呪術師おすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの呪術師成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番の呪術師おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.5 1 呪術師アニメランキング1位
劇場版 呪術廻戦 0(アニメ映画)

2021年12月24日
★★★★★ 4.1 (323)
1324人が棚に入れました
『呪術廻戦』原点 愛と呪いの物語-。

集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の、芥見下々による漫画作品「呪術廻戦」。2018年3月から連載が開始され、人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で祓う呪術師との闘いを描き、既刊16巻にしてシリーズ累計発行部数は驚異の5000万部を突破。2020年10月から2021年3月までは毎日放送・TBS系列にてテレビアニメが放送され、深夜アニメ枠ながら、高視聴率を獲得。定額制動画配信サービス全体の視聴者数週間ランキングでも約2カ月に渡って1位を記録し続けるなど、一大ムーブメントを巻き起こした。(GEMランキングクラブ調べ/2021年1月23日~3月20日の毎週土曜に過去1週間の視聴作品を調査)

そして、2021年12月24日。『呪術廻戦』は映画となって新たなステージを迎える。劇場版で描かれるのは、既刊単行本の中でも人気のストーリーの一つである『呪術廻戦』の前日譚、「呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校」。通称“0巻”。

『劇場版 呪術廻戦 0』―これは、呪術廻戦の原点の物語であり、“愛と呪いの物語”。
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

失礼だな 純愛だよ

今回、見るか止めるか悩んだ作品
少年ジャンプで鬼滅に続き人気作品の呪術廻戦ですね。
1度は誰もがタイトルくらい聞いた事がある有名作

実はこの作品、アニメ放送では正直な話、面白いとは個人的に思えない作品でした。
じゃ、ダメな作品か?と言えば、そうでもなく普通過ぎるかな?と。

Q「じゃ、何故見ようかな?と思った?」

A「話題性があり、今回はアニメ版とは違う0のエピソードだから」

↑です!

実は、私は心が荒んでいるのか……大抵ハマる作品って最初は否定から入ってるのが多いんですよね。
自分のイメージを超えるからこそ素敵な作品に感じハマる事が出来るのだと思っていますが、素敵な作品を素敵だと見抜ける純粋な心が欲しいですね。

さて、何故、私がこんな前置きをしているのか、実はここまで、劇場版を見る前夜に書いています。

理由として、人気作品と言えど、アニメが合わなったとか、興味はあるけど見ていないなどの私と同じ考えを持っている方にが見た場合は、劇場版0はどうした印象になるかを書き記したいと考えたからです。

アニメも流し見しかしていない。
主人公の名前すら覚えてない、そんな人間が見たら、どんなレビューになるのか……どう映るのか、話題性だけで見に行っても面白いのか……書いていきたいと思います。


では、ストーリーですが、結論から言いますと「面白かった」です。
呪術廻戦0(以下、劇場版0と表記)はまず、初心でも見えます。
本編を知らない人、キャラを知らない人も安心して見られます。

主人公の乙骨憂太の周りの人間は自己紹介が簡単にされるのでキャラ名を知らなくても直ぐに馴染めます。
後半に京都高校のアニメでは手を叩いて瞬間移動してた人がいる高校のメンバーのいる学校の人達が居ますが、こちらは余り気にならなかったです。
名前を知らなくても劇場版0までなら付いていけます。

次に、迫力ですが、迫力なら他のアクションの方が上の作品が沢山あります。
迫力もこれ単体映画なら充分かもしれませんが、アクションアニメが好きな人には物足りなく感じるかもしれません。
しかし、この作品のアクションにはスピード感があり目を楽しませてくれます。

主人公の乙骨憂太の声優さんがエヴァのシンジ君と同じかな?
シンジ君といい乙骨憂太といいキャラの性格にあった良い声優さんのチョイスがセンスをあって、よく考えて選ばれて、よく考えて演じてるなぁ〜って制作側の頑張りが1番見てとれは配役でした。

乙骨憂太が教室で凹んでる姿やセリフがシンジ君を思い出されました(*꒪꒫꒪)
乙骨憂太のセリフの「死んじゃダメだ、死んじゃダメだ、死んじゃダメだ」が
シンジ君の「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」を思い出すw

さて、ストーリーも軽く追います。

{netabare} 乙骨憂太とリカちゃん。
2人は幼い頃に結婚の約束をします。
子供の頃の約束……これがあんな呪いになるんだ……可愛いく大人になると少し恥ずかしいそんな思い出でが、こうねじ曲がったのかと思うと少し悲しく感じましたが、ラストの呪いの本当の意味を知って、そっかそうだったんだって思いました。

リカちゃんを呪いから解放して事実を知った乙骨憂太は涙します。
でも、リカちゃんは「生きていた頃より、ずっと一緒に居られた6年が幸せだったよ」と言葉にします。

多分、彼女は入院生活が長かったみたいだから、呪いでも好きな人の傍で一緒に居られる時間が大切で嬉しかったんでしょうね。 {/netabare}

確かに、乙骨憂太の言う通りなんでしょうけど、それも悪い事ばかりでは無かった。
犠牲も沢山あって沢山の人も傷付けられ命を落とした。
それでも、乙骨憂太がしてきた事で幸せを感じたり出会って良かったって思える人達だって沢山居たんだと思いました。
リカちゃんとの別れは少しうるっと来ました。

実は、呪術廻戦本編だと私は余り好きなキャラが見つけられませんでしたが、劇場版0を見て、乙骨憂太が結構好きになれました。

理由としては、私はあまりウジウジしたキャラは好きにはなれないのですが、乙骨憂太に関しては普段は自分に自信が無さそうにしているのに、友達を侮辱されたり、友達のピンチを見たら雰囲気をガラリと変えて、しっかり発言や行動が出来る姿がカッコイイと思ったからです。

後は……友達をリスペクトしてる所かな?
彼は常に誰かの強さや凄さを素直に認めているって点も素敵ですね。
後、乙骨憂太は戦いの中で凄まじい速度で成長して行く。
その理由の一つがそこにある気がしました。

何にでも、戦いの中で成長する人間ってのは凄いのですが、乙骨憂太はそのタイプの人間ですね。
最後の戦いはカッコイイですね。


最後にリカちゃん……
{netabare} 化け物になっても心は化け物になって居なかったのかもしれません。

リカちゃんは子供の頃に死んでいるから化け物になっても、その子供特有の正義感や無邪気感が物語に反映されていて……

乙骨憂太が虐められた時は虐めっ子を殺してる感覚はなくて、止めてるだけで力加減が解らない子供だから結果あんな事になったり。

学校の化け物を倒す時も、「リカ!綺麗なの好き」って化け物を屠るシーンも遊んでて綺麗?な物が出るからドンドンしちゃう止まらない子供の遊び心が反映されてる気がしました。
グロいけど(*꒪꒫꒪)

後は、マキにヤキモチを妬いたのも子供ならではなのかな?
大人でも好きな人の事になるとヤキモチ妬いたりする。
子供であるリカちゃんは、乙骨憂太とマキが打ち解けていくのを見て、自分を見て貰えなくなるって恐怖を感じたのかもしれませんね。
自分の姿は化け物なのに相手は普通の女の子で美人さんだし、乙骨憂太は怖がっていりして、化け物になった、リカちゃんに優しく微笑んでくれた事はない。
ただただ羨ましかった。
コイツさえ居なければって……

だから、「お前ばかりずるい」って一言で……
でも、このシーンは1番彼女を人間らしく見えて、本当に乙骨憂太が好きなんだって感じました。
リカちゃんからすれば、殺ろうと思えば直ぐに殺れた。
でも、掴み取って涙を流して暴言を履いて躊躇してした。

彼女は乙骨憂太が大好きだ、大好きな人の友達であり仲間である。
マキが乙骨憂太を認めてくれたのを知ってる。
乙骨憂太が友達を大切にしてるのも知ってる。
だから、彼女を傷つける事は乙骨憂太を傷つける事になる。
だから、躊躇ったのかな?って。


でも、乙骨憂太に怒られたら泣いて嫌わないでって子供らしさの凄くある怪異?でした。

前半は、乙骨憂太がリカちゃんに振りまされてる感がありましたが、後半は乙骨憂太がリカちゃんを制御している感じがしました。{/netabare}

と、言う訳で劇場版0はアニメや原作を見てない私でも普通に楽しめたと思います。
私の様に本編や原作知らない人でも全然見える作品だと思います。

原作では乙骨憂太は出るのかな?出るならきかいが在れば原作にも触れてもいいかもしれない。
そんな気がした作品でした。

余談ですが、私がiPhoneで使用してるキーボード着せ替えアプリで、乙骨憂太と打つと予測変換に「失礼だな 純愛だよ」って名言が変換リストに出てきますww

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

未だに消化しきれない特級濃度の前日譚

原作コミック『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』は未読。

2021年末公開後まもなく劇場鑑賞済。

原作シリーズ未見状態で鑑賞するとスッキリしない感じがあって、
長らくレビュー書きあぐねていました。

乙骨の“純愛”は本作だけでもある程度理解はできるのですが、
対峙する夏油(げとう)の“大義”については映画だけだと、
非術者を“猿”と見下す典型的な人類見下し型イカれボスキャラという表層しかすくえなくて。

それでいて夏油の大義形成の経緯を示唆するカットもあったりするので、
こりゃ夏油の真意を知るまではレビュー書けないなとサボりを正当化して約1年半w

TVアニメ2期「懐玉・玉折」にて正義漢だった夏油が最悪の呪詛師に転落していくいきさつを共有できたので、
2期が閑話に入っている合間を縫って本作を配信で再視聴しました。


【物語 4.0点】
節目節目で振り返る価値のある濃厚な前日譚。

1回目鑑賞時は、TVアニメ1期にて頻出した、呪いこそ人間らしいとの作品の主張を補強する視点で。
{netabare} 「愛ほど歪んだ呪いはない」{/netabare} との五条悟先生の持論も噛み締めた上で。

2回目鑑賞時は、非術師の人類鏖殺(おうさつ)を正当化する夏油一味の視点も交えた上で。
悟ならやれるのに何故やらない?との夏油の苛立ちも考慮した上で。

角度を変えたら違った味わいが滲み出て来る。
骨太の世界観に支えられたシナリオには噛み応えがあります。


2度の鑑賞を経ても尚、整理し切れないのが五条悟と呪術協会との関係とその真意について。

悟が協会の“おじいちゃんたち”の何に苛立っているのかは、
{netabare} 「若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ。何人たりともね。」{/netabare}
との発言からもある程度推察できます。
人類が呪いを生み出すからと言って、禁忌を増やし過ぎたら人間性の否定ですからね。

ただ悟や協会が人類と呪いの管理について、どの辺りを落とし所にしているのか?論点は未だおぼろげ。
TVアニメでの虎杖悠仁の取り扱い方針の違いから、悟の方が呪いや人類の活動に関してある程度寛容なのだろうか?とは思いますが。

これは悟の真意を知った段階、或いは最後、{netabare} 悟が夏油に囁いたセリフが明らかになった{/netabare} 時点で3回目観ないとw
ただ色々なテーマを持って繰り返し挑むだけの価値のあるストーリーだとは思うので、
私は再々見の機会を楽しみにしております。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・MAPPA

相変わらず真っ正直にキャラを直線的に動かさない。
一つとしてパターン化された感じがしない複雑な動線で構築されたバトルアニメーションには傑出したエンタメ性が宿ります。
私のお気に入りは駒のようにクルクルと回りながら呪霊を切り刻む禪院真希のアクション。

近年、作画とCGの融合をビジョンとして掲げる同スタジオ。
1期で全て作画だった呪霊ですが、劇場版ではサソリと魚群はCGにしました。
というのは見ていればCGだよなと分かります。
が、呪術高専でのバトルシーンなどの背景にもCGが。
などというのは言われないと分かりません。

制作現場では、このカットは作画で行くか?CGで行くか?
判断が付かない場合は両方のパターンでパイロット映像作って比較検討したりしたそうで。
そういう意味でも本作は、当時の作画とCGがせめぎ合う最前線だったのだと思います。


そんな作画とCGの“つなぎ目”をスムーズにする上でも注目したい制作集団がsankaku。
本シリーズでも“帳(とばり)”が下りる映像などでお馴染みの同グループ。
3Dモデリングとアニメーションの架け橋として活躍するsankakuの名前。
スタッフ欄で発見する度に、遅れ気味な日本アニメのデジタル化の進展を確認して、嬉しくなるクレジットの一つです。


【キャラ 4.0点】
主人公少年・乙骨優太。
気弱な少年だが、行動を共にする“特級過呪怨霊”折本里香の力により特級として呪術高専へ。
「生きる力」への渇望で一皮むけて行く乙骨の姿は、
「正しい死」を求めて呪術師になった本編主人公・虎杖(いたどり)悠仁とは志向性が対称的。
その生を求める乙骨の力こそが{netabare} 死んだ里香を呪った源泉。{/netabare}
生と呪いは表裏一体。本作の掲げるテーマは誠に悩ましくて中毒性があります。

禪院真希、狗巻棘、パンダ。
乙骨と同級の1年生つまりTVアニメ1期の2年生の先輩たちが格好良いのも高ポイント。
彼らの心情を理解すると1期「京都姉妹校交流会編」がまた観たくなります。


2期「懐玉・玉折」視聴前後で、ガラリと印象が変わるのが“百鬼夜行”を引き起こした夏油らの呪詛師グループ。
夏油が体術もイケる口というのも初見時は、手強いラスボスを演出する平凡なスパイスといった印象でしたが、
2期視聴後に再見すると{netabare} フィジカルお化けの伏黒に惨敗した{/netabare} 教訓も踏まえてメッチャ鍛錬したんだろうな?と妙な感慨を覚えます。

夏油配下の枷(はさ)場奈々子&美々子姉妹にしても、
気に食わないオヤジは狩って吊るす!けしからんギャルといった第一印象でしたが、
事情を知った上だと、{netabare} 術師に無理解な人間たちに迫害されていたあの幼い双子が、{/netabare}
よくぞここまで立派な呪詛師に育ったと、ちょっとだけ感動しちゃう不思議w


【声優 4.5点】
主人公・乙骨優太役には緒方 恵美さんを指名。
2021年は『シン・エヴァ』の碇シンジ役に続き、興行収入“100億の女”連発となった緒方さん。
自己否定感に苛まれる少年の鬱屈と、それが自己肯定感に転化した時の世界を揺るがす程の爆発的なエネルギー。
キャリアの中でこうした表現を積み重ねてきた方の主演はまさに適任でした。

そのCV.緒方さんと、呪いに成り果ててまで愛を語らう相手となった折本里香役には、
花澤香菜さんを選出。
定評のある可愛らしい少女ボイスから、禍々しい呪い溺愛ボイスまでカバーする流石の芸域の広さ。
クライマックスの{netabare} 乙骨の「いっしょに逝こう」に対する{/netabare} 狂喜の叫び声の演技には周りのキャスト、スタッフ陣も震撼したのだとか。
実際、何度聞いてもネジが飛んでいて凄まじいですw


天才・五条悟を足止めするアフリカンな呪詛師・ミゲル役には天才・山寺 宏一さんを起用。
時間稼ぎにしては豪華過ぎるバトルシーンをベテランの妙技が支える“百鬼夜行MVP”
ミゲルさん噛ませ犬で終わるかと思いきや、まだ先があるみたいなので、キャスト共々再会を楽しみにしています。


【音楽 4.0点】
劇伴は堤 博明氏、照井 順政氏、桶狭間 ありさ氏。1期の三者共作体制が継続。
OPの「Greatest Strength」では英語詞バラードも交え劇場版のスケール感を盛り上げる。


ED主題歌はKing Gnu。
「逆夢」はジックリと愛を語るバラード。
「一途」は狂おしい想いを叫ぶアップテンポナンバー。
いずれも上記の{netabare} 「愛ほど歪んだ呪いはない」{/netabare} との持論など毒も織り込んだ上々のタイアップ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

作画は良くても溜めがないのでは上がらない。こんなんで愛を語らいでか!。

 鬼滅ほどじゃないがヒット中の新作を見てまいりました。結論を言うと、TVアニメと同じ良さと悪さががある。つまりTVアニメが好きな人なら大きな不満はないでしょうが、そうじゃない人には物足りないでしょう。


 バトルシーンの作画が良いのは、もう言い尽くされてることなので今更言いません。ただ、本作は背景美術のレベルが高い!。特に高専周りの場面は、密度とスッキリとしたセンスが調和していて見事。ユーフォーほど深海のような暗闇に対する耽溺や、京アニのような光に対する過剰なほどの拘りとも違う味わいがあります。


 正直言いいますとバトルに読み合いも何もないし、積み上げたもんが一気に爆発する感覚がないからせっかくの作画もイマイチ上がらないのだが。


 ただ、問題のはキャラとストーリーという肝心の部分は弱いということ。本作は連載前の短期読み切りだから仕方ない面もあるが、そこはブラッシュアップが必要だったろう。


 シンジ君丸出しな乙骨君はシンジ君ほど病んでないし、溜がないからリカちゃんを使いこなせるようになる瞬間も、仲間との絆が結ばれたカタルシスも無し。予告でやってた「お前なんで呪術高専に来たんだよ!」なシーン、終盤のクライマックスくらい重要な場面かと思ったが早々だから重さがない。そもそも乙骨君の苦しみの過程も、リカちゃんとの愛の過程も描かれてないからなんで悩んでんの?って感じ。


 そもそもリカちゃんの存在があまりに抽象的というか、断片的な思い出ばっかだから実は乙骨のイマジナリーフレンドなんじゃ?くらいに思ってしまった。自分の過失で死なせてしまった違う女の子を核にした自己防衛のために作りあげた孤独な乙骨の哀しみの産物くらいやって欲しかった。なんでリカちゃんがあんな力があるのか?の説明もジャンプお得意のアレでギャグ気味に言われても苦笑ですわ。


 敵役の魅力不足とか、短い尺で説明的なエピソードが多いとか、相変わらず修行や努力を魅力的に描けてないとか他にも問題があったけど、根本は呪術廻戦だけじゃなく他のヒット作品にも見られる弱点に行き着くように思えた。即ち全ての基本である筆力という単純な能力の不足である。


 なんとなく王道とされるようなシチュエーションや設定を持ってきたり、過去のヒット作のエッセンスというか風味を軽く持ってきても、その面白さを支えていたキャラの魅力を効率的に描きこむという基本ができてなきゃ全てが弱くなる。やたら過去回想で重めのエピソード入れときゃ、キャラを描き込めるだろってのはナンセンス。やたら安易にトラウマが云々な作劇連発は辞めたほうがいい。


 出落ち的に派手で奇抜な魅了あるビジュアルと設定を持ってきても、掘り下げていくと常識的な良い人ってくらしか出てこないのはキャラクターを創造するという行為に対する愛と能力が未熟と言わざるをえない。人間ってもっと複雑なもんよ。


 ヒットしてようがなかろうが、そこを抑えてる人は過去の作品から要素を持ってきてようがなんだろうが面白い作品を作れる。面白い作品に必要な条件というのを考えていくと、色々あるけど最終的にはそこに行き着くように思える。シンプルでも太い線のキャラを描き込めるかどうか。なんとなくの雰囲気やジャンルで価値が決まるわけじゃない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

89.0 2 呪術師アニメランキング2位
続 夏目友人帳(TVアニメ動画)

2009年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (2366)
13671人が棚に入れました
妖怪が見える少年・夏目貴志は、ある日祖母の遺品の中から「友人帳」を見付ける。この「友人帳」とは彼の祖母・レイコが妖怪をいじめ負かした結果、奪った名を集めた契約書であった。

それ以来、名を取り戻そうとする妖怪達から狙われるようになってしまった夏目は、とあるきっかけで自称用心棒の妖怪、ニャンコ先生(斑)と共に、妖怪達に名を返す日々を送り始める…。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、伊藤美紀、沢城みゆき、木村良平、菅沼久義、藤村歩
ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Aishiteru.

季節は冬へ
辺りが寒さに包まれても作品の持つ暖かさは変わらない。
いや、寒い冬だからこそ、想いの温かさがより強く感じられるようになっている。
基本1話完結式だけど
夏目とにゃんこ先生のやりとり、友達や家族とのつながり
巡る季節とともに少しずつ深まっていく絆がしっかりと描かれていて
見てるこちらも穏やかで暖かな気持ちになる。
1期1話、西村たちに最初は変な奴だと思われていたけど、続ではいっしょに
勉強合宿に行っていてとても嬉しかった。
妖怪に関する理解者と、知らずとも仲良くしてくれる友
どちらとも巡り会えた夏目は幸せだね






以下、印象に残った回の感想。



雛の回と10話
{netabare}
雛の可愛さや
ささっと着物を作ってしまう夏目の器用さと女子力の高さ
だけに目を奪われてはいけない!
一生懸命作ったたい焼きを
夏目に美味しいと褒めてもらったときの塔子さんがそりゃもう可愛くてね
2期になって可愛さが倍増してます!
その代わりに滋さんはぜんぜん出なくなってしまったけど…


と思ってたら10話でがっつり出演なされた。この回はさほど作画を気にしない自分でもその気合いの入りっぷりが伝わってきた。
階段を駆け下りるシーンなどの動き
表情の変化
色づかい
思い出の夏の雰囲気
初代デジモンで太一とコロモンだけが現実世界に戻った回を思い出した

レイコさんは藤原家に来たことがあったんだね。
「暖かくて良い家、こんなところに住めたらきっと幸せね」
切ない…
人間は嫌いだと言っていた彼女も本当は普通の幸せを望んでいたのだろう。

風鈴を見ているところは13話の最後のシーンにつながってるのかな?


しかし
良い家だと感じるのは人も妖もいっしょのようで……カリメに夏目が喰われてるシーンは衝撃だった!
本格的に食べられたのはこれが初めてじゃないか?
にゃんこ先生が駆けつけてくれてよかった

にしても全く同じ手でやられるとは……記憶や感情はあっても学習能力は無いみたいだ。いや、あいつに学習能力なんてあったらたまったものじゃないけど。

{/netabare}


5話{netabare}はお気に入り
ARIAの
謎をときながら小径を探検する話を思い出した。
その他にも
ヒノエとレイコさんの回想
アイキャッチのロデオマシンに乗るにゃんこ先生など見どころ多し!

周囲とは打ち解けてきたけど、夏目はまだ自分から人に頼るのは慣れていないみたい。大切な人たちに心配かけたくない
って気持ちがあるようだけど
大切な人だからこそ心配になるんだよね
{/netabare}



6~8話
{netabare}
にゃんこ先生、すずめ使わなくても空飛べるじゃないですかー!それともにゃんこの姿で飛びたいのかな?
依代だと普通の人にも視えるからすっごい目立ちそうだけど

そして満を時してのサトリナ(多岐)登場
優しい声質はこの作品にぴったりですね!
CVサトリナだし、たしかに多岐は可愛いんだけど
夏目や美しい女性の姿をした妖怪たちを見慣れてしまった立場からすると
いまいち西村みたいに盛り上がれなかった。あとたぶん塔子さんが可愛いのも原因のひとつ。


そしてここにきて初の
1話で完結しないパターン!さてはキーストーリーだな
新キャラ登場や
出てくる妖怪の恐ろしさも印象的ですが
なにより重要なのは

ひと時とはいえ
妖怪が見えなくなること

螢の話でも一度出てきたテーマ
「昔はそれを望んでたはずなのに
今はイヤだなと思ってしまった」

そして今回、実際に見えなくなって寂しいと夏目は感じた。
今まで辛いことも多々あったけど
ここに来て
優しさに触れて
出会いと別れを繰り返して…
いつか夏目にも思う日が来るのだろうか
そんな不思議で暖かな日々が
かけがえのないものだったと

にゃんこ先生が夏目の寝床を護るようにぐるりと囲んで寝ているシーンはたまらなく愛おしい、屈指の名シーン!
EDの曲はこの前後編の話ともつながってたんだね…


次の話

人魚を食べれば不老不死になれたのに惜しかったなと話すにゃんこ先生。
そうしたら友人帳は一生手に入らないぞ?と冗談めかして夏目は答えたけど…

それに対する先生の反応から察するに
にゃんこ先生は夏目とずっと一緒にいたいと思ってる、ってことだよね。
妖怪と人間の生きる時間の違い…
ここまでの話では語られていないけど、きっとレイコと斑は他の妖怪以上に仲がよかったんだろうな
さっさと喰って友人帳を奪うことだってできるだろうに、それでも夏目の側にいるのはレイコに頼まれていたからかな?
最終話のセリフ「遺品を引き取る者など居ないと思っていたから友人帳を預かろうと思っていたが、これで良かったのかもしれん」
預かると言っている。
いつも口ではああ言ってるけど、本当は友人帳を悪用する気はないんだろうな。
{/netabare}


9話
{netabare}
失った人の影を追い求める妖の話
大切な人が亡くなったと考えられない、考えたくない、その思いが作り出した怪異的な絵画
自分の命を吸っている存在を身を呈して守るとは…夏目はどこまでも優しい
 ともに桜を描いているシーンは自然と涙が溢れてきた。

いろいろな場所を絵とともに旅をしたことは忘れない
5話の夏目が言った「見たこと、感じたことはきっと消えはしない、忘れはしない」ってセリフと重なる

塔子さんに春地蔵とのやりとりを見られたときや、カリメを祓ったときの滋さんの対応を見て思ったけど
夏目は隠そうとしていても、藤原夫婦はきっと解ってるよね
だけど夏目が打ち明けないのなら
その気持ちを尊重しよう、みたいな

{/netabare}




11話
{netabare}
夏目が他の術師たちに比べて、強いことが明らかになった
斑も位の高い妖怪なわけだし、普段はのんびりしてても
実際かなり強力なコンビだよね
大きな霊力の持主となんだかんだいっても心強い用心棒

夏目は自分が辛い経験をしてきたぶん、相手の辛さも汲んであげられる。それに加えて
強さが優しさにつながっている部分もあるのかもしれない。
自分勝手で粗野な悪霊たちとは違い
リオウや三つ目の妖怪、ちょび髭の妖怪など強きモノはみな気品がある。


夏目と同じく視える存在であっても
力の弱い術師たちは基本的に妖怪を恐れているのかも
{/netabare}


12、13話
{netabare}
人間も妖怪も神様も
孤独が寂しいのは変わらない。
別に寂しくなんかないと思ってる人はただ強がっているだけか、または真に孤独ではないのだ。
カイを見ていると
ホロを思い出してしまった

科学技術が発達して信心深さが無くなりつつあるのかもしれない。
先日、UFOやUMAの特番をやっていたが
今の時代CGでどうにもできるだろ?と思ってしまったし。
それ以前に、あの番組はすでに偽物だとわかっているものまで不思議な映像として放送してたし、残念なものだったが。
NHKで栗山千明がナビゲーターしてる番組のほうがよっぽどマシだ。その番組で取り上げられていたものにコティングリー妖精事件というのがある。
詳しく知りたい人はググって欲しいが大まかにはこんな感じ。
 
 20世紀の初めころ、イギリスの片田舎に住む二人の少女が撮影した妖精の写真。かの有名なコナン・ドイルが本物だと認めたことから世界中の注目を浴びた。しかし数十年が経ち、ある記者が当時に事件を知って本人に取材したところ、偽装した写真だったと認めた。想像以上に大きな事件となり、真相を語ることが怖くなってしまったのと
ドイルの名誉を守るためにこれまで黙秘していたらしい。(語ったのはドイルの死後)

 真相が語られる前から写真に関する疑問点が挙げられたり
コナン・ドイルが神霊学を熱心に研究する心霊主義者だから、写真を本物だと思いたいだけなのではないか?などと批判されたらしいが
生前、ドイルは娘にこう語っていたらしい。
「二人の少女が嘘をつき続けていることが信じられない」
不可思議な存在を信じたい気持ちがあったのかもしれないが、それ以前に彼は少女たちを信じたかったのだ。
そして少女たちはドイルのことを思い、黙秘を続けた…。

 そもそも彼女たちが偽装した理由は
妖精を見たと言っても周囲の人は信じてくれず、写真に残せば信じてもらえるかもしれないと思ったそうだ。
写真が偽装だと語っても妖精を見たことは真実だという主張は曲げなかった。そして5枚目の写真は本物の妖精が撮れたとも…!
(たしかに見たところ写真の中央に謎の渦巻き状のものが写っている)

 少女が悪戯で撮った妖精の写真も今の時代では信じる人がいないだろう。
いろいろと科学で説明がついてしまい、不思議な存在を信じなくなってしまうのは寂しい…そして不思議な存在を主張する人を信じないことも…。(もちろん、中にはただの構ってちゃんが偽装した紛い物もあるけど)

 なにより神様からしたら信仰心を持ってなくとも、ただ人がお参りに来るだけで嬉しいのかもしれない。
そんなことを思った。

{/netabare}



【感謝するぜ、この曲に出会えたこれまでの全てに!】

「愛してる」はまことに素晴らしい!こんなに優しさを感じた曲は本当に数少ない。
他に知っているのはミスチルの「sign」くらいだ

イントロが流れ出しただけで涙しそうになる程の感動!
できるならば世界中の人々に叫びたい!!
これが夏目だ!!
夏目友人帳という作品を音楽にしたらこうなる!
と…

良い作品は劇伴やテーマソングも良いことが多いと思っていたけれど、作品が気に入れば その世界観を表現しようと奏でられた音楽も好きになって当然なのかもしれない。
 ただOPは少し賑やかすぎるかなと思い、EDほどは気に入らなかった。けど、夏目の周囲にそれだけ仲間が増えたっことでもあるのかな。そう考えると顔が綻ぶ。
どちらにしろ
劇伴は一期と同じく素晴らしいし、なによりEDが最高に響いたので音楽は☆5つです!

【結び】
夏目は恐ろしい妖怪を多く見てきたけれど、心優しい妖怪たちにも多く出会っている
それは妖怪だけでなく人も同じ。
だから彼は人、妖怪に囚われず
しっかりその個と向き合おうとする。
とても危なっかしいけど、にゃんこ先生がいるから大丈夫(たぶん)
この先も優しい彼が紡ぐ
不思議な出会いと別れの物語を観ていきたい
ほんとこの作品好きだ、原作買おうかな…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夏目友人帳 冬の章

1期は夏~秋のお話でしたが、2期は冬から始まります。
冬の物語らしく、儚げでしっとりしたお話が多かった気がします。
また、人と妖の関わりについても1期よりもさらに考えさせられるお話が多かったです。
その答えは、1話の貴志の言葉にあるように思いました。

あにこれで出会った方々との交流も、とても貴重でかけがえのない時間なのかもしれませんね・・

1期もそうでしたが、タイトル画が味があっていいですね。
それから毎話のラストからEDへの入りは相変わらず良いです。
それと、雪の降る道を最初一人で歩いていて、いつのまにかみんなと一緒に歩いてる絵も好きでした。

あと忘れちゃいけないのが、にゃんこ先生♡
コミカルで憎めないキャラが相変わらず良いアクセントになってます♪
各話のレビューは以下のとおりです。

1話
{netabare}人に封印されていた森の主。
昔、人に助けられた主は人が好きになるけど、人によって封印されてしまい・・
貴志に封印を解いてもらった主は昔助けてくれた人に会いにいくけど・・
人の一生は短い。「つかの間の出会いと別れ。その刹那を一つ一つ大切にしていきたい」
貴志のこの言葉が胸に残りました。{/netabare}
2話
{netabare}狛犬の中にいた妖ゲンに大切な仲間スイを砕いた悪霊を封印したいと言われて。
でも実はその悪霊の正体は人にひどいことをされて悪霊になってしまったスイで・・
元々、二つの妖は人を思い人を助けていたのに。
ラスト、抱き合ったまま光となって消えて行った妖たち。悲しいお話でした。{/netabare}
3話
{netabare}名取再登場。温泉旅行に誘われて、にゃんこ先生と行くことに。
嘘をつくのに疲れたら、私のところにおいでと名取に言われた夢を見て。
話したいことはいっぱいあるのに、うまく話せなくて。
でも本当の心を知って欲しい人に話したいと思う貴志。{/netabare}
4話
{netabare}兄弟の小鳥が孵ったのに、孵らず残された卵。
卵をにゃんこ先生と温めて孵してみたら、中から妖が生まれて。
一生懸命に育てる貴志。そして大きくなった妖は旅立っていく。
本当の親をよく知らない貴志は、この妖に自分を重ねたのかな。{/netabare}
5話
{netabare}レイコに木に括られた「名前」を返して欲しいと妖がやってきて。
でも50年も経ってて見つけるのは大変だったけど、みんなの協力のおかげで見つかる。
海を見たことがないとレイコに話した妖。大木に登り、括られた「名前」を見つけた時・・
景色の向こうには広がる海が見えて!締めが綺麗なお話でした。{/netabare}
6-7話
{netabare}魔方陣に写った妖を見てしまい、呪いをかけられた、貴志と同級生の多軌。
貴志の名前を呼んでしまったことから、貴志も呪いをかけられて。
その妖が突然貴志の前に現れ、さらに妖が見えなくなる呪いをかけられてしまいます。
にゃんこ先生が持っていた魔封じの鏡を使い、なんとか妖を封じることに成功!
でも、妖が見えなくなったことを少し寂しく感じたのは、にゃんこ先生たちを友達と思っているからなのかな。{/netabare}
8話
{netabare}友達と温泉旅行に行く貴志・・とにゃんこ先生。
人魚からもらった血を飲ませて不老不死させたと思い込んだ旅館の女将。
それは血肉を欲しがる人間が嫌いな人魚のちょっとした嘘。
でも不老不死って私はなりたくないな。
命って限りがあるから人も季節も愛おしいと思えるんです。{/netabare}
9話
{netabare}フリーマーケットで見つけた絵。
それは桜の花に隠れて、人と仲良くなった妖が大切にしていたもの。
妖はその人に自分が妖だと知られるのが怖かった。でも、もうその人はいない。
その話を聞いて、貴志は妖が見えることを他人に言えない自分を重ねる。
枝ばかりの絵に、妖とその人が逢っていた頃の桜の花を描いてあげる貴志たち。
そして消えていく妖と絵の中のあの人。儚く寂しいお話でした。{/netabare}
10話
{netabare}義父の滋とレイコが出会った昔のお話。
滋さんやさしい人だな。塔子さんもやさしそうだし、貴志はこんな人たちと暮らせて幸せですね。{/netabare}
11話
{netabare}呪術師たちの会合。
妖が見える自分の痛みや苦しみを分かち合える人と逢えるかもと思い、参加する貴志。
でも・・実は一番警戒すべきなのは妖ではなく、人なのではないか?と思えてきて。
自分の大切で守りたいと思う人たちのために強くなりたいと願う。{/netabare}
12話
{netabare}廃屋に閉じ込められていた少年カイを助けるけど、妖に追われてるみたいで。
助けようとする貴志たち。でも時折見える人影は・・え?なぜ名取が?
あの子は妖怪だという名取。どういうこと?{/netabare}
13話
{netabare}鬼がいる井戸の封印を解こうとするカイを退治するという名取。
でもカイと仲良くなった貴志には名取の言葉が信じられない。
でも、名取の言ったとおり、カイは妖で、井戸の仲間を助けると聞いて。
人か妖かどっちか選べと名取に言われるけど・・どちらも選べないと答える貴志。
カイには貴志の想いが通じたのだろうか。
また春が来て。人と妖と一緒にお花見をする貴志たち・・{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夏目友人帳 冬の章

1期は夏~秋のお話でしたが、2期は冬から始まります。
冬の物語らしく、儚げでしっとりしたお話が多かった気がします。
また、人と妖の関わりについても1期よりもさらに考えさせられるお話が多かったです。
その答えは、1話の貴志の言葉にあるように思いました。

1期もそうでしたが、タイトル画が味があっていいですね。
それから毎話のラストからEDへの入りは相変わらず良いです。
それと、雪の降る道を最初一人で歩いていて、いつのまにかみんなと一緒に歩いてる絵も好きでした。

あと忘れちゃいけないのが、にゃんこ先生♡
コミカルで憎めないキャラが相変わらず良いアクセントになってます♪
各話のレビューは以下のとおりです。

1話
{netabare}人に封印されていた森の主。
昔、人に助けられた主は人が好きになるけど、人によって封印されてしまい・・
貴志に封印を解いてもらった主は昔助けてくれた人に会いにいくけど・・
人の一生は短い。「つかの間の出会いと別れ。その刹那を一つ一つ大切にしていきたい」
貴志のこの言葉が胸に残りました。{/netabare}
2話
{netabare}狛犬の中にいた妖ゲンに大切な仲間スイを砕いた悪霊を封印したいと言われて。
でも実はその悪霊の正体は人にひどいことをされて悪霊になってしまったスイで・・
元々、二つの妖は人を思い人を助けていたのに。
ラスト、抱き合ったまま光となって消えて行った妖たち。悲しいお話でした。{/netabare}
3話
{netabare}名取再登場。温泉旅行に誘われて、にゃんこ先生と行くことに。
嘘をつくのに疲れたら、私のところにおいでと名取に言われた夢を見て。
話したいことはいっぱいあるのに、うまく話せなくて。
でも貴志は本当の心を知って欲しい人に話したいと思う。{/netabare}
4話
{netabare}兄弟の小鳥が孵ったのに、孵らず残された卵。
卵をにゃんこ先生と温めて孵してみたら、中から妖が生まれて。
一生懸命に育てる貴志。そして大きくなった妖は旅立っていく。
本当の親をよく知らない貴志は、この妖に自分を重ねたのかな。{/netabare}
5話
{netabare}レイコに木に括られた「名前」を返して欲しいと妖がやってきて。
でも50年も経ってて見つけるのは大変だったけど、みんなの協力のおかげで見つかる。
海を見たことがないとレイコに話した妖。大木に登り、括られた「名前」を見つけた時・・
景色の向こうには広がる海が見えて!締めが綺麗なお話でした。{/netabare}
6-7話
{netabare}魔方陣に写った妖を見てしまい、呪いをかけられた、貴志と同級生の多軌。
貴志の名前を呼んでしまったことから、貴志も呪いをかけられて。
その妖が突然貴志の前に現れ、さらに妖が見えなくなる呪いをかけられてしまいます。
にゃんこ先生が持っていた魔封じの鏡を使い、なんとか妖を封じることに成功!
でも、妖が見えなくなったことを少し寂しく感じたのは、にゃんこ先生たちを友達と思っているからなのかな。{/netabare}
8話
{netabare}友達と温泉旅行に行く貴志・・とにゃんこ先生。
人魚からもらった血を飲ませて不老不死させたと思い込んだ旅館の女将。
それは血肉を欲しがる人間が嫌いな人魚のちょっとした嘘。
でも不老不死って私はなりたくないな。
命って限りがあるから人も季節も愛おしいと思えるんだと思う。{/netabare}
9話
{netabare}フリーマーケットで見つけた絵。
それは桜の花に隠れて、人と仲良くなった妖が大切にしていたもの。
妖はその人に自分が妖だと知られるのが怖かった。でも、もうその人はいない。
その話を聞いて、貴志は妖が見えることを他人に言えない自分を重ねる。
枝ばかりの絵に、妖とその人が逢っていた頃の桜の花を描いてあげる貴志たち。
そして消えていく妖と絵の中のあの人。儚く寂しいお話でした。{/netabare}
10話
{netabare}義父の滋とレイコが出会った昔のお話。
滋さんやさしい人だな。塔子さんもやさしそうだし、貴志はこんな人たちと暮らせて幸せですね。{/netabare}
11話
{netabare}呪術師たちの会合。
妖が見える自分の痛みや苦しみを分かち合える人と逢えるかもと思い、参加する貴志。
でも・・実は一番警戒すべきなのは妖ではなく、人なのではないか?と思えてきて。
自分の大切で守りたいと思う人たちのために強くなりたいと願う。{/netabare}
12話
{netabare}廃屋に閉じ込められていた少年カイを助けるけど、妖に追われてるみたいで。
助けようとする貴志たち。でも時折見える人影は・・え?なぜ名取が?
あの子は妖怪だという名取。どういうこと?{/netabare}
13話
{netabare}鬼がいる井戸の封印を解こうとするカイを退治するという名取。
でもカイと仲良くなった貴志には名取の言葉が信じられない。
でも、名取の言ったとおり、カイは妖で、井戸の仲間を助けると聞いて。
人か妖かどっちか選べと名取に言われるけど・・どちらも選べないと答える貴志。
カイには貴志の想いが通じたのだろうか。
また春が来て。人と妖と一緒にお花見をする貴志たち・・{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

58.7 3 呪術師アニメランキング3位
アラーニェの虫籠(アニメ映画)

2018年8月18日
★★★☆☆ 3.0 (23)
103人が棚に入れました
郊外の工場跡地に建つ巨大集合住宅。最近では、女子高生の変死体が発見され、不可解な心霊現象が目撃されるなど、いわくつきの噂が絶えない場所だった。ここに引っ越してきた18歳の女子大生りんは、ふとしたきっかけで怪異に見舞われる。死の呪いの恐怖におびえる彼女は、やがてこの建物の謎を探る民俗学者の時世や、呪術師の斉恩らとの出会いを通して、自らも怪異の正体に迫っていく。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

面白いが普通のサイコホラーかな?エンタメが不足かな。

 アマプラでリファイン版というのを見ました。内容の違いがあるかわかりません。本作も旧版も73分で時間は一緒でした。

 まずこの作品は「好きな子がめがねをわすれた」と関係ないのでしょうか?ヒロインもCGの雰囲気もそっくりです。が、本作は坂本サク氏という方が1人の人間が作ったとあります。関係があるのかないのか。

 先にちょっと気を付けて欲しいのはせっかくいい雰囲気で始まったのに花澤香菜さんの名前が黒地に白く大きくクレジットされます。ここでせっかくの没入感が現実に引き戻されてしまいます。

 細かい点ですが、洗面所でガラスのコップで薬を飲むのって米映画の影響ですよね?薬のビンも日本では見かけないタイプですし。このホラー的演出は陳腐かな、と思います。

 冒頭でこの2発が来たのでちょっと首をかしげたくなりますが、最後まで見て面白くなくはないです。ただ頭では面白いんですけど、若干映像や演出がありきたりで刺激が足りず飽きる場面はありました。

 で、本作ですがちょっとネタバレを含む感想です。というのは解釈しないと作品の中身の感想が言えないからです。ただ、その解釈を楽しむ作品なので見る気がある人はお気を付けください。

 ネタバレ考察 1回目視聴時

{netabare} この作品の大きな構造を解釈すると黒髪のJKの方のナスハが、同じマンションのリンちゃんを事件で殺してしまった。その結果2重人格になったということでしょうか。もしくはリンのイメージの格好をしているだけかもしれません。少なくとも虫が肌の上や皮下を這う妄想は統合失調症なのでしょう。

 というのは、ナスハじゃないと分からないはずの母親とのフラッシュバックがあるからです。首の傷も伏線なんでしょう。新築のマンションに越してきたナスハの母子が母が何かのきっかけでナスハを虐待するようになった。それでリンがうらやましくなったということでしょう。

 首が傾くは、自分の首の怪我の関係でどうしても傾けてしまうのか。心理的なものか。蛾というのは成長したい生まれ変わりたいという象徴の気もします。

 で、蛾と病気ですが、歴史上の記事・記録、民俗学者、マンションに本当に起きた事件なのかという点においてあいまいです。ただ、マンションの荒廃した様子からいって何かがあったのだとは思います。リンあるいは母が死んだ等の事故物件としてなのかどうかもわかりません。

 最後のシーンで生命反応的なものが全部ゼロになっています。これがナスハの心が死んでリンとして人格が統合されたという意味なのか、本当に死んでしまったのかが読み取れませんが、飾ってある花から言って実際に死んだのではないかと思います。

 ではなぜ死んだかというと、民族学者的な男が実は連続殺人犯で殺されたととるのがいいのでしょうか?ナスハが昔の事件の記事に触発されて殺人犯を犯していた。で、車にはねられただとちょっと読み過ぎかなという気もします。素直にとれば母親に刺されたということかもしれません。 {/netabare}

 という感じで短いシーンや細かな表現でヒントがあるのでは?と思わなくはないのですが、エンタメとしての面白みが若干足りないのでもう1回見て考察するのをどうしようかな、という気がします。
 昔の実験の表現が無ければもっとわかりやすかったんでしょうけど、1人の人が全部作ったということで多分その辺は計算しているんだとは思います。

 評価は映像は結構良かったです。声優さんはさすがの花澤香菜さんですが聞きなれた声なのでこういう映画に向いているかどうかはあります。音楽はまあ普通。ストーリーは考察は面白いですが、謎は普通のサイコホラー…に今のところ見えます。エンタメ度は不足です。なのでうーん、キャラ含めて3点…まあ3.5点でもいいかな、という感じでした。


 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

Fanatic さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

原作・脚本・作画・音楽……監督が一人で手がけた劇場アニメ

アラーニエとは、女性と蜘蛛が混合した怪物のことで、アラクネの語源です。

何の予備知識もなく、タイトルが気になってなんとなく観始めたたら、クレジットでいきなり花澤香菜さんの文字が。
説明不要かとは思いますが、PSYCHO-PASSの常守朱や、ニセコイの小野寺小咲など、数多くの作品に出演していらっしゃる人気声優さんです。

タイトルから単なるB級ホラーかと思っていたのに、そんな一流どころを使うほどの大作だったの?とびっくりしましたが……。
内容は、B級ホラーでした。

後から調べて分かったことですが、この作品、監督の坂本サクさんが監督・原作・脚本・アニメーション・音楽を一人で手掛けられた劇場アニメだそうです。
劇場アニメにも関わらず、画面全体から滲み出ていたチープさはそのせいだったのか……と納得でしたが、一人でこれだけのアニメって作れるものなのかと、逆にびっくりもしました。

作画は3Dキャラと実写を組み合わせたような感じで、アニメ映画というよりは3Dホラーゲームのような印象を受けました。
キャラの表情が乏しいとか、手ブレ演出がくどいとか……前述した通り滲み出るチープ感は隠し切れませんが、お一人で制作されたことを思えば、逆に恐ろしいクオリティの高さです。

内容は、主人公のりんが不気味なマンションで怪異に襲われるお話。
舞台装置や全体の色調、雰囲気は、なんとなく「サイレントヒル」を思い起こさせます。

ストーリーは、正直、ほとんど分かりませんでした。
途中、斉恩(呪術師)のセリフの中に、設定的なものを端的に説明していた箇所がありましたので、そのまま書き起こしてみます。

「心霊蟲のいなくなった肉体が魄(はく)、
死ねない体となった肉体が死を求めて人を狩る。
最初は人の死の予兆が見えるようになる。
やがて首が傾き始め、体中の心霊蟲を追い出し、
意思を持たない死魄兵となる。
死魄兵は人工的に生み出された人形だ。
どこかに元凶となる人間がいる」

……だ、そうです。
って、それだけじゃ何のことやら分からないと思いますが、まあ、そんな感じの話です(笑)

中盤以降は、リアルとノンリアルの狭間で、暗示的・抽象的なカットを繋ぎ合わせたようなシーンが続きます。
難解な構成なので、一度観ただけでは正確な解に辿り着けそうにはありません。

説明臭くなる表現は意識的に削ぎ落とされているようですし、監督も「解釈は自由」と仰ってるので、観客それぞれが好き勝手に想像しながら観ることを前提に作られているのでしょう。

花澤さんの演技は良かったですが、ホラーとしての怖さは、まあまあかな?
物語として「おすすめ」とは言えませんが、一人でどこまで作れるのか……という興味だけでも、一見の価あるかもしれません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

花澤香菜×Jホラー

個人制作ホラー映画アニメという尖った作品。
高密度高層住宅団地で繰り広げられるシチュエーション・スリラー。

キャラの魅力ガーwwww

ざーさんがナイス。アニメ声すぎて現代劇には向いてないがホラーだとリアリティのなさがかえって効いてる。ホラー映画のビビり演技のウザさが減るうえ、絶叫をやりすぎなくてもきちんと差分が生まれる。音響も悪くない。

キャラの作画は妥協なのか意図的なのか不明だがこれはこれで独特の雰囲気。画面は全体的に呪怨やリングなどのJホラーやホラーゲームのムービーみたいな絵作りで、アニメなのにもかかわらずホラー映画独特の不気味さを醸し出すことには成功していると思う。それなら実写でいいじゃんとなりそうだが、ホラーをアニメならではの表現に挑戦することに意義があるのでしょう。実写でこれやったらすげえ怖いというか虫モノをフォトリアルなCGでやったらあまりにもキモすぎる。

キャラ萌えは置いとくとして「わかる」ことが重要視される媒体のアニメでこれをやる勇気。というかこれ個人でなければできないわな。監督のネームバリューがない限りスポンサーが絶対つかないやつ。でも人間は「わからないもの」を怖がるのできちんとホラーの文脈で作劇するならその場で全部説明はできない。という意味でホラーとアニメはすこぶる相性が悪い。

そのうえ虚構と現実が入り混じり現在と過去が交差するという欧米実写映画さながらの複雑なプロット。あえて全部説明しないモヤモヤ系。男どもは丁寧にヒントをくれますが、いかにも重要キャラのようにこれみよがしに登場するくせにあっさり死ぬので毎回消化不良。流石に全員これだとオマエモカーという可笑しみさえあるが、そもそもりん以外は…。

ムシのキモさを押し出したキモグロスプラッタにはしたくなかったのでしょうが、バイオハザードみたいな要素が浮いてるのは残念。軍隊の生物兵器とかは擦られだが鉄板なので悪くはない。しかしアスリート並みのパワー・スピード・スタミナを兼ね備えているりんは昔運動部で身体能力抜群!みたいな方便くらいは欲しかったかな。

ちょっと欲張りすぎたかなあという印象。実写モヤモヤホラーの傑作「CUBE」や「プラットフォーム」のように一発ネタのシンプルなギミックで興味を引く作りならまだ見やすくなったとは思う。「結局あれはなんやねん」ってオチなのは変わらないけど。

巨大高層マンションの不気味さは出来てたし絵作りのセンスは感じられる。今のお絵描きAIの技術でやったらもっといいものができると思うのでまた挑戦して欲しい。

悪食的な怖いもの見たさ、もしくはざーさんファン以外は観なくていいかも。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
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