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「劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~(アニメ映画)」

総合得点
87.5
感想・評価
424
棚に入れた
1960
ランキング
152
★★★★★ 4.3 (424)
物語
4.1
作画
4.5
声優
4.3
音楽
4.4
キャラ
4.3

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劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

久美子’s Vision.( & 奏’s )

「1年生の指導係 」。それが私の役割。

部長と副部長の、直々のチューニングだ。

にしても「黄前相談所」ってナンダロウ。

もしかして、誰かがラッパを吹いている?

これじゃ手引きをしてるんだか、手ほどきを受けてるんだか分からないよ、ね。



それはともかく、スマホはつくづく偉大だ。

顔や名前はもちろん、交友関係も丸撮りだ。

子細こもごも、掌にすっぽり入ってしまう。


恐るべし!加部ちゃん先輩。

畏るべき!人心術に鷲掴みです。



おどけあうシーンでこそ、アイコンをタップ。

ちょっと気になる子には、ズームイン。

ここぞという時には、アウトリーチ。



画面のそこここに、去年の私たちが映っている。

その瞳には、不安、努力、勇気、期待が見て取れる。

全国大会出場は、決して伊達じゃない。

学年も、再入部も、夢が追えるのならオールオッケーだ。



~  ~  ~  ~  ~



百忍千鍛、迷悟一如。


うわべを取り繕っているうちは、いつまで経ってもストレングスは発揮できない。

掘り下げて琴線に触れなければ、埋もれているクラリティーは引っ張りだせない。



日々の練習の明け暮れ。

たわいないお喋りや何気ない振る舞いにも、心を寄せていこう。

刻々の悩みや躓き。

個々にも、グループにも、全体にも、厭わずに身体を運んでいこう。



今やるべきこと。

求められているのは、そういうことだ。



まずは、私が動くんだ。



~  ~  ~  ~  ~



音楽理論の理解と演奏技術の習熟は、部活動の絶対条件だ。

だけどもっと大切なことがある。



辞めさせないこと、諦めさせないこと、頑張り続けさせることだ。

気遣ってあげること、受け止めてあげること、認めてあげることだ。



一人ひとりの事情に寄り添い、一人ひとりの心情を汲みあげることだ。



全部ひっくるめて、北宇治を選んだことを絶対に後悔させないことだ。



何のことはない。

全部、私の身の上に起きたことだ。




麗奈と香織先輩のオーディションに。

みぞれ先輩、希美先輩、優子先輩、夏紀先輩。
それぞれの振る舞いに。

葵ちゃんの選択に。

お姉ちゃんの悔恨に。

あすか先輩との二人きりに。



心のたけを打ち明け

体いっぱいに受け止め

絆を結びあってきたんだ。





今でも鮮明に、あの一言一句をプレイバックできる。



~  ~  ~  ~  ~



練習は、嘘をつかないし、つかせない。


練習を超える演奏は、ステージでは騙せない。

練習に満たない演奏は、どこかに作為がある。



そうじゃないんだ。練習は。



青春を12分に凝縮していく挑戦。


みんなの覚悟を突きつけあう闘いなんだ。



~  ~  ~  ~  ~



1年生が奏でるメロディーを、私は真正面から聴く。

けだし、覚悟の揺らぎにも耳を澄ませるということだろう。




目指すところは、去年の到達のその先にある。

次のコーナーは、今日の悔しさのその向こうにある。

ポテンシャルは未知数で、ゼロからだって始められる。



私にできることは、夢にかけるモチベーションを伝えることだけだ。

それは、たぶん、言葉なんかじゃない。




うまくなりたい。



それだけなんだ。



~  ~  ~  ~  ~



奏ちゃん。

来春のチューニングは、OK?





とっくにロックオン完了です! 

フレームの真ん中に " 全国金賞のトロフィー " を写しますよ!

{netabare}黄前久美子新部長!! {/netabare}

投稿 : 2020/09/13
閲覧 : 348
サンキュー:

23

ネタバレ

こたろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

TV版で作り直してください!お願いします!

響けユーフォニアム2シーズンの後の久美子達が2年生となった時の話しです。
新入生入部から関西大会までの物語です
メインは新入生でユーフォ担当久石奏を中心としたものですが
それをたった2時間弱で…
TV版なら1〜18話まで6時間位掛けた所を
その為話しはかなりの駆け足
総集編の様なテンポの為新キャラや頑張ってる感や苦労が伝わらずに勿体ないですね。

せめて前後半の2部構成で4時間くらいは欲しかったです

またこの作品の前に「リズと青い鳥」を見ておくといいです。というよりそこを見ておかないと演奏シーンでの感動が薄まります。

この作品は原作は読んでいないので断片的な情報しかわかりませんが、なにやら黄前相談所やらサファイアちゃんのカッコいいシーンやら面白そうなシーンがガッツリカットされまくりじゃないですか!

三期の製作が決まった所であの事件が起こり、いかに大変かは想像を絶しますがイチユーフォファンとして買うことで微力ながら協力させていただきたいです!

投稿 : 2020/07/24
閲覧 : 255
サンキュー:

24

ネタバレ

天地人 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

もっとー私的アニメ感想簿78

TV版の続きで2年生となった久美子達の前に、新たに1年生が入部し、全国大会金賞を目指して部活動をする物語です。

先輩となった久美子
個性的な1年生
めんどくさい先輩(まあお互いでしょうけど)
一向に進まない秀一と久美子の仲(ん?)
省略される個々のエピソード(そりゃあ映画だし、時間が)
ええい、もっと恋ばなを入れんかい(無理無理)

正直言うと、TVで1クールか2クールで見たかったです。
でも、やっぱりユーフォはいいです。
印象的なセリフやきれいな画像、そしてラストの演奏シーン
ホントに面白かったです。
でも、映画とは別にTVで作って欲しい気が・・・(あ、やっぱり)

おまけ
あにこれ(?)投稿で悩む後輩

「本音?そんなの、あなたが先輩(投稿者)だからですよ。文章が下手な先輩は存在自体が罪ですよ(グサッ)」
「本人が気にしなくても周りが気にしますよ。言葉にしないだけで、みんな思ってますよ(ええーっ)」
「ま~だ何かあるんですか、天地人先輩って、そういうとこありますよね。人畜無害って顔してズカズカしょーもないネタを入れてくる(グサグサ)」
天地人
「ぼ、ぼけっとしてはいないと思うんだけど」

「鏡をお貸ししましょうか」

ううっ(涙)、そんなに言わんでも(って、何の話だ)

投稿 : 2020/05/09
閲覧 : 311
サンキュー:

24

ネタバレ

O.Y さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

文句なしの一作[93.8点]

圧巻でした、文句の付け所がありません。
ただ本作を楽しむにはアニメの「響け!ユーフォニアム」の1期と2期、欲を言えば「リズと青い鳥」という作品も見ておく必要があるでしょう。アニメ視聴は必須ですね、1つ1つのシーンの見え方がかなり変わります。

※これ以降ネタバレ含みます

{netabare}
あにこれの5項目別で評価すると…(100点満点)
・物語[91.0]
足早ではあるがうま〜くまとまっていて見やすい、内容はかなり濃厚で100分しっかり楽しめた
・作画[98.0]
最初のシーンは圧巻、アニメ本編から良かったがそれをしっかりキープ、そして最後の演奏シーンは鳥肌
・声優[95.0]
結構キツめの性格の奏ちゃんの演技良かったな…雨宮さんvery good‼︎その他も引き続きいい味出してましたね
・音楽[97.0]
リズと青い鳥の本番シーンが見れて良かった‼︎いつもOP担当のTRUEがED担当だったのも良かった
・キャラ[93.0]
久石奏を筆頭に新1年生の低音パートの個性が強いのが良かったね、久石奏はユーフォの中で1番好き‼︎
総合換算得点[93.8]

【総評】
久美子の2年生編がこの劇場版1作品で終わってしまったのは正直ちょっと残念でしたが、やはりこの2年生編が動いた状態で見れた事自体が幸せだなあと思いました。1クールやってもおかしくない物量だったのにそれを上手い場合に濃縮した作品だったと思います。

あと久美子がだいぶ大人びた感じがします。面倒くさい後輩たちに自分の意見を示しつつしっかりと導いていく姿が見られました。

あとは新入生キャラの久石奏ですね。このキャラがドンピシャすぎました…‼︎なんていうか本音を隠してるキャラっていうか、ずる賢いというか、実際に居たらめちゃくちゃ腹立つキャラだけど、アニメではそれが光って見えた。ちょっと頭から離れなくて困ってます…、でもやっぱりその性格は中学の時の吹部でのオーディションが原因で…それで奏が思ったことは

「努力するってなんなんですか…?」

オーディションは一応演奏技術が高い人を選抜するものだが、やはり人間関係が絡むことが多い。特に後輩が先輩を差し置いて選ばれた時…、結果が出ればみんな納得するのかもしれない、これで良かったのだと…
、ユーフォニアム1期の高坂と香織先輩のソリストのオーディションも結局は高坂が選ばれたのだが、決まった後にイザコザが無かったのは全国に行けたからなのかもしれない、結果が出てなかったら果たしてどうなるのか…、結局努力するとはなんなのか、努力してオーディションを勝ち抜いても周りからは評価されないどころか非難を浴びせられる、そういう考えになってしまいますよね…よくわかります。

そんな奏が北宇治の夏のコンクールのオーディションの1件で中川先輩に対して放った本音にあった言葉が結構グサッときました…

「下手な先輩は存在自体が罪」

自分自身も結構部活動で技術面で劣っていると感じることは何度もありましたね、後輩からそんなこと言われたらちょっと立ち直れないなあ…:(;゙゚'ω゚'):
でもこのセリフ自体酷いことを言っているとは一概に思いません。もしそういうオーディションで自分みたいな人が落ちて、後輩が受かった時、自分が気にしていなかったとしても周りのみんなが気にするかもしれません。そういう意味で部活動での人間関係って一筋縄ではいかないのです。

以上のことより奏は全員が納得できるよう、そして自分の周りに敵を作らないよう部内で立ち回るようになります。それに対して久美子が真剣に向き合っていくのは本当に面白かったです。結末がどうなるかは実際に見て楽しんでいただきたいと思います‼︎

あと思ったのはやっぱり中川先輩は良い先輩だなあ…って、結構中川先輩っていろんな部内問題に関わっていますよね、そんな中でやはり他人を思いやれるというのが本当に良いですね。
{/netabare}

本作もリアルな吹奏楽部を繊細に表現できていたなあと思いました、京都アニメーションならではのキャラの豊かな表情変化も重なって、本当に良い仕上がりでした。ここまできたらユーフォの3期も絶対に見たいですね…何年でも待ちます…。

投稿 : 2020/04/06
閲覧 : 283
サンキュー:

19

ネタバレ

画王 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

これがラストじゃない

 映画を観て第2期からのストーリーが、チャイコフスキーの交響曲第4番をモチーフとしていることを確信できました。よく練り込まれた原作を、美しい吹奏楽部の青春アニメとして見せてくれたアニメーターに敬意を表します。「フィナーレ」というタイトルからこの映画がシリーズラストのような印象を受けますが、交響曲をモチーフにした一連のドラマのフィナーレという意味で、次回作の製作も決まっているようです。京〇ニ作品に込められたメーセージを素直に受け止めれば、人生や孤独に絶望する必要なんてありません。希望をもって次回作を待ち続けたいと思います。
 ここからは、チャイコの交響曲第4番第四楽章フィナーレに合わせて映画のあらすじを振り返ります。作曲家本人が曲想を解説したメック夫人宛ての手紙を参考にしているのでググって下さい。(テレビ版第2期の続編なので、一~三楽章のレビューはそちらを参照して下さい。)ドラマを演出するのは加部ちゃん先輩、みっちゃん(新入生)、奏ちゃん(新入生)、そして1~2期を通して成長した主人公の久美子先輩です。
 第一楽章で提示された交響曲の曲想は次の通りです。「幸福の追求(絶望からの逃避)は目的を貫くことを妨げる、それは変えることのできない運命である」。この曲想を各キャラが抱える問題(運命)に置き換えてみます。

・加部ちゃん先輩は、顎関節症によりトランペットを続けること(幸福の追求)が絶望的になり、コンクール出場という目的を失う。
・みっちゃんは、自分の実力が正当に評価されていないと感じて人間不信(絶望からの逃避)になり、吹奏楽部を続ける目的を失う。
・奏ちゃんは、コンクール金賞を逃したトラウマから人間不信(絶望からの逃避)になり、コンクール出場という目的を失う。

一方で久美子は、この運命に陥ることのない決意を奏ちゃんに語っています。
「あたしね、上手くなりたいんだ、ユーフォニアム。」
「(上手くなりたい理由を)そんなの考えたことない。」
自分のやりたいことを後先考えずにやってみるということですね。現実には、高校生になると具体的に進路を決めなければならないので、それほど余裕はないです。しかし劇中では、楽器初心者の葉月先輩や実力で劣るさっちゃんは部活を続けています。数々の困難が待ち受ける人生においてそれが必要なことであると、チャイコは第四楽章で訴えています。
 それでは、第四楽章フィナーレの楽想を見てみましょう。「自分自身が楽しくないなら、人々の中にとけこみ歓楽を共にするべきだ。しかし人々の幸福で自分が満たされようとする刹那、再び不幸な運命が襲いかかる。その運命は無邪気に我々を弄ぶだけで、顧みるいとまもなく過ぎ去る。これで世界は悲哀に沈んでいると言えるのか、いや幸福もまた存在する。人々の幸福を喜ぶことができれば、自分はなお生きていけるのだ」。この楽想を、久美子とともに運命に立ち向かう各キャラに置き換えてみます。

・加部ちゃん先輩は、マネージャーとしてみんなをサポートし久美子に自分の想いを託す。
・みっちゃんは久美子に諭され、みんなにとけこみ吹奏楽部を続ける。
・奏ちゃんは久美子と夏紀先輩に諭されオーディションに合格し、みんなとコンクールに出場する。

 チャイコの4番は、ベートーヴェンの5番「運命」より地味で、運命に対する華々しい勝利に感動することはできません。アニメの京都大会もダメ金で目標の全国金賞には遠く及ばず(人々の幸福で自分が満たされようとする刹那、再び不幸な運命が襲いかかる)、エンディングとしては納得いかない内容です。しかし、華々しい勝利を治めることができるのは社会の少数派です。ベートーヴェンも私生活ではそれほど幸運には恵まれませんでした。そのことを考えると運命に打ち克ち、幸福を自分の力で掴み取るだけでは生きていけません。チャイコのフィナーレは現実的で、生きていく上で必要なことですし、ベートーヴェンのフィナーレは人生の終幕で感じられればいいことでしょう。
 映画は尺足らずの消化不良で、テレビ版に比べてドラマに引き込まれません。新キャラのキャラ付けに前半を費やして、ドラマの核心は各キャラのセリフ説明で終わるため「めんどくせぇー奴等」という印象しか持てません(キャラを理解するには、それなりのコミュニケーションが必要です)。久美子先輩の成長を見せつけるために、無双の働きでわずらわしい後輩をあしらい問題を解決させるので、視聴者が完全に置いて行かれます。雨の中をズブ濡れになりながら先輩と後輩で追いかけっこして訓示くさいセリフを絶叫するのは、青春ドラマの反則技で感動する人がいるのか疑問です。いっそうの事、人間不信のカワイイ奏ちゃんを主人公に据えた方が感情移入できます。ドラマの主役を絞って新入生視点から久美子先輩を追いかけた方が、説教くささも出ないでしょう。主人公気取りの先輩なんて、イタすぎてアニメで見たくないです(超高齢化社会を現出させた某国の大人達を見ているようです)。
 それにしても、新入生キャラをクローズアップするスマホ撮影シーンは「何ですか、これ・・・」です。次回作はこのキャラ達で行きますよ、という暗示ですかね。アニメ史に残る傑作だった第2期とリズ鳥に比べて少し残念な本作ですが、交響曲のフィナーレを反映させた内容は90分の中でわかりやすく構成されています。

投稿 : 2020/04/02
閲覧 : 193
サンキュー:

5

ネタバレ

USB_DAC さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

過去最高のアンサンブルでした(苦笑)

★物語
・原作 : 武田 綾乃   ・演出 : 山田 尚子 他
・監督 : 石原 立也   ・脚本 : 花田 十輝

原作『波乱の第二楽章』を主とした作品。更に多事多難を増す人間関係。
その障壁を越えながら、ひとつの音楽を完成させていく王道ストーリー。
しかし劇場版という尺の問題か、そこに焦点を絞る故に、コンクールに
向けた練習の過程と三年生達が奮闘する姿は抑え気味。原作を良く知る
人には少々物足りなさが残るかも知れません。とは言え、単体としては
非常に良く纏まっているのは確かです。恐らくいずれ発表されるだろう
最終楽章編を含めたプロットに準ずる内容なのだと思います。


★作画
・作画監督 : 池田 晶子 、西屋 太志
・美術監督 : 篠原 睦雄
・色彩設計 : 竹田 明代

雅さを感じる京都の美しい背景。明るい色使いで描く宇治橋や川東公園、
青を基調とした大吉山展望台の夜景は相変わらず見事。もはや作画に於
いては語る必要など無い。そのくらい完成された作品です。


★声優
・久石 奏(ユーフォニアム): 雨宮 天
・月永 求(コントラバス) : 土屋 神葉
・鈴木 美玲 (チューバ) : 七瀬 彩夏
・鈴木 さつき(チューバ) : 久野 美咲

新たな声優陣で特に印象的だったのは、さつき役を演じた久野美咲さん。
一味違う個性的なその声は、他の三人とは正に対称的。次第にシリアス
さを増すシリーズにとって、今後も場の雰囲気を変える貴重なスポット
的キャラとして重宝される気がします。

そして久石奏役の雨宮天さん。礼儀正しい理想的な後輩の陰にちらつく
狡猾さの演技は実に見事。嫌らしく相手を蔑むような巧みな言葉回しは、
胃がキリキリする程の好演でした。w


★音楽
・主題歌:「Blast!」 / TRUE
・音楽 : 松田 彬人

コンクールの合奏曲「 リズと青い鳥 」。フルートとオーボエの美しさ
は勿論、ティンパニーの迫力には本当に圧倒されました。歴代の作品の
中でも明らかに最高と言っていい演奏だったと思います。


★キャラ
・キャラクターデザイン : 池田 晶子

香織に良く似た可愛らしい容姿を持ち、普段は後輩らしさを演じながら、
先輩である久美子や夏紀に平気で本音を巻き散らす久石奏はやはり強烈。
しかしその真の実力と今までの努力を認め、自分と同じ辛いトラウマを
持つ者として、最後まで優しく癒そうとする久美子もまた凄かった。

そして気になるもう一人の異端である月永求。露骨に名字で呼ばれるこ
とを忌み嫌う理由は一切明かされず。その切っ掛けとなる人物はほんの
一瞬だけ登場していましたが、果たして三期でその経緯は暴かれるのか。
葉月の言う「血統書付きの捨て猫」は実に的を射ていて少々笑えます。



[感想]

久美子達が高校生活をスタートして早一年。北宇治の吹部にまた新たな
風が吹き荒れる。全国という変わらぬ目標を目指す中で、自身の立場や
人間関係を顧み、再び体制を整える季節。進級して初めて知る先輩達の
苦労。そしてまたひとつそれぞれが心の成長を遂げる。これがある意味
リアルな部活動、そして学校生活を送るということなのでしょうね。

物静かでコミュニケーション能力に劣り、自ら孤立してしまう美鈴や求。
口は達者。けど常に自己の保身に走り本心をなかなか見せてくれない奏。
そして人懐っこくて明るいさつきなど、一癖も二癖もあるメンバー四人
が低音パートに加わったことで、初日早々、妙な緊張感が漂い始める。

彼女等が持つ上級生をも凌駕する実力。それが生む内に秘めた強い自信。
本来それは臆せず前を進む上でとても大切なものです。しかし、過ぎた
自信は時に周囲を見下し、己が持たぬ別才に嫉妬しては苛立ちを見せる。
そんな自ら厚い壁を築く奏と美鈴に対して、真正面から向き合う久美子。

奏が頻りに問う「頑張るって何?」。それはきっと大好きなものに夢中
になれるということ。好きだからこそ結果に囚われず、純粋にその価値
を見い出すことが出来る。上下関係や周囲の目、極度にしがらみを意識
した行動からは、決して物事の真の楽しさや飛躍的な成長は生まれない。

そしてそこで得た喜びや悔しさ。頑張り続けた者にしか得られないもの。
メンバーに選ばれた者、選ばれなかった者それぞれがそれを理解し信じ
合うから、全力で努力し互いがサポートする美しさが生まれる。その後
美鈴と抱き合う葉月とさつき、悔しさに涙する奏がとても印象的でした。

それにしても「リズと青い鳥」の演奏は本当に痺れました。コンクール
用に編曲されたこの楽曲。ドラマティックで美しい旋律を聴いていると、
改めて童話の世界と物語を思い出し感無量です。メロディに沿うハープ
の指使い、息継ぎの瞬間まで描写する細かさ、そして立体的に飛び回る
カメラアングルは酔うほどに素晴らしく、演奏もほぼ完璧に感じました。
ただ原作に沿っているとは言え、この内容での落選は残念でなりません。

次はいよいよ物語の最終章。原作通りの波乱の展開、あるいは新たな驚
きと感動が待ち受けているのか。そして葉月の初ステージと全国制覇を
どう描くのか(頑張れ葉月)。その瞬間が待ち遠しくて仕方ありません。


[ちょこっとだけ趣味の語り]
{netabare}
この劇場版が公開された2019年、第67回全日本吹奏楽コンクール
高校の部で見事金賞を受賞した8校の中で、特に印象に残った中国代表
岡山学芸館高等学校。自由曲「巨人の肩にのって/P・グレイアム」の
圧倒的迫力とスピードは最早高校レベルを遥かに超える鳥肌が立つ名演。
今現在もYOUTUBEにて一般公開されていますので、高校生の実力、
そして北宇治高校が目指すレベルを知る上でも、是非一度ご覧になって
頂きたい演奏です。因みにこの「巨人の肩にのって」はブルックナーの
交響曲第8番第四楽章を元に生まれたブラスバンド用の編成曲。かつて
アイザック・ニュートンが語った一節に掛け、偉大な先人・音楽家達に
敬意を込め作られた壮大且つスピード感溢れるブリリアントな一曲です。
{/netabare}


以上、拙い感想を読んで頂きありがとうございました。

投稿 : 2020/03/22
閲覧 : 319
サンキュー:

29

ネタバレ

みーた  さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

間違いなくおもしろかったんだけど…

京都アニメーションならではの
美しい作画、丁寧な演出はやはり見事です。

ただ、
{netabare}
原作が3~4巻分を2クール約10時間かけて描いた1年目の話と異なり、
原作2巻分を、映画2本約3時間で収めた第2楽章は、
ただでさえ詰め込み過ぎにみえるのに
「リズと青い鳥」の方を丁寧に描いたこともあって
本作はかなり駆け足な印象で、
特に中盤はダイジェストを見ているようでした。

また、 {/netabare}
本作は時間の制約もあってか
TVシリーズを見ていなくともある程度楽しむことができた
「リズと青い鳥」とは異なり、
完全にTVシリーズ(またはその再構成版映画2作)および
「リズと青い鳥」を見ている前提で製作されて{netabare}いるため、
これらの作品を一部でも見ていない状態で本作を見ても
正直言ってなんのこっちゃな作りになっています。
大会の結末に関しても、
これまでの作品を細かく見ていけば
途中差し込まれるいくつかの伏線を考慮すると
(2年目である点を差し引いても)
ある程度予想のつくものとはなっていますが
この作品単体として見れば、ややアンチ・クライマックス的なものになって{/netabare}います。

映像化できていない細かなエピソードもたくさんあると思いますので
是非第3楽章では、2年生までの補足となる話を含め
アニメシリーズなどでしっかり描いていただけたらと思います。

最も、本作品については
冒頭で絶賛した作画技術の根幹をなす
キャラクターデザイン・作画監督が
残忍な事件によって
多くの優秀なアニメーターとともに故人となっております。
精神的にも、技術的にもなかなか続編とはいかないでしょうが
時間がかかっても何とか完結させていただけたらと思います。

投稿 : 2020/03/09
閲覧 : 209
サンキュー:

6

ネタバレ

うにおいくら さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

いつものユーフォニアム

 原作は武田綾乃の小説。
スピンアウト・新作としての劇場版が「リズと青い鳥」「誓いのフィナーレ」である。

前作の劇場版『リズと青い鳥』とは違って、今回はいつもの『響け!ユーフォニアム』だった。安心して見ていられた。(決して前作が劣っているとか面白くなかったと言っている訳ではない)
勿論監督も山田尚子→石原立也(TV版と同じ)と代わっている。
 
 内容は三年生が卒業して新入生が入部してきた吹奏楽部の物語。
『響け!ユーフォニアム』の劇場版三連作の最後。なのでTVシリーズ27話を見た上でこれを観てもらった方が無難。


 今回の劇場版は……新入部員が結構面倒くさい性格が多い……と言うのが見ていて最初に感じた感想。

 映像は流石『京都アニメーション』と思わせる期待を裏切らない出来。
コンクールの演奏シーンはいつものように臨場感を感じます。

 久石奏役の雨宮天は良い演技をしていた。少年役も多い彼女だが、こういったねじ曲がった女子高生を演じさせてもいい味を出しているなと、改めて感心した。

進級した各登場人物へのこだわりも見られて、このアニメの完成度の高さを実感した。

 個人的には中川夏紀役藤村鼓乃美と吉川優子役山岡ゆりの地味だが成長した二人を感じさせる演技が好感を持てた。




 この映像を見て「ピアノの森」の演奏シーンのこだわりのなさを思い出してしまった。TVと劇場版の違いがあるとは思うが、音楽を題材としたアニメなら演奏シーンはそれなりに覚悟して作画して欲しいものだとこのアニメを見て思った。

 所詮はアニメ制作会社のプライドのあるなしと予算のあるなしに依るのだろうけど、内容が良い作品であればあるほど作画にはこだわってほしいともうのはオジサンの我儘だろうか?

中二の娘も見終わった後『面白かった』と大満足だったが『あの久石奏は性格悪すぎ、生意気すぎる』と何度も言っていた。

どうやら文字通り中二病の娘には許せないキャラのようだ。

 オジサンには少しひねくれているが判り易い少女に見えたのだが、これは私が文字通りオジサンだからそう思うだけだろう。

 最後の結果はOBが出て来た時点と部長の吉川優子が副部長中川夏紀へ掛けた言葉で見えてしまった。『あ、フラグが立ったわ』と思ったがその通りだった。

やはり劇場版という決められた尺の中ではそうならざるを得ないのだろう。


 出来ればこれをTV版で2クールで見たいものだ。
更にできれば三年生になった黄前久美子部長で2クール見てみたいものだ。

 このシリーズを最初から見ていたので、当たり前のようにこの劇場版も見たが、面白い映画だとお勧めできる。
この劇場版しか見なくても、作画監督の拘りを随所に感じられるだろう。

しかしできればTV版から全作を見た上で、観る事をお勧めする。


映画の中で気になった点が1つ。
前作でもチョコチョコとどうでも良いのを見つけてしまったが、今回もあった。


関西大会での演奏シーンで、舞台上に謎の2年生女子部員を発見した。
鉄琴(グロッケンシュピール)を演奏しているのはどう見ても男子部員なのだが、後半に2カット程女子部員が増えている。

まあ、他の楽器も兼務でする場合もあるので、一概に間違いとは言えないが、曲の流れからも言って部員の数を数えても1名多いような気がする。

というどうでも良い事をまた発見してしまった。

投稿 : 2020/03/03
閲覧 : 273
サンキュー:

20

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ダイジェストと言っていいほど駆け足

1クールでやったことを2時間弱でまとめようとしているので、全体に駆け足です。ただ1、2秒の鍵になるシーンをみると昔の話がフラッシュバックしてきます。ただ新キャラとの感情のもつれ等ある程度時間をかけないとドロドロ感が出ないので、大前ちゃんの得意技が決まってもあまり感動しません。同じことの繰り返しになっても、このシリーズは時間をかけて努力と犠牲を一つ一つ丁寧に描いた方が心に響くのではないかと思いました。

音楽は最高でしたが、前作リズと青い鳥の時のようには震えませんでした。
こんな見事な演奏なのに全国には行けないんですね。対戦校の演奏がないので負けた気がしない。部長の言葉が腑に落ちないです。

作品の話では無いですが、冒頭から故人の名前を目にするとメタ的にアニメって、キャラってなんだったんだろうってうわのそらになってしまいました。(お祭りの後、喧嘩別れした後、走って渡る橋のシーンの一瞬とかも、一瞬アニメの世界から出て思考停止してしまいました。)

投稿 : 2020/03/03
閲覧 : 281
サンキュー:

15

ネタバレ

けいP さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

悔しくて死にそうです!

原作は未読です。

アニメは2015年から始まり、現実世界では2019年ですが久美子達は一年生から二年生になったばかり。長い青春ですね羨ましい笑

当然新入生が入ってきます。

その中でも久石奏、こいつは最初サイコパスかと思ったが、中学時代のトラウマが原因と判明。やはりそういう問題つきものなんですね~部活動には。

葉月ちゃん、鈴木は全国で2番目に多い名字だぞ笑

やはり本番の演奏シーンは素晴らしかったですね。

リズと青い鳥で主役だった希美とみぞれは今回まったくセリフがありませんが、その分本番の演奏ではひときわ存在感を放っています。
特にみぞれはサンフェスでの無表情ダンス(笑)からのリズのソロパート。
オーボエソロが始まった時は「キター!」と思いましたね。

全国行けなかったのもリアルでいいんじゃないですか?てか関西から3高だけ全国いけるの?狭き門ですね。

この映画の公開が終わり久美子達の3年生編
のアニメ化が決定してから数日後にあの事件。
ホント悔しくて死にそうな気分になりました。
3年生編はやる予定みたいですので
いつまでも待ってます。

投稿 : 2020/02/14
閲覧 : 550
サンキュー:

38

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

観れただけで満足

初めて自発的にアニメ映画を観に、劇場に足を運びました。
結論から言えは、元の作風に戻って、ユーフォニアムにを観れた事自体に満足でした。
2年生が劇場版で完結してしまうので、単純にもう少し長くユーフォニアムの世界に浸りたいと思うのが、映画を観た、大半の方々の感想では、無いでしょうか。

最後に今作に関しては、やはり優子先輩です。
誰よりも感情的になるはずで、悔しさを出してるシーンもありましたが、部長としての最後のスピーチは立派の一言です。本作のベストシーンです。

いよいよラストシーンで真打の展開が待ち受けていました。最後まで見届けるしか選択肢は無いですよね。

抜群の満足度及び、身震いする程の期待感を感じて劇場を後にしました

投稿 : 2019/08/08
閲覧 : 349
ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

1期のアンチテーゼ 久石奏

新キャラクター久石奏。
演奏力高いのはもちろん、その社交性の高さや頭の良さなど後輩としては非常に高スペックで文句なしの彼女。
しかし、一方で本心を常に隠しているというどこかの先輩に似た面を持つ。
今回も久美子はそこに対して正面から向き合います。物語の佳境はやはり彼女が本心を洗いざらい話すシーンですね。

久石奏が本心を語った時、アニメ1期の方であった麗奈と香織のソロパートを巡る一件について再度考えました。もしもあの時北宇治高校が全国に行けてなかったら、麗奈に対する評価も違ったものになってしまったのではと。あの結論に本当に皆は納得したのかと。
久石奏は麗奈に起こりえたもう一つの可能性の象徴であり、あの美しい終わり方をした一期のアンチテーゼ的存在とも言えるかもしれません。

価値観の曖昧さや多数派工作、あやふやな判定基準に、そこから出る結果の絶対さ。誤解やすれ違いを起こし、ときには心ない言葉をかける人の感情。これだけの理不尽がはびこる世界で努力する事に本当に意味はあるのか?努力してどうするのか?

それでも久美子たちは前に進み続ける。相変わらず眩しいですね。そんな彼女たちはいつまでも僕の背中を押し続けてくれることでしょう。

投稿 : 2019/06/21
閲覧 : 320
ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

フィナーレという名の贅沢な伏線。 (追記あり)。

原作は既読です。(何度も読みかえした口です)

それで、どうにも困ってしまうのは、各ページの場面が脳内補正されて、勝手に動き出してしまうことです。
あのページの記述はこう動くだろうとか、このページの会話はこんなふうに喋ってほしいとか、ともかく、期待値を上げすぎてしまって、「もう、お願いします!!」って祈るような感覚です。

そんなふうにバイアスがかかった状態で視聴したものですから、少し印象が違っていたと言いますか、むしろ新鮮だったと言いますか、久美子ふうに言えば「まあ、麗奈らしいね」みたいな感じでしょうか。
「これも、響け!ユーフォニアムらしいね」でいいんじゃなかろうかと納得しています。

そういう意味では、ファンの方には楽しめていただけるポテンシャルは十二分にあると思います。
コンクールの場面も、この大会のこの12分をこんなふうに魅せるのかって感じで、北宇治らしいポテンシャルが如何なく発揮されています。
ぜひ、劇場のスクリーンと音響で「リズと青い鳥」の "全て" を楽しんでいただきたいと思います。


今作では、3年生の吉川、中川、鎧塚、傘木、そして加部を加えた魅力溢れるメロディーラインは、久美子ら2年生、久石ら1年生の「誓いのフィナーレ」の "下支え" に徹しており、素晴らしい輝きを放ちながら、彼女らの1年間を疾け抜けていきます。

その意味では、「リズと青い鳥」が、どうして、画風、作風さえも違えて、味わいすらも変えてきたのか、その意味合いと位置づけが、ちびっと理解できたようなそぶりになっています。
かの作品は、あくまでも "3年生のためだけ" にあった濃厚なシナリオであり、本作のステージシーンを視聴することによって、2人を中心とした3年生部員の絆が、しっかりとした厚みをもって織りあげられていた「もう一つの "響け!" 」だったのだろうと、あらためて感じました。

また、「リズと青い鳥」における、みぞれと希美が奏でた静謐な旋律は、それぞれの音楽性を通い合わせようとする "心の律動" に焦点を合わせています。
それは、吹奏楽部を構成する誰もが、ともに創り上げようとする音楽性への "静かさのなかの真剣なまなざし" を描こうとする "未来への秘めた音律" でもあったように感じました。




本作の終幕において、いよいよ久美子の "立場性" が明らかになります。
久石らという素晴らしい奏者たちを得たこと、また、新しく1年生(特に、女子かな!)を迎えるだろうことによって、もう一度 "全国大会金賞" というステージを目指して、"最後" の曲が始まるのです。


おそらく次回作では、久美子と麗奈の2人のメロディーラインを柱に据えて、全学年が絡んでくるのでしょう。
そんな久美子たちが迎える、来年へのチューニングの "期待感" こそが、ファンをして新しいドラマを「響け!」と言わせるのかもしれませんね。



おまけ その1

{netabare}

ところで、バスの中で、久石にかけた言葉に、久美子の "人誑(たら)し" ぶりが如実に現われていましたね〜。
あんな言葉を、しれっと顔で言っちゃえるなんて、いつのまにか、あすか先輩以上の圧力です!

久美子先輩って優しいですね・・・?

いえいえ、たった一言で、{netabare}部員の闘志に火をつけるのが久美子センパイの真骨頂。 {/netabare}

次回作では、すごい展開になりそうですよw

2019.4.22 投稿
{/netabare}


おまけ その2 (追記分)

宝島社文庫から、久美子が3年生になったシリーズが刊行されています。
「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編」

(とりわけ原作ファンの方へ。)

{netabare}

プロローグの "先生" の一人語りと、桜の植樹。

そしてページ番号のない "382ページめ" の11文字。

ちびっと深読みしてみませんか?

2019.5.22 投稿
{/netabare}


長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本作が、皆さまに愛されますように。

投稿 : 2019/05/31
閲覧 : 528
サンキュー:

47

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

京アニの演技指導

京都アニメーションは非常にクオリティの高いアニメは作るものの、正直ドラマのレベルは非常に薄いと感じます。

まあ、女性でも一定のファン層がいるので何とも言えませんが、女性に対する過剰な期待と男性目線でしか語られない「女の子」というのが非常に狙っている感が漂ってくるんですよね。

女性のリアリズムがあるかと聞かれるとそうでもない気がします。

女性も人間なので、すっぴんな時もあれば、ダウナーな時もあるし、性欲もあるしと色々なリアルがあるんですが、そういうのは描かないんですよね。少女漫画でもそういうところは描くのに、「ファンタジー」としては良いですが、なかなか女性そのものは撮していない気がします。

まあ、僕が浦沢直樹や今敏さんが好きなのもありますけどね。

投稿 : 2019/05/28
閲覧 : 321
サンキュー:

11

ネタバレ

※アニをた獣医師 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

一点だけ!本当に!

個人的に一点だけ不満だった。ネタバレです。

{netabare} 全国いくと思ってたよ!あんだけ頑張って、演奏も素晴らしかった…なのに…
伏線なのかもですが、絶対全国いくと思ってました… {/netabare}

作画は素晴らしく、ストーリーも短い時間でよくここまでまとまったと思います。新キャラが登場して、話に収拾がつくのだろうか?と思っていましたが、問題はあまりなかったように思います。

さて、個人的なネタバレです。

{netabare}
新キャラたち、そして卒業生(クミコはアスカ先輩のことをOBといっていましたが、OGでは? そういうの総称してOBなのでしょうか?まあいいです。)、様々な人が出てきて、最初から最後までワクワクできました。

演奏の選曲もいいものでした。

クミコが恋しているところもよかったと思いますが、一番は、アオリズです。のぞみちゃんとみぞれちゃんが、リズと青い鳥を完璧に表現できていたところですね。最高でした。二人のテンポ、呼吸、そういうものが伝わって、外伝のアオリズが再生されたかのようでした。個人的には一番好きです。


この作品の一番の見所は、クミコが、恋をしたり、進路に悩んだり、後輩に奮闘したりしますが、不器用なりの彼女の答えは、やはりユーフォ一筋という決意を見せ、全てが終わったら、答えを出すといった感じで向き合っていくというものでした。


最初に一番ビビったのは、新しいユーフォの子ですね。はじめは普通に怖かったです。癖のある子でした。でも根はいい子なんですね♪

レイナとクミコの関係は、近いけど、親友を越えたなにかを感じました。二人もリズと青い鳥になるのかもですね。

そういったギクシャクもありながら、ほんわかした雰囲気も忘れていないといったのが良かった。



最後の最後で、クミコが部長になって引っ張ってくんですね…うるうるきました。

{/netabare}

あまり言葉がうまく出ませんね。
テレビの続きとしても良かった。


個人的には完成度はリズと青い鳥のが高かったかも。

投稿 : 2019/05/23
閲覧 : 299
サンキュー:

16

ネタバレ

へも さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

次も劇場版?・・・3期制作に期待せざるを得ない

遅ればせながら観了。<2019/05/14 劇場にて2回目視聴完了。初稿の微修正と、末尾に妄想追記しましたw>

原作小説は既読でしたので話は全てわかってた訳です。でもね、やっぱ僕はユーフォシリーズを愛してるんだなと思いました。京アニが作るアニメユーフォを欲しているんだなと。
ああ久美子がそこに居る、奏ちゃんもそこに居る、その質量感にもう感激ですよ!
(武田綾乃先生にはすごく申し訳ないんですけど、ユーフォはアニメになって初めて完成度MAXに到達したという想いがあります。。)

もちろん隅から隅まで余さず視聴して、満足感はとても高いです。しかし! やはり! 劇場版ではどうしても駆け足になってしまうとも思いました。。劇場版1を観たときのような“ワンクールアニメを綺麗にまとめた感”があります。(劇場版2は再構成が巧みでした)
小説版を知っているだけに特に加部ちゃん先輩の話にはもっと時間を掛けてほしかったし、久美子を部長に仕立て上げたのも先輩たちの深遠な計画があってのことと知ってほしいww
あと「リズと青い鳥」と本作品は同時進行のはずですけど、そこはメリハリ付けてお互いのストーリーにはあえて深入りしないようにしてましたね。それでも新山先生のあいさつのシーンにはちゃんとみぞれも映ってたり、剣崎さんも結構映ってましたね。
(そうそう、サンフェスでも“水色の悪魔”立華高校も断片的に映ってましたね!)

上映時間100分でしたから、週ごとTV放送のパッケージ20分くらいの5~6話ぶんくらいをギュッと凝縮した感じでしたね。
ていうか自分にとっては来たるべき(来るのか?)ユーフォ3期のティザーPVを100分見た印象なんですww
良いんじゃないですか? 劇場版が先にあって、ワンクールアニメを後出し制作というのも(゚∀゚)

ほんとユーフォは自分にとって最高のアニメ作品です。。どのシーンも、どの会話も、残さず観たい聴きたい。(今回の大吉山のシーンは小説にもありましたっけ? あのシーンだけでも30分は観てられますww)
そして更なる続編はいつ?? わくわくが止まりません・・・

※ユーフォはこれで終わりではありませんよ!! アンコンによる少数精鋭スキルアップもあるし、久美子部長と秀一副部長の生殺しラブストーリーも待っているはずです!!(><)


<どうでもいい余談>
鈴木さっちゃんのCVが久野美咲さんとのことで、久美子がヤンキー声でガナる展開もついつい夢想してしまいましたw(そうです! ひそねと名緒さんの再来ですww)


<さらにどうでもいい余談2:ライクとラブとインファチュエーション>
映画序盤で、久美子と麗奈の距離感が近すぎませんか!?と美玲ちゃんが引いてましたが、確かに劇中では距離感の近さを思わせる麗奈から久美子へのどつき愛wがアチコチで見られました。
反面、久美子と秀一の関係は最初から最後までぎごちない。オープニングからしてお前が好きと言わなければ伝わらない、駅のシーンで秀一が新一年生の女の子とは何も無いから!!と弁明するときもかなーり距離を置いて座ってたり。小説では部長・副部長にそれぞれ任命されたことをきっかけにいったん恋人関係の停止に至ってましたが、映画では関西コンクール前に合宿のときに早々とそういう話になってました。
あがた祭でも偶然にも初キッス?展開になりそうなところを、久美子からNGが出てしまい秀一はムカムカショボーン;;
なのにその直後の大吉山の久美子-麗奈のランデブーでは、久美子は麗奈から無造作に差し出された食べかけのミカン飴を自然にかじる(あたかも二人のキスシーンのようでドキドキしました!!)
ユーフォ公式サイト内のキャラ相関図でも、久美子-麗奈の関係は『引力』という名フレーズで表現されているわけですが、そこでふと思い出したのです。
麗奈は“滝先生への想い”が「ライクじゃなくてラブのほう」と力説してましたが、久美子への想いはライクともラブとも言ってないよね、ということに(゚∀゚) もちろん自分もユーフォを安易な百合作品にはしたくないのですが、あまりにも距離感の近さに妄想が捗りましたwww
(なお、麗奈と秀一の関係もけっこう近かったりしてて面白い。秀一に投げられたハンドソープや、合宿での秀一ー麗奈のボケツッコミっぷりなどw)

僕自身は秀一も好きなキャラなので、久美子-秀一の恋愛が成就してくれたら良いのにな~と思うのですが、どうもそうはならないのでは?という予感がします。思い起こせば、秀一の初恋の相手は麻美子ねーちゃんっぽかったりしますしね(トロンボーン志願もその影響)

ここでようやく話のまとめに入ります・・・ 英語の話ですが、ライク=好きとラブ=愛にも至らぬ"恋に恋した状態”を「インファチュエーション(Infatuation)」と呼ぶそうです。ラブならばお互いの愛を信じ不安になることもないのに、インファチュエーションでは相手が自分を好きでいるかどうかをひどく恐れるそうな・・・
うーむ、考えれば考えるほど秀一の久美子への感情=インファチュエーションに思えます。1年生の葉加瀬さんと居るときのほうがリラックスしているように見えたし、そういう展開あるんじゃないかな~~(ハズれてほしいのが本心ですけどね!)

以上、我ながら妄想乙!!でした・・・

投稿 : 2019/05/14
閲覧 : 424
サンキュー:

36

ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

頑張ることに意味はある

※完全ネタバレレビュー

 ユーフォニアムシリーズの良さとして作画や音楽を挙げる人が多いが、僕は「思春期女子の面倒くささ」を見事に捉えているところに一番魅力を感じる。「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」は面倒くささあふれる新入部員、久石奏(ひさいしかなで)と久美子の物語である。このレビューでは奏の視点でストーリーを振り返りつつ、本作のテーマを掘り下げてみる。

 本作の準主人公、新1年生の奏は西中学校の出身で、担当楽器は主人公と同じユーフォニアム。中学時代、先輩を押し退けてコンクールのメンバーになったが結果は伴わず銀賞。別に彼女に非はなくとも、上級生たちは「だったら三年生が代表で良かったんじゃないの?」という思考に流れ、部は険悪な雰囲気になる。それでもめげずに彼女は吹部を続け、吹奏楽コンクール全国大会まで足を運び、そこで「あの」北宇治高校の演奏を聴いて、志望校を決める・・・というのが彼女のエピソードである。

 新学期が始まり、奏は早速、吹部を偵察に訪れる。部室にいたのは我らが主人公、久美子である。あすか先輩との思い出の曲を弾いていた久美子に奏は人懐っこい笑顔を作って話しかける。手応えを感じた奏は入部表明はひとまず置いて、退散する。おそらく奏には久美子が確かな演奏技術と音楽愛、面倒見の良さが備わった、理想的な先輩のように感じたのだろう。計算高い奏はまずは久美子に取り入ろうと企む。先手を取ることは兵法の基本だ。

 高校生になるということは一番上の先輩から一番下の後輩に戻るということである。先輩との関係に失敗した中学時代の苦い経験は忘れられない。充実した部活ライフのため、もう同じ轍を踏むわけにはいかない。楽器が上手くなることも大事だが、まずは先輩に可愛がられる後輩にならなくてはならない。それが奏が学んだ、上下関係が体育会系並みに厳しい吹奏楽部での処世術なのである。

 さて、全国金賞という昨年度の躍進と、全国のJCをメロメロにさせた滝先生のイケメンパワーで北宇治高校吹奏楽部には例年にない数の入部希望者が集まる。しかし低音パートが不人気なのはお約束なのか。奏を除くメンバーは、演奏能力に難があるか、コミュニケーション力に難があるかのどちらか。「こりゃ楽勝だな」と内心で思ったのかどうかは知らないが、部内でのポジショニング作りを着々と進める奏はライバル不在の状況を歓迎しただろう。しかし1年生の相談役に任命された久美子は皆の面倒を見なければいけないのだから頭が痛い。そりゃ「めんどくさいなー1年生」と嘆くわけだ。

 奏は目論見通り先輩たちから「しっかりしている、いい後輩」との評価をGETし、1年生の間でも中心的な存在となる。縦にも横にも隙のない盤石の構え。あざとい。何なんだこの悪魔のようにあざと可愛い新キャラは。目下の懸念であった新しい環境での人間関係作りは彼女の計画通りに進んだように見える。・・・が、思うようにうまく行かないのが人間関係。大いなる落とし穴が待っていたのである。

 前置きが長くなったがこの辺から内容に踏み込んでいく。奏は同じユーフォ奏者の久美子を慕っている。ところが、先輩方が気に掛ける後輩は、コミュ力が低く、輪のなかにうまく入れないでいる美玲や求なのである。音楽に対して真摯で、先輩にも礼儀正しく、良い後輩を演じている奏は、皮肉なことに先輩たちからすると手がかからない後輩なので構ってもらえない。奏の計算は狂い、プランは修正を余儀なくされる。でも奏は実はそれほど器用な人間ではなく、積もる不満を次第に隠せずにはいられなくなる。低音パートの同級生には言葉にはあからさまに毒気が混じり、先輩への態度は慇懃無礼。先輩から好かれる後輩を目指したはずが、一番面倒な後輩に成り果ててしまうのであった。

 人間観察に優れたサファイアから「甘え方をよく知ってる飼い猫みたいな感じ」と形容された彼女も、もはや毛を逆立てた猫。1年生に当たったところで久美子が庇うとなれば、その矛先はポニテ先輩こと夏紀に向けられる。皆さん知っての通り夏紀は2年のとき吹奏楽コンクール京都大会メンバーのイスを後輩の久美子と争い、オーディションに敗れたようにあまり演奏技術は高くない。1年生の奏と比べても分が悪い。その夏紀にヘイトの溜まった奏は噛みつく。3年生の先輩なのに上手くないですね、と。奏は努力しても評価してもらえない自分の苛立ちを、努力しても上手くならない夏紀に転嫁しているのである。

 ついには、奏はコンクールに向けたオーディションでわざと下手に演奏するという行動に出る。異変に気付いた夏紀によってオーディションは中断され、雨の中、久美子が奏を説得することで一応の解決をする。この時、奏に一番刺さったのは「頑張っているよ」という言葉だった事が印象深い。つまり、奏は自分の努力を認めて欲しかったということであり、中学生の時に何が一番辛かったって、自分の努力を否定されてしまったってことなのだろう。奏は以前に「努力している人」と「マイペースだけど結果を出す人」のどちらが偉いのか?どちらが好きなのか?と久美子に意地悪な質問をした。この質問の真意は、実はどっちだってよくて、努力をしているし結果も出している自分を一番可愛がって欲しいということだったんだ。

 中学生時代の失敗を繰り返すまいと、奏は先輩の前でも同級生の前でも表情から仕草まで、意識して「いい子」を演じてきた。でもその全てが偽りだったわけではない。奏は久美子の前でも芝居がかかった言動を繰り返していたけれど、入部前の「あ、この先輩いいな」っていう直感に始まり、入部してからも唯一心を開ける先輩としての位置は変わらない。奏の久美子を慕う気持ちは本心だったんだ。だから誰よりも久美子に自分を肯定して欲しかったし、コミュ力が低く侮蔑の対象のである美玲や求を久美子が気遣うだけでも嫉妬してしまった。彼女の目には同級生たちは演奏にしても人付き合いにしても努力を怠っているように映ったのかもしれない。

 このエピソードからは一種の組織論やリーダー論を読み取ることもできる。後輩に能力の高い者と低い者がいるとする。低い者を重点的にフォローするのは先輩として正しい判断であるけれど、能力の高い者からすると不公平にも見えるわけだ。奏が自暴自棄になるまで問題を解決できなかった久美子や夏紀の失策だという見方もあれば、奏の「いい子を演じる」という処世術の限界で、キャラを演じるということは本心を他人に分かってもらえないというリスクがある、という見方もあるだろう。いずれにしても、簡単に答えの出ない難しい問題である。

 さて、本題はむしろここからである。ユーフォのオーディションは久美子・夏紀・奏の3人が合格するという形で一応収束する。しかし宙吊りになっている問題がある。「頑張ることに本当に意味はあるんですか?」という問いだ。無論これは「響け!ユーフォニアム」という作品がこれまで掲げてきたテーマである。久美子は雨の中、「私は頑張れば何かがあるって信じてる」と答えたが、結果が欲しかった奏は納得したわけではない。考えてみれば、奏の部内での立ち回りも、あざとい・小賢しいといった批判はあるだろうけど彼女なりに考えて、頑張った結果なのは間違いない。つまりこれも報われなかった努力だといえる。

 最後のネタバレまでしてしまおう。北宇治高校は関西大会でダメ金。全国大会に進むことができず、前年度より悪い結果になる。部員の力は底上げされたのにも関わらず、だ。普門館での金賞を目標に練習を重ねたメンバーは落胆を隠せない。帰りのバスで奏は悔しさの余りに泣き出し、「頑張るってなんですか?」と繰り返す。久美子はやはり上手く答えられない。人によっては尻切れトンボな終わり方に感じるかもしれない。でも僕は、頑張ることの意味、その答えを彼女の涙をもって語り終えていると思った。

 評価的なことをこのタイミングで言ってしまうと、「誓いのフィナーレ」は一本の映画としての完成度は低いと思う。「リズと青い鳥」の視聴はほぼ必須だし、断片的な話が多くてダイジェスト感がすごくある。「百合豚死亡」なんて煽られたわりには秀一との恋愛描写は控え目で、凍結という形の区切り方にも不満が残る。スマホ動画風の演出は何か意味があるのかなと思わせておきながら特にストーリー上の伏線ではなく疑問だったし、最後の演奏シーンもカメラをぐるぐる回しすぎでちょっと作画自慢に陥ってるように感じた。でも最後の奏の涙を見た時に、やっぱりユーフォはいいなぁと思ったんだ。

 関西大会の本番前。久美子が奏に、親友の麗奈が中学の同級生で中学最後コンクールのとき周りは金賞で大喜びしているのに一人「悔しくて死にそう」と大泣きしてたんだ、という昔話をする。TVアニメでも原作でも最初にある中学校のエピソードと今回のラストシーンは明らかに重なっている。奏は久美子に私と先輩って似た者同士ですよね、と会話を交わしたことがあった。でもそれは違う。なぜなら奏の「周りの顔色を伺いながら調子を合わせる世渡り上手だけど、時々本音が漏れてしまうキャラ」は演じている姿であって、本当の自分ではない。
 
 麗奈の言葉を借りよう。奏の「いい子ちゃんの皮をぺりぺりってはがした」時、彼女はどう考えたって久美子ではなく麗奈に似たタイプの子なんだよな。サイ〇リヤでミ〇ノ風ドリアを注文する場面を思い出そう。金管楽器の奏者は口に火傷をしてはいけないのに、好きな物を熱いうちに食べることを優先する、それが彼女の性分なのだ。本当の奏は器用に立ち回れるキャラではなく、ましてや久美子のように人との関係性の中で強みを発揮するタイプではない。麗奈のようにストイックで、求道者タイプの人間。自分の決めた道を真っすぐに進めるところが彼女の本当の強みなんだと思う。それはたとえ音楽の道に進まなかったとしても役立つ、大きな才能だ。
 
 雨の中、「頑張った先に何があるっていうんですか」と詰め寄られて久美子は「演奏がうまくなりたいんだ」と答えた。この言葉の本質は「もっと魅力的な自分になりたい」ということなんだ。今まで気づかなかった強い自分を見つけること。それがユーフォの掲げる「頑張ることの意味」ではないだろうか。

 久美子の長所は、どんな意固地な人の心も開かせて、人の輪の中に溶け込ませる不思議な力を持っていることだ。彼女の特性はあすか先輩が「ユーフォっぽい子」と言い当てたように、癖のある楽器の音をまとめて調和の取れた音を作り出す、低音楽器の役割そのものだといえる。久美子の長所は真似しようとキャラを演じたって決して手にできない素晴らしい才能なのだけど、中学生のときの周りにあわせて事なかれ主義で乗り切るという姿勢では蕾のまま花開くことがなかっただろう。

 彼女は北宇治吹奏楽部で1年間本気で頑張ることで開花させた力で、信頼できる先輩という新しい自分を確立していく。「誓いのフィナーレ」は「頑張る意味は、ある」と熱く言ってくれた作品だと思う。是非3年生編もアニメ化して欲しい。

投稿 : 2019/05/08
閲覧 : 434
サンキュー:

30

ネタバレ

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

青春のハーモニー

見てきましたよ!やっぱり映画館で見るのはいいなあ。終始感動の涙を流して見ていました。幸せな時間がずっと続けばいいのに・・。

何から書こうか、まとまりませんが、まずは今回の劇場版について。
我らが主人公、黄前ちゃんとユーフォパートに入った新人1年生の久石奏のやり取りが中心で物語が展開します。
それぞれの声優の黒沢さんと雨宮さんの顔も知っているし、どんな顔して演技しているのか想像もできたけど、それでも感動するね。気持ちを込めて全力で演じているんだろうなあ。さすがです。ユーフォ1期の、橋を泣きながら走るシーンを思い出してしまいました。

最後の結果は意外!
ほんと、一生懸命頑張ってきたのだから、最後はハッピーエンドでしょ?と確信していただけに、これはやられました。いや、こういう結果を描けることが、この映画が凡庸な作品から抜きん出ている理由ですね。
ラストに奏が叫ぶ、「悔しくて死にそう」のセリフ。黄前ちゃんが本気になるきっかけとなった麗奈のセリフをそのまま引き継ぎ、思いが繋がっていくのが分かります。

原作が良いのか、脚本が良いのか私には判断つきませんが、ユーフォシリーズの最大の特徴は、吹奏楽を通して不安定な等身大の高校生を描いていることでしょう。
将来の不安が常につきまとう。何のために一生懸命がんばるの?頑張ったってうまく行かないことだらけじゃん!
いや、だからこそ頑張るんでしょう!黄前ちゃんの言う通りです。何もわからないから、とにかく頑張るんです。それが青春じゃないですか。この映画、そしてユーフォシリーズの一番感動するポイントがそこなんだと、改めて感じました。

演奏シーンは素晴らしいです。他の追随を許さないですね。
リズのコンビ(傘木さんと鎧塚さん)中心の演奏でした。今回この二人のセリフは皆無でしたが、演奏で堂々の主役を演じているのだから、大活躍でしょう。逆にこの二人以外が目立たなかったのが、最後の結果になったのかなあ、とも思ってしまいました。

さて、最後に本作のユーフォシリーズにおける位置関係。
シリーズ中では、リズと青い鳥がずば抜けてすごかった。というか、ちょっと毛色の違った作品になっているので、一緒にするのもどうかと思いますが。テレビシリーズ1期が良く、それに次ぐ出来だと思いました。
実は、最後の奏の「悔しい」というセリフ、メタ的に今までのユーフォシリーズを超えられないという製作陣の心の声を反映しているような気がして・・。
本当はもっと尺を取ってしっかり作りたかったという悔しさがにじんでいるように感じてしまいました。考えすぎかな。

続編作るのでしょうか?黄前ちゃんが部長??
副部長はサファイアだよね!リズコンビも居なくなって、果たして今の戦力で全国行けるのか?
ちょっと不安の残る今後です。

投稿 : 2019/05/05
閲覧 : 400
サンキュー:

27

ネタバレ

taka さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

TVシリーズで

めちゃくちゃ良かった。しかし、尺の関係上仕方ないが、面白い話をカットされて残念。TVシリーズで描いて欲しかった。久美子三年生編は、是非TV3期でお願いします

投稿 : 2019/05/03
閲覧 : 190
サンキュー:

6

ネタバレ

88. さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ショートポニテ黄前久美子ちゃんかわいい

新しい学年になった久美子たちが色々な後輩たちに苦労したりする話。

さすがの京アニという感じで、作画がとても良かった。
終盤の演奏作画は本当にすごくて、これ手書きかよ!?って思いました!

新キャラである後輩たちのキャラもなかなか立ってて良かった。


一方で、全体的に話がぶつ切りだなーって印象を持ちました。
個々の出来事の話自体はとてもおもしろかったのですが、
その個々の出来事の前後の繋がりが薄い、みたいな。


ただ、冒頭とあがた祭りの久美子ちゃんが最高に可愛かったので
それで帳消しできますがね!!!


恋愛要素が少しあります。が、ごちゃごちゃした人間関係の話がメインなのであくまで恋愛要素はおまけ、という印象でした。

恋愛要素好きとしてはもうちょっと恋愛模様を描いてくれると最高だったのになーって思いました。

投稿 : 2019/05/03
閲覧 : 252
サンキュー:

12

ネタバレ

北山アキ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

原作未読

久美子が後輩を持ち、立場的にどちらかと言えば感情をぶつけるより受け止める側に回った分、TV版ほどのカタルシスは得られない。(尺も短いし)
けど、TV版のファンとしては満足。
「リズと青い鳥」は観てなくても問題ない。

投稿 : 2019/05/03
閲覧 : 218
サンキュー:

4

ネタバレ

qjogn さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

総集編みたいだった。面白かったけど。

面白かったけど、テレビシリーズで時間をかけて描いて欲しかった。
個々のエピソードがあっさりしすぎてた。
三年生はテレビシリーズでやって欲しい。

投稿 : 2019/04/28
閲覧 : 191
サンキュー:

7

ネタバレ

RC MBT さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

黄前 久美子は、吹奏楽部の部長になりました!!

リズと青い鳥と響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~は、どちらの作品も新しい一年生が入ってくるところから物語が始まります。

全国大会金賞を目標にして関西大会に出場しました。コンクール曲はリズと青い鳥などを演奏して結果は、全国大会出場ならず。とても悔しい結果でした。

1年生の奏ちゃんが黄前先輩の話を聞いてそれを見習ってか本当に悔しがるシーンがありました。
これこそ響け!ユーフォニアムだなと思いました。

3年生が引退して、黄前 久美子は、吹奏楽部の部長になりました。

投稿 : 2019/04/27
閲覧 : 283
サンキュー:

6

ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

期待以上の仕上がりかと。

響けユーフォニアムの劇場版作品ですね。
初っ端から告白シーンとか言うアクセル全開の切り込みからスタートしたのは私の予想はるか斜め上を行きましたw

大まかな時系列は新入生勧誘〜コンクールまでですね。
今回から新入生が入る事になりキャラも大幅に増えます。

ところが、新入生には新入生らしい悩みがあったりする訳なんですよね〜コレがまた。

まずは呼び方。
月永くんの様に呼ばれたくない名前やあだ名って結構ありますよねw
これは何だか共感出来る部分ありましたw
実は私も珍しく苗字だったりw

次は美玲ちゃんの人間関係。
正直、人間関係って面倒くさい部分はありますよね。
交流って初めてしまうと楽しいけど中々踏み出せなかったり、自分に実力があっても上手にその場に馴染めなかったりする事って誰でも経験あるのではないでしょうか?
だから馴染めてしまっている人に少し嫉妬してしまって自分の殻に閉じこもってしまうのかもしれませんね。
これも少し考えさせられましたが、久美子が頑張っていましたね^ ^


今回、いい意味でも悪い意味でも新入生の奏ちゃんはかなり目立っていました。

ただ、それも単純に性格が捻くれてるとかではなく、そうした振る舞いにも理由がある訳なんですよね。
昔のトラウマみたいなものがあるわけです。

先輩よりも実力がありコンクールの代表に選ばれた。
だから、頑張って先輩の想いを乗せて…プレッシャーにも負けずに精一杯の練習の積み重ね努力して本番に臨んだ…でも、それは彼女だけじゃない他校の生徒もコンクールまで遊んでる訳ではない同じように練習をしてるんだから…結果は現実はやっぱり厳しい…コンクールでは成果を出せなかった。

久美子も言っていましたが、それは当たり前にあるんですよね。
誰にだって…私にもあるし、これを読んでくださってる皆さんにもあるハズです。

ただ、私が考えさせられたのはこの先にありました。
より良い結果を出せなかったら、部員はこれなら先輩に出て貰えば良かったと手のひらを返した点でした。

フォローするとしたら先輩への思い出づくりにさせてあげたら良かった…となるのかもしれませんが、結果を知っての掌返しは、どうだろうかな?と思います。

ここからは私の私情なのですが…
私はアプリゲームの団長をしています。
20vs20のリアルタイムのギルバトゲームです。
チームとして一緒に頑張って勝っても負けても、それはチームの結果です。
だからどんな結果でも誰が居たらとか、誰がミスしたとを悔やむのではなく全員でしっかり結果を受け止めようと伝えています。

だから、私はこの奏ちゃんの話しを聞いた時に部員で納得したメンバーでコンクールに出て結果を出せなかった。
辛い気持ちもわかるし…そう考える人だっていると思います。

ただ、そんな言葉を奏ちゃんに聞かせてはいけなかったんじゃなかったか…必要なかったんじゃないかと思いました。

この辺りは本当に色々と考えさせられる部分もあり私自身ウルウルきました。
しかし、こちらも久美子が上手く纏めていました(´艸`)*
いい先輩ですね^ ^

そして、加部ちゃん先輩の顎関節症
これは聞いた時にビックリしましたね。
でも、加部ちゃん先輩は心が強い人ですよね。
例えば、自分の立場に置き換えたとして多分、私は治療もあるし部に残っても迷惑になるから辞めると考えたと思います。
皆さんはどうですか?

でも、加部ちゃん先輩は治療をしながら部活で自分の出来ることを見つけて治療しながらも部員の皆んなのサポートをする事を決断して実行出来る人なんです。

言葉にすると簡単かもしれませんが、これって心が強いんだと思います。
勿論、本人からすればショックだし心も折れたでしょう。
でも、それを背負った上で決断する。
そして実行する強さがあるんだと感じました。

あと、久美子の恋愛模様も気にはなるんですがやはりこちらは劇場版ではあまりピックアップされてなかったら気もします。

さて、今回の一番の見所はどこだろう?
見所はかなり多かったってのが正直なところなんですよね。
ここまでが長いんで1つあげると。

今回の課題曲「リズと青い鳥」
2018年4月に劇場版公開され現在ではBlu-ray&DVDが発売されています。
皆さんは目を通しましたか?
レンタルなんかでも貸し出しされてますしアニコレの皆さんの感想を読ませてもらいましたが、かなり高評価が多い印象を受けました。
私も去年感想を書かせて頂きサンキューも沢山頂きました。

今回の劇場版は途中リズと青い鳥と同じ時系列が描かれていました。
簡単に考えるなら、希美&みぞれ達が過ごした時間…一方久美子達はって感じで考えるとわかりやすいでしょうか?

このコンクールでは、この2人のリズと青い鳥の掛け合いの本番が聞けるのです!
考え方次第ではリズと青い鳥のその先が少し描かれてるイメージでしょうか?

安心してください!
もちろん、リズと青い鳥があの一作だけでも楽しめるように、リズと青い鳥を見てないんだけどと言う方が見ても劇場版作品として充分楽しめます!
ただ、見ていた方がより強力にいい演奏に聞こえると思いました。

結果はですね。
喜びはあるけど、現実は厳しい…そんな感じの結果でしたね(つд;)

で、EDの後に久美子部員から久美子部長になっていましたw
私は原作未読なのですが、こんなにも話し飛ぶのでしょうかねw

さてと…結論を申し上げますと中々の仕上がりではないでしょうか(´艸`)*
この作品って前に結構吹奏楽部の問題や考え方もかなりリアルだと聞いた事がありました。
それだけでは無く、私個人としてはこの作品の音楽に付いてや、人間関係やら個人の悩みや結果など全体的にリアルに仕上げられていると感じました。

原作からしたらカットの部分は多分かなりおおいのかもしれません(読んでない人の勝手な想像)
ただ、よくこの短い時間にこれだけを綺麗に纏めたなぁ〜と思いました(´艸`)*

投稿 : 2019/04/24
閲覧 : 253
サンキュー:

20

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

新生北宇治高校吹奏楽部始動!

 原作は未読。
 代替わりをして黄前 久美子達が2年生に。
 と言うわけで3年生キャラが退場して(終盤ゲスト的に顔出してくれるけど)寂しくなった半面、
新1年生キャラのフレッシュさが楽しみな始まりだったが、この1年生キャラが久石 奏、鈴木 美玲、
月永 求と曲者揃い。
 去年の高坂 麗奈も上級生からしたら可愛い後輩とは言い難いところがあったが、まだ真っすぐな
分判りやすい。それに対して今回の1年生の問題は捻りがあると言うか・・・。特にわざと下手な
演奏でオーディションに落ちようとする奏は去年の麗奈とは真逆のやり方。
 テレビシリーズ2期の3年生卒業後に「せっかく良くなった演奏がまた元に戻ってしまうが、
だからこそ部活はいい」といった主旨の会話を滝 昇と松本 美知恵がしていたが、また積み上げて
いく必要があるのは演奏内容だけでなく、人間関係にも言えそうなことで、この問題ありの1年生と
久美子らがどう向き合っていくかが本作の見どころといった感じ。
 その久美子だが、1年生の指導役になったということもあって、少しは頼もしさを感じるように
なったが基本的な部分は変わっておらず、良くも悪くも久美子は久美子といったスタンスの
向き合い方がらしくて良かった。
 久美子が1年生を指導するようになった反面、滝先生に関しては演奏指導はともかく、部活の
運営?に関しては一歩引いたような印象で、そういう意味ではちょっと影が薄くなった感のある
滝先生でした。

 吹奏楽部の活動、及び部員間のやり取りがストーリーの縦軸なら、久美子の恋愛模様が横軸と
いった感じ。
 結果としては今は部活に専念するということになり、状況的な前進はなかったが、久美子の
感情的な部分に関しては好意を思わせるような明確な描写こそなかったものの、1年生の頃に
較べて、塚本 秀一に対する気持ちの変化はかなりあったんじゃないかなという気がした。

 演奏シーンの作画と音楽が素晴らしいこのシリーズだが、本作は更にレベルが上がった感がある。
 本作は映画館で鑑賞したために感覚的に生演奏を聴きに行った気分で、演奏後は本当に拍手
しそうになってしまった。
 今回の演奏シーンの目玉であった「リズと青い鳥」は去年の「三日月の舞」に較べて低音楽器が
フィーチュアされているような曲調で、本作では低音パートキャラが大きくクローズアップされて
いたため、内容にもうまくマッチしていたような印象。

 関西大会における結果は残念なものに終わり、更に久美子と秀一の恋愛の行方も先に持ち越しに
なったこともあって、やはり久美子3年生編も観たいところ。
 あと個人的には久美子の進路選択にも興味がある。吹奏楽は高校で終わりとするのか、それとも
音楽を生業とした職業を目指すのか、音楽は続けるがあくまで趣味の範疇に留めるのか・・・。

2019/04/23

投稿 : 2019/04/23
閲覧 : 255
サンキュー:

13

ネタバレ

pph1 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

これだからアニメはやめられない!

はじめまして。初めて投稿させていただきます。このレビューでは以下の二つのことを書きたいと思います。観賞後の自分の気持ちを整理するために書きました。ネタバレが含むためご注意ください。

1 ネタバレなしの感想

2ネタバレありの感想

3皆さんに質問



1ネタバレなしの感想

今まで私が見た著作物の中で最高傑作だと思いました。物語の構成やキャラクターの関係性にご都合主義のような展開はなくまるで現実の女子高生たちの青春を描いたドキュメンタリーのように思いました。私は吹奏楽どころか楽器の名前さえも怪しいためただ演奏シーンに技術的な感想を言えないのが残念です。また一年生の言動に隠された本音を知るために悪戦苦闘しながらも関わろうとする黄前ちゃんが魅力的でした。



この作品のファンの方ならぜひ劇場に足を運んでみてください!( ´∀` )





2ネタバレありの感想

{netabare}この章では「へたくそな先輩」という自分が決めたテーマに沿って短い感想を書きたいと思います。



「加藤先輩やさつきなんて私より下手なのに...」「先輩が後輩に教わるなんてプライドが...」

このセリフを見てドキッとしてしまう自分がいました。なぜなら自分の高校時代を思い浮かべたからです。

極めつけは奏ちゃんのこのセリフ。

「へたくそな先輩なんて存在自体が害」

もう言葉を失いました。まさしく自分と同じだったからです。当時の私はまさに加部ちゃん先輩のセリフの「なんでこんなに努力しても下手なんだろう」「怪我したときにほっとしてた」状態でした。

そんな過去の自分を思い出しながら見ているとき葉月ちゃんと夏紀先輩が自分には輝いて見えました。

なぜなら私と同じ「あまりうまくない先輩」でありながらわたしには到底できない姿勢や行動をしていたからです。

例えば葉月ちゃんに関しては、後輩をあだな呼びしたり(最初はみっちゃんに嫌がられていましたがw)常に後輩に気遣い、自分がオーディションに落選してみっちゃんが受かった時に背中をたたいてエールを送るなど努力が報われなくてもサポートという形でみんなをサポートする葉月ちゃんに感銘を受けました。

また二年時になり、黄前ちゃんや滝先生の刺激により気持ちを入れ替えてオーディションに臨むも落選するも、そのあとは黄前ちゃんやほかのメンバーを支える裏方にまわり、高校三年になって後輩に教えをこう姿勢や努力でメンバーに選ばれ最終的にはあのホールで演奏した夏紀先輩も我慢強く努力してチームに必要な存在になるという自分にはまねできないことで心を強く動かしました。


3皆さんに質問

質問は以下の三つです。

1奏ちゃんの黄前ちゃんに対する「やさしんですね」の意味

2皆さんの印象に残ったセリフや場面

3ストーリー展開について



1奏ちゃんの黄前ちゃんに対する「やさしいんですね」の意味

作中2回、奏ちゃんが黄前ちゃんに対して「やさいしいんですね」というシーンがありますがこれは文字通りの意味で特に重要ではないのでしょうか?なぜか含みのある言い方をしていたので気になりました。


2皆さんの印象に残ったセリフや場面

私は表情やしぐさ、演出などセリフ以外で表すキャラクターの心情を読み取るのが苦手です。そこでぜひ皆さんに教えていただきたく質問させてもらいました。

3ストーリー展開について


私はいきなり関西大会出場を獲得したのが、尺の都合とはいえ、首をかしげてしまいました。なぜなら黄前ちゃんと麗奈ちゃんのセリフの中で「このままだと京都府大会も怪しい」「今のままで大丈夫だと思っている人がいるのが問題」といったセリフがあるからです。

そのような状況でいかに関西大会出場を獲得したのか、その過程を見てみたかったなと思うのが正直な感想でした。

皆さんはこのストーリー展開には賛成ですか?


最後に

自分にとっては多くの印象的なセリフと教訓が詰まった今までの作品で一番濃い内容だったと思います。今度こそ葉月ちゃんのチューバが映画館に響きますように。 {/netabare}

投稿 : 2019/04/21
閲覧 : 222
サンキュー:

13

ネタバレ

なり さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

リズと青い鳥を観てからの鑑賞をオススメします

響け!シリーズ最新作!
主人公が2年生になり、
新入部員加入〜関西大会までのお話です。

なんで劇場版にしたんだろう…。
良くまとまってはいましたが
ここまでの紆余曲折を考えると
最低でも1クール、もっと言えば2クール24話くらいでやって欲しかったのが正直な感想です。

とはいえ劇場で演奏を聴けたのは良かったし
卒業生が出てきたのは嬉しかった。

このシリーズの魅力である人間関係は
もちろん本作でも良く描かれています。
(もっと見たいけど)

リズと青い鳥の二人には今作では全くと言っていいほど触れませんでした。
最後の演奏のシーン、リズを観ているといないでは良さが数倍違います。

まだ続編はありそうなので
TVシリーズでの制作を期待しています。

投稿 : 2019/04/20
閲覧 : 197
サンキュー:

18

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ジャスティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

そして次の世代へと移り変わるのです

【視聴きっかけ】
京都アニメーションさんの中で一番好きなのが
ユーフォニアムだったので告知されてからずっと
この時を待っていました。
もう見れるだけで最高な気分でしたね。
視聴は初日で仕事帰りに見てきました

【良い点】
■いつものメンバーよりかはあまりアニメに映っていなかったキャラがよく映る
これはいい意味で良かったです。
この作品では吹奏楽部の人数が多くいるのに何故ヒロインばかり
映すのか?と言われるとそれがいいからとも言えました。

それは当たり前なんですけどねw
結構バランスよく映ってくれたのは結構印象点としては+かなと思います。

■合奏が素晴らしい
ユーフォニアムと言えばやはりこれですよね!
劇場版でしか響かない音響はとても良かったです。
最後の終了の仕方の演奏はアニメではないもうこれはリアルで
心臓に響いてきたのが感動しました

■1年生の悩みを解決するのはやっぱり久美子
2期で悩み相談などを解決する軸としてやっぱりと言っていいほど
久美子がいる。詳細についてはあすか先輩が言っているのと本当に同じ。
自分は後ろに引いているけど、
悩みを聞いて、安全地帯に入りながらも意見をぶつけてくるような
ここは2期と同じっぽくて中盤は素晴らしいかったかなと思います。

■個人的にはダメ金で終わるのはかなり高評価
何だろう、本気で金取ってしまう展開がありそうだったので
確かに金で全国行っていたら2期の演奏と比べると「そうだったかな?」
と思うかもしれないし、また一からやり直していくといった
部活動らしい活動になっておりここは嬉しかった気持ちでした

【悪い点】
■1年間丸ごとやってしまったこと
嬉しいことなんですが、それは映画で1年間通すものだったのかな?
だったら3期でゆっくりでもいいから12話で見たかったのが本音
確かに合奏は劇場版で聞きたいけど、コンクールまでの練習風景や
人間関係の部分の描写は3期という形でやってほしい部分はありました
なので、ここが結構なマイナス点ではありました

■合奏は素晴らしいんだけど、思い入れが少ないような感じもする
今回「リズと青い鳥」もありましたが、正直に言うと
練習している姿をあまり見ていないので合奏を聞いて終わりという
パターンになってしまったのがあったんじゃないかなと思っています
1期や2期では練習風景がしっかりと描かれており、
本気で目指しているという風景があったのがポイントでした。
それがユーフォニアムの好きなところでもありました
久美子がユーフォニアムの担当を下ろされた後のシーンみたいに
「上手くなりたい」という気持ちがあまり伝わってこなかったのが
残念なところでした。

■最後の合奏が終わった後にあすか先輩たちから一言ほしかった
来てくれたのはめっちゃ興奮もしたし、印象としてはかなり良かった
けど、合奏が終わって、帰るときでも良いから何かコメントぐらい
してほしかった感はあります。

投稿 : 2019/04/20
閲覧 : 231
サンキュー:

26

ネタバレ

ぷー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

限られた尺の中で上手くまとめられていたが…。

限られた尺の中で上手くまとめられていたと感じたが、正直な話 物語を詰め込んでいた印象を受けた。
色々な事情でテレビアニメではなく映画になったとは思うが、個人的にはテレビアニメで一つ一つのストーリーをじっくり味わいたかった。

ダメ金確定後に泣き崩れた優子とそれを支える夏紀を見て、これで3年生の物語が終わってしまうのかと感じると共に希美とみぞれ(リズと青い鳥)は除く3年生のエピソードがそこまで掘り下げられていない事に気づき、あっさりと卒業とされてしまった感が否めない。

映画単体で考えると素晴らしい作品と言えるが、シリーズと考えると「久美子2年生総集編」を見ている気分になった。

投稿 : 2019/04/20
閲覧 : 224
サンキュー:

15

v31vv5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/12/05
閲覧 : 5
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劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~のストーリー・あらすじ

昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、低音パートへやって来たのは4名。一見すると何の問題もなさそうな久石奏。周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。自身のことを語ろうとしない月永求。サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!?北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!(アニメ映画『劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2019年4月19日
制作会社
京都アニメーション
公式サイト
anime-eupho.com

声優・キャラクター

黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、藤村鼓乃美、山岡ゆり、津田健次郎、小堀幸、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、土屋神葉、寿美菜子、櫻井孝宏

スタッフ

原作:武田綾乃(宝島社文庫『響け!ユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』)
監督:石原立也、脚本:花田十輝、キャラクターデザイン:池田晶子、美術監督:篠原睦雄、色彩設計:竹田明代、楽器設定:髙橋博行、撮影監督:髙尾一也、音響監督:鶴岡陽太、音楽:松田彬人、音楽制作:ランティス/ハートカンパニー、音楽制作協力:洗足学園音楽大学、演奏協力:フレッシュマン・ウインド・オーケストラ、音楽監修:大和田雅洋

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