ブリキ男 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
はるか彼方、銀河の中心、その反対側で…
レビュータイトルが大仰ですが(笑)ゼンマイやモーターによって駆動する組み立て式玩具「ゾイド」の販促用映像です。
未確認情報ですが、製作は1985年頃とのこと。本編約6分半。
恐竜や猛獣、昆虫などの動物をモチーフとし、ギア状のパーツ、通称"ゾイドキャップ"を間接にあしらった独特のメカデザイン、SF小説風味のハードな世界観、詳細な設定を背景に、ゾイド星(惑星Zi)を2分する共和国軍と帝国軍の戦いが描かれます。
最新作「ゾイドワイルド」等で描かれるCG作画とは異なり、本作では、冒頭にセル(止め絵)、コンピュータグラフィックス(敢えてCGとは言わない)、ストップモーションアニメ、実写特撮、早回しと、様々な撮影技法が用いられているのも特徴的です。(最初の2つは、ほんの数シーンですが)
先ず驚かされるのが、ストップモーションアニメとしての精度の高さ。この道の大御所、レイ・ハリーハウゼン監督の映画には流石に及びませんが、自走玩具としてのゾイドの性質も加わり、戦闘シーンは重量感のある効果音と共に、素晴らしいスケール感を演出しています。イモムシ型ゾイド「モルガ」に注目されたし。現代のCG技術ですら未だ到達出来ていない動きと質感、迫真のリアリティでした!
一方で、特撮には欠かせない火薬の使用については、ちょっとやり過ぎ!? これでもか!という程、手加減無しにバカスカ爆発させるので、ゾイド達がちょっと心配に……って、火ィ着いてるし!(汗)戦いに散った全てのゾイドの魂に安らぎを…。当時の技術的事情を踏まえればやむなしですが、やはりミニチュアモデルとのバランスの悪さを感じてしまいました。(特撮を見慣れている者にとっては暗黙の了解なんですが)
ナレーションを務めるのは、若かりし日の堀内賢雄さん。最近の作品では「鬼平」や「ジョーカーゲーム」の結城中佐役などでも有名ですね。その重々しい声質と演技は当時から貫禄充分でした。
劇伴はカール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」とグスターヴ・ホルストの「火星」と、これまた厚みのある曲を採用。制作スタッフの作品に込めた熱意が感じられます。
プラモが動く! そんな少年達の夢を鮮やかに形にした愛ある映像。
※接着剤や塗料で手をベタベタにした経験のある方、実写特撮、ダイナメーション大好きな方には、手放しでお薦めしたい作品です。
※:ゾイドの組み立てには不要ですけど(笑)
タカラトミーのゾイドオフィシャルサイト(https://www.takaratomy.co.jp/products/zoids/visual/)にて、他のCM映像も公開されていましたので、タイトル及び概要を以下に記載。(説明文は公式から引用。3期(平成版)以降は省略)
{netabare}
『メカ生体ゾイド』 製作:1983年
初代電動ゾイド「ビガザウロ」が登場したシリーズ初のCM!
『ゾイド帝国編』 製作:1985年
帝国軍「アイアンコング」登場。その圧倒的な存在感が印象的なCM!
『ゾイド共和国編』 製作:1985年
「ゴジュラス」、「サラマンダー」など様々なゾイドが登場する迫力溢れるCM!
『ウルトラザウルス』製作:1986年
「ウルトラザウルス」登場!
共和国軍最大最強戦闘メカの存在感が強烈なCM!
『サーベルタイガー』 製作:1986年
帝国軍超高速攻撃メカ「サーベルタイガー」登場。
鋭い牙をギラつかせ、荒野を駆ける姿が印象的なCM!
『シールドライガーとコマンドウルフ』 製作:1987年
共和国高速戦闘隊“蒼き疾風”シールドライガー登場!
シールド発生シーンの演出をはじめ機体の魅力が存分に伝わるCM!
『ディメトロドンとウオディック』 製作:1987年
帝国軍新鋭メカ「ディメトロドン」と帝国軍水陸両用メカ
「ウオディック」 両雄並び立つ姿が印象的なCM!
『デスザウラー』 製作:1987年
帝国軍最強最大メカ「デスザウラー」降臨!
荷電粒子砲を装備し破壊の限りを尽くす姿が
印象的なCM!
『ゴーレム』 製作1988年
24シリーズより「ゴーレム」登場!
帝国軍特殊部隊による搭乗から発進に至るまでを描いたCM!
『ゾイド24“メガトプロス”』
『メガトプロス』 製作:1988年
24シリーズより「メガトプロス」登場!
ゾイドと共和国兵士たちとの一体感が巧みに表現されたCM!
『ゾイドバトルビデオ』 製作:1989(10分強の映像)
中央大陸の戦いを描いたショートストーリー
数々のゾイドが織成す激しい戦闘シーンは見ごたえ抜群!
至福の時間を過ごさせて頂きました。
{/netabare}