当サイトはアリフィエイト広告を利用しています

「 DEVILMAN crybaby[デビルマン クライベイビー](Webアニメ)」

総合得点
75.9
感想・評価
328
棚に入れた
1054
ランキング
758
★★★★☆ 3.9 (328)
物語
4.0
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.8

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

レビューを絞り込む
☆の総合評価
文字数
サンキュー数
視聴状況
表示形式
キーワード
この条件で絞り込む

DEVILMAN crybaby[デビルマン クライベイビー]の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

愛はない。愛などない。ゆえに悲しみもない。そう思っていた・・・

 Netflixで視聴。全10話。

 見終わった後、放心状態でした。面白かったとか、悲しかったとか、そういうのはなくて、ただただ虚無感がありました。

 元々僕は中学生の頃に原作を読んでました。そのときは頭が追い付いておらず、( ゚д゚)ポカーンとしてて、よくわからなかったんです。同時期に読んでたジョジョの方にのめり込んでました。

 ところが、、、僕のハマる作品って、ことごとくデビルマン系統のものなんですよね。「寄生獣」、「エヴァンゲリオン」、「魔法少女まどかマギカ」、「進撃の巨人」、とか(あと「ひぐらしのなく頃に」、「新世界より」も多分当てはまる)。だから、約10年ぶりに湯浅監督の「デビルマン」を見てみたんです。

 、、、かなり引き込まれました。多分こんなに引き込まれたのは「まどかマギカ」以来かもしれません(; ゚ ロ゚)。

 原作ファンからは賛否両論のようですが、僕は満足でした。そりゃあ過度なエロ描写は嫌だし、ラップもあまり好きではありませんでしたよ?でも、それほどうでもよくなるくらい満足でした。

 さんざん語られている本作ですので、僕の思ったことをつらつら書きます。

 原作とアニメの大まかな違いについて(うろ覚え)
{netabare}
・不動明と牧村美樹が陸上部に所属している。
・ミーコ、カメラマンなどの存在(原作にいましたっけ?)
・牧村一家がキリスト教の家系。お父さんが海外の人。
・美樹が聖人キャラ。原作では喧嘩ッ早いお転婆娘って感じだった。
・ジンメンが明のお父さんにとりつき、お母さんを食っていた。原作では、明の姪っ子(?)が電車で食われていた(あと原作に明の両親出てきましたっけ?)。
・シレーヌとの戦いのもっていき方。原作では水の悪魔に美樹が襲われ、救出したと思いきやシレーヌが攻撃してくる、だったと思う。
・美樹の弟が悪魔にとりつかれていたこと。原作では民衆に無惨に殺されていた。
{/netabare}
 まだあったかもしれませんが、とりあえずここまでにしときます。

 デビルマンが与えた影響
 主に「寄生獣」、「エヴァンゲリオン」、「まどかマギカ」、「進撃の巨人」、、、ざっと思い付くのはこんな感じです。エヴァンゲリオンは南極で見つかった未知の生命体、シンジが明でカヲルが了ですよね。寄生獣はほとんど似てます。主人公の泉新一は明にかなり近いです。ただちゃんと独自の世界観を作り上げてますし、人間讃歌で締めくくってます。
 進撃の巨人については、(最終話のネタバレ注意!){netabare}最終話でミカサがエレンの首を墓に埋めるシーン、まさに明が美樹の首を墓に埋めるシーンと重なりました。{/netabare}

 超大作ばっかりですね。最後にまどマギについて。
{netabare}
・鹿目まどか=不動明、暁美ほむら=飛鳥了、
美樹さやか=牧村美樹、ミーコ=佐倉杏子、
感覚で僕にはそう見えました。
・ほむらはまどかを守ることが一番ですが、まどかにとっては皆が一様に大切。だからほむらがよかれと思った行動もまどかを傷つけることがある(さやかやキュウベエを殺そうとしたことなど)。
・飛鳥了も、不動明を守るため、最初からさまざまな計画を立てていました。しかし終盤、牧村一家の惨殺をみて、了は明に恨まれることになってしまいます。
{/netabare}

 あと、デビルマンとまどマギの違いについて。単純に考えればラストがハッピーエンドかバッドエンドか、ですね。

 まどかのハッピーエンドになった要因としては、{netabare}やはり魔法少女たちの救済を第一に考えたことでしょう。
 まどかは、憧れの先輩・マミを失い、幼なじみのさやかを失い、一時心を通わせ協力した杏子を失いました。そしたら、キュウベエを恨んだと思います。しかしそれで「キュウベエを許さない!消してやる!」という願いを叶えたらどうなっていたでしょう?おそらくこれまでの人類歴史はなかったことになり、すべてが原始時代という無に還っていたでしょう。これをハッピーエンドかバッドエンドかは人それぞれですが、僕はバッドエンドだと思います。だって皆のやってきたことが無になるんだから。
 皆のやってきたことを無駄にしない、救いたいという愛から来る思いが、救いのある結末に繋がったのだと思います。{/netabare}

 デビルマンの方ですが、{netabare}バッドエンドになった理由としては、最後に不動明が恨みに走ったことでしょうね。美樹や皆をあんな無惨に殺されて、涙を流し、その場の皆を殺害してしまいました。これは恨みから来る思いです。その後、了(サタン)の元に来て、了を倒すと宣言しました。これも恨みから来る思いです。
 途中、明が石を投げられる人間たちを庇うシーンがありました。これは、人間同士、傷つけあってはいけない、信じ合わなければならない、という愛から来る思いでした。その後、その場の人ほとんどが和解します。明はこの思いを最後まで貫くべきでした。そうしたら、最後の滅亡、何てことはなかったのかも、、、あの心優しい青年がこのようになってしまったと思うと、、、なんともいたたまれない
(´;ω;`)
{/netabare}

 何が言いたいかって、やはり恨みによってでは悲惨な結末となり、愛によってではハッピーエンドにつながる、ということでしょう。僕はデビルマンを見終わった後、そう感じました。

 改めて見返すと、深く心に突き刺さる、すばらしい作品でした。お気に入りです。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/08/25
閲覧 : 927
サンキュー:

15

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

限りなく最も優れた「デビルマン」の映像化。しかし、21世紀を乗り越えていない

原作者永井豪の作家50周年記念だそうで、マジンガーやらキューティーハニーやら続々とアニメ化され、大昔、規制なし18禁OVAを作っていた時代とは違い、ネット配信という媒体に移ることによって全世界向けにあの狂気の世界を再現できるようになった。

そしてその第一弾として代表作であり、傑作の「デビルマン」の原作を「四畳半神話大系」や「夜は短し恋歩けよ乙女」などでアダルト向けアニメ監督としては恐らく右に出るものはいない巨匠湯浅政明を監督に据えている。

とにかく作品の雰囲気や脚本に至るまでほぼドラッグトリップムービーであり、LSD中毒映画「トレインスポッティング」や「レクイエムフォードリーム」のようなサイケデリックな映像が連続する。

舞台も現代的になっており、問題のサバトの風景も現代のアダルトビデオ風刺になっていて強烈に印象に残るイメージである。

「デビルマン」は高度経済成長がちょうど端境期に達した時代の作品であり、代わりに公害問題、政治汚職、定職に就かない若者のヒッピー化、日米安保闘争、オイルショック、人口の急激な増加などの様々な社会問題が浮上し、社会全体が暗く陰鬱な時代だった。それは当たり前だがサブカルチャーの分野にも波及し、ポルノ、ホラー漫画や映画が流行したのもちょうどこの頃で、貧乏で卑猥で陰鬱な作品がほとんどである。そう「スターウォーズ」が現れるまでは。。。

さて、そんな背景を除いてみると、そういった知識のない方は暗くてサイケで何をやっているのか意味不明な作品に思えてくるだろう。完全にマニア向けに作られているので、初めて見るよって方は原作を読んだり、昔のOVAの方を見たりしてからもう一度挑戦してほしい。


全話見終わって:

本日付けで全てをNETFLIXで視聴。NETFLIXのすごいところは最初から「全て」配信するところにある。海外ドラマもそうだが今までにないことなので非常に新しいビジネスモデルだと思う。全話視聴し終わってから思うことはさすが鬼才湯浅政明ということで、本当に思うがままに完結させていることに驚き、極めてレベルの高いもはや娯楽ではなくアートの域に達している。恐らく2018年のアニメでまたもや賞を総ナメすることは必然であり、アカデミックな作品だ。熱量も作画の気合も後半につれて上がりまくっているし、そういった意味ではこれだけの作品を作れる監督の統率力とスタッフの技量は相当なものである。
あえて少し苦言を呈するなら、脚本が「21世紀」版と言えるまで練られてなく、あくまでも原作準拠で終わってしまったところだ。牧村美紀が殺されるシーンも飛鳥了サタンと不動明デビルマンの最終決戦もエヴァンゲリオンで僕たちは見てしまっている。しかし、ラストの重大なシーンの味付けは原作を超えるものがあったので、恐らくは最も優れた今まで見たことがない「デビルマン」の映像化ということになるだろう。これは全話ソフトが「買い」である。
それにしても湯浅政明は極めて「アート」なアニメ監督である。それにお金を出すNETFLIXも、一切手を抜かないスタッフも凄い。原作が好きな方、アートを感じたいかたは是非。この作品は驚きに満ちているはずだ。

投稿 : 2021/10/24
閲覧 : 1921
サンキュー:

34

ネタバレ

もも さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルなし

どちら悪魔を呼ぶだろう?悲しい結局。

投稿 : 2021/09/07
閲覧 : 289
サンキュー:

3

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 2.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

アニメ版ダンサーインザダーク

原作既読。
それでも視聴後は後頭部を金属バットで殴られたような感じ。
多くの方が書かれているように二度と観たくないという気持ちも分からなくない。ただ、わたしは9話以降ならもう何度かは観たいと思う。

湯浅監督ごめんなさい。
原作が偉大すぎるために一部酷評になります。
それからこのレビューをきれいにまとめる自信がありません。
気が向いたら更新することにします。

人間と悪魔の中間の存在、デビルマンを主人公に、人間を描いた作品(これを書いていて寄生獣を思い出す)。原作(加筆したものではなく復刻版を強く推薦します)にあった、合体は人間から理性が失われ、本能的に行動しているときにしかできないという設定がなくなり、デビルマンの誕生シーンから違和感を感じる。明は悪魔の襲撃にあい、やむにやまれず覚悟を決めてデビルマンになったのではなかったのか?

了が理性的に見えてしまうシーンが多い。不良相手に改造した猟銃をぶっぱなしていたのもサタンだったのなら仕方がないと納得させられた一貫性が欠如している。多分、それに加えて悪魔がたいして怖くないのでわたしにとっては8話まで視聴するのが非常に長い道のりだった。改変で良いと思ったのはシレーヌ編くらい。それとて愛の描き方は違うと思う。デビルマンを招集するためにでてきたヒンドゥー教徒が合体してデビルマンとしてでてなかった??

なにより、この作品は人間というテーマを扱っているのに現代にあわせてカスタマイズする必要はない。わたしごときにはとうてい思いつかないがどうせ改変するならば時代を貫く普遍的な描き方をしてほしかった。SNSなんかを使うとなるほど、若い人には伝わりやすいかもしれない。でも今後廃れてしまう可能性は大いにあるわけで、この作品が今なお多くの人を魅了してやまないのは時代がうつろいでも変わらない人間と愚鈍さ、醜さ、そしてやさしさを描いているから。自らの醜さを理解している人間、それを大人と呼ぶことは間違いなのかもしれないが、そういう人こそ心を打たれる。だから美樹の聖女化も作品の魅力を下げている一因と考える。わたしは生き恥をさらしてないで死ねとまで言う感情的な美樹の方が好きだ。本作ではミーコの方が人間らしく見える。

湯浅監督は映像による情報量が多く、わたしも四畳半神話体系ではそれがとても心地よかった。が、デビルマンとはミスマッチ感がすごかった。

それでもバラバラになった美樹の串刺しのシーンや衝撃のラストを含め、映像化してくださったことに敬意と感謝を!!!基本的に作品の中身を詳しく書かない主義なのに我慢できなかった…。原作の虜だから仕方がありませんね。

投稿 : 2021/04/19
閲覧 : 618
ネタバレ

Fanatic さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

本当の悪魔を、まだ誰も知らない

永井豪さんの画業50周年を記念してサイエンスSARUが制作。
監督は湯浅政明さん。
「映像研には手を出すな!」や「夜は短し歩けよ乙女」と同じ組み合わせです。

基本は原作である漫画版の展開に寄せながら、舞台やキャラクターだけが現代風にアレンジされた、名作「デビルマン」。
1972年にアニメ化されていたヒーロー物の同名作品は、永井豪さん原案の世界観を基に作られた別物で、漫画版のアニメ化としては、87年と90年に制作されたOVA二作が挙げられます。
ただし、OVA版はシレーヌ戦までしか作られておらず、完結まで描かれたのは今回の湯浅版が初。

湯浅さんが監督された「四畳半神話体系」が大好きで、その繋がりでこちらも視聴してみたのですが、OPからなんだか鳥肌が立つような気味の悪さ。
本編も、中盤以降から急速にダークで重い雰囲気に。

本編は、湯浅さん独特のアルカイックな演出が緩衝材となって観やすくなっていましたが、通奏低音のような暗い空気にどこか息苦しさを感じます。
エログロ表現もかなり多いですが、サイケな色彩で上手くオブラートに包まれていて、下品な印象は受けませんでした。

主人公は、悪魔アモンと合体しながらも、強い精神力でアモンの意識を抑え込み、悪魔の体と人間の心を併せ持つ存在「デビルマン」となった不動明。
人間と共存の道を模索してゆく明でしたが、悪魔の存在が公になると、人間たちは恐怖からパニックに陥り、やがて恐るべき行動を取り始める……という内容。

悪魔を排除せしめんとする人間たちと、それに抗う明やその仲間たち。
終盤は、明たちに感情移入して観ている視聴者にとっては、どちらが悪魔なのか分からなくなるほどの激しい対比描写。
「本当の悪魔を、まだ誰も知らない」というキャッチコピーは、そのままストレートに本作の主題を表していました。
特に9話は、本作で初めてデビルマンに触れる方にとってはトラウマ展開となるかもしれません。

{netabare}しかし、原作を読まれていた方にとっては、もしかすると湯浅版の解釈は救いとなるかも?
原作版の牧村美樹から感じられた、人間に対する恐怖や憎悪という感情は、本作においては、慈愛や赦しといった形に置き換えられているようにも感じました。{/netabare}

細かいことを言えば、人間たちの極端すぎる群集心理や、SNSに迂闊なことを書き込む美樹のなど、所々腑に落ちない演出もありました。
しかし、10話と言う限られた尺の中で、重厚なテーマの原作版をテンポよくラストまで描ききってくれた本作は、やはり一見の価値はあったと思います。

気軽にお勧めできる作品ではありませんが、今から五十年も前にこのテーマで漫画を描かれた永井豪さんの非凡さに、改めて感嘆させて頂きました。

投稿 : 2020/11/17
閲覧 : 360
サンキュー:

4

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

湯浅政明監督の特性と表現力。

【概要】

アニメーション制作:サイエンスSARU
2018年1月5日にNetflixで配信開始された全10話のwebアニメ。
原作は、1972年-1973年に「週刊少年マガジン」にて発表された、
永井豪による漫画版の『デビルマン』
(所謂、メディアミックス作品であり、当時のアニメ版は漫画版とは別物)

監督は、湯浅政明。

【あらすじ】

21世紀の現代の物語。人のために泣ける、心優しい高校生の少年・不動明は、
医師である両親が海外で活躍してる一方で、幼馴染の牧村美樹の家に預けられて居候している。
エースで高校陸上界のアイドルでもある牧村美樹に引きかえ、不動明は非力で足が遅かった。

不動明は幼馴染で親友で大学教授である飛鳥了と再会。飛鳥了曰く、近年世界で多発している、
未解決の残忍な事件の数々は「悪魔」の仕業であり、
悪魔は人間に憑依して身も心も奪われた人間のふりをしながら、
人間社会に紛れて次々と人間を殺しているのだという。
飛鳥了は古代の先住民を研究しているフィキラ教授がアマゾンの奥地で悪魔になるのを目撃。
古代の先住民とは悪魔のことであり、他の生物と合体して力を手に入れているという。

その事実を公表すべく証拠を手に入れるため、人間が悪魔に取り憑かれる条件を把握済みの飛鳥了は、
不動明を連れて、「サバト」と呼ばれるドラッグパーティーに潜入する。
そこで飛鳥了は悪魔を呼び出すために、「サバト」を流血沙汰の暴力現場に変えてしまう。
飛鳥了の目論見通り次々と発生して人間を食らう悪魔たち。
悪魔に殺されかけた不動明も悪魔の戦士アモンに憑依されかかるがそれを克服して、
逆に人間の心を保ったままに悪魔の力を手に入れてしまう。「デビルマン」の誕生である。
見違えたようにワイルドな容姿と高い身体能力を手に入れた不動明は、
飛鳥了とともに人間を守り悪魔を殲滅するべく動き出すのだった。

【感想】

名作と呼ばれる漫画版デビルマンの醍醐味ってなんでしょうか?

作中で説明されているとおりに、悪魔と人間は食物連鎖の上位と下位の関係にあり、
人間の情愛・優しさ・思いやりが何の役にもたたずに、
人間が悪魔によって無慈悲に蟻の行列のように踏み潰されていく。
そして人間も疑心暗鬼と恐怖心で狂っていき、残酷さを顕にして他者を蹂躙していく。
人類の終末の地獄の光景を読者が神の視点で傍観する「黙示録」的な内容を、
サイコホラー風味のショータイムとして当時の読者が心待ちにしていた。
当時は、現代より性的で暴力的な過激な描写が少年誌で多かったとはいえ、
それにも増して、人類の滅亡の地獄絵図を50年近く昔の少年誌で描ききったことが凄かったのか?
そしてそれは、当時複数の連載を掛け持ち(wikiによると月産400~500ページ)しながら行った、
多作な執筆活動の一部であるという作者・永井豪の当時を思うに、
面白い面白くないは個人の感想として、
伝説的な漫画家の一人として数えられるに相応しい実績の持ち主と言えるでしょうね。

漫画家・永井豪の作風として、コメディであれシリアスであれ、
お色気・暴力・ナンセンスが描かれる傾向が強く、人間の性(サガ)は欲望に根ざしており、
権威や秩序に対して反抗的であり、奔放に露悪的に描かれた人間の姿が描かれていますね。
作者の作品のひとつのハレンチ学園のとんでもなさの一例として、すぐ裸になることは序の口で、
小学生が料亭で酒盛りをしてぐでんぐでんに酔っ払うなんて今の御時世では通らないでしょう。

デビルマンと言えば終盤の凄惨すぎる展開が有名ですが、
実はこれ、ハレンチ学園のハレンチ大戦争の焼き直しに見えてしまうのですよね。
ハレンチはけしからんと歪んだ正義感で戦争を引き起こし虐殺を楽しんでいる、
「大日本教育センター」は、デビルマンで悪魔狩りをする悪魔特捜隊、
そして牧村邸を襲撃した暴徒と行動が重なります。

対するハレンチ学園の面々は、どうせギャグマンガだから死なねーよ!とたかをくくっていたのに、
マシンガンで小学一年生の子どもたちがバラバラに千切れていく。
イキドマリやアユちゃんなどレギュラーキャラですら戦車の砲撃で木っ端微塵に砕け散る。
残酷ショーの連続はデビルマンで悪魔や人間によって命を奪われる数々の悲劇と重なりますね。

登場人物のひとりひとりを掘り下げるよりも、愚かな人間という群体として俯瞰していく。
実写ほど生々しくはないものの、ポルノやスナッフビデオに似たドキドキハラハラな展開で、
読者に思わぬ衝撃を与えていくというシチュエーション重視タイプの漫画家なんでしょうね。

このDEVILMAN crybabyは漫画版デビルマンをベースにして、
時代に合わせてのアレンジが多いですよね。

それは漫画原作よりも直接的な性描写であったり、ラップの多用やドラッグやホモセクシャル。
刺激的な映像作りに関しては他の演出家には真似できないセンスの健在さに溢れてはいますね。
そこらあたりは原作との噛み合わせが一致していたのではないでしょうか。
迫力重視の劇画タッチの原作の作画と比較して、
このアニメではデフォルメ重視のぐにぐにした作画なのには疑問はありますが。

まあ、それらの要素は演出の一環として表層的なものであって、
ほんとうの意味での違いは原作漫画よりも人間の心の扱い。
狂気や負の感情に侵されていく人の醜さが描かれているの同時に、
情愛を持った人たちの正しく人間でありたいという精神などを掘り下げることで、
物語の結末に向けての悲劇性や無常観を強調しているということ。

その象徴が原作漫画版とは名前と家族構成以外の共通点が存在しない、ヒロインの牧村美樹。
漫画では一人称が「セッシャ」二人称が「オヌシ」父親は「オヤジ」
気弱な「サイレン明」をからかって遊んでたのに、
デビルマンとなってワイルドなタフガイになった途端に強いオスに惹かれるがごとく明にメロメロ。
不良にムカつけばいきなり殴りかかる「平手美樹」恐怖心はあるけど豪胆で向こう見ずなお転婆娘。
彼女は自衛に飛び出しノコギリを持ち歩くハチャメチャさで、身を守るためなら徹底的に戦う。

それが、crybabyの美樹は明への家族愛に溢れている。人の悪口は決して言わない。
人間の善意をどこまでも信じ、美しい言葉で周りを説得しようとする心優しい聖女化。
リバイバルものにありがちなのが、物語の終着点から逆算してのキャラクターのアレンジ。
悪意やパニックに流される人間たちの姿との対比で善性の象徴として、
聖女化された美樹を通して物語のメッセージ性を高めるという、
なかなかに挑戦的な作りであったとは思います。

ですが、湯浅監督の演出は外連味(けれんみ)が主体。
「大げさなはったりや、ごまかし」を何度も何度も積み重ねて、
幻覚的なサーカスのような奇抜な演出が真骨頂でファンから絶賛されているポイントですよね。

しかしながら、情動を表現するには作画が合ってないかなと感じますね。

原作漫画にはないアレンジ要素である、デビルマンであるミーコや幸田の葛藤のストーリーがそう。
ホモセクシャルやら号泣やらラップを通した交流とかで飾ってあるものの、
作画による感情の表現が淡白すぎるゆえに、登場人物の心の痛みが観ていても伝わってこない。

このアニメでの人間は滝のように涙や鼻水を流しながら大口を開けて号泣をするのですが、
単に大袈裟にすれば人間の感情が描けているとする、そのやり方が古いと言いますかな?
近年は『イエスタデイをうたって』など日常芝居が見直されたアニメ作品が増加傾向にあり、
かつての日曜夜の定番であったフジテレビの世界名作劇場の系譜を継ぐジブリのやり方ですら、
過去のものになりつつあるアニメの感情芝居のアップデートに湯浅監督が対応できないのでしょうか?

そこの弱さを湯浅ギミックに頼り切った演出方法で補っていると言えますが、
キャラの素材そのもので勝負しなくてオーバーで記号的な表情芝居なうえに添加物たっぷりな演出は、
誤魔化しのノイズに感じられてしまいますね。

折角の人間の感情に敢えて踏み込んでアレンジされたシナリオに、
作画や演出がついてこれてないのではないか?

異論のある人もいるでしょうがあくまでも個人としてこう感じた!との印象であり、
このアニメを見た物足りなさがありますね。お手本とすべく映像作品の傾向の違い。
例えばクエンティン・タランティーノ監督的な映像作品が好きな人には、
このアニメは合うかもしれません。
この感想は、あくまでも好みの違いとしてとどめておいたほうが良いかもしれませんね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2020/10/04
閲覧 : 428
サンキュー:

34

ネタバレ

もんど さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

魂の叫びを聞いた気がした

とりあえず原作再読してAmazonで円盤購入しました。
賛否両論あれど、私にとっては衝撃的な出会い。
原作の内容を一応知った上での視聴。それでいて見終えた後の、この言葉にできない感情。
素晴らしいリメイク?だと思います。
あくまで原作に忠実。現代らしさを上手く取り入れ、多少のアレンジが加わっている。そこを良しとするかは好み次第かもしれません。私は大好きですが。
題材や描写は人を選ぶと思います。他人に勧めるのは慎重にしようかなと。

以下ネタバレ含め個人的感想↓
私は陸上競技に対してとっっても思い入れがあるので、走る理由やバトン、リレーの描写は共感の嵐で心にくるものがあり何度も涙しました。使い方がずるい、良い意味で。走るフォーム綺麗。足音もいい。

bgm秀逸だと思います。特に第3話。
あれは長年私が求めていた音を形にしてくれた。何かが起こりそうな不穏な感じ、高低差を使った表現、凄いです。音が人間に与える影響ってどれほどのものか、その重要性を理解した上で十分にその性質を活かしてるように感じました。
おめえ何目線だって感じですが、経験上、人一倍音にうるさい私がそう感じたんでそういうことで。ともあれ音による演出って大切ですよね。
合体後のシレーヌとの戦い。
bgmが使われるタイミングにハッとしました。良い所をあげ出したらキリないですが、op含め素晴らしい音楽でした。

スピード感溢れる作画、大変好みでした。
複雑な人間の感情、葛藤している間の取り方、繊細なシーンにおいても文句なしの高評価です。シンプルなデザインいいと思います。性描写はエロよりも生々しいグロさ、動物らしい人間を感じました。それも見終えた今となれば必要な感情かなと。
デビルマンである明が、群衆に和解を求めるあのシーンはグッときました。美樹がネットを使って世界に訴えるあのシーンも妙にリアルで、、、もし自分だったら美樹みたいな言葉が言えるかとか、それに対し何てコメントするのだろうかとか考えちゃいました。
原作には無い最終話の了のセリフ。
重みがありますね、好きです。あくまでも明主体でこの感情を感じてくれ、教えてくれ、と。
これに限らずどのシーンでも、台詞一言にたくさんの意味をのせて、訴えかけているように感じます。
他人の悲しみを感じて泣いちゃう主人公。そんな設定も物語に深みを出していたと思います。あぁしんどい。

声優は一部キャラが芝居くさい声に聞こえたので評価下げました。メインキャラのcvは申し分なく、迫真の演技に夢中でその世界に浸れました。内山さん大好き贔屓目もあるかもですが、明の豹変っぷり流石です。美樹の最期の叫び声も悲痛すぎて思わずゾッとしました。

人間とは、悪魔とは。
哲学、心理学、歴史、解剖生理、道徳や倫理、あらゆる観点から、とても丁寧かつ大胆に描かれた作品だと思います。
セリフの一つ一つが真に迫っている。
10話に収まるのがすごい。ギュッと詰まってる。

短くするつもりが長くなってた。
なのにまだ書き足りないほど。こんなにも魅せられ、考えさせられた作品は久しぶりです。
若輩者の私が、この作品の全てを理解するなんてできないと思う。だけど出来る限りこの作品と向き合い、自分の感性をもっと磨いていきたいです。

投稿 : 2020/05/09
閲覧 : 396
サンキュー:

5

ネタバレ

mumumu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

泣き虫なのは誰だ誰だ

ネットで原作信者とリメイクファンによるアーマゲドン並みに醜い争いを見て中々手が出せなかったが
電グルのOPとアレンジ版デビルマンの歌を聴いてしまい、あの疾走感にあてられ我慢できなくなりNetflixへ加入。

結果、原作ファンはアンチ化するという前評判を見事に裏切られた。

湯浅監督については四畳半での匠なアレンジ力、ケモノヅメのあのもう二度と見たくない陰惨さが永井作品と合うだろうと踏んでいたものの、良くここまで50年前のあの泥臭い作風をこざっぱりさせ且つ湯浅ワールドへ落とし込んだなと感心した。過激な描写もライト&ポップで、サクサク一気見することが出来た。

一応、マイナス&プラス点を整理しておく。以下ネタバレ



<マイナス>
・原作にはなかったミーコや牧村家族への掘り下げは良かったのだが、カメラマンの長崎や陸上スターの幸田というオリキャラの扱いが雑だったのでは…と。
特に恋人を喰ってしまい苦悩する幸田の描写は勿体なかったので、それをミーコとその彼氏のエピソードにすれば良かったのに

・シレーヌとジンメンが弱い。
尺の関係上かもしれないが、強敵としてもっと良いバトルを期待してしまった。
ここは非の打ち所のないOVA版が既存だし仕方がないかな…でもシレーヌのオ◯ニーと空中プレーはとても良かったよ!

<プラス>
・ラップの投入はけっこう好きかもしれない。素人目にも名だたるラッパーがキャスティングされてるのがわかるし、言葉選びもインテリジェントで、演技も悪くなくひたすら好印象。音楽に力を入れていることも高評価、場面場面での曲の入りが兎に角かっこいい。

・昨今の若手声優は声が綺麗すぎると揶揄していたが、本当に侮り難し。
主役の内山さんの血を吐くような熱演をはじめ、了の中の人には本来の性別がどちらなのか惑わされたし、潘めぐみなんて今まで親の七光りだと思っていたことを心底恥じた。彼女の最期の絶叫には拍手を贈りたい。


最後に、避けては通れないトラウマ展開(主に第9話)について言及したい。
今回のリメイク化について完璧!と手放しで称賛はしないが、私はある点において今作の意図に共感してしまい非難できなくなってしまった。
その意図とは
「この物語に絶望し傷ついた、かつての自分への救済」ではないかと思っている。

原作版の終盤は打ち切りが決定していたため怒涛の超コンボで息をつく間も無く地獄へ叩き落とされる。
初めて読んだ時はあまりの衝撃で混乱しパンク状態に陥ったのを覚えている。
結果、人間こそが悪魔であるという性悪説にフォローを入れる余地すらなく読後はもれなく人間不信に陥るのだ。

そこで今作では愛をテーマとし、人間の善性が補われている。9話途中の唐突とも思えるフリーハグのくだりはパリ同時多発テロの後にあった実話を元にしているし、美樹のSNS投稿のくだりを含め、ドキュメンタリーのようなリアルな人間の善良さを再現することで必ずしも絶対悪ではないという救いの手を加えている。
また、ヒロインの聖女化もその一つで
敬虔なクリスチャンであること、周囲からもカリスマ視されていることで神聖度を増している。

原作の美樹ちゃんはコメディリリーフを担い、明とのラブコメは日常での癒しとなっていたことから、不可侵となるべき存在の女の子への最悪な仕打ちに、より不条理を感じるのだが
リメイク版でのヒロインは慈愛と博愛のもと全てを受け入れる度量を持つ聖女像のため、この処刑も人々の苦しみや断罪をひとえに引き受けた救世主のような印象さえ受ける。

そして原作内で1番のトラウマとなっている
美樹ちゃんが生きたまま嬲られ続け、最期の最期まで恐怖と苦痛を負わされたであろう描写に対し
子ども心に何度も「せめて、あんな目に合う前に生き絶えていたらまだマシだったのに…」の嘆いたものだ。
その幼い頃の私の想いがリメイク版ヒロインの絶命シーンでリンクすることになる。

「あの刺し傷の深さなら、すぐ事切れたに違いない!よかった!よかった…!」
それを証明するかのように、生首と化した美樹ちゃんの死に顔は絶望に歪む原作とは違い、深い哀しみをたたえながらもどこか明に対して(もしくは人類に対して)許しを与えるような神聖さを感じた。

今回、初デビルマンがcry babyだった方の中にはトラウマを与えられ鬱になった人もいるだろう。しかし、大昔に漫画版によりトラウマを受けた自分にとってはcry babyに救われるような思いがしたのだ。

つまり、このリメイクは監督による監督のための
かつてデビルマンを読み絶望し、泣きじゃくることしか出来なかった少年少女たちへ差し伸べられた、なぐさめの物語なのではないかと私は捉えている。

自分都合な妄想解釈だが、少しながら感謝の念を抱き、また更にデビルマンが好きになった。

投稿 : 2019/11/24
閲覧 : 403
サンキュー:

5

ネタバレ

タツヤ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良くできたリメイク版

デビルマンの映画、アニメはグロくてショッキングな展開もあるけど
DEVILMAN crybabyはアプローチ変えてきたけど、それが逆に刺激的な雰囲気だしてる、面白くて最後まで楽しめた。

投稿 : 2019/07/28
閲覧 : 360
サンキュー:

2

ネタバレ

緑のラン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

一度見る価値のある作品

監督の湯浅政明さんは、クレしんで有名になり私は、ピンポンで好きになった監督。
 もともと独特の映像表現を追及する人で、このデビルマンでも絵の簡略化やデフォルメを追求しながらも共感できるような親近感を表現しようと色々試しています。最近のアニメの表現手法でメジャーな影や複数の色を使った表現とは真反対のシンプルな線、シンプルな色だけで、それでいてリアルに見えるのが凄い。細田監督にも似ているが画力は圧倒的に湯浅さんが上。見てると、まるで現実と仮想の中間に居るような感じになります。この絵こそがこの作品の終盤のショッキングなシーンにそのギャップから見てる人にインパクトを与えます。難点は、湯浅さんの絵にデビルマンのキャラデザを無理やりかぶせた感がする事。ちょっと無理やりな感じはあります。どうしてこうなったのかは不明。
 この作品、有料ネット放送(Netflix)の利点を生かしてエログロをガンガンやってます。TV等では放送自粛でできない表現に挑戦できるんです。DEVILMANにはぴったりの放送媒体でした。
 テーマは愛。あらゆる愛。その為の性的表現、そして感情のその先を描いてます。悲しみのその先の悲しみ、怒りのその先の怒り、憎しみのその先の憎しみを表現していました。
 サタンであり男性であり女性である飛鳥は親友でデビルマンである不動明を愛していました。そして明はミキを愛し、彼を悪魔にする為に追い詰めます。全ては飛鳥の愛。飛明の飛鳥への愛は博愛。そして飛鳥の明への愛は、同性愛であり純愛。明とミキの愛は、家族愛であり男女の愛でありそしてやはり純愛。
 人は何故戦うのか、欲望と愛の本質を現在の感覚でデビルマンを再構築して描こうとしている作品。元のデビルマンを知っていても、一度見てみる価値のある作品です。

投稿 : 2019/07/03
閲覧 : 298
サンキュー:

3

ネタバレ

NORI さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

つまらない

川崎が今回の地域。HIP HOPの人たちを起用する意味がわからない。この
監督が川崎生まれののHIP HOP達を数年前に取材したらしくそのコラボ?
全くアニメに関係ないクソ設定。ところどころにHIP HOPとこいつらが声優で出てきてウザイ。
つまらない作品で時間を無駄にした。
最後だけ感動した。
結局、デビルマンは最後のサタンと不動の会話シーンがあればEDまで
クソでも感動できるんだなと再認識できた。
社会人で時間が無い人は見ないほうが良い。がっかりするから。

投稿 : 2019/04/05
閲覧 : 961
サンキュー:

2

ネタバレ

esso-neo さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

書いてなかったのかぁ

デビルマンの結末は立ち読みで知った。だが途中で何が起こっていたかは何も知らなかった。
そしてこれを見てしまったのだ。
1週間引きずった。気が落ちた。それほどまでによく出来た逸品だと思う。
エロもグロも盛り込んで、一切の結実は許されない。湯浅監督の織り込む特有のコメディも結末の前には虚しくなる。
これを見て俺は美醜の見方には細心の注意を払い、自分でよければちゅっちゅする相手になりましょうと心がけた。生き物は永遠を手にするにはまだ遠いのだ。

投稿 : 2019/03/02
閲覧 : 432
サンキュー:

8

ネタバレ

移リ木うらら さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

おもしろかった!!

噂に聞いていてずっとみたくてみたくて意外とネットフリックスが安いということに気付いてさっさと観ました。
結論としては、観て良かった!!!!
本当に面白いので気になった人には見て欲しいなと思います。


「大嫌いだけど、大好き」の台詞がこの物語の全てを現しているなぁとも思ったのですけれど。その大嫌いとの向き合いかた、大好きとの在り方を考えるのってとっても難しいなって。
この物語では、大好き。だから大嫌いは全て壊す。の結末。


あとは皆恐怖にかられて行動していたのも気になりました。

正義と悪が逆転し更に逆転しそんなものは存在しなくなる。

あと、このサタンが世界を壊すっていう話になってくると自分の中で起こる葛藤の物語なのかなって。
自分で自分に対して混乱したり、自分を許容できないことってたくさんあって、
そのたびにこういう争いが起きている。
それは本当に「大嫌いだけど、大好き」だからこそ起こる争い。
大好きだけど、コントロールしなければ怖いから抑えつけようとする。
だけどそれは望んでない。なにかをしなければならないって考えが真意を見えなくさせて争いを生んで。
最終的に崩壊して。
なくなって、だけどその火種は残っていてまた争いが始まっていく。
戦いの中に安息は愛はない。

【追記】
{netabare}
crybaby 最終的に、了誕生の物語になってるっていうのをみて、すげぇ!ってなりました。
あと、私AMONとこれだけがこんなトラウマになるような終わり方をすると思っていたのですが、デビルマンも結構な終わり方するみたいで。ちょっと見たくなりました!
{/netabare}

投稿 : 2018/07/16
閲覧 : 394
サンキュー:

5

ネタバレ

AI さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

俺はデビルマンだ!

デビルマン優しくて強くてカッコいい!
ミキいい人!
OPいい!マンマンマンマンマンヒューマンヒューマン!
デビルマンのねこかわいい
音楽とてもいい
どこかちょっと異様だけど癖になる世界観
声優さんもとてもよかった
絵や動きがちょっと可愛いので残酷な場面も重く暗くなりすぎないのもいい
明が初めてデビルマンになったとき炎をバックに影だけで振り返る所は名場面
挿入歌のデビルマンのうたとてもいいアヴちゃんの歌い方もいい!元気になる。カラオケで歌いたいとおもった。

いまいちだった人も観終わった後OSTやManHumanを聴くのオススメする
聴いたらわかる

{netabare} ストーリーはひどい グロ嫌い 感情移入とかはあまりできない感じ 原作はきっと素晴らしいんだろうなと思えた でも最後はみんなで仲良く滅びてハッピーエンドでよかった {/netabare}

観た後しばらくは俺はデビルマンだって叫んで日常を乗り切った

投稿 : 2018/07/14
閲覧 : 401
サンキュー:

6

ネタバレ

わさビーフ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

容赦のないショッキングな作品でした

デビルマンを一言であらわすと

「グロくエロくバイオレンス!目の覚めるような展開がハンパねぇ---す!」

一番の見所は?

りょうが公の場を借りて悪魔の存在を証明してしまう
聡明された事で悪魔VS人間の戦争が勃発、ここから凄い話になるところ

一番ショッキングだったのは?

{netabare}度重なる登場人物の死
特にヒロインみきの死はえげつない死に方でショッキングだった。
続いてラストで主人公のあきらが死んだ時、どっと疲れた
かなりのバットエンド作品で原作を知らないと驚きます。
ある程度、心の準備が必要でした{/netabare}


デビルマンを観てインスパイアされたもの

うーん。何ていいますか...映画の影響がモロなんですが...
個人的には宗教戦争みたいでしたね
最初は思想や理念から対立が生まれて戦争が起きるけど
その戦争の目的が徐々に個人的な目的や欲望に摩り替わり歯止めが利かなくなってくる。
デビルマンの世界ではそれらの狂気的な感情がストレートに描かれていて
憎しみの対象が悪魔から人間に摩り替わりいつの間にか人間同士の殺し合いに発展する
後半は絶望的とも言えるほどに人類が自滅に向かい
その容赦のない表現にはさすがにちょっと辛いものがありました
観終わって改めて思いました..「こんな世界住みたくねーーっ!」と


最後に..

ストーリーは良かったと思います全然悪くないです
作画は凄く独特でピンポンとかケモノヅメを思い出しました
でもかなり過激なバイオレンス作品なので覚悟は必要、総合評価4.0

投稿 : 2018/06/26
閲覧 : 347
サンキュー:

22

ネタバレ

あぱぱ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

やさしく残酷なケダモノ

視聴回数 全話3回

デビルマン原作をスピード感ある現代リニューアルさせた作品。

原作ファンからすれば、デビルマン系譜はつかんでいると思えます。
生々しい狂気と人間のやさしさと欲望を上手く表現できています。

本来の「デビルマン」原作が描写的に完成しきっているので、映像になると昔から変わらず過剰な性描写や暴力表現などで、視聴できる人を選ぶところは変わりません。
興味本位で視聴すると嫌悪感を抱く人も多いかと思います。

主人公のDEVILMAN 不動明は人一倍やさしさと強い心を持っていて、そんな彼の中へ残酷かつ凶暴な悪魔が共存するギャップを感じるところがポイント。人は理性と道徳で覆い隠しているだけで一皮向けばケダモノ、聖人君子なんて周りを見ても見つけるのが困難。という視点で見ると納得できるキャラクター。
DEVILMANは同族殺しをしているのですが、そうは思えないキャラクター演出です。

もう一人の重要キャラクター飛鳥了。

{netabare}率直に言うと不動明を愛するヤンデレさん。生物を殺すことに躊躇しない。明(AMON)を守ることに徹底している。{/netabare}

飛鳥了のキャラクターは初見の方でしたら本編を見ていただくのが私の説明より解釈しやすいです。

音楽に関してはオープニング曲の電気グルーヴも重厚感があって作品イメージとしてGood。
{netabare}2話で流れる「デビルマンのうた」が胸熱になります。{/netabare}

作画は村上隆を思わせるような細いラインでポップアート調。元々が劇画風なイメージがある作品に対して、本作の作画タッチが違和感あるかもしれないです。しかし見ているうちに慣れてきます。

デビルマンという作品は哲学や心理学であると思いますので、作品で感じたことを考えてみるには良い作品です。

投稿 : 2018/05/09
閲覧 : 347
サンキュー:

9

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

“アニメ化”という名の再解釈

マンガ原作既読。

原作が古典ということもあって,観る世代によって評価がわかれる作品だろう。僕は原作を読んだ世代だが,このアニメ化はとてもよく出来ていたと思う。

若き日の永井豪の,荒削りだが躍動的な作画を,湯浅政明監督独特の動きで表現したのは正解だったろう。特にデビル化した人間たちが疾走する姿を横から捉えたカットは素晴らしかった。湯浅アニメの「人の四肢はあんな風に動かない」という不自然さが,「デビルマン」というキャラクター造形にはむしろ自然にマッチしたと言える。

また,舞台を川崎に置き,不良グループをラッパー集団に置き換えたのも秀逸な解釈だ。「川崎」「ラップ」による再解釈については,以下のTBSラジオのトークを聞いて頂くのがいいだろう。僕の駄文なんかよりもはるかに面白い話が聞ける。

「デビルマンCrybaby」湯浅監督,生出演で宇多丸と本作の神髄語る
https://www.tbsradio.jp/245133

美樹の最期を初めて映像化したというのも大きな功績だ。原作を読んだ時,例のシーンで「まさかまさかまさか…」と思ったものだが,今作を観た時にもやはり「まさかまさかまさか…」である。やはりこのシーンはデビルマンという作品に必要不可欠なのだ。逃げも誤魔化しもしなかった湯浅に拍手。

飛鳥了役の村瀬歩の演技も素晴らしかった。彼の英語力を存分に活かせる役どころというのもあるが,それ以上に,ラストシーンでアンドロギュノスが露呈した瞬間の声のトーンの変化には驚いた。わずかな違いだが,説得力があった。

この作品に関し「オシャレサブカルアニメvsオタクアニメ」などというありもしない対立構図を持ち出して扱き下ろした某氏や,「昔ながらのオタクに訴えかけていない」などと言って過小評価した某氏が登場して物議を醸したのは印象的だった。偏見のない現代のアニメ視聴者なら,「オシャレっぽいかオタクっぽいか」などと言う偏狭な価値判断でアニメを観ていないだろう。彼らにとってアニメはアニメだ。また,彼らにとって「昔ながらのオタク」の価値観は,ノスタルジーの対象ではあっても,もはや全くリアリティのない話だ。結局,こうしたアーカイックな評価軸で反発した評者がいたということが,アニメの表現が変化しつつあることの証拠かもしれない。

あらゆる変化が劣化にしか見えなくなったとき,老化が始まると僕は思っている。

投稿 : 2018/05/06
閲覧 : 304
ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

海外資本で作られたアニメがどんどん面白くなってほしい

 1970年代に永井豪が著作した漫画デビルマンのアニメ版、netflixオリジナルで製作されており海外資本の作品となる。 Netflixの作品であるので地上波のような規制は一切なく、大っぴらな性表現や暴力表現が可能となっていた。

 一話から平然と性表現で満ちており、主人公が悪魔に取りつかれるが人間としての自我も残せている反悪魔、デビルマンとなる。はじめは人間を悪魔から守るために戦っていた主人公だったが、感染性の悪魔の存在が徐々に浮き彫りになり、人間のヘイトがデビルマンを含む悪魔に向けられることになる。


 悪魔の中には人間としての自我を残すデビルマンも多く存在し、主人公は彼らを守るために人間に敵対することになる。人間を最後まで信じようとした主人公だったが、最終的には人間が主人公の友達(普通の人間)まで殺してしまう。
 悪魔対人間の構図を作った主人公の親友に最後は挑戦をしかけ、黙示録のシナリオを謎って終わる。

 色々な側面で新しく刺激的な作品だった。日本のアニメは資金不足らしいので今後も外資アニメで質の高いアニメを作っていってほしい。

投稿 : 2018/04/23
閲覧 : 266
ネタバレ

もの さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.5 作画 : 1.5 声優 : 1.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:途中で断念した

ヒロインとラッパーがウザい

ヒロインがひどい殺され方するところくらいしか面白いところがありませんでした。
1970年頃はこれが斬新だったのかも知れませんがストーリーは陳腐です。

投稿 : 2018/03/31
閲覧 : 300
サンキュー:

1

ネタバレ

りゅぅぞぅ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 2.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

序盤はただのセクロスアニメかと思いきや・・・  終盤にかけて 人間の醜いところを表現したアニメ

 ジャンル セクロス + 人間の醜悪


 ストーリー

 不動明・・・

泣き虫で お人よし であった・・・

 ある日、旧友 リョウが現れ

サバトと呼ばれる 悪魔を降臨すると言われているパーティーに

2人でいき・・・

 そこから物語がはじまる



 物語

 悪魔・・・ デビルマンとなった

不動明は全てが変わった  肉体・精神ともに

別人へと・・・


 何で陸上部に入っているんだ?という存在から

学園の人気者に


 ただ、同時に 悪魔との闘いが始まったのだ



 キャラ

 好きなキャラトップ3

1:ククン

 あのミーコと仲良くなった メガネのラッパーね

何気に ラッパー関係の ラップ

 名曲だと思うのは俺の気のせいかい?



2:ミーコ

 純粋な女から カメラマンにペロンチョされてから

とんでもない ビッチに(゚Д゚;)

 全くなんてやつだ  ただ、元がいいやつだから

最期は良いキャラで終わっていたね



3:特になし





 感想

 スロットでも気になっていたアニメだったけど

序盤は驚きました・・・

 えっ、セクロスアニメ?

やばない・・・  どう終わるのかって思いましたが

納得する終わり方でした(゚Д゚;)

 個人的な感想ですが

人間は汚いってことを教えてくれるアニメだと思います

(私自身、ヨゴレなので 熱くなれるアニメでしたww)

投稿 : 2018/03/27
閲覧 : 242
サンキュー:

5

ネタバレ

北山アキ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

物語が古臭いと感じた

物語、特にテーマ設定とその描き方に古臭さがあったけど、これは原作由来なのだろうと思う。
(湯浅監督の「ピンポン」の原作もそれなりに古いけど、物語として古臭くはなかった。これも原作由来だと思う。)

アイデンティティ(自己同一性)は普遍的なテーマだけど、ある時代の善悪観はファッションなので、後者から前者にアプローチすれば古臭くなるのは仕方ないところでしょう。
敢えて言えば、冷戦体制を一神教的善悪観になぞらえる時代性を引き摺っていて、ダイバシティの現代における悪意にアップデートできていないみたいな印象。
SNSやらラップやら小道具を入れてどうにかなる部分ではない。
{netabare}
せめて、核戦争による人類滅亡シナリオを想起させるあの時代チックなラストはもうちょっとなんとかならなかったのだろうか?{/netabare}

面白い面白くないと、新しい新しくないを、混同するつもりはない。
大きい構図は大味なプロパガンダっぽくて、あまり魅力的ではなかっただけ。
(「健康」や「環境」みたいな現代的なプロパガンダの物語を見たいと言っているわけじゃない。)

投稿 : 2018/03/25
閲覧 : 256
サンキュー:

4

ネタバレ

setuchi さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

観なきゃ良かったw

原作は知っていた。非情なお話であることも充分知っていた。
覚悟して観たけど、覚悟が足りなかったらしいw
見終えた後、気持ちがどん底まで落ちてしまったw
ということはアニメとしては成功だったのかなと思う。

怒り、憎しみ、悲しみ、恨みつらみ云々この世にある全ての負の感情、
主人公が対峙するこの全ての負の感情を
アニメを観てる側にもガッツリ感じさせてくれる。
原作絵ではそれほどではなかったシーンが
現代のアニメの絵でそれはもう。。

残酷なお話なので耐性の無い方はあまり観ない方が
よろしいかと思います。

それでも、メッセージ性の強い物語なので
どういうお話なのか知らない人には
知っておいて欲しいかなと。。思ったりもする。。

いや。。ほんと。。きついです。。

投稿 : 2018/03/25
閲覧 : 255
サンキュー:

6

ネタバレ

teji さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

とりあえず 見終わった

とりあえず 見終わった 

投稿 : 2018/03/16
閲覧 : 252
サンキュー:

0

ネタバレ

がぁべら♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

永井豪画業50周年記念として制作されたアニメーション作品

フドウアキラは居候先の牧村家の娘・ミキと仲良く学校に通う大人しい少年であったが、ある日、親友のアスカリョウから、他の生物との合体能力を持った地球の先住人類「デーモン(悪魔)」が二百万年の眠りから目覚めて復活し、地球を人類から奪い返そうとしていることと、デーモンの研究をしていたリョウの父が、デーモンと合体して心を支配される前に自殺したことを知らされ、デーモンと合体し、その超能力を取り入れてデーモンと戦う話を持ちかけられる。しかし、これを得るには、理性を捨て本能のみで動いている時に憑依させ、かつ、デーモンの意思を正義の心で抑え込まなければならなかった。デーモンに襲われた恐怖で理性を失ったアキラはデーモンの一人であるアモンに憑依され、悪魔の力と人間の心を持つデビルマンとなる所から物語は始まる。
-------------------------------------------------------

「デビルマン」の存在は知っていましたが、原作もアニメも見たことがなかったので、とりあえず見てみる事にしました。
とにかく色んな意味で衝撃的デシタ。
絵は独特な雰囲気デス。
ストーリーは重く、深かったデス。
最初はエロテックな場面が多かったデスが、話が進むにつれ、暴力的で残虐性の高い内容になっているので、見る時はご注意下さい。
最後まで、色々と考えさせられるお話デシタ。
後半は涙なしで見れませんデシタ。

投稿 : 2018/03/13
閲覧 : 231
サンキュー:

7

ネタバレ

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

視聴者が漫画既読、OVA視聴済か否かによって感想が大きく変わる

このアニメはネットフリックスで配信されている
永井豪の漫画「デビルマン」を原作としたWebアニメである。
原作を忠実にそのまま再現したというよりは、現代風に
アレンジを加えた平成のデビルマンと考えた方がいいだろう。
私自身は、以前に漫画を読んだことがあり、
OVA3作品全てを視聴済みの人間だ。
漫画既読者、OVA視聴済みの方ならすぐに気づくだろうが
結構変更点が多い。OVA版とクライベイビーを通じ、私が
特に気になった部分のみ抜粋する。(ネタバレあり)

{netabare}
OVA版
ヤクザな風貌を覗かせる不良少年が登場。
飛鳥了にデーモンの存在を教えたのは飛鳥の父親。
ジンメンは純粋(悪い意味で)なデーモンとして描かれている。
ゲルマーは、シレーヌの部下という立ち位置。
シレーヌとカイムは最初から最後までデーモンの姿のまま活躍する。
太郎は最後まで人間として描かれている。

クライベイビー版
非常に癖のあるラッパーが登場。
飛鳥了にデーモンの存在を教えたのはフィキラ教授。
ジンメンは人間の意識が介入している半デビルマンとして描かれている。
ゲルマーは、シレーヌとはあまり関連性がないデーモンという立ち位置。
シレーヌとカイムは人間の姿で身を潜めながら、人間を恐怖に陥れる
デーモンとして活躍する。
太郎は最後にデーモンへ変貌する。
{/netabare}

良いなと感じたところは、現代でよく見かける道具
スマートフォンやパソコン、SNS等を上手く絡めていた部分。
試合中継を利用して、デーモンの知名度を高めようと
裏で工作するシーンはとても良かったように思う。

一部のオリジナルキャラクターもいい味を出していた。
特に好きな人物は幸田と長崎。
幸田は、明のようなデビルマンとは対照的な存在として描かれている。
終盤における、明とのやりとりでそれがよく分かる。
違った側面を持つデビルマンとしても印象的な人物だった。
長崎は、作中の中では影が薄く出番も少ないが、引き立て役としての
役目はきちんと果たしている。少しばかし小物臭はするが
モブキャラの中では特に気に入っている。

太郎のラストは、作中の中でも特に良いと感じた場面だ。
まさか、人間ではなくデーモンとして描かれるとは
思わなかった。途中、目ヤニ(?)らしきものがついていたので
もしやと思ったが。実は、漫画版における牧村家はクリスチャン
ではないのだが、クライベイビーではクリスチャン一家という立ち位置だ。
なぜわざわざ変えたのか疑問に思ったのだが、ここを描きたかったのが
一番の理由だろう。大いに納得した。

気になるシーンもいくつか見受けられた。
ラッパーを登場させることで、漫画との差別化を図りたいという意思は
凄く伝わるのだが裏目に出ている場面も多く見受けられた。
特にくどいと感じたのは、ミーコに一人のラッパーが告白をするシーン。
誠に申し訳ないが、私には興ざめだった。

終盤で演出のくどいシーンがあった。確かバトンを渡す場面だったような。
1回だけならまだしも、3回はさすがに出しすぎである。
ラストのシーンは良かっただけに、途中変に気分が萎えてしまった。
他の部分に尺を使用すべき。

海外向けに発信したいということもあり、飛鳥了が必然的に
英語を駆使する場面が多かったのだが、そこまでする必要はないと感じた。
漫画のように、無理をせずに日本の学者をそのまま登場させれば
違和感を感じることなくすんなり理解できたのに…。まあ仕方なかろう。

それにしても、飛鳥了が序盤から明らかに怪しい人物だと示唆する
場面が多すぎるような気がする。特に、序盤のサバトが行われた時に
発する台詞の一部は入れる必要はないように感じる。
勘がいい漫画未読者ならすぐに気づいてしまう。

ゼノンが、人間達に恐怖を常に煽るようなデーモンに見えなかった。
確か漫画では、サタンと会話する場面がありデーモンの中でも
トップクラスに位の高いデーモンだと分かるのが、そこも省いたようだ。
終盤に関しては、「どうも~ゼノンで~す」みたいな軽いノリで
明と戦闘し、そのままご臨終。う~ん。あまりにも味気ない退場だ。
もっと出番を増やしてあげて欲しかった。可哀そう。

デーモン関連で一番残念だったのは、ジンメンだ。
あのデーモンだけは、変に改変するべきではなかった。
なぜ、余りにも中途半端な半デビルマンとして登場させたのか。
人間を介入させるのならば、明と出会う前には既に人間の意識を奪うほどの
精神的な強さも描く場面を挿入すべきだ。ジンメンの
残忍さが損なわれている。あれでは、只の半端者だ。
当然、ジンメンの有名な台詞を聴くこともできずそのまま退場。無念。

素晴らしいと思える場面も多かったのだが、気になる点もいくつか
見受けられたのでこのような評価になった。
対象を、漫画既読者ではなく漫画未読者として制作したのが
一番の狙いだったのだろう。漫画未読者であれば驚く場面が
多々あるため、楽しめるはずだ。OVA版ほどではないが
グロテスクな描写もあったり、エロティックな場面も挿入されているため
ある程度耐性を付けた上での視聴をお勧めする。
個人的には良作だと思う。

投稿 : 2018/03/03
閲覧 : 361
サンキュー:

14

ネタバレ

weds さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

衝撃的でまっすぐな絶望感

私は20代前半であまり内容は知らずに「デビルマン...? 聞いたことはあるけど、内容は全く知らないな...」という人です。

グロ・エロの描写が多いことなども全く知らずにみると、かなりの衝撃を覚えました。一応、まどマギ・エヴァ、ゆゆゆだとか「えげつねぇ」と言われるようなものは見てきたのですが、ここまで尖らせた絶望感はなかったように思います。
難しい心理描写だとか世界観とかで魅せているわけではなく、ドストレートに人と悪魔とその生存競争の醜さが描かれています。

{netabare} ~
終盤らへんは「これはもう人間滅ぶしかないな」と腹落ちしてバッドエンドを迎えたので、そんなに最後も衝撃ではないかったです。ただできれば明以外のデビルマンとなった人間たちがいてもいなくてもおんなじのような扱いになっていたので、デビルマンの中でも人間派と悪魔派で争うとかそういったことがあると個人的にはうれしかったかも。私自身、ヒロインの首で人間が狂い踊って喜んでいるシーンを経て「いや、これ俺がデビルマンだったら人間見放すかも」と思ったので、そういうデビルマンもいたと思うんですよね。
{/netabare}

残虐さ・救いのなさなどで内容の好みは賛否が分かれるところだとは思いますが、間違いなく尖っていて価値があるものだと思いました。おススメするときは人を選びますね...

投稿 : 2018/02/20
閲覧 : 180
サンキュー:

3

ネタバレ

ういすけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

感想は、国民的名作のカバー曲

5話まで視聴。

デビルマンは原作既読済み。

シレーヌ戦に関しては感動した。
作画、音響、見せ方というより、原作そのままの展開に感動した。
国民的名作は、時代が変わっても色褪せない。
シナリオ的な古臭さを感じさせなかった。

現代風にアレンジして、スマホも出てくるし、
ラッパーも徘徊している(←今風?)
そのあたりは、まあ許容範囲。
永井豪の作画、そのままだと、
おそらく絵が雑すぎて、残虐すぎて、古臭くもあり、見るに堪えない為、
現代アレンジ版としては、上手く作り上げられていると思う。

原作を知らない人にとっては、新しい!凄い!衝撃的!美しい!
名作だあ~~ってなると思う。

いや、ほんと、EXIL〇が、過去の国民的アーティストの曲をパク・・いや失礼、
アレンジしてカバーしている感覚と言えば良いかな?

やっぱりオリジナルを超える事はできない。

曲に対する産みの辛さ、思い入れの差がどうしても出てしまう。軽い。

美しくファッション的に作り上げていると思う。
現代風にアレンジしている所も、ラッパー以外特に文句を言うつもりはない。

強いて言うなら、敵である悪魔の存在が薄っぺらい。
原作での悪魔は、シレーヌ以外本当に憎むべき存在。
得も知れぬ恐怖と、戦わなければならない切迫感。
そして憎たらしいほど卑怯。
それが原作ではヒシヒシと伝わってくるが、
この作品では、そこが希薄。。

人間と悪魔の生存競争が、この物語の核心的な部分だと思うので、
悪魔に対しての憤りや、憎しみ、恐怖、決して相容れない敵という部分が
希薄だと、作品自体が薄っぺらくなってしまう。

今のチャラチャラした若い歌手が、ダンス踊りながら昔の名曲を現代風にアレンジしてワーキャー騒がれている感じ。そこに深さはない。

ジンメンなんて、原作では殺した人の顔をコレクションにしてるんだぜ!そして顔だけじゃなく、魂までも解放させず、痛い、苦しい、寒いと言った苦痛の言葉を聞いて悦に浸ってるんだぜ!しかも、デビルマンの攻撃の盾に人の顔を使うんだぜ!で、「人殺し!」とデビルマンを精神的に追い詰めるんだぞ。。。その顔の中には、主人公の明を好いていた幼い子、さっちゃんがいたんだよ。。。鬼畜、非道。。。

ゲルマーなんて、くつろぎの空間であるはずの自宅の風呂の浴槽から、襲ってくるんだぜ!いつでも24時間襲えますよ的な恐怖。
みきを人質に取ってるくせに、「おぼえていたか、アモン。おまえと戦えるとはうれしいぞ。」って、勝てれば何してもいいという悪魔的な考え。糞だ

そういう許し難き行いを、さらっと省くこのアニメ。。ドロドロ感がまるでない。

原作既読者からしたら物足りない。

駄作ではないが、カバー曲はオリジナルには勝てませんっていう感想です。

採点は、、、保留という事で。。

シレーヌ戦では感動したけれども、これは監督の手腕なのか?
まるまる原作のコピーではないか?。。。

採点は、原作の価値を、このアニメの評価にしてしまっていいものか?
逆に原作のストーリーのおもしろさを、引き抜いて評価していいものか?
そうなると、どうしても原作と比べた評価となるため、低評価になる。
大いに悩んでおります。
とりあえずは保留ということで。。。



最後まで見終わりました。
ラストが分かってるというのは不幸ですね。

最後、つながらなかったバトンという事で、何度もリピートしていたけど、
原作既読の私からしたら、そこ、別に強調しなくて良いんじゃね?って思ってしまった。
感想は、うまくまとまってるなあ。良作ですね。
原作ファンからしたら、物足りなさを感じるが、初めて見る人には、私が幼い頃、読んだ原作のあの衝撃をきちんと表現されていたのではないかと思います。原作のほうが作画的に残虐ですが、あれほどアレンジしているのに、そのイメージは損なわれていない。

原作をリスペクトした点数を付ければ良いのかどうか、まだ迷い中です。。


原作の評価を含めた点数をつけたいと思います。

物語の評価 5.0
幼い頃に読んだ原作の恐怖、衝撃から比べれば、
かなりマイルドな仕上がりだが、40年以上前の昨品なのに、
古臭くささをまったく感じられない。
原作が日本を代表する名作で、永井豪って凄い!ってのはあるが、
監督の原作に対する思い入れが感じ取れる。
また、その手腕も見事と言う他ない。
この監督さんがリメイクしてくれて、本当に良かった。
また、シレーヌに会えてうれしい。エロすぎだったけど^^;

声優の評価 4.0
可もなく不可もなく。
まったく違和感を感じず見れたので、それはそれで凄いのかと。。
こういう場合、他の作品では3.5なのだが、
この問題作を演じきれたのは凄いことであるし、
私は、あまり記憶にないが、一度アニメ化されている作品では、
イメージがとか、言われそうだがそれもないので、0.5加点しました。

キャラの評価 2.5
不動明の変貌が別人すぎる。確かに悪魔が入り込んだ分、質量が増えて
体格など変化があったといえば辻褄が合うが、周囲の反応が、誰?おまえレベルなのに、変わったね。っていう反応に違和感を感じる。
原作では、目つきと髪型が変わっただけなのに、このアニメでは顎のラインとかシャープになって、鼻筋も高くなって、ほんともう別人。全身整形レベル。
飛鳥了も、なんだろう。原作のような迫力がない。
こいつ何やらかすんだろう的な、目的を選ばない的なやばさが、絵柄から感じ取れない。目が逝ってない。脚本のせいなのか?そういう見せ場は確かにあったが、こいつ本当に信用しても良いのか?的なゾクゾクする怖さがない。全体的にキャラが薄い。
ヒロインみきも、確かに原作でも利発で男勝りな部分もあるが、そこは忠実に描いているものの薄っぺらい。ヒロインのくせに、彼女を守ってあげたい!とか、この子とエロしたい!とか、惚れ要素がまったくなかった。決して魅力的ではない単なる幼馴染。恋人、愛おしい人とは程遠い。この違いが終盤の衝撃度合に大きく関わってくる。原作よりマイルドと感じたのはそのせいかな?
ドス六が、ラッパーに。。。ただの傍観者に成り下がっていた。そこが一番残念な点。人の正義感というか、義理人情というか、が、悲劇の前では、糞の役にも立たないという描写が傍観者では演じきれない。ザンネン。
まだまだある。
キャラでいうと、悪魔たちもそうだ。
本当に憎くて憎くて、ずるくて非道で圧倒的に強くて気持ち悪い。
人として許せない!
デビルマンよ、ぐっちゃぐちゃに引き裂いてくれ!っていう願望を微塵も感じさせてくれなかった。
単なる敵としての描写でしたね。明の両親についても、事故にあってしまって不運でしたレベル。その中でもシレーヌだけは良かった。端折らず放映してくれてありがとうって切に思う。
悪魔は悪魔たちのルールがあって、人を捕食したり、コレクションにしたり、人の苦しみを楽しんだり、そこに罪悪感は微塵もない。美しい悪魔や、死を前に恐怖する哀れな悪魔もいるが、決して人とは相容れぬ存在。
単なる敵ではない。
原作では、そういう悪魔に対する恐怖や、滅ぼして!っていう人としての残忍な気持ちが、最後の悲劇へスーッと感情移入できる。
人が起こす暴動や、悪魔たちに対しての残忍な処刑を、なんで?そこまでしなくても!っていう感想にならないし、ああ、そういう暴動起こす人って、世の中にはいるよね~的な傍観者意識にもならない。当事者になっていてもおかしくないという恐怖。あの場面にいれば、私も殺してしまうのではないかという恐怖。悪魔と疑われたらどうしようっていう恐怖。弟君のオリジナル描写があったので、多少は暴動に対しての理解もできたと思うが、飛鳥了の発言一つで、街が激変したのに対して、え?いきなり?って違和感を感じたのは、そこの描写が薄かったからではないかと思う。

キャラが薄かったので、2.5の評価は妥当だと思う。
う~む。どうしても原作と比べてしまうなあ。。

作画 4.0
作画は綺麗だったけど、感動するレベルではなかったので4.0

音楽 3.5
まったくメロディーが思い出せない。邪魔なラップしか思い出せないw
まあ、でも違和感なく見れたので、可も不可もなく。
3.0かなぁ?
でも、感動する場面もあったし、そこにBGMの効果も大きかっただろうし、まったく思い出せないけど^^;
ってことで、3.5です。

長々と読んで下さった皆様、ありがとうございました。

投稿 : 2018/02/14
閲覧 : 263
サンキュー:

6

ネタバレ

サイテージェニー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

和解というキーワードで解くcrybaby

デビルマンcrybaby 1話で、不動明を「海から上がってきた人魚」と呼んだのはどういう理由か。
不動明も「はーい、海から上がってきた人魚でーす」と答え、後日、牧村美樹と再会したワムが「海から上がってきた人魚はどうした?」と。このフレーズは三回使われている。

そんなもの単なる冗談なんだから意味なんかないのかもしれないが、わざわざ三回も使用しているからには何か隠れた意味があるのではないか。
そこで強引な推論。
クラベビ不動明は「夜明け告げるルーのうた」の世界から来た。

「夜明け告げるルーのうた」の世界とは何かというと、
「人間と異形の者とが、和解に成功した世界」である。

町を大規模な水害が襲ったとき、人魚たちが人間を救助し始める。
しかし人魚は太陽光に当たると燃えて死んでしまう。
救助に気を取られ帰るのが遅れた人魚たちは次々焼死する。
人間たちは、人魚のために太陽光線よけの大量の傘を提供する。
人類と人魚の和解した瞬間である。

人類(集団)と異形の者(集団)が基本的に敵対していて、主人公(個人)だけが単独の異形の者とのあいだで、愛や友情や信頼を結ぶ話は他にもある。
人類(集団)と人魚(集団)との間で和解が成立する、という点でルーの世界は特異である。

「夜明け告げるルーのうた」が、人類と異形の者とが和解に成功する世界
「デビルマンcrybaby」が、人類と異形の者とが和解に失敗する世界
ふたつの世界は鏡に写したように対応している、と言ったらこじつけ過ぎだろうか。

人類と異形の者との和解、をキーワードにデビルマンcrybaby 9話を見ると、解釈が変わってくる。
自分は最初、crybaby 9話を、こんな奇怪な作劇、こんな異常な構成を見たことない、なのになんで心に刺さってくるんだろう、という感想だった。

だが「和解」をキーワードにすると、9話の構成は奇怪でもムチャクチャでもなく、むしろストレートで、シンプルである。

和解する(不動明と牧村美樹が)→和解する(美樹とミーコが)→和解を求める(デビルマンが群集に)→和解を求める(美樹が全人類に)→和解を求める(ミーコが群集に)→和解は拒絶される(人類から三人へ)9話全体で、最初から最後まで和解の話しかしていない。

人間と異形の者との和解、という要素は、原作マンガにはない。だから原作を既読で原作の再現にこだわる人ほど、この要素を見落とすのでないか。原作を未読、チラッとしか知らない、という人のほうが、すんなり頭に入ってくるのかもしれない。すくなくとも私は見落とした。

牧村美樹はSNSで、人類の一人として同族の人類に不動明=デビルマンとの和解を求め、かつ人類の一人として他のデビルマンにも人類との和解を求める。彼女の求めるものは、人類(集団)と、異形の者デビルマン(集団)とが和解する世界である。途方もない望みである。

幸田燃寛がさっさと人類と決別して悪魔のもとへ行ったのは、異形の者である自分にはもう人類との和解はない、と判断したからである。こちらの発想のほうが普通だ。

原作の牧村美樹とcrybabyの牧村美樹は同じように殺されるが、その理由は異なる。原作の牧村美樹は、家族に悪魔がいたから悪魔の仲間とみなされ殺された。それは誤解であり言いがかりである。

だが、crybabyの牧村美樹は、人類と異形の者デビルマンとの和解をストレートに要求した「から」殺されたのである、そこに誤解はない。

牧村美樹の死にも、crybabyではもう一つの意味が加えられる。原作美樹の死は一個人の死だが、crybaby美樹の死はそれだけでない、不動明・牧村美樹・ミーコがそれぞれ和解を求めたことに対する、人類の側の回答。拒絶。これ以上はない拒絶である。

9話を最初視聴したとき最も心に引っかかった最大の疑問は、
「ミーコはその気になれば追ってきた暴徒を全員殺せたのではないか?
そうすれば牧村美樹は死ななかった」ということだ。

幸田デビルマンとミーコデビルマンの戦力は互角、陸上競技場での幸田デビルマンの大虐殺を見れば、あのときやってきた規模の追手なら余裕で全員殺せるはずである。

牧村美樹と和解して人間性を取り戻したミーコはもう人を殺したくなかった、人間でいたいと思ったので殺さなかった、この理屈もわかるのだが、じゃあそれで牧村美樹を死なせていいのか。

「人間でいたい、だから人を殺したくない」
「牧村美樹を助けたい」
二つを天秤にかけて前者を優先できるのか? となるとやはり納得がいなかった。

ミーコが求めたものが和解であるなら、相手が簡単に殺せる相手だとしても皆殺しにはできない。それは和解の可能性をつぶす行為である。

追ってきた暴徒を皆殺しにすれば牧村美樹は救えるが、牧村美樹が主張した人類とデビルマンとの和解の可能性は閉ざされる。何もしなければ自分も牧村美樹も殺される。魂の焦げるような葛藤の果てに「あんたらに問う」以降のセリフが吐かれたと考えると、腑に落ちる。

ほぼ無駄と分かった上で、最悪の結果に向かって歩いていることが分かっていながら、あの場面は苛烈に熱いのである。

投稿 : 2018/02/14
閲覧 : 203
サンキュー:

5

ネタバレ

ペヤン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

久しぶりに泣いた

悲しくて可哀想である意味見ない方が良かった。
序盤はあまり絵は良くないなと思いましたが、中盤から色々考えさせられました。

投稿 : 2018/02/09
閲覧 : 187
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 3.5 作画 : 1.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 1.5 状態:今観てる

監督の自己満と劣化コピー作品

アニメ視聴前に原作を読んでいる者の感想です。
端的に言えば監督の自己満による名作の劣化コピーという印象です。
ストーリーこそ原作のテイストそのままに再現できているものの、終始崩壊している作画、なぜか出てくるラッパーと下手くそな演技、頭お花畑な牧村美樹、英語で話しまくる飛鳥了、不必要なエログロなどなど。監督も強すぎる自己主張が作品を殺していると言わざるを得ません。そういう主張はオリジナル作品でやってほしいですね。
原作を読んだことない人はそれでもこの作品を見て衝撃を受けるでしょう。それはこの作品が優れているからではなく、単純に原作が持っているパワーでしかありません。良いと思ったのは音楽くらいで、それ以外見るべきものはないですね。

投稿 : 2018/02/06
閲覧 : 217
次の30件を表示

DEVILMAN crybaby[デビルマン クライベイビー]のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
DEVILMAN crybaby[デビルマン クライベイビー]のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

DEVILMAN crybaby[デビルマン クライベイビー]のストーリー・あらすじ

永井豪さん漫画家デビュー50周年を記念し、2018年に新作アニメとして蘇る『デビルマン』。タイトルを『DEVILMAN crybaby』とする本作は、「Netflix」にて全世界190カ国に、日本語のほか9ヶ国語の吹き替え版と、25ヶ国語の字幕版で配信される予定です。(Webアニメ『 DEVILMAN crybaby[デビルマン クライベイビー]』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
Webアニメ
放送時期
2018年1月5日
制作会社
サイエンスSARU
主題歌
電気グル―ヴ『MAN HUMAN』≪第9話特別エンディング≫卓球と旅人『今夜だけ』

声優・キャラクター

内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、津田健次郎、木村昴、KEN THE 390、YOUNG DAIS、般若、AFRA

スタッフ

原作:永井豪「デビルマン」、監督:湯浅政明、脚本:大河内一楼、音楽:牛尾憲輔、キャラクターデザイン:倉島亜由美、デビルデザイン:押山清高、ラップ監修:KEN THE 390、色彩設計:橋本賢、美術監督:河野羚、撮影監督:久野利和、編集:齋藤朱里、音響監督:木村絵理子、プロデューサー:新宅洋平/永井一巨、アニメーションプロデューサー:チェ・ウニョン

このアニメの類似作品

この頃(2018年1月5日)の他の作品

ページの先頭へ