Dkn さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「Un monstreàParis(パリのモンスター)」フランスの3DCGアニメ映画。
“モンスター”なんてタイトルで子供向けかと思いきや、主要人物が大人で、題材や会話の内容も大人が観ても
楽しいアニメ映画だと思います。キャラクターデザインがパッとしないかと思いきや、ストーリーが進んでいくごとに
どんどん惹きこまれていってる自分が居ました。このサイトではまだ誰もレビューを書いていないので勿体無い。
この映画は「字幕」で観るのと「吹き替え」で観るのとでかなり印象が変わります。お子さんにも見やすいようになら
吹き替えで、大人が観るには苦手じゃなければ是非とも字幕で見て下さい。演技が落ち着いてて観やすいかと思います。
・・あと、そっちなんだ?と思いました(小並感)主人公がわかりにくいですね。主要人物にスポットが当たる
差があまりなくて、全員が主役と言ってもいいので少し混乱。悪く言えば感情移入しにくいのかな?ちょっと残念。
劇中の題材として散りばめられている「Gaston Leroux」のオペラ座の幻想(LeFantômede l'Opéra)もポイント。
その為“歌”も大事な要素。声の出演をしたショーン・レノンとヴァネッサ・パラディの歌声が作中で響き渡ります。
魅力的なデザイン、センス、音楽、三拍子揃った良作かと思いますし、個性的なものが多いフランスアニメ映画でも
入り易いかと思います。ラストまで丁寧で驚きがある映画なので、ぜひご覧になってレビューを書いてくださいな。
誰も棚に入れてないのでネタバレは
止めておきますネ(*´-`)
余談:
「in_Paris」というだけあって、ミシェル・オスロやシルヴァン・ショメなど2Dアニメが有名なフランスアニメ映画
ですね。これは3DCGアニメの映画ですが。最近だと東京アニメアワードフェスティバルのコンペディションで、
先行上映されたストップモーションアニメ“ズッキーニと呼ばれて”が「僕の名前はズッキーニ」として公開しました。
王と鳥、キリクと魔女、ベルヴィル・ランデブー、ファンタスティック・プラネット、ブレンダンとケルズの秘密、
パリ猫ディノ、ペルセポリス、など・・。アニメ映画の先駆的な国であるフランスのお洒落さが詰まった作品群。
フランスアニメ映画は数がなく、観て後悔するようなものも少ないのでオススメではありますね。私は大好きです。
日本は子供から大人まで幅広くアニメが普及していて、全体で見ればあまり芸術性ではなく娯楽を求める国民性。
フランスは面白くても下品な物は好まれず、音楽やデザインセンスと調和した作品が好まれる傾向にある気がします。
このモンスター・イン・パリも冴えないメインキャラがどんどん格好良く見えてきて、コメディタッチでもお洒落さを
失わないところが素敵でした。映画の魅力は世界観やシーンの印象にも左右されますから、重要ですよね。