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「終末のイゼッタ(TVアニメ動画)」

総合得点
75.0
感想・評価
799
棚に入れた
3921
ランキング
855
★★★★☆ 3.6 (799)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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終末のイゼッタの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

高品質な20世紀に魔女が現れたら、というIFストーリー

素晴らしい傑作でした。
キャラクターデザインが素晴らしいですが、作画は総じてレベルが高く、怪しい回もアップを多用するなど上手くごまかせていました。

戦闘には迫力があり、単純な面白さも満載でありながら、
内容も20世紀に魔女が現れたら、というIFとしてちゃんと練られていて面白い。

テーマは深く、そして切ない。
華々しく活躍していてもドンドン破滅に向かっているようで目が離せませんでした。
フィーネもイゼッタも本当に魅力的で美しかった。

ゾフィーも悪役でしたが理由は共感できるもので、イゼッタとの対比が際立ちました。
こういう質の高い傑作に出会えるからアニメは止められませんね。

投稿 : 2019/05/12
閲覧 : 401
サンキュー:

6

REI さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

健気なイゼッタ

第二次世界大戦のヨーロッパを模した世界で
世界で最後の一人の魔女が戦争に参戦するアニメです。

王女との関係がとても暖かい友情になっていて私は好きですし
魔法使いでも・・・万能では無いところがこのアニメの見せ場でしょうか

結末は良いか悪いかは個人の好みで別れますかね。私は好きですが
絵は綺麗だと思います。

ミリタリー好き、魔法使い好きは是非

全てのアニメに携わる方々に感謝を!

投稿 : 2019/05/11
閲覧 : 292
サンキュー:

10

ネタバレ

haiga さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ワンクールアニメの極地

今観終わりました~


いや~参った。ちょっとノーマークでした。
めちゃくちゃ面白かったです。私は今度から完結してるアニメで何かオススメない?って言われたら終末のイゼッタを1番に勧めることにします。
1話目から神アニメの雰囲気出しまくってましたが最後まで素晴らしかった。

幼女戦記ならぬ少女戦記ですが、幼女戦記よりも重厚でハードなストーリーです。こんなによく出来たワンクールアニメは初めてでした。素晴らしいお仕事に大拍手です。

簡単に説明。
舞台は第二次世界大戦風の異世界。
小国エイルシュタットに突如侵攻してきた大国ゲルマニア帝国
(はい、またドイツです)
小国のエイルシュタットが生き残るには他国の救援を受けるしかなく、公女フィーネは自らを交渉材料として嫁ぐ事も厭わずに交渉に行きます。

残念ながら交渉は上手く行かず、囚われるフィーネ。ゲルマニア本国へ移送される輸送機に不思議なカプセル状の物も一緒に輸送されている事に気づきます。
突然飛行機のエンジンが止まり落下する中で、カプセルから赤い髪の少女が出てきます。
爆発する輸送機、空中に投げさられるフィーネ。
手を伸ばし救ったのは赤い髪の魔女イゼッタでした。
こうして出会った2人はゲルマニア帝国の侵略に魔法の力で対抗して行くのでした。

もーね、絶望的な状況に1人立ち向かうってシチュエーションがすでに激燃えなんですが、立ち向かうのが赤い髪のめちゃくちゃかわいい少女ってのが堪らないです。オープニング見てもらえば分かりますが、かわいいイゼッタが泥まみれになりながら闘う姿がとにかくかっこいい。

ほうきのかわりに対戦車ライフルに跨り、ファンネルみたいに武器を引き連れて闘う姿がかっこよすぎて鳥肌がたちます。

キャラテザも可愛らしいデザインなんですが、ヘヴィな話になぜかマッチしてとても好みのデザインでした。もう1人のヒロインのフィーネもエイルシュタットを救うためになりふりかまわない姿勢や、時折見せる少女らしい姿が良かったです。

でもなんと言ってもイゼッタのデザインは最高でした。胸が大きいのはナウシカとかを意識されてるのかな?健気で頑張り屋でフィーネの為に働きます。

余談ですが、敵を倒すのに躊躇ったりするのに無駄な尺を使うのを私は嫌いなんですよね。そのために大事な仲間などが犠牲になるのとか耐えられない。
イゼッタは姫とエイルシュタットを守る一心で、一切躊躇わずに力をふるいます。そこがとても良かった。

とても重いお話ですが、最初からワンクールで収める為によく練られたアニメと思います。オープニングが超かっこいいので気になる方はオープニングだけでも視聴して観るか判断されると良いと思います。

投稿 : 2019/05/01
閲覧 : 486
サンキュー:

24

ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ラスボスの特別感が話をダメにしてしまうみたいな。。。

 コンセプト的なものは近代兵器とファンタジー要素の邂逅といった感じで、そういう点では
「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」、「幼女戦記」などと同じ系統の印象。
 一応、舞台は現実にはなかった世界だが、第二次世界大戦(以後WW2と表記)時のヨーロッパに
似ており、「WW2に魔女が登場したら?」というIF的要素が強い。

 前半は本当にワクワクさせられた。
 箒ではなく対戦車ライフルにまたがって空を飛ぶ魔女というイゼッタのビジュアルが目を引くし、
戦車や戦闘機をものともしない活躍振りも気持ちいい。それでも国力の違いのために
エイルシュタット公国の劣勢は変わらず、全体的な雰囲気は暗いんだけど。
 この国力の違いや魔女がレイライン頼りで万能ではないところなどが、魔法無双といった感じに
ならず、それがうまいこと話のバランスを取っていた印象。

 ただ、後半にゲルマニア帝国側もゾフィーという魔女が登場してきて、個人的には残念感が
強かった。
 やはり魔女対魔女になったことで、魔法対近代兵器という要素がぼやけてしまった感が強く、
この辺は天鳥 美馬の登場で甲鉄城対カバネという図式が薄らいだ「甲鉄城のカバネリ」視聴時の
感覚に似ていた。
 自分としては「魔法相手に劣勢だった近代兵器がどう魔女に対抗していくのか?」といった展開を
期待しており、新型機を与えられたバスラーはそういった役回りなのかなと思っていた。新型機でも
ダメなら最終的にはジェット戦闘機(メッサーシュミット Me262的なやつとか)を出してくるとか。
 魔女バトルそのものはそんなに悪いものではなかったが、これだとWW2時のヨーロッパという
舞台設定があまり活かされておらず、別の時代でも異世界でもいいんじゃないかという気が。
 「幼女戦記」も魔導師同士の戦闘があるが、こちらは魔法が全体に認知されて、兵科に
組み入れられている世界なので、またちょっと違うかなと。

 ストーリーのつながりもあまり良いとは言えず、キャラも掘り下げが足りないせいか、単に話を
動かす駒になってしまっている感が。
 そういう意味では勿体ない印象のキャラが多く、アルノルト・ベルクマンはゾフィー登場後は、
なんか持て余していた感が強いし、エイルシュタット公国側だとジークハルト・ミュラーや
エルヴィラ・フリードマン、ゲルマニア帝国側だと前述のバスラー、エリオット辺りは登場時の
印象に較べて、もうちょっと上手い使い方はできなかったのかなと。
 リッケルトやヨナス・ガレアの死に至るまでの展開もあまり効果的とは言い難い感じで、
1クールゆえの障害かなあ。

 ただイゼッタとフィーネの関係性はなかなか良いものがあった。思いの外、百合っぽい雰囲気
だったが、この辺は今風だなという感じ。

2019/04/07

投稿 : 2019/04/07
閲覧 : 330
サンキュー:

5

エヴァ7 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

終わらせ方に疑問

ヨーロッパの世界大戦を魔女というトリガーで上手く表現して序盤は展開も早く、ワクワクして見ていたのですが、魔女同士の戦いになり始めた辺りから、少しつまらない展開になってしまい残念な終盤となってしまいました。
世界観が大きな展開だっただけに、もう少し終わり方を考えて欲しかったと思いました。
しかしそれを差し引いても面白い作品ではありました。

投稿 : 2018/12/07
閲覧 : 420
サンキュー:

5

ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

愛が恐れているのは、愛の破滅よりも、むしろ、愛の変化である。終末に咲き乱れる美しき死生観にこそ我々は魅了されるはずだった。

■Staff
{netabare}監督:藤森雅也(代表作品:トライブクルクル)
脚本・構成:吉野弘幸(代表作品:マクロスF、ソ・ラ・ノ・ヲ・ト、マギ他)
キャラクターデザイン:BUNBUN(原案)、山下祐
アニメ制作:亜細亜堂{/netabare}

■Cast
{netabare}イゼッタ:茜屋日海夏
フィーネ:早見沙織
ビアンカ:内田彩
ロッテ:東山奈央
エルヴィラ:花澤香菜
ジーク:高橋広樹
ハンス:KENN
トビアス:間島淳司
ヘルマン:置鮎龍太郎
ベルクマン:諏訪部順一
リッケルト:花江夏樹
バスラー:細谷佳正
オットー:山寺宏一
他{/netabare}

グロス請のイメージが強い亜細亜堂制作のWW2を背景とした「魔法+ミリタリー+美少女」のオリジナル作品です。

(設定関係)
軍事関係の設定考証は戦車雑誌で有名な月刊PANZERがクレジットされていましたので、まず間違いないでしょう。
本作の軍事設定詳細は下記の雑誌で特集されています。
興味のある方は御覧になるといいでしょう。
なお、同誌の記事はまとめサイトへも転載されているようです。
『PANZER 2016年11月号/PANZER Nov.2016』

12月22日最終稿
12月22日文字数オーバーの為更に6話、7話メモも削除編集
【総評】
{netabare}美学なき物語は道標を失い、WW2の世界観を使い熟すことなく軽薄なストーリーとなった残念作品。期待倒れでした。
※本作は期待が大きかったばかりに、リアルタイムでの感想で長文が多かったゆえレビュー文字数がとうとうオーバーとなりました。
本来は残したいのですが、遺憾ながら個人的に盛り上がっていた6話までの感想を削除いたします。{/netabare}
(1)作画
{netabare}秀逸な3DCGによる、兵器の精密描写と圧倒的な迫力は認めざるを得ません。
しかし、空母ドラッヘンフェルスを2Dとしたことから、3Dとの繋ぎに違和感を感じてしまったことは少々残念です。
それと、ゲール軍の鉄兜シュタールヘルムの作画はいただけません。
側面の折り込みが分からず、ノペーとした感じとなっていることと、光沢感が表現されていない点が残念です、仕上げがべた塗りではいけません。
8、9話で一部、キャラの崩れもありましたけど、難易度が高い戦闘描写の高クオリティを維持していたことは、評価に値しますし、ミリオタ視点からも十二分に納得がいくものです。{/netabare}
(2)声優
{netabare}声優さんは熱演されていました。概ね満足です。
特に、フィーネ役の早見さん、ゾフィー役の雨宮さんの演技は頭一つ突き抜けていました。
しかし、肝心のイゼッタ役の茜屋さんの感情表現には課題が残りました。
イゼッタは設定そのものにも問題があるので、声優さんが役に成りきるに当たり感情移入へのネックとなっていたのかもしれません。{/netabare}
(3)キャラ
{netabare}ここでは、各キャラの私見を交え物語を振り返ります。
各話でも記述をしている通り、主人公イゼッタの設定が致命的にチープなので、評価は辛めになります。
本作はイゼッタとフィーネに共感が出来ないと、物語として楽しむことは出来ません。
私は10話まで終始イゼッタへはイラつきました。
その理由は各話で述べている通りですので、イゼッタについてはここでは省略します。

次に準主役のフィーネです。
大公の崩御で指導者の地位につきましたが、指導者というものは私情より先に国家、国民がが優先されるものです。
しかし、フィーネの公私混同は国家指導者となっても改るところがなく、私が懸念したようにイゼッタとの友情を超越した愛情関係(以後、百合と表記)が本作のストーリーを歪めてしまったと思います。
百合路線で行くのなら、そう割り切ったキャラ設定や現実を揶揄しないようにファンタジックな世界観の設定が必要です。
いくら国名を架空設定としても、ゲールはドイツ、アトランタは米国、ブリタニアは英国、テルミドールはフランスとWW2の当事国であり実在する国家がモデルとなっているのは一目瞭然。
事実として少なく見積もっても全世界で5千万人以上の死傷者を出したWW2のリアル史実を世界観とした場合、巫山戯た百合とフィーネの愛情ゆえにイゼッタの歪んだ大義との取り合わせは、アニメのみならず文芸作品にも精通し目が肥えている層には当然不評乃至顰蹙を買う取り合わせです。
本作の場合、大義を貫く凛とした君主のフィーネを設定し、その姿に魅せられたイゼッタの成長物語と合わせ、祖母の言い付けを破るだけの信念をイゼッタが自らの意思で構築し、自発的にエイルへの愛国心や忠誠心を抱くに至ったのであれば自然なストーリーでした。
または、大公を崩御をさせず、責任の軽い王女のままの方がよりフィーネらしい役所となり、世間知らずの王女の戯言としてなら、多少の百合展開には目を瞑る事も出来ました。
イゼッタの設定と合わせ、フィーネの設定も稚拙であったことが、本作を救いようがないB級アニメにしてしまったことを、監督の藤森氏、脚本構成の吉野は特に反省をして頂きたいと思います。

ゲール側のキャラを必要以上に邪悪に設定したのもいけません。
設定の都合で、邪悪に描くのはゲールの指導者皇帝オットーだけで十分であり、SSを登場させ、そのキャラでもゲールの邪悪さを強調し、他国のキャラは真っ当に描くことで、相対的にゲールへの敵愾心を煽る手法は、ハリウッド製B級映画と同じ手法で感心いたしません。
戦争というものは、開戦動機の如何に関係なく、ゲールに限らずも交戦国全てを狂気にします。

オットーのモデルは紛れもなくヒトラーですけど、それを皇帝としたことで、特に海外ではヴィルヘルム2世とも解釈できる誤ったメッセージにもなっています。
そも、ゲールを帝政設定にした理由は何だったのでしょう?
帝政であれば、近隣諸国の王家には養子や婚姻で血縁親族が必ずいます。
野望だけで他の王制国家への侵略などは起こせません。
WW1までは欧州王室会議が欧州の安全保障に大きな役割を果たしていた歴史を研究すべきですし、ゲールの隣国であり、同じ言語圏(ドイツ語)であり、かつ、王室があるエイルと王室間の繋がりがないとする方が不自然です。
制作側は欧州王室のことを何も理解をしていないようなので、野望を抱いた軍事大国が小国を侵略する程度の稚拙さで、本作のような設定を考えたのでしょうけれど、その図式を成立させるのであれば、ゲールは11月革命を経た後の共和国として設定し、史実の通りオットーはVerfassung(全権委任法体制)を達成した擬似皇帝"Führer"とすべきです。

さて、ゲール側の人物描写ですが、不足や矛盾はありますけれど、ベルクマン、リッケルト、バスラーを掘り下げていたことは評価いたします。

リッケルトは貴族の家庭でなに不自由なく素直に育てられた国家エリートであり、ウブで女(の恐ろしさ)もよく知らない真面目な人物であり、本来汚れ役の特務に向いている資質ではないでしょう。
貴族の威光に依らず、自らの実力で国家に貢献すべく志願してエールに潜伏した折、あろうことか、エールの近衛指揮官ビアンカに一目惚れをしてしまいました。
この安直な設定を批判する向きもありますけど、私はビアンカとの恋は、無自覚で意図しないハニートラップだったのかとも思い、自分を納得させて、このエピソードを流しました。
総じてサブキャラの掘り下げが少ない中で、リッケルトとビビンカ双方を描きキャラを立てたこのエピソードに一定の評価をします。

最終回でバスラーがベルクマンの言い分に対し怒りに任せてワルサーの引き鉄を引きましたけど、バスラーはベルクマンの自己中心主義をどう思ったのでしょうね。
情けなくなってトドメを刺さなかったというところでしょうか。
戦局が極度に悪化したなか、バスラーがBf109で飛び立つシーンがありますけど、超展開戦史でV1、V2まで登場したのですから、ミリオタサービスも込めてMe262で彼に花を持たせても良かったのではないでしょうか。

ベルクマンに関しては「最終回」メモに記述をいたしましたので省略します。

エイルの近衛兵であるビアンカ、ルイーゼ、アデーレ、クリスタですけど、近衛部隊が全て女性編成というのは非現実的であり、かつ、この中でキャラが立ったのは、リッケルトととの束の間の恋と悲劇的な結末を描いたビアンカ程度で、他のキャラは百合要員にしか思えないような過大設定です。
近衛という大風呂敷よりも、シークレットサービスや、SPのようなフィーネの護衛官程度で設定べきだったでしょう。
それであれば、女性だけの設定でも不自然ではありません。

エルヴィラ・フリードマンですけど、折角花澤さんを起用しながら後半は殆ど空気となっていました。
フィーネが指導者としての自覚が足りない部分をエルヴィラがフォローするなり、フィーネが国政を顧みず百合を満喫できる為の環境要員として、活用すべきだったと思います。

ジークハルト・ミュラー、白き魔女ゾフィーを死に追いやった家系の末裔。
最後はイゼッタの秘密を守る為に射殺した自国の兵士ヨナスと出合い頭のゲール兵が脳裏で重なり、油断した隙に射殺されますけど、ゾフィーに対して責任を取ったとも思えます。
国に殉じた彼の最後と国を裏切りなお生き延びているベルクマンの運命と対照的で、好印象を抱いたキャラの一人です。{/netabare}
(4)音楽
OP曲『cross the line』、ED曲『光ある場所へ』とも良曲です。
私事ですけどDLします。
{netabare}『エイルシュタット国歌』は疑問ですけど、『魔笛』他劇中曲はハイセンスです。
しかし、曲のセンスに物語が追いついていないのが残念です。
でき得れば『ゲール国歌』を原曲『皇帝讃歌』(ハイドン作曲)で聴きたかったものです。{/netabare}
(5)物語
{netabare}「終末」には様々な意味、解釈があるようですけど、本作の舞台ドイツ語圏から考えると、とってつけたようなこじつけかもしれません。
ストーリーから考えて素直にドイツ語タイトルの「最後の魔女イゼッタ」が本作のタイトルとして相応しかったと思います。
内容ですけど、百合と魔法と戦争群像の三兎を追った結果、物語の焦点がばらけて全てが中途半端に終わった感は否めません。
戦略でもそうですけど、焦点の拡散は各個撃破され敗北の道を歩みます。
妙に現実的な設定と百合を含めたファンタジーの接合が悪く、現実とファンタジーの振幅の激しさに多くの視聴者がついて行けなかったという印象です。
視聴者は雑多な福袋よりも一点豪華を求める傾向にありますので、このシナリオの失敗は如何ともしがたいでしょう。
また、1クールの尺であれば、WW2ではなく架空の地域紛争程度のコンパクトな世界観にするべきだったのではと思います。
なお、制作スタッフ(主として監督、脚本、設定制作)は当時の政治や世相の深淵を咀嚼せず、戦史中心でストーリーの時系列を組み立てています。
したがって、本作からは政治的なメッセージは得られません。
本作の詳細な問題点は各話メモに記述をしていますので、ここでは俯瞰的な意見のみとします。

物語本筋だけでしたら「2」が最大限の評価ですけど、本作は本筋以外に圧巻な3DCG戦闘シーンなど傍系の見所がありますので、下記のように項目を細分して評価をしています。
《物語評価の内訳》
・軍事考証4.5(史実に対し、兵器、軍装、軍事付属物のレイアウト設計、描写など主としてハード部分)
・戦史考証3.5(史実に対し、作戦のフローチャート、作戦の時系列的整合性、作戦の背景など主としてソフト部分)
・政治考証1.5(史実に対し、軍事作戦以外の政治、外交、インテリジェンスの設定など)
・物語の基軸2.0(物語独自の設定における脚本・シリーズ構成)
・演出、効果4.0
・Ave.3.1≒3.0{/netabare}
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【考察】「ドイツの核兵器について」
もう、本作のレビューを書く機会はありませんので、各話メモで未稿でした「ドイツの核兵器について」に触れたいと思います。※長文なので畳みます。
{netabare}現在、先端科学の中心地は米国ですけど、戦前、先端科学の中心はドイツでした。
これは、自然科学部門のノーベル賞受賞者を御覧頂いても、お分かりを頂けるかと思います。
ドイツの科学研究は19世紀後半に設立された「帝国物理工学研究所」から「カイザー・ヴィルヘルム研究所」、現在は「マックス・プランク物理学研究所」(現在は研究項目ごとに分立している)と変遷をしていますけど、国家を挙げて科学技術の育成に取り組んできた古い歴史があります。
なお、我が国の「理化学研究所(理研)」と「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の設立はほぼ同時期で、後身の「マックス・プランク研究所」と研究連携協定を結んでいます。
特に、戦前期の「カイザー・ヴィルヘルム物理学研究所」の所長にはM.スブランク(前期量子論の父)、A.アインシュタイン(相対論)、F.ハーバー(毒ガス化学兵器の父)、W.ハイゼンベルク(量子力学)など全てノーベル賞受賞者である、そうそうたるメンバーが就任しており、量子論を確立したN.ボーアなどドイツ人外の欧米の一流科学者の多くが本研究所で研究に携わるなど、世界最高の研究機関でした。
当時、戦前ドイツの科学技術はナチス時代で突然開花したものではなく、19世紀から国家を挙げて積み上げてきた成果です。

さて、ドイツにおいて核兵器の開発はどういう状況だったのでしょうか。
まず、核兵器には核分裂エネルギーを利用した「原子爆弾」(*1)と、熱核反応エネルギーを利用した「水素爆弾」(*2)があります。
※1核爆発の爆風には「マッハステム衝撃波」という特性があるが、これは原爆の放射熱で周囲の空気がプラズマ化し生じるもの。
『オカルティックナイン』11話でアヴェリーヌ(稜歌)は電磁波を用いたプラズマ爆発によるマッハステムを暗示しているものと思われる。
※2中性子爆弾は水爆に含まれる。
核分裂エネルギーを効率よく取り出す為には「連鎖核分裂反応」を生じさせる技術が必要です。
「連鎖核分裂」は「原発」でも用いられており、ゆっくりと反応させる制御をしているのが「原発」、制御せず一気に連鎖核分裂をさせるのが「原爆」です。
「核分裂」により、膨大なエネルギーが放出されることは「特殊相対論」で既に示されております。
世界初の核分裂実験は「カイザー・ヴィルヘルム研究所」でO.ハーンにより濃縮ウランを用いて成功しました。
(原爆に必要な「連鎖核分裂反応」は後のマンハッタン計画で成功します。)
O.ハーンによる実験成功の事実が、「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の実力を知り尽くしているアインシュタイン他米国亡命科学者の顎を外したのは、理学者の立場では容易に想像できますし、ナチスによる原爆開発の現実的な脅威と危機感から、ルーズベルトへの原爆開発の提言へと繋がります。
実際、アインシュタイン達の懸念通りドイツにおける核兵器開発は1939年「カイザー・ヴィルヘルム研究所」が中心となって開発に着手、プロジェクトのリーダーは戦中の所長であったハイゼンベルクが就任し、ハイゼンベルクはヒトラーの腹心で後の軍需大臣となるシュペーアに条件が整えば2年以内に兵器化可能と回答します。
しかし、種々陰謀論めいた怪しげな話も存在しますけど、技術的な可能性はあったものの、結果的には以下の理由で完成には至っていません。

1.ユダヤ人の大量追放と科学者の戦時召集で原爆開発に必要な科学者が手薄であったことから計画に遅延が生じた。

2.原爆開発方針を巡り、高濃縮ウランか天然ウランかで意見が割れ、結局、膨大なエネルギーを消費するU235の純度を高める高濃縮は取りやめ、ハイゼンベルクの重水炉案に則り天然ウランを用いることとなり、その為にドイツ国内では製造をされていない重水の確保が急務になった。
しかし、当のハイゼンベルクはこの決定で、兵器化にはウラン濃縮が必要で、重水炉は発電施設として考案したものであり、天然ウランでは小型化し、兵器としての原爆の実用化は困難と判断している。
※重水炉と旧共産圏で使用された黒鉛炉の燃料は天然ウランをそのまま用い、現代の原発の主流である軽水炉は高濃縮ウランを用いる。
なお、当時、高濃縮ウランの製造には膨大なコストがかかることを考えれば、天然ウランの使用もあながち非現実的とは言えない。
※天然ウランの成分の殆どは核分裂を起こさないU238で、核分裂を起こす同位体U235は天然ウランの中に僅か0.7%程度しか存在しない。
また、当時、天然ウランから核分裂物質のU235を抽出する最も効率が良い方法はサイクロトロン技術を応用したローレンツ力を利用する「電磁濃縮法(Y12P)」、ついで手間がかかる「ガス拡散法(K25P)」が主流だったがどちらも膨大な電力消費が課題であった。
マンハッタン計画ではウラン濃縮の為に専用発電所まで建設をしており、潤沢な資金に恵まれた米国以外は選択出来ない方式だろう。
我が国では、理研が「ガス拡散法」、京大が「遠心分離法」でウランの濃縮を試みているが成果が出る前に終戦となる。

3.英国でもドイツの核開発を知るところとなり、原爆の研究に着手をしているが、ドイツが重水を求める理由に二通りの解釈を持っていた。
※原爆の性能向上(小型化)と水爆の可能性
どちらも英国にとっては破滅的な脅威であり、重水製造プラントがあったノルウェーの工場を攻撃し、更に重水を積んだ運搬船を攻撃して沈めドイツ核開発の息の根を止めている。
なお、重水プラントの確保はドイツがノルウェーを占領した大きな理由でもある。

4.ヒトラーは原子物理学をユダヤの科学として忌避しており、原爆開発へは予算や人員などの政治的な支援が行われなかったこと。
結局、軍需大臣シュペーアは1944年2月、原爆は本戦争には間に合わないと判断し正式に開発を中止する。

5.ヒトラー、シュペーアの会談録でヒトラーは核開発について、ハイゼンベルクチーム以外にも研究を指示していると述べている。
これは国防軍のE.シューマングチームのことであるが、この詳細はシュペアーやハイゼンベルクにも知らされていなかった。
E.シューマングの研究については現在もなお不明な点が多く、物証もなく陰謀論的な憶測も多いが、特に以下の二点が注目されている。
★広島に投下された原爆と同様「ガンバレル型起爆装置の開発」
(マンハッタン計画では現代の原爆に採用されているプルトニウム爆縮型起爆装置の開発が主軸であり、世界初の原爆実験も爆縮型で、ガンバレル型起爆装置について米国は一切非公表としている。)
★重水素を用いた水爆理論構築。ただし、水爆を起爆する為には原爆級の膨大なエネルギーが必要であり、原爆の開発を断念したドイツでの完成は不可能。
なお、戦争末期、我が国に向かって出航した潜水艦U-234号は、ウラン鉱石の他「ガンバレル型起爆装置」の設計図も搭載されていたとする証言もあるが証拠はない。
なお、U-234号は大西洋上で米海軍に降伏したが、その際乗艦していた日本海軍士官2名は自決している。{/netabare}
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※第1話から第7話までのメモは文字数制限の為削除。

第8話メモ
{netabare}各論
今回は軍事考証の必要はないので物語のみ。
吉野氏はソラノオト気分で脚本を書いているのか、戦時と平日の区別すらついていないようだ。
それにしても、戦時下の防諜対策とはどういうものかがマトモに考証がなされていない酷い回だなコリャ。
古城→重要機密施設の警備体制にしては甘過ぎるし、近衛兵が女性だけという設定も含めて非現実的。
非現実的に加え、ゲールの特務リッケルトをビアンカ達が偶然に拾い、伏線なしで痴情展開を設定してカタルシスを押しつけるご都合主義にはいい加減辟易する。

まぁ現実と非現実のギャップはあってもいいが、その折り合いのつけ方が子供騙しで既に物語のチープ化は避けられない状況と思う。
この物語の課題点は5話、6話でも散々指摘をしたし、改善の意欲も感じられないので言葉を費やすだけ無駄だろう。

アトランタが都度登場しているが、この国が欧州情勢に関与する動機が描かれていないのは致命的なミスだ。
つまり、アトランタがゲールとエイル両国を排除する「国益」は脅威の排除などという上辺なものではないだろうし、また、その程度で軍を動員出来るほど史実の米国事情は単純ではない。

米国の正義は常に攻撃された被害者の事実から始まるのがお約束。
現に史実では被害者になるように我が国だけではなく、ドイツに対しても策謀していただろう。
なぜ、そうまでして欧州情勢に介入したいのか。
史実を追い、アトランタのドロドロとした野心を見せないと視聴者をジンテーゼに誘導出来ないだろう。
ストーリー構成に参加している戦争屋にとって史実の米英同盟関係は空気のように感じているのか、設定そのものすら考えていないかもだな。

ドイツのポーランド侵攻から大西洋憲章締結に至るまでの両国の外交史を全く調べていないのが見え透いているし、戦史には詳しくても背景の歴史に音痴だと本作のように薄っぺらい脚本になる。{/netabare}

第9話、第10話一括メモ
諸般の都合により第9話のレビュー時期を逃したので一括します。
{netabare}しかし、この作品のレビュー少々書き難くなった。
{netabare}理由は余りの物語の陳腐さに我慢しきれず7話視聴後に制作会社ヘメールを入れた訳です。
他にも似たような意見があったのか、誠意のある回答を頂いた。
端的に言えば「まあ観ていて下さい。期待は裏切りません。」とのこと。
なお、今後のネタバレについては一切返信には含まれていない。{/netabare}
いや、確かに9話でマトモな流れになったが、尺も詰まった段階では少々遅きに逸した感もする。

さて、本作を視聴して戦争を感じさせないとの意見もあるようだが、想像力を欠いているのではないか?
本作を好む層は概ね実写戦争映画や実戦記録フィルムを鑑賞している層も多いと思う。
イゼッタやゾフィーのチート能力で多くのゲール兵やロンデリアン(ロンドン)市民が死んでいることを黙殺出来るとは、平和ボケな我が国の一端を窺わせ、とても憂鬱な気分だ。
一度、実戦の記録フィルムでも鑑賞してみたらよかろう。

本作では『魔法少女育成計画』のように生々しく凄惨な殺人描写がされていないだけで、実質的に多くの戦死者が出ているし、実写記録フィルムと重ね合わせれば死者累々の悲惨な状況は想像出来る。
東京空襲やサイパン、硫黄島、沖縄の玉砕戦、ドレスデンやロンドン空襲などの実写記録フィルムをしっかり鑑賞するのがよかろうが、グロいから見たくないとか言いそうだな。
しかし、それが戦争というものの現実なのだ。

戦争に対して背を向けてきた教育の歪みも問題だが、死体が少ない戦争アニメだから見易いなどと宣えているから、今般、尖閣のみならず、九州でも我が国の領海に堂々と浸入してくるシナの脅威など微塵とも感じない有難い感覚なのだろう。
シナ空軍の挑発で沖縄上空のスクランブルも異常事態だし、命を削りながらも国防に勤しみ我が国の平和を守っている自衛官諸氏の苦労を少しは考えてみたことがあるのだろうか。

某フィギュアアニメを無条件で讃えている層にも言えることだが、戦争が身近に来ているかもしれない現実は逃避して、戦争の悲惨さを感じさでないと本作を讃えながら、シナの良いように国土を蹂躙されてから後悔をしても遅いのだがな。

ガルパンオヤジの怒りはこの程度にして、物語はどうなのかに移ろう。
8話でその存在を暗に知らしめる伏線の通り、9話で白き魔女のクローンゾフィーが登場し、イゼッタに対し圧倒的な力量差で打ち負かす。
この種はイゼッタが魔力を地理的条件に依存していることに対し、ゾフィーは魔石を利用して地理的条件に左右されず魔力を発揮出来る設定だ。

この設定は上手く考えたと思うが、ゾフィーの存在を匂わせたり、古城への浸入目的が魔石の取得であったのも今後に向けての伏線で必要な尺だったのだな。

あと、ゾフィーがクローン技術で生まれた設定に対する批判もあるようだが、遺伝子操作によるクローン技術の思想的な始点はナチスの優生学からであり、実際に「レーベンスボルン」という交配で人為的に優れたヒトを作る実験が行われている。
ユダヤ人絶滅収容所ではその為の基地外じみた実験に囚人が利用されてもおり、その意味では可能性の範囲で荒唐無稽な設定ではないと言える。

次に、10話で登場したV1であるが、これは時系列的に無理があるだろう。
寧ろV2の方が現実的だ。
なぜならば、V2の原型であるA型ミサイルは1940年には既に発射実験が行われている。
フォンブラウンで調べてみるといいだろう。
対し、パルスジェット搭載のV1の開発はバトルオブブリテンの終了後であり、今回の設定はどう考えても可笑しいだろうな。

まぁ戦史を完全に無視をしているのなら、大戦初期でタイガーやパンサー、Me262を登場させてもいい訳だが、大戦初期の定石通りに3号、4号戦車、Bf109を登場させているし、また、本作が戦史準拠である事はPANZER誌でも述べられている。

しかし、設定に細かくイチャモンをつけても「魔女」の設定が荒唐無稽なので目を瞑っているのも必要か。
それでも、あまり無茶な設定をすると全てで陳腐になるので、止めた方がいいのだがな。

8話でも記述したが、アトランタ(米国)がたかが一駐ブリタニア大使の一言で軍の動員を図ったとするのはご都合主義もいいところだ。
アトランタは現実に攻撃されないと軍は動員しないし、ゲールのような独裁国家とは違い、この国は動員が正義となる確固たる理由が必要な国だからな。
でも今回ゲールがロンデニオン攻撃に踏み切ったことで、アトランタ軍動員の正当化を図るのだろうな。
史実では、ロンドン空襲時点でも米国は対独戦線布告はしていないのだけど。

10話の作画だが、2Dの爆発シーン、MS406の墜落爆発シーン、MS406vsBf109の3D空戦シーンは圧巻だった。
航空機と戦車、火砲の作画(3D含む)はパーフェクトなのに、空母の作画に課題を残したのは惜しまれる。

また、捕られたイゼッタ救出の為に、エイルの陸軍部隊と近衛が突撃の準備をしているところ、絶対装備数が少ないMS406が地上部隊との連絡もなく唐突に出現したのは、よくあるご都合主義に思える。

シナリオに厚みを加えるなら、突撃→撃退後退→空軍支援→再突撃の尺を取るべきだろう。
特に名機関銃MG34(WW2最高傑作機関銃MG42の前モデル)の連射で、エイル兵がなぎ倒されるシーンが見たかったが。
この、イゼッタ救出は重大局面で見せ場なのだから、もっと救出に苦労をするよう工夫をするべきだった。

陳腐な設定を残したまま、物語は進んだが、もう本作では誰もハッピーエンドは期待していないだろうし、バッドエンドをどのように迎えるのか焦点はそこだろう。
10話でも十二分に分かることだが、ゲールは帝政に置き換えたナチスそのものだ。
皇帝オットーはヒトラーの置き換えと見た方がいいな。

海外評価サイトでは現実の国家にするべきだとの意見もあったが、もろにヒトラーを出すといろいろと面倒臭いことになるし、この設定は仕方がないだろう。
それと、何故か10話では不可侵条約を反故にし史実通りヴォルガ連邦(ソ連)侵攻を目論んでいるが、局面はヴォルガ連邦との戦いで何か変化があるのかな。
ゲールはゾフィーを使いこなせるのか?不安な一面を見せる描写もあったが、史実通りの予定調和やオレタタ終了は避けて欲しい。{/netabare}
もうクールも残り少ないし、11話は相当詰め込んでくるだろうな。

第11話メモ
{netabare}うーん、どこまでも御都合主義で物語を進めるのかな。
しかし、親衛隊(SS)を登場させてゲールの邪悪なイメージを増幅させ、相対的にエイルへの同情を誘う演出は稚拙過ぎる。

10話で伏線が張られたベルクマンの失脚の理由も暗喩を含めて説明不足である。
一般に重大な国家機密を握っている人物を何かの理由でパージするのなら、国内に軟禁して行動の自由を制限するのではなかろうか?
したがって、寝返る必然性を含めて今話の展開は首を傾げたくなる内容だし、更に輪をかけて核兵器もどきとV2のセットか…

ベルクマンが寝返るにしても、これだけの超兵器を取引に使えば、エイルを降伏させる流れの方が自然だろうな。エイルから情報に見合う膨大な金と身の安全の絶対的な保証でも取らぬ限り。
常識で考えれば裏切り者は裏切った国のみならず、国を売った事実だけで保護国でも信用はされない。
場合によっては保護国側が取引の材料に使うだろうけど、安直に信用して行動の自由を許すなどエイルは子供が運営している国なのか?
ベルクマンをゲールに手渡してはならないだろう。

魔石の持つ裏の現実を突きつけてもイゼッタには全く感情移入をしない。
寧ろ、フェーネの危機に都合良く間に合わせる御都合主義には辟易してきた。
本作のキャラの誰にも感情移入が起こらないのは、ゴルゴ13ほどのシビアさは求めないが、現実とファンタジーの接合が悪い上に振幅が激しいことと、間の悪い百合描写と御都合主義の展開が余りにも多いことに尽きるな。
国家の命運を背負った会議に向かうシーンが、フィーネの緊張感ではなく百合なら誰でも呆れるぞ。

もう、子供なら喜びそうな話にまで劣化してしまったな。

イゼッタの出撃シーンは特攻に飛び立つような雰囲気だが、緊張感も悲壮感も中途半端で全く共感しないな。
イゼッタへ感情移入が起こらないのはストーリーの拙劣さもだが、茜屋さんの演技力にも問題がある。

イゼッタのおっぱいアップのカットはサービスとして捉えておこう。{/netabare}

【最終回】
{netabare}結論から述べる。
最終回も残念賞。
粗を探せば多々あるが、しかし、広げた風呂敷の回収はしっかり成就させている点は認める。
そこに至るプロセスや、設定の甘さは除き、イゼッタは平和への対価としての犠牲とさせたが、あくまで救われない形で幕を引くということは、イゼッタの死か消滅であることを意味する。
戦争という苛酷な現実を世界観に設定したのであれば、一つの使命を果たしたイゼッタの殉死こそ世界観に見合った彼女の最後だろう。
ゲールという国家の滅亡とイゼッタの命の取り引きで物語は醍醐味あるバランスは取れるのだけれど、脚本は本質的に履き違えてしまったようだ。
2期を考慮していないのだから、視聴者に平和の使者イゼッタを印象づける意味でもバッドエンドにすべきだった。

幕引きに至るまでについては、以下の各論でこの作品の課題点を指摘する。

(アトランタについての軍事考証)
アトランタにとってはゾフィーもイゼッタも「戦略兵器」として捉えていた脚本は評価するが、派兵(動員)に関してはモデルとした戦前の米国の政治、とりわけモンロー主義をもっと研究するべきだ。
アトランタを物語の正面へ出す場合、ゲールの潜在的脅威のみならず、具体的な脅威がアトランタにあった事実を描写すべきだろう。
史実のWW2では我が国の真珠湾奇襲後にドイツは米国へ宣戦布告をしている。
つまり、民意が国家運営の土台である米国は、仕掛けられない限りは兵を動かせない、厳密に言えば(当時は)海外派兵のような大規模な陸軍の編成は戦時状態が生じた上での戦時動員が必要な国である。
国家の成立上、地方自治が高度に発達している米国における陸軍の平時編成は州知事に統帥権がある現役州兵が主体であり、ベトナム戦争以前までは、平時における州兵の動員は治安維持等法律の緊急限定事項を除き大統領統帥の範囲外にある。
州兵、予備役の動員は戦時状態が必要十分条件であり、大統領統帥権に基づく戦時動員をする為には「攻撃された」という既成事実と大統領判断のみならず、戦時状態(宣戦布告を含め能動であっても受動であっても)の議会承認が不可欠なのだ。
つまり、当時の米国のシステムでは戦時状態を認識し、陸軍の戦時動員を完成するには1年近くかかるはずだし、動員編成に関しては軍事マニアの基本的な常識。
余談だが、太平洋戦争においてガダルカナルから反攻を開始し、太平洋戦線で終始戦闘を繰り広げたのは海兵隊である。
現在は第4軍として独立した地位にある海兵隊だが、当時の海兵隊は海軍の指揮下にあり、海軍は陸軍とは異なり平時から大統領の統帥下にある。
海兵隊は有事発生の際に速やかに編成動員可能なメリットがあるが、戦術使用は可能でも一国家を軍事的に降伏させるのには戦力不足であり、戦争終盤では陸軍の役割となる。
太平洋戦争も終盤の海軍主導の中部太平洋戦線の硫黄島、沖縄では米陸軍も戦闘に参加しており、陸軍のマッカーサーが率いる南太平洋戦線が膠着気味であったのは、動員編成が複雑な陸軍の特殊性によるものだ。

ノルマンディーにしても、あれだけの大部隊を編成する為に宣戦布告から2年半近くの準備期間を要している。
本作では大使の進言から数ヶ月でブリタニアに派兵をしているが、アトランタの政治システムや軍事常識外の陳腐な設定であったことが窺い知れよう。
各国の政治や、陸軍の性質をもっと研究した脚本でなければダメだな。
特に米国は正当な理由に基づく徴兵拒否を認めている国でもあり、戦前の我が国のように赤紙1枚で簡単に頭数を揃えられない複雑な事情もある。
完全志願制の我が国自衛隊の悩みは予備役の不足であるが、いざ戦争となれば現役の員数ではなく、予備役や後備役の動員がどれだけ可能かで、その国の軍事力が決まる。

登場国家こそパロディではあるが、史的事実関係に沿った脚本を評価していた折に、アトランタ参戦プロセスの端折り方は軍事設定において致命的とも言えるミス。
WW1のように、ゲールのUボートがアトランタの民間船舶を攻撃したシーンでも挿入しておけば、アトランタの派兵には現実味が帯びたのだが、残念だ。

(ベルクマンに見る脚本の底の浅さ)
まず、ベルクマン失脚の動機が曖昧なのは前回にも記したが、単に知りすぎた人物というだけではなく、もっと具体的な説明が必要であっただろう。
結局、ベルクマンはゲールへ引導を渡した物語のキーパーソンなのだが、その描写が雑過ぎたのが頂けない。

フィーネとイゼッタの百合百合しい関係の尺を、ベルクマンという人物の掘り下げに当てればまた違った評価となっただろう。
愛国心より個人の命が優先するとした利己的なベルグマンの人物像の描き方は、倫理的な抵抗はあっても、ある意味では真理だ。
しかし、それをゲールの国民の一人として描いたことに、脚本の政治的な意図が感じられなくもない。

脚本が、史実として祖国敗戦後でもゲールのモデルとなったドイツ人気質とはとのようなものであったかは、シベリア抑留記で記述されているドイツ人捕虜だが、ソ連に屈せず最悪の環境を甘受してドイツ人としての誇りを抱きシベリアの土になった事実を知っていればベルクマンのような描き方ができたのであろうかな。
ドイツ人捕虜の高貴な態度に胸を打たれた著者は、自分可愛いさに次々と祖国日本を裏切りソ連へ忠誠を誓っていく周囲の日本軍捕虜の節操のなさを憂いていた内容だった。
これは、15年程前に『丸』が特集していたシベリア抑留記に書かれてあった。
おそらく、ヒムラーやゲーリングのような往生際が悪かったナチス高官や、連合国に脚色されたドイツ人のイメージでベルクマンの人物像を設定したように思う。
ドイツ人であれ、アメリカ人であれ、日本人であれベルクマンのような人物は確率的に存在するのは認めるが、ネガティブな人物であればこそ、人物描写を掘り下げなければベルクマンがドイツ人代表のような間違ったメッセージを与えかねない。
そう考えるとやはり脚本の底の浅さは拭いきれない。

危険人物として暗殺の対象とされたにも関わらず行動の自由を許したゲールの対応や、売国人物と知りつつエイルがベルクマンを利用した浅はかさは「国家」というものを脚本が理解をしているのか甚だ懐疑するお粗末な展開だった。
ベルクマンとミュラーは同じ情報を扱う者として、国家への忠誠に関しては対極的に描かれている。

ミュラーがエイルへ絶対忠誠を誓う背景には彼が貴族であることが挙げられよう。
爵位は国王から授けられるものであり、国家(というより君主)に対し絶対服従を誓う根拠ともなり得る。
ベルクマン部下のリッケルトも貴族家系ではあるが、彼の国家への忠誠心もミュラーと通じるところがあるだろう。
脚本はミュラーをリッケルトの隠喩としても表現し、ベルクマンとの応酬を通してベルグマンの性格を掘り下げたかったかな。
更に、バスラーの愛国心を強調し、ベルクマンという人物像を確立したかってのかもしれないが、これだけ物語のキーパーソンとして活用した以上、ベルグマンの直接的な掘り下げをしなかったことは脚本の怠慢としか評価が出来ない。
最後は生き延びて、アトランタへ魔女の力で得た核兵器を売却したようだが、この人物の生き様は、百合や他のサブキャラの描写を減らしても尺を取るべきだった。

(ゲールがヨーロッパ征服を試みた動機が意味不明)
さて、本作はWW2を背景とした世界観だが、ヒトラーが何故欧州大陸で戦火を拡大させたかを理解しているのかが甚だ疑問なストーリー展開である。
そも、ヒトラーは全欧州の覇権を握る意図があった訳ではない。
ヒトラーの目的はWW1で喪失した旧帝政時代の失地回復であり、ポーランドを占領したのもWW1の結果でポーランドが独立し、飛び地となった東プロイセンとケーニヒスベルクの回廊復活が目的だ。
ヒトラーの政策の第一目的は「ベルサイユ体制」の破壊であり、当時のドイツ国民が支持したのもこの政策を掲げたナチスに対してである。
ヒトラーとて、それ以上のことはドイツの国力を考えても出来ないことは重々承知をしていた。
したがって、ベルサイユ体制の守護者である英仏と本格的な戦争状態となることはヒトラーの本意ではなく、ポーランド侵攻までには相当の外交努力が行われていることは注視をすべき点である。
当時の英仏もWW1の後遺症から抜け出せてはおらず、可能な限り外交交渉で決着を図る姿勢でドイツの要求を呑んでいた。
ヒトラーはポーランド侵攻にあたり、ソ連と不可侵条約を締結し、モロトフ=リッペントロップ秘密議定書に基づき、西からポーランドに侵攻、東からはソ連が侵攻しポーランドは消滅した。

勿論、ソ連との不可侵条約は後に明らかになるようにドイツ側の欺瞞工作である。
東プロイセン回廊の確保でヒトラーの目的は達したが、ポーランドと軍事同盟を締結していた英仏は「集団的自衛権」に基づきドイツに宣戦布告をする。
ヒトラーはポーランドに関する英仏の感触や、ソ連もポーランド侵攻に同意したことで英仏との対立は避け得ると判断したが、英仏はソ連は黙殺しドイツのみに宣戦布告を行う。
ヒトラーとしては不本意な結果を招いている。
実際宣戦布告をした英仏もポーランドを直接助けることはせず、ドイツとの軍事衝突を避けていたのだが、ヒトラーのタイムスケジュールには第二段階としてソ連侵攻があった。

しかし、フランス侵攻をヒトラーが考えたのは、対独英仏宣戦布告が明確な動機であり、隣国であり大国であるフランスが宣戦布告を放棄しない限りは、常に軍事的な脅威に晒せれることとなり、今でいう「先制的自衛権」という考えから軍事侵攻に踏み切ったものだ。
フランス侵攻と同時に英国のチェンバレンが辞職し、対独強硬派のチャーチルが首班となり、これでヨーロッパでの全面戦争が不可避となった。
つまり、ヒトラーのフランス侵攻はドイツにとっては防衛であり、彼が描いていた大ドイツの図版には含まれてはいない。
中央ヨーロッパや東ヨーロッパには傀儡政府を樹立せず、ドイツ直轄の軍政であったが、フランスには傀儡政府(ビシー政府)を樹立した点、南ヨーロッパにはヒトラーの盟友ムッソリーニがおり、イタリアの勢力圏をドイツが奪う意思はなかった。
スペインは中立国だがフランコ体制の同国も、ポルトガルに対しても領有の意思は見せてはいない。
ただ、イタリアがあまりに軍事的に情け無い戦いを続けムッソリーニがヒトラーに泣きついてきたことから、南ヨーロッパやアフリカへも派兵をせざるを得なくなり、イタリアの降伏で南ヨーロッパ戦線の維持をドイツ一国が背負うこととなったのは、ヒトラーの意図以外の不確定要素から生じた出来事である。

ダンケルクでの詰めの甘さは、ヒトラーがなお英国との和平を切望していた証しでもある。
しかし、チャーチルの強硬姿勢に結局、対英問題解決は軍事的な勝利しかないと悟ったのでろう。

ソ連侵攻の目的は『我が闘争』にもあるように、ユダヤ人の抹殺とスラブ人種の奴隷化と天然資源の確保であり、これは政権に就く以前からの思想であるので、ソ連がどのように下手に出ても戦争は不可避であったと思う。
『我が闘争』を読んでも、また、現実のヒトラー政策を考えても、彼の大ドイツ構想は東方拡大であり、全欧州にまで野心があったものではない。
フランスが対独宣戦布告をしなければ、フランスへの迂回路であるベルギー、オランダの軍事占領が行われたかも疑問だし、フランスを含む、南ヨーロッパは元来、彼の図版の外にある。

本作ではゲールがヨーロッパ征服の野望を如何なる動機で抱いたのかが不明瞭であり、かつ当時のドイツを巡る欧州情勢や史実は上記のとおりであり、ゲール(ドイツ)を無条件に悪者とする姿勢は、ハリウッドB級映画のテンプレや、ニュルンベルク裁判史観や侵略者ゲールを設定したのは、安直かつ幼稚に思えてならない。
WW2の設定を用いるのであれば、ゲールの国家戦略も政治的に詰めて設定すべきであろう。

(フィーネ発言の真意)
アトランタの意見では魔女を抱える国は戦略的に絶対的な優位を誇ることとなるが、それはアトランタが述べるようにゲール亡き跡の安全保障に直結する課題だ。
アトランタがこの会議に参加した経緯には大きな疑問があっても、発言趣旨そのものは妥当だろう。
フィーネはここで、イゼッタ個人の死ではなく、レイラインの魔力を吸い上げた結果は魔法そのものがこの世から消え失せるとした発言をした。
しかし、フィーネの最後の涙はイゼッタは死ぬかもしれないとの絶望のメタファーであり、その死を以ってしてアトランタの懸念は取り除けるとした大義と私情の狭間で大義を取った指導者の意見であると私は考える。
反面、フィーネの本音は魔女イゼッタではなくイゼッタとなっても愛情には些かの変化がないことと、自らの力量不足をカバーしてくれたイゼッタへの感謝の涙でもあろう。
私情と大義の狭間に揺れるフィーネは、指導者としては未熟だが、人としては共感を得るものと思う。
このフィーネを描いた脚本は評価できよう。

(イゼッタとゾフィーの対決)
イゼッタとゾフィーの属性については「(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)」で述べるので、ここではラストの対決に的を絞る。
パリ上空を舞台に繰り広げられた、白熱のバトルシーンの描写に関しては、圧倒的な作画で十分に楽しめる内容だ。
イゼッタがエッフェル塔を折るところは凄い迫力だが、迫力においてはゾフィーも負けてはいなかった。
しかし、命が惜しいゾフィーに対し、イゼッタは自らの死を厭わずに最大魔力で応じている。
イゼッタの気迫勝ちだが、イゼッタが死をも辞さない覚悟を抱くプロセスがお粗末である為に、本来は十二分に感動するべきシーンなのだが、私には50掛けとなってしまった。

(オットーの自殺)
史実でヒトラーは自殺をしたが、その状況に合わせたのかな。
しかし、史実のドイツの末期はとても悲惨であり、ヒトラーはソ連兵が闊歩するベルリンの地下壕で自殺を図っている。
本作のノイエベルリンの描写では末期ベルリンの断末魔の悲鳴が伝わらない。
私は実際、壁崩壊直後のベルリンと壁の緩衝地帯にあった空き地のまま放置されていた、総統大本営地下壕跡を訪れているから、余計に陳腐に思えるのかもしれないが。
ノイエベルリン市民が参加している地上戦を描いた方が、追い詰められたゲールの直喩にもなったろうし、オットー自殺にも説得力があっただろう。
オットーにずっと付き添っていた側近エリオットは架空設定だが、自殺を確認したという意味ではボルマンがモデルだな。

(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)
本作で最も問題となるのは、イゼッタの立ち位置だろう。
本作では執拗にイゼッタとフィーネの過去の出会いを描写し、イゼッタはフィーネへ恩義を感じていることを強調している。
また、フィーネは一国の君主の立場を超えてイゼッタを大切にすべき友人から愛の対象として描いている。
本作も多くの視聴中断者を招いたが、その原因の多くは百合展開である。
世界観と百合のミスマッチが視聴者の嫌悪感を招いたと思うが、それには十分同意を出来る。
脚本の吉野氏には戦時と平時の見境がついていない旨の指摘を散々してきたのだが、平時が背景での百合展開ならば、そうとも割り切れる。
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』は平時における兵士達の日常を描いた内容であるから、百合要素もエピソードの一つとして受け入れることは出来る。

しかし、国が危機に際している状況で百合でイゼッタの忠誠心として描くのは、戦争という無慈悲で凄惨な現実を余りに茶化してはいないかな。
イゼッタはフィーネの存在がなくても、戦争を終わらせる為にはゲールと対決する心構えがあれば、平和の使者としての彼女に大きな共感が生じただろう。

しかし、フィーネという個人に陶酔する余り、彼女の理想を現実化したいという利己的な理由でゲールと対峙させても何も共感は生じない。
戦争というのは一個人の理想ではどうにも出来ない過酷な現実であり、魔法というチート能力の設定を用いるところを錯誤し、現実とは大きく乖離してしまったことは本作最大の失敗であろう。

魔法と兵器の対決はエンタメ的には間違えてはいない。
『ストパン』もそういうファンタジー設定で人気を博したのだから。
しかし、本作は『ストパン』よりも妙にリアルを追求しているが故に、ファンタジー設定をよく練らずに用いると、世界観との齟齬や乖離が生じるリスクと裏腹の関係となることも指摘済みである。
軍事オタが本作を評価しない点はこれに尽きる。

更に、イゼッタの理想は大義に立脚したものではなく、フィーネの理想の具権化であったこともWW2という大きな器に対しては説得力がないものとなった。
海外評価が辛辣なのは、イゼッタの正義はフィーネの借物の正義であり、百合感情で得た極めてストイックに反する俗物的で許容しがたい点にあることだ。
ゲール討伐という大風呂を広げず、フィーネとの愛情物語に路線展開をすれば、また別の評価を得られたであろう。
最後、イゼッタが生き残る点も、殺したくないスッタフの御都合主義だと思うが、殺した方が殉教者となる訳だし、魔女というキリスト社会においては極めてアグレッシブな存在に対する明確なメッセージとなったはずだ。

逆に、エイルで過去に魔女裁判にかけられ、命を落としたゾフィーに私に共感を抱いた。
だってそうだろう。
ゾフィーは本気で愛したかつてのエイルの国王の遺言によって異端審問の上処刑された。
異端審問が吹き荒れ、魔女狩りが横行していた当時の欧州情勢を考えると、この国王の判断こそ、フィーネが見習わなければならない、私情を捨て大義を守る指導者としての矜持だが、大義には犠牲が生じ、多くの私怨を招く。
その意味でも私怨でエイルを滅ぼしたい気持ちは正直で嘘偽りはないだろうし、イゼッタの偽善よりも遥かに自然な感情だ。
更に、感情移入はゾフィー役に雨宮さんの熱演もあったのだが、対しイゼッタ役の茜屋日さんの演技力には課題を残している。

イゼッタが述べた「みんなの命を預かる人はたった一人に拘ったらダメ」はそのままイゼッタへのブーメランとなり、このセリフを吐かせながら生き延びるのは余りに矛盾が過ぎるのではなかろうか。
更に、回想でフィーネが百合私情を振り切り涙ながらにイゼッタへ戦いを命じた描写を感動として活かし、イゼッタがゾフィーに語った大義(私情に揺さぶられた偽善的な大義だが)を衝突させたのであれば、ジンテーゼは視聴者へ判断を委ねる、双方生死不明のメタファーとして結論付けなかった方が良かったのではないかな。
よって、最終回でイゼッタも消えていれば良作ではあったと思う。{/netabare}

投稿 : 2018/11/16
閲覧 : 1433
サンキュー:

76

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

魔法少女+ミリタリー

まずは、設定が良かったと思う。
古い兵器とその強さを発揮する魔法少女。
この組み合わせや戦法が中々面白く、他の作品にはない独特さがあった。
さらには映像と音楽もレベルが高い。
ただ、最後はどうしても無理矢理終わらせてしまった感じがあった。
ただ、中盤はかなりの緊迫感があった。
最近のオリジナルアニメーションの中では上位に入る作品だった。

投稿 : 2018/10/01
閲覧 : 391

ZORRRO さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

もうちょい評価されても良さそう。

絵は綺麗で迫力あります。可愛いし。

割とシリアス多めな話ですが、とりあえず見とけば楽しめると思います。

投稿 : 2018/09/18
閲覧 : 347
サンキュー:

6

ネタバレ

カワセミ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

空中戦の迫力がすごい

魚雷のシーンが見応えがあった。スピード感があり作画も素晴らしい。

投稿 : 2018/04/20
閲覧 : 362
サンキュー:

4

ネタバレ

ロリルス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

評価恐ろしい

アニメまだ見なくて評価だけ見たら、あんまりいい印象受けなかった。そこで一話見てもまあまあ、ここで捨てようかと思ったけど、そんな思いを我慢して見続けたら、意外と戦争の残酷さや現実に忠実のリアル感がはんぱねぇんだった。
イゼッタやフィーネの百合雰囲気も目の保養になるし、戦争に魔法というのも斬新だし。
唯一の残念は十二話の結末が粗末すぎだった。しかも強制的にハッピーエンドやったな。

投稿 : 2018/04/02
閲覧 : 679
サンキュー:

4

とらお さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:今観てる

その者、青き衣をまといて、魔女は血で飛ぶのよ

ジブリ臭というか漫画の宮崎臭がする(漫画版ナウシカはSランク作品)

そして、原作小説で漫画や実写映画になった「終戦のローレライ」の設定に近い
ローレライは、魔女がワァと叫べば潜水艦がふきとぶが、
吹き飛んだ潜水艦の搭乗員の断末魔が叫んだ魔女にガッツリ流れ込み、
精神がいかれて徐々に廃人になっていく
実験動物にされる異能者が生きるには兵器になるしか道がないために魔女は叫ぶ
という設定のお話

関係ないけど「空挺ドラゴンズ」という漫画も宮崎漫画絵に強い影響うけてるね

投稿 : 2018/03/14
閲覧 : 434
サンキュー:

3

駒米 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

キャラが尊い

世界観の作り方がとても素敵でした。
戦車や銃で戦争していた時代に、お姫さまが1人の魔女と出会うお話です。

お姫様と魔女のやり取りが尊いです。

続きがとても気になる!というアニメではなかったですが作画、音楽、キャラクター、声優は普通のアニメよりいいので、少しでも気になってる方は見て損はしないと思います。

投稿 : 2018/01/25
閲覧 : 319
サンキュー:

6

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

1クールものとしては優秀。

原作なしのオリジナルということで、きれいに1クールで終わりました。
シリーズ構成の吉野氏は、私としては当たりハズレがある方なのですが、本作は当たり寄りかなといった感じです。

第二次世界大戦をモチーフにしていますが、そこにいろんな設定が加わり、最初はこんなに風呂敷を広げて大丈夫かなと思いましたが、最後はある程度まとめてくれたかなと思います。
あと1話あっても良かった気がしますが、枠がなかったのでしょうか。

吉野氏の今までの作品と比べると、ソラノヲトが近いかもしれませんね。個人的にはソラノヲトの方が好きですが、同作が好きな方は見て損はないと思います。
パンチの効いた作品ではないですが、作画・声優・音楽が平均以上の優良作ではないしょうか。

投稿 : 2018/01/01
閲覧 : 307
サンキュー:

33

是正 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

評価が分かれる

軍事考察やバトルシーンの美しさ、ワクワク感は凄まじい。

しかしその点が素晴らしいからとそちらのストーリーを期待するとガッカリする事になる。
映像美や考察は軍事やバトルに特化しており、ストーリーは百合(姫様とイゼッタの関係)に特化しているため、戦記物としてのストーリーを期待してはけない。

投稿 : 2017/12/27
閲覧 : 331
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4

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

現代に現れた白き魔女の物語

時代は大戦の渦に巻き込まれていく。
西暦1939年、帝国主義国家ゲルマニア帝国は突如隣国に侵攻を開始した。

侵略の矛先はアルプスの小国エイルシュタット公国にも向こうとしていた。

「女性」「ダブル主人公」の空想戦記ファンタジー物。

ドンパチ激しい戦闘はスパイス。
戦争に魔女というキーがどう生きてくるのか。
それを取り巻く情勢と人物たちの生き方がメインだ。

丁寧な演出、設定、世界観は魅力的でも地味。
派手さにかける物語は泥臭い戦争ものらしい。

戦争、魔法、女性主人公などのワードがピンと来る方はおすすめかもしれない。


自分用メモ

第1話 たたかいのはじまり
{netabare}

第一話の出会い、導入としては弱いかな。
尺を使いすぎで盛り上げ方も演出も弱かった。

{/netabare}

第2話 傷痕と、銃声と
{netabare}

戦闘シーンは良く動く。
魔法ファンタジー要素が万能でないことが示唆されている。(場所、手順が必要)
殺すこと、殺されることへの葛藤はあっても時代(戦争)がそれを良しとしている。

銃身を熱がるなど、地味な演出は好き。

精神論は否定した後に魔女に縋りたいとか言うなよ精神破綻者かよ。

イゼッタが忠義に報いる理由は十分だろう。
パンの一つでも人は人を殺せるのだから。

{/netabare}

第3話 天翔る剣
{netabare}

爆撃におびえる兵士とか地味な演出過ぎてよだれ出るよね。
本当に爆撃が来ると動けないあたりもいい演出だよね。
戦争の描写すべき点は英雄ではなく一人の兵士、そしてその惨さだと。

一方的な制圧に対しイゼッタの「わたしできるとおもいます」のセリフがどう生きてくるか。

陸軍と空軍の確執描写なんて誰が喜ぶんだろうね(大好物)。

地味な戦争描写の対比にイゼッタの無双シーン。
魔法も万能ではないしある程度法則がありイゼッタも命を賭けているのはいいよなぁ。

急に歌うよ。

{/netabare}

第4話 魔女の秘密
{netabare}

魔女の存在を認めて対処するあたり、有能なんだよな。
一人の英雄では「すぐ」には戦争はひっくり返らない。

フィーネの心情。
イゼッタに救い言葉があるのは嬉しいね。

情報戦だ。

力(家名、立場)は守るために使うべきだよね。

白き魔女は裏切りの魔女
(魔法の存在を公開し人に知らしめた、迫害の対象になった理由でもありそう)

イゼッタは理想を求めて
フィーネに深く深い呪いをかけているよね。

{/netabare}
第5話 いつわりの奇跡
{netabare}
ゲルマニア帝国「エイルシュタットはついでだよ」

戦争は物量だ。
ゲルマニア帝国も悪者ではないから仕方ないね。

きちんと物事を分析して現実に落とし込むキャラクターがいるのは良い事だ。

イゼッタの発言にほっこりしてるおっさん二人は良い奴だよ、間違いないね。

眼鏡はあかんね、これは死ぬは。

おっぱいマイクはだれが考案したのか気になるね。
真実と虚偽を交えていく展開は不安と高揚は入り混じっていいね。

{/netabare}
第6話 穏やかな日々に…
{netabare}

スレンダーvsグラマラス。

魔女の存在、それを信じる根底になにがあるのか。
イゼッタ以外の魔女、白き魔女の亡骸でも握っているかね。

椅子の上に立っての発言は生き方そのものだろう。
少女からの報酬は純粋無垢でそのもので戦争で得るには綺麗すぎるよ。

眼鏡は家族を守ろうと魔女を売ろうとしたがこれも正義だ。
国を守ろうとしているジークが立場も正義だろう。
それでも眼鏡は死んでしかるべきだし、手を下したジークは正しい。

{/netabare}

第7話 ソグネフィヨルド海戦
{netabare}

イゼッタにとって姫様が憧れで守るべきものなのがわかる描写はいいね。
フィーネもイゼッタに無茶は言うけど無理は押し付けなし。

ずっと疎まれてた力で。

空中のアクションシーンは見事だよなぁ。

{/netabare}

第8話 残酷なおとぎばなし
{netabare}

昔話の王子や貴族はろくなことしないからきっとこのアニメでもろくなことしてないんだろうなぁ。

「僕はこの国の敵なのに」
戦争に勝てば得られるものが多いと戦争を吹っ掛ける側もかけられる側もわかってるからなぁ。

隊長の体調が……。

動くなではなく撃てよ。
似たような場面で毎回思うよね。

{/netabare}
第9話 ゼルン回廊、燃ゆ
{netabare}
パイがまた食べられるぞー!!

ジークは死ぬな。

対イゼッタ用の兵器、まぁ、投入するよね。

イゼッタの動機に変化。
根底は変わらないけど、渾身の理由が深まるのは戦場に立つ戦士らしくていい。

魔女ゾフィ―の登場、クローンだと視聴者に明かすテンポは嫌いじゃないよ。
帝国が魔女を信じている根拠が明かされた。

圧倒的優位が崩れた。
{/netabare}
第10話 魔女の鉄槌
{netabare}
魔石を持った魔女のちからぱねえ。
ジークが持ってるのも魔石だわこれ。

帝国、元老院の老害どもを排除からの戦争スタート。
これは滅びる国のテンプレ―トですわ。

ゾフィーが帝国に従順なのは寿命の制限があるから。

イゼッタの足が。

帝国が馬鹿な事を始めました。
いいね、滅びる三流の悪役ムーブ嫌いじゃないよ。

地味回
{/netabare}
第11話 フィーネ
{netabare}

ビアンカもイゼッタの事を想って泣いてくれるようになったかぁ。
核弾頭ミサイル。

「二人で始めた事だもん、二人で終わらせなきゃ」

二人が落ちるシーンは素晴らしい。
{/netabare}

第12話 イゼッタ
{netabare}

溜め回、地味回続きで最終回。

戦車が石ころの様に宙を舞う。

色恋の怨念は怖い。
個人としてはゾフィーの復讐には正当性がある。

小娘だからこそイゼッタの想いは強く、ゾフィ―との相対が映える。

そして、提示される魔女、魔法、イゼッタの終末。
{/netabare}

投稿 : 2017/11/24
閲覧 : 221
ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

最終兵器イゼッタ。

アニメーション制作:亜細亜堂
2016年10月 - 12月に放映された全12話のTVアニメ。
監督は藤森雅也。

【概要/あらすじ】

とある世界のヨーロッパ。
ナチスドイツのごとく領土的野心を燃やす皇帝オットーが専制君主として君臨し、
強大な軍事力を擁するゲルマニア帝国(ドイツ)が存在した。
度重なる侵略戦争でノルド王国(ノルウェー)、テルミドール共和国(フランス)が既に降伏。
ヨーロッパの統一支配を目指す帝国の標的として、アルプス山脈付近に位置する、
エイルシュタット公国(リヒテンシュタイン公国)という自然に囲まれた風光明媚な小国があった。
アルプス山脈を迂回せずに南進する戦略上、抑えておきたいらしい。

1940年、公国の公女フィーネは間近に迫ったゲルマニア帝国の侵略に対抗すべく、
ブリタニア王国(イギリス)の協力を取り付けようと外交交渉のために、
中立国ヴェストリア(スイス)に向っていた。其の汽車の中での帝国軍人による追撃。
逃走の中、車両でフィーネは物々しいカプセルを目撃する。
最高軍事機密のカプセルの中には魔女が囚われていた。
反帝国の動きの機先を制しての帝国の素早い侵攻開始により対応が間に合わなくなり交渉は破談。
ゲルマニアの親衛隊にフィーネが囚われ、帝国の帝都ノイエベルリンへ空輸で連行される中、
機内に収容されていたカプセルから魔女が目覚めた。赤毛の15歳の少女。その名はイゼッタ。
彼女こそ最後の魔女であり、フィーネを守り帝国に抗う最後の希望。
平和な世界を築くためにゲルマニアに立ち向かう彼女たちの戦いが始まったのだった。

【感想】

空飛ぶ魔法少女が重火器で戦うというのも一つのジャンルとして成立したと言うべきでしょうか?
となれば作品ごとのオリジナリティでセールスポイントを作るのが大事だと言えますが、
白いドレスを纏い対戦車ライフルを魔女の箒代わりにするというのはビジュアル的にイケていますね。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの「魔笛」を歌ったり、
ドイツ語で「エイルシュタット国歌」を合唱したり、
白黒映像時代の戦争記録映画風の演出をしたりで、
国際色を強調した感じは好みといえば好みです。

opが『アクエリオン』のAKINO。edが歌シェリルのMay'n。音楽制作がフライングドッグ。
楽曲面では割りと評価高めです。

さて、このアニメは魔女の扱いがスーパーマン。
魔女一人いれば戦場を支配し師団を簡単に屠ることが出来る。
うん?このアニメは戦車や飛行機がいっぱい出てきますし、兵士目線をいっぱい取り入れていますが、
軍隊は魔法の前では単なる噛ませ犬であり、軍団による戦略・戦術といった軍事の方面で語る部分は無い感じ。
イゼッタを活躍させる作戦らしきものは立てていますが、実際はイゼッタのスペックと根性頼りのワンマンアーミー。
とある設定で魔女の活動に足かせを付けて万能ではないという扱いにしていますけどね。

帝国が戦争の歴史で作り上げた兵器や戦術を、愚直な魔法少女のオカルトパワーで蹂躙する。
勧善懲悪っぽい、正義のヒロイン無双ものっぽい味付けですが、
こういうのが好きな人は好きなのかもしれません。
これは戦争アニメっていうより、むしろ戦場ヒロインアニメ。
ミリオタ的には、あんまり美味しくない内容ですかも。

女の子としてのイゼッタのささやかな日常。
イゼッタと姫様との百合にも似た絆。
イゼッタや姫様をサポートするメイドや近衛などの女性陣。
視聴者サービスシーン。
魔女の秘密をめぐる暗躍。
イゼッタを上回る最大の強敵の出現。

戦場で戦い散っていく軍人は脇役に過ぎず、物語のウェイトは戦争そのものよりも、
イゼッタを中心とした魔女方面に向っているような?

個人的には普通の軍人が人間の知恵と戦術で戦局をひっくり返すのも観たかった気がしますが、
公国軍が帝国軍の前では多勢に無勢過ぎますし、帝国軍もイゼッタには歯が立たない。
物語の中で戦闘が何度も繰り返されますが、
イゼッタと姫様の百合描写と魔女伝承関連がメインディッシュで、
第二次世界大戦を模した舞台設定は、単に戦況づくりに借用しているだけであって、
実際の所、史実の世界大戦設定は全く違うものに入れ替えても、
例えば、このアニメがロボットSFでも中世騎士時代でも、
モンスターが徘徊する完全ファンタジー異世界でも成立するよね!て思いました。

私はアニメには満足してないものの、『幼女戦記』のほうが時代設定を作品に連結させた上で、
戦争のダイナミズムが描けていたと思います。
まあ、イゼッタというアニメは戦争を娯楽ではなく平和を壊す忌むものとして扱っていまして、
作品のスタンスが違いますので、比較することに意味は無いのですが。

女の子を可愛く描こう。戦争の悲劇っぽく人間ドラマを取り入れよう。
世界平和を願い少しでも良い世界を作ろうとした少女たちの友情と絆の物語。
脚本家・吉野弘幸による意欲的なオリジナル作品ではあったと思いますが、
あの時代にそぐわぬ21位世紀でも実用化されてない科学技術が物語の都合で出てくる。
盛り上がりにもうひと押し足りない終盤の戦闘。
クライマックスを作って1クールで無難にまとめあげようというのが見えてきて、
傑作と呼ばれるためには一皮剥けなかったアニメだというのが観ていて感じられました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2017/11/16
閲覧 : 592
サンキュー:

62

dvmsi35301 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ストーリーは少し物足りなかったけど

何気なく見ていた背景が、ミリタリー系に詳しい人の解説を読むと「あの場面にそんな意味があったのか!」となったり、ミリタリー系以外でも、
「ブロッターなんてアニメで描かれるの珍しい」
といった話題にも(極一部で)なった妙に芸が細かいアニメでした。


何よりイゼッタと姫様が可愛くて、戦闘も見ごたえあり。
ライフルに乗るという新鮮な格好良さもありました。

投稿 : 2017/11/03
閲覧 : 269
サンキュー:

3

Marsa さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ファンタジー+戦争もの。重くなく万人向けかと。

全12話。
ヨーロッパを舞台にした戦争ものですが、ファンタジーもあって
重い鬱的要素は少なめで、比較的気楽に少しドキドキしたりできます。
人と人の関わりにおける深さ、行動の動機付けは軽めで、
それが故に重くなく万人向けに仕上げられている印象です。
ですが、話の辻褄は合わせているのでストレスなくサクサク見れました。
戦争もので、考えさせられる重厚な作品か、心にひびくかと聞かれれば、
難しいかと思いますが、根本的にはいいお話なので、気楽には楽しめるかと
思います。
個人的には鬱アニメが好きですので、ちょっと残念ですかね。

投稿 : 2017/10/28
閲覧 : 313
サンキュー:

22

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

素晴らしい

これは、もっと評価されるべきアニメ。

ファンタジーとして見るもよし、百合として見るもよし、キャラクターも音楽も最高。

でも私は、これは戦争のアニメだと思う。それも昔のではなく今の。
ミサイルはつまりは核であり原爆。イゼッタやゾフィの能力が現代の何にあたるのかうまい例えが思い浮かばないけれど、問題提起として、もしくは描きたい未来として、多くの人に見てもらいたいと思った。

投稿 : 2017/10/27
閲覧 : 241

まひろ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

非常に惜しい作品

世界観は今まで見たアニメの中で一番好きでした。絵も綺麗でとても幻想的で、ジブリをみている気持ちになりました。
惜しいというのは前半までは、面白かったのですが、後半が少しだらけて…というか、ストーリーが王道過ぎて、今一世界観を活かしきれなかったかなという印象です。面白いには面白いのですが、めっちゃ面白いっ!というのではなく、まあ、面白いんじゃね程度の面白さでした。世界観でなんとか、面白さの不足を補ってるかんじです。正直、あの世界観ならいくらでも面白くできたはずですが…
悪いところばかり書いてしまいましたが、見ないでおくにはもったいない作品です。
世界観は抜群なのでジブリを見る気持ちで、見てみたらいかがでしょうか

投稿 : 2017/10/14
閲覧 : 252
サンキュー:

6

アオイ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

早見沙織の姫様に超はまった

早見沙織の姫様に超はまったので、涙ながらに見ました。最終話見てわからない人はwikiを見て欲しい。

投稿 : 2017/09/27
閲覧 : 377
サンキュー:

6

kochan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

イゼッタの選択する終末についてあっさり描きすぎかな

投稿 : 2017/09/17
閲覧 : 278
サンキュー:

1

ざび さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

サクッと見れるので暇つぶしには最適

ややストーリーに難ありな部分もありましたが、1クールの割に概ねまとまっており良作といえます。

戦争という背景の中に、皇女であるフィーネと魔女であるイゼッタの友情が織り込まれていますが、彼女達の祖先がまさに男女の愛憎劇であったが故に、フィーネは男であった方がより感動したと思います。

あと気になるのは、登場する主要男性は死にまくり、女はみんな若くて可愛くて死なないこと…。
フィーネとイゼッタも友情というより最後はもはや同性愛のやりとりをみているかのようで、やや腑に落ちませんでした。

映像や音楽はとてもよいです。
戦争モノですが、戦略的なものは特にありません。可愛いらしいキャラクターに愛情が持てれば感動できるかと思います。

投稿 : 2017/09/14
閲覧 : 287
サンキュー:

3

crowny さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

巨乳の無駄遣い

世界観や音楽はいいのに、肝心なストーリーがそこまで引き込まれるものではなく、タイトルにあるように、巨乳である必要性が全然分からない。
ハッキリ言って無駄。…というか邪魔。
なんか、そんな事ばかりが気になってイライラしながら観ていたので、どんな話だったかよく思い出せない。

投稿 : 2017/09/09
閲覧 : 374
サンキュー:

1

陽太郎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

第二次世界大戦のヨーロッパをモチーフにした魔法アニメ

第二次世界大戦のヨーロッパがモチーフになっていると思われるアニメ。戦争物だけど、魔法が絡んでいるし、絵もきれいだから観やすいと思う。

■良かった点
・絵が綺麗で観やすい点。
・誰もが知っている第二次世界大戦をモチーフにしたストーリーなので、分かりやすい点。

■残念だった点
・ストーリーが何というか、まとまりに欠けるというか、そんな感じである点。

投稿 : 2017/09/04
閲覧 : 330
サンキュー:

2

ネタバレ

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

うーん、こういう系は結末が見えるからなぁ

オリジナル作品。

のっけからメッサーシュミット、スツーカ、3突らミリタリー好きにはついつい気になってしまう兵器が出てくるし国名こそ違えどそのまんま第二次大戦のヨーロッパが舞台ということもあり個人的には入りやすかったんですが・・・魔女系。
ミリタリー好きの私でも十分満足するメカデや動きなんですが・・・魔女・・・。
そしてヒロイン達は少女・・・。
もうね、あの凄惨な大戦のそのまんまの舞台にいたいけな少女ってだけで私は「やめてくれーーー!」って気持ちで一杯になりました。事実、塹壕戦なんかの悲惨さも表現されてましたし軍事国家の武力による理不尽な恫喝も描かれておりおりとても楽しいファンタジーの世界の作品じゃないよねと解りますよ。個人的に「ゆゆゆ」的な結末しか見えんなと・・・。まぁ史実的にいえばフランスのジャンヌ・ダルクみたくなったら目も当てられんとおもっていたんですが・・・。結果的には落し所はそこだわなと一安心といった感じですかね。一点、魔女は年を取るのか取らんのか整合性が取れてないかな。



私のツボ:結局綺麗事並べても国を守るには武力が必要なんだよね。


黒メガネ:{netabare}この作品を見て思うのは、一度悪意(一般的に侵略行為かな)を持った強大な軍事国家の前に力の無い国はなす術がないという事。ほんとに国を守るにはある程度均衡した力がなければどうにもならない。結局勝者が歴史を作るというのが人類の歴史なんだから。そういう意味で北朝鮮が人民を顧みず核武装し国際社会で発言力を得ようとするのは権力者の立場とすれば当然だといえる(基本的人権云々なんかはあくまでこっち側の価値観でしかない)。翻って日本は戦後、軽武装重経済の政策により奇跡的な復興(朝鮮特需もあり)を遂げ、経済大国としての発言力を得た。かわりに国防面を米軍に頼り自衛隊を軍隊と認めず偽りの平和国家を標榜し国民の国を守るという当たり前の意識すら欠如させる結果を生んでしまった。平和憲法さえ守っていれば戦争に巻き込まれる事などないと声高に叫んでいた政治家、メディアや団体共は全員責任取って体に爆弾巻いて敵に突っ込んで死んでもらいたい(笑)。まぁ真っ先に国外逃亡するんだろ?そして国が自衛隊が米軍が悪いっていうんだろ?いや、悪いのは悪意持ってくる相手であり、その悪意なんてものが存在しないと思っていた頭がおめでたい馬鹿な俺達なんだよな・・・おっと、またアニメでこんな事書いてからに・・・(笑){/netabare}

投稿 : 2017/07/29
閲覧 : 282
サンキュー:

4

ネタバレ

tea_cup さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

最後に救われた

第二次世界大戦に魔女が活躍したら、というIF作品。
槍による空中戦の動きが素晴らしかった。
BAD ENDの予感を覆す、女王様が隠れ家に訪問するシーンで救われた気分になった。

投稿 : 2017/07/01
閲覧 : 316
サンキュー:

3

sobako777 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

不必要なデカパイ&ややユリ臭もしたが、思いのほか楽しめた

女性キャラのおっぱいが例のごとく不必要にデカく見せつけ型衣装のうえ、ユリ臭もするという戦闘モノ・・・と聞くと、出来れば遠慮したい作品テイストなのだが、試しに観てみたら、意外にもロマンチックなしっかりとしたストーリーで思いのほか楽しんで観れた。切なさ加減も最後の落としどころも申し分のない魔女モノだった。

投稿 : 2017/06/14
閲覧 : 387
サンキュー:

4

kameko さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

魔女は人類の味方なのか敵なのか

魔女が戦争に参加するお話。
1.2話とぱっとしなかったため断念し、久しぶりに見てみようと思って再視。やっぱりぱっとしないんだけど、4話くらいから話が進んで、「あれ?続きが気になる・・・」となり、涙腺が緩む場面もありました。
魔女のアニメってあまり見たことがなかったのですが、内容的には深くないけれども、1クールに上手くまとまっていたと思います。

投稿 : 2017/05/25
閲覧 : 236
サンキュー:

5

ネタバレ

でんどうず さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

えーーー・・・

何ですかコレ…良いんですか?コレ…

これダメでしょ…
どんだけキャラを薄くすれば気が済むの?

出てくる主要人物的なキャラクターがどれもこれも薄い。
MOBキャラと言っても過言では無い位の薄さ。
キャラの話を織り交ぜたり伏線っぽいの織り交ぜたり
コイツ重要ですよーって匂わせる。
でも、特に見所も何もないまま役目を終える。

主人公と姫が互いに懐き合う理由も薄い
何話かに跨って一生懸命説明を試みるけど薄い。
幼少期に凄まじい絆が有りました。ってしたいのだろうけど
上手く行ってない。

敵の魔女もある意味裏切られました失恋拗らせましたって話
その辺の風呂敷の狭さは全然かまう問題では無いのですけど
無駄に壮大にしようとしているように見える。

魅力あるキャラクターが一切出て来ない珍しい作品。
ある意味奇跡。

でも、作画が良い戦闘がカッコいい。
なので勿体なさを感じる。

戦闘シーンが作りたかったアニメとしか思えない。

投稿 : 2017/05/24
閲覧 : 274
サンキュー:

2

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終末のイゼッタのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
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終末のイゼッタのストーリー・あらすじ

西暦1939年、帝国主義国家ゲルマニア帝国は突如隣国に侵攻を開始した。その戦火は一気に欧州全域へと拡がり、時代は大戦の渦に巻き込まれていく。そして1940年、ゲルマニアはその矛先を美しい水と緑に恵まれたアルプスの小国エイルシュタット公国に向けようとしていた。(TVアニメ動画『終末のイゼッタ』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2016年秋アニメ
制作会社
亜細亜堂
主題歌
≪OP≫AKINO with bless4『cross the line』≪ED≫May'n『光ある場所へ』

声優・キャラクター

茜屋日海夏、早見沙織、内田彩、東山奈央、花澤香菜、諏訪部順一、高橋広樹、花江夏樹、KENN、細谷佳正、遊佐浩二、置鮎龍太郎、間島淳司、平川大輔、森川智之、山寺宏一

スタッフ

監督:藤森雅也、シリーズ構成・脚本:吉野弘幸、キャラクター原案:BUNBUN、キャラクターデザイン・総作画監督:山下祐、軍事ディレクション:月刊PANZER/和泉貴志/柘植優介、CG制作:オレンジ、美術:GREEN、音響監督:長崎行男、音楽:未知瑠、音楽制作:フライングドッグ

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