エイ8 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
過度なシスコン、世界を滅ぼす
『牙狼〈GARO〉-VANISHING LINE-』(ガロ ヴァニシングライン)は、2017年10月から2018年3月までテレビ東京をはじめとして、TXN各局ほかで放送された連続テレビアニメ作品。
惹句(キャッチコピー)は「それは、過去へと繋がる未来」「約束された未来 終焉のその先へ」。(wikipedia)
GAROと言えば特撮ものというイメージがあったのでアニメといえどもあえて見る必要はないかなと思ってましたが、いやはや食わず嫌いはやっぱりよろしくないですね、とても良くできた作品だと感じました。
2クールものの(特にバトルが絡む)オリジナルアニメはどうしても展開が雑になりがちだと思ってるのですが、本作は特にそういうこともなく最後まで一貫していました。とはいえ割と序盤の方で大きな転換点を迎えたにもかかわらずそれを回収したのが最後の最後という意味では少し展開がゆったりしていたかなと思わなくも無いですが。
元の特撮としてのGAROがどういうシリーズなのかはよく知りませんがそれを踏襲した作風なのかなという感じはしてます。バイクのザルバが喋るとか、なんか特にそんな感じ。
構成としても基本的には一話完結型で「負の感情が凝り固まった「陰我」を抱えた人間」にとりついた「魔獣・ホラー」を「討滅」していく形。大抵はそんな弱みにつけこまれた人間がホラー化し殺されるという流れなわけですが、正直現代社会で負の感情が凝り固まらない幸せな人間なんて逆に少数派過ぎるだろと思わなくもないです。
ともあれそんなホラーを討滅する魔戒騎士の一人にして「ガロ」の称号を持つ最強の黄金騎士こそが主人公ソード。最近(と言っても2018年の作品ですが……)の主人公にしては珍しくゴリマッチョタイプ。女に目がないという意味でもかなり昭和な雰囲気が漂っていると思います。
そして「エルドラド」との謎の言葉を残して失踪した兄を探す孤児のソフィ、その二人が軸となり物語が展開していきます。
作画は安定していますが、くどい絵柄が合うかどうかは判断が別れそうです。ちなみに自分はかなり好きな方です。とにかくわかりやす~いエロ姉さんが多数登場するんですよね。主要キャラクターのジーナはもとよりウェイトレスのお姉さん(何故かそこらじゅうのガソリンスタンドにも同じ顔がいる)が出るたびに自分もソードと一緒にご参拝してました。
というかこれ今wikipedia見て知ったんですけど正しくは「ご参パイ」wで、しかもその発案者がウェイトレスのお姉さん(名前をウェイトレス・チアキというらしい)役のたかはし智秋さんなんですってね。自らセクハラされにいくスタイルには頭が下がりますw
ともかくそんな絵のくどさのお陰もあって逆にソフィはだいぶ幼く見えますが……彼女の13歳設定はともかくとしてジーナもせいぜい23歳の設定らしいんですよね。その割にはちょっと熟れ過ぎてる気もしなくもないですが個人的にはその方が良いです。(尚、ソードの29歳設定はともかくとしてルークの18歳設定はやり過ぎでしょ……)
前述した通り展開自体は一貫してるのですが、細かい設定自体は割と雑だったりします。彼等が探すエルドラドとソフィに何らかの関りがあることを知り「ラッセルシティ」から西に向かうことになるわけですが、途中で魔戒法師と落ち合うために設定された場所がホラーの狩場とか嫌がらせにも程があると思いました。また、そもそもソードらより後発である筈のルークが1イベントこなした後でも尚余裕で追いつくとかちょっと時系列がテキトーです。
一つ気になったのがクイーン姐さんが心酔しているのはソフィの兄マーティン・ヘネスとしてのキングなのか、そっから出てきたフリーザ様の方のキングなのかどっちなのかということです。普通に考えれば(マーティンの陰我を誘い出そうとしていたわけですし)フリーザ様の方なのですが、これがマーティン君の方だったら面白いのになあと感じました。
wikipedia曰く紅蓮ノ月の劇場版『薄墨桜-GARO-』のクロスオーバーCDで少し語っているとのことですが、ちょっと入手するのは難しそう。
というか、マーティンとクイーンは両者ともCV朴璐美で同じなんですよね。これも何か意味ありげですが、ひょっとしたらどこかで伏線を変えていたのかも。
あ、それともう一つ気になったのがソフィのいる孤児院である「カタリナホーム」のシスターが殺された後のアイキャッチから彼女だけ消えたんですよね。これはまあ死んだからそうなったんだろうなと思ってたのにその後ルークの母親アデレード・ハーデンが出てくるんですが彼女はもう遠い昔に故人なわけなのでなんやそれって思いました。
もっともすぐにアイキャッチ全員復活してましたが。
オチが秀逸(感想には個人差があります)だったことも含めて個人的には高評価なんですが、いくつか不満点もあります。
一つは、ソードが危機に遅れて到着することが多く犠牲者が無駄に増えてしまうという点でしょうか。これはもう構成上しょうがないといえばそうなんでしょうが何となくもやもやする点です。
ザルバが復活できた理由もイマイチ釈然としませんでした。まあこれはそもそもがバイクなわけですし修理したら直って当然だろと言われたらそれまでなんですが、この辺はひょっとしたら特撮の方でも一緒なんでしょうかね?
そしてサブタイトル「VANISHING LINE」の意味。結局これ何だったの?
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