せいさぶんせき さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
なんなんだろうこれ?
簡単な話が難しく聞こえてしまう作品なので簡単に説明。
①:人間の脳をデジタル媒体に保存したり複製できたよ~♪
②:デジタルクローン人間できたよ~♪
③:新生児の脳をコピペしながら8万人規模のデジタルクローン人間の社会が仮想現実世界にできたよ~♪
④:善悪や正義など、完全に自立した自我に目覚めたデジタルクローン人間が一人できたよ~♪
⑤:デジタルクローン人間には人権はないから戦争の使い捨て道具に使っちゃうね~♪
⑥:世界の軍事パワーバランスが崩壊しかねない技術がばれちゃって米NSAに怒られちゃったテヘペロ♪
⑦:いつも未成年者キリト君が命の危険にさらされるのは菊岡誠二郎が公序良俗に反したサイコパスなので~♪
突っ込みどころ満載ですが非常に面白い作品です。
どうか、皆さん許してあげてください。
皆さんから下記のような心の声が聞こえてきそう~♪
量子なんちゃらって言えば何でも出来るって素晴らしい。
人間の脳(インスタンス)の容量なんて計り知れないのにね。
人間の脳は無限大であり、また、それが人知を超えた圧縮がなされているわけで・・・。
本当に人間の脳をデジタル保存できる電子媒体なんてあるの?
例えば、障碍で絶対に忘れない記憶能力を持った人間はどれくらいの容量なんだろうね?
手始めに、膨大な数の数字を瞬時に計算したり、
膨大な量の情報を一瞬で記憶して再現することができる、
サヴァン症候群を例に脳の容量を説明してくれないかな?
脳のインターフェース仕様書はちゃんと書き起こしているのかな?
脳(インスタンス)に関して関数やクラスや構造体みたいなのを全て把握しているのかな?
C++言語のnew演算子みたいなインスタンス制御をするには必須なんだけど?
脳内のプロセス間通信制御においてもCORBAやOSPみたいな感じで、
バルクゲットとかもできないよ?
人体の神秘である生体DNAの全解析が完了していないと到底無理な話なんだけど、
あるんだよね?できるんだよね?
現実世界では新生児の脳内に構築されている初期設計図や初期構成プログラムは、
生体DNAのランダム性に基づき、新生児の時点で千差万別の個性があるので、
現実世界では8万人いたら8万通りの個性ある新生児の脳があるのが普通だけど、
仮想現実世界の為に全く別人の異なる新生児の脳を8万人用意したのかな?
例え仮想現実の世界において繫殖行為、妊娠期間、出産行為という、
一連の流れを再現できたとしても既存の新生児の脳をコピペするしかないよね?
全く別人の異なる新生児の脳を8万人分用意するなんてコストかけられないよね?
無理だよね?
現実世界では繁殖行為からの受精卵にて、
男女2人の生体DNAに基づいて初期設定の異なる脳が千差万別に生まれるわけですが、
菊岡誠二郎たちはボトムアップ型人工知能にて、
”自我”の初期研究をしているような技術レベルなのに、
生体DNAを模倣した高度なエミュレータープログラムなんてあるの?
あるわけないよね?
無いのなら初期設計図や初期構成プログラムの異なる8万通りの個性ある新生児の脳を、
自動生成して自動出力するなんて芸当は絶対にできないよ?
新生児の脳の”重複コピペ”が大量になされた8万人の仮想現実世界というのならば、
未来にコピペ元の現実世界の新生児が成長して神童から天才になる様な人物が輩出されない限り、
”デジタルクローン人間”の中にジョン・フォン・ノイマンみたいな、
特別な成長を遂げる人物は絶対に輩出されないのでは?
ジョン・フォン・ノイマンが新生児の時に脳内に構築されていた、
初期設計図や初期構成プログラムは常人とは全く異なるのでは?
生体DNAの様なランダム性の運命的な要素もなく、
近親相姦的な重複コピペ脳だらけで大丈夫なの?
新生児の脳はAIではなく”デジタルクローン人間”なのだから、
本来はアリスの様に完全に自立した自我が全員に目覚めるのが当然の話。
完全に自立した自我が目覚めない”デジタルクローン人間”には、
何らかの人為的な要因でシステムロックがされている事くらい想像できないのかよ菊岡誠二郎。
SAO2期の時から想像力とソリューションスキルが全く無い菊岡誠二郎。
真顔で力説している菊岡誠二郎をみても笑わないであげてください。
あくまでも核心に迫るシリアスな要素として演出されているんです!!!
アメリカは日本の技術で軍事転用できるものがあると判断した場合、
アメリカは流血的な強奪なんてせずに外交にて正面切って言ってきます。
例えば、日本の大学で障碍者向けのパワードスーツを開発していたら、
アメリカが軍事転用を目的とした共同開発を正面切って持ち掛けてきた事がありましたよね。
でも、大学の先生や生徒曰く、人の命を奪う事を目的として開発しているのではなく、
純粋に障碍者を助けたいだけであり、
戦争に使われるのは嫌だからという理由で断っていましたよね。
日本のC4IシステムとアメリカのC4Iシステムが緊密な連携をしているくらいに、
軍事的にも極めて日本に近しいアメリカが流血的な手段で日本から技術の強奪なんてするの?
日本の神奈川県横須賀市には世界最強と言われるアメリカ第7艦隊の、
旗艦と司令部があるくらいに日米は親密な関係なんだけど知ってる?
総括として、この作品はAIではなく”デジタルクローン人間”の話だよね?
AIの到達点としては、完全に自立した自我に目覚めている、
「ユイ」という究極の存在が既にいるよね?
しかも、「ユイ」はナーヴギアの記憶領域に退避できるくらいのコンパクトな容量。
「ユイ」は勧善懲悪と公序良俗の意味を正確に理解し、
極めて良識ある誠実な行動をしていて、生身の人間である菊岡誠二郎よりも遥かに賢く尊い。
「ユイ」はキリトパパとアスナママの愛娘であり、心強い味方です。
灯台下暗し♪
皆さんから以上のような心の声が聞こえてきそう~♪
という感じで以上のレビューの文章を書き上げた後、
本レビュー投稿前に念のため、続編であるWar of Underworld編を一気見してみました。
そしたら劇中で”人と同じ魂を持つAI”という表現に都合よく切り替えてきて、
何が何でもAIという事にしたい様でした。
AIではなく新生児の脳をコピペした”デジタルクローン人間”ですよね。
その成長過程も現実世界だろうと仮想世界であろうと、
クローン人間は、どこまで行ってもAIではなくクローン人間です。
人工知能(AI)とクローン人間(デジタル)は全く異なります。
ユイ「もしアリスが米軍の手に落ちれば遠くない未来に無人機搭載用AIとして実戦配備されるでしょう」
というシーンだけはOKと思います。
”無人機搭載用デジタルクローン人間”みたいなストレートな名称にしてしまうと人権問題になるので、
米軍の都合で表向きは”無人機搭載用AI”という名称になる可能性は十分にあります。
ユイは収集すべき情報の的確な選択と精査した情報を見極め、
想定すべき問題と行動プランを的確に提起したこのユイちゃんの発言は、
AIの到達点だけあって極めて優秀。
明らかにユイを”無人機搭載用AI”に採用する方が凄い事になると思います。
でも、ユイ以外のキャラクターは表現方法が変わりまくりでぐちゃぐちゃなんです。
特に”人と同じ魂を持つAI”って何でしょうか。
大事な事なのでもう一度言いますが、新生児の脳をコピペした”デジタルクローン人間”です。
さらに、
菊岡誠二郎「僕は常に最悪を考える主義でね」
というセリフを聞いた瞬間に私は大爆笑してしまいました。
SAO2期でペインアブソーバーの増幅的な調整によるショック性の心肺停止という”最悪”を考えず、
「機械と直接リンクしていない心臓を止めるなど不可能だ」とか言っていたり、
『未成年者の高校生に対して、殺人事件の潜入捜査という高額報酬を伴った闇バイトを斡旋』
という、国家公務員法第82条の懲戒処分に抵触しかねない”最悪”な闇バイトを、
キリト君の保護者に内緒で未成年者の高校生であるキリト君にさせていた事を
思い出してしまって大爆笑してしまいました。
何が「僕は常に最悪を考える主義でね」なんですかね?
菊岡誠二郎のせいで作品の魅力が崩壊して何もかもが台無しです。
原作知らないので状況がよくわからないのですが、アニメ制作側で何かあったのでしょうか?
アリスが現実世界の記者会見で”真正汎用人工知能”として発表された事に関しては、
中身がAIではなく”デジタルクローン人間”である事がばれてしまうと人権問題になるので、
表向きには”真正汎用人工知能”という名称である事を強調するだけで良かったのに、
神代凛子が将来的には人権問題になる事を示唆するような話を記者会見でしてしまっています。
いつかは新生児の脳をコピーした”デジタルクローン人間”である事がばれる筈であり、
その際には道徳と人権を伴った大きな社会問題になるとは思いますが、
現時点では神代凛子がアリスはAIであると記者会見で押し通してしまった以上、
”デジタルクローン人間”であることがばれるまでの間は、
アリスは人間社会から人権が考慮されない存在である事が確定してしまいました。
神代凛子は問題を先延ばしにして逃げただけです。
正直に記者会見でアリスは人間の新生児の脳をコピーして育てたものである事を発表して、
未来への迅速な問題提起とすればアリスへの最大限の配慮となりえたのにと思います。
菊岡誠二郎はアリスたちに人権を認める世論を形成したいとか言っていたが、
人権問題にしたいのならば神代凛子に記者会見にて、
AIではなく新生児の脳をコピペした”デジタルクローン人間”と発表する様に指示しろよ。
アリスのコピー元である新生児も生きている事でしょう。
アリスはその新生児の”デジタルクローン人間”です。
それ以上でもそれ以下でもありません。
アニメ劇中で”人と同じ魂を持つAI”という名称が出たあたりから、
起点は新生児の脳のコピペの話だったのに、色んな名称が入り乱れ、
神代凛子「バイナリコードに置換可能なプログラムではなく」
とか都合の良い後付け設定を追加している始末です。
どんなコンピューター言語だか知りませんが、
バイナリコードに置換可能なプログラムを使って、
新生児の脳にアクセスして保存や複製、書き換えを実現していたわけでしょう?
人知を超えたアクセス方法ならば、
初めからそういう都合の良い設定にしなければならないんですよ。
これまでどうやって脳の書き換えをともなうアクセスをしていたの?
脳のインターフェース仕様書がなければ何もできないよ?
バイナリコードに置換可能なプログラムではないのならば、
”コード871”をどうやってプログラムしたのか説明をお願いします!!!
また、バイナリコードに置換可能なプログラムではないということで、
生体DNAを模倣した高度なエミュレータープログラムは存在しない事が確定しました。
つまり、異なる8万通りの個性ある新生児の脳を自動生成して自動出力する事が出来ない為、
新生児の脳の”重複コピペ”が大量になされた8万人の仮想現実世界という事が確定しました。
全く別人の異なる新生児の脳を8万人分用意するなんてコストはかけられないからです。
結果、近親相姦的な重複コピペ脳だらけの世界という事になるので、
はっきり言って気持ち悪い世界です。
もはや、話の着地点がぐちゃぐちゃになっています。
せめて、世界観と技術レベルに乖離があるのを何とかしないと駄目です。
1989年連載の『攻殻機動隊』くらい簡潔で割り切った設定をしないと、
世界観と技術レベルに乖離が生じて収拾がつかなくなります。
私たちが暮らしているリアルな現代社会を舞台にしたいのならば、
1988年連載の『機動警察パトレイバー』がお手本になると思います。
「もし、私たちが暮らしているリアルな現代社会に歩行式作業機械”レイバー”があったら?」
という世界観と技術レベルを簡潔に設定した、誰でも非常にわかりやすいものとなっています。
『機動警察パトレイバー』では、さらに際立った先進技術を介した社会問題として、
HyperOperatingSystem(HOS)というOSを柱にした有名な話があるので非常に参考になると思います。
原則として話を構成する際には用語や表現は必ず統一し、
簡単な話を難しくしない事が何よりも重要です。
それらを徹底することで視聴者側への共感に繋がりやすくなるわけです。
まず、実際の脳をデジタル変換した際の総容量が不明であったとしても、
”脳は電気信号の集合体であるからデジタル媒体にバックアップできる”
という簡潔な説明を話の冒頭で必ずしないと駄目です。
量子なんちゃらという都合の良いデジタル媒体への話は後回しです。
新生児の脳をコピペした”デジタルクローン人間”を描いた作品という簡潔な話なのに、
魂がどうの、AIがどうの、人と同じ魂を持つAI、挙句の果てには”真正汎用人工知能”です。
そして記者会見で自らを”人間”と宣言するアリス。
結果、視聴者側の理解がぐちゃぐちゃになります。
用語や表現は必ず統一する事!
簡単な話を難しくしない事!
作品の内容を正確に説明できる人は原作者以外には存在しない事でしょう。
私たちがどんなに擁護的な補足説明をしたとしても、全ては想像の域でしかありません。
何故ならば、全ては原作者のみぞ知るからです。
まあ、皆さん許してあげてください!
面白い試みの作品なので応援しています!
よく頑張りました!
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