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「さよならの朝に約束の花をかざろう(アニメ映画)」

総合得点
89.1
感想・評価
678
棚に入れた
3576
ランキング
92
★★★★★ 4.2 (678)
物語
4.2
作画
4.5
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.1

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さよならの朝に約束の花をかざろうの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

息子を老衰で見送るということ。

詳細は公式サイトでも見てください。

P.A.WORKSの劇場版長編アニメです。
監督に岡田麿里を迎え、公開当時はかなり話題を
呼んだ作品ですね。

さすが劇場版だけあって、圧巻の映像美。
豪華声優陣の中心に据えたのは「多田恋」メイン
ヒロインで現在リメイク版「フルーツバスケット」
のメインヒロインを務める石見舞菜香を抜擢。

で、本編はと言うと、なんというか…
いや、もちろん問題ないのですが、設定を考えると
そりゃ、そういうことになるでしょうねという。
驚くべきことも、予想外なこともなく、しっかり
まとめていた感じでした。
そのぶん、号泣するようなこともなく、やや物足り
なく感じてしまいました。

綺麗な作品だったナーという感想しか出ません
でした。じゃあ何をどうしろということも特に
ないし、ダメな作品では全然ないのですが、
うーん…。

うーん…

投稿 : 2019/04/21
閲覧 : 389
サンキュー:

11

ネタバレ

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

もう少し早く見たら2018年ベスト10に入れたのに

見終わったときに卑怯だっ、と思ってしまった。最後の泣かせる演出で涙ボロボロだよ。
そんなあざとい演出だったとはいえ、この作品の評価が落ちるわけではありません。それまでに綴られた物語が素晴らしく、誰にでもオススメできる、見てよかったと思える、すばらしい作品でした。

あらすじ等はここで書くつもりはありません。主人公マキアとエリアルの親子愛が素晴らしかったです。子持ちの方がどれくらいこの作品を見たのか分かりませんが、マキアとエリアルに恋愛感情はありえません。子供に対する無償の愛情は、本当に子供を持った人ならすんなりわかるものなんですよ。だからこそ最後の別れのシーンが生きてくる。異世界の物語として描かれていますが、ここで描いている親子愛というものは、本当にどこにでもあるもので、だからこそ普遍的で大事なものなんだというのを再認識させられます。
誰しも絆を持って生きています。作品の冒頭で、イオルフ一族は他の世界と交流を持ってはいけないという話があり、ずっと違和感を感じながら見てましたが、作品の最後にはマキアが打ち破ってみせました。それでこそ主人公!
Good Jobでした。

投稿 : 2019/02/09
閲覧 : 362
サンキュー:

17

ネタバレ

キロノ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

子を想うお母さんの気持ちが分かる、切なくも暖かい作品

・異世界でのとある特殊な民族の少女の話。
・母と子のそれぞれの愛のかたちが物語の中心。
・一見、ほのぼのではあるが、一部 戦争が関わっている。
・親子愛で泣ける。
・世界観が、クジラの子は背上に笑う に近く感じた。

投稿 : 2019/02/07
閲覧 : 386
サンキュー:

5

ネタバレ

ジャスティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

あのP.A.WORKさんの劇場版アニメ

●視聴したきっかけ

正直あまりこのアニメに関しては、
一応見ておこうと思ったくらいで、
ここまで評価が高いアニメだとは知らずに視聴を致しました。

視聴方法としては、レンタルDVDで視聴をしました。

●評価するべきポイント

まずは作画面が本当に素晴らしい。
世界感の作りあげるP.Aさんの実績と
実際にこの世界にあるのだと思うぐらいのクオリティは
もうこういう作品から始まっていくのだと。

逆にこの作品に関しては評価するポイントが
ほぼ全てと言っても過言ではないと思います。
2010年代の映画でもトップクラスの出来だと思う。

視聴者が何もない知識ゼロからここまで世界感に
魅力を引き付ける能力とキャラの演出と声優さんの
キャスティングがとてもマッチしており、
世界感ではなく、実際に今このキャラたちが生きている
ように見てる手法の技術点が素晴らしい。


P.A.さんお得意の恋愛というか青春というか
凪のあすから感が凄く出てた作品とも言えました。
雰囲気というかオーラというべきなのか
恐らくは、空の描写が似ていたせいでもあるかもしれない。

どれもこれも素晴らしいので、上げる点としては
作画面やシナリオはP.Aさんらしいストーリー展開で
これは他のアニメーション会社では出来ないことで
あると思う。


●感想

ストーリー ★4.5

ストーリー展開はほぼ完璧です。
アニメの視聴をすると「あのキャラあのままで終わりか」や
「○○って結局死んだの?」や
「○○はそれからどうなったの?」などの
これからキャラたちの今後の展開についてを
最後の演出を含めて全てを教えてくれているのは
意外とこの作品だけなのではないでしょうか?

今回は戦争っぽい描写もありましたが、
素直な気持ち、この戦闘がなくても全然評価は
高く評価をつけていた気がします。

子供の成長物語というのは実際にはなかなか
ないので、凄く新鮮に視聴が出来たようにも感じました。

ただ、少し気になったのは途中から時系列が少し複雑化してきて
大体の時代は把握出来たのですが、戦争をする動機が
しっかりと決まっていた描写が恐らくあったと思うですが、
私が視聴したときは、完全に?状態だったので
最後らへんから急に話が展開されるので
少し話の内容について行けなかったのが苦労しました。

でも、そんなことがあっても全然素晴らしいシナリオだったので
取り敢えず高く評価を致しました。

作画 ★5.0

久しぶりに5.0を付けさせてもらいました。
ほぼ作画崩壊もなく、安定した作画で少しクオリティ高い。

上記でおっしゃたように、
アニメが動いているのは普通ですが、これは
人間が生きている・空が生きているといったほうが
褒め言葉に近いです。

アニメーションから人が生きているようにも
見えたり空の描写は流石すぎました。

P.Aさんやる気がとても作品から伝わり
このアニメを知ったことでますますP.Aさんの作品に
興味が出たきっかけにもなりそうです。

投稿 : 2019/01/21
閲覧 : 395
サンキュー:

22

ネタバレ

BZ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

綺麗で切ない物語

ストーリー、作画、音楽すべてが美しい物語でした。愛の深さ、切なさを感じる名作です。

投稿 : 2018/12/16
閲覧 : 288
サンキュー:

7

ネタバレ

datteba さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

親より先に死ぬのは一番の親不孝とは言うけれど...

最初は、なんだろうこれ異種族の娘と逃避行でもするのかな?と思って見たけど...
長寿の種族の娘が敵から落ち延びる際に親を失った赤ん坊に出くわして拾って育てるお話

血が繋がらなくても手探りで懸命に子供を育てる彼女こそ親と呼ばずして何と呼ぶのか
ほんとに良い作品です。
見終わった後にその場から動けなくなって、彼女が最後に{netabare}老衰で旅立った我が子に、もう泣かないって約束を守れそうもないと泣き出した時は{/netabare}座ってたのに膝から崩れ落ちそうになりました。

すぐさまDVDを注文しましたが、まだもう一度見る気力がありません


そんな感じ

投稿 : 2018/12/05
閲覧 : 293
サンキュー:

5

ネタバレ

順順 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

とても良かった

映像も動きもとても綺麗でした。
最後の方は涙が出そうになりました。

投稿 : 2018/12/03
閲覧 : 277
サンキュー:

4

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

夢物語

長命人種の視点でその”養子“である短命人種の一生を物語るのです。いじめられたり、戦争したり、無理矢理妊娠されられたりするのですが、監督という神のおかげでかなり薄味です。この世界のエグさは言いたいことじゃないのでしょう。多分、ひとりひとりの短命人種(つまり私達)の人生の価値って一本の横糸程度ということなんでしょうか。 様々なばらけた横糸と時という縦糸を織物としてみれるのは、長命人種だけ。そこに言葉ではない情報を読み取れるのも長命人種だけ。視聴者もその視点を少し体験させてもらえるという話です。

(80年代のアメリカSF”ある養女の物語“とかつてのニューミュージックの詩“糸”を思い出して少し胸が痛くなりました。)

投稿 : 2018/11/09
閲覧 : 253
サンキュー:

10

ネタバレ

※アニをた獣医師 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

出会いと別れと愛と… ある女の子が愛を伝えた物語。

脚本家が監督をやる、とか、絵が薄っぺらい、とか様々な意見がいろんなところで出ていますが、自分はこの作品の作画、好きです。
そしてPAWorksはやはりといっていいほど情景がきれいです。pvで美しく描かれています。
過度な期待は、しない方がいいかもしれませんが、こういった世界観を、岡田まりさんがどう描くのか。それが気になります。

観たいという気持ちが高まります!


ヒビオル、それは気持ちを、想いをのせたもの。
マキアはエリアルと出逢い、母親になろうと奮闘していく。だがそれは思ったようにうまくいかず、エリアルも母ではなく女性のように意識してしまう。

マキアの種族は誰かを愛してしまう、そうするといずれ一人になってしまうと伝えられた。

それに向き合っていくお話である。



{netabare}マキアはエリアルを子供のように見てきた。育ててきた。だけどそれは違ったのだ。マキアはエリアルといることで自分のヒビオルを、証を残そうと紡いでいたのだ!
エリアルは最後までマキアに何もいてやれなかったと思っていたが、様々な衝突を通して、繋がったり離れたりすることで、愛を、感情をもらったし与えていたのだ。マキアとレイリアはこれからもどこかで愛を与え続けるだろう。離れていくのは哀しいだけではない、そう教えてくれたのはマキアなのだ。
いつまでも愛を与えていく。そう願い続けて。

個人的にヤバかったシーンはエリアルが、マキアにいかないでくれ!お母さん!というところ。涙。
それでもマキアは進んでいった。

そしてマキアから離れるシーン。

別の意味で凄かったのはレイリアが王子の子供を身ごもったシーン。マジかと思いました。

そしてエリアルがヒビオルにお母さんと書いたもの。あれはマキアの永遠のものでしょう。

{/netabare}


涙流しまくりました。劇場でみて感無量です。母と子だけでなく、それを越えた何かの愛を感じました。


約束の花を飾る。これは何でしょうね。
{netabare}
マキアがこれから紡いでいくものを花に例えたのでしょうか?エリアルがくれた愛、約束。ずっと守ってくれるという。
それが一本の花。いや、もしかしたらエリオルがくれた想いを束ねたものなのかもしれませんね。
{/netabare}

これだけかいても語れないほど密度が濃く、驚く作品でした。戦闘シーンも作画も凄まじかったです。

愛がたくさんつまった作品でした。感動させる目的のものだと泣けないという人もいるでしょうが、自分はそう思っても泣いてしまいましたし、それだけが感動ではないと思います。この作品を見せてもらった喜び。それも一つでしょう。




マキアでした。間違えてはじめはマキナとかいていた
恥ずかしい…この作品にたいして申し訳ない。

それにエリアルです!自分何やってるんでしょう。エリオルと書いていた…


{netabare} 公式の設定資料を見て色々納得するところがありました。マキアはレイリアより確かに幼く少女らしい、かわいらしいといった感じで、レイリアは大人っぽく天真爛漫で美人、時がたち、二人が母となることでそれぞれ色々な意味で大人な感じになっています。マキアはやはり母親であろうとする少女というのがやはりしっくりきますかね? レイリアは誰よりダークドレスが似合う女性となり、母としてというよりは、一人の美しい女性。少しの部分でこれだけ変わるものなのですね。声優さんもさすがの演技でした。
岡田さんの映画、とても良かったです。驚かされたのは心の変化ですかね。エリアルの子供の時の母を守っていきたいという感情が、次第に薄れていっているのか?と一度思わされてしまい、やはりいつまでも母を想っているのか!と。それをマキアとエリアルと比較するように表されている感じがして常にドキドキハラハラ、どうするのが幸せなのかと考えさせられました。

母としてのマキア、それはエリアルのヒビオルが織りなすもの。 {/netabare}


細かいところまでこだわっている感じがし、切なく儚く、それでも無駄だったことはないと思わせてくれる作品でした。




2回目…見ました。愛が犇々と伝わってきました。
親子の愛、母親になろうと決めたマキアの愛。
無償の愛。それ以上のものを与えてくれたであろうマキア。全てはマキアが教えてくれた、それが愛。
一緒に泣くこと、笑うこと、喜ぶこと、悲しむこと。
ずっとずっと一緒にそんなかけがえのないヒビオルが二人の間にはできていた。

投稿 : 2018/11/03
閲覧 : 345
サンキュー:

28

ネタバレ

Hanyaaaan さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

泣かないよ、お母さんだもん

表題の件、ラストの回想シーンを私は通勤中の電車の中で迎えました。私はお母さんではありませんが、おかしい人だと思われないよう涙を必死で堪えていると…。
やっぱりダメでしたw
自分が小さかった頃にお母さんと遊んだ事を思い出して、もし奥さんを看取る事になったら…なんて考えたら、もうムリ。
すごいよね日本のアニメーションは。

投稿 : 2018/11/01
閲覧 : 296
サンキュー:

7

ネタバレ

Gz さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

正直泣けなかった

レンタルしました。初見で泣けなかったので感想ちらちら復習して日を空けて2回目を観ました。
ところどころ感動ポイントは散りばめられていたりして退屈するシーンは少なかった。
マリーらしいあんまり意味を持たないトンデモ展開はあったもののドロドロはしてないのでいつもより癖がない印象。
岡田麿里×篠原俊哉コンビでP.A.WORKSと言えば凪あすを思い浮かべるが私はさよ朝の方が好きでした。マリーの方が監督として有能なのかな??
{netabare} ラストのマキアの回想シーンがとても感動できた。あのシーンがなかったらそんなに評価できなかったかな。 {/netabare}

作画は有名なアニメーターが参加してるだけに素晴らしかった。特に絵コンテは優秀な監督クラスの面子を揃えておりさすがPAWORKS抜かりないなと感じました。
体感ですがかなり一般向けに仕上がった作品だと思うので是非普段アニメあまり観ない一般人におすすめしたい。
個人的にはファンタジーよりリアル寄りのヒューマンドラマを描いてる方がマリーらしくて好みでした。比べるならここさけの方が好き。

映画館で観ていたら1.5倍くらいマシマシで評価上げてたかも。
点数を付けるなら60点くらい。

投稿 : 2018/10/30
閲覧 : 349
サンキュー:

3

ネタバレ

なる さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

歴代No. 1アニメ映画

ここさけ、あのはなの製作陣という事で、劇場へ、足を運んだ。正直なところ、ここさけ、あのはなは、個人的には、普通でした。理由は、
ここさけ→ヒロイン性格わる!笑 主人公なぜ、そっちを選んだんだ⁉︎笑 的な?ところ
あのはな→めんま以外、全員好きになれない。
小さい時から、結局そこまで仲良くない。
と、こんな感じだったんですけど、さよ朝は、
愛ですね!愛が溢れている!とまぁ、ストーリーが大変素晴らしく、全てにおいて最高峰のできでした。キャラクターの、感情描写も繊細で細かく、そこに隠れた愛が感じられる作品でした。

投稿 : 2018/07/21
閲覧 : 362
サンキュー:

10

ネタバレ

yosi さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とても面白い

作画が最高すぎです!
話の内容もとても面白く、ものすごく引き込まれるアニメでした!初めて映画館で見たときものすごく感動しました。最後のあれは反則です><

気になる方は是非見てみてください!

投稿 : 2018/07/08
閲覧 : 225
サンキュー:

7

ネタバレ

kyozi さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

死ぬまでに見とくべきアニメ

{netabare} 後半からうるうるしはじめ最後泣きすぎてコンタクト外れるは大変でしたここまでアニメで泣いたのは初めてですぜひ死ぬ前に見てもらいたい {/netabare}

投稿 : 2018/05/25
閲覧 : 333
サンキュー:

5

ネタバレ

おぬごん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない

人気脚本家・マリーこと岡田麿里の初監督作品
…とはいえこれはマーケティング上のインパクトを意識したものでしょう
マリーは「脚本・演出・製作総指揮」のような立ち位置で、アニメーション部分の指揮は副監督の篠原俊哉をはじめとする錚々たるスタッフ陣が取ったのでしょう
私がアニヲタになってしまう契機となった作品が『true tears』で、その後『とらドラ!』で心を掴まれて以来、私にとってマリーは最も敬愛するアニメスタッフの1人です
とはいえマリー作品全て見てるわけではありませんし(それこそオルフェンズとか)、この映画を見るのも公開から1ヶ月半も後になりましたが…


物語やスタッフや作画演出云々は他の方が言及されていると思うので、私からはいくつか
(と言いつつめっちゃ長くなりましたが;)


私はこの作品「親子もの」「ファンタジー的世界観」という前情報だけで見に行きました
マリーと言えば青春もの、恋愛もの、学校という社会の中から浮いたり弾き出される存在を描く脚本家、というイメージが強かっただけに、これは意外でしたし、かなりの不安要素でもありました
…が、それは杞憂でした
あまり映画館では泣きたくないのですが、泣かされました
エンドロールが終わって館内が明るくなるのがちょっと嫌なくらいに(笑)

私が泣いたのは、物語ラスト、マキアがエリアルの言葉を回想していく場面ですね
ベッタベタな演出ではありましたが、エリアルの言葉が声変わりとともに汚くそっけなくなっていくのを耳にして、自分の反抗期と重なるようで、そしてそれさえも受け入れ包み込む母の偉大さを感じ、涙が溢れてきました
あの頃の自分はどのくらい母に迷惑を掛け、悲しませてきたのだろうか
それさえも「成長」「一人立ち」として受け入れてくれていたのだろうか
マキアとエリアルの「ヒビオル」が凝縮されたあの回想に、自分と母親を重ねずにはいられませんでした
母親の偉大さ、大切さを思い出させてくれただけでも、この作品を見て良かったと心から断言できます


それからこの作品で特徴的な点は、男女の価値観を敢えてステレオタイプに、かつある種本能的に描いている点でしょうか

たとえば女性は家庭を守る存在、男性はコミュニティを守る存在というような、古典的かつ人間本来の男女観、家族観で描かれていたように思います
戦争が描かれるのは絵的な見栄えももちろんですが、ここを描くためですよね
後述する生物としての本能にも繋がりますが、終盤、臨月の妻を置いて(信じて)戦場に向かうエリアルと、戦場を離れその妻の出産を助けるマキアは対照的でした

また恋愛に関する言葉で「女性は『上書き保存』、男性は『名前を付けて保存』」なんてものがありますが、レイリアとクリムの運命についてはまさにそのような男女差が表れていたかと思います
クリムの初恋の人・レイリアへの執着は、醜いながらも共感できるものでした
にしてもマリー、ヤンデレ男子好きだよな…CV梶くんなのもあって『峰不二子という女』を思い出しました

あと、この作品を見ていて思い出した私の母の言葉がありまして
SMAPのらいおんハートの「いつかもし子供が生まれたら 世界で2番目に好きだと話そう」という歌詞に
「これは男目線の歌よね。母さんにとってはあんたらがお腹の中にやってきた時から、世界一はあんたらで、お父さんは2番目3番目になってしまったよ」と言っていたんですよね
マキアもレイリアも、形は違えど子を持ってからは我が子が世界の中心
でも、それがクリムはもちろん、当の子供であるエリアルにさえ理解できない
なぜ母親にとって我が子が世界の中心になるのか、マリーが編み出したその答えは、要約すると
「エリアル(子供)は私のヒビオル(人生そのもの)だったから」
「エリアル(子供)がいたから、私は何かになることができた(アイデンティティが生まれた)
というものでした
実際にはこんな風に単純に言葉に出来る感情ではないと思いますし、逆にもっと単純に本能的なことなのかもしれません
しかしこの言葉は私にとって非常に腑に落ちるもので、過去の母の言葉も理解できたような気がして感動しました

まあね他の男の子供、しかも無理矢理種付けされて生まれた子供を大切に思うレイリアを理解できないクリムの気持ちも凄くよく分かるんですけどねw
雌雄両性がある生き物は、静の卵細胞と動の精細胞の役割分担により生存確率を上げています
それは恐らく両性の性質にも影響を与えていて、オスは自分の遺伝子を積極的に残そうとする謂わば「動の生存本能」を示し、メスは遺伝子を問わず命を繋ぐことを第一とする「静の生存本能」を示します
この両性の本能の差が上手く機能し、子孫が、種が生存していくのではないかと思います
ライオンなどに見られるオスの子殺し、母狼が人間の子を育てたといった逸話は両性の差を端的に表しています
他人の子を認められないクリム、より優秀な子孫を残そうとする王子、他人の子を育てるマキア
戦場で闘い我が国の命を残そうとするエリアルと、他人の命を繋ごうとするマキア
様々な場面、人物に生物が本能的に持つ生存本能の性質が表れていたように思いました


この作品、自分が子であるか、親で「も」あるかで受け取り型が大きく変わる作品だと思います
私の母にもこの作品は見て欲しいですし、私が親になった時に改めてまた見たい作品だと思いました
思えば「凪のあすから」や「オルフェンズ」など、近年は妊娠・出産・親子を描くことも多かったマリー
改めて真正面からこうしたテーマを描いた本作は間違いなく名作でした
マリーすごい!!


~余談~
この作品を見る前、劇場の情報などを調べるために何度かググったんですが、マリー特有の長いタイトルのせいでついぞ正しいタイトルを入力できませんでしたw
検索履歴を見てみると「旅立ちの朝にさよならの花束を贈ろう」とか「約束の朝にさよならの歌を歌おう」とか、雰囲気は合ってるけどだいぶメチャクチャですww
まあ私自身もうろ覚えなのを分かってて敢えて挑戦してるようなところがあったんですが、
こんなうろ覚えタイトルでもGoogle先生はちゃんとトップに本作の公式サイトを出してくれてたんですよねw
Google先生すごい!!(結論)

投稿 : 2018/04/09
閲覧 : 268
サンキュー:

28

ネタバレ

tektek さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

後日談というか今回のオチ

に、すべてがつまった作品でした。岡田監督の作品が大好きですが、途中から早く終わって!と思うほど、キャラの感情が流れ込んできて、見るのが辛くなる作品でもありました。製作陣の作り込みと練り直しの日々が目に浮かびます。大切な人との別れ、人生そのものを綴った物語だけに、深く大切な思い出に繋がり、自分自身を鏡に写された気持ちになりました。視聴者の境遇によって、評価も大きく異なる作品かもしれません。丁寧な伏線の織り方は、クライマックスに向けて、とても深い部分の感情に触れて来ます。最後に一筋涙がこぼれるような、名作でした。ラストシーンでそっとかける織物は、、必見です。

投稿 : 2018/03/30
閲覧 : 186
サンキュー:

5

ネタバレ

こたろう さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

いい映画だった…

長命な種族のイオルフ
人里離れた所で平和に静かに暮らしていたがある日そのイオルフの里が襲われた。

そこからなんとか逃げ出した少女マキアは彷徨う森の中で赤ん坊と出会う。
この赤ん坊は親が賊に襲われ、独り泣いていた。
マキアはこの赤ん坊を拾い上げ育てる決心をする。
初めは独りぼっち同士の同情からかも知れないが次第に母としての自覚と決意が強まるマキア
赤ん坊はエリアルと名付けられ成長していく。
だが母マキアは長寿の一族であるため姿は10代半ばのまま。
成長し年頃になったエリアルはマキアを母と呼べなくなる。

また一方でイオルフの里から連れ去られたレイリアはその長寿の血族を目的に王族の子を宿され、産むがその娘とは隔離され会うことも出来ない。

育ての親のマキアと産みの親のレイリア


子を持つ親なら是非観ていただきたい作品です。
私は嫁に黙って独りで観に行って号泣して帰って来ましたww
今度は嫁と一緒に行きたいですね!

この作品は他とは違うのは寿命の違うが故の時間軸の違いですね。そしてその関係が親子であること。
時間軸というと語弊かもしれませんが…
同じ時を過ごしているわけですからね。
ただエリアルが赤ん坊から成長し大人になって、子を持ち、生涯を終える
母マキアは自分の子供の最期を変わらぬ少女の姿のまま看取る
マキアとエリアルの別れは悲しみだけではない。

…もうね、こんなん絶対泣きます。
映画館でソロで号泣でした。周りはカップル多数。完全アウェーでも涙がとまりませんでした。
完全に不審者です。はい。

素晴らしいのですが欲を言えば壮大なストーリーなんでかなり早足ですのでそこだけが残念。
あと1時間追加してもっと深く描いて欲しい!!


マキア役の石見舞菜香さんはゲーマーズの星乃守千秋役でお気に入りでしたが、見事なハマり役だと思います。
ちょっと幼くて弱々しくて頑張り屋で芯は強い-そんなマキアのイメージに、ピッタリでした。

投稿 : 2018/03/28
閲覧 : 260
サンキュー:

21

ネタバレ

SK-046(しろ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

母親と子ども

この映画は絶対観ると決めていた作品

理由1:岡田麿里さんの初監督作品ということ

「あの花」「ここさけ」「花咲くいろは」「凪のあすから」等、僕のこれまで観てきたお気に入り作品に携わっていたのを知ったからです

理由2:P.A.WORKSさんが制作したこと

僕の一番好きな制作会社です、とにかく作画が素晴らしい


{netabare}長寿の一族 マキアがエリアルと名付けた赤ん坊を育てていくお話し

血が繋がってなくても母として育てる、変わらないものと変わっていくもの、そして悩みや葛藤が時にあっても紡いでいく母子の時間・絆

そして観る前からある程度想定出来ていた、訪れる別れ

最後の方は泣けるシーンが複数ありました

wikiのあらすじを鑑賞後拝見して「数十年後、マキアが老いたエリアルの家に (中略) 彼が赤ちゃんの時に包まれていた布をかける」の文章を観ただけで再度泣けてきました{/netabare}


世界観、背景、表現等どれもとても良かったです

親世代にも薦められますし、万人受けしてもらえる作品かと

泣ける作品、愛情っていいなって改めて思いました


EDの「ウィアートル」の曲調も大好きです

岡田麿里さんを今後も気に留めて応援していきたいです^^

投稿 : 2018/03/27
閲覧 : 275
サンキュー:

22

ネタバレ

curly さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

すげえよマリーは

すばらしい。
岡田麿里さん初監督ということで正直期待半分不安半分で見に行きましたが、想像をはるかに越える面白さでした。
全然情報を仕入れずにいたためか勝手に恋愛ものだと思い込んでいたので、マキアが赤ん坊のエリアルを見つけたシーンで「そっからか!」ってなりましたが、そっち(親子もの)で本当によかった…(恋愛ものをdisっている訳ではないです)
エリアル(とマキア)の成長過程はいくつかのパートに分かれていますが、そのパート1つ1つに無駄がなく、かといって描写不足でもなく、まさに必要十分。カットの仕方もうまく初見でも自然に物語に入って行けました。
そしてそれらがうまく機能しているからこそのあのラストシーン。泣かざるを得ないです。周りの席のオッサンたちも鼻すすりまくりでした。

当然のごとくリピートしたんですが、2回目はさらに楽しめました。
最初のほうでレイリアとクリムが夜イチャイチャしてるシーン、初回は爆発しろとか思ってましたが、展開を知っているとなんとも儚く、そのまま2人でどっか逃げてくれって念じてました…
クリムかわいそう。最後、娘も一緒に助けてやるって言えればなぁ…
マキアとエリアルに関しても、事あるごとにラストを思い浮かべて泣きそうになれます。2時間涙腺が攻撃され続けます。特にあの約束のとことか、エリアルが1人立ちする際にマキアが涙をこらえてるとことかヤバいです。
はい、これは最低でも2回いくべきですね。
2回目だと固有名詞とかもよりスッと入って来ますし、この映画前半の脇役が成長して(あるいは成長せずに)再登場し物語に関わるケースが多いので、そういうキャラの成長前をじっくり見ることもできますし。

とにかく、最高の映画でした。もっと評価されて(売れて)もいい。長文失礼しました。

投稿 : 2018/03/23
閲覧 : 195
サンキュー:

6

ネタバレ

Mikan さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

いつかもう一度見たら違って見えるのかもしれない。

作画も声優も物語も文句なし。キャラの心情もそれぞれが丁寧に描かれているなど、全体的に素晴らしかったです。
ただ、ストーリーのテーマのひとつであると感じた「愛」ということに関しては人の心情が理解し難い点もありました。
でもそれはおそらく自分が「愛」というものにあまり触れていない未熟な人間だから。
私は、自身と親との関係に対する大きな変化をまだ経験していなければ、誰かをまともに好きになったこともありません。
そう考えると人としての重要な部分を担うものを知らない自分の未熟さを知って、少し恥ずかしくなります。
だからいつかそれを知ることができたらもう一度この作品を見てみたいです、そのときにはきっと何か得るものがあるはずですから。

理解しがたいとは言っても感じることができたところももちろんありました。
ここまで育ててくれた親には感謝してもしきれません。
どの辺りを見てそう思ったのかは分かりませんが、見たあとはそういう気持ちでいっぱいになりました。

私はこれから親元を離れて新たな生活を始めますが、この気持ちを忘れずに、いつか「守れる」存在になれたらなと思います。

投稿 : 2018/03/20
閲覧 : 224
サンキュー:

13

ネタバレ

麻婆 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

なんともいえない。

岡田麿里初監督ということで、興味が湧き見に行きました。
尺の関係上仕方のないことかもしれないが、時間のぶっ飛び具合が引っかかり泣くに泣けない所も多々ありました。
最後の畳み掛けまで、見てるのが辛かったです。

それでもP.A.WORKSさんの描く背景は本当に素晴らしかったです。

投稿 : 2018/03/18
閲覧 : 210
サンキュー:

2

ネタバレ

ヤマチャ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

真心の愛、別れ...

気づいたら自然と涙が溢れていました。


胸を締め付けられるような、見ていられないシーンもあったけど、
{netabare} レイリア関連のシーン {/netabare}

見終わってみると、ただただ清々しい。


素晴らしい作品をありがとう。

投稿 : 2018/03/17
閲覧 : 219
サンキュー:

7

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

母親になるとは。永遠をいきるとは。

さよならの朝に約束の花をかざろう

良い映画だと感じた。

永遠の命を持つ一族の女の子が、孤児の男の子を拾い上げ、母になろうと懸命に生きていく。

血の繋がりもなく、同じように歳をとっていけないにもかかわらず男の子を育てる。

孤独が孤独と出会い、子どもが子どもを育てる。

有限の命をどう使うか。孤独という絶望からどう戦うか。人を育てる、育てられるとはどういうことか。なかなか良いテーマだと感じた。

投稿 : 2018/03/11
閲覧 : 206
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

EDクレジット豪華すぎでしょー!

スタッフ
<wikipedhiaより抜粋>
監督・脚本 - 岡田麿里
↑あの花・凪あす・とらドラ・花咲くいろはなどを手掛けた有名脚本家です。感動ものが強いイメージがあります。ヤンデレ男子が好きなんでしょうか良く登場しますね。

副監督 - 篠原俊哉
↑凪あす、RDG、黒執事1期を手掛けた監督です。しっとり雰囲気づくりの良い作品が多いです。

コア・ディレクター - 平松禎史
↑寄生獣・ユーリ!!!onICEではキャラクターデザインを務めています。
アニメーターMADが作られてしまう程、とても有名で上手いアニメーターですが、演出としても活躍されていますね。

演出 -
篠原俊哉、
平松禎史、
長井龍雪、←あの花、ここさけ、とらドラ、オルフェンズを手掛けた監督です。
許琮、
橋本昌和←TARITARI、クレしん劇場版の監督です。真面目な日常系のアニメが多い気がします。

キャラクター原案 - 吉田明彦
↑ニーアオートマタの2Bちゃんデザインの人です。

キャラクターデザイン・総作画監督 - 石井百合子
↑P.A.Worksらしい絵柄といえばこの方。凪のあすから、クロムクロでキャラクターデザインをしています。

メインアニメーター - 井上俊之
↑走ったり転んだりジャンプしたり。そういった動作で非常に目を引き付けられる動きを付けるお方です。カリスマという愛称が相応しいカリスマアニメーターです。


P.A.Worksさんの企画力凄すぎます…
どうやったらこんな一流売れっ子アニメーターを一作品に投入できるんですか…

間違いなく社運を賭けた作品だったと思いますし、実際ハイクオリティです。同時期のアニメ映画なんてなんのその。間違いなく今年を代表するアニメ映画です。
なぜ、君の名は。ほどバズらないんでしょうか。宣伝下手ですか。若者人気のバンドが主題歌を担当していないからですか。
主題歌は良いじゃないですか。こちらだって十分作品の雰囲気を組んでいるんです。これ以上のものはありません。

ストーリーも良かったですね。岡田磨里さん脚本の作品全てが好きな訳でもないのですが、今作は其方も非常に楽しめました。

年を取らない少女が普通の子を育てて一生を見守る中で、楽しいだけでは暮らしていけない母の悩みや、思春期の子供と接する難しさを丁寧に描いていましたし、二人の少女を登場させて、血のつながらない親子・血のつながった親子を対比させていて、テーマ性も見受けられました。

親子の一生に対し、これだけ世界観を膨らませたことも凄いのですが、これだけの物量を一つの映画に纏める構成力は流石は有名脚本家です。
ですが、観ていておや?と思った部分もありました。
上手く纏まってはいるのですが、描かれていない部分にもかなりストーリーがありそうなんですよね。
物量的には4クール全然いけると思います。もうちょっと少女と息子の話が観たかったです。亜人商法も全然アリなんですが、SHIROBAKOも控えたP.A.Worksさんはおそらくやってくれないですよね。
んー、勿体ないです。

投稿 : 2018/03/11
閲覧 : 250
サンキュー:

24

ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

対価代償を求めえぬ、見守りに徹する愛のかたち

公式ホームページより、岡田氏の初めての監督作品ということで関心を持ちましたので鑑賞してきました。

『ここさけ』は観ておりましたので、そこで見られた登場人物の感性や行動意識が、今作ではどのように表現されているのか楽しみでした。

ここからネタバレになるかもしれません。
{netabare}

●紡がれる物語。
{netabare}
舞台は、ファンタジー感がいっぱい詰まった美しい異世界です。
スクリーンから垣間見えるシーンは、微部・細部に至るまでしっかりと構築・表現されています。
感情的にも安心して導入部から自然に入り込める感じです。

主人公の住んでいる世界は、神秘的というより、どちらかというと、情緒感の溢れる女性的なたおやかさに包まれるような感じです。
とっても穏やかで、緩やかで、それでいて安心の気にゆたかに包まれているような世界です。

時間を長く過ごす種族の世界というのは、存外こういうものなのだろうと納得できるような流れがありやかに描かれています。

台詞は少なめで、ちょっと小声なので、それゆえに一言一言を聞き洩らさないように傾聴しました。それも説明臭いようなシーンはなかったです。
とてもナチュラルで、いよいよ物語に吸い込まれていく布石になっています。

それにしても、造形デザインがよく練り込まれています。曲線や色彩、織り上げられた布の動きなどがとっても綺麗で、一つ一つの質感が清らかさにおいて際立って優れています。きっと作画に力があるからでしょう。それがこころよく感性に訴えかけてくるのです。

冒頭の10分間はとても重要なファクターが重ねられている感じがします。ぜひ注意深く観ていただきたく思います。

そのあとの物語はテンポよく回ります。ほどよくリアルな世界観も表現されています。特に難しく考えるところはなかったように思います。

特徴的なのは、マキアや、周りの人たちがいい人ばかりなのです。
あまりにも優しい人たちなものですから、愛の豊かさを感じます。それだけに、マキアの母性本能から生じるいろんな感情が、ときに何の遠慮もなくストンと胸の深い部分に落ちてきてしまいます。それが応えます。震えます。

伏線、とまでは言えないのかもしれませんが、物語の前半部でマキアがみせる言葉や仕草によって、観ている人の感受性や母性のような感情がゆっくりとじんわりと絆され感化されていくので、物語の後半部に移っていくと、とりわけ情愛の深い人は胸の奥底がずしんと楔(くさび)を打ちこまれることになるかもしれません。

それがはっきりと分かるのは、最後の最後です。走馬燈どころではない、ナイアガラの滝のように、怒涛の打ち込みです。涙腺の緩くなっていた私は、完全に崩壊してしまいました。
{/netabare}

●見送る物語。
{netabare}
「逆縁」が初めから設定されてある物語は、とんでもなく儚いし、あまりにも切なく思えます。
時間の流れが違うということは、愛する者の命の移ろいを突き付けられるということ。
それを目の当たりにすることで、知ること、分かることの「残酷さ」があります。

でも、気を付けないと気付かないまま見落としてしまうのですが、「逆縁」だからとか「残酷」だからとか、そういうところからくる儚さや淋しさで流される作品ではないし、だからといって愛のかたちのひとつとして「見守る」ってことを理解できたんだろうか?とやるせない気持ちにもなっていました。(はっきりいって浅い人生しか送っていないような・・。)

避けることのできない出会いに交わってしまったとき、それでも定められた運命を受け入れるためには、どんな智慧を持ち合わせていれば「幸せな気持ちを持ち続けられる」のでしょうか。

ともに同じ時間を過ごし、暮らしを彩り、傍らを通り過ぎていった人たちを、どんなふうに受け止めればいいのでしょうか。
愛する人の語られた言葉の一つ一つを、どんなふうに思い留めればいいのでしょうか。
愛する人の感情や体温や表情を、どんなふうに心に刻めばいいのでしょうか。
愛する人のいた風景と光景を、どんなふうに胸に納めればいいのでしょうか。

そうして、どんな気持ちで見送ればいいのでしょうか。


今、巷では「〇〇ロス」がしばしば話題になっていますが、この作品は否応なくそこに目を向けることになります。
きっと、誰でもが向き合わなければならない、人生最大のストレスになるはずの決定的な要素なのです。

よくよく考えれば、ひとりぼっちが、ひとりぼっちに関わるということは、実は、私たち自身のことでもあるのですね。

私たちは、何も持たずにひとりぼっちで生まれ落ちてきました。
やがて、何も手に持たずにひとりぼっちで、ふたたび別れゆくのです。
それは必ず訪れることはわかっているはずだし、避けられない道理、決まり切った真理なのです。

この作品のマキアやレイリアらが常に心に感じていることは、物語のなかだけに収まることではなくて、私たちの心にとってみても、向き合う定めにある永遠の普遍的な真実なのです。

恐ろしい力を持った「喪失感」に、心が殺されないように、壊されないようにしなければなりません。自分自身が幸せでいられるために、そのためのヒントをこの作品から、感じ取りました。
{/netabare}

●気になったこと、ちょっと分かったこと。
{netabare}
物語の終盤で、マキアとレイリアがドラゴンに乗って故郷に向かって飛び立つシーンがありました。
マキアがエリアルと過ごした場所。レイリアがソドメルに会いたがった場所。そこから離れて、つまり、子どもたちとの離別が表わされるシーンです。
2人の表情、言葉のなかに、先立つだろう?子どもへの愛惜はあっても哀惜は含まれていなかったような気がしました。
愛惜は、母としての感情として理解できました。子どもを愛しく大切に思う気持ちです。強く生きていってほしいと願う気持ちです。
哀惜は、人の死を悼む気持ち(転じて死を迎えるだろう人への悲しみの気持ち)です。子どもたちは先に死んでいくことが分かっているのに、その感情が表現されていなかったような気がするのです。
そこに引っかかったのです。
ラシーヌの言っていた「愛を知れば独りぼっちになる」ということも気になります。

私は「さよ朝」のたくさんのレビューに目を通しながら、自分の咀嚼力のなさ加減に悶々としていたのですが、先日ちょっとした機会を得て少しだけ気づくことがありました。
むしろ、若い世代の方には身近なのでしょうが、坂本九さんの「心の瞳」という曲との出会いでした。そこでやっと少し分かりました。愛を渡すこと、送ることということが。

ラシーヌが話していた独りぼっちというのは、愛した人への執着心なのだと。あまりにも美しいその追憶に、あまりにも切ないその郷愁に、あまりにも楽しいその思い出に、自分自身の心を縛ってしまうことなんだと。
それはラシーヌの言う一つの真理ですが、ラシーヌの心理でもあります。
リーダーとして、マキアに同じ思いをしてほしくないという示唆であり、愛の形のひとつだったのでしょう。

「心の瞳」は坂本九さんが亡くなる直前に吹き込んだ最後の歌です。(坂本九さんは歌手です。「上を向いて歩こう(スキヤキソング)で有名ですね。 1985年8月12日、日本航空123便墜落事故でお亡くなりになったのです。群馬県多野郡上野村高天原山の山中(御巣鷹の尾根)に墜落し、520人の方がお亡くなりになりました。)

若い世代の方は学校で合唱曲として触れているみたいですが、その合唱曲を作られた方(学校の先生でした)は、たまたまこの曲をFMで聴いていたそうです。(この曲は、電波に乗って流れたのは2回しかなかったそうです。)当時なかなか歌ってくれない生徒さんがいらっしゃって悩んでいたところ、この曲なら歌えるかもって思って作られたそうです。

学校という場所は何かにつけ心が揺さぶられる場所です。処世術という智慧を身につける前の純粋無垢な感性をもつ生徒の集合地です。やがて迎える卒業というターニングポイントは、喜怒哀楽の心をそこに残さず、次のステージに向かう大切なタイミングです。「心の瞳」は卒業ソングとして王道にあり、送り出す人、送り出される人の関係性を、温かく、軽やかに、優しい気持ちにさせてくれる名曲として知られています。

それを聴いて、そしてマキアの心情に少しだけ近づけたような気がしました。彼女もまた、自分のいるべき場所、向かうべき場所があり、人間の世界から卒業していくのは自然なことなのだと理解しました。エリアルは結婚し子どももいましたからマキアも育ての母としての責任を果たしたという理解を私はしたのです。

でも、レイリアについては、違和感を持ちました。ソドメルに会いたいと強い執着を持っていたレイリアでしたが、マキアの誘いにのってソドメルと別れることを選んだのです。レイリアは娘とともに暮らせない苛立ちを実感していたから故郷に戻ることを選んだのでしょうか。それとも別の理由があったのでしょうか。私はよくわからなくて、どうしても唐突な別れのような印象をもってしまいました。(どなたか教えてください~。)

マキアとエリアルとの交流の中で生み出された喜怒哀楽のエナジーは、彼の死後、マキアの記憶のなかに別のエナジーに姿を変えて、生き続けていくんだろうなって思いました。彼とのエピソードは美しい文様と煌く彩になって機織られることになり、マキアを慰め、幸せに誘うのかもしれません。
{/netabare}

マキアの生きざまは、私たちの生き方にとても近しい。
私も「一瞬の今を1000秒に生きよう」と思います。確かに生きた証としての文様と彩を機に織り込んで自分なりの布を作っていこうと思います。
岡田氏の意図の糸の端っこを少しは掴めたのかなぁ?
{/netabare}

長文をお読みいただきありがとうございました。
この作品が皆に愛されますように。

投稿 : 2018/03/04
閲覧 : 341
サンキュー:

34

ネタバレ

しゃあろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

賛否が分かれそうな作品

みておもしろくなかった、となる作品ではないとは思うが、ストーリーの中で気になる点は少なくなかった。

母の無償の愛のようなものをテーマに設定されているのか、あまりにもそれに従順に進めていきすぎて変な齟齬や、描かれない大切な場面などがあったように思える。

特にレイシアにまつわるものでは、そういった弊害があったように感じる。例としては、グリムに対して子どもがいるからと王宮からの脱出を断っているにもかかわらず、終盤では割とあっさり子どもに別れを告げていることが挙げられる。(しかもあの場面では、子どもは自殺以外の選択肢がないように感じる)

エリアルが父になるまでの葛藤ももう少しあってもよかったのでは、と感じてしまう。母であるマキアが好きだったが半ば喧嘩別れして、リタと結婚して子どもを授かったら無償の愛パワーでマキアよりリタ達を優先するようになる、というようなうがった捉え方もできてしまう。

子どもへの無償の愛との対比に恋人への愛を引き合いに出すことが逆効果だったように思える。無償の愛を引き立たせるあまり、グリムが闇落ちするのは本来の意図するところではないと思える。

あまりにもレイシア関係がバッドエンドすぎて救いがなかったことに尾を引いてこのような評価になってしまったが、マキア関係では涙が出る場面もあった。作画も非常に凝っており、作品に引き込まれるのは早かった。

投稿 : 2018/03/04
閲覧 : 208
サンキュー:

11

ネタバレ

sherlock さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

別れと孤独を知った母親の強さの秘密…それは子供というヒビオル

※久しぶりにこの気持ちを書き残したくなったので書きます!!

元々は見る予定がありませんでしたが
たまたま時間ができたので一切下調べなしでこの作品を観に行きました
そしてびっくりしました
いや~まさか{netabare}こんなに泣くとは
泣きすぎて頭痛いです{/netabare}

この作品の良さは絵ももちろんだがストーリー設定だと思う
簡単にあらすじを説明すると、
「別れの一族」と呼ばれるイオルフの少女マキアが赤ん坊と出会い
子供の成長と共に時間が流れながら彼女がどう変わっていくかというお話であるが
この作品を通してまず感じたのは

{netabare}『母親の愛情は何物にも代えられない純粋で深いものだという事である』{/netabare}

自分の人生や命を犠牲にしてでも守りたい気持ち…
相手に忌み嫌われても絶対に変わることのない気持ち…
一緒にいるだけで幸せだと感じられる気持ち…
これらの感情が凄く感じられる作品である

そして大事なのは

{netabare}どんなに子供が離れていても母親は子供の事を一番に考えていること{/netabare}

エリアルがマキアを毛嫌いして、距離を置いても
マキアはエリアルのために人生を捧げ、エリアルの幸せを願っていた
エリアルが自分の居場所を見つけ、自立した姿を見た後にマキアが去っていくシーンは
喜びと寂しさが混ざりあい何とも表現し難い感動を抱いた

母親と子供の関係には必ずしも血が繋がっている必要はない…

{netabare}子供と過ごしたかけがえのない時間が母性を育み、
大変な思いをしながら一生懸命育ててくれたことに子供が感謝する{/netabare}
親子にはこの事実だけで充分なのだと改めて感じることができた

さらに、この感動をより強くしてくれたのは
マキアがイオルフという民族だということ
数百年の寿命をもつことで時代に取り残され、
変わりゆくものを見ることがどれだけ孤独で辛いことなのか、
そして周囲の人間の思惑と戦わなければいけないのかを考えさせられた
子供が親よりも先に亡くなってしまうことがどれ程辛い事なのか
親になってみないとわからないがきっと生きる意味を失ってしまうぐらいの喪失感なのだろう

バロウが最後に言った言葉
{netabare}【別れとの出会いを探しに行こうか】{/netabare}

この言葉には出会いがあれば必ず別れがあり、
喜びと哀しみは表裏一体だと教えてくれている気がした

は~い、という事でとても真面目な話になってしまいましたが、
この作品は{netabare}「ラシーヌのお腹の虫がこちょこちょ」としたくなr…じゃなくて笑
{netabare}マキアにとってヒビオルの中心はエリアルで
最後のマキアの「いってらっしゃい」に込められた複雑な想いを是非感じて欲しいので
興味がある方はぜひ一度観てみてはいかがでしょうか(*'▽'){/netabare}{/netabare}

投稿 : 2018/03/02
閲覧 : 208
サンキュー:

11

さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2025/01/30
閲覧 : 8

ネキスト さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2025/01/28
閲覧 : 0

yama1968 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2025/01/26
閲覧 : 0
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さよならの朝に約束の花をかざろうのストーリー・あらすじ

一人ぼっちが 一人ぼっちと出会った

出会いと別れが紡ぐ永遠の一瞬

少女はその時 愛にふれた

『あの花』『ここさけ』の岡田麿里、初監督作品。(アニメ映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2018年2月24日
制作会社
ピーエーワークス
主題歌
rionos『ウィアートル』

声優・キャラクター

石見舞菜香、入野自由、茅野愛衣、梶裕貴、沢城みゆき、細谷佳正、佐藤利奈、日笠陽子、久野美咲、杉田智和、平田広明

スタッフ

キャラクター原案:吉田明彦、監督:岡田麿里、副監督:篠原俊哉、キャラクターデザイン&総作画監督:石井百合子、メインアニメーター:井上俊之、コア・ディレクター:平松禎史、美術監督:東地和生、美術設定&コンセプトデザイン:岡田有章、音楽:川井憲次、音響監督:若林和弘

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