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「海獣の子供(アニメ映画)」

総合得点
71.2
感想・評価
129
棚に入れた
534
ランキング
1398
★★★★☆ 3.7 (129)
物語
3.5
作画
4.3
声優
3.5
音楽
4.0
キャラ
3.5

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海獣の子供の感想・評価はどうでしたか?

とまと子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「海獣の子供」体験記

 
わたしには14歳年の離れた兄がいます。
同じ都内にばらばらに暮らしているのですが、ある日連絡してきて、
「海獣の子供というアニメ映画をみたいんだが、おっさんひとりで見に行くのは大変につらい。そこでお前に付き合って一緒に見に行って欲しい。というか付き合え。」
とのことでした。

兄妹ふたりでアニメ映画見に行くなんて気持ち悪いですか?
わたしは気持ち悪いです(笑)

でもそういうわけで、まったく何にも予備知識も心構えもなく映画館でこれを見ました。


背中からドンっ!って夜中の海に突き落とされたみたいでした。
大量の色が線が光が動きが、音が音楽が波が海が、わたしを飲み込みました。

凄まじい、体験でした。


この映画は全部、人が描いた絵でできています。
アニメ映画だから当たり前ですよね。

でも、これを見ていただけたなら何故わたしがこんな言い方をするかわかってもらえると思います。
この映画は、全部、人がその手で描いた絵でできているんです。

海も、空も、星も、雲も
夜空も、夜の海も、人間も、魚も
銀河も、光も、響き渡るクジラの歌も、宇宙も
なにもかもが何百枚も何千枚もの人の絵の積み重ねで語られ
それはもう、ストーリーなんてなくたって構わない
エネルギーが、感情が、誰のだか何の生物のだかもわからないような思いが、吹き上げて、渦を巻いて、もの凄い音をたてて、わたしの中に突入してきました。

興奮しておかしくなった人みたいですか?
そうかもです。
わたし、少なくともこの映画を見たあと数日間は、興奮しておかしくなった人になっていました。

今でもまだ、”レビュー”なんてとても書けません。
だって自分があの日何を体験したのか未だにわからないんだもの。


好みかどうかときかれたら、ひとりだったらきっと見に行ってはいないでしょう。
神秘的な雰囲気のアニメは好きですが、わたしは海か山かと言われたら断然山派です。
宮沢賢治大好きっ子です。

なんだかなーっていうような兄のせいで、不得意分野にいきなり放り込まれました。
でも、わたしはこの映画のことは、あの夏の日の体験のことは、絶対忘れないと思います。

「海獣の子供」は、そういう映画でした。


え?
兄ですか?
寝てました(笑)

投稿 : 2024/09/16
閲覧 : 27
サンキュー:

2

潜水艦トロイメライ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

むずい

私には分からなかった
ただむちゃくちゃ映像と音楽ががきれいというとこだけしか

投稿 : 2023/05/23
閲覧 : 140
サンキュー:

2

ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

人新世の到達点

STUDIO4°C制作。

圧倒的画力で支持を受ける絵師、
五十嵐大介、彼もまた天才の系譜であろう。

多様な生命と自然界への畏敬を下地に、
14歳の少女琉花は不思議な兄弟に出逢う。
海と空に交わり導かれるままに、
琉花は水の中で身も心も自由になっていく。
色彩豊かに生命誕生の物語が動き始める。
素晴らしき海洋冒険譚であろう。

宇宙、そして広大な海の数式、
生命の躍動と神秘的な未知の世界。
サピエンスの偉大な旅、
そこには数々の螺旋状の記憶がある。

地質学では完新世から人新世へと、
観るものを圧倒する映像美と音楽、哲学。
素晴らしいアニメがまた1つ誕生した。
これは「鑑賞」ではなくもはや「体験」である。

生命はどのようにして誕生したのか。
原初の海はどのような形をしていたのか。
{netabare}パンスペルミア仮説を物語の背景とし、
隕石は精子、海は子宮、命の誕生祭が描かれる。{/netabare}

{netabare}大きく弧を描くザトウクジラの飛翔に、
生命の偉大さと美しさ、尊さを見る。
海の底で起ころうとしている奇跡に、
クジラたちのように声を合わせて歌おう。{/netabare}

美しく壮大な映像を前に、言葉はいつも足りない。

投稿 : 2023/01/06
閲覧 : 1123
サンキュー:

68

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2022.12.22

2022.12.22

投稿 : 2022/12/22
閲覧 : 103
サンキュー:

0

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

映像体験

テーマや物語といった一般的な要素を分析して語ることは本作ではあまり重要ではない。とてつもない映像体験と、偉大なクラシックや絵画が与えてくれるような論理を超えた、広さと意味の感覚に酔いしれるのみに集中したほうが良い。

アート志向な作品はあまり好まないが、ここまでスタジオと作品の方向性が一致して極限のエネルギー込めて作られてると響かざるをえない。

絶対儲からない作品だろうけど、カルト化する可能性充分な映画館で体験する意味がある作品だろう。

投稿 : 2022/12/08
閲覧 : 372
サンキュー:

18

ネタバレ

タマランチ会長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

反抗期の女子中学生の成長物語には不釣り合いな壮大すぎる映像体験

19年の劇場作品ですね。AT-Xで観ました。
 中学校の部活で暴れるような女子中学生が、宇宙や生命の起源を思わせるような壮大な体験を経て、悟りを開くみたいな話でした。
 あにこれのレビューを見ると、劇場の大画面で観ればその壮大な体験ができる、理解するようなものじゃなくて感じるものだということらしいです。なるほどそうなのだろうと思うのですが、納得はできませんでした。
 こういう壮大な映像体験をした過去の作品と比べます。たとえば「2001年宇宙の旅」。最初から最後まで映像体験のような作品でしたが、そのクライマックスで、宇宙空間にスペースポットで漂う主人公か仲間の亡骸を宇宙空間に放り出した後、宇宙の始まり、星の誕生などを体験します。一切のセリフ無し。そのスピード感や恐怖感は当時の映像としてまさに唯一無二で、息をするのも忘れるくらいの迫力でした。オネアミスの翼は、人類初の有人人工衛星の打ち上げに成功し、宇宙空間に一人漂うシロツグが、宇宙から地球を見下ろし、人類の歴史に思いをはせるようなシーンでした。
 例に挙げた2作と本作の違いは何なんだろうと思うと、必然性と尺の長さかなあと。2001年もオネアミスも、宇宙空間に一人、浮世の喧騒から切り離されて孤独や不安の中で体験したことで、それだけで共感できるものがありましたが、本作の「海の祭り」が、生命の誕生?宇宙の始まり?世界中の海生生物が一堂に集まるとか、まあ、共感するには分かりにくい印象です。
 また、先行する2作は、その映像体験の時間はだいたい10分前後だったと思いますが、本作は長い長い。途中いろいろあったりして30分くらいは続いていた印象です。これ、疲れちゃいますよね。
 というわけで、中学生が、不思議な体験をして成長するってのはよいとして、それにあれだけ壮大な体験はいらないだろうなと。富士山にでも登れば事足りることだったように思えるんですね。
 冒頭からリアリティ溢れる等身大の中学生の日常描写とか、不思議な少年との出会いからふれあいまで、とても自然で引き込まれたのですが、大風呂敷広げすぎたかなと。いい作品だったとは思うけど、自分にとってはちょっと残念な作品でした。

投稿 : 2022/09/20
閲覧 : 183
サンキュー:

9

三毛猫メリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

空と海と琉花

2022.2.6 視聴完了。

あまりにも哲学的な内容に、この映画のメッセージを
ちゃんと受け取られているのか自信がない。
絵はものすごく美しい。
個人的には無駄と思われる部分を削ってでも
もう少し説明に時間をさいて欲しかった。
母親と不仲っぽいので継母かと思ったじゃないか。

投稿 : 2022/02/06
閲覧 : 210
サンキュー:

11

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

NHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体」

1989年から1999にかけて放送されたNHKスペシャルです。
以下、その公式ページから番組紹介を引用させていただきます。

***

45億年前に生まれた地球。その地球に最初の生命が誕生したのはおよそ35億年前。原始の海の中で生まれたRNA、DNAという有機物は、遺伝子として自己複製能力を獲得し、初めて"生命"となった。その後、気の遠くなるような年月のなかで生命は進化を重ね、多細胞生物か登場し、魚類が生まれ、恐竜が現れ、人類が誕生した。

この時間の流れを逆にたどれば、ヒトもサルも細菌も、ありとあらゆる生物の祖先はすべて単一の原始生命に行き着く。人体は35億年の進化の結晶といえる。

その人体は60兆個もの細胞からできている。銀河系にはおよそ2000億個の恒星があるとされているが、数でいえば、私たちの体の中には銀河系数百個分の星の数ほどの細胞があることになる。一つひとつの星は独立しながらも互いに関係を保ちつつ宇宙を構成しているように、人体の細胞の一つひとつが巧妙に連携し、組織や器官の相互作用を生み出し、生命の営みを紡ぎ出している。

●第1集 「生命誕生」
わずか0.1mmの1つの受精卵から、地球上の生命が伝え続けてきたDNA情報を受け継いで、一つの秩序だった"60兆の細胞社会"を形作っていく35億年生命のストーリー。卵子と精子の出会いから赤ちゃん誕生までの280日間の壮大な出来事を、実写、特撮、CGなどでわかりやすく解き明かす。

***

この作品は、このようなことを言いたかったのかなと思ってみたりしました。
言葉で説明するのが難しいことを映像で表現しようとしています。
そのため、セリフや説明が少なめなので考え出すと難しいかもしれません。
「考えるな、感じろ」的な作品だと思います。

映像は、とてもきれいで迫力がありました。
また、この独特な作画は、絵本を読んでいるようにも感じさせてくれます。
科学的な面と科学では説明できない神秘的な面をあわせたような”おとぎ話”感。
この絵本のような作画は、これを上手く表現していたと思います。

私としては、少々とっつきにくい作品だったと言うのが正直なところでした。
しかし、こう言う抽象的な作品には、いろいろ勉強させられるのも事実です。
教養として観ると言うのもありではないでしょうか。

投稿 : 2021/12/17
閲覧 : 337
サンキュー:

20

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

海獣というより宇宙です。

すべてのものが宇宙の産物。
地球も海も人間も。
その証拠はDNAに刻まれたもの。
だから・・・
そんな主題です。

様々な断面から切り込んで、魅せる構図。
ただし、その見せ方がわかりにくい。
制作側の自己満足をひしひしと感じました

登場人物の声に覇気がない。
私の知らない声優さんばかり。
静かな物語ならかまわないけど、動的な世界では違和感でした。

終盤の宇宙とも海とも生命とも言える演出は美しいです。
上下左右の光の乱舞。
映画館で観たら、これだけで放心しそうです。

全体にまとまりが感じられない。
それに、あとに何も残らない。
さらに、目と口のビジュアルが気持ちわるい。
個人的さっぱり感のないアニメでした。

投稿 : 2021/10/31
閲覧 : 224
サンキュー:

11

たもけち さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

作画はとても良い

ストーリー自体は私が馬鹿なのもあるかもしれないけど、最後までよくわかんなかった。
でも、作画がものすごく良かった。海を舞台にしている作品だが、本物の海より綺麗なんじゃないか?()特に夜の海には暗さと深さや波の流れを表現しつつ、見るものを魅了するような月の反射?色とりどりの光がものすごく綺麗だった。
キャラデザは結構好き嫌いあるかもしれないかな。

YouTubeにPVがあるから、気が乗らない人もそれだけでも見たら、米津玄師さんの主題歌と映像美で圧巻されると思う。

ストーリーはよく分からないけど、
作画のおかげで最後までしっかり観れました。

投稿 : 2021/10/22
閲覧 : 138
サンキュー:

3

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 1.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

展覧会の絵のような芸術作品。

【概要】

アニメーション制作:STUDIO 4℃
2019年6月7日に公開された111分間の劇場版アニメ。
原作は、『月刊IKKI』に連載されていた五十嵐大介による漫画作品。
監督は、渡辺歩。

【あらすじ】

女子中学生の安海琉花(あずみるか)はハンドボール部に所属しているが、
ケガをさせるトラブルメーカーとして問題視されていた。
夏休みの初期に不和でチームメイトに病院に行く怪我をさせた上に謝罪しなかったことで、

部員「足をかけられたとはいえ、やりすぎ」
顧問「夏休み中、練習に来なくていい」

と言われて部活禁止で夏休みがポッカリと開いてしまった。

自分の感情を上手く人に伝えることの出来ない琉花は心のモヤモヤを抱えたまま、
別居中の父親が勤務している、幼いときに大好きだった東京の水族館に行き、
そこで不思議な少年、海と出会う。父親が言うには海はジュゴンに育てられたという。
夕暮れの海岸で琉花は、海の双子の兄の空とも出会う。
海と空のペースに巻き込まれながらも琉花は二人と交流を深めていく。

一方で、海に隕石が落下したり世界各地では魚が光となって消えたりと、
不思議な現象が起きていた。

【感想】

原作全5巻も読んでみました。

これがどんなアニメかというと、地球をひとつの生命体としてなぞらえているガイア理論、
更には星星もありとあらゆる生命も広大な宇宙の体内の微粒子レベルな一部であるという設定で、
人類の常識では測れない宇宙や生命の神秘を表現するために作られた、
このアニメスタジオの限界まで挑んだ映像と久石譲による劇伴で彩られた、
生命賛歌を五感で感じてもらおうという大変に意欲的な映像作品ですね。

絵画的な美しさを持つ緻密なタッチの海洋や夜空、
クジラなどの多種の海の生物の姿が素晴らしいと言えばそうなのですが、
人間の描き方、まつげを細かく描写したりアニメらしくない鼻にこだわったりしてるのですが、
作画芝居が大人しすぎてキャラの存在感が映像の質に負けていると思いました。

「魔女」なども共通して五十嵐大介氏の漫画は登場人物の感情の起伏の表現に乏しいですので、
原作の雰囲気を壊すこと無く映像で再現しようとすると、そこは仕方ないのですが。

また、高品質な映像と比較して実写畑の役者たちのキャラクターの声の演技が平坦であるがために、
登場人物の感情や行動に関心を引き込む力が無いですね。
これがキャラアニメでないにせよ登場人物に生命を吹き込むには作画と同じく演技が重要です。

抑揚を強調した声優の演技のほうが台詞の一つ一つが聴いていて頭に入りやすいのですが、
TVドラマや邦画でありがちなボソボソとした長回しの芝居を採用しているのが原因でしょうか。
出演した俳優たちはプロの声優のように感情を乗せて声で伝える仕様になっていませんね。
声優の演技は大袈裟でリアルでない!とか言って徹底的に声優を起用しないクリエイターもいますが、
実写には実写の、アニメにはアニメの、メディアごとに培ってきたやりかたがあるはずです。

実際に演者の全員が声優で、観た人からは絶賛されている映像に相応しいレベルの演技を見せて、
その相乗効果で観客の感情をぐいぐい引き寄せた人気のあるアニメ映画がありますので、
宣伝上の都合で芸能人を使う事情や声優を使わない言い訳には忖度したくないですね。
(その作品の主役を演じた声優は、第15回声優アワードにて主演女優賞を受賞しています)

唯一、琉花役の芦田愛菜の演技は出演者の中では相対的には悪くはなかったですけどね。

海・空の兄弟や学者たちが延々と哲学を語ってるシナリオはキャラクターが世界観の解説役であり、
語り口調に抑揚がなくて気障なポエムのような説明台詞が並ぶのは本当に退屈でしたし、
生命の息吹と神秘的なロマンスにどれだけ没頭できるかで感動の度合いが変わりますが、
前述の声の問題でマイナスに見てしまうせいか作品が自分には向いてなかったようです。

原作にある母親になって海に生きている大人になった未来の琉花の姿がアニメ映画版では無し。
代わりとして、別居していた琉花の両親がよりを戻しているのが原作より強調されていたり、
終盤に琉花の心に変化が起きている演出やシーンがオリジナルで差し込まれていたりで、
命をつなぐ海の神秘の原作の物語だけでは気障とか意識高い系であるとしてなのか、
ひと夏の経験で精神的な成長を遂げた少女のジュブナイルとしての帰結を強調。
人間関係の再生物語としての補完や変更が必要であると監督や脚本家らが思ったのでしょうか?
そこらの是非は視聴者ひとりひとりの解釈でしょうけどね。

このアニメに関しては、自分としては院展で足を止めて絵画をじっと眺めるように、
美しくて壮大感のある映像を感性のままに楽しめれば良いと思います。

惜しむべくは自分は映画館では観ていませんのでこのアニメの映像世界を、
怒涛の迫力で圧倒される大画面と音響の洪水のフルスペックで体感していないということ。

理屈ではなくて感覚で味わうタイプのアニメーションとしては視聴環境は大切だなと思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2021/09/03
閲覧 : 280
サンキュー:

36

ネタバレ

まにわに さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

SEA LION KING

 
{netabare}見た目からくる期待値が高く、当時から見たいと思っていた作品。
が、話の方向性もあるが、マイナースポーツが標的にされたみたいなことをされて、急速に興味を失う。

この話にはいくつかのトンネルがある。
ガリバートンネルは、出口が小さいから、入ると小さくなれるのが一目でわかる。
しかし、この作品のトンネルは、どれも何のトンネルかわかりにくい。段階的に不思議世界に入り込むためでもないみたいだし。

内容的に特徴的だったのが、人工呼吸未遂から、逃避行または家出、からの同棲みたいな青春ものの流れ。これもトンネルで、台風をたどってとは言うが、どこへ向かったか、どこまで行ったかがわかりにくい。
これが、青春ものが本題だとしたら、トンネルで何をするかよりも、トンネル自体が必要だったと考えられる。
(流れのある映像なのがトンネルに見えただけ。流れで何を表したのかわからないのに変わりはないが)

つまり、映像が流れる合い間に難解な詩を朗読する、ミュージカルのような作り。ミュージカルでなぜここで歌うのか問うのは野暮というもの。
その流れで、ひと夏の経験というクライマックス、幕引きとなる。


気になった点がいくつか。
鯨に比べて、深海魚の扱いが低い。
いかにも文系の人が言いそうな宇宙について。
ゲストって何?
見てて、絵はすごいと思う。作中の、人間が一番偉いと思い上がっている連中って、これを描いた人のこと? 
諸々考え合わせて、文系の人と理系の人で、性的に何に興奮するかが違うのかな?という感想。
終始期待に添うような話になりそうでならなかった。{/netabare}

投稿 : 2021/06/09
閲覧 : 179
サンキュー:

2

ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

映像がスゴい。。ひと夏の、少女の、不思議な体験物語。

 
 主題歌:米津玄師「海の幽霊」
  チカラ入っていそう・・
 原作:ファンタジー漫画
 制作:STUDIO 4℃
  劇場版制作が多いみたいですね・・
  えんとつ町のプペル、ベルセルク、
  おっと、スプリガンも映画あるんだ!
  観ないとw
 公開:2019年6月
 視聴:2021年2月(NETFLIX)

■作画
街の空気感、空の透明感、そして深淵な海の質感・・
 大画面で観たらもっと壮観でしょうね。素晴らしい。
キャラデザ・・
 好みではなかったものの、瞳が印象的で、ヒロインはシーンによっては美少女感も感じたので悪くはなかったかと。

背景が綺麗で瞳が特徴的と言えば、思い出すのは「凪あす」。
海の物語としては、この辺が重要な表現要素なのかも。

■設定/ストーリー
どっちかというと、女性の方が刺さり易いかも?
~{netabare}
暗黒物質、別名ダークマター・・・
ゲームの世界で聞いたことがあるような名前ですが、これは、実際の天文学において存在がほぼ確実視されているものです。
この宇宙には光学的に直接観測できない「ナニか」が遍く存在するらしいです。なんだかファンタジーっぽくて興味をそそられます。

ハンドボールとは珍しいですね。
小生が在学した中学はハンドボールが強い学校でしたが女子部まではありませんでした。沖縄では盛んのようですね。へー。

水中でモノが見えるのは体質なんですね・・ちょっとソコ説明が欲しかったかな。

隕石は精子・・・ならば卵子は?ゲスト?
産まれるのは宇宙・・・壮大な。ビッグバンはどうなるのかな。
ルカ、最初は海君に隕石飲ませまいとしたのはナゼ。。
{/netabare}~

まあ、ちょっと疑問を持つ設定や展開もあるけど、そう・・「千と千尋の神隠し」のように不思議な物語と思って、あんまり気にしない方が作品を楽しめるかと。

ED後のエピソードもお見逃しなく。

■主要キャスト(ほぼ自分用)
女性キャラより男子キャラが美麗なような気がw
~{netabare}
 安海瑠花:芦田愛菜
 安海正明:稲垣吾郎
 安海加奈子:蒼井優

ヒロイン、芦田愛菜さんだったんですね・・好演だったかと。
{/netabare}~
キャストはオーディションで決めたのでしょうか・・

余談ですが、映画で声優さんが使われにくいのは、一般人(アニメファン以外)への宣伝効果の他に、声優さんならではの言い回し、例えば「~です」の「す」を強調するなど、イントネーションが日常とはちょっと異なる面も起因するのかも・・なんて思ったり。
ま、声優さんなら映画向きの話し方もできるはずだから考えすぎかな。。

余談ついでに言うと、ぼちぼち、お笑いの次には声優さんがどんどん地上波に出てくる時代が来そうな気がします。いや、希望を込めてですがw
 

投稿 : 2021/02/16
閲覧 : 237
サンキュー:

18

ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

空と海と風と

「私は…空を飛べる」

護岸の堤防を駆ける少女はまるで風のようである。名は“琉花(ルカ)”。
そんな彼女とジュゴンに育てられたとされる少年二名が織り成すファンタジー。
少年らの名は“海(ウミ)”と“空(ソラ)”という。


映画館で観たかった!ってその通りなんですけどちっこいモニターはモニターで味がある…かもしれません。ほぼ負け惜しみですが。
画面に引き込まれる感覚はそれほど大差ないでしょう。映画館を想像するに時計やスピーカーが目に入らなくなって、袖の幕すら気にならなくなるような感覚。できれば劇場の大画面と言わずプラネタリウムで観てみたいな、と無理難題が思いつく。そんな映画でした。


 映像凄いよー


2019年は劇場作品が元気で、そのやり取りの中で他のレビュアーさんからのご推薦があった作品です。
この際、地上波で見かけなくなったゴローちゃん目的でも、某『永遠の○』ヤーさん役の凄みで全俺の涙をさらった田中泯さんが目的でも構わないっす。劇場オリジナル作品の中でもなにかしら爪痕を残してくれそうなおとぎ話。

で、不肖このわたくし。さっぱりとまでは言わないまでもよく分かってません。
ただ母なる海とでもいうのでしょうか。生命の神秘みたいなのを感じるのであります。


 青 蒼 藍 碧


作品全編通して画面を支配する色。光の加減で顔を変える海の色彩。月明りに照らされることで漆黒の闇から開放された海岸。まるで東山魁夷の絵画のような色使いです。
そしてなにせジュゴンに育てられた少年らです。海と一体化したかのようなシーンはてんこ盛りでした。まるで『グラン・ブルー』のジャックマイヨールみたい。


そうまさに海に抱かれてα波出てるんじゃないかしら?な中盤まで。作品タイトルやキービジュアルから期待しちゃいそうなところは期待しちゃって良いと思いますよ。


一転して中盤からのイメージはときおり差し込む赤。

{netabare}「海が赤く見えるのは夕空のせいだけではない」
「夜になればわかる」

夕焼けで赤く染まる海を指してルカに何か嘯くソラくんです。海オンリーから宇宙にまで舞台が拡がっていくに従って重要な色合いとなってきました。{/netabare}

少しばかりスクラップ&ビルドな概念が思い浮かんで、ハイビスカスの花の色から、隕石衝突だったり、原初の炎だったり、闇を照らす火だったり、はたまたビッグバンのようなものを想像してしまう私。

なんか生命の神秘とかビッグバンとか何言っちゃってるんでしょうね?私。未見でこの感想読んでる方は「お薬増やしておきましたからねー」とつい言いたくなっちゃうんじゃないでしょうか。


 母なる海から宇宙まで


2時間くらいでこれらを提示するってこと自体すごいことなんだろうと今は納得しております。

壊して作って。斃れて起ち上がって。死んで生まれて。繋がって断ち切って。

α波出てると油断してたらいつのまにやら宇宙の神秘に両足突っ込んで戻ってこれない傑作です。



※余談中の余談

■これはどうでもよいのよ

『空と海と風と』
Wikiにも載ってないフュージョンバンド。ツアーのサポートメンバーや収録など縁の下の力持ちとしての歴のほうが長いかなぁ。
本作の主役名から真っ先に浮かんできたこのバンド。もしご存知でしたらある意味すごいです!

{netabare}そんな彼らとけっこうコラボしてたのが『SING LIKE TALKING』

本作のポイントとなる鯨の“うた”とは“語り”でもありました。
祭の始まりを告げる号砲は語りかけるように歌うその声です、というシンクロニティ。{/netabare}

{netabare}「私は…空を飛べる」
風のような少女は、終盤では植物の種子を遠くへと運ぶ風の役割をも担ってました。
作品は次第に母なる海から母なる地球を舞台へとスケールアップしていきます。少女はその象徴。
それと連なるように青味のあった世界に取って変わらんとする鮮烈な赤色。地球の風と炎です。

まさに『アースウィンド&ファイヤー』!!って悪ノリが止まりません。好きな人ごめんなさいね。
だって終盤の美術が『黙示録(邦題)』のジャケ絵みたいなんだもん。{/netabare}



視聴時期:2020年3月

-----


2020.05.14 初稿
2020.12.06 修正

投稿 : 2020/12/06
閲覧 : 721
サンキュー:

45

ネタバレ

tinzei さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

もっと「環境!自然!大事!」みたいな作品かと思った

もっと海の環境保全を訴えるような作品かと思ったら、ただただ幻想的な作品だった、TVで観たけど、こういう作画が良い作品は劇場で観たかった。


米津効果で事前の知名度はあっただろうけど、興行収入見る限りヒット作とは言い難い・・・・・ストーリーを度外視できるアニメーションオタクには受けただろうけど、物語性を重視する一般層には受けないんだろうな。

調べた限り原作と同じ内容らしい、本来こういう作品は改変されるんだけど、監督の経歴を見る限り『ドラえもん』みたいな原作がある有名作品を担当してたから、脚本家ではないんだなろうな。
こういう作品の改変に関しては宮崎駿先生の右に出るものはいないから、先生に任せてもう一回やってみれば?(笑)


どうでもいいけど、主人公の芦田愛菜を筆頭に空と海も子役上がりの俳優が演じてたけど、これは何か意味があるのかな?それともただ年相応の声を集めただけ?

投稿 : 2020/11/28
閲覧 : 229
サンキュー:

4

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

映画館で見るべき神秘的なアニメ

これはまさに映画館で見るべきアニメです。
防音装置が整った映画館の大画面でこれを見ると、心が別世界へ誘(いざな)われます。
映画館が無理であれば、できるだけ大きなテレビで、カーテンや雨戸を閉め切って鑑賞されることをお勧めします。

物語は、あるようで無いようなものだと思ってください。これは、けなしているわけではありません。
物語よりも感動するものの方があまりにも大きくて、その感動に浸るためのアニメだと感じました。

絵は一枚一枚が全て手作業で丁寧に描かれています。
音楽は『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』の音楽を担当された久石譲さんです。

美しい絵と幻想的な音楽。神秘の世界を十分に堪能してください。


物語では、海の神秘性が説明されていましたが、やがて宇宙の神秘の説明へとつながっていきます。
海と宇宙とは、つながっているのです。

宇宙の、星々の誕生と消滅
星に生命が芽生えるしくみ

隕石が精子の役割をしていました。そして星々は卵子です。

そういえば昔、『新型インフルエンザは隕石によりもたらされる』と、どこかの番組で放送されていたのを思い出しました。

隕石にウィルスやら生命体が付着しており、それが地球へ落下することにより新たな命が芽生える。
新たな命といっても、ウィルスのような微生物です。
それが数億年よりもはるかに長い永劫の年月により、少しずつ、少しずつ進化していく。
アメーバーのようなものになり、クラゲのようなものになり、魚類に進化する。
やがて海から陸へと生物が上陸し、両生類から爬虫類、ほ乳類へと進化する。

そんな気の遠くなるほどの過程を経て、今の私たちがあるのです。
宇宙に、地球に、隕石に、過去のご先祖様(微生物も含めて)に感謝です。

投稿 : 2020/10/10
閲覧 : 416
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30

さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

何処を切り抜いても絵画になる

美しさとおぞましさをこんなにも複雑に描くのかと終始驚かされた。

まず物語、感性を揺さぶられる。文学への知識は深くないけど、村上春樹さんや恩田陸さんの小説を読んでるときと似たような不思議さ、複雑さ、面白さを感じた。

そして、物語に続く映像と音は写実的で、奇怪で、美しい。

映画総合芸術と言われるが、これほどそのことを意識したことはないと思う。
物語、映像、音楽、それぞれが際立ち、そして調和がとれている。

どのシーン切りを抜いても美しいだろうなと思った。

スタジオ4℃さんの作品は
MEMORIESや、アルス、鉄コン筋クリート、劇場版ベルセルク、ハーモニーと、いくつか拝見して好きな作品も多かったけど、今回が一番見ごたえを感じた。

(スタジオ4℃さんは...)こんな作品が作れるスタジオ4℃さんは凄いスタジオだなと改めて思った。

投稿 : 2020/08/11
閲覧 : 594
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30

Lovesing さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

不思議な感覚

映画館で見たんですけど、見おわった後は本当になんとも言えない感じでした。
面白くないとかじゃなくて、未知の世界観で、ちょっとホラーじみた表現に見えるのに、とても綺麗な表現にも感じて、命の生まれる瞬間や、命が消える瞬間を見た感じ。
とりあえず原作を読みたいと思いましたね。
個人的には好きです。

投稿 : 2020/07/12
閲覧 : 243
サンキュー:

6

fuzzy さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

ごめん

全然わからんかった、ストーリーが

原作は手描きで全て表現したのは凄いと思った
、が、それも話の筋思い出せず。。

読解力が足りなくてすみませぬ

投稿 : 2020/06/15
閲覧 : 260
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5

ネタバレ

けいP さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

エンドロ-ルの後も話は続く

絵画のような背景が良いよね。
キャラデサは目が大きめだけど違和感ない。
やっぱり夏だよね。アニメの夏の表現て
それだけで何かファンタジー。

物語は海だけにとどまらず予想外に宇宙、
生命の神秘のようなものまで広がっていき
スピリチュアル的な幻想世界を見せてくれる。

{netabare} 「海のある惑星は卵子で隕石は精子」 {/netabare}

地球と隕石で受精を表現したアニメ作品は他にもあったな。

新海誠監督の「君の名は。」も川村元気さんがプロデュースしてなかったらこんな感じの濃い表現をしていたかもしれないな。

投稿 : 2020/05/25
閲覧 : 266
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12

ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

音がすんごい

足音1つ、カバンが揺れる音、マンホールを踏む音、波打ち際、普段身近にある全ての音の再現度が高過ぎてすんごいです。
かなり丁寧に、そして力を入れたのが伺えました!
聴いてくれよと言わんばかりに序盤、玄関に置いてある潰した空き缶がずれ落ちるシーンに思わずニヤけてしまいました笑

作画ももちろんとても美しくて、リアルな質感と印象派の様な(空の背景など)絵のタッチと混ぜ合わせた感じ

物語は序盤10分ほどなにが言いたいのかわからず、すごく退屈で音を楽しんだり、あ、江ノ島が舞台なんだーなんてぼーっと流しながら切ろうかなーなんて思いながらも20分あたりからかな?ようやく面白くなってくるので退屈と思って切りそうになっても見る価値は大アリです笑

内容はすごく壮大で哲学的
色々見てきたからこそ最後ああいう態度を主人公は取れたのでしょう
これが作り手のまだまだ人として若い方々に向けてのメッセージの一部なのでしょうか
君らの悩みなんてこんなにちっぽけなんだ、前へ進みなさいと背中を叩いてくれるような

最後の方はアニメでいうとエヴァっぽく、映画で言うと2001年宇宙の旅っぽいようなシーンがあり人によっては、え?は?となってしまうかもしれません。
ですが斜に構えず作り手が何を言いたいのか何を伝えたいのかを理解しようとし、自分なりに解釈しようとすれば見え方は変わってくるかもしれませんね

最後の米津玄師の歌がこれまた最高でした
作曲した人は天才。深海をイメージしたような特徴ある低音とボイスエフェクトも水中っぽくていい
ほんとこの人は曲つくるの上手いですよねー

最後に、、映画館で見なかったのを後悔しました、、

そんな作品です笑

投稿 : 2020/04/09
閲覧 : 240
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6

ネタバレ

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

類を見ない作画

エンターティーメントに振らずやや難解に思われる物語と世界観、
そのストーリーに凄まじい描写表現が見事にマッチ、
{netabare}エロスをも匂吐さす、流石4℃と謂わざる所為{/netabare}

世界に誇れるアニメーション映画と言えまいか

投稿 : 2020/04/06
閲覧 : 350
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26

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

瑠璃とハイビスカス。

お祭りのあとの酔い醒めが、厄介だってことは、分かってるつもり。


煌々と輝くネオン
 
陽気で楽しげな音楽 

舌つづみを打つお料理 

気のおけないお友だちの屈託のない笑顔

お酒まで入ったなら、舞い上がるばっかり


ふわふわする浮遊感のなかに、恋しさみたいな情を覚えてしまうと、ついつい溺れてしまってもいいかなと思ってしまう。



非日常を手軽に味わうならそんなパーティーライクもアリだとは思うけれど、スピリチュアルに包まれるほうが、圧倒的に「ザ・非日常」だ。

だから、たまには「日常のなかの非日常」な映画はやめにして、いつものポップコーンとかコーラとかも、今回だけは見送ることにしよう。

海の祝祭という、なんだか意味深で、わけのわからない「非日常の先の非日常」な世界の真ん中に、ぽーんと自分を放りなげてみてやろう。


そう。きっと、それがいい。





祝祭は、・・・・・・凄かった。



極彩色は、巨大なスクリーンの枠をはみ出して、シアターの上下左右を縦横無尽に跳ねまわっていた。

ソングは、電撃となって脳みそをゆるがし、四肢の神経を痺れさせ、わたしという文明を消し去ってしまった。

劇場のスペースは、琉花の一回の吐息で濃密さを増し、それでいて海のわずかな領域をささやかに潤すだけなのだ。



いったい、何だろう。

何が、わたしに、触れにきているのだろう?




わたしの記憶は、身体からゆっくりと離れていき、いつのまにか海底に横たわっているわたしの中にあった。

10メートルほどの上に揺らいで見えているのは船の底板で、まるで中空に停泊しているような奇妙なカット。

このビジュアルは、たしか、琉花と同じ頃合いのわたしのデジャヴであるような気がする。

鼓膜にかかった圧力、手も足もヒレだったらいいのにと感じたもどかしさ、言葉など何の意味もないと確信が持てた、わずかな時間の記憶。



あぁそうか・・・・・・。

この作品は、絵を見せているだけじゃないんだ。

海洋生命のインターナショナルを、ダイレクトに、脳に感じさせようとしているんだ。



わたしは、琉花の身体に同化を試みる。

海の主人公たちの思念に包まれてみようと念じてみる。

言葉によらないコミュニケーションの進化の実相に触れてみたいと願ってみる。




オーバーフレームな演出

スペクタクル・フルなシーン

壮大なシンフォニー



そう。わたしは、突然、思いついたのだ。

わたしは、知るべきことを知ろうともせず、ただ漫然と生きてきたのではないか。



DNAに織り込まれた命のリレーション。

遠い遠い記憶の撚り糸。

未来も。





ため息を、ひとつ。そっと。

慎重に。もうひとつ、いくらか深めに。

眠りからの目覚めは、このお作法がいつも有効なの。

やんわりと、ゆったりと、たっぷりとした余裕が必要なの。



体のなかの何かが騒めきだしてきている。

これって、なんだか祝祭っぽくなくはない?

身体は、2時間もスクリーンに圧しつけられて、すっかりがちがちに固まってしまっているけれど、不思議と気分だけは、琉花のように坂道を駆け上がってみたくなっている。



そう。彼女のように微笑んでみよう。

うん。彼女みたいに意思を示してみよう。

メッセージは、言葉に限らないのだから。




なぜだか無性に、海に行きたくなった。

わたしにも、会ってくれるだろうか。



あの聡明なクジラは。

投稿 : 2020/02/18
閲覧 : 299
サンキュー:

13

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

孤高が故に「孤独」

文化庁のメディア芸術祭において数々の最高賞を受賞している五十嵐大介さんのSFファンタジー漫画「海獣の子供」を完全にアニメ化。

スタジオは「ベルセルク」新三部作などのアート系アニメで有名なstudio4C。

監督はシンエイ動画で活躍された渡辺歩監督。。と、いうことなんですが

まず全体の総評からすると「SF」を絡めた「アート」作品なので、後半にかけての怒涛のイマジネーションを「芸術」と捉えるか、「眠気」が襲って来るのかはかなり個人差が分かれるかと思います。

僕は普段は「アート」系の人と仕事をする機会が多いので気になりませんが、アニメ初心者にはかなり難しく難解なことをやっているので、娯楽を追う人にはかなり辛いです。

この間の「峰不二子の嘘」は娯楽でありながら、映画的にも「意味」が強かった
ですが、今回は原作者の五十嵐大介さんの頭の中のイメージをそのままアニメーション化しているので、かなり「深淵」に入ってます。

このような企画が通るのも、一重にアニメーション自体の注目度が高いからだと思いますが、本当によく企画が通ったと思えるほど、原作者の「個人的」な世界観です。

SFなのである程度の理屈(なぜ「海獣の子供」なのかといった理屈)が通ってはいますが、非常に観る者にあらかじめ「知識」や「見識」を強いるので情報量が多いのも特徴の一つです。

五十嵐さんは「天才」であるがゆえに「孤高」であり「孤独」であるのが包み隠さず感じ取れるので、非常に見ていると観客にアートならではの苦しみを与えます。悪く言えば「可愛げがない」し、「独りよがり」です。

しかし、この途方もないセンスに琴線が触れる人には最大級の感動が待っていることも事実であり、「敷居」は高いですがよい作品だとは思いました。

あと、出てくる登場人物の一人であるお婆さんの描写ですが、五十嵐さんの内面をそのまま具現化したようなキャラクターなので、非常にリアルでそこも辛いイメージでした。(笑)

観た方で、この映画の詳しい解説を聞きたい方がいらっしゃったら、言ってくださればお答えいたします。

投稿 : 2020/02/07
閲覧 : 407
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29

ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

私たちはどこから来て どこへ行くのか

 劇場アニメ「海獣の子供」公式サイトに一人の生物学者がコメントを寄せている。

 「これはまったく新しい「生命創造神話」である。
 生命の輪廻転生を描くとともに、生命は宇宙から来たことも暗示する、
 地球と宇宙と生命の「大いなるつながり」の物語なのだ。」
 (長沼毅「海獣の子供」公式サイトより)

 「海獣の子供」という漫画の最大の魅力は五十嵐大介の圧倒的な画力にあるし、劇場版「海獣の子供」の魅力もまた、STDIO 4℃が作り上げた圧倒的な映像を「浴びるように」味わうことだと思う。幽玄なる海の世界の描写は素晴らしく、僕は劇場で鑑賞しその迫力に圧倒された。激戦だった2019年の劇場アニメの中でもNo.1の映像だったのではないだろうか。

 一方でストーリーについては観念的かつ難解で「よく分からなかった」という声をよく聞く。果たしてあの夏、劇場で琉花と目撃した「誕生祭」とは一体何だったのだろうか。その謎を解く鍵は実は科学だと僕は思っている。主人公の少女の名前の由来は、あらゆる生物の共通祖先とされる単細胞生物「LUCA」に違いない。生物学、特にアストロバイオロジーと言われる、宇宙を舞台として生物の起源や進化を議論する学問がこの作品のベースになっているように感じた。このレビューも科学の話を中心に進める。

■宇宙と海と生命
{netabare}
 「海獣の子供」はマクロなテーマとミクロなテーマを内包している作品である。少し長い話になるが、まずはマクロなテーマから語りたい。「海獣の子供」のメインテーマは「生命とは何か?」という根源的な問いに他ならない。物心ついたころ、誰もが一度は考えてみたことがあるのではないだろうか。おそらくは「自分もいつかは死んでしまう」ということを自覚したとき、この疑問に行き当たる。僕たちは何のために産まれ、生きているのだろうと。

 「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」
 
 画家ゴーギャンが1898年にタヒチで描き上げた絵のタイトルである。この言葉をデデも口にし、「海獣の子供」原作3巻でも引用されている。生命の起源と生命の目的。神話の時代から続くこの問いかけに、多くの科学者達が挑み続けてきた。しかしこれだけ科学が発展した現代でも分からないことだらけだという。地球の生命がどのようにして生まれたのか、確固たる答えはまだない。

 ご存知の通り、私たちが暮らす地球は46億年前に誕生したといわれる。原初の地球はマグマで満ちた高温の世界で、生物の棲めるような環境ではなかった。そこからいつ生命が誕生したのかに関しては、生命の基盤となる元素、炭素を元に40~38億年前ではないかと推測されている。つまり8億年程度の時を経て、生命が誕生する条件が満たされたということになる。地球はゆっくりと冷え始め、やがて海が出来上がる。そこから微生物が誕生したのち、進化を繰り返し、おおよそ10億年前に動物や植物の祖先となる多細胞生物が生まれたことは分かっている。

 最大の謎は最初の生命体が一体どのように生まれたかであろう。物質と生命の間には途轍もない隔たりがあり、生命の素材を揃えたところで、人類はいまだ単細胞生物すら作ることができない。生命の起源について、僕が学生の頃はオパーリンが唱えた化学進化説が有力とされていた。アミノ酸、核酸、糖など生物の原料を含んだ太古の海で、化学反応を繰り返すうちに遺伝子が作り出され、やがて生命が誕生したという説だ。もちろん化学進化説は今も有力な仮説である。しかし、劇中に登場する「星のうた」に象徴されるように、「海獣の子供」では宇宙起源説をベースにしている。

 「星の 星々の 海は産み親 人は乳房 天は遊び場」

 生命は宇宙に広く多く存在し、他の天体で発生した微生物が彗星によって運び込まれたという仮説はスウェーデンの物理アレニウスによって提唱され、パンスペルミア説と言われる。「生命が宇宙から飛来した」と聞くとやや荒唐無稽な話にも感じるが、実は100年以上前に提唱された説でありながら現在でも支持する人が多い。

 1953年、有名なミラーの実験により、原始の地球を再現した試験管環境で有機化合物が生まれることは裏付けられた。しかし、その先のタンパク質の合成については現在に至るまで世界中の誰も成功していない。もちろんタンパク質は生命活動を支える最も重要な物質である。

 タンパク質はアミノ酸が連結したものである。タンパク質を作るには、最小でも50個のアミノ酸を正しい順番につなげる必要があるのだが、様々な検証の結果それは数億年という時をかけても実現困難だとみられている。天文学者のフレッド・ホイルは、最も単純な単細胞生物がランダムな過程で発生する確率は「がらくた置き場の上を竜巻が通過し、その中の物質からボーイング747が組み立てられる」のと同じくらいだと皮肉を言った。

そこで宇宙起源説が再浮上する。パンスペルミア説は生命誕生の可能性の範囲を引き伸ばすことができるため、確率論的にはずっと有り得るという理屈になる。ただしパンスペルミア説も宇宙の生命がどのようにして誕生したのかについては答えを 持たないし、他にも疑問が多い。

 まず思いつく反論として、「宇宙を移動している間に生物は宇宙線で死滅するのではないか」と考えるだろう。しかし、地球から打ち上げる宇宙船や探索機に付着している微生物も、殺菌の過程を経ても生き残ったものは数年後に回収しても一部生き残っていて地球上で増殖を始めるという。大気圏突入の過熱や衝撃にも微生物は耐えうることが明らかになっている。なぜ微生物に地球ではありえない環境に対してこれほどの耐久力があるのかは謎である。

 また、木星の第2衛星エウロパの表面は氷に覆われているが、内部には液体の海が存在する可能性が高まっており、地球外生命体が存在するのではないかと期待されている。宇宙のどこかに生命体が存在していて、それが隕石で旅をして地球にやってくるというのは根拠のない空想ではなく現実的な話になっているのである。
{/netabare}

■生命と渦、そしてエントロピー
{netabare}
 さて次の話題に移ろう。ジュゴンに育てられた謎の双子、空と海について、自称「海のなんでも屋」の老婆デデは「多くのものを巻き込んで成長する巨大な渦の中心」だと語った。その言葉の通り、祭りで隕石を飲み込んだ海は世界中の魚やイルカ、クジラなどの生き物の渦の中心となり、やがて海と一体化して消えていく。これは果たしてこれは何を意味しているのだろうか。生物学者の長沼毅が生命と渦について興味深い言及しているので、本項ではそれを紹介したい。

 生物と非生物の決定的な違いは何か。生命の定義を考える上で、生命だけがもつ特徴として、「細胞膜」「自己増殖」「代謝」の3つが挙げられる。(これに「進化」を含める人もいる)その中でも「代謝」は生命の本質と大きく関わる性質である。生物は外から内部に物質を取り入れ、エネルギー変換をし、外に不要な物質を排出する「代謝」という能力をもつ。動物が食事をすること、植物が光合成を行うことが代謝にあたる。

 生物は古い細胞を定期的に新しい細胞に入れ替えながら元の形を維持しているが、同じようにして物質を入れ替えながら構造を保つものに渦がある。水の量や流れの速さが一定ならば、それによって生じる渦の構造は変化しない。しかし、その渦を形成している水は絶えず入れ替わっている。水の出入りがなくなると渦が消失するように、生命もまたエネルギーの循環を終えた時に死を迎える。生命と渦には不思議な類似点がある。

 さらに一歩進めて物理学の視点で考えてみよう。皆さんは「シュレディンガーの猫」という言葉を聞いたことがあると思う。シュレディンガーは量子力学で多大な功績を残した物理学者であるが、彼は1994年に「生命とは何か」という本を執筆している。この本の中で、彼は代謝について「生命はエネルギーや物質ではなく、負のエントロピーを絶えず摂取している」と表現した。これはどういうことだろうか。

 「エントロピー」という言葉は某魔法少女アニメでも登場したが、これは「物質の状態の乱雑さ」を示す量である。物質の基本的な運動は全て、大局的にはエントロピーが増大することが知られている。水に砂糖を溶かすと元の水と砂糖の状態には戻らないし、カップに熱い紅茶を注いだまま放置するとエネルギーは拡散しやがて周囲と一様な状態(=室温)になる。万物は秩序ある状態から無秩序へと向かう。それは宇宙とて例外ではなく、エントロピー増大の法則はこの宇宙を支配する最強の法則とも言われている。

 エントロピーは低い状態から高い状態へと一方向にしか進まない。秩序あるものは必ず崩壊する。その一方で生命が物質的なまとまりを保っていられるのは、代謝によってエネルギー(シュレディガーが言うところの負のエントロピー)を絶えず注入しているからである。エネルギーを加えることによって、秩序のある状態を維持することができる。したがって、生命はエントロピー増大の法則に逆らっているようにみえる。

 しかしエネルギーには保存則というものがある。エネルギーを使い、失われたところではエントロピーは増大する。個々の生物は代謝によってエネルギーを取り込むことで自らの崩壊を食い止めてはいるが、全体として観ればエントロピーの増大をかえって加速させていることが分かっている。水の入ったペットボトルを逆さにすれば水が出ていくが、このときペットボトルを回転させて渦を作ればより早くペットボトルは空になる。渦という構造を作ることでやはりエントロピーは増大しやすくなる。以上を踏まえると、生命はエントロピーの増大を加速させる渦のようなものだといえる。

 宇宙のエントロピーは増大し続けている。宇宙の終わりには様々な説があるが、宇宙のエントロピーが極限まで高まった時、熱的死を迎えるという説がある。仮に宇宙が熱的死に達した場合、あらゆる生命が死滅すると考えられる。長沼毅はこのように語っている。「生命とは宇宙のターミネーター、終わらせるもの」だと。人もクジラも鳥も魚も微生物も、すべての生命はエントロピー増大に寄与するという使命を背負っていると考えられるのだ。そして人間は、エントロピーの増大に地球上でもっとも貢献している生物なのである。

 そろそろまとめよう。本作では、生命の宇宙起源説をベースとして隕石を精子に見立てている。対して海は生命の産みの母であり、子宮にたとえられている。隕石が地球にたどり着き、宇宙から運ばれた生命はエントロピーに逆らうようにして、海の中で進化していく。そして生命はエントロピーの増大を加速させる大きな渦を作り上げていく。これを表現したものが「祭り」なのではないだろうか。

 海は自ら渦の中心となり、消えていった。まるで自分から死を選んでいったようにも思える。しかし生命とは本来そういうものなのだ。私たちは絶えず自らの細胞を壊しては作り変えている。単細胞生物に寿命という概念はない。生命は多細胞生物になったときから死を獲得したのである。なぜ多細胞生物には寿命があるのか。それがエントロピー増大の法則に抗い、秩序を保つための唯一の手段だったからという説を、僕は支持したい。
{/netabare}

■自意識の芽生え
{netabare}
 ここまでマクロなテーマについて考えてきたところだが、ミクロなテーマについても少しふれてレビューを終わろう。ようやく話は映画の冒頭に戻る。

 主人公・琉花は、ハンドボール部に所属する14歳の少女である。彼女は夏休みの初日、試合で活躍をするが同級生をケガをさせ職員室に呼び出される。どうも琉花はラフプレーの常習犯らしい。琉花は「先に仕掛けたのは相手だし」と素直に謝ることができず、部活動禁止の処分を言い渡される。

 子供はとても小さな世界で生きているものだ。彼女はまだ自分の視点でしか物事を考えられず、友達付き合いもうまくいかない。

 そんな琉花の小さな世界は「生誕祭」なる出来事を目の当たりにして吹き飛ばされる。私たちは宇宙の一部であり、全ての生き物はつながっている。そんなハイパーマクロな視点を体験することで、自分の見えているものだけが世界の全てだった、これまでの自分の小ささを知る。そうして彼女は自己を対象化できるようになった。

 夏休みの終わり。学校へ続く坂道を歩いていると、ボールが転がってくる。その先には夏休みの初日に足を引っかけた同級生がいる。自分の感情に任せるなら気に食わない奴の落としたボールを拾う必要なんてない。でもボールを無視したら相手はどう思うだろう。逆にボールを返してあげたら、相手に自分はどう見える?彼女はボールを拾いあげ、笑顔で投げ返す。

 他人の視線、他人の評価を意識して自己を修正する力。この夏の不思議な体験を経て、琉花が体得したものを「自意識」と呼ぶ。一般に女性は男性よりも自意識が強く、容姿や服装に気をつかうのもその現れである。琉花はこの時、少女から女性へと歩み始めたのかもしれない。
{/netabare}

投稿 : 2020/02/05
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21

ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

バリアクラッシュ

ある手話団体が使っているコトバに、バリアクラッシュというのがあります。

バリアフリーに近い造語で、"人の心理に潜む障壁を積極的に取り除いていこう" という意味合いです。
また、バリアフリーを積極的に実現させていこうとする意志だけではなくて "行動" 自体も含んでいます。
(ネットにも情報があります。よろしければご覧になってみてください。)

バリアとは、一般的には、社会的障壁とも言い、高齢の方、身体障がいの方の生活行動を阻むものです。
ちなみに、バリアフリーとは、「結果としてバリアがすでに取り除かれた "状態"」という意味と「これからバリアを取り除いていく "方法"」という二つの意味があります。
"状態" は段差を解消すること、"方法" は政策のことといえば、理解がいくらか進むでしょうか。

ユニバーサルデザインというコトバもありますが、こちらの概念は、赤ちゃんや外国の方など、人類全体への合理的配慮を含んだコトバです。
障壁を取り除くのではなく、最初から無くしておくというものです。

今般、認知症の方や、知的・精神障害の方の支援の必要性がクローズアップされていますが、施策が一向に追い付いておらず、置いてけぼりになっています。
なぜなら、当事者であるご本人が重い病気を抱え、外出もままならないことや、発言力が弱いということもあります。
一番身近なご家族にも負担が重くのしかかっており、地域からの支援が受けにくいということもあります。
なによりも社会全体が、"見える化の作業" を怠ってきたからでしょう。

最も大きなバリアになっているのは、教育の不足からくる無知と、無知から生ずる偏見、偏見から生じる差別的意識です。
多感な思春期のさなかに、記憶を主とする学校において、情操教育や人権感覚を磨くカリキュラムはほとんどないと言ってよいでしょう。
ですから、数十年にわたってできあがった私たちの社会が、結果的に差別的な意識や弱者への救済を施策や機構として具体化することは難しいのです。
単純なことです。
身についていないからです。
分からないままで大人になっているからです。


意識というのは、人間だけが持つストレングス=強味です。
みなが幸せになりたいと願うのも、平和に暮らしたいと思うのも、誰にも等しくあり、ささやかでも自分らしくありたいと思う場所と時間が必要です。
点だけではなく、線として、面として。
深い海の底にも。

地球を宇宙から俯瞰すると、国境を見ることはありません。
そこには人類の都合や主張は、微塵に感じられません。
海の世界にも同じことが言えますし、海が接している広い空も、空が接している深遠の宇宙も、"等しく同じ" だと私は感じます。

悲しいことに、人が生きていくうえで、その等しさに気づくことは少なく、また、無意味に思えることが多々あります。
意識が概念を形成し、コトバを作り、社会を支えます。
ところが、その社会が、人の心を圧迫し、束縛します。
それは、ときに生存することを自分に否定し、あろうことか他者にも求めます。
本当に悲しいことです。


近頃では、自己承認欲求とか愛着障害とかのコトバが注目されていますが、それは人間らしさが失われつつある世相と、愛し愛されるという根源的な営みが疎外されている実相から生み出されているようにも感じます。
ですから、自分自身を思索したり、自分自身で行動したりするには、そこに触れることも良いきっかけになるのかもしれません。

それらのコトバのもつパワーの裏側や背景には、社会という空気のような存在がありますが、それを空気と言っている限りでは、実態を認識することも、理解することもかないません。
裏返せば、前述のコトバには、本質を取り返そう、根源を取り戻そうとする反動としての作用も含まれているように思えます。


本作にも "見つけてほしいから光るんだよ" というコトバがありました。
星も、人魂も、海の生き物も、そして琉花も、すべてはビックバンが生み出した子どもたちです。
ということは、ビッグバンそれ自体を生み出した母なる存在=父なる宇宙意識にとっても、「この子らを世の光に」とされるような社会が作られていってほしいと願うことでしょう。


世界三大宗教(仏教、キリスト教、イスラム教)は経典や聖書など、コトバで奇跡を伝えようとしますが、その実相を正確無比に伝えることなど到底できません。
コトバが文字になるということは、書き手の意識、語彙数、表現能力のほかに、政治的な内外圧も加われば、容易に都合よく "物語" になってしまいます。
また、読み手によっても、解釈論に陥り、やがては分裂し、正統異端と言い争って、宗派争いや宗教戦争が引き起こされるのは歴史が証明しています。


日本の神道もコトバとしての祝詞を用いますが、多くは祀り(=祭り、奉り≒間釣り)のなかにウケヒ(=祈り≒心的交流)を行います。
目には見えない "幽のウケヒ" を、人間の "顕の世界" に降ろせば、それはお作法に姿を整えられ、その振る舞いのなかには宇宙と向き合う手だてが内在しています。

例えば、茶道、華道、書道などは、宇宙から "文化的、芸術的な要素" を取り出しています。
柔道、剣道、空手道などは、宇宙から "ダイナミックな錬成の要素" を切り出しています。
それらの道には、生成化育・進歩向上発展という、身の内、心の内に継承されている "宇宙の根源に通じる調和" が内在しています。
その調和を "海の祝祭" として描いているように感じました。


神道では、八百万(やおよろず)の神々と申し上げますが、ようやく生物の多様性というコトバも周知されるようになってきました。
本作にもそれを見ることができます。
存在の、視点の、つなぎあい方の多様性とでも言えるでしょうか。

隕石は、そういったメッセージを伝える宇宙からの使者のような気がしました。
メッセージは、空から流花に口移しで継承され、最後には海の口に返します。
これは、"宇宙から人へ、人から海へ、語らずの意志" を共有したということでしょうか。

返す?

少なくとも、人間は海から離れて生きることはできません。
水から生み出される恩恵を忘れては、干からびてしまいます。
健全な肉体も、崇高な精神も、海からいただいたものです。
すべては海から生まれ、海は地球が数十億年をかけて創り出し、宇宙はビッグバンが140億年余りにわたって築き上げてきたものです。


この夏、琉花は、一つそれを感じて、そして一つ実践しました。

坂道を転がり落ちてきたボール。
受け止めれば、そこに琉花の意識と意志が宿ります。
彼女の視点に変化が生じたのを後押しするように、カメラのアングルも大きく変わりました。

琉花の視線が、喧嘩別れしたチームメイトの姿をとらえたとき、彼女はステキな笑顔で、ボールを返します。


人はどんなふうでも、人を(自分も他人も)愛せる力が発揮できるはずです。
だって、それが、ビッグバンから受け継いだ "最高のストレングス" なのですから。

そろそろ、人間の意識をバリアクラッシュして、あらゆる生命の声に耳を傾け、愛のお返しをしていく時期にきているのかもしれませんね。



長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本作が、皆さまに愛されますように。

投稿 : 2020/01/13
閲覧 : 290
サンキュー:

32

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「海獣の子供」体験記

わたしには14歳年の離れた兄がいます。
同じ都内にばらばらに暮らしているのですが、ある日連絡してきて、
「海獣の子供というアニメ映画をみたいんだが、おっさんひとりで見に行くのは大変につらい。そこでお前に付き合って一緒に見に行って欲しい。というか付き合え。」
とのことでした。

兄妹ふたりでアニメ映画見に行くなんて気持ち悪いですか?
わたしは気持ち悪いです(笑)

でもそういうわけで、まったく何にも予備知識も心構えもなく映画館でこれを見ました。


背中からドンっ!って夜中の海に突き落とされたみたいでした。
大量の色が線が光が動きが、音が音楽が波が海が、わたしを飲み込みました。

凄まじい、体験でした。


この映画は全部、人が描いた絵でできています。
アニメ映画だから当たり前ですよね。

でも、これを見ていただけたなら何故わたしがこんな言い方をするかわかってもらえると思います。
この映画は、全部、人がその手で描いた絵でできているんです。

海も、空も、星も、雲も
夜空も、夜の海も、人間も、魚も
銀河も、光も、響き渡るクジラの歌も、宇宙も
なにもかもが何百枚も何千枚もの人の絵の積み重ねで語られ
それはもう、ストーリーなんてなくたって構わない
エネルギーが、感情が、誰のだか何の生物のだかもわからないような思いが、吹き上げて、渦を巻いて、もの凄い音をたてて、わたしの中に突入してきました。

興奮しておかしくなった人みたいですか?
そうかもです。
わたし、少なくともこの映画を見たあと数日間は、興奮しておかしくなった人になっていました。

今でもまだ、”レビュー”なんてとても書けません。
だって自分があの日何を体験したのか未だにわからないんだもの。


好みかどうかときかれたら、ひとりだったらきっと見に行ってはいないでしょう。
神秘的な雰囲気のアニメは好きですが、わたしは海か山かと言われたら断然山派です。
宮沢賢治大好きっ子です。

なんだかなーっていうような兄のせいで、不得意分野にいきなり放り込まれました。
でも、わたしはこの映画のことは、あの夏の日の体験のことは、絶対忘れないと思います。

「海獣の子供」は、そういう映画でした。


え?
兄ですか?
寝てました(笑)

投稿 : 2019/12/22
閲覧 : 217

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

わたしの中の海

わたしたちの心を わたしたちは知りません
心の90%は 意識の光に照らされることはなく
ただ心の奥底でおおきな流れを作り出し
わたしたちの 気持ちを 心を 世界を 動かしています

この映画は その 深く 暗く 優しく 残酷な
わたしたち自身が持つ宇宙への旅の体験です
細密な絵や 胸の奥に届く音響が
記憶の中の海を 夏を鮮やかに再現し導いてくれます


この惑星は今から約46億年前に生まれ
それからほどなくして そこに海が生まれました
海にはさまざまな生命の材料が満ちていて
生きものはみな そこから生まれて来ました

やがて わたしたちはその海を離れ 陸に上がりました
けれど 生命は決して海を離れることはできず
だから わたしたちの身体は海の水で満たされていて
からだの奥底には わたしたちの母がいるのです

海から遠く離れ 生まれ来たことを忘れてしまっても
その中では息もできなくなってしまっても
わたしたちは体の奥深くで海とつながり
呼び声をいつも聴いています


おおきな生命を断ち切るように海を離れ
わたしたちは高く空を求めて生きていくけれど
海はわたしたちの夢に現れ 闇の底を眩い光で照らし
歌を唄い 導き 見えないものを見せてくれます

それはうちひしがれた孤独のときかもしれない
暑さに汗がしたたり落ちるときかもしれない
人知れず傷ついた痛みに泣く時かもしれない
この体から解き放たれてしまいたい時かもしれない

海は
わたしたちの知らないわたしたち自身は
この世界がどれほど美しいか
この一瞬がどれほどかけがえないものか
わたしたちに見せ 教えてくれます

一瞬の啓示のような出会いかもしれないけれど
その一瞬を惜しみ泣くかもしれないけれど
いのちのあるがままの姿を見せてくれるために
海はきっとまた わたしたち会いに来てくれます


もし劇場で観られるならば ぜひ観に行ってください
わたしは海に呼ばれ 次の日にもう一度観ました
できれば 前の方の席で観ることをお勧めします
これは”観る”のではなく ”体験する”映画だからです


公式Webサイトに
松本大洋さんが素晴らしいコメントを残しています

 この映画を観たひとの数だけ
 新しい宇宙がうまれる。

どうかあなたの心にも
ひとつの宇宙がうまれますように



2019年11月24日の追記:

今日NHKの「日曜美術館」で
秋野亥左牟(あきのいさむ)さんという絵本作家のことを
はじめて知りました。

世界中を旅し、やがて沖縄の小島に定住してからも
はるか昔から伝わる神話のような
生命をそのまま描いたような絵で
絵本を描き続けられた方でした。

原作者の五十嵐大介さんが秋野さんをお好きかどうか
は知りません。
でも、絵の印象やモチーフの使い方が
原作漫画が似ていることもありますが
それ以上になにかもっと深いところで
この映画に繋がるものがあるように思えて
”あぁ、この映画のルーツはこんなところにもあるんだな”
とそう思いました。


海と宇宙、神と人の生活が地続きでつながり
魚や動物と 人間との境がない表現

旅して彷徨うことと 好きな土地に根を下ろして暮らすこと
魚の美しさに見惚れることと それを獲って食べることが
同じひとりの生命の営みとして自然に同居する
ご本人の生き方

絵だけで仏教の教えを表してしまう曼荼羅の壁画を見て
「絵を描こう」と思われたという秋野さんの言葉を聞いて
やはりこの映画の力も、ストーリー云々にあるのではなく
絵や音=”アニメーション”の力にこそあって
ただそれを感じ、体験する映画だったんだな…
と改めて思い出し 考えた次第です。

投稿 : 2019/11/24
閲覧 : 268
ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

ディスコミュニケーションと神秘性

映像の部分でいえば極めて完成度は高い。
強いて言うならばやはり前半の坂を駆け降りるシーンなどで不気味の谷を感じてしまった。

物語の部分でいえば、実はそんなに難しいことは言っていない。
この作品の内容が難解で、読み取りにくい理由は、ある種の人間が観測不可能な言語化できない現象を神秘的なものととらえて映像で表現しているからである。

私が今作の評価を低くした理由として、あまりにもその神秘性によって、登場人物の葛藤が回収されてしまうところにある。

私から見れば、主人公である流花の部活動における挫折を海や空の出会いによって、起こる神秘的な体験をすることで、生命の神秘や美しさ、尊さなどを経験し成長すると言う流れである。

しかし、そこにあるのは、神秘的かつ特別な個人の体験であり、それは普遍的だともいえるし、あまりにもファンタジーだ、SFだともいえる。その点において抽象的で具体性に欠けると私は思う。

私が先ほどからいう神秘性とは、ある種の観測不可能な現象を言っている。
つまり宇宙の誕生、地球の誕生、生命の誕生、人間の誕生、人間の分解できない内面などである。

しかしそれは、主人公の悩みである友達や家族とのディスコミュニケーションと直接接続することは難しい。なぜならば主人公は葛藤の中で友達や家族との関係性から閉じているからである。この点を考えるとエンドロール前のカットは極めて不可解に思える。

これらの事から私のこの作品に対しての評価は「神秘性を使った自己啓発」でしかなくもっと強く言えば自己啓発すら神秘性に回収されてしまう。

映像は気持ちのいいものだが、そこから得られるものは極めて曖昧なものである。

投稿 : 2019/07/12
閲覧 : 199

緑のラン さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

あまりの映像の美しさに見とれました

youtubeの米津玄師の海の幽霊を見て、あまりの映像の美しさに見とれたので映画をみてきました。

 期待通りの素晴らしい映像と情報量の多さで見た後に頭がクラクラしました。言葉で書いてしまうと陳腐になってしまうけれど、この作品が伝えたかったのは、命の讃歌。命の尊さと愛しさです。アニメとしての作画も完璧でジブリすら超えてます。光や水は当然ですが空気すらも描いてます。アニメはやはり絵です。圧倒的な絵の美しさ繊細さ丁寧さがあって、その次に伝えたいことが伝わるんです。

 少し引いて背景をちゃんと見せる映像が映画館のスクリーン上で描かれた自然(背景)の大きさがちょうど本物の景色に包まれ作品の中に居るようで自然、生物、人、物などの肌感覚まで感じました。また大きな目が印象的でそのアップや目に映るものを見せることで内面に引き込まれました。自転車で走ってるシーンでは、雨が魚になり、空気や雨がまるで海のような表現でまとわりつく雨の息苦しさを感じたのには驚き。それらが美しい絵で表現され、その映像美に目を奪われ続けました。

 主人公のルカ、そしてジュゴンに育てられた子供、ソラとウミ。彼らのひと夏の体験と成長の中に深いメッセージが含まれていてそれに、女性的な物を感じたので見終わった後に、男である自分では読み解けなかったり受け止められなかった物があるんじゃないかと心配になったぐらいです。ところが原作者を確認して(男性的な名前だけど、ペンネームだけで本当は女性では?)改めて男性だと知って驚き。どう考えても感性が女性。もしやLGBTなのか?とすら疑ったぐらいです。

 作中で出産を疑似体験し連なる命から、命の尊さ愛しさを感じ、ソラとウミにより世界が一体となる事で主人公の心の成長を表現しています。でもこれが男性視点なら命の創造だけで終わったでしょう。そこが女性視点と感じた理由。命を生むこととは、作る事だけでなく、その生まれた命を尊く感じ愛し慈しむ事だと言う事。そして男性ですらも命を生み出すことの尊さ愛しさを感じる事ができる稀有な作品です。

 気になったのは、こんなに素晴らしい作品だけど抽象的な表現が多く、あまりに大きすぎるテーマを理解できない人が居るんじゃ無いだろうか?映像に圧倒され、情報量に圧倒され、その中でアワアワしているんじゃないだろうか?アニメなんだけど、子供には理解できないんじゃ無いだろうか?男だとわからないんじゃ無いだろうか?それを心配しました。だから見た後にすぐ女性の感想が聞きたくなったし、いろんな人の意見が聞きたくなる映画でした。だってこんなに良い作品が多くの人に届かないのは勿体無さ過ぎるから。

 ちょうど今、命を軽視する社会的風潮がはびこっています。メディアに踊らされ死んでよい命があるなんて平然と言う人が増えている。そこに対して、真っ向から命の尊さと愛しさを伝える、とってもタイムリーな作品。私は感動しました。

投稿 : 2019/07/02
閲覧 : 203
サンキュー:

10

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海獣の子供のストーリー・あらすじ

光を放ちながら、地球の隅々から集う海の生物たち。巨大なザトウクジラは“ソング"を奏でながら海底へと消えていく。 <本番>に向けて、海のすべてが移動を始めた―――。 自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、夏休み初日に部活でチームメイトと問題を起こしてしまう。母親と距離を置いていた彼女は、長い夏の間、学校でも家でも自らの居場所を失うことに。そんな琉花が、父が働いている水族館へと足を運び、両親との思い出の詰まった大水槽に佇んでいた時、目の前で魚たちと一緒に泳ぐ不思議な少年“海"とその兄“空"と出会う。 琉花の父は言った――「彼等は、ジュゴンに育てられたんだ。」 明るく純真無垢な“海"と何もかも見透かしたような怖さを秘めた“空"。琉花は彼らに導かれるように、それまで見たことのなかった不思議な世界に触れていく。三人の出会いをきっかけに、地球上では様々な現象が起こり始める。夜空から光り輝く流星が海へと堕ちた後、海のすべての生き物たちが日本へ移動を始めた。そして、巨大なザトウクジラまでもが現れ、“ソング"とともに海の生き物たちに「祭りの<本番>が近い」ことを伝え始める。 “海と空"が超常現象と関係していると知り、彼等を利用しようとする者。そんな二人を守る海洋学者のジムやアングラード。それぞれの思惑が交錯する人間たちは、生命の謎を解き明かすことができるのか。 “海と空"はどこから来たのか、<本番>とは何か。 これは、琉花が触れた生命(いのち)の物語。(アニメ映画『海獣の子供』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2019年6月7日
制作会社
STUDIO4℃
公式サイト
www.kaijunokodomo.com/

声優・キャラクター

芦田愛菜、石橋陽彩、窪塚愛流、稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹、富司純子

スタッフ

原作:五十嵐大介『海獣の子供』(小学館 IKKICOMIX刊)
監督:渡辺歩、音楽:久石譲、キャラクターデザイン・総作画監督・演出:小西賢一、美術監督:木村真二、CGI監督:秋本賢一郎、色彩設計:伊東美由樹、音響監督:笠松広司、プロデューサー:田中栄子

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