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「劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~(アニメ映画)」

総合得点
87.5
感想・評価
424
棚に入れた
1960
ランキング
152
★★★★★ 4.3 (424)
物語
4.1
作画
4.5
声優
4.3
音楽
4.4
キャラ
4.3

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劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

まごうことなき“青春の価値”の第二楽章。

【概要】

アニメーション制作:京都アニメーション

2019年4月19日に公開された100分間の劇場版アニメ。
原作は、宝島社文庫から刊行されている武田綾乃による小説。

監督は、石原立也。

【あらすじ】

かつては京都府でも高い実力で知られていた北宇治高校吹奏楽部は、
ここ10年ほどは低迷していたが、かつての名指導者の息子の滝昇が新顧問に就任。
単なるスローガンではなく本気の目標としての「全国大会出場」のもとに、
弱小校の馴れ合いの空気が一掃されて、一切の甘えと妥協を許さないスパルタ指導で、
最初は反発が大きかったが部の意識改革と技術鍛錬に成功し、
奇跡の全国大会出場を果たした。全国大会の結果は残念ながら銅賞。

卒業した小笠原晴香部長、田中あすか副部長などの先輩から全国金の夢を託された、
新しい部長の吉川優子や副部長の中川夏紀らを筆頭とする新生北宇治高校吹奏楽部は、
新年度を迎えた。

二年前・滝昇就任以前のやる気がある後輩の足を引っ張る、
当時の三年生に反発しての集団退部騒動が尾を引き、
それから二年後の現・三年生の層の薄さという不安要素を抱えている現状。

全国大会出場とそれを可能にした滝先生の名前で、大量の新入生が入部したことで、
新入生を鍛えながら全国金に向けて始動した吹奏楽部だった。

主人公でユーフォニアム奏者の黄前久美子は二年生になり、
幼馴染でトロンボーン担当の塚本秀一と隠れて付き合ったりしている。
先輩の加部友恵とともに新入生指導係として後輩の面倒を見る立場になったのだが、
なかなかに面倒くさい性格の後輩が多く、ため息が多くなる久美子なのだった。

【感想】

ユーフォニアムのアニメのキャラデザが変わったのは正確にはここから。
池田晶子さんによるリファインで心持ち大人っぽくなっていますね。
いつもながら表情豊かで表現力に優れた京アニの作画と演出でありますが、
作品への高い評価を得たところで、ひとつのところにとどまらずに、
マイナーチェンジで向上を目指すのが京アニの美点ではあります。

二年生編は、リズと青い鳥と誓いのフィナーレでニコイチで合計3時間ちょっと。
それぞれの話をしっかりやりたいとのことで、リズと青い鳥は山田尚子さんに任せて、
こっちは従来どおりの石原立也監督で2本の映画になってしまったのですね。

部活動の経験を経て個々の演奏技術の向上だけでなくて、人間の本質は変わってないですが、
責任ある部長として背負ったもので後天的に成長した優子先輩が印象的であったり、
一見は礼儀正しい後輩なのが心に陰があり言葉の端々に不穏さがある久石奏であるとか、
新入生もまた誰ひとりとして同じ人間がいない群像劇として人間模様が魅力的であります。

3期で久美子の物語を全て観終わったあとで、こちらを振り返り視聴してみますと、
後に扱いが昇格した釜屋つばめ、若干他の部員より目立つ井上順菜や小日向夢などの、
出番が増えることになるメンバーだけでなく、この映画では語られて無くても、
部員のひとりひとりにも感情と物語があると思ったりします。
そこは映画では描ききれないので原作を読んでくださいとのことかも知れませんが。

誓いのフィナーレは、久美子が中心の構成と言いますか、
ほぼ黄前相談所エピソード→終盤に関西大会となっていますね。

とある新入生が、ヘタクソな奴が世渡り上手なのがムカつくであるとか、
自ら心に壁を作って疎外感を感じてイライラしてしまう。だからとノケモノにせずに、
そんな嫌なことばかり言っている子の言葉の裏にある寂しい気持ちに気づいて、
その子が本当に掛けて欲しい言葉を選んで、人間関係の改善に成功するなど、

これは作中で言及されていることですが、人畜無害な顔をして、
どことなく冷めた目で俯瞰して問題点に気がついてしまう観察眼。
相手の懐に飛び込んで固く閉ざされた心の窓を開けてしまう行動力。
自分のこととなるとうっかりものであるのに、人のことはよく分かる。

これは、久美子の三年生編の展開に向けての伏線であり、
演奏技術者とは別の久美子の資質に触れている重要な部分を選抜したエピソード構成ですね。
加部ちゃん先輩の話だってそう。のちの久美子部長を形成するにあたって、
久美子に影響を与えた出来事を優先したら、他のことを語る尺が無くなった感じ。
ここは、100分間の劇場アニメ映画でなくてTVシリーズならば、
小日向夢と加部ちゃん先輩のエピソードであるとか、
色々出来たのに!と惜しまれるところではありますね。

だからといってストーリーが悪いわけではなくて、
個々のエピソードを観ると、むしろこれまでのシリーズに負けないものであります。

『努力は報われる、ただしそれは本人が望む形とは限らない。
 というのがユーフォシリーズを書く上で一貫して決めているルールです。
 北宇治高校以外の学校にもドラマがあり、全ての部員たちが努力している。
 その結果がどんな形であれ、
 きっと一生大切にできる何かを得られるんじゃないかなと思います。』

これは、原作者の武田綾乃さんの言葉ではありますが、
人格形成において、例え望む結果を得られなかったとしても、
努力の価値・青春の価値を経験から真っ当に理解することが出来た人間は、
それを糧にして、魂を腐らせることなく生きてゆける話。

今回の映画も、後輩の久石奏が彼女の中学時代の過去の経験から、
事なかれ主義の処世術に染まっていて、今の北宇治高校吹奏楽部の空気に否定気味だったのを、
久美子や夏紀先輩らの熱い心で本気の青春の世界に引き戻されて過去の呪縛から掬い上げられる話。
久石奏の変化のきっかけになる出来事もまた、彼女には大切な出会いが始まりであります。

自らの高校時代に何かしら古傷があって、アニメを見てそこを抉られる人もいれば、
高校時代に自発的に何もせずに終わってしまった人には、後悔の念を噛み締めさせる。

アニメを見て何を思うかは人それぞれではありますが、
ある意味では見たその人の心の鏡になり得るのが、ユーフォシリーズであると思いました。

私がユーフォで好きな登場人物は、吉川優子部長。
三年生編での久美子を見ていると、優子部長にも部をまとめる過程でいろいろな経験があって、
それが彼女を大きくしていったと思うと感慨があります。問題が起きないよう、
不満の芽を先回りして暴発前に摘み取るやり方で競争力が削がれてしまい、
あと一歩のところで全国大会出場を逃してしまいましたが。

精一杯頑張ったのに夢が叶わずに夏紀先輩の横で崩れ落ちる遠目での姿を見たあとで、
後輩たちに全国大会出場と全国金を託して鼓舞する気丈な優子部長の姿。
そこに気高き吉川優子部長の思いを感じ取れる視聴者であるならば、
このアニメの素晴らしさが良くわかっていると思います。

小笠原晴香から吉川優子に、そして黄前久美子に代々の部長に引き継がれる思いは、
決して軽いものではありません。それは本気で全国を目指す部ではどこにでもあること。
経験なり想像なりで共感する力がこのアニメの視聴には必要ではありますね。

このアニメ映画で特に圧巻だったのは8分間を超える関西大会での演奏シーンですね。
本物のアニメーションには本物の感動がある。
当時の京都アニメーションのフルメンバーがいかに卓越していたかの証明。
これを超える演奏シーンは今後現れるかと言うと疑問ですね。いい物はいい!
己を偽ることなく感じたことを今後も発信しようと、このアニメ映画を観て思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/07/19
閲覧 : 123
サンキュー:

34

ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ユーフォの系譜<追記;再視聴>

久美子、高校2年のお話です。
何故劇場版?
端折った感が半端ない。
TV版でじっくり描いて欲しかったです。

それでもストーリーは素晴らしい。
スピーディーな場面変換。
痒いところまで手の届く演出。
惹き込まれまくりました。

春、個性的な新入生が入って来ます。
メインはユーフォ担当の奏。
人当たりはいいのに本心をみせない。
久美子は戸惑うばかり。

雨のシーン。
奏を追う久美子。
自身の思いの丈を。
立ち止まる奏。
本気でぶつかる二人。
そして相互に理解する二人。
作品屈指の名場面の一つです。

あすか先輩や夏紀先輩から恩を受けた久美子。
それを奏に返す。
まるで川の流れのように。
ユーフォの系譜はこうして受け継がれるのです。

「死ぬほど悔しい」
中学時代、久美子は麗奈の気持ちは分かりませんでした。
しかし高校1年、麗奈に向き合い、苦悩からそれを知ります。
そして高校2年。
「死ぬほど悔しい」と言う奏を優しく包み込む久美子。
様々な経験が久美子を大きくしたのです。
そこには感動しかありませんでした。

それにしても、久美子と麗奈の距離感が・・・
もう熟年夫婦のそれです。
夜景越しのミカン飴。
最高にエロチックです。

エンドロール後。
早朝の校舎を包むユーフォニアムの柔らかい音色。
高校3年、久美子は部長に。
そして、また新しい物語が始まるのです。

<追記;再視聴>
{netabare}冒頭からの告白シーン。
そうか、この作品にはラブ要素がほんの少しあったんだ。
完全に忘れてました。

色とりどりの金平糖がはじけた戸惑い顔。
ほんと、久美子は面白い。
このアニメのラブ要素はほぼコメディーです。

だだし、夏合宿の夜に関係を封印。
客観的に考えるとその方が良いかと思います。
コンクールや進路がありますから。

それにしても、久美子が秀一に見せる態度は全くの素ですね。
完全に心を許しています。
幼馴染ということもありますが、明らかに良いコンビです。

最高の演奏をしたにもかかわらず、この年は全国に行けませんでした。
自由曲である「リズと青い鳥」にインパクトが足りなかったことが大きな要因かもしれません。
美しく情緒的な曲ですが、昨年の「三日月の舞」のような躍動感が乏しい。
曲の印象が審査に影響した可能性があります。
また、北宇治高校が全国常連校でなかったこともあるかもしれません。
要は審査員に先入観があったかと。
それが審査というものでしょう。

全国に行けないことがわかった時の優子部長の言動が印象的です。
夏紀副部長に支えられ陰でこっそり泣き崩れていたのに、皆の前ではきりっと鼓舞。
実際は悔しくて死にそうなのにね。
強気で部を引っ張る姿はまさにカリスマ部長。
本劇場版終了時点で最も好きなキャラとなりました。{/netabare}

投稿 : 2024/05/19
閲覧 : 291
サンキュー:

21

ネタバレ

glashutte さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

2年生の久美子たち

久美子たちが2年生になった年を駆け足で劇場版にしました.

「響け!ユーフォニアム」らしいギスギス感は,ユーフォニアムの夏紀先輩と奏ちゃんの関係で出ています.
また,関西大会前に2個上の中世古香織先輩,田中あすか先輩,小笠原晴香先輩が出ていて,懐かしく,目頭が熱くなりました.(台詞はほとんどなかったけど.)

演奏シーンも最後に長めにあり,やはり演奏シーンは大事ですね.どんな曲を演奏していたのかわかって良いです.

全体的にかなり駆け足なので,2年生編を知るには,劇場版「リズと青い鳥」と「原作小説」を見ることをお勧めします.

投稿 : 2024/04/21
閲覧 : 65
サンキュー:

5

ネタバレ

これ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

めちゃくちゃいい劇場版だった

だけに、ツークール分アニメで2年生編見たかったので悲しかったのもある!
アニメの出来は100点満点だけど
みぞれとかもっとみたかったなあとか、、

投稿 : 2023/08/23
閲覧 : 162
サンキュー:

5

ネタバレ

たかし さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

密度が凄い

冒頭から一気に引き込まれる展開で1時間40分とは思えない満足度だった
新入生がそれぞれ個性的で良かった
1期では悪役みたいなポジションだった優子ちゃんが部長としてみんなを引っ張っていく姿に感動した
次に繋がるような終わり方だったのでこれからの展開にも期待したい

投稿 : 2023/07/10
閲覧 : 410
サンキュー:

14

ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

思いは引き継がれていく

久美子たち1年生も2年生になり、部長が吉川優子、副部長が中川夏紀で再スタートした吹奏楽部。

久美子が教室でひとり吹く「響けユーフォニアム」に2期を思い出しながらちょっぴりしんみり。

部長の優子が今年の目標に「全国大会出場」を消して「全国大会金賞」と書いたところは胸が熱くなりました。

しかし新しく入部した1年ってクセのある子多いw
でもそこがユーフォらしいのかも。

私も久美子と同じくあすかだったらなんて言ったんだろうって考えながら見てました。

1期から見てきたからこそ、久美子が奏(かなで)へ話した言葉にじんわりくるものがあるし、2期でのあすかとのあの対話を回想しながら見ると心に来るものがありました。
久美子みたいに本気でぶつかって受け止めてくれる先輩に出会えた奏って幸せだなって思う。

関西大会に懐かしい先輩たちが見に来てくれたところは私も見てて嬉しくなっちゃいました。

大会の結果は・・
結果に崩れ落ちて泣くくらい悔しかったのに、みんなの前では部長として落ち込むみんなを笑顔で励ました優子の姿にうるっと。。

奏が久美子に「悔しくて死にそうです!」って泣きながら言ったところは、あーこうやって思いは引き継がれていくんだなってここでもうるっと。。

すごく良かったし、いい作品だと思ったんですが、できたら1クールで見たかったです。
あとスマホで撮影動画演出は最後の久美子のとこだけならいい感じだけどあとは・・

次は夏の劇場版と来年の3期ですね!!
すごく楽しみです♡

投稿 : 2023/05/07
閲覧 : 199
サンキュー:

38

ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

最上級の賛辞を

【First】

 京都アニメーションで一番好きな作品群は何だ? と聞かれたらもう迷わずユーフォです。 これまでであれば『ヴァイオレットエヴァーガーデン』『CLANNAD』あたりと悩むところでしたが、今回のを観て一つ頭抜けちゃった感じがしました。泣けるって意味ではこの2作品の方が泣けるんですが、ざっくり言うと表現力がしゅごいって話で、その辺りを中心にレビューしていきたいなって思っています。
 とりま、これを観る前には必ず1~2期は必修で、『リズと青い鳥』っていう傑作も観ておくとより楽しめます。


【Staff】

 原作            武田綾乃
 監督            石原立也
 脚本            花田十輝
 キャラクターデザイン    池田晶子
 音楽            松田彬人

 このシリーズの原作者の武田綾乃さんこれまで読んでみようと思ってなかなか手を出していませんでしたが、来年にはアニメも3期が始まるそうなので、それまでには原作読み切れるようにしたいです。
 監督は京都アニメーションといえば、って感じの石原さんですね。原作を活かすことに優れている監督さんでいらっしゃいます。原作の魅力を見抜いてアニメ二落とし込める方なんだなと思います。
 脚本は花田十輝さんです。原作読んでないと、さてどうチューニングしたのか…不確かになりますが、それぞれのキャラの描写が見事でした。最高の作品へつないでくれたと思います。
 キャラクターデザインは池田晶子さん。シリーズ通してデザインしていることでキャラの総数が半端じゃないですが、描き分けていてどのキャラも可愛く魅力的に描かれていると思います。。。
 音楽には松田彬人さん。吹奏楽を題材にした作品である以上重要な役割で物語を盛り上げるだけでなく、説得力を加える事にも成功しているように思えます。私自身はそんなに音楽の事を詳しくないので、あれこれ言えませんが、ダメな演奏をさせなければならない時などの音楽も感覚的にダメっぽさが伝わったりして、これはスゴイなって唸ってしまいました。

【Review】

脚本において、キャラの魅力を引き出す事はストーリーを練る以上に大事な作品もありましょう。
 これまでのレビューでもキャラモノって表現をしてきましたが、ストーリーよりもキャラの魅力で引っ張る系の作品ですね。
 分かりやすい例だと『アイドルマスター』を筆頭にアイドルのシリーズ『ウマ娘』『ゾンビランドサガ』『まどマギ』『Free!』などなど。
 一応言っておきますが、その上で面白く引き込まれるストーリーのある作品もありますし、例に挙げた作品はもちろんストーリーでも優れたものを持っていると思っています。
 勝手な考えなので、それは違うよと思っていただいた方が良いのですが、物語の中心に置いている軸がキャラになっている作品群って言うことですね。
 例えば、『Free!』であれば、水泳部の高校生男子の話。『ウマ娘』であれば、ウマ娘たちの熱い戦いの話です。
 反対に違うものっていうのが例えば『PSYCHO-PASS』だと管理された未来の話。
 また、異世界ものっていうのは、異世界に転生しちゃった人の話。これはキャラモノのとても限定された世界を描いたモノだったりしますね。
 となると、この『ユーフォ』シリーズはもちろんキャラモノで間違いないです。ただのキャラモノではない所がこの作品の凄味でございますという話をしたいですね。
 
 物語は
 とある高校の吹奏楽部で中学からユーフォニアムを嗜んでいた少女が高校で本気出すみたいな話です。1年生の時に全国へ行ってその後2年生になりまして、新入生キター!で育成係みたいなポジションに任命され面倒をみながら、コンクールでまた全国を目指すって話です。(ざっくりだ)これが100分にまとめられています。(まぁ1~2期で流れは分かってますよね?みたいなところもありましたなので1~2期は必修です)

 んで、これまでもキャラの造形が最高って作品でしたが、これまでは割と特徴的で分かりやすい(故に分かりにくい)人達が多かった表に隠された裏の顔みたいのを描いてきまして、本当にぶっ刺してきてました。とはいえ、終わっておさらいしてみると、物語をドラマティックに演出するために尖らせたキャラ達という印象になっていたりしています。
 【高坂 麗奈】 【田中 あすか】 【滝 昇】の三人は特にキャラが特質系ですね。 天才って奴は大別してこういうモノなのかもしれません。
 下敷きができている分今回新しく入ってきたキャラの特殊性は弱めで本当に分かりづらいんです。悪い意味ではなく、レッテルを貼れると考える余地を少なくできるので、観ていて疲れないんです。テンプレキャラとも言いますかね。これは恐らく書き手も楽なんだろうけれど、実は見る方も楽だったりするので良い事もあります。ちなみに、髪の毛を赤とか青とか黄色とかピンクにするのは、キャラのテンプレに合わせてイメージカラーを割り振って同じような効果を発揮してくれませすよね。
 髪の色ではないですが、イメージカラーをキャラに取り入れてアニメで印象的に演出していたのは、『セーラームーン』とかが私の中では一番古い記憶ですかね。戦隊ものなんかはばっちりこれですけれど(笑)

 閑話休題

 今回の作品で登場する新入生がですね。このレッテルを貼るという事ができない。敢えてつけるなら【普通の高校生】ですね。
 実は主人公も【普通の高校生】ってカテゴリーの主人公ですね。
 昨今では、多くの人が共感できるって事が重要視されている傾向で(これを無視してるのがジャンプマンガの正統)何なら割と考えがあっさりとしていて、男性でも分かるわーってシーンがあったりするので本当にフォローしやすい造形なんですよね。
 追加すると新入生なので、主人公の後輩って属性が自然とついてきます。
 これは、これまでは後輩でしかなかった立場から先輩と呼ばれる立場への視点の切り替わりにより新しい物語として見えるっていうとても変化が分かりやすく、この先輩になった悩みだったり先輩に対する後輩の悩みだったりにフォーカスしてキャラを描いていて追っかけやすいのもナイス脚本ってな感じです。
 んで、この描写がマジでスゴイスゴイスゴイ!大事な事なので三回!
 まず心理の描写ですね。恐らく文字に落とし込んでも「うわああああ、それなぁ!」ってなるやつで、これを映像にするためにキャラの表情を書いたり動きを描けていてまた「うわああああ」ってなりつつ、撮影の演出でまた「うわああああ」ってなる訳ですよね。さらに音で「うおおおお」ってなる訳です。
 本当に揺さぶってくるんですよね。
 演出面でいくと光と影ってやつを上手く使う手法で良い方向へ向かう時は明るくなっていく、その反対もしかりみたいな事とか、ネガティブな方向は画面下手側に行くとかその反対もしかりみたいな事はやっぱりやっています。また走りに対するカメラの追いかけを一瞬ずらしてみたりと、ちょっと引っ掛かりを作る事でわざとスムーズにしないみたいん事もしていたり…。
 扉の建付けが悪くて出入りが多い部員は開きづらいのを上手くやっているけれど、そこまで出入りが多くない先生は少し戸惑うみたいな事もあって、なんていうか、別に普通に入っても問題ないところに一瞬の?を関連付ける事で物語のリアルさとか奥行き感が出ています。(何回も観ればそれだけ発見がありそうな作品ってこういうのですよね)

 女子高生の人間関係の機微を細かい描写とディティールで描き、演出でスッと物語に入れてくれる。最高に贅沢な作品でございました。
 まだ未視聴の方には是非にこの贅沢を満喫してもらいたいと思っています。


【おわりに】

 夏には劇場版今度はちゃんと観に行きます!絶対に!
 んで来年には3期がスタート!恐らく3年生編スタートでしょう。
 待ち遠しい限りです。

 ちなみに、時を置かずして、『ギルティクラウン』という作品を観ました。これもまぁレビューするとは思いますので、特段ここでする話でもないんですが、今回キャラが描けているかを書いたレビューは恐らくこの2作品の対比があったからこそかなと思っています。
 世界を描くストーリーは良かったんですが、圧倒的にキャラの造形が弱かったんですよね。絵はメチャクチャ上手くて総作画監督の矢萩利幸さんの回は本当にカッコ良かったし、可愛かった。
 絵だけじゃないっていうのが分かりやすかったってなーって事です。

 って事で、もう一回『リズと青い鳥』を観たいなって思います。
 アマプラに1期と2期のそれぞれまとめて映画にしたものもあるので、まだ未視の方で13話×2はちょっと重いって思ったら映画にしてまとめて見ちゃうのもオススメです。

 では、よしなに。

投稿 : 2023/04/28
閲覧 : 108
サンキュー:

9

ネタバレ

ぴかちゅう さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

やっぱりTVアニメで1シーズン使って見たかった

TVアニメ1期2期、映画1期2期および「リズと青い鳥」は視聴済み。滅多にないことですが、原作もまだ1巻だけですが、読んでいます。

映画3期、悪い作品ではないのですが、やっぱりTVアニメで1シーズン使ってやってほしかったな、という気持ちが残ります。久美子と秀一の関係は、ぜんぜん掘り下げることができてなくて、とりあえず重要なシーンはカバーしました、っていう感じになっているし、チューバ奏者1年生の美玲とさつきも、絶対過去になんかあったでしょ、って思うけれど、やっぱり掘り下げるだけのスペースがないし、それはコントラバスの1年の男の子もそう。

久美子と奏ちゃんの関係は中心軸としてあって、それは当然映画2作目の久美子とあすかの関係を意識しているのだと思うのですが、やはり既に映画2期があるなかで、独自性を出せたかというと微妙な感じがします。なんというか既視感が否めません。

ユーフォは、私は原作はまだ1巻しか読んでいないとはいえ、原作とTVアニメ、さらに映画でそれぞれ違った味を出せているという意味で、メディアミックスがファンにとっても意義のある作品になっていると思うので、なおさら、TVアニメを放映してほしかったなぁという気持ちが残ってしまいました。特に、主人公の恋愛をあっさり触れるだけで終わってしまうっていうのは違和感がどうしてもあるところです。

ポニテ先輩はわりと出てくる一方、部長のリボン先輩はあんまり出てこないなぁと思っていたけれど、リボン先輩は最後もっていきましたね。ここはよかったです。でも麗奈の出番はあんまりなかったなぁ。

いろいろ書きましたが、やっぱりユーフォファンなので、全体としての評価は少し高めです。

投稿 : 2023/02/23
閲覧 : 159
サンキュー:

9

ネタバレ

U さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

B. ネタバレ注意 – 悔しくて死にそう、再び

2019年
武田綾乃の小説  
制作:京都アニメーション キャラデザ:池田晶子

高校吹奏楽部が舞台の友情、青春、成長物語の劇場版


<メモ>
主人公、黄前久美子の1年時はアニメ2期を使い丁寧に描かれましたが
2年時はこの劇場版で駆け足の印象。
ただし、3年生を主人公にしたスピンオフ「リズと青い鳥」有。

大会を見に来ていたOGたちは結果を知ってなんて声をかけたのだろうか?

リスタートするため、中学の同級生が少なそうな高校を選んだ久美子。
人の意見に流されやすそうな、多数意見に同調しそうな女の子が後輩の指導係になって次は部長ですか。
高校の3年間はあっという間ですね。

もし、タイムマシンがあったら
3年はあっという間だから勉強、友情、部活、恋愛・・・何に重点を置くかはすごく大事なんだと自分に教えたい。


<主要登場人物>
一年生
・久石 奏:雨宮天
・鈴木美鈴:七瀬彩夏
・鈴木さつき:久野美咲
・月永 求:土屋神葉

三年生
・加部友恵:田所あずさ


<ストーリー>
全国大会出場と滝先生のヴィジュアルのおかげで 新入部員が多数入部。
低音パートを選んだのは4人。
練習熱心で明るいさつき(さっちゃん)、演奏に自信があるが部に馴染もうとしない美鈴(みっちゃん)、
他校の顧問をしている父親と何かありそうな求、
そして人当たりが良さそうで癖がある奏。

2年生になり可部ちゃん先輩と新入生担当になった久美子は
1年生をまとめることができるのか?
塚本との進展もあったりなかったり。。。

「全国大会金賞」を目標に定めた北宇治高校吹奏楽部の結果はいかに。


22.1.11

投稿 : 2023/01/14
閲覧 : 150
サンキュー:

10

ネタバレ

天地人Ⅱ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

続私的アニメ感想簿35

ТV版の続きで2年生となった久美子達の前に、新たに1年生が入部し、全国大会金賞を目指して部活動をする物語です。

先輩となった久美子
個性的な1年生
めんどくさい先輩(まあお互いでしょうけど)
一向に進まない秀一と久美子の仲(ん?)
省略される個々のエピソード(そりゃあ映画だし、時間が)
ええい、もっと恋ばなを入れんかい(無理無理)

正直言うと、TVで1クールか2クールで見たかったです。
でも、やっぱりユーフォはいいです。
印象的なセリフやきれいな画像、そしてラストの演奏シーン
ホントに面白かったです。
でも、映画とは別にTVで作って欲しい気が・・・(あ、やっぱり)

おまけ
あにこれ(?)投稿で悩む後輩

「本音?そんなの、あなたが先輩(投稿者)だからですよ。文章が下手な先輩は存在自体が罪ですよ(グサッ)」
「本人が気にしなくても周りが気にしますよ。言葉にしないだけで、みんな思ってますよ(ええーっ)」
「ま~だ何かあるんですか、天地人先輩って、そういうとこありますよね。人畜無害って顔してズカズカしょーもないネタを入れてくる(グサグサ)」
天地人
「ぼ、ぼけっとしてはいないと思うんだけど」

「鏡をお貸ししましょうか」

ううっ(涙)、そんなに言わんでも(って、何の話だ)

投稿 : 2022/12/09
閲覧 : 156
サンキュー:

11

ネタバレ

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

部活動を通しての人間ドラマに見応えありました

主人公が先輩となり、後輩たちを持つことになるという事で全国大会を目指す体育会系部活特有の気苦労とかがよく描かれていて個人的に身につまされるものがありましたね。

その一年生たちは個性的で言うなればクセの強い面々だったわけだけど、それゆえに人間関係のギスギスした感じもあり、大会に向けて練習していく過程でのぶつかり合いもあったりで、実写ドラマを観ているかのような臨場感がありました。

クライマックスでの演奏シーンも素晴らしく、アニメーションといい音といい、思わず圧倒されるようなものがあった。

しいていうと、クライマックスに行き着くまでのさまざまな問題事(主人公らが後輩たちをまとめ上げるところとか)や練習シーンを通じての成長等を考えると100分で描き切るのは足りない印象でテレビシリーズで1クールで描いて欲しかったかな。

それでも観終わった時の充足感は半端なく、クライマックスのシーンとか出来れば映画館で観たかったなと思うほどでした。

投稿 : 2022/12/05
閲覧 : 124
サンキュー:

15

ネタバレ

なご さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

濃い内容

一年間を映画にしたので駆け足だったが、人間関係や演奏の演出、もちろん百合もすべて素晴らしかった。
濃い内容で大満足です。

ただ1クールでじっくり観たかった気持ちも。

3期まで先が長すぎて喪失感がハンパない。
完全に響けロスだ。
明日からどうしよう。

投稿 : 2022/10/05
閲覧 : 129
サンキュー:

11

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

私は、頑張れば何かがあるって信じてる。

 全100分。

 個人的には2期で完結したと思っていたので、あんまり期待はしてませんでした。しかし見てみると、いやはや思ってた以上に面白い。

 見所は、皆の学年が上がったことによる苦労。
 まずは優子先輩と夏紀先輩。物語当初、この二人はなかなかにひねくれてました。優子は頑張ってるけど先輩LOVEで部を引っ掻き回してたし、夏紀先輩はやる気がなく窓の外を見つめてるだけ。それが一転、今や部をまとめる存在に。自分のことだけでなく、後輩のことをちゃんと心配し、気遣える良き先輩になっていました。
 次に主人公の久美子。1,2期で発揮したカリスマ性は健在。一癖二癖もある後輩たちから本音を聞き出せるし、それに対して心から向き合える先輩っぷりを見せてくれました。

 今回は新入部員がね~曲者揃いなんですよね笑。どこかあざとい奏ちゃんとか、三玲とか、求くんとか。。。
 特に印象的だったのは奏ちゃんの話。中盤の久美子との雨の中の会話は心に突き刺さりました。
 「頑張れば報われるかなんてわからない。でも私は、頑張れば何かがあるって信じてる。」(要約)
 惰性で生きてる僕の心にグサーッと突き刺さるものがありました。名言ですわ。

 とまあ、おおむね満足ですが・・・やはり1年間を約100分に収めるため、やや駆け足感は否めないですね。1クールは長過ぎだけど、例えば7,8話くらいの尺とか?それだと、みどりちゃんと求くんの仲とか、久美子と奏ちゃん、他にも1年生ズの日常を描けば良かったかもしれないです。
 まあそこまで不満はないですけどね。多分今回の話を1クールで描くと、中弛みしたかもしれない。劇場版で良かったかもしれないです。

 書き忘れてましたが、1期から示唆されてた久美子と秀一との恋愛もちゃんと描いてて良かった。今までうやむやだったのでちゃんと思いを伝えて、その上で今は忘れよう、という決断も良かったと思います。

 次は「リズと青い鳥」かな。そして3年生編ですね。いつになるのかわからないけど、京アニさん、首を長くして待ってます!!

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/09/22
閲覧 : 401
サンキュー:

37

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大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

大変素晴らしい。濃密な一年が描かれていました

とても素晴らしかったです。
素晴らしい作品を前にはあまり語ることはないのですが…。

1年の内容を駆け足で一気に描いた感じですね。
TVシリーズでゆっくりやってくれても良かったように思いますが。
これはこれで密度が濃くて面白かった。

個性的な一年生達。先輩達…。
中間の久美子が色々支えている感じで。

まあ、大会の結果的にはTVシリーズで12話かけてこれ、というわけにもいかなかったのかもしれませんが。

結末もテンションあがりましたね。
まあ知ってた、という感じでしたが。
久美子しか居ないわな。
3年編、とても楽しみです。

投稿 : 2022/08/05
閲覧 : 181
サンキュー:

9

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og3jar さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

微妙な人間関係を見事に表現

 一年生が入ってきて先輩になった久美子達二年生。後輩の押し上げに、指導と同時にライバルとしても戦わないといけない状態になる。言わば敵に塩を送るのと同じ。
 そこで思い起こされるのが去年の先輩達の気持ちだと思う。去年は好きかって言っていた立場だったが、そんな久美子達を受け入れてくれていた先輩達の苦労に思いを寄せていると思う。去年全国銅賞の実績があるので、それ以上の結果を残さないといけないプレッシャーがあったと思います。

微妙な人間関係や久美子達の成長をアニメで見事に表現されていました。

京アニのレベルの高さは信じられません。

投稿 : 2022/07/25
閲覧 : 154
サンキュー:

11

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

続編も決まってるみたいなので、楽しみ

まず物語の評価ですが、濃密でした、塚本の告白シーンから始まり、新入生たちの加入による新たな問題や3年生の配置転換、コンクールでの素晴らしい演奏、ラストは響け!ユーフォニアムからの久美子が部長になってるシーンで終幕、映画館で観たかった(>_<)
ただ、リボンちゃん達の3年生編はかなり短くて、可哀想でしたね...

作画、声優の評価も不満なし

キャラの評価は、あすか先輩を筆頭に魅力的なキャラが引退したので心配でしたが、新入生も魅力があって良かったです。

投稿 : 2022/04/26
閲覧 : 154
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Takaさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

誓いのフィナーレ

進級した久美子たちと、くせ者新入生(低音班)がメインの話。

結果は、掲げた目標である「全国大会金賞」には全く届かず、
全国にも行けなかった。

久美子が部長になるで終わったけど、「全国大会金賞」は、
久美子部長の時に達成かな???

滝が、久美子に対して、全体の音を聞くのに向いているような
セリフがあったから、久美子の進路に影響を与えるものなのかな?とも感じた。

劇場版で終わらせるには、時間が足りなかった感があるので、
TVアニメで、久美子部長編やってくれないかな。

投稿 : 2022/03/05
閲覧 : 207
サンキュー:

5

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ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

本当の悔し涙も、本当の嬉し涙も、本当に頑張った人にしか流せない・・・

この作品は、いきなり、ある意味衝撃的(笑)なシーンから始まります。
高校生の青春ものとしては、避けて通れない要素ですね。
これについて、主人公久美子がどのように決着をつけるのかも見どころの1つです。


■先輩になると言うこと

新入生が怖い、新入生が面倒くさい。
でもやっぱり、新入生にだって思いがある。
物語の前半では、そんなことを実感させてくれました。

久美子は、今まで、所詮1年生でした。
吹奏楽部の運営や先輩たちの苦労なんて、分かっているようで、分からない。
でも、それでいいと甘やかされている立場でもありました。

しかし、久美子は2年になり、新入生が入ってきます。
久美子たち2年生にとっては、初めて先輩になります。
中学生のころのような単純な子供どうしの先輩後輩ではありません。
子供から大人の変わっていく、そんな過程の先輩後輩です。
大人、つまり、"大人しい"に象徴されるように建前が1つのキーとなります。

今回、久美子にも、「奏」と言う同じ楽器の後輩ができました。
この二人が本音と建前の狭間で葛藤する様子が描かれています。
そして、前半のクライマックス。
最初は、二人の建前どうしがぶつかり合います。
それが、ついに本音どうしのぶつかり合いに発展していきます。
その様子は、鬼気迫るものがあり本当に圧巻でした。

1年生と3年生の間、あたり前にあるのが2年生。
でも、実は、一番、成長できるのがこの年なのです。


■「みぞれ」と「希美」のデュエット

この作品では、自由曲「リズと青い鳥」がフルで描かれていました。

それにしても難しい曲ですよね。
静かなところやソロもたくさんある物語的な曲は、なかなか手を出しずらいです。
一人ひとりの技術が高くないとすぐに粗が目立ってしまいます・・・。
逆に分かりやすいメロディを力で押していく派手な曲の方が簡単です。

演奏の方は、圧巻のリアリティでした。
麗奈のミュート付きで入ってくるトランペットのアクセントがいいですね。
また、ティンパニの演奏シーンがすごくかっこよかったです。

そして、この曲は、なんといってもオーボエとフルートのデュエットです。
まるで、みぞれと希美がお互いなにか通じるものがあるような。
そんな会話のような掛け合いがすばらしかったです。

「2」前半のエピソード以上のなにかがこの二人の間にはあったんでしょうね。
それが、別作品「リズと青い鳥」として用意されているところがにくいですね。


■本当に頑張った先にあるもの・・・

この作品には、TVシリーズ以上に刺さった言葉がありました。
本番前の舞台袖で、奏の質問に対して、久美子が答えているシーンです。
{netabare}
奏  「ずっと熱心にユーフォを吹いてきたのですか?毎日、毎日そんな真剣に?」
久美子「真剣になったのは高校からかも」
奏  「それはどうして?」
久美子「中学最後のコンクールの時に、私、泣けなかったんだ・・・」
{/netabare}
この久美子の言葉は、聞いていて胸を締め付けられる思いです。

本当の悔し涙も、本当の嬉し涙も、本当に頑張った人にしか流せない・・・。

はたして自分はそんな青春をおくってきたのだろうか。
答えは、否です。
だからこそ、この作品が心に刺さってとても痛いのです。
青春の思い出は、懐かしさばかりではありません。
ときには、鋭い刃物のように心を切り裂いてきます。
できることなら、昔に戻ってやり直したい。
そして、悔し涙でも、嬉し涙でも、どちらでもいい。
本当に頑張った人だけが許される涙を流したい。
そう思わされる作品でした。


■久美子3年生編に期待

最後のシーンで、次の作品につながる大切なことが明かされます。
{netabare}
久美子が部長になります。
{/netabare}

ここで1つハッと気づくことがあります。
この物語は、久美子が1年生で入学したところから始まりました。
そして、そのときは、個性豊かな先輩もたくさんいました。
それが、気づいたらもう3年生です。
もう上には先輩はいません。
そして、最後のコンクールです。引退です。卒業です。
残酷なまでに青春の過ぎ去る速さを見せつけられた気がしました。

私は、中学生のころに一度だけ東海大会に行ったことがあります。
この作品で言うところの関西大会です。
{netabare}
今回、北宇治高校は、全国に行けませんでした。
私も残念ながら全国には行ったことがありません。
{/netabare}
こうなったら、3年生の久美子たちに、ぜひ全国に行ってもらいたいです。
そして、金賞をとってもらいたいです。
「金」と「同」じと書いて「銅」、ではなく、本当の「金」です。
自分がかなえられなかった夢を託したくなります。
これほどまにでアニメに感情移入するとは思いませんでした。

この作品も最後に引退する先輩が後輩に夢を託します。
こうやって、先輩から後輩に技術だけではなく、夢や魂を"伝えて"いきます。
それが、"伝統"です。


■まとめ

この作品は、劇場版と言うとても尺の短い話でした。
しかし、そんな短い中でこのシリーズにとってとても重要なことを扱っていました。
1つ目は、自分が名実ともに先輩になること。
2つ目は、先輩から"伝統"を引き継ぐこと。

この2つが揃ってはじめて、3年生が本当の意味で主役になれるのです。
この物語は、3年生になる久美子にとって、重要な年だったのです。

そして・・・、
本当の悔し涙も、本当の嬉し涙も、本当に頑張った人にしか流せない・・・。
それを後輩と共有し、覚悟を決めるためにも重要な物語だったと思うのです。
こうして、この物語は、「"誓い"のフィナーレ」を迎えたのでした。

投稿 : 2022/01/11
閲覧 : 312
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30

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タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

映画という尺を考えれば最高の形…だけど…

詳細は1、2期および劇場版「リズと青い鳥」を観てください。

あすか先輩たち3年生が卒業し、吉川“デカリボン”先輩が部長、中川夏紀が副部長の代としてスタートする完全新作の劇場版です。

まあ、細かいあらすじなどは、実際に観てもらうということで省きます。

本線の「響け!ユーフォニアム」1、2期は星オール5を付けました。これも、星オール5に匹敵する素晴らしい出来…だとは思います。ただし、それはこのストーリーをテレビアニメ版で全13話でやったら、の話。

観た方はわかるとは思いますが…
{netabare}
・美玲とさつきのエピソード、はしょりすぎ。
・加部ちゃん先輩が奏者を断念するエピソード、はしょりすぎ。
・久美子と秀一の淡いラブストーリー、はしょりすぎ。
・北宇治高校吹奏楽部、うまくなるまでのエピソード、はしょりすぎ。
・葉月が選ばれなかった悲喜こもごものエピソード、はしょりすぎ。
・奏と夏紀の確執、唐突すぎ。
・川島サファイアと求、そして龍聖学園の月永顧問との関係、説明しなさすぎ。
{/netabare}
とまあ、映画の尺に収めたことによる弊害が多すぎました。

終盤の演奏シーンは、さすが京アニの真骨頂。演出も素晴らしいです。でも、ピンで抜かれるキャラ、誰だこれ? というのが多かったです。みぞれと希美をちょいちょい抜きますが、「リズと青い鳥」観てない人には、本当に誰だこれ?状態だったと思います。

この尺で1年間を描くのは、やっぱり無理がありました。この作品は、位置付けとしては「鬼滅の刃」での「無限列車編」と同じと考えます。

ぜひ、3期やるなら、これを13話で各キャラの深堀りをして、もう一度見せていただきたい。そのうえで、4期として「テレビアニメ版」で久美子たちが3年生の話をお願いしたいと思います。

投稿 : 2021/12/05
閲覧 : 256
サンキュー:

8

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RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

尺がぁぁぁぁ!

この場を借りて謝罪します。
私もめんどくさい1年生でした。
かつての先輩方大変心労おかけしまして
申し訳ありませんでしたm(_ _)m

で、原作未読です。

【作品概要】
 響けユーフォ1,2で主人公久美子たちが
 1年生の間の物語が描かれました。
 今度は2年生の物語。
 

【作品に対する感想】

 素晴らしい音楽、作画、熱い物語、
 リアリティのあるキャラ。
 劇場版としては期待通りの
 秀作だったと思います。
 高校の部活ゆえの上級生と下級生の
 力量逆転現象も含め、
 先輩になったことによる苦労談が
 余すことなく描かれていました。
 
1)物語
 しかし!
 人間関係のドラマがどうしても尺不足
 で浅くなってしまいました。
 もっと時間をかければ、涙腺やばかった話に
 なったであろう素材もあったんですけどね。
 こればっかりは劇場版だけにしょうがないです。
 でももったいないと思ってしまいます。
 せめて1クールくらいは欲しかったorz。

2)作画
 時々唐突に挿入されるスマホで撮ったような動画、
 あれって何なんでしょうか?

3)声優
 久美子・秀一カップルまったりしすぎて熟年夫婦みたい。
 まあ、幼馴染なんでしょうがないですかね。

4)音楽
 冒頭のこれが私の生きる道の緩さに噴きました。
 去年の暴れん坊将軍とは
 けた違いにうまくなってるのが印象的。

 奏や美玲が口にした代表メンバーの
 「本当に実力順か?」
 に関しては、本気で戦いたい
 1年生にとっては重要で、聞かざるを得ないですね。
 曲や指揮者の好みにもよりますが55人編成の場合の
 大まかなパートの人数と、
 状況からの推定力量順(学年)を書きますね。

 ➀Tuba
  3~4人
  後藤・梨子(3)美玲(1)>>葉月(2)=さつき(1)
  4人選ばれた場合、揉めることはないんですが、
  3人だった場合、揉めるパターンです。
  葉月は美玲が選ばれても背中を押すタイプと思いますが、
  (実際背中押してましたし)
  人をあまり信用しないタイプの美玲は怖いでしょうね。 

 ➁Euph.
  2~3人
  久美子(2)>奏(1)>>夏紀(3)
  3人なら問題なしですが、2人だった場合、奏は副部長を
  蹴落とすことになります。


5)キャラ
 経験者1年生は大なり小なり
 「実力がない上級生は許せない」タイプですね。
 大体どこの部活でも衝突の原因となるのでは
 ないでしょうか?
 「全国行った部なんだから、ねじ伏せてみろよ」
 と言いたげですね。

 強い集団であるには個々の力が必要ですが、
 それだけではだめで
 やはり相互の信頼が必要だと思います。

 ➀久石奏(Euph.)1年
{netabare}
  冒頭あまりにいい子ちゃんな言動だったので、
  「絶対裏に何かある娘」という印象でした。
  で、やっぱりそうでした(笑
  他人を信用できないため、
  鋭い人間観察眼で防衛線を張り、
  当たり障りのない程度の距離感を保つタイプ。
  かなり歪んだじゃじゃ馬ですが、
  一度信頼されると裏切らないタイプと思います。
  「いい音楽を作るより全員が納得できることが大事」
  一理あるんですが、
  勝負に勝つための考え方ではないですね。
{/netabare}

 ➁鈴木さつき(Tuba)1年
  人懐っこく、裏表がない素直なマスコットキャラ。
  悪く言えばおバカタイプ。
  小柄な娘なので、Tuba担当というのは結構意外です。


 ➂鈴木美玲(Tuba)1年
{netabare}
  もう一人のTubaの鈴木さつきと対照的に描かれています。
  この娘の人となりや信念、
  苦悩とそこから立ち上がってくる姿を
  もっと時間をかけて描いてほしかったです。
  やる気がないくせに口だけうるさいと印象付けるような
  ミスリードが前半に散見されました。
  真面目なんでしょうね。
  力量がないのに楽しそうに、へらへらできる意味が解らない。
  高校吹奏楽でよくある衝突ですね。
  不器用なこの娘、結構好きです。 
  葉月やさつきと信頼関係を築いていく様を
  もっと見たかったなと思います。

{/netabare}
 ➃月永求(St.Bass)1年
  元の意味での中二病発症中?の少年。
  何が地雷かよくわからないので、扱いが難しそうです。
{netabare}
  緑信者になったのもきっと何かきっかけがあったと思うので、
  そういう話を見てみたかったです。
  私的には捨て猫よりも捨て犬のほうがよりあってる気がします。
  来年あたりには緑を好きになって告白しそうな気がします。
{/netabare}
 ➄加藤葉月(Tuba)2年
  高校スタートなので、初心者の1年生よりは上手いですが、
  経験者の1年生の大半よりは下手という微妙な立ち位置。
  まだまだ自分のことでいっぱいいっぱいなので、
  組織の潤滑剤としては機能していない印象です。
  後輩二人の話をもっと聞いて、
  均等な立ち位置から扱うべきですが、
  自分のことでいっぱいいっぱいなので
  ほんっと仕方ないと思います。
  その辺は周りが見えているTubaの3年生後藤先輩や梨子先輩
  もしくは同期の久美子や緑が
  もうちょいフォローすべきだったかなと。

 ➅高坂麗奈(Tp.)2年
  なんと人間関係のアドバイスやフォローをするほどに成長した
  カリスマトランぺッター。

 ⑦黄前久美子(Euph.)2年
  1年からことごとく揉め事に絡む体質だっただけに、
  2年になっても面倒ごとに絡まざるを得ない娘。
  でも今度は自分で後輩に答えを示さなければいけない立場。
  あすか先輩ならどうするか…尊敬する先輩がいたなら
  誰もが一度は考えることでしょうね。
  でも久美子は自分の弱さを受け入れたうえで、
  後輩をちゃんと導きました。
  それで最後は{netabare}部長{/netabare}に抜擢されたんでしょうね。

 ⑧ダブルリードの方々(2020/4/4追記)
  鎧塚みぞれ(Ob.)
  剣崎梨々花(Ob.)
  兜谷える(Fg.)
  籠手山駿河(Ct.Fg)
  見えないところで遊んでる原作者さんに拍手!

 ⑨川島緑輝(St.Bass)2年
  マイペースの象徴という印象の彼女ですが、
  ちゃんと2年生やってたのが意外でした。
  後輩を諭したり、叱ったり、指導したり。
  求の謎行動の原因も最初から分かってる風でした。

6)印象深いシーン
{netabare}
 ➀奏「なかなか策士ですね」 
  奏の斜めからの視点を見事に表した一言。
  同一楽器の中で異なる譜面を吹く場合、音が高いほうから
  1st,2nd,3rd…って呼ばれるんですが、
  1stに一番上手い人が入ることが多いです。
  奏は力量が一番上の久美子に1stを譲って、
  夏紀と奏を同列の2ndに並べることで、
  3人の自尊心を満足させたと思ったんでしょうね。
  
  と、同時に感じたのは奏は「自分の思いが正しい」ことを
  共感してほしい・理解してほしいと
  強く感じているということです。
  劇中わざわざ角が立つようなことを口に出してます。
  また、久美子が自分と異なる考えをしたときは
  不機嫌そうにしています。
  あすか先輩の言葉を借りると「賢いのに愚か」ですね。
  見えてる、分かってるのに上手く立ち振る舞えない。
  自分の正しさや感情が優先してしまってます。


 ➁奏 手抜きオーディション
  自分を守るために、去年の麗奈逆のことをやろうとした奏。
  中学時代同じようなことを経験した久美子でさえ、
  手を抜こうとまではしませんでした。
  奏がどれだけ繊細で臆病かわかるシーンです。
  久美子は去年の件で夏紀を信頼しています。
  しかし奏は信頼していませんし、数の怖さを知っている娘。
  「守る」と言い切った久美子が彼女の心を溶かした
  いいシーンです。

 ➂麗奈 プールで哲学を語る
  楽器を奏でることにここまでの意味を見出しているのは
  すごいと思いました。
  生きた成果、生きていく意味…。

 ➃リズと青い鳥
  やっぱり関西大会はノーカットですか。
  覚醒したみぞれのソロいいですね。
  硬い太っとい音で好みです。
  滝先生がob.を信頼していないと絶対選べない曲ですね。

  結果はとても残念でしたがこれもやはり勝負の世界。
  大黒柱の3年生が2年前の事件で
  半減してるのは痛いでしょうね。

 ➄優子部長 関西大会後の演説
  数カット前に泣き崩れてたのが、あれだけの言葉を後輩に
  投げかけました。普通出来ないことだと思います。
  どれだけの悔しさを飲み込んで
  あの笑顔と言葉を発したのかと思うと
  涙腺やばかったですね。
  決して「上っ面の贈る言葉」ではないことが解ります。

  
{/netabare}
 
7)原作を読んで(2020/4/10追記)
 久美子が2年生の間の話は2巻にわたって書かれており、
 リズと青い鳥と誓いのフィナーレの話が同時並行で
 進んでいく感じです。
 
 劇場版に圧縮する関係で改変されたり、
 カットされているところも多々ありで、
 原作を読んで情報を補完できて
 よかったなと思っています。
 逆に言えば制作陣が圧縮するために
 頑張ったところがよくわかります。
 美玲の過去や求の謎行動の動機の部分も
 言及されていますよ。

{netabare} 
 奏は原作のほうが、
 上記の「愚か」な面が多々描かれていて
 演じていてもやっぱり年相応という風に感じました。
 ある種、劇場版よりも可愛げがあるように感じました。

 奏だけでなく登場人物皆さんに打算や裏があったりで、
 清濁含めてリアリティがあっていいです。
{/netabare}
 ユーフォ作品群が好きであればおすすめですね。
 ただし、ロケーションが京都だけに
 登場キャラが皆さん関西弁なのは
 許容してあげてください。
(各キャラ言い方がきつく感じます)
 私は関西弁でのcv脳内再生余裕でした(笑。
  

8)飛び立つ君の背を見上げる を読んで(2021/3/10追記)
 えーと、開始2ページで涙腺やばかったです。
 
 みんな大好き夏紀先輩視点の外伝ですね。
 私は購入して大満足でした。
 
 吹奏楽部からちょっと離れた日常の
 夏希、優子、希美、みぞれの物語。
 
 アニメとちょっと異なった4人の距離感や
 心の内が補完されてて良かったです。
 なかよしかわ♪

投稿 : 2021/12/05
閲覧 : 579
サンキュー:

39

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ちあき さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

最終回ではないですよ

まだおわりではなかったんですね

投稿 : 2021/10/25
閲覧 : 158
サンキュー:

1

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たつや さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

全国民に吹奏楽の素晴らしさと作り込まれた完璧な演出を見てほしい!!

響け!ユーフォニアムファンにとっては本当に待ちに待った新作。全てにおいて完璧で、ただただ圧巻でした。
まず掴み完璧。一瞬にしてこの作品の作品にのめり込めた。秀一やるやん!告白の後に久美子の目に吸い込まれていく演出を加えることで、今回のユーフォは久美子視点なんだなぁというのが分かった。そして入学式の演奏後に2期の後半の主題歌ともなった「響け!ユーフォニアム」を吹く久美子。この曲はあすか先輩から久美子にしっかりと受け継がれているんだなぁ、と考えるだけでも、1期から見続けている勢からすれば泣ける。

低音にはどこか見透かしたような態度をとる奏、とにかく元気で明るいさつき、練習後はすぐに帰ってしまう美玲、どこかミステリアスな求が入部し、それぞれ個性があり面白い。ある意味めんどくさい4人に手を焼く久美子らが先輩の顔になっていて、吹奏楽やってた身としてはこういった感情に結構共感できる。

そういや今回の映画ではスマホのショートムービーのような動画がちらほらあって、なんか最近のトレンドが入っていて良いと思った。

いやそれにしても奏、動作とかいちいち可愛いなぁ、やけどなんか感情を表に出さないというか、取り繕っている感があって裏がありそうな感じ。1歩引いて物事を見てしまう久美子とも接点がありそう。気になる。

というか秀一と久美子、あがた祭りで手繋いでてびっくりした!笑最終的には一旦保留という形にはなったけど、2人の関係性もアニメ3期と続いていくにあたって楽しみ。
加部先輩のマネージャー宣言についても、吹奏楽にもケガがあることを、顎関節症というものを通して伝えている。

それにしても今回の映画は、核心をつくような話が多いなと感じた。それぞれの思いが交錯し、それがギスギスを生み出している。コンクールメンバー決めのオーディションで3年生を出させるためにわざと手を抜く奏に対して、本気で怒る夏紀。本音でぶつかり合う。こういった所もリアルで緊張感があった。1番大事なのはみんなを納得させることなのか、全力でやりきることなのか。これは久美子が一年時の麗奈と香織先輩のソロオーディションにも通じる話で、あの時は金賞を取れたから麗奈は誰からも言われなかっただけで、中学時代に同じようなことで銀賞だった奏は、先輩から散々言われた、だから今回は3年生を出させることで自分の身を守ろうとした。だけどそれは違うと熱く語る久美子。久美子はなんかはっきりしなかった1年生の時に比べて成長したなぁ、と感じる。恋に部活に将来に、これが青春だなぁ。

そして関西大会の演奏。リズと青い鳥。まさに北宇治らしい、圧倒される演奏だった。自分自身が吹奏楽部だった時、合奏するにあたって大事にしていたことは、その曲を、この場面はこんな情景かな、ここはこういう感情なのかな、とかを考えて演奏することで、今回の演奏ではそれをすごく感じることができた。まず入りから良くて、第一楽章ではさわやかな音楽から始まり、リズの日常の情景が見えた。第二楽章では少し不穏な空気を醸し出し、リズの日常が少しずつ変化して行く様子を感じた。あの風みたいな音を出していた打楽器なんていう名前なんだろう…見たことない(笑)ティンパニの見せ方もすごくかっこよかった。そして第三楽章ではお別れのシーン。愛ゆえの決断。リズと青い鳥、この場面は、この映画を見ていることに尽きる。見てると見てないで音の受け取り方、感動の仕方が全然違う。希美とみぞれの掛け合い、みぞれのソロも含めて本当に素晴らしかった。第四(最終)楽章では遠く羽ばたく様子が目に浮かんだ。最後のみんなやりきった顔も印象に残った。

結果は金賞🏅でもダメ金。少し予想をしていたが、改めて現実を思い知らされた。最後の終わり方がそこで終わるんだって感じで少しだけ物足りなさは感じたが、最後に奏ちゃんが久美子の質問に対して「悔しくって死にそうです」って答えが聞けただけでも満足だった。この物語を通して1番変わったのは奏だと思う。

エンドロール後の久美子が部長になっていたシーンはびっくりしました(笑)でもまあ、物語の主人公だし、全然納得できた。来年こそ全国金賞目指して頑張って欲しいです!

音楽の面が完璧だったのは言うまでもないが、作画面でも本当に最高すぎた。これは今までの響け!ユーフォニアムシリーズに共通して言えることだが、本当に1人1人のキャラクターが可愛いし、感情豊かだし、楽器の指運び1音1音繊細だし、背景きれいだし、映し方、切り取り方も申し分ない。毎回ではありますが本当に京都アニメーションさん本当に恐れ入ります。声優も今回の新入部員の人たちも含めて特に不満はなく、各キャラクターの個性を引き出せていたと思います。

本当に今まで見た中でも特に完成度の高い作品でした。というか初めてこんなに長いこと感想書きました(笑)それほど面白いということです。3期、そしてその先も含めて本当に楽しみです。皆さんもぜひぜひ、この映画を見てみてください。圧倒されますよ。

投稿 : 2021/09/25
閲覧 : 234
サンキュー:

13

ネタバレ

tinzei さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

サファイアと求の話を詳しくやって欲しかった

『たまこまーけっと』における『たまこラブストーリー』みたいに秀一と久美子の関係をメインにやるのかと思った。


新一年生の話を一気にやるけど、メインは奏だからそれ以外はおそらく省略されている。個人的には秀一と久美子の恋愛とサファイアと求の話を詳しくやって欲しかった。


これ三年もやるのかな?でも内容は二年より濃そうだし、やるとしたらテレビアニメかOVAだろうな。

投稿 : 2021/08/08
閲覧 : 212
サンキュー:

4

ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

TV放送で観たかった。

AT-Xで視聴

感想

久美子たちが2年になり、新1年が入部して活気ずく部活。
しかし、新しく入った1年が、これまた個性的でめんどくさい性格。

全国めざさなきゃなのに、自分の演奏だけに集中できず、先輩と後輩の板挟みになり、その1年の指導をすることになった久美子に同情です。
こんな時、あすか先輩なら・・・って考えちゃうの分かる~。
カリスマ性って大事!
マジ あすか先輩は偉大でした(苦笑)

人間関係って ホントめんどくさいですよね。
いろんな性格の人がいて上手くまとめなきゃなんだから、こんなめんどいことないです。
シンプルに、「北宇治高校吹奏楽部は実力主義で全国目指そう!」でいいじゃんね!
スポーツなんかの野球だと、打率や防御率なんかで数字が出て分かり易いけど、演奏じゃそうはいかないから難しいよねぇ。。。
はぁ。
めんどくさ。

全国もあるし3年になれば受験もあって、恋愛にまで気を使ってられない久美子は、秀一の申し出を一時待ってもらうことに・・・
まぁ、しゃーなしですね。
てか、久美子は麗奈と秀一どっちとるの?(苦笑)


中学の時のことがあり、3年の夏紀先輩に気を使ってオーディションを手抜きする奏をなんとか説得し、夏紀先輩も含めユーフォ3人で大会へ行くことになったのは良かったです。
部長にもなり 努力型の夏紀先輩には、ラストの大会に出て報われた欲しかったので。

大会当日、OBのあすか先輩が現れたとき、人間関係で頑張ってた久美子のこと思うと、なぜか自分が泣いてた >< (苦笑)

北宇治の演奏 めっちゃよかっただけに、ダメ金だった結果に・・・
やっぱ泣く自分 ><

劇場版だから、尺が全然足りなくて練習風景とか殆ど観れなかったけど、みんな休みも返上して頑張ってたはずなので、やっぱ報われて欲しかったです。

いや~マジ勿体ない。
TV放送で観れたら絶対もっと号泣してたと思うw

今度は久美子たち3年生編が放送決定だそうなので、嬉しい限り。
楽しみに待ってます!





余談
前日に「リズと青い鳥」を観てたので、できれば みぞれと希美の二人をもうちょっと見せて欲しかったです。
大会でみぞれのソロが少しと、希美なんかはほんのちょっとのカットしか見せてくれんかったし、セリフもなかったのは残念でした(悲)

投稿 : 2021/03/15
閲覧 : 338
サンキュー:

32

ネタバレ

BLEU62 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

さすが、京アニ!これは、満点つけるしかないです。

1クール分以上の内容をうまくまとて一本の映画に作り上げています。
ラストの演奏シーンは圧巻でした。ちょっとサプライズつきでした。

投稿 : 2021/01/31
閲覧 : 259
サンキュー:

7

ネタバレ

にゃんぱすー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

勿体ない...

原作は読んでませんが、アニメ1期2期、OVAは見ました。
感想ですが、劇場版にしちゃったのはちょっと勿体ないなぁという気がします...。特に人間関係と練習の部分が足りなかった気がします...。
{netabare} 人間関係で言うと
最初の告白シーン ←急すぎない?久美子そんなに好きそうだったっけ?いくら幼なじみとはいえ「恋」はしてなかったような...。もうちょっと恋バナが欲しかったですね...。
1年生のドロドロ部分←そんなあっ奏{/netabare}

投稿 : 2021/01/27
閲覧 : 179
サンキュー:

7

ネタバレ

シボ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

フィナーレだけどまだ終わらない!!

絶対面白いはずって期待感を胸に円盤買っちゃいました!
はやる気持ちを落ち着けつつ、心を整えて視聴しました(笑)

塚本の久美子へ「俺、好きなんだけど!」の告白シーンからの
オープニングに今回はスポコンだけでなくいよいよ黄前ちゃんの
恋も動きだしちゃうのか~~って導入からドキドキ。

新たな1年生を迎えることになった新生 北宇治吹奏楽部。

全国出場の実績と滝先生に憧れて入部希望者が殺到するあたり、1年前の
暴れん坊将軍テーマでズッコケてた久美子の代とは大違い。

そんな中、低音パート希望で入部してきた1年生は4人。

ユーフォニアムはしっかり者で落ち着いた感じの久石奏。

チューバは背が高くて生真面目な感じのする鈴木美鈴と
背が小さい鈴木さつき。
ダブル鈴木の
みっちゃん、さっちゃんコンビ!(あっ・・この呼び方はNGでした・・)
さつきのほうは白い大き目のカーディガン姿で袖に手が隠れてて
あざとい感じがわかってても甘えられちゃうと男の先輩はやられちゃうタイプですね~。 

コントラバスは背が低いくてナイーブな感じでちょっとめんどくさそうな感じの月永求(苗字はNGの求くん)
面倒見が良くて可愛い先輩、緑ちゃんに心酔してます。

部員が勢ぞろいしての最初のミーティング。
滝先生の生徒の自主性を重んじるってくだりからの
「全国出場」を目指しますか?って目標設定に、新部長の優子先輩は
強気に「全国金賞」を掲げます。

一本気で暴走しちゃいそうな優子部長を夏紀副部長がナイスタイミングでフォローしてる姿に勝手にOGのような目線で良い感じでやってるじゃん~って思って観てました。

低音パートの新1年生との絡みを中心に物語は進んでいきます。

「めんどくさいな~1年生~~」「なんか嫌な予感しかしない・・」って
久美子の言葉がピッタリな自分勝手で生意気な1年生達。
きっとこれまでのシリーズを下級生だった久美子目線で観てきたからそんなふうに感じるのであって、
1年の頃の麗奈なんかも上級生目線からだと十分生意気だったのかも
しれませんね。

久美子の予想どおり新1年生達は中盤色々とやらかします。

サンフェス練習中に美鈴ちゃんはだいぶ拗らしてきちゃってますし、
ユーフォ組では夏紀先輩に上からアドバイスする奏での姿に
「何なの~」って観てるこっちが切れ気味に(怒!)
素直に「わかった」ていう夏紀はやっぱり人間出来てますね~。

本番直前で拗らしを爆発させて逃げ出す美鈴に
久美子の持ち前のゴタゴタ解決能力で
「みっちゃんっ」「ワンモア~!」
   「みっちゃん」    「はい!!」からの
サンフェス演奏シーンはサンバのリズミカルな音もあって気分上々で
観れました!

練習中失敗してたドラムメジャーの優子先輩も努力したんだろうな~
って想像出来るカッコよさで決めてました!

イベントごとは1年前のシリーズと同じで進み
恒例?の夏祭りシーンもあります。
前半パートでの塚本とのキス未遂事件もありつつ
後半では1年前と同じく山の上での麗奈とのひと時。
麗奈は山登りにはむかないだろう相変わらずのヒールにワンピース。
 今回は黒できめててカッコかわいい~!
将来別れがくるかもってリズのソロパートを奏でる姿はあのスピンオフも観といて良かった~ってなりますね。

そしていよいよコンクールにむけてのオーディション。
学年関係なしの厳しい選抜には当然様々なドラマあります。

いつも冷静に分析してすべてをわかってる風にふるまってる奏は
美鈴の時もそうですけど、肝心な心根についてはわかってないんですよね。
3年生の夏紀先輩を退けて選ばれないようにわざと下手に演奏します。
(まあ自分が観てきた北宇治吹奏楽部の1年前を奏では知らないので
先輩を押しのけてまでって気持ちになるのも無理もないのかもですけど)

問い詰める夏紀先輩に「下手な先輩は存在自体が罪」とか言っちゃてて
その後に「私は敵を作りたくない」とかってもう手遅れな気が、
こんなのあの人間ができてる夏紀先輩でなければ取り返しのつかないことになってるから~~!!

駆け出す奏を久美子が追いかけます。
ここでも奏では久美子にも噛みつきます!
「ボケっとした顔に油断してつい本音を言っちゃうんです」とかって
まさに今、あなたも本音言っちゃってますよ~~!!

それでもあすか先輩とのやり取りで成長してる久美子のかける言葉は
優しさと説得力あります!
沢山頑張って上手くなっても誰も喜んでくれないし良いことなんて
ないかもしれないって逃げ出す奏でを
「頑張って上手くなりたい」ってことが一番大事なことだよって。

TV版での橋の上で「上手くなりたい、上手くなりたい・・・」って泣き叫んだ久美子のあの光景が浮かびます。

そして上手い人(奏)はず~っと頑張ってきたから上手いんだよって。

この瞬間、自分をこんな風に見守ってくれる久美子や夏紀先輩を
ようやく信じられるように。
良い先輩を持ったね~~~。

オーディション合格者発表ではユーフォ、夏紀先輩選ばれてました。
ユーフォ3人合格は出来すぎかもだけど良かった~て観てました。
葉月ちゃんは残念だけど、やっぱり経験者も努力してる中で未経験者が
その座を勝ち取るにはあと1年必要かもな~って。

その後の練習風景での「ハッピーアイスクリーム」からの
夏紀先輩の「くは~」は、にやけちゃいました。


そしていよいよ舞台は終盤の全国出場をかけた関西大会へ。

卒業した先輩達の登場シーンは久美子たちだけでなく視聴してる
自分にもご褒美でした。

優子部長からの一言
副部長にありがとうって頭を下げるシーンは素敵です!

期待値上げ上げの中いよいよ本番。
ここまで何度も泣かされてきた舞台袖のシーン。
夏紀先輩の
「私は本当にラッキーな人間なんだと思う、絶対行こう!全国へ」
やばい演奏前に泣ける。

そしてさんざん見てきた原点。中学時代の悔し泣きする麗奈の姿。

本番の演奏シーンはストーリー性を感じる「リズと青い鳥」の
全編ノーカット!!
本番でのオーボエとフルートの掛け合いはやっぱり切ない感じの
メロディーで涙腺が・・・。
袖で手を合わせて祈る葉月ちゃん、次は絶対演奏してね~~。

文句なしの感動のフィナーレでした。

結果発表。
今回はダメ金で全国出場を果たせませんでした。
(顧問が源ちゃん先生って有名?な先生に代わって躍進した龍聖学園に
その座を奪われるってのも1年前の北宇治を思い返させられます)

廊下で泣き崩れる優子の姿、最後までフォローする夏紀の姿は
こんなのダメだ~泣く。ホント涙止まりませんよ~~><!

そして落ち込む部員の中
部長として気持ちを立て直して笑顔でスピーチする優子先輩!!
トロフィーをもって後ろでやっぱり最後まで見守る夏紀先輩!!
こんな素敵な2人の成長を見せつけられてはこの1年は結果が出なかったけど部員達にとっても素晴らしい1年だったといえるでしょう。

バスで涙する奏。本当の悔しさを知った姿。
そしてこの悔しい気持ちは後輩へ繋がっていき、部はさらに強く
なるんでしょうね。

部長になった久美子のラストカットでの終幕。

大好きな夏紀先輩達が卒業してしまう寂しさもあるけど
久美子部長がまとめる新しい北宇治吹奏楽部の集大成。
あ~今から楽しみ過ぎます!!

投稿 : 2021/01/08
閲覧 : 348
サンキュー:

44

ネタバレ

まつまつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

良い作品なだけに内容が薄くて残念。

TV版で久美子たちが1年の時の話を26話かけてやっているのに、2年生の1年間が僅か100分って尺が短すぎるぞちょっと・・・
秀一との話とかあまりにアッサリすぎないか?
どうしても内容が薄く感じてしまうのが残念。
せめて13話で作って欲しい。

それにしても、またしても癖のある1年生が集まって来たなという印象。
其々に過去のトラウマを持っている生徒達なんだけど、こういった人間関係は実際にある訳でリアルさを感じる。

久美子はのらりくらりと相手をかわしながら後輩や先輩達と上手くやっていく性格は変わらない。
自分の本心は上手くはぐらかしつつ相手の問題には踏み込んでいく。
名探偵だよ本当に。


奏も最初は猫かぶっていたけど本性はめちゃくちゃ計算高いしたたかな女だった。
久美子は懐かれているけど相手するのは大変だわ・・・
美玲もそうだけど、先輩より実力があってレギュラー奪い取るっていうのは仕方はないけど後輩としては気を使っちゃうよなぁ。
気持ちは分かる。

久美子も夏紀先輩より実力が上だった訳だし麗奈の件もあるし、その気持ちは理解しているのだろう。

自分よりも実力的には下なのに楽しそうにやっている葉月やさつきの姿を見て落ち込む美玲だったけど、この二人は下手でも純粋に吹奏楽が好きな訳で、ストイックに上達したい人からしてみるとそうした人を見てるとこの世界なめてんじゃねぇよと思えてくるんだろう。

そして夏紀先輩は本当に人格者である。
自分は下手だというのを認めて努力し、後輩にも教えを乞う姿勢。
手を抜いた奏でに激怒する姿勢。
表に立つタイプでは無いけどまさに副部長にふさわしい。
2年の時は大会で演奏できなかったけど今回は選抜に選ばれて本当に報われたよ。
優子部長もかなり成長した。

負傷で演奏出来なくなった加部ちゃん先輩もレギュラーに選ばれなかった葉月も悔しい思いを押し殺して、他の部員をしっかりサポートするのは本当に偉い。
北宇治吹奏楽部最高ですよ。

そしてこの作品の前にリズと青い鳥は観ておいて良かった。
これを観たか観ていないかではみぞれ先輩の関西大会での演奏シーンでの感動が全く違って来てしまう。
ここで繋がって来るんだと胸が熱くなった。

それなのに・・・
{netabare}
えっ!?何!?全国行けないの!?
ほんと報われないわぁ・・・
昨年も全国銅賞だったし、本当にありきたりのハッピーエンドで
終わらせない現実主義な作品だよ!
でも他の学校も努力している訳だからこればっかりは仕方ないとしか
いいようがない。
{/netabare}

努力は決して無駄にはならないって言うけどそれに気付くのはだいぶ後になってからの話なんだよなぁ。

そして遂に久美子が部長に。
いやぁあの久美子が部長とか本当に成長したよ。

久美子3年生編は長尺でやって欲しい。

投稿 : 2020/12/08
閲覧 : 248
サンキュー:

13

ネタバレ

みかづき さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

いくよ 次の 曲へ  〜 次回作へ 期待させすぎじゃ〜〜☆★☆彡

私のどーでもいい感想日誌を読んでくれてありがとう。

()は久美子の学年

1期(1年生)→2期(1年生)→

リズと青い鳥(2年生)→当作 誓いのフィナーレ(2年生)

とちゃんと時系列で観ました。

久美子の2年生は、劇場版2作構成にしたんだね!
もっと ずっと みてたいけど。。

また私の地元の話ですが
当作は私の田舎の市と、同じく田舎の隣市のツタヤに ないの〜!!
で、車で1時間の、規模の大きい市のツタヤにはあったよ!(ゲフッ)


観終えて。

やっぱ『色んなひとがいる!!』

これが 当作! ユーフォニアムだね〜
ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。 賞賛 賞賛

すごくリアリティがある。

感じる部分も、重ねて考えちゃう部分も 沢山ある。
個人的でありながら、社会的なコトも、大人の世界にも通じる内容を含んでて。
これほんとスゴい作品・シリーズだよね。

ほかの方々がレビューに色々書いて下さってるので、
私は《超個人的な感想を小学生並に》٩(๑´3`๑)۶

久美子
当作まで、そこまで好きでも嫌いでもなかったけど。
「基本背中でみせる・語るタイプ」だとわかって(感じて)とてもすきになった。
1年生の指導役だから「言葉」も必要だけど、
ここぞ 以外は、まず自分の努力ありき。姿や姿勢で語るタイプのひと。

ただ、、当作の奏の問題のように、
こころに伝わる言葉もないと解決しないから、久美子の感受性からくる

「頑張ることの無念さ」

という彼女自身の、自分にも どーにも出来ない無念さが。
悔しさと叫びと涙が。
優等生ではない、自己の体験と気持ちが説明となって、奏のこころをとかしたんだ。


繊細だけど超強気。てか、叫び、悲しみ、憤り、、
中学生から《その毎日》。。ずーっと悩んでたんだよ。


・・(勝手に)気づいたことが。

夏紀先輩や久美子先輩がとっても優しくて・・危険がない。
→つまり「恐い先輩がいない」部なんだよ。ここは。

当時の私の運動部だったら・・

奏や求くん(だっけ?スマン)の言動は、
恐い先輩たちも頭ごなしではないから、ある程度ようすをみてるけど。
公とか、一線を越えてると感じたときは、ボスや番長が力づくでしめてる。
説明含めて、精神的に屈服させて、今後の態度を改めさせてる。

もちろん奏には、そう言動する理由も深い傷もちゃんとあって。

それに気づいてる!フォローする先輩が二人もいるんだ。。
涙腺 超超爆破された〜。。゚(゚´Д`゚)゚。

夏紀
奏者としての「実力がないのに、あすか から副部長を受けた」。
全部員、部長、低音パート、久美子、そして奏でへと。
このひとのメンタル、気配り、行動は《すばらしすぎて 素敵すぎる》。。
音楽だけじゃなか! このひと、全国一やで。。(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

優子
問題ありですきじゃなかったけど、部長になって成長したようす。
夏紀はじめ、周りの意見を聞く、とり入れる器、成長の伸びしろがあったんだね。
大会最後の演説はよかった!優子らしいホットな言葉で。涙腺 チキショー。。


●エンディング
歌詞が文字でも流れてて


♪ いくよ 次の 曲へ 


↑私的にデカ太文字のイメージね


涙ーーーー (´;ω;`)ブワッ
気合じゃ  青春じゃーーー!!!
(# ゚Д゚)(# ゚Д゚)

。゚(゚´Д`゚)゚。久美子 部長になるなんて1期では想像できなかったぜーー!

投稿 : 2020/10/23
閲覧 : 245
サンキュー:

16

ネタバレ

岬ヶ丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

手に余る青春、ただひたむきに頑張れることの尊さ

 100分で描き切れるほど「響け!ユーフォニアム」の世界は簡単なものじゃない。それくらい久美子たちの日々はたくさんの事でいっぱいで、色んな事を考えなくてはいけなくて、とにかく目まぐるしい。

 部活に、恋に、将来のこと。どれもここまでは部活の領域、ここからは将来のことなんてふうに、単純に線引きできるものじゃない。色んなことが繋がっていてぐちゃぐちゃだ。

 久美子と秀一が一定の距離をとることになったのも、彼らが自分たちの手に余るほどの青春を送っていて、もう自分でも制御できないくらいに日々を頑張っているからなのではないかと思う。

 本作で久美子は2年生になり、クセの強い後輩の面倒見係を担当することになった。その中でも同じユーフォ担当の奏が本作の重要なキャラクターになっている。二人の会話で印象的なのは「頑張るとは何なのか」について。本作の大きなメッセージにもなっている。

 最近いつの間にか老け込んだなあと、自分の老いに気付くことがある。それは何かを頑張れなくなったときだ。頑張れないとはいっても、今でもなんとか頑張って生きてはいるつもりだ。ただ後先考えずに闇雲に頑張れなくなった、そこに老いを感じるのだ。ただがむしゃらに頑張ることが怖くなってしまった。

 作中で奏は中学の辛い経験から頑張ることの意味を見失い、頑張ることに疑心暗鬼になってしまう。結果ありきの頑張りしかできなくなってしまっている。久美子と同じ教育係の加部先輩も顎関節症で部員からマネージャーになったが、彼女もまた頑張ることに少し疲れてしまったのかもしれない。

 久美子も頑張った先に結果が伴わないかもしれない現実を知っている。麗奈からは将来プロの演奏者になる決意を告げられているが、久美子は将来の明確な進路をまだ決められていない。色んな迷いや不安が彼女にもある。

 それでも彼女は面倒な後輩の面倒を見ながら毎日練習に励み、一生懸命吹奏楽と向き合っている。もちろん部としては全国大会金賞という目標があり、久美子もそれを目指してはいるのだが、彼女はそれ以上の何かを目指して日々ユーフォニアムと向き合っているように思える。

 人間は基本的に頑張ることが苦手だ。何か明確な目的や打算、結果がないと頑張ろうと思えないし、実際続かない。頑張るにしてもなるべく効率よくやろうとか、他人と比べられることを避けたがるし、とにかく面倒で臆病だ。

 久美子がすごいのはそれでも頑張る意味を見失わず、今をひたむきに頑張り続けていることだ。それができていることが尊いと、私は思う。

 結果や理由・見返りを求めなければ頑張れなくなってしまった私には、久美子の姿が眩しかった。けれど奏が大会を終えた後「悔しくて死にそう」という言葉を口にしたように、もしかしたら私ももう一度頑張れるのではないかと、ほんの少しだけ思えたような気がする。

 久美子は3年生となり、部長になった。時が進むのは早いような遅いような、不思議な感覚だ。ただ彼女にはこれからも変わらず、迷いながらもひたむきに頑張って、前に突き進んでほしい。私にとっての、人生の憧れの先輩でいてほしい。久美子にとっての憧れの先輩が、ずっと明日香であるように。

視聴日 19/5/16

投稿 : 2020/09/25
閲覧 : 203
サンキュー:

9

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劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~のストーリー・あらすじ

昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、低音パートへやって来たのは4名。一見すると何の問題もなさそうな久石奏。周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。自身のことを語ろうとしない月永求。サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!?北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!(アニメ映画『劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2019年4月19日
制作会社
京都アニメーション
公式サイト
anime-eupho.com

声優・キャラクター

黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、藤村鼓乃美、山岡ゆり、津田健次郎、小堀幸、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、土屋神葉、寿美菜子、櫻井孝宏

スタッフ

原作:武田綾乃(宝島社文庫『響け!ユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』)
監督:石原立也、脚本:花田十輝、キャラクターデザイン:池田晶子、美術監督:篠原睦雄、色彩設計:竹田明代、楽器設定:髙橋博行、撮影監督:髙尾一也、音響監督:鶴岡陽太、音楽:松田彬人、音楽制作:ランティス/ハートカンパニー、音楽制作協力:洗足学園音楽大学、演奏協力:フレッシュマン・ウインド・オーケストラ、音楽監修:大和田雅洋

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