退会済のユーザー さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
薄い花びらの花を見るように 脆く儚げに嗜もしい
夕涼みの庭
子供達と、穏やかな顔で椅子に座った老女
老女の髪には「夕化粧」の花飾り
ひとりの少女が
老女の「足」と自分の足の大きさを比べた
老女の足は「纏足」でとても小さい
(この老女は 良家の生まれなのだろう)
老女は髪に飾られた花を手にとり、想い出に耽る
幼少の
友と走り 笑った記憶は朧…
その後
少女は友とは違う生活を送る事となる
ひとり
纏足を施され 外を観、お裁縫をし 涙をながし
…幾年
少女から女へ変わる一瞬一瞬を
『女性のセクシャリティを表すモチーフ』で表現している
蝶、夜の蝶、リンゴ、桃、柘榴、靴、頭の垂れた金の蓮、白樺
花が舞い散る白樺並木を通る網代車の中には
綺麗なお化粧の美しい女性
白樺の 意味するもの
忍耐
光と富
『あなたをお待ちしております』
いつの間にか眠った老女
子供達の呼び声で目を覚ます
老女の頭部にはたくさんの「夕化粧」
{netabare}大きな おくちで 大笑いする おばあちゃん{/netabare}
彼女の人生は
時代と共に流れる人生だったのでしょう
流れに任せた人生は
幸か不幸か
彼女の「顔」が 語っています
この作品を観て
私は『初恋のきた道』という映画を思い出しました。
あの映画での少女の「青春」
天真爛漫でびっくりするくらい純粋で可愛い。
ところが
老女になってからは…頑なな厄介者?として描かれていました。
「げに、歳をとるということは…」と思ったものです。いや、本当に。
自由もいいけど
少し不自由なのも いい。