろうと思うです。でも、このお話において、終盤までこのことが世界をまたぐことになるとは、思いもよらなかったです。

{netabare} 善の仲間たちが壊滅され、おしまいだぁと思ったとき、一国が動く急展開、面白くなるのか?意外性があったと思ったです。あのタイミングで、今までの再放送は、ないと思うのだけでも・・・・だったです。{/netabare}

 法律を作り利用した陰謀が、ここまで世界規模になるとは、思わなかったです。
 このお話とは別に、どっかで手の込んだ行動を起こし、法律法律、〇〇〇法、〇権と喚くどっかにいる誰かさんを思い出すです。
 大陸をまたいで、幼い命も巻き込んだ狂気の所業に見えたです。

{netabare} サミットまで発展して、世界各国の代表が、「自殺法」についての討議や「善悪」について話し合うところは、興味を引くものがあったです。{/netabare}一人でも考えられない、いろいろな考え方や例えがあって独特の空間だったけど、良いところで途切れたのは残念だったです。

 予期せぬ事態から、収拾つけたのもつかの間で、納得できなかったクライマックスにやるせなさ、今までの行動が何だったかを?悪い意味で終わらせたように見えたです。
 このお話において、善悪についての結論を出したけど、善悪特に悪についての結論において、{netabare}終わることが良い意味にもつながることなので、{/netabare}私には完全な回答にならなかった考えられるです。

 曲世愛の存在感が、インパクトあったです。{netabare}一人で、善の仲間たち、多くを犠牲に出したのだから・・・です。アメリカまで来ていたし・・です。{/netabare}曲世愛の過去を調べても、結局謎残ったままだし、曲世愛の能力も一体??だったです。
 齋開化の計画と曲世愛の関係性も謎残ったです。見ていると二人は、明らかに無関係でないと思うのだがです。

 あれだけサスペンス的な展開が、あったのに納得できない終わり方で、{netabare}またもや大きな犠牲や、誰かさんが最後のうのうとしている姿を見て、善も犠牲になったとしか見えなかった残念さがいたたまれませんです。「必ず最後に悪が勝つ」というのだろうか?です。{/netabare}「これでいいのか?」今までの軌跡は一体?!です。
 

投稿 : 2020/03/11
閲覧 : 364
サンキュー:

14

mmmegane さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

評価が分かれる内容

アマプラでは低レビューだったが気になって視聴。
個人的には引き込まれる内容で、自分の中で考えさせられる作品だった。
また、終わり方が衝撃的だった。終わった後も時々何が正しいのか考えてしまう作品。
風呂敷は広げられるだけ広げられて回収されていないので、そういうのが気になる人には向いていないかも、

投稿 : 2020/03/05
閲覧 : 262
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3

あや さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:----

スッキリしない!

大好きな刑事(検察)サスペンスで、
どんな結末になるのかワクワク毎週楽しみにしてました。

結局、スッキリしなかった!!!!

自殺、生と死、善と悪、考えることの必要性を訴えているのかもしれませんが、あまりにも現実離れしすぎているので、何かを思考するという考えにはなりませんでした。

なんだこの作品!!!
見て損したよ~!!!( ;∀;)

投稿 : 2020/02/21
閲覧 : 311
サンキュー:

7

ネタバレ

Tetra さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

最高でした。

内容が複雑かつとても深くシリアスなので、人を選ぶ作品かとは思いますが、神アニメと言うに値するような作品でした。上に書いたような理由から、評価点はイマイチですが、斬新なアニメや考えさせられる系アニメが好きな人は絶対に見た方がいいと思います。久しぶりに本気で楽しめるアニメを見ることができました。{netabare} 結末に関しては賛否両論ですが、自分はとても上手い終わらせ方だったと思います。物語において最もスポットライトが当たったのは正崎と大統領でしたが、その二人がラストシーンでそれぞれの大切なものを捨てて社会全体における「善」を優先したことは、この物語の主旨に合致し、非常にしっくりくるものでした。ちなみに、大統領にとっての大切なものというのは、自らが正崎に下した「無事家に帰れ」という命令のことで、正崎にとっての大切なものというのは、無事家に帰るという行為そのものです。

最後になぜ大統領を射殺したのか分からないって人もいるようなので、一応書いときます。大統領は少女との対談において、「自殺が「善」という結論に達っしたならば私も自殺する」というようなことを言っています。つまり、大統領の自殺=「大統領が自殺を善と見なした」ということになってしまうのです。そんなことになれば、自殺法の制定や、自殺そのものがさらに加速してしまいます。そういった理由で、大統領は自殺以外の手段で死ぬ必要があったのです。{/netabare}

投稿 : 2020/02/20
閲覧 : 282
サンキュー:

4

ネタバレ

オキシドール大魔神 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

ちゃんとググらないで見始めたのが失敗だった

 あまプラでいろんな作品を見ているうちに度々広告が挟まれる作品の一つで気になってたところで、友人に勧められたのが決定打となって視聴開始。
 もうここ数年、自分は原作を知らないアニメを見る際は、ネタバレにもなって良いからググって事前に情報を収集するようにしている。なぜかといえば、その作品が自分にとって好ましい展開になるかどうかを確かめるためだ。先の展開を知ると新鮮な面白さはなくなってしまうが、今作のように半端なタイミングで視聴を断念して無駄な時間を過ごすよりはましだ。なぜ、今回は事前調査をしなかったかと言えば、大きな理由は二つある。ひとつは、昨今の自分の精神状態が安定していなく、作品をネタバレ抜きで十全に楽しみたいと思ってしまったのと、自分の嗜好をある程度把握している友人が勧めてくれたから、まあ大外れって事はないだろうと高をくくっていたからである。
 
 前置きが長くなってしまったが、この作品自体はフラットに見れば悪くないと思う。声優もそれなり出し、作画も特別凄くはないが安定はしているし、作中のキャラのやり取りは面白い。ただ、自分はバッドエンドが基本的に受け付けなく、今作はバッド中のバッドエンドらしいということで、今の自分には受け止めきれないと思い断念。なぜバッドエンドと分かるかと言えば、視聴開始時点ではググらなかったが、結局何話か見たところでググり、ウィキペディアやまとめの感想などでどうやらバットぽいぞ?と疑い始めて、今作を歓めてくれた友人に確認を取ったからである。「敵側が完全勝利って珍しい」との論だったが、いや斬新ではあるけど斬新なだけだろと。斬新なだけじゃないにしても、自分の好みとは違うどころか正反対過ぎて無理だった。せめて相討ちぐらいならまだしも、敵側を完全勝利させる意図が分からない。
 今作の何が納得いかないって、その敵の大ボスが世界観からするとあまりにもチートすぎること。比較的現代に近い世界観なのに、その敵一人だけ超能力紛いのスキルを持っていて当然ながら無双していくだけというのは、見ててどう楽しめばいいか分からない。
 ちゃんとググったりして情報を収集しなかったのは自分の落ち度ではあるが、まさかここまでめちゃくちゃな作品があるとは思いもしなかった。バッドエンドは嫌いだが、過程やテーマ次第では納得できるものもある。前述したが、せめて相討ちぐらいならまだ納得できるし、主人公側と敵側の条件がほぼ同じくらいで負けるのなら百歩譲って納得する。だけど、今回は敵側が飛びぬけてスペックが高くて勝って当然の状況でそのまま勝つってなんじゃそれと。

 でもやっぱり作品を十全に楽しみたいので、そういう意味でぐぐることは今後もなるべくしたくない。そういう意味じゃ今の情報化社会より、ネタバレを知りたくてもなかなか知りようがなかった昔の方が良かった面もあるのかなあと感じる。

投稿 : 2020/02/19
閲覧 : 410
サンキュー:

8

ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

正義は勝ってほしい

原作:小説 未読

ネタバレ感想

自殺法とか、ちょっと倫理的とかにもありえないだろうなぁって思うんですけど。
どうなんですかね?
中学や高校の道徳で議論するのはありかもですが。

曲世 愛とかいう女性が、自身の手を下すことなく「人を死に追いやるなんらかの能力」で相手を自殺させてしまうとか
ちょっと何言ってるのかわかんないレベルのとんでも能力が邪魔だったかなぁっと。
こんだけシリアスでリアリティーある話なんだから、催眠術レベルで納めて欲しかったです。

でも、個人的には 話自体は面白かったですよ。
ただ、小説がまだ終わっていないので、アニメの最後が未解決のまま終了してるので、そこが残念でした。
(どうせなら原作終わってからアニメ化してよね!プンスカ)

第二章の最後 7話で一旦区切り、第三章の8話は3~4週間後でしたっけ?
凄く待たされた記憶があります。
三章から海外へ話が広がり、アメリカ大統領まで出てくる始末。
(この時、風呂敷広げたなぁ~って思った)

各国の首脳が集まる所にまで曲世 愛が現れ、アメリカの大統領まで魅了し、自殺へ追い込む展開は、面白かったけど・・・
あそこで大統領自ら自殺させてしまえば、世界的に自殺を容認してしまう懸念があるので、それを止めるべく主人公?の正崎 善が、全ての罪を負ってまで大統領を拳銃で撃ってしまう展開は、ドラマの見過ぎか?ちょっと予想できちゃいました。
でも、あれは誰かがやらなければいけなかったので、善は正しい判断だと思うけど・・・
それを解ってあげれる人も数人いたとしても、世界中にTV中継されてたから、善は人身御供的にも 大統領殺害容疑者にされてしまうと予想され・・・
も~ホントいたたまれません。

目の前で何人もの同僚が殺され、その曲世 愛を捕まえることも叶わず終い。
なんて不幸で可哀想なキャラなんだと。。。
無念です。
最後の最後、曲世 愛は のうのうと生きてるし・・・
《許せない!!》 Sexy Zone 菊池風磨風に (ドッキリGPより)
なんて後味の悪い終わり方なんだ。
正直者が損をするような話は嫌いです。

原作が終了したらアニメでも最後までやってくれないと、このモヤモヤ感は晴れないので是非とも正義は勝つ展開でオナシャス!

投稿 : 2020/02/18
閲覧 : 316
サンキュー:

36

ネタバレ

オカモン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 2.5 声優 : 5.0 音楽 : 2.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

自殺の善悪を考えたことはあるか?

自殺大国日本において、このテーマを正面から扱い視聴者に問いかけるアニメはあったでしょうか。

非常にセンシティブな問題なだけに地上波で放送されたことが本当に凄いです。

このアニメがきっかけで、改めて自殺率や自殺要因等調べ、考えさせられました。大事なことなのでそういった機会を与えてくれたこのアニメに感謝です。

アニメとしては完結していません。
最終話まで見ても一つの答えが出ず(原作が終わっていないというのもありますが)、少なくとも続編が出ないことには靄がかかったままとなると思います。

(心の声)評価が低いのもうなずける…スッキリしない…

序盤、サスペンスと思いきや、中盤に差し掛かるタイミングで能力者が出てくるのでファンタジーでありました。ここでも好き嫌いが分かれそう。

個人的には6話の九字院(櫻井さん)の演技が最高です。
とにもかくにも引き込まれます。見てほしい!

7話は衝撃でした。あぁ…ってなりました(語彙力

もう一度いいます、スッキリしないアニメです。でも個人的には見てほしい、考えてほしい。

最終話Cパートは…ちゃんと続編でるってことですよね?
お願いします…。

投稿 : 2020/02/16
閲覧 : 237
サンキュー:

8

ネタバレ

やまびこ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルどおり7話は恐ろしい。

「正義とは?善とは?悪とは?」というテーマは非常に興味深く引き込まれた。
曲世愛という特異なキャラクターが理不尽に人を自殺させたりはたまた殺したりするのも、その圧倒的な力を保持していることも、大きなテーマへの外濠を埋めていく行為と思うとよく練られているなぁと単純に感心した。


アメリカ大統領の答えである{netabare} 良い事とは続けること{/netabare} も考えさせられる素晴らしい格言だ。

ただ、原作を読んでいないが、これは最終的に全ての伏線を回収できているのか?

アニメでは斎開化との関係性、新域の行方、はたまたアメリカを含む世界との共存など全てをほったらかしのまま、{netabare} おそらく善の自殺 {/netabare} で終わってしまった。

続きが気になるのだが、なぜか調べたら負けだというへんてこな気持ちから調べていないので、とりあえず不完全燃焼のまま頭の奥にしまい込もうとおもいます。

投稿 : 2020/02/14
閲覧 : 250
サンキュー:

5

ネタバレ

ごまだんご さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9
物語 : 1.0 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

終わり・・・?

刑事もの好きだしな~
これも安定で見るか~
なんて気持ちで見たのが悪かった

{netabare}
サイコサスペンスは好きだけど、
終わり方がなんとももやもや。

自殺がよいか悪いか、尊厳死とか、改めて考えさせられるテーマだったけれど、

瀬黒が殺されるシーンは見ていられなかった
曲世愛が許せなかったし、これは最後にスッキリしないと胸糞と思って
なんとか最終話まで見たが、

もぉぉぉぉ最後の最後でまさか生きてる曲世愛。
声でました、ありえへん。

あれだけ内部の人間が殺されていながら日本の警察は無能で腹が立ち、
後半はアメリカ大統領の人格に希望を抱いて、
ここまでなんとか折れないで進んできた正崎を救ってほしかったのに、
なんでぇぇぇぇぇ

「善いことは続く」


{/netabare}

投稿 : 2020/02/14
閲覧 : 297
サンキュー:

6

ネタバレ

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

エロスとタナトスは紙一重

「新世紀エヴァンゲリオン」とかでも語られてきたテーマですが、
今作では、真正面から視聴者に問いかけてきます。

そもそも"SM"という性的嗜好がある点からして、「"性"と死」は遠そうで近い存在です。

"性"に働きかける因子を少しずらしたら、
人間を"死"に向かわせる結果もあり得るのかもしれない・・・と信じてしまいそうになります。



もしかしたら他にも書いていらっしゃる方がいるかもしれませんが、
これって"「{netabare}虐殺器官{/netabare}」のその先"ですよね?

{netabare}曲世愛が操る能力(?)は、まさに"虐殺の言語"だと言って良いのではないでしょうか。

伊藤計劃さんが提示した問いの答えに、今作でまた一歩近づいたような気がします。

しかし、やはり今作でも明確な答えは出てきません。・・・まあ、答えがはっきり出たら出たで、生物学的にというか人類学的にというか宇宙的に問題ありそうな気はしますが・・・(笑){/netabare}



声優的には、ゆきのさつきさんがすさまじかったのは言うまでもなく、
それよりも中村悠一さん同時期に主演やりすぎ問題(笑)。

「PSYCHO-PASS サイコパス 3」といい「歌舞伎町シャーロック」といい・・・
炯・ミハイル・イグナトフに至っては正崎善とキャラ被りすぎ(笑)
連続して視聴すると多少混乱します(ほかにもキャストが被ってるし・・・)



原作小説も読んで、安楽死や尊厳死、自殺を含めた"死"について改めて深く考えてみたいと思います。



甘き死よ、来れ



P.S.{netabare}九字院偲が言った"死ぬ時の感覚"からすると、二次性徴の始まっていない少女や、更年期を過ぎた(であろう)人々までが自殺しているのは謎ではあります・・・。{/netabare}

投稿 : 2020/02/12
閲覧 : 412
サンキュー:

5

koaki さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

脳みそがウヮンウヮンする系

原作未読。

ただ、原作が「野﨑まど」と聞いて嫌な予感が・・・
小説は2冊ほど読んではいるのですが
何というか、テンポが合わないというか、変。
ようやく慣れてきたと思うと崩される。
でも、先が気になって続きを読まされる

喉がむず痒いというか、奥歯に物が挟まったような
読みだしたら途中で放置できないというか
不思議な読み味です。
そして脳みそがウワンウワンする系

バビロンもやはりそうだった。
新薬開発からの禅問答・・・何故!?
そしてやっぱり脳みそウワンウワン!
最後ぼかして読者の想像におまかせ。てへぺろ♪
アニメでも同じだったかぁ~εミ(ο_ _)οドテッ

でも、理不尽ではあるけど、自分を悪と認めてたアノ女
あぁ~いう奴はいる。
今回は特殊能力みたいなのを使ってたけど
誰からも普通に、もしくは可憐に、または美しく見えて
裏で平気で人を傷つけるような奴は普通にいる。
いじめを先導している輩は(幼稚園の女児でも)
似たような雰囲気を持っている。
そう考えると恐ろしかったりする。

投稿 : 2020/02/10
閲覧 : 422
サンキュー:

16

ahirunoko さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

1つの区切りという事で終了なら不満タラタラだが我慢もするが続編で疑問解決なければ評価は最低付けます!

ストーリーと関係ないところだけ星評価します。

内容は凄く良い!
個人的には無理やり感なく話が進むのでとても良い。
作画も悪くない。
声優さん達、凄~く頑張ってる!

7話・・・曲世愛の残虐ぶりは衝撃的!こんなのなかなか無いね(^^;)

しかし!曲世とは何者なのか?斎との関係は?何がしたいのか?
ほとんどの?が未回収(- -;)

そういやレビュアーさん達が書いていたが原作者は自分が最低評価した「正解するカド」の脚本した方だって?
どうりで、と思っちゃうよ。
続編出して良い意味で自分の先入観を裏切って欲しい。

投稿 : 2020/02/10
閲覧 : 371
サンキュー:

15

はなくそ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

最終回

エピローグで胸糞度アップ。11話まで本当に面白かっただけに非常に残念。正解するカドよりマシ程度の最終回だった

投稿 : 2020/02/09
閲覧 : 325
サンキュー:

3

ネタバレ

レモリア さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

これは面白いとかではない!

これは深い。
かなり考えさせられる!
自殺とは何か!

見終わった後の虚無感は半端ない!

投稿 : 2020/02/08
閲覧 : 239
サンキュー:

3

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バビロンのストーリー・あらすじ

「その啓示は、静かにそっと訪れる―」東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社の不正事件を追ううちに、一枚の奇妙な書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚のまじった異様な血痕と、紙一面を埋め尽くすアルファベットの『F』の文字。捜査線上に浮かんだ参考人のもとを訪ねる正崎だが、そこには信じがたい光景が広がっていた。時を同じくして、東京都西部には『新域』と呼ばれる新たな独立自治体が誕生しようとしていた。正崎が事件の謎を追い求めるうちに、次第に巨大な陰謀が見え始め――?(TVアニメ動画『バビロン』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2019年秋アニメ
制作会社
REVOROOT
公式サイト
babylon-anime.com
主題歌
《主題歌01》Q-MHz feat. uloco.『Live and let die』《主題歌02》Q-MHz feat. Mikako Komatsu『イノチ食ム魂』《主題歌03》Q-MHz feat. Mikako Komatsu『イノチ食ム魂(requiem ver.)』《主題歌04》Q-MHz feat. *Namirin『The next new world that no one knows(Blood stained ver.)』

声優・キャラクター

中村悠一、櫻井孝宏、小野賢章、M・A・O、堀内賢雄、興津和幸、宝亀克寿、置鮎龍太郎

スタッフ

原作:野﨑まど『バビロン』シリーズ(講談社タイガ刊)、キャラクター原案:ざいん
監督:鈴木清崇、キャラクターデザイン:後藤圭佑、音楽:やまだ豊

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