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「ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)」

総合得点
75.7
感想・評価
267
棚に入れた
1230
ランキング
780
★★★★☆ 3.8 (267)
物語
3.8
作画
4.2
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ペンギン・ハイウェイの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

Nick さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

体は子供、頭脳は大人?

物語と設定が個人的にはつらいことを除けばなかなか良いのでは・・・と思います。

ただ、その肝心の物語と設定がつらい。

アオヤマ少年は賢くてマセガキ、親しみやすそうなおねえさん、あとなんだかよくわからないキャラ多数がいるのをどうやって使っていくのかと思いつつ見ていました。

しかし、最初の1時間は盛大に風呂敷を広げてあとの伏線回収が雑過ぎる。

時間返して!と言いたい。

ほぼ2時間近いアニメで謎から謎ばかりだしつまらない下ネタっぽい話ばかりで気持ち悪いだけでした。

主義主張とか一応あるにはあるけど子供が見てもわからんと思います。なんとなく作画・音楽・雰囲気を感じてくださいっていうアニメです。

投稿 : 2024/11/29
閲覧 : 34
サンキュー:

0

ネタバレ

Tenjin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ひと夏の夢

おっぱい目当てで見に行ったら爽やかなジュブナイルだった、という作品。主人公アオヤマ君のとことん理詰めで考えるところがいいですね。のっけから自分の未来についての計画を真面目くさった調子で話し始めて、しれっと結婚相手まで決めてるし何だこれは、と思いました。こんな小学生はめったにいないでしょうが、変だからこそフィクションとしての意味があるとも言えます。

少年が主人公の物語ではあるものの、ペンギンはなぜ現れたのか、そしてお姉さんは一体何者なのかという疑問をすっぱり解決して終わるわけではないので、小さな子供には受けないかも。公開当時、劇場には家族連れがチラホラいて最後の方の展開は果たして理解できたんだろうか、楽しめたんだろうかといらぬ心配をしました。まあ、中盤の糸で歯を抜くところで毎回笑いが起きていました(3回見に行った結果)が、これはわかりやすくコミカルなシーンだったからでしょう。

音楽もなかなか良くて自分はサントラを買ったくらいですが、品の良いクラシック系がアオヤマ少年の育ちの良さに合ってますね。 楽しげなシーン、逆に暗く不安な気持ちを表すシーン、そして不思議で神秘的な物を目にするシーンとそれぞれの状況に応じた曲が適切に使われていて、劇伴としての仕事を十二分に果たしていると思います。個人的には、初めてペンギンが現れるシーンに使われている「ペンギン・ハイウェイのテーマ」が好きですね。新しい世界が開かれるワクワク感と将来の運命を予感させる悲哀の空気が共存する曲で、序盤なのになぜか泣きたいような気分になります。

声を演じる人たちは専業声優より俳優が目立つ配置ですが、問題なし。特に大事な二人、アオヤマ君とお姉さんは真っ直ぐなところと一筋縄ではいかないところがそれぞれ表現されていてとても合っていると思いました。

少年期の世界に対する探究心がまぶしいアニメなので、一度夏休み期間にでも地上波で放送して自意識が芽生え始めたくらいの子供に見てほしいのですが、「おっぱい」連呼がちょっと厳しいかもしれません。

投稿 : 2022/10/12
閲覧 : 137
サンキュー:

4

ネタバレ

ロリルス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

まあまあ

とても面白いというわけではないが、最後まで見続けられないというほどつまんなくもない。
僕もおっぱい大好き!おっぱいは正義!

物語としてはちょっと幼稚かもしれないが、まあ非日常で退屈でもなくてよかった。

お姉さんという27歳くらい(多分)の女性が一番セクシーを保ちつつ母性が出せるキャラだと思う。作画と配色もジブリより(多分)ナチュラルカラーが多くて勉強になった。

エンディングがいい曲だった

声優さんたちは相変わらず素晴らしかったわ

別のアニメでも見よう!

投稿 : 2021/12/26
閲覧 : 170
サンキュー:

2

ネタバレ

まつまつ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

小学4年生のひと夏の思い出

森見作品といえば四畳半神話大系、夜は短し歩けよ乙女、有頂天家族等、京都を舞台としたパラレルワールドでドタバタ劇という印象が強い。

この作品もファンタジー作品ではあるが、前者はどちらかというと大人向けの印象だが、後者はちょっと趣向が違い、子どもが観ても楽しめるような印象である。

セリフも森見作品だと早口でまくし立てるような作風が多いが、
今作はアオヤマ君とお姉さんの会話の中には所々森見さんっぽさを感じられる言葉選びはあったが、全体的にはいたって普通の感じだった。

とある町で突如として大量のペンギンが出現する現象が起きて、小学4年の好奇心旺盛な天才児アオヤマ君がその謎を解き明かそうとする。

そのペンギンを出現させていたのが、彼が通う歯科医院で働くたわわな胸のお姉さん。

そしてアオヤマ君と同じクラスの才女、ハマモトさんが森の中で発見した通称「海」という謎の空間。

ペンギンの出現にはお姉さんと海が密接に関わっている。

ここまでは分かったがその先は解明されなかった。
ペンギンとお姉さんは海と共に消えてしまった。

結局お姉さんは何だったのだろうか。
その謎を知る事は今作ではそれ程重要な部分では無いのかもしれない。
でも個人的にはとても気になるし、アオヤマ君といつか再会して欲しい。

ほぼ原作小説通りだが、尺の関係でスズキ君の嫌がらせや、アオヤマ君のお姉さんのおっぱいの考察については端折られていた感はあったが良く纏まっていたと思う。

声優も主要キャストは俳優起用であったが個人的には結構良かったと思う。
アオヤマ君のお父さんだけはちょっと微妙に感じた。

投稿 : 2021/11/18
閲覧 : 181
サンキュー:

6

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

お姉さんとファンタジー。

【概要】

アニメーション制作:スタジオコロリド
2018年8月17日公開された劇場アニメ。
原作は、森見登美彦による小説。
監督は、石田祐康。

【あらすじ】

僕は知りたい。この世界の始まりについて、そしてお姉さんの謎について。

小学4年生のアオヤマくんは勉強が非常にできて大人ぶった子供であり、
不思議に思ったことは何でもノートに書き留めて研究しないと気がすまない気質。

その彼の住む街に突然ペンギンたちが現れるようになり、
ペンギンがどこから来てどこに向かっているのか、
「ペンギン・ハイウェイ研究」を始めた。

顔馴染みで親しくしている歯科医院のお姉さんがペンギンの発生に関わっていることを知った彼は、
その謎を研究することにした一方で、
ウチダくんとハマモトさんの3人で森の奥の草原に浮かぶ謎の球体の共同研究を始めるのだった。

これは、世界の不思議と出会ったアオヤマくんの物語である。

【感想】

クリエイターとして意欲的な姿勢で生み出すショートムービーが素晴らしくありながらも、
シナリオが弱かったり声優が残念だったりで、いろいろと惜しいという会社というのが、
私のスタジオコロリドへのイメージ。その、将来的には伸びて欲しいコロリドの初の長編アニメ。

P.A.WORKSの「有頂天家族」を見てない自分の、
初の非・湯浅政明の森見登美彦作品ということで、新鮮な気持ちで見られましたかな。

お姉さんは一体何者なのか?どうしてペンギンなのか?海は何故生まれたのか?
などの謎の解明は実は全く重要ではなくて、
SF(少し不思議)な体験をする、マセてるようで子供なアオヤマくんが何を見て何を感じたか?
ハマモトさんやウチダくんといった仲のいい同級生とのやり取り。
お姉さんの胸に視線が行く小学4年生の彼の気持ち。お姉さんとの日々や結末。
いずれはおとなになる少年の探究心に溢れた、彼の視点の世界を楽しむ作品だと思うのです。

森見登美彦の原作にしてはおとなしくも清涼感のある、登場人物の気持ちに寄り添った作りに、
これがアクの強い湯浅政明監督なら、
トリップしたような個性的すぎる演出で全く違う雰囲気になってたろうな。
その点で、今回のコロリドでの制作は一理あり、こちらはシンプルで楽しみやすい一品でした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2021/09/17
閲覧 : 275
サンキュー:

35

ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.5 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.5 状態:----

少年のひと夏の冒険と初恋

住宅街に現れた大量のペンギン達
彼等は普通のペンギンではありません。
車に跳ねられても平気だし食べ物は食べないし水や氷や気温も関係なく環境にも簡単に適応してしまいます。

そんな街に住む少年は研究者素質溢れる男の子で、この年齢で、自分が興味ある事を見つけて目標に突き進むって関心する反面、賢すぎる子供はあまりに論理的過ぎて余り可愛くないなぁwwってのが私の印象です。

でも、そんな少年にも初恋の女性が居ます。
子供あるあるですねww
相手は年上の歯科医で働くお姉さん。
実は、このお姉さんには不思議な力があります。
それはお姉さんが投げたコーラ?缶を投げると缶は宙で回転する。
回転して遠心力で振られた炭酸水は缶を突き破り破裂したその瞬間……ペンギンへと姿を変えて地面にペンギンが着地!に少し失敗したけど着地w

探究心溢れる少年は、更にペンギンの現れた理由を初めお姉さんの秘密に海と呼ばれる水の球体など、この街に起きている現象の数々を研究し始める。

結論から言うと、訳の分からない終わり方です。
物語として、答えを求る人には多分合わない作品だと思います。
個人的には1つの終わり方だとは思いますが、球体は結局、どんな理由から出現したのか、お姉さんの正体とはなんなのか、などなど沢山の謎を残したまま終わりになるので、アニメを見た後にスッキリしたい!と言う人からは受け入れられない気もします。

それでも、私が1つの終わり方と言った理由としては、1つはあくまで主人公は少年なのです。
彼は実験が大好きで研究も大好きで、必至に考えたけど出来る事や、解った事は少なくて……それでも、友達やお姉さんやペンギンの力を借りて、あれだけの災害?から沢山の人を救ったけど、彼の研究はまだまだ心理へと辿り着けてはいません。

だから、その謎を少年が全て解き明かす事は出来なくて、その謎は少年が成長して大人になった時に、きっと答えを見つける。
今は子供の限界なのです。

結局、子供と言っても正直、この年でお姉さんの出せるペンギンの出現条件やら海とペンギンの関係生だったり子供とは思えないレベルですが、やっぱり子供に解き明かせる限界……

2つ目は、初恋は実らない、
この言葉ってよく耳にします。
元々は誰が言い出したのか、アニメかドラマのセリフかは解りません。

でも、本当に初恋は実らないのか?
初恋って大抵は小さな頃にします。
相手は誰だろ?先生?友達の両親?近所のお兄さん、お姉さん?アニメのキャラ?芸能人?
人にとってそれぞれですよねw

作中にも少年はお姉さんに恋をします。
少年は海を残すか残さないかを選択する事は出来ました。
海を残せば、これからお姉さんと一緒に居られる……けれども海を残すとこれから何が起きるかは解らない……だから選んだ選択肢。

最後のお姉さんとの会話で喫茶店の窓からペンギン達が次々と消えてしまいます。
それはまるで……別れのカウントダウンの様に……

私なら1番取りたい選択肢は海を残す事……例え何か起きたとしても、大切な人って何かに置き換えられないから……

でも、海を消す方がベストではあると思う。
だって……沢山の人に迷惑を掛けてしまうし……

…………それでも、選択肢として選ぶなら、私も海を消す選択を選びます。

少年が何故、この選択を選んだのかは、よくわかりませんでした。
だから、私も少し考えたので推測として彼の考えを書いてみたいと思います。

選ぶ側の意見なら、海を消さない。
総合的に考えたなら海を消す。

それより大切な事を私は忘れて居ました。
それは、お姉さんの気持ちです。
海を消さないを選べば確かに選択側は嬉しい……じゃ選択された側は?

確かに、嬉しいでしょう。
でも、これから先に何かがあったとして、もしも取り返しのつかない自体になったら?
それで沢山の人が消えて、泣いて悲しみしかない世界になったら?
その理由が自分の為に海を残したのが理由だとしたら?

お姉さんの立場になった時に、それでも喜べるでしょうか?
自分の責任だと背負い込むかもしれません。
1番傷つくのはお姉さんかもしれません。
そんな負の重圧を押し付けられる訳がないじゃない……大好きな人に……

その人が本当に大好きだからこそ取れる選択……いゃ、それに気づいた時点で選択肢なんてなかったのかもしれませんね。
本当に好きなら……傷付いて欲しくないなら…

そこに少年の優しさと初恋の終わり感じたりしました。

しかし、少年はその事で得た物があります。
1つは目標、少年は頭が良くて偉い人になるって目標はあるものの明確な目標はなかった。
でも、大人になって研究者になり、謎を解明してお姉さんに会いにいくって目標を得た。

そして、お姉さんに僕がどれだけ好きだったのかを伝えに行くという決意。

これは解釈によるけど……好き【なのか】ではなく好き【だった】のかと言う。
だった……つまり彼の初恋は終わり進み出したのでしょう……
最後のナレーションに好きな人の事を語るナレーションが入っていましたが、そのシーンでは、同級生の女の子の笑顔だったので多分w

つまり私の1つの終わり解釈は現時点での研究と初恋の終わり。
つまり、俺たたエンドみたいなものですね。

作中に謎を多く残したのも少年の未来の為かな?とも考えてしまいました。

が、アニメなので、やっぱり色々気になるなぁ〜とは思いましたw

投稿 : 2021/07/27
閲覧 : 381
サンキュー:

13

ネタバレ

7でもない さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

様々なスタイルのアニメーションを取り入れた力作

さわやかなSF。子供の頃の日曜の朝みたいな素敵な作品。好きだ。有意義な120分を過ごせた。

東京23区から結構離れた2020年代の日本の郊外の新興住宅がこれでもかってくらい力入れて描かれている。これが宮崎駿だったら、もっと朴訥とした田舎っぽい描写になっていたと思う。歯医者の待合室のこじゃれていて無機質で抑圧的な空間と、田んぼと川、裏山、うらぶれたバス亭と自販機、綺麗な並木の住宅地、おしゃれなカフェなどが無秩序に混在してる所にいまっぽさを感じた。
お姉さんと僕が主役だけど、それよりも街が主役のようにもみえる。街、季節・天候を丁寧に描写している。わざわざ街の手作りのぼうけん地図まで作ってあるんだぜ。小便かけられちゃったけど。

音楽が気分を盛り上げてくれるし、ここぞって時に豊な作画力が解放される。2Dリミテッドアニメーション、手描き絵の具アニメーション、2Dワークス(場面によっては手描きとモーショングラフィックスが組み合わさっているかもしれない)、フミコの告白で魅せてくれたFPp一人称視点の3D。様々なスタイルを取り入れた力作。後半の加速感がたまらない。後半のお姉さんの中の世界の海辺の街ではなぜかTEXNHOLYZEの虚ろな死にゆく地上を思い出してしまった。

また話のギミックを投げずにちゃんと結んでいるのは好ましい。


余計なおせっかいだけど、この本にタイトルをつけるとしたらペンギンハイウェイしかないが、映画としてペンギンハイウェイはちょっとタイトルの集客力が弱いような気もしないでもない気もする

初見2021/7

投稿 : 2021/07/24
閲覧 : 216
サンキュー:

5

ネタバレ

fuzzy さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

わくわく冒険

子供向け。。とあなどっていたら面白かったです

ジブリと
細田守さんのサマーウォーズ、時かけの次には
こういう作品を勝手に期待していたのかも
・子供の頃の冒険
・不可解かつ不思議な事件
・トラブル→力を合わせて!
なんて使い古されたパーツ
でも手段や道具がちゃちくてもアイディアで覆される
そんな感じがしました
※もち作画、声優、音楽、ストーリーは別にちゃちくはなく良かったです
蒼井優さんの声と喋り方好きですね

子供の頃の年上のお姉さんへの憧れ
生真面目さ

それだけだと回想的ありふれた物語だけと
海と産まれまくるペンギンがそれに見事にかざりつけられたなぁと

面白かったです

投稿 : 2021/06/27
閲覧 : 311
サンキュー:

13

ネタバレ

シボ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ちょっぴり切ないファンタジー

何にでも好奇心旺盛で頭も良くてちょっと大人びたところが
ある小学校4年生のアオヤマ君。

彼が憧れてる歯科医院に勤めるお姉さん。
好奇心旺盛な男の子は興味惹かれるテーマ―は宇宙から
昆虫まで何でもノートにまとめて考察する勉強家です。

女の人には理解出来ないかもしれないけど、おっぱいだって宇宙と
変わらないくらい大真面目に大事な?興味の対象なんです。

年の離れてる自分の話に付き合ってくれるおっぱいについ
目がいっちゃうバディの大人のお姉さん。
自分にも親戚のちょっと年の離れたお姉さんがいて
憧れた時期ありました。
役に立ちたい一心で彼女の前では背伸びしてカッコつけてた
(もちろん実際はダサかったでしょうけど)記憶あります。

お姉さんのどこかマイペースで頼りない感じも癒されました。
なんどかアオヤマ君に顔を優しく寄せてくるシーンがあるのだけど
ドキッとしたし印象に残ってます。

お姉さんが投げた缶がペンギンに変化することから徐々に
不思議な雰囲気に。

森を抜けた野原での謎の球体についての共同研究も作画が綺麗だし
楽しそうで良かった。

一緒に研究する同じクラスで頭も良いハマモトさん。
お姉さんの存在に嫉妬する姿は可愛らしくて、十分魅力的な女の子
で、普通の小4ならあの子をみんな好きになるだろうな。

中盤以降はお姉さんの謎とともに徐々に切ない展開に。

秘密の研究をスズキ君が大人にしゃべっちゃってるのを観て
感情むき出しで「一生許さないから~」ってビンタするシーンは
彼女の真摯さが出てて良かったです。

後半の大量のペンギン達が出てくるシーンは思った以上に圧巻でした。
ペンギン達の顔がいっぱいで可愛いくてちょっと微笑んでしまうの
だけど、終始お姉さんとの別れがちらついて切なくもありました。

ラストの喫茶店でのお姉さんがアオヤマ君を「泣くな少年」って
抱きしめるシーンは
お姉さんの包み込む優しさに感動でした。

お姉さん役の蒼井優さんのちょっとハスキーな感じの声は不思議な
魅力があって、自分もこのお姉さんが大好きになりました。

少年から少し大人に成長するひと夏のちょっと切ないファンタジー。
ペンギン可愛いし子供も楽しめるだろうけど
自分のようなおじさんのほうがハマるかもと思った作品でした。

投稿 : 2020/11/08
閲覧 : 278
サンキュー:

30

ネタバレ

でっきー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ」
「世界の果てに通じている道はペンギン・ハイウェイである。その道をたどっていけば、もう一度お姉さんに会うことができるとぼくは信じるものだ。これは仮説ではない。個人的な信念である。」

投稿 : 2020/08/30
閲覧 : 202
サンキュー:

2

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2020.5.14

2020.5.14

投稿 : 2020/05/14
閲覧 : 270
サンキュー:

0

ネタバレ

HAKU さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ザ・森見登美彦!

主人公は小学4年生。
そんな少年が、いろいろ知っていて、博士っぽくて、長台詞をよく言う。
これが森見先生の生み出すキャラクターじゃなかったら、うざいキャラまっしぐらなんだろうけど、これがまさに森見先生のよさ!
くどくど言いながらあっちに行ったりこっちに行ったり、たまには直線的であったり・・・言葉のセンスも巧みで、その森見先生のよさを映画館で楽しめるとは・・・!
どうしてそんな思考回路になるんだろうとか、よくそんな言葉が出てくるなって感心してしまいます。
本を読んでいても、この映画を観ていても、ちょっと自分が頭よくなったのかもと勘違いしてしまいます(笑)
でも、結構馬鹿なことを一生懸命やってるだけってのもあるから、それがまたおもしろいんですよね。
森見先生は、日常の中にしれっと怪異というか、そういったものを入れてきます。
物語は大体ごちゃごちゃしてきます。
本作品も伏線がたくさんあって、どうやって解決していくのかな?ってわくわくしてきます。
でも、分からないところは分からないまま終わってしまうものもあります。
それを不完全燃焼というかマイナスに捉えてしまうなら、本作品はおすすめしません。
でも、読者・視聴者の考え込みで物語が完結(むしろ完結しない?)するのが森見作品だと思います。
僕はこの空気感がたまらなく好きなんです。
この後の少年の行く末とか考えてしまいます。
少年が幸せになってくれたらいいなって思います。
ハマモトさん、可愛かったから、そっちの恋も応援したいんだけど!(笑)

投稿 : 2020/05/09
閲覧 : 242
サンキュー:

7

ネタバレ

ミュラー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

感情移入できないのはマイナスだと思う

原作未読。
賞を取ったり、評価が高いので見てみました・・という感じなんですが、ひとこと、微妙、と思いました。
アニメとして一番の見せ場って、この映画の場合、終盤に出てくるペンギンの大群による海への攻撃シーンだと思うんです。
あの疾走感は感動的ですらあると思いました。でも、あれだけ??

好奇心旺盛な小学生、ペンギンを生み出す不思議なお姉さん。魅力的な素材が揃っているにもかかわらず、何だろう、この物足りなさ。
個人的見解にはなりますが、主役2人の演出ではないかと思います。
声優の演技ではありませんよ。声優は二人の性格を良く反映していて素晴らしいと思いました。
良く神は細部に宿ると言いますが、まさにそうなのでは。小学生が興味あるものを見たときって、本当に目をキラキラさせるんですよ。主人公のアオヤマ君にそれが無い。もちろんそういう性格なのですが、もっと目の演技をしようよっ、て思います。お姉さんもしかり。アオヤマ君を見る目は通常と違う目にしようよ。
この二人の所作がまるでロボットなため、どうにも物語に魅力がない。
そういう意味ではハマモトさんやスズキくんみたいに感情爆発させている子の方が共感しちゃいますね。ハマモトさんのビンタ、痛そうだったし。
実写じゃなくてアニメなんで、大げさくらいがちょうどいいと思います。

{netabare}細かい演技については、目にフォーカスを当てたカルト映画、ブレードランナーとか、手の演技や上履きを履く演技、ほんとにちょっとした所作で感情を表している京都アニメーションの演出とかを参考にしてもらいたいと思いました。{/netabare}

変なとこでネタバレタグを挟んでますね。まあ、豪華な製作陣にもかかわらず・・という感が否めない、ちょっと残念という感想です。

投稿 : 2020/03/21
閲覧 : 259
サンキュー:

14

ネタバレ

ch0c0salad さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

原作からきた。

 一部抜けてるシーンがあったが、絵に目だけの人でもわかるようにカットされてるのであまり問題はないと感じた。
 しかし、あまりに客観的な喋り方と言うか、少し歌舞伎を思わせるような違和感のある喋り方があります。例えば、チェスのコマが蝙蝠になるシーンでアオヤマ君が「不思議な現象が発生してます。」と言うシーンがある。見れば当然のことだし、ギャグで言ってるわけではないので、少し違和感があるかもしれません。こう言うのに耐えられない人は見れないかもしれません。

投稿 : 2020/01/27
閲覧 : 191
サンキュー:

0

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

内面宇宙SFの佳作

原作は日本SF大賞を受賞したようですが、残念ながら読んでません(笑)



SFには大きく分けて科学的に綿密な考証で現実味のある設定を辿る「外宇宙」と、人間の精神的な世界感の謎に踏み込む「内面宇宙」を示すものがある。

「ペンギンハイウェイ」は間違いなく後者のSFであり、旧ソ連SF映画「惑星ソラリス」や「コングレス未来学会議」などのスタニスワフ・レムの小説や「クラッシュ」「結晶世界」などのジェームズ・グレアム・バラードのSF小説の世界観に類似している。

中でも、設定や画面構造が「惑星ソラリス」「ストーカー」でお馴染みアンドレイタルコフスキーの映画そっくりに作ってあり明らかに影響されているのと、世界観はバラードの「結晶世界」、シュルレアリズム絵画の引用などスノッブの効いた映像はあからさまである。

作画には正直粗が見えるとこもあるが、この作品をわずか30歳という若さで監督した石田さんは非常に頭が良いエリート主義的な人間だと思う。

何よりも映像の引用がわかる人間にはわかるように説明なしに配置するところに作家として映画監督としての力量があり、詩的で叙情的な世界観は非常に見応えのある映像表現だった。おそらく、その若さと力量で言ったら、細田監督や新海監督を上回ることができており、この人が一番ポスト宮崎駿に近い。

他の監督と違いきちんと脚本を絵に落とし込むことができているだけでなく、わかりにくい世界感を無理なく表現できている。これは対した腕前だ。

映画としては最近のネットフリックスで公開したナタリー・ポートマン主演のSF映画「アナイアレーション(絶対領域)」にかなり酷似しているが、あちらが大人向けにハードな脚本に寄せているが、「ペンギンハイウェイ」は日本人が親しみやすいように少年とひとりの女性の出会いを通じたジュブナイルになっている。どちらが好みかは人によって違ってくるだろうが、原作を含めて旧共産圏のSF作品が今の時代にここまで映像化されるのも非常に珍しいものだ。

この夏観たアニメの中では一番面白かったし、おすすめの一本である。

投稿 : 2019/12/12
閲覧 : 476
サンキュー:

23

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

毛色は違っても森見は森見。

詳細は公式でも。

森見登美彦原作のアニメ映画です。
「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話体系」とは、
少し毛色の違う作品という感じです。

が、まあ森見は森見です。

自分が賢いと思っている小賢しい少年・アオヤマ君
が、街にいきなり出現したペンギンたちがどこから
来たのか探るだけのお話。

やっぱり理系の京大卒の頭の中がどうなってるのか
まったく理解できません。
まあ、それがなんとなくファンタジーなので、そこ
がサブカルチックであり、ちょっとオシャレだから
受けているのでしょう。
あ、それは「夜は短し…」とか「四畳半…」の話。
この作品に関しては、CMなどでチラ見する限り、
インターフェースが「いかにも今どきのアニメ」な
キャラデザ。だからこそ、ふだんアニメなんて観ない
層が劇場に足を運ばず、爆死したのだろうと推測
します。

なんでしょうね。
観るとジブリっぽい感じもしなくもない。
それに、従来の森見作品よりは分かりやすく、
取っつきやすい印象を受けます。
ただ、「夜は短し…」などに比べたら、の話で、
普通にこれを観ても、いったい何が言いたいのか、
サッパリ理解できません。

理解できると言うのは、森見作品みたいなワケ
わからなくても賢そうでちょいオシャレという
雰囲気を是としているにすぎないのかなと。
ぶっちゃけ「夜は短し…」なんて、サッパリ意味が
分かりませんでした、小説も映画も。

ということで、多少はマシだけど、それでも
やっぱり森見作品なんだなって感じでした。
なお、作画は素晴らしかったです。声優も、お姉さん
の蒼井優はけっこう上手でした。

投稿 : 2019/12/07
閲覧 : 251
サンキュー:

4

ネタバレ

mamiko さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

不思議な体験と初恋

小学生のアオヤマくんは同級生よりも頭がよく難しい本を何冊も読んでいる子です。気になったら調べずにはいられない性格の持ち主でもあります。そんな態度が気に入らないクラスメートやアオヤマくんが気づかないだけで密かに思いを寄せている女の子もいるそんな中で起きた不思議な出来事。
 ペンギンが可愛すぎてペンギン好きなら見た方がいいと思うアニメです。 小学生男子だからか年上のお姉さんに向ける視線が男の子らしいと思いましたが連呼していたのはちょっと引きました。

投稿 : 2019/08/24
閲覧 : 200
サンキュー:

0

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

地方の町に住む秀才君のメルヘン

日本の地方の町は緑があって清潔感がある。リアルでもそうなのかな。

大人になってもわからないことや得られないことは、それはもうたくさんある。でも、好奇心、探究心、未知への憧れでは腹は膨れないし快楽も得られるとは限らないので、大人は効率的にショートカットする。少年も多忙だけど、大人もっと多忙なのだ(ろう)。

この少年にはそんな大人になって欲しくないのだけれど。はたして得意の科学的アプローチだけで、憧れのお姉さんへ至る道を発見できるのだろうか?

大人になってしまってから3000日以上経つけれど、正直憧れのお姉さんへの道は遠くなるばかり。本当はもう多忙じゃないんだけどね。

投稿 : 2019/06/02
閲覧 : 258
サンキュー:

10

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のりまき3 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

心に残る作品

本当に素晴らしい作品

投稿 : 2019/05/30
閲覧 : 204
サンキュー:

2

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runa21 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

世の中は説明のできないことであふれている

この映画を見た方に
原作を読んでから見たほうが言いといわれたのですが、
原作の入手に時間がかかり、
そして結局入手できずに視聴することになりました。


結果、原作を読んでから見たほうがいいだろう。


というのは、期待しすぎたからいけないのか、
途中で何度か力尽きそうになりました・・・
それゆえに、この映画を見てから
原作を読もうと思わないということに
気がついてしまう・・・

よって原作を読まないと、きっとこの映画は理解できない。
でも、この映画を見てから原作を読もうという気は起きない。

だから結果、原作を読んでから観るのが正解。


なるほど、その方のいっていることが
この映画を見て真に理解できました(笑)

レンタルできることに舞いあがって、
あせってこの映画を見てしまったことに後悔。


ただ、こういうファンタジックな感じの作品
私は嫌いではないんですけどね。
「この話、よくわかんないんだよ。なのに面白いんだよ」
「この話、よくわかんないんだよ。なのに見ちゃうんだよ」
っていう作品ないですか?

きっと訳がわからないなりに
人をひきつけるツボを心得ている作品なんだろうな
と思います。

でも、その私でさえ
途中でリタイアしそうになったわけですから・・・
多分世間の評価はあまり高くはないだろうね。


キャラクターも悪くはないんですよ
主要メンバー以外にも
少年のお父さんとかかなり気になる人です。
かなり理屈っぽい「少年」なんですが、
きっとあのお父さんの教育によって
あの性格は形成されたと思われます。

少年のお父さんがどういう人なのか
非常に気になりました。

が、ちょこっと出てきては、
途中で退場してしまいます。

いろいろと、
もったいない話だなとはおもいました。

投稿 : 2019/04/28
閲覧 : 313
サンキュー:

17

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古川深夜 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

まだはやかったかもしれない

理解ができない点は原作を読めば理解できるのか そうゆうのではなく ファンタジーが強く お姉さんに対する感情描写として必要な内容だったのかはまだ自分の稚拙な頭じゃ理解できなかったです
ただ言葉の表現 探究心 初恋の純真さなどは 胸にくるものがありましたが内容には理解が追いつかなかったです

投稿 : 2019/03/21
閲覧 : 250
サンキュー:

2

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

問題解決の方法とは

街にペンギンが現れた。
彼らはどこから来て、どこへ向かっているのか。

小学生の主人公は友人二人とその謎を解き明かそうとする。

そして、彼が大好きな歯医者のお姉さんに
不思議な力があることを知る。

どういう理屈かわからないが、お姉さんが投げた
コカ・コーラの缶がペンギンになって走り出したのだ。

少年は仮説を立てて、観察し、実験し
問題解決をしようと試みる。

わけのわからないものに対して
仮説を立てて、実験していくところが面白いなと感じた。

ファンタジーにもファンタジーなりの筋がある。
道理がある。意味不明だけど。

ペンギンが押し寄せてくるところはアニメならではだなと感じた。
忍空を思いだしました。こちらの方は数が桁違いですが。

投稿 : 2018/12/29
閲覧 : 200
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観ろ! さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

作画おばけ

森見登美彦原作より、「四畳半」「命短し」「有頂天」とはまた違った風合いの作品。SFではあったもののストーリーは文句なしに面白かった。作画も凄いの一言。圧巻の出来に家族と見れる内容だったのが良かった。

投稿 : 2018/12/11
閲覧 : 283
サンキュー:

6

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しかまる さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

良い映画

研究的にストーリーを進めていくのが観ていてとても楽しめた
事柄が全て意味あるものとして繋がっていくのも良かった
作品のテーマの範囲内で考えればラストも良かったと思える
今夏で1番面白かった

投稿 : 2018/08/31
閲覧 : 202
サンキュー:

7

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眠夢 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ペンギン可愛い!!

原作既読

本映画は、小説の映像化で私は森見登美彦さんが好きで、さらに予告編で見たペンギンの愛らしさに前売り券まで買って見に行った。残った前売り券は原作の栞にしたい。

原作を読んでからそれほど時間が経っていなかったので、原作と映画の違いを見つけようと思いながらも、楽しんで見ていたけれど、原作に凄く忠実だ。

{netabare} 九割がた合っている。違う部分を上げると
するならば、主人公の『アオヤマ君』の友達『ウチダ君』のエピソートがほとんどない。

例えば、ウチダ君は引っ越してきて、遠くの町に友達がいる。その友達の為に、今回のペンギン騒動で捕まえたペンギンを友達に見せに行く。というエピソードは、ペンギンが餌を食べないので、何を食べるのか水族館へ行くという話に代わっている。 普通に見る分には全く気にならない。おそらく、原作を読んでいなかったらまったく気にしない。エピソードが変わっていたけれど、それで本編に全く影響を及ぼさない物である。{/netabare}

その中で印象的なシーンは冒頭のペンギンがヨチヨチ走っているシーンが可愛い。
これは、原作では決して表現できない、映像作品だからこそできる可愛さなのだと私は思う。アニメ化ならではの表現だ。

キャラの魅力も、伏線も、話しの大筋も、構成は素晴らしく良かった。

文句を言うならやはり、声優……かな……。主人公の声は良かったのだけれど、お姉さん役が……。

アニメ映画のはやりなんだろうけれど、声優陣で固めてほしいと、思う。

投稿 : 2018/08/29
閲覧 : 260
サンキュー:

8

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fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

小学4年生のハイウェイは、甘酸っぱい青春ファンタジー。

原作未読。事前情報は声優陣のみです。

森見氏の独特な世界観・作風は個人的は好きなので、本作も楽しみにしていました。
第一印象は、絵に面白みがあって、十分に美しかったです。作画も含めてしっかり楽しめました。

奇しくも、7月公開の「未来のミライ」の、くんちゃんと、8月公開の本作の、アオヤマくんとは、意外と似通っているな〜って思いました。

キーワードは、"年齢に沿った心の発達模様" です。

くんちゃんは、4歳の発達段階の課題でもある、{netabare}"ミライちゃんの存在を家族(集団)のなかに受け入れる" {/netabare} という、一つ上の発達の階段を昇りました。でも、そこに至るまでのくんちゃんの "葛藤" たるや大変なものでしたね。w

本作でも、アオヤマくんやハマモトさんに「小学4年生(10歳)の発達段階」の壁がそびえています。ただ、その "葛藤" がくんちゃんほど "直情的" ではないので、ちょっと見えにくいのです。この辺りに気をつけて鑑賞していただけると、頷けるところ大でしょう。


私は「おまけ」で取り組んでみたいと思います。それでは始まりです。


●4年生

{netabare}

まず、不思議な符号なのですが、本作のアオヤマくんは4年生。「未来のミライ」のくんちゃんは4歳。そう、どうやら "4という数霊" が働いているみたいです。

数霊と言霊の寄り道・・。
{netabare}
1は2を生じ、3に変じて、4に至る。と申します。

ここでは、1と4について述べてみます。(2と3は、君の名は。のレビューでほんの軽く触れています)

1は "初発" という意味があります。
そして "一" でもあります。
元旦の "旦" は、"朝日が水平線から昇ってくる" の意味ですから、この場合、"一" は、転じて "海と空との境目" とも言えます。

その意味から "位置" という解義もできそうですね。自分自身の立ち位置。人類の立ち位置かも。

"いち" の言霊を要素分解すると、"い ≒ 意・居・生" と "ち ≒ 血・智・地" になります。

一は、大極。
二は、二つ巴(ふたつともえ)、陰・陽、 天・地、 光・闇など。
三は、三つ巴(みつどもえ)、天・人・地、 理・気・意、 知・情・意など。
四は、一〜三を理解・内包する存在を表します。完成形の一つとして "人間" を表します。

視点を変えて言い換えると、
一は、点。
二は、線と平面。アニメ世界ですね。
三は、3次元。現実的な肉体の世界です。
四は、想念世界。時間や空間を超越してさまざまな発想ができる "人間" だけの領域を意味しています。

寄り道終わり。
{/netabare}

さて、アオヤマくんが、歯科医院に通ったり屋外で歯を抜いたりするシーンがあるのですが、乳歯から永久歯に生え変わるのは、4年生なら年齢的には犬歯あたりでしょうか。(歯は、年齢で抜ける順番があります)
つまり、 "歯が抜ける" という、小学生にも実感できる体験を引用して、身体そのものが、"子どもの身体から大人の身体に少しずつ変わっていく" ということ、身体的な変化が自分のなかで起きていることを、子どもたちに気づいてもらおうとするプロットだと思います。
(これは演出上、導入部になりますね)

そして、アオヤマくんの身体的特徴をもう一つ言えば、目線の高さがちょうどお姉さんの "おっぱい" なんですね。
この目線の高さが絶妙。
アオヤマくんが3年生なら、 "おっぱい" よりも10cm低く、5年生なら10cm高いんです。
本作最大のポイントでしょうか?w
(しかも、お姉さんの胸の描写が、これでもかとスクリーンに映し出される・・)

"お姉さんのおっぱい" は、アオヤマくんの瞳から視神経を経て、脳細胞へと供給・伝達されます。
彼はその情報を、経験則にそって科学的アプローチと文学的記述で、整理・分析を始めるのですが、それとは違うエッセンスがあることも感じ始めているようです。
"お姉さんのおっぱい" は、アオヤマくんに、精神的で情動的、そして性的で人間的、男の子なら誰でも感じるだろう根源的な知的好奇心を刺激して止まないのです。
いいえ、恐らくはデータが不足しているあまりに、アオヤマくんは、形而上学的!なチャレンジをするハメになるのかもしれません。
男性諸氏は、アオヤマくん同様、"おっぱい" にはずいぶん倫理的、人道的な葛藤?をなさった経験がおありなのではないでしょうか。

しかし、忘れてはならないのは、アオヤマくんの頭の中には "とてつもなく賢くなっていくだろうという圧倒的な全能感" が存在していて、そこから生みだされる 揺るぎない"高潔性" があります。たぶん・・・。
それは、そっくりそのまま、彼のプライドであり、みなぎる魅力?になっています。
だから、彼は、お姉さんへの評価(心象?)を、決して "妄想" などと考えないし、絶対に "エロ" なんて思わない。
そしてここが肝要なのですが、多分、"恋心" という言葉を知っていたとしても、言えないかもしれません、きっと(キリッ!)。
だって、アオヤマくんは、自他ともに認める高尚なプチ科学者だし、小さなジェントルマンなんですもん。あくまでもスマートにアプローチしたいのですね。
だからね、彼は、ノートにとってもステキな言葉を書き込んでいましたよ。

そうはいっても、やっぱりお姉さんの"おっぱい" は、ミステリアス! ケーキのようで甘やかそう!
でもでも「お母さんのそれとは違うような」別の不思議さを持っているような印象もあり・・・。

女性が、妹と、同級生の女の子と、お母さんと、お姉さん。別々の存在として意識できる年齢。
生が、性に "深化・拡大" していく世代です。
さあ、アオヤマくんは、お姉さんの存在をどのように受け止めるのでしょうか?
くんちゃんが全身全霊で悶えたような葛藤がアオヤマくんにもあるのでしょうか?

それは劇場でお確かめくださいね! ぜひぜひ!w

★★
ところで、アオヤマくんには、ウチダくんという、アオヤマくんとシンクロしあえる同級生もいれば、スズキくんという、アオヤマくんとは対極的な、"力" に依拠するような同級生もいます。
いずれも、"個性" と捉えれば、それぞれが自分らしくあるための、成長している男の子たちの姿なのですね。

ウチダくんは、アマゾンプロジェクトを独力でやり遂げ、ある発見に至ります。
スズキくんも、彼なりに発見?して、得意げに大人に情報を提供するに至ります。

こうした彼らの行動は、自らの内面に存在するエネルギーが、知らず識らずのうちに高まっていることを示しています。
また、それぞれの視点や方法の違いはありながらも、共通しているのは、自分の意志で、自然と社会、外面の世界にコネクトできる成長段階にきていることを示しています。
ですから、個人差はあっても、興味と関心、意思と意欲、行動と学習、語彙と発言などが、社会に向けて飛躍的、爆発的に拡大していく時期なのですね。
4年生(10歳の壁)って、その後にぐぐっと伸びていく直前の世代、くんちゃんと同じような "葛藤" を内面に抱える世代なんですね。

★★★
本作の公式HPにもありますが、このあたりのシナリオの練り込みが、4年生の夏休みに体験する、不思議なSF作品であり、(スマートでちょっと甘酸っぱい)青春ファンタジーと "謳っている所以" なのでしょう。

小学4年生の、身体の成長と、心の発達のクロスオーバーで垣間見せる、内面と外面が交錯し、積みあげていこうとする物語。
それは自分の世界の内外そのものが、まるでビックバンをおこしたかのようにも感じるエネルギーを体感するのでしょう。

そうは言っても、まだまだ、社会の実相の全ては分からない。だけれど、社会をまるごと捉えられるかのような全能感を併せ持てるのもこの世代です。

本作のテーマの一つになっているのは、こうした、第二次性徴期(成長期)を直前に迎えた、少年少女の "すこぶる内面的なストーリー" なのですね。

小学3年生~小学6年生あたりのお子さんがいらっしゃるご家庭であれば、超おススメです。

それにしても、"4" という数字は、とても人間味あふれる数霊だとお感じになりませんか?
{/netabare}

●女性

{netabare}

実は、もうひとりの重要な主人公でもあるハマモトさん。彼女もとても面白い存在です。
彼女は一つの噂を流します。森の奥には {netabare} "銀の月" {/netabare}があって、これを見ると病気になってしまうと。

{netabare} "銀の月" {/netabare} 。
不思議な響きですよね。これまたなんともミステリアスです。
"触らぬ神に祟りなし" の風情があって、如何にも、夏の趣(おもむき)にぴったりです。

これは、4年生女子のハマモトさんならではのキーワードですね。
"銀" は、硬質、高貴という意味のほかに、精神性という象意を持っています。"月" は "月のもの" つまり女性の生理を表わしていますね。

転じて、"生理という身体的な性徴期をむかえる直前の、女性の精神的、内面的な様相" を象徴的に具象化したのが、{netabare}"銀の月" {/netabare} なのでしょうね。

それにしても、ハマモトさんは、{netabare}"銀の月" {/netabare} を見ると "病気" になるとおっしゃる。これはどのように受け止めればよろしいのでしょうか・・?

★★
ハマモトさんは、アオヤマくんに "科学者" としてシンパシーを感じ取っているようです。これまた不思議な符号の一致ですが、ハマモトさんとアオヤマくんの父親像はとても似ています。

これは、4年生の成長段階は、世の中のさまざまな様相を、科学的なアプローチで事象を明らかにし、データに基づいて考えをまとめるという "人間的な高次脳機能の発達段階" に来ていることを示しています。

また、子どもにとって「一番身近にいる父親や母親には、家の内外で別々の役割があること、それぞれの性差による思考にも違いがある」ことを理解する入り口に差し掛かっていることを暗に示しています。

ハマモトさんは、"アオヤマくん"、"お姉さん"、"スズキくん"、"お父さん" とのそれぞれの関係性を、これからも探し探ししながら試行錯誤していく取り組みに直面していくだろうことを示しています。
とくに ハマモトさん自身が "お姉さん"になっていくために。

ハマモトさんは、内面の葛藤に加えて、外的な、身体的な変化にも向き合うことになるのですから。
小学4年生の方には、なかなか刺激的かな。

★★★
ところで、"水球、アマゾンプロジェクト、小川の流れ方{netabare} ( ≒ 輪 ≒ 循環 ) {/netabare}、なだらかな丘" などは、すべて "女性" の象意を有しています。
また、"水の球体が大きくなったり小さくなったり、揺れ動いたり、棘が出てきたりする現象" というのも、成人女性であれば「はは~ん、そう言われればそうかもね。」と頷けるものでしょうか。
お姉さんの「3日も食べていないの」という台詞もね。

アオヤマくんは、お姉さんの言葉を、額面通り受け取って、律儀に実践していましたが・・。うん、真っ直ぐだ。

スクリーンには、それを予感させるものが何度も何度も表現されるのですが、如何せんアオヤマくんの理解を超えていて、とても難しい。そして恐らくはハマモトさんもですが、同じようにその正体が何であるのかが分からないのでしょう。

2人は共同で観察を始め、なんと水中探査船を作ってまで水球の謎を解明しようとするのですが、あっという間に行方不明になってしまいました。
2人の仮説・知識・科学性は、お父さん譲りなものなので、男性側の視点、アプローチでは水球の謎は解けないようでした。残念ながら不発に終わってしまうのですね。

ハマモトさんが語る "秘密の研究" というのも、好感の持てる男の子となら "私と一緒に、秘密の時間を過ごしてほしい" という女の子らしい心情を表わしています。
そこにはスズキくんもお父さんも、大人の誰も介在してほしくない。だからもちろん"お姉さん" も同じ扱いで、追い出してしまうのですね。
{netabare}"銀の月" {/netabare} は、ハマモトさんにとっては大切な秘密の研究対象ですが、お姉さんにとっては、ねえ。

ハマモトさんは、特に、スズキくんがとった行動にはムキになるのですが、彼女にも、父親譲りの科学的矜持があり、小学4年生として、"男" の同級生や "男" の大人の振る舞いに対して、"女性プチ研究者魂" をぶつけたのですね。
ハマモトさんのストレートなプライド。大事なんだけれど、お父さんの"娘大事" の気持ちもわかるしなあ・・。困ったなあ。

ハマモトさんは、チェスでアオヤマくんに負けてしまうのですが、それが彼を受け入れるきっかけになったことは言うまでもありません。利発な彼女は知力でこそ人物で評価し、自分以上の能力のある男の子こそ、尊敬するお父さんのように自分をさらけ出すことができるのでしょう。うん、真っ直ぐだ。

★★★★
"秘密の研究" 。ステキな響きです。
お祭りで可愛らしい浴衣を着てくるハマモトさん。
小学4年生ならではの、小さな科学者同士の、淡い恋にも似た不思議なシンクロニシティ。
まさに青春ファンタジー真っただ中ともいえる大切でかけがえのない夏時間の共有なんですね。
{/netabare}

●お姉さんの謎

{netabare}
面白いのは、お姉さんはアオヤマくんのことを"少年" と連呼するのです。一瞬、"アオヤマくん" とも呼ぶのですが・・・。それは観てのお楽しみです。

大人の女性からしてみれば、小学4年生の男の子って可愛い盛りでしょう。特にアオヤマくんは、"全能感溢れるプチ科学者" ですから、モラルハザードなど起こりっこないスマートな "少年" なのですね。

これ、アオヤマくんを "からかっている" みたいなんですよ。お姉さんが。

で、観客(特に男性)を "おちょくっている" みたいなんです。お姉さんの後ろで森見氏が。

あ~可笑しい。この可笑しみこそが、お姉さんからの謎かけですね。
蒼井優さん、とってもいい仕事しています。
うふふ。観てのお楽しみですよ。お楽しみ!
{/netabare}

●ペンギン・ハイウェイ

{netabare}

人の辿るべき道です。

"青年は荒野を目指す" みたいな。人類は困難を乗り越えて未来を目指す、みたいな。

★★
家族の元へ辿る道です。

"子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの" です。
実は続きがあり、「来た道 行く道 二人旅 これから通る今日の道 通り直しのできぬ道」と続きます。(永六輔氏。「無名人 名語録」より)

★★★
人類の "生と性" の "過去と未来をつなぐ道" です。

地球に生きるすべての生物が、一本の進化の道でつながっています。アオヤマくん自身がノートに {netabare} "DNA" {/netabare} と記入しています。深いです。ぜひ、お感じになってください。

全能感とは、環境・様相・事象を素直に受け止め、そこに関わることで未来をいくらかでも変革しようとする確信と揺るぎない姿勢を持つこと・・だとすれば。
アオヤマくんが俯瞰できる世界は、地球で起こるあらゆる現象を解き明かしたいし、理解したい。そうして自分に何ができるのかを見つけ出したいのです。

彼がそう思うように、温暖化によって生息域が狭められているペンギンらを、ただ"カワイイ" とだけでとらえてほしくないな、と私は感じました。

『近年の生息域の温暖化により、餌のオキアミの繁殖域となる海上の氷の激減、洪水による巣の浸水などで、生息数が減っている種もある。ゴミの投棄や船の事故による石油流出など、様々な海洋汚染がペンギンの脅威となっている。』そうですから。
それに、ペンギンの和名は「人鳥(じんちょう)」なんですって。


本作を観るにつけ、人類だけが、地球生命に責任の持てる存在であり、この夏の猛暑・酷暑に対して、改善策を打たなければ、ペンギンも、女性も、男性も、子どもも、生命全体が危機を迎えることになるという"重いメッセージ" が秘めおかれているような印象を私は持ちました。

終幕で、お姉さんがアオヤマくんに、{netabare}「私、人類じゃない・・。」{/netabare} と語りかけるのですが、私には "母なる地球" から観客の皆さんへの "切実なメッセージ" のように聞こえました。
"未来" を担うミライの子どもたちに、お姉さんは託したのかもしれません。
これが、本作の二つ目のテーマなような気がいたします。

彼らを育てるお母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、おばさん、おじさん。すべての大人の皆さんに観ていただきたい。そう思いました。
{/netabare}

●おまけの言霊

{netabare}
★アオヤマくん。

"青"は、若々しさ。少年少女。前進。つややかさ。海の色、空の色でもあります。とっても広く、深く、大きいですね。

"蒼(あお)" は、木々が鬱蒼と茂るさま、繁茂する勢いの良さです。
森があるところは、自然も、人も、街も、とても豊かですね。
日本の森林率は67%です(林野庁。平成24年度)これは世界と比べると断トツで、フィンランドの74%に次ぐものです(平成17年度)。
ブラジルは57%なんです(平成17年度)。

"碧(あお・あおみどり)" は、石英(水晶・玻璃≒日本の古名)を表わし、勾玉などに加工される宝玉。日本の国石。翡翠(ヒスイ)。
日本古来の精神的な気高さを表わしていますね。

"山≒森" は、盛、守、壮、洩、母里(出雲地方の地方名)に通じ、情緒の豊潤さ、生産性の高さ、特にきれいな水を湧き出し、命をつなぐために必要不可欠なもの。根源であり源流という意味合いですね。海や川に生きる漁師さんは山をとても大事にしますね。


★★ハマモトさん。

"浜" は、水際であり、海の生物が陸地に上がる場所。
大潮の時はたくさんの生き物が産卵をし、砂浜からはウミガメの赤ちゃんが這い出して海に戻ります。

絶え間なく響くその音は、さざ波。「漣」と書きます。「細波・小波」とも書きますから、転じて "子ども" でしょう。その響きの良さから、子どもの名前にも使われることもありますね。
「永遠に続く小さな営み≒努力と成長」、「海と陸地との接点≒融和と影響」、「リズミカル≒普遍性と穏やかさ」という意味合いがあります。
「涙が流れる」という意味から「純粋と浄化」という意味合いもありますね。

★★★
まだ、謎解きはいっぱいあります。
が、それもご覧になってのお楽しみで~す。
{/netabare}

追記です。
{netabare}
原作を読み終えました。本作の魅力をもう少し深読みしたくての文字の旅です。
それは、私が私自身の記憶と、感受性を探す取り組みでもありました。

旅してよかった。心からそう思います。
たわしさんのレビューにも触発されましたが、40年前に読んだレムの読了後に感じたままでした。もちろん森見氏とレムの作風には相似性と相違点はあります。それぞれに味わい深いですが、本作のほうが日本人には分かりやすいように感じます。

私がレムを読んだ時代と、本作の時代背景は随分と違うものですが、それでも、「もっと人間を、もっと世界を、もっと地球を知ってほしい。命が生まれた尊い意味を感じてほしい。」そんな哲学めいた普遍的なメッセージを、子どもにも大人にも贈ろうとした、森見氏をはじめとする作品に関わられたすべての方々の優しいまなざしを感じました。

書籍版の終わりの14ページと、解説をなさった萩尾氏の終わりの6行に、深く沁み込むものがありました。

やはり、SF大賞を受賞なさった作品。嬉しく思いました。
{/netabare}

長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本作が、皆に愛されますように。

投稿 : 2018/08/24
閲覧 : 394
サンキュー:

29

ネタバレ

MLK さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

無題

原作は一応既読。

本作の主人公も森見作品の例に漏れず(屁)理屈っぽさは健在。ヒロインの自由さ、豪胆さも健在。しかし、少年と年上のお姉さんという憧れ以上恋愛未満の関係性が、他にはない爽やかな風をこの作品へと吹き込んでくれている。

前半から中盤までは、正直見ていて退屈に感じる時間が長かった。というのは、引いた絵や、人物が正面に入らない絵、物体越しに映す絵、つまりカメラの存在を感じさせる絵が多く、どうしても登場人物との間に距離を感じてしまったからだ。個人的に好きなプールのシーンが、尺の都合上ダイジェストになってしまったのも惜しまれる。

しかし、その倦怠感を一挙に打ち破る終盤のペンギンウェーブの楽しさや、時空間が歪んだ街の美しさ。何より、情緒的になりすぎないラストが素晴らしく、映画が終わった時にはすべてに納得がいっていた。

強いて気になったところを挙げるとすれば、頭の良いキャラと頭の悪いキャラを区別するために頭の悪いほうをオーバーに描きすぎていたところだろうか。あそこまで変な顔をされると、せっかくの一歩引いた感覚が失われてしまうように感じた。

もちろん大傑作!とまでは言わないが、近年のアニメ映画では珍しく、誰も叫ばないし、見ていてイライラもしない作品なので、十分オススメしたい。

前向きな子は好きだよ。

投稿 : 2018/08/24
閲覧 : 259
サンキュー:

11

ネタバレ

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ひたすら可愛い。

【見る前】
原作は未読で、森見登美彦の小説が原作であること以外は、何も知らずに劇場に見に行った。

【感想】
・キャラクター

まず、小学生たちが可愛い。

賢くて、勉強熱心で、オマセさんだけど、人の気持ちに疎いアオヤマ君が可愛い。

友達の内田くんも、内気で、ドジで、アオヤマくんよりも人の気持ちがわかる優しい男の子で可愛い。

ハマモトさんも、アオヤマくんのことが好きなのか、お姉さんにヤキモチを焼いたりして、すごく可愛い。

スズキくんも、好きなハマモトさんと一緒にいるアオヤマくんに対抗しようとしたり、最後にはハマモトさんに許してもらうために、一緒に戦ったりと、とても純粋な小学生だ。

妹に至っては、「お母さん(生き物)は、いつか死んでしまうことを知った」という、あまりにも可愛すぎる理由でアオヤマくんに泣きついている。

この作品に出てくる子供たちは、なんて純粋で、まっすぐなのだろう。
それだけで、心が洗われるようだった。


そして、物語の鍵であるお姉さんは、とても魅力的だ。
ミステリアスで、綺麗で、なによりおっぱいが大きい。
職業が歯科衛生士なのも、その魅力の一つかもしれない。
そんなお姉さんのお家にアオヤマくんが、初めてお呼ばれされてしまうシーンは、こちらも一緒にドキドキしてしまった。


アオヤマくんのお父さんも、とても素敵だ。
アオヤマくんの研究に、ほどよい距離感を保ちつつ、助言をし、アオヤマくんを決して子供扱いせず、1人の研究者として認めているようである。
ある種、理想の大人に見えた。
こんな大人になりたいものだ。
(アオヤマくんのお父さんは、仕事はなんだろう?研究者なんだろうか?劇中で描かれていたっけ?)

ハマモトさんのお父さんも、子供たちを研究者として認めているような口ぶりであった。
しかし、娘のノートを盗み見て、研究を横取りしてしまう。
そして、「子どもには危ないから!」と言って、子どもたちから「海」を遠ざけようとする。

相手が大人であれば、こんなことは、とても許されることではない。しかし、相手がまだ小学生であることをいいことに、自分の好奇心のままに森に近づこうとする。結局は、アオヤマくんたちを子供扱いしてしまう勝手な大人なのである。
しかし、それが当たり前で、現実に近い大人なのだろう。

この対比的な二人の大人を見て、大人の子供に対する言動を考えさせられる作品でもある。



・ペンギンとお姉さんの謎について
見終わってみると、ストーリーの主軸となるペンギンの謎は、とてもシンプルなもののように感じた。

なので、謎解きを楽しむというよりも、子供たちの純粋で真っ直ぐな可愛さ、お姉さんとのドキドキな時間を楽しむというモチベーションの方が、映画を楽しめるのではないだろうか?

謎が全て解かれていなくて、モヤモヤする!
という感想の方もいるそうであるが、パンフレットにあるアオヤマくんのメモを読むと、ある程度それも解消されるのではなかろうか?

私は少なくとも、よくわからなかった部分のうちの劇中で解かれている謎についてはそれで補完できたと思っている。

ぜひ、謎を解きたい人は、映画視聴後にパンフレットを購入されたし。

それでも、謎は謎のままの部分もあるのだと思うが、そうでないとアオヤマくんは今後の研究目標が失われてしまうので、それで良いのだと思う。

だから、謎の全てはアオヤマくんに任して、大人はややこしい事を考えずに、子どもたちの健気で、純粋で、まっすぐなところを見守る。

大人はどうあるべきかは、さておき、この映画の見方はそれで良いのではないかと思う。

投稿 : 2018/08/18
閲覧 : 223
サンキュー:

16

ネタバレ

てんてん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

いい

1これはいい

最高。見る価値あり。

DVD出たら買う。

投稿 : 2018/08/09
閲覧 : 233
サンキュー:

5

りほ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/10/30
閲覧 : 1
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ペンギン・ハイウェイのストーリー・あらすじ

小学四年生の少年アオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、大人になったときにどれほど偉くなっているか、見当もつかない。そんなアオヤマ君は、通っている歯科医院の“お姉さん”と仲がよく、“お姉さん”はオトナびた賢いアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めかわいがっていた。ある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか…。アオヤマ君はペンギンの謎を解くべく研究をはじめるのだった。そしてアオヤマ君は、“お姉さん”が投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」“お姉さん”とペンギンの関係とは? そしてこの謎は解けるのか?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。(アニメ映画『ペンギン・ハイウェイ』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2018年8月17日
制作会社
スタジオコロリド
公式サイト
penguin-highway.com/
主題歌
宇多田ヒカル『Good Night』

声優・キャラクター

北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人

スタッフ

原作:森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫刊)、監督:石田祐康、脚本:上田誠、キャラクターデザイン:新井陽次郎、演出:亀井幹太、監督助手:渡辺葉、作画監督:永江彰浩/加藤ふみ/石舘波子/山下祐/藤崎賢二、美術監督:竹田悠介/益城貴昌、色彩設計:広瀬いずみ、CGI監督:石井規仁、撮影監督:町田啓、音響監督:木村絵理子、音楽:阿部海太郎

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