nyaro さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
主役は、スヌーピーでははく「ピーナッツ」=子供たちです。
スヌーピーって昔はTシャツとか女の子の持ち物とかで結構見た気がしますが、見なくなりましたね。アマプラで見るもの探していたら、出てきました。スヌーピーというキャラが余りに懐かしくて視聴してしまいました。
昔の癒しキャラって、こういうスヌーピーとかウッドストックのような動物が主流でしたね。後はミッフィーとか…キティちゃんはまだまだ現役でしょうか。チャーリーブラウンは人間なのにそれなりに人気ですよね。丸いせいでしょうか。萌え絵が無い時代ってイラストってこういうのが主流だった気がします。なんかシャケの切り身もいましたね…最近かなあ?
初めて触れたのは、原作のマンガを中学校くらいの時に英語の勉強のつもりで数冊読んだら、あまりの英語のむつかしさに驚いた記憶があります。日本語もちゃんとあるので助かりました。大人になったら読めるのかなあと思ってましたが、今読んでも難しい英語な気がします。私の英語力のせいかもしれませんが。
ジョークと言うよりもウイット…クスリと笑いが漏れながら、考えさせる、みたいな感じです。
谷川俊太郎さんというマザーグースを翻訳した詩人が翻訳者だったと記憶しています。そのせいでしょうか、言葉の一つ一つが素晴らしかったと思います。
アメリカの新聞連載だと思いますので、子供向けではないでしょう。でも、日本版はうまく子供向け…いや子供でも分かるレベルにしてあったと思います。その点でも素晴らしい翻訳でした。
ピーナッツの主役という設定はなく「子供たち」の社会を描いています。ただ、もし主役をあげるとすれば、スヌーピーではなく、なんといってもチャーリーブラウンですね。
本作は彼を取り巻く社会の不条理の話の気もしますし、視点のうまさによる気付きの話ともいえますし、大人の世界を子供の世界に仮託したとも言えますし…なんでしょうね。いろいろです。
なんとなく内省的になる雰囲気の話ですが、子供時代の世の中の仕組みに対する誤解、子供同士の残酷な真実の突きつけ合い、人間社会の複雑さを動物の目に仮託して皮肉ったり、という感じですね。頭をちょっと使わないと楽しめないかもしれません。
原作は絵のセンスがいいですね。シンプルな線ですけど、人物の特徴、表情、どこで何をしているのか。空間の使い方が大変うまくて趣がある画でした。
それをそのまま写し取ったアニメ版。確かに原作をそのままアニメ化した感じですけど、ヌルヌル動きすぎですかね。この作品の特徴は視点を集中することです。あくまでセリフを楽しむ話だと思います。
パンやクローズアップなどが少ないのはいいですね。背景はシンプルなのも好感がもてます。 色が下品とまではいいませんが彩度が高すぎです。もっと淡くていいと思います。
そして、セリフを楽しむ以上、音楽もいりません。効果音は多少はいいですけどうるさいです。昔版のチャーリーブラウンって確か谷敬さんでしたね。これがとぼけていい味だった気が…今は再視聴しようと思ってもないですね。映画版はあるかもしれませんけど。
とはいっても、かなり原作を忠実に再現している気がします。出来はいいと思います。2017年のシーズンもあるみたいなので結構楽しめますし。アマプラで現時点では見放題です。