パラダイスおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのパラダイス成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月05日の時点で一番のパラダイスおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.7 1 パラダイスアニメランキング1位
グリザイアの迷宮 & グリザイアの楽園(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1222)
7479人が棚に入れました
美浜学園5人の少女たちの心を救った風見雄二。しかし、彼自信の心の闇は、いまだに晴れぬまま重く立ち込めていた。雄二は自らの生い立ちを振り返る。自らを育み、形作っているものが何なのか。そして、それらとの邂逅の中で何を得、何を失ったのか――。忌まわしいくも、かけがえない時間をたどる旅路の果てに、雄二は自ら心の奥底にしまいこんだ闇の正体と対峙する。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、田中涼子、田口宏子、水橋かおり、たみやすともえ、清水愛、鳴海エリカ、友永朱音、瑞沢渓
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

いざ!グリザイアを彩る楽園へ

2015年春より放送。
「グリザイアの迷宮」は、1時間放送の全1話。
「グリザイアの楽園」は、通常放送で全10話となります。
(※2014年秋に放送された「グリザイアの果実」の続編であり完結編となります。)


【前置き】

原作であるPCゲームは未プレイですが、秋に放送された「グリザイアの果実」は(多少の不満はあれど)最期は楽しんで視聴出来たので、本作も楽しみにしておりました。
ただ、原作ファンからはシナリオの描き方への不安の声もあったようですね、あの長い原作をどうまとめるのか…と。

私的には初っ端の「迷宮」で一気に惹き込ま…と言うより、文字通り迷い込まされちゃいました。
えぇもう、ホント参っちゃうぐらいに…。

さてさて、このレビューではその作品に登場する魅力的なキャラクターを中心に語っていきたいと思います。



【あらすじ】

「周防 天音(すおう あまね)」を狙った美浜学園の立てこもり事件以降。
「CIRS(サーズ)」の二課情報室長である「春寺 由梨亜(はるでら ゆりあ)」は、部下である主人公『風見 雄二(かざみ ゆうじ)』の調査報告書を作成し始める。

風見雄二という男について。
そして、その姉との関係について。

彼女は「貴方の姉の死については、幾つかの不審点があるわ。」と口火を切る。
彼女の部屋に呼び出された雄二は、気だるそうに溜息をつきながらも、改めて自身の過去を振り返り語り始めのだった…。



【語ってみる】
{netabare}
前作である「果実」は、それぞれ一癖ある(どころじゃないか?)ヒロイン達に焦点を当てられたストーリーが、連鎖的に続くシナリオ構成でした。
本作のような作品は、アニメ版を制作するにあたり各ヒロインパート毎に時系列をリセットする、いわゆるパラレルワールド的な構成も多用されています。
しかし本作は、各シナリオが全て過去として物語が繋がっておりましたね。
本作でも、その上からシナリオが展開していきます。


まず「迷宮」に関してですが、1クール空けての続編として、満を持して1時間の特別放送となりましたね。
本作は、世間を巻き込むような圧倒的な知名度を持つ作品とは決して言えませんが、このインパクトは中々効いたのではないでしょうか。
その内容としても、やはり前作である「果実」を知っていてこそ楽しめる内容ではありましたが、とにかく過激で濃いので非常に楽しめましたから。
流石は18禁のPCゲームのシナリオと言えるでしょう。

18禁ゲームは、えっちぃアダルトシーンにより18禁とカテゴライズされるケースもあれば、内容の過激さにより18禁となるケースもありますよね。
本作は、この2ケースを上手に合成し出来たシナリオですが、ちょぃと過激さの部分が優っていたのではないでしょうか。


この「迷宮」では、主人公である『風見 雄二』の過去が語られていきます。
そう、前作を視聴した方なら誰もが「一体何者なんだコイツ!」と思った、その彼です。
ヒロイン攻略系の主人公は、プレイヤーの分身として無色透明なキャラであることも多いと思うのですが、本作の彼はかなりのキャラ立ちをしていましたもんね。


天才と呼ばれた姉『風見 一姫(かざみ かずき)』と比べられた辛い幼少期。
その姉との、姉弟以上の関係。(ドキッ!!)
しかし一姫が、前作でも語られた壮絶なバス事故により、帰らぬ人となってから起こる家庭崩壊。
そして何より、両親がいなくなってから引き取られた謎の人物「ヒース・オスロ」からの、異常な寵愛とテロリストとして育て上げる為の非人道的な訓練の数々。
普通なら小学校へ通っていたであろう年頃に、彼はその生活により廃人同然の状態だったことが、作品を追うことで垣間見えてきましたね。

この出口の見えない雄二の「迷宮」は、オスロ邸を襲撃した「CIRS」の部隊に所属する『日下部 麻子(くさかべ あさこ)』と出会うことで終わりを迎えます。
彼女こそ、前作で雄二が幾度となく「師匠」と言って皆に語って聞かせた人物であり、雄二の育ての親となってくれたのでした。
この師匠が、また格好良い女性なんですよね。
雄二が慕うのも分かります。
以降は、アニメ版では「楽園」の第1話へと続き、引き続き雄二の過去が語られていく構成となっておりました。


雄二は麻子と暮らしながら、これまで経験出来なかった人として生きる上での物事や、世界の理を学びます。
(あっそうそう、初体験もね。)
しかし麻子さえも雄二は、その彼女の死によって失ってしまうのでした。
ただ彼女自身は、雄二を救ったことで自分も救われ「死を許された」と言い安らかに逝きました。
自身と同じく、日の当たらない仕事をしこむ育て方しか出来なかったとも彼女は言いましたが、その時の雄二の涙を見る限り、そんなことは決して無かったでしょうね。
雄二が人になれたのは、間違いなく彼女のおかげでした。

そんな彼女の最もシビれたシーンと言えば、雄二に教えた言葉『一人十衛(いちにんじゅうえい)』の台詞のところですね。

「貴様は国民十人の命を救うことと引き換えに、初めて死を許される。

 と言いたいところだがオマエは半人前だ、五人にまけてやる。」

この言葉を聞いた時は、その格好良さもさることながら、後に出会うことになるであろう五人のヒロイン達を思い出して、なんだかニヤけちゃいましたね。
ただこれは後々、雄二は「だから俺はもう死んで良いんだ」って考えるんじゃ……って伏線にもなっちゃいましたけど。


しかし本作グリザイアシリーズの最後として満を持して語られたのが、どのヒロインよりも壮絶な過去を持つ男主人公とは…。
可愛い各ヒロインよりも、何より男を魅せる作品だったワケです。
いやはや、「果実」を視聴し始める前は思いもしませんでしたよ。
これは良い意味で、裏切られました。
{/netabare}


【脇役であるからこそ引き立つ、癖のあるヒロイン達】
{netabare}
最終章で、敵の手に落ちた主人公を救う為に立ち上がった、5人のヒロイン達。
雄二の過去を知った彼女らは、
「それでも雄二と一緒にいたい、彼が好きだから…。」
と意思疎通し、一致団結して雄二奪還作戦を開始するのです。

本作のヒロイン達は、決してただの可愛い女の子達ではありません。
ただの女の子でないから、あの美浜学園にいたのです。
前作「果実」では、各キャラ毎に壮絶な物語のヒロインを務めた彼女達。
その物語で現れていた癖を、本作では存分に【活かして】くれました。
(まぁ一部そうでない娘もいたような…、でもないような……チルチル…。。。)


この5人の中で個人的に好きだったのが、この2人。
高スペックな『入巣 蒔菜(いりす まきな)』と『小嶺 幸(こみね さち)』でした。

蒔菜と言えば、ヒロインの中でも一際小さな体格です。
…でありながら、雄二直伝のスナイパー技術。
アニメではあまり披露されるシーンが無くて残念でしたが、一姫同様の圧縮記憶法による丸暗記能力など。
5人のヒロインの中でも、実は抜きん出たスペックだったのではないでしょうか。
時に幼く…時に反社会的で、そして時にキメてくれる台詞の数々も印象的でしたしね。
色んな意味で、私の「ストライイィィクンバッタァナッッ!!」でした。
そうそう、「果実」のDVD第5巻の特典映像は眼福の限りでしたね。(やべぇよ登り棒…。)

キャラ立ちでは、常にメイド姿で視聴者サービス旺盛な幸も良かったですね。
過剰なまでに礼儀正しく、常に優等生であろうとする彼女。
……の、たまに笑顔で吐く毒がたまりません。
とあるシーンでの「殺すぞ^^」発言の連発は、かなりセンセーショナルでしたよね。
あんな可愛い「殺すぞ」聞いたことがありません。
まさに『よく気の利く糞メイド』でした。
そう言えば、彼女の戦闘シーンでの「メイド姿+ガスマスク+ナイフ」ってのも、またインパクトがありましたね。
「シャチではありません、幸です、そしてサメです。サメは獲物で遊びません。」
ってトコは、かなり痺れましたよ。

してこの2人、深い信頼関係にあるところも好きなんですよね。
同学年でもある蒔菜にだけは唯一、幸も敬語を使いません。
その幸が、蒔菜が自分の側からいなくなることを恐れ不安を口にするシーンがありましたが、その時の蒔菜が

「心配なら、ずっと私を追いかけてくれば良いのよ、私がパパ(雄二)を追いかけるみたいにね。」

って返してくれるんですよね。
ここで幸が、「だね。うん…そうだよね、私そうする!」と言って笑顔を見せるシーンは、こっちまで微笑んでしまいましたよ。
ただ…、言葉通り地の果てまで追いかけるんだろうなぁ…、…ハハ……。

そんな微笑ましい彼女らが、いざ好きな人を救う時となると、シナリオとしてあぁも活躍するとは…。
前作と今の彼女達を知っているからこそ、ワクワクさせてくれる構成でした。


ただ、その各ヒロイン達が持ち前の能力を駆使出来た背景に存在する、『タナトスさん=風見一姫』を忘れてはいけないでしょう。
はい、先に2人のヒロインが好きと述べましたが、作品を通して一番好きなキャラはと問われれば、間違いなく彼女ですね。
実際、原作での人気投票でも一位なのだとか…。
5人のメインヒロインを押しのけての実姉トップとは…、ホントなんて作品だ。(褒め言葉)
私は趣向的に、どちらかと言えば全く逆を突き進むタイプの人間であり、この姉属性には嫌悪感すら抱く方ですが、この一姫は珍しく大アリでした。
何故でしょうね。(ニッコリ)

でも実際、先のように高スペックで例えても、このお姉ちゃんは紛うこと無き「天才」と呼ばれる人間であり、記憶力、知識量、判断力、絵画の才能、小柄で貧乳、小柄で貧乳などなど…、もぅ快挙に暇がありませんからね。
色素欠乏症による銀髪で赤い目も魅力的ですし。
アルビノって、なんでこう厨二臭くて格好良いかなぁ…。

前作の最終章でも、存分に彼女の魅力が描かれていましたが、本作の最終章はそれ以上でしたね。
タナトスシステムとしての再登場。
そして、各ヒロイン達を誘導し、世界を股にかけての作戦遂行。
あの計画は、一姫ナシで進めることは間違い無く不可能だったでしょう。

物語的に、事故の後に脳だけ摘出されて的な「マモーなパターン」を連想していましたが、まさかの本体ありだったのは嬉しかったですね。
そのタナトスが一姫として、浮き上がってきた潜水艇から参上し、

「こんばんは、タナトスです。ンフ♡」(ウィンウィン)←義手の音

と言い、ヒロイン達と対面する場面は、作品を通して一番テンションが上がったシーンでした。
あのなんともアナログな義手も、あれはあれで魅力的でしたし。
……と思っていたら、最終話のCパートでしてやられました……。
もぅ最後の最後まで、一姫は一姫でしたね。
最っ高に魅力的なキャラクターでした。
{/netabare}


【総評】

私的には、前作「果実」以上に見応えのある作品として仕上がっておりました。

ただ、かなり端折っていた箇所もあるようで、実際に原作未プレイの側からしても展開早いなって部分もありました。
特に「迷宮」や「楽園」の最終話は顕著です。
しかし、それでも説明不足で話についていけなかったり、内容が大味で薄っぺらくなるようなことは無いように感じました。

作画に関しても、前作同様の「シネスコサイズ」に多少の不満はありましたが、前作同様こういうものだと思ってしまえば特には…。
ただスタッフさんは大変だったようで…、本当にお疲れ様でした。
私のような素人からすれば、黒で上下塗り潰してるから作画減らせてラクじゃん!などと言ってしまいそうなものです…、オソロシヤ…。


本作を見始める前のこと。
原作を耳にしたことがある程度だった私の視聴のキッカケはと言えば、「なんかエロいんじゃねコレ…ムフフ」という不純な動機であったことを正直に告白します。
ただ作品を全て視聴し終えた上で振り返ると、思いの外愛着あるキャラクターが出来てピュアに楽しむことが出来ていました。

現実世界に擬えて設定の矛盾を考えてしまったり、必要以上に厨二的な要素や萌え要素に嫌悪感を抱く方にはオススメ出来ません。
本作は、可愛いだけではない癖のある5人のヒロインと、実姉やその周りのサブにするには惜しいキャラクター達。
そして何より、主人公補正を抜きにしても格好良い「風見雄二」を存分に楽しむ作品なのですから。
万人にはオススメ出来ませんが、ご興味がある方は是非。

ではでは、波瀾万丈の先に辿り着いた雄二の楽園が、幸せであり続けることを祈りつつ。
読んでいただき、ありがとうございました。

………いやまぁ、あの楽園が幸せじゃないワケがないか……ハハハ…ハァ…ウラヤマシイ…。。。


◆一番好きなキャラクター◆
『風見 一姫』声 - 友永朱音さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『入巣 蒔菜』声 - たみやすともえさん



以下、どーでもいい駄文なので〆ます。
{netabare}
前文で、一番テンションが上がったシーンとして私は、「こんばんは、タナトスです。ンフ♡」(ウィンウィン)を上げました。

ですが実は、そのレベルでテンションの上がったシーンがもう一つ。

どのシーンかは…あえて口にしませんが、幸が笑顔で


『シャブ落ちしたOLが、チンピラのアレにしゃぶりつくような勢いですね。』


『一本の羊羹を奪い合っての【ダブル☓ェ☓状態】です、エロいですね。』


と言い放ったワンシーンです。

余りにも唐突で目が点になった私は、思わず手が滑って巻き戻しをしてしまいました。
全く、ホント勘弁して欲しい。

すうぅぅぅ…………。


ありがとうございました!!!!!!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 42
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

エロスの身体性

【2015/06/22視聴完了して改稿。少し長くなりました】


アダルトゲーム原作のアニメは、世界が独特に歪んでいる印象がある。

ゲームの性的なシチュエーションのための(一般的には)不自然で人工的に「造り上げた」感を隠さない設定がそのまま全世界に拡大されたようで、自生的に「生成した」物として描出しようと努めることが多いアニメの物語世界を予期した視聴態度の前では、世界の基準となる座標軸が目盛の不均等な曲線で出来上がっているかのような、すわりの悪い落ち着かなさを感じさせる。
良し悪しではなく両者の「文法」の違いなのだろうが、違いに十分に自覚的でないままアニメ化することが、「歪み」という違和感を生むようだ。

アダルトに限らずゲームというものをやらないのでなおのこと、前作の『果実』でも、この「歪み」の感覚に馴染めないものを感じていたのだが、本作で、やや唐突に、あからさまな形で挿入されている性愛の描写が、印象を変えた。



{netabare}『迷宮』を含めた前半部を通じて、廃人寸前であった主人公の再生が描かれるが、世界から「承認」が得られず自己を肯定できない主人公は、当初、「軍隊」(と保護者による軍隊的教育)に、救いの糸口を見出すことになる。


アニメに限らず、軍隊に「承認」の調達先を求めてアイデンティティを得ようとする設定はありふれたものと言えるが、かなり安直な作劇手法だと日頃から感じている。

単に「承認」の調達先としての「組織」を求めるのであれば、別に軍隊でなくとも会社であってもいい。
「軍隊」という全生活的に支配する性格がより効果的に作用するのだと言い訳しても、それならば会社と過剰に一体化する「社畜」でも同じことだ。
承認の調達において、「軍隊」に殊更に疑似家族性を見出して特権化するのは、マッチョ・コンプレックスを裏返した観念的倒錯だろう。
徹底して現実的である「軍隊」の、本質的に使い捨ての歯車である「兵隊」に一体化して、空想的に全能感や肯定感を感受するところまでいけば、妄想の領域と言っていい。
「社会の歯車」というごく普通の生き方よりも「軍隊の歯車」を上に置くのは、脳内の抽象的な価値観による恣意的な序列だ。
このような妄想的な価値観への迎合として、安易な作劇は生み出され続けている。


そんな作品群の中、本作を特異に感じさせたのは、保護者の女性(たち)との性交渉の描写だ。

いささか唐突に挿入されるこの性愛の描写は、奇妙な、としか言えない肉体性を作品内に持ち込んでくるのだ。

指導教官=保護者の女性との具体的な性行為の性愛描写が、何故か不思議に、倫理という「観念」の束縛を受け付けない身体性を強く想起させて、「軍隊=疑似家族」に象徴されるいかにも人工的な「脳内」妄想性を、批判的に相対化して見せる作用を生じさせる。
この批判性がなければ、主人公が保護者の死に取り乱したり、敵を射殺するたびに嘔吐したりする描写において、「創られた」進行台本が透けて見える人工感が気分を白けさせることを、押しとどめることはできなかっただろう。

どれほどの計算があっての性愛描写であったか定かではないが、性的な興味の「くすぐり」としてのエロを超えて、奇跡的に(性的、に収まりきらない)「エロス」として昇華した奇妙な身体性が、本作の位置を独特なものとしている。

性行為を描写すれば自動的に身体性が生まれる、というほど単純なものではないだろう。
他作品を引き合いに出すのは不適切かもしれないが、例えば『School Days』にそのような身体性は生じていないように感じられる。
本作の「何か」が、いわゆるエロ描写を超えて、「エロス」としての身体性への化学反応を生じさせていると思うのだが、(文字通りの意味で他意はないのだが)性体験のない視聴者であれば同じように感受するのかどうか、ちょっと確信が持てない。

が、こうしてみると、『果実』でも具体的な性愛描写を挿入した方が「TVアニメとして」説得力が高まっていたのではないか、という気さえしてくる。(後述)


その『果実』で、それぞれに「世界」から排除されかけ、主人公によって「世界」に引き戻された少女たちが、本作の後半では、主人公を「世界」へ取り戻すために行動する。


これも偏見じみた印象だが、「世界」から排除されようとする「悲劇」的な運命への抵抗を主題としたアニメ作品の中には、その「運命」性に疑問符が付く作品は少なくない。
現象としての「悲劇」をもたらすものが「不運なめぐり合わせ」等である場合はさておき、「特定の人間」の行為へと還元することができる「人為」までも抗えない「運命」として了解しようとするそれらの作品の世界観は、やはり「歪み」の感覚をもたらす。

例え「悲劇」の担い手が大きな「組織」や「集団」の場合であっても、原理的には構成している個々の人間達の行為に還元できる。
にも関わらず、時には「神」を持ち出してまで「運命」として曲解し、原因を問うまなざしが欠如した世界把握は、精神病理学的な「認知の歪み」を思わせて、同調しない視聴者には全く意味不明に映ってしまう。


だが、本作の主人公のまなざしは、これとは真逆に見える。

少女たちを「世界」から排除する「もの」を問い詰めてゆく主人公のまなざしは、「不運なめぐり合わせ」でさえも、関わる人間たちの中に特異点として特定の個人を見出そうとする。
「もの」が組織であれば、「意思決定者」や「実行者」といった個々人を「敵」として選別し、個人への攻撃、排除を行うことで、少女の「世界」における「無力化」を完遂することになる。

奇矯なキャラ設定や状況に対して、この問題解決の「理路」や「方法論」は、ひどく平明な常識性を感じさせて、あたかも曲線座標軸の世界の中で、この部分だけ座標軸が直線で構成されているかのようだ。

この「落差」が、エロスとしての身体性を生じさせる「何か」と、深く関わり合っている気がしてならない。

エロスが喚起する身体性による批判性が、人工的に座標軸が歪んだ「世界」に、錘か或いは足場の様な物として説明しがたいある種のバランスを与えて、「歪んだ」なりに簡単には転倒しない安定感を生み出す事に、本当に不思議なのだが、結果的に成功しているように見える。

主人公を「世界」に取り戻すために「敵」への「攻撃」を敢行するエキセントリックな少女たちのアンリアルな行動を支える主人公への強い執着は、反対側にこの身体性と常識性とを引きずり、いかにも人工的な「あり得なさ」が物語世界を転覆させることを免れている。


終幕で、主人公たちが最終的にたどり着く「楽園」は、世界から承認を与えてもらって所有を許された私有地ではなく、「敵」を排除することによって「世界」から切り取った自分たちだけの「領土」だ。


新人類世代が、全共闘世代に対する過剰な反発からプロパガンダした価値相対主義は、すべての対立を、互いに等価な「価値観の違い」に過ぎないという。
対立を裁く絶対的基準はなく、互いに承認し合うことで解消することが「正しい」と宣伝されるが、クレーマーやバカッターの登場、さらには反知性主義の台頭は、「価値観が違う」ですべてをやり過ごしてきた価値相対主義に限界を突きつけているようだ。


終幕に至って、「承認」を「与えてもらう」ことを放棄して、「敵」を「絶対的」に排除して得た楽園に立てこもる主人公たちの行動は、空想的な逃避や撤退ではなく、このような限界性の暴露と突破を目指した闘争であると鮮やかに示している。

第三者からの赦し=承認と正当化を放棄して、「自分自身のための」殺人を決行する主人公は、最終的に「歯車」性からの脱却を果たし、「絶対性」へ向けて跳躍したといえるだろう。

この飛躍がご都合性を感じさせないのは、絶対性を呼び込む個々人の「かけがえのなさ」が、やはり「身体性」の錘を引き摺っているからこそだと、最後に改めて気付かされる。

歪んだ世界軸を透かして、全く新しいリアルが立ち上がってくるようだ。



本作を視聴することで、『果実』への評価も変わったように思う。

シリーズとして全体を振り返ると、食人や臓器移植、肉親の生死、と身体性を窺わせるモチーフがちりばめられている。
その「身体性」が強く前景化して立ち上がってくるのは、やはり性行為という、互いの身体を全面的に受け入れ合う営みの描写を契機とした、本作における奇跡的な「エロス」の発生においてだろう。

この描写によって、『果実』単体で視聴したとき、少女たちの「身体性と不可分な」悲劇に深くコミットする主人公の行動から人工的なアンバランス感が抜けきらないのは、『果実』内では性行為が欠けているからではないか、という印象が逆側から照射されてくる。{/netabare}


『果実』 『迷宮』 『楽園』の3つからなるシリーズは、単一のまとまった作品として、通して視聴した方が良いのかもしれない。


最後に一つトリビアを。

狙撃手にとって「眼」は生命線であり、主人公が頻繁に目薬を使用したり、師匠が視力の衰えから現役狙撃手の引退を決断する描写が本作にもあるのだが、昔むかし、実際の射撃手の間では、射撃前に射精すると照準の際に視力にいい影響がある、という迷信があったそうだ。
初期の『ゴルゴ13』で狙撃の前にベッドシーンの描写が多かったのは、この迷信を踏まえての演出だった、という説を聞いたことがある。

本作の「師匠」と主人公の性行為にそのような理由があるとは思わないが、そんな事を念頭に置くと、性愛描写を敬遠して視聴をためらっていた人も、ちょっと違う観方ができるのではないだろうか。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Pay it forwardの精神なのよさー

2015年4月~ AT-X、TOKYO MX他にて放送
全11話(迷宮1話、楽園10話)

前作のグリザイアの果実を見てたから一応見るかくらいの気分で視聴。
果実の方は正直やたらパンティラしてたなっていうのと
一番すけべボディの子が何か非道い目にあってるっていう印象しかなく
明らかな尺不足も手伝って個人的にかなり微妙な評価。
今作もはじめはかなり期待薄な状態からスタートしましたが
中々どうして、最初からすげー面白かったです。
相変わらずなんじゃこりゃ設定に超圧縮の脚本なんだけど
主人公の凄惨な過去とバックボーンをしっかりと描き
それを元に前作のヒロインたちを絡めながら1本軸のあるストーリーを展開させていました。
面白くねーなと感じても前作「果実」はしっかり視聴することを推奨します。
私はかなりいい加減に見てたので途中で分からなくなることもしばしば。
それでもすごく楽しめたんですけどね。


【グダグダと雑感】
{netabare}タイトルのPay it forwardは日本語で「恩送り」
誰かから受けた恩は、直接その人に返すのではなく、別の誰かに送ること
そうして「恩」はぐるぐると世の中を回っていき、善意の連鎖は世界を良くするよね。みたいな感じ
雄二の姉、風見一姫は恩を返すことを種を蒔くと表現し、種は果実になり再び種を蒔く。
その繰り返しこそが雄二が渇望しながらも諦めていた未来=楽園だと語っています。

歪ながらも表面的な平和があった家庭が姉の事故から崩壊し、醜い大人に利用され心が壊れるような体験をする
そんな状況から救い出してくれた日下部麻子。麻子に多大な恩を感じ、それを返そうとする雄二。
そんな折、麻子が亡くなってしまい彼女の残した「死を許されたかったら5人救え」という言葉で生きる意味を見出す。
それが「果実」でやたらめったらヒロインを救っていた伏線だったのも面白かったし
死を許されるためにやった行動の全てが結果として雄二への生の肯定に帰結してしまうっていう矛盾なんだか皮肉なんだかも面白かった。

本来、生きるだの死ぬだのを決めるのに神如きの許しを請うんじゃねえよ。
そんくらい自分で決めろや、ふにゃチン野郎が!っていうメッセージを感じました。
そういうテーマだったらいいなっていう妄想みたいなものです。

もっとシンプルに物語を捉えるなら
雄二「俺の大切な女の仇をぶっ飛ばすぜ!」
ヒロインズ「あたいの惚れた男がピンチなら命懸けで助けるぜ!」
っていう直球で熱い展開にスピード感のある進行がすごく痛快でした。

ヤブイヌ小隊の面々や敵であるヒース・オスロまで
極限まで無駄を省いた脚本であってもキャラの個性は抜群で
無駄に消費される登場人物がほとんどいないのも印象的。

一番好きなキャラはJB。ほとんどボンド・ガール的な立ち回りしてた人でしたけど。
金髪ロングにタイトスカートのスーツスタイル、オマケに爆乳っていう
まるで全身ポルノ女のくせにウブな性格がツボでうひょーって感じでした。


終盤から締めまでの場面
タナトスシステムとかいう唐突なチートお姉ちゃんから始まり
デザインソルジャープロジェクトだのキュポーン計画だの固有名詞が多くなり
怒涛すぎる展開も重なり、やはり詰め込みすぎた感は否めないけど
日下部麻子との描写は必要十分にやったおかげで最後の麻子の「生きろ」というメッセージに強いカタルシスを感じたし。
強引な力技でもハッピーエンドな展開はやっぱり好きです。
これで雄二が命は取り留めたものの視力を完全に失い、足の負傷で車椅子生活を余儀なくされ
「これが俺の罪か。まだ許されなかったよ、麻子。。」とか言ってたら後味悪いってレベルじゃなかったゾ。


最後のお姉ちゃんの義手のオチもナイスでした。
これってアレですよね。コブラに出てくるクリスタル・ボーイ 意識しちゃった感じですよね。
お姉ちゃんは人知れずクリボーごっこで遊んでたんでしょうね。かわいい
よっしゃ!今日は一姫でオ○ニーだッ!!
{/netabare}

【総評】

アダルトゲームに限らずテキストベースのゲームに往々にして起こる「尺不足」に対して
製作陣が見せたい物を取捨選択し、きっちりと脚本を叩き上げてやれば
多少、無理のある展開であってもアクションや演出の魅せ方で十分面白くなるじゃんっていう好例。
その「尺不足」に悩まされた前作の話が土台としてしっかりあるおかげでギリギリ破綻しなかった感じですが。
「果実」のほうを見てキャラが気に入ったなら、まず間違いなく面白く見れる作品。

あと歩く名言発生機である日下部麻子の人生訓はどんな立場、状況の人でも思わずハッとしてしまうような
そんな力のあるセリフばかりで原作のテキストの魅力の片鱗を垣間見ましたね。

セリフといえばB級アクション映画のようなダートな言い回しが妙にハマってたのも印象的でした。

特にクソメイドの
{netabare}「シャブ落ちしたOLが、チンピラのアレにしゃぶりつくような勢いですね。」ってセリフには吹きました。まるでシャブ落ちしたOLを知ってるかのような言い方でしたけど実際に会ったことあるんですかね。シャブ落ちのOLなんてすごいレアケースだと思うんですけど。きっと日々の仕事のストレスを抱え、代わり映えしない鬱屈した毎日に嫌気が差していた。そんな日常に一時の刺激を求めたOLの良子は縁もゆかりも無かったCLUBという所に行ってみた。そこで出会ったここのCLUB常連のシゲル。最初は少し怖かったけど話してみたら意外と話は弾んでしまって。お酒の力も手伝ってすっかり楽しい気分になった良子に急に強烈な眠気が襲い・・・




よく分かんなくなってきたので終わりまーす{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31

68.6 2 パラダイスアニメランキング2位
けんぷファー(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (918)
5482人が棚に入れました
ごく普通の男子高生・瀬能ナツルはある朝、突然目が覚めると女になっていた。
覚えのない性転換に愕然とするナツルだが、追い討ちを掛けるように臓物アニマルのハラキリトラから「ケンプファーとして戦え」と告げられる。一切事情が分からないまま、戦いに巻き込まれていくナツルの運命やいかに!?
幼馴染・生徒会長・メガネっ娘の相棒など、美少女満載のバトル入り学園ラブコメディー。

声優・キャラクター
井上麻里奈、堀江由衣、名塚佳織、阿澄佳奈、中島愛、野村道子、田村ゆかり、水樹奈々、能登麻美子、内海賢二
ネタバレ

いっき さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

性転換、声優アニメネタ、ラブコメ、バトルなど多彩な要素を持つアニメ

主人公は瀬能ナツル。

佐倉楓からもらった臓物アニマルシリーズの腹切りトラのぬいぐるみを貰ったことから''けんぷファーに変身''出来るようになる。しかしけんぷファーは女性にしか認められないので男のナツルは変身している間は女性に強制的になる。けんぷファーになる資格は''モデレーター''に認められた女性。

モデレーターの説明は11話にある。

けんぷファーに変身すると特殊能力や武器が使え身体能力も格段にアップする。

学校は男女共学だが男女を隔てる環境が兎に角厳しい学校。男女は別校舎になってて図書館などの教養スペース以外はセキュリティー、鉄壁などが隔てている。

兎に角いろいろ詰め込んだアニメ。

性転換、臓物アニマルたちは野村道子、水樹奈々、能登麻美子、田村ゆかり、今は亡き内海賢二さん、など豪華声優陣、そしてナツルを巻き込むラブコメとけんぷファーバトル。

しかし、バトルはあまり無くひたすらナツルとのお決まりの主人公が鈍感の進展の無い過程を楽しむラブコメ、それもTV版にしてはエロい部類のラブコメ。もちろん無修正のblu-ray版はもっとエロいです。

ひたすらラブコメやデート回が多く、やっとけんぷファー絡みで動いたのは7話。しかしまたデート回。

やっと話が進展したのが9話。

そして全12話ということでもちろん、完結はしません。しかも本編は11話で終わりで俺たちの戦いはこれからだと言わんばかりの終わり方、そして最終回は本編とは関係のないOVA要素が強い第12話です。

けんぷファーバトルの説明はすこしあるのですが、臓物アニマルの正体や黒幕の人はどうしてそうなったのとか、バトルによる勝ち負けは一切ない進展しないけんぷファーバトル。シュベアト、ゲベアー、ツァウバーなどドイツ語がなにかの複線なのかとも思いましたが一切説明なし。

風呂敷を畳きれなかったアニメの代表という位置づけです。

銃や剣や特殊能力のバトルはあるが血は一切でない勝ち負けのないものですのでバトル要素は薄いです。アニメの題名にもなっているけんぷファーバトルは二の次のラブコメネタアニメでした。

あまり物語に集中しないでラブコメやネタを気軽に見れるアニメでしたので、これはこれで面白かったアニメでした。作画も安定して綺麗で、絵で見ても視聴し甲斐のあるアニメです。

自分的に気軽に見れるアニメの仲間入りです。しかしすこし過激なシーンもありますので一人で見るに限ります。

{netabare}
しかし、このアニメは絵はすごい気合が入っていますね。臓物アニマルの擬人化、しかもアイキャッチのみの使用でのいろんなキャラ(ミクとか)などキャラデザの無駄遣いがすごいと思いました。

11話でけんぷファーや重要な説明があり佐倉楓がモデレーター(洗脳?それとも宇宙から来たモデレーター本人?)で白のけんぷファーが動き出したところで終わるのでが、物語要素は好きなので、ラブコメだけではなく物語の進展も見てみたいアニメです。

しかし本当このアニメはラブコメ要素が濃いアニメだと思います。題名のけんぷファー要素の説明が11話のそれもたった30秒くらいのざっくり説明ですからw


11話の楓のセリフで

楓「あなたは最後には女であることを選ぶわ」←女に変身するのは過程で最終的には女性で性別を固めるってこと?全男性消滅作戦?原作を見ていないので意味深な終わり方でモヤモヤしました。

臓物アニマルのアイキャッチ擬人化で一番かわいかったのが火炙りライオンです。しかし声が内海さんなので破壊力(可愛さ、衝撃さ)が半端ないですw

そして多彩な女性キャラが魅力でした。幼馴染で主人が好き、性格変換、ドS会長などなど。。。M属性の私には堪らないキャラ達でした。

特に雫会長には一回詰ってもらi。。。

2期。。。はもうないのでしょうが続編期待です。そういうことなら何年まっても続きが見たいアニメですね。でも内海さんが亡くなっているのでそこは続編絡みで悲しいことです。




{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

けんぷにゃー!

仁義なき戦い!!


自己言及してかないと忘れ去られる赤と青の代理戦争設定
物語性なんてほとんど皆無なんじゃないですかね
11話の喜びの歌が流れた辺りは、いったい何事かと思いましたよ
12話とか全編そんなんですよね、疑問が次から次に湧いてきますが一切解決に至らない
なんですが、謎の中毒性があるんですねこのアニメ
臓物アニマルで言うところのハツが勝手に惹かれてしまう、何故なんでしょう

にゃんこいと同日同時間帯にやってましたね、仁義なき戦い!
9話がどちらも水着回だったりと恐ろしいほどシンクロしてますね
原画に東横桃子が入っとるー
吉原達矢氏です、大きく構えた芝居と舐め回すカメラワーク、見てて気持ちがいいですね
にゃんこいにも原画で入ってましたので、仁義なきtってことでもないか同一人物だし
制作はNOMAD、全体的にはちょっと怪しいかも、7話の鏡像が反転してない作画とか

原作の希望通りな神掛かりキャスチング
堀江由衣、田村ゆかり、水城奈々、能登麻美子
そしてしずかちゃんや2代目ワカメでお馴染、野村道子御方
しかもほっちゃん以外全てぬいぐるみ役だと、なんという声優の無駄遣い
これだけ揃えたとあって声優ネタも豊富です
6話「なぜかお風呂好きの女の子になっていてメガネをかけた少年とロボット(ry」7話「いっぺん死んでみる?」12話「少し頭冷やそうか・・・」他
10話は宝庫でしたね、ゆかりんのラジオネタとか奈々様の阪神ネタとか能登さんのCMネタとか
主人公・瀬能ナツルですが、割と性転換ものって声変えますよね
井上麻里奈さんは芸域も広く男の子役でも結構馳せてるから問題は無いかと思われ
まぁ難しいところですが、元が男なので割り切って見れますね
11話では野村道子さんの旦那様にして大手賢プロの代表取締、にしてラオウの内海賢二さんも出演なさってます
予告では夫婦掛け合いが見えます
えーそれから、名塚さん、祝・ご結婚!

 三    (^o^)   これはきっと
  三   <( )>    両想い~♪
 三    //

  (^o^)   三    見方によれば
 <( )>  三    両想い~♪
   \\  三

OP「あんりある♡パラダイス/栗林みな実」
ED「ワンウェイ両想い/瀬能ナツル・沙倉楓」
どちらも可愛らしい良い曲たちです
EDアニメーションは有名な腰振りEDです、靭帯痛めるんじゃないかってくらいの振り具合ですが癖になります
曲も、ワンウェイ妄想してく~♪の高くなる部分とかかなりツボ入ってます

やはりこのレベルになると、声優がキャラを持ってっちゃうのが如実に顕在してますね
最終回見て特に思いましたが、いやしずかちゃん声のナツルは外して、基本違和感がないんですよね
声優アニメということをここでも認識、まぁ好物なんですが
とりあえず二重人格の美嶋紅音ちゃんブヒイイイイイイイ
白のけんぷファーの4人とか、キャラ付け適当すぎるw
新聞部のKYぷりはいただけませんでしたね、あぁいうノリは
楓とは一体なんだったのか、モデレーターとの関係は明かされず仕舞いですか
てか瀬能ナツル(男)はあれだけ詰め寄られてチンピクのひとつもしないとは


まぶらほの築地俊彦氏のラノベ原作
2期というか特別編が決定しましたね、地上波でも放送されます
キャラは可愛いですしネタアニメ好きの人は見て損なしです
”ある朝目覚めると巨乳の美女になっていた”
なんてことになるかも分かりませんからね、なった時のために是非・・・?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ケンプファーといってもモビルスーツじゃないんですよ~

原作は既読で視聴しました

主人公の瀬能ナツル(せのうなつる)くん(♂)がある日突然ケンプファー(ドイツ語で戦士)のなつるちゃん(♀)に変身してしまうというお話です

かわいい女の子がたくさん登場して
ケンプファーに変身するのですが
実はケンプファーになれるのは女の子だけ

なのに
男の子のなつるくんもなぜかケンプファーに変身して
しかもかわいい女の子になってしまいます

他の女の子のほうはというと
変身すると性格が攻撃的になり
凶暴になるわ
ハイテンションになるわ
Hぃくなるわ
冷酷非情(この子は元から)になるわで

お話の内容が
ラブコメ
ハーレム
美少女
バトル
百合
虐待(個人的主観です)
SM(個人的願望です)
MS(ネタです)


てんこ盛りの
お祭り状態になるのは必至です

原作を先に読んでから視聴したのですが
これだけの要素を盛り込んで
原作12巻分を
1クールのアニメ作品にするなんて

観ている間
お話が収まりきるのか心配でしたが
実際収まりきってませんでした

なにより
この作品の最大の鍵となる
ケンプファーの謎に迫るお話については
ほとんど触れられていなかったのが
非常に残念でなりません


一方で
印象的だったのは
「臓物アニマル」というぬいぐるみの声優さん

原作者さんのお遊びなのか分かりませんが
原作では声の主を声優さんの個人名や出演作品名を挙げて紹介しているのですが
本作品では本当にその通りの声優さんがあてられてました

なかでも
なつるくんの家にいる「ハラキリトラ」の「野村道子」さんと
「ヒアブリライオン」の「内海賢二」さんの共演がよかったですね
(※内海さんについては2013年6月13日に永眠されました)

野村さんは「ドラえもん」の初代(テレ朝版)「しずか」ちゃんの声の人
内海さんはいろいろありますが
個人的に印象に残っているのは「ドラゴンボール」の「神龍」かな?
一番最近のものでは「銀の匙(Silver Spoon)」にも出演されてますね

そして
実はこのお二人
ご夫婦だったというのは驚きでした
正直この作品を観るまで知りませんでした
11話の次回予告ではご夫婦で共演までされてます


こんな大御所声優さんをご指名で起用して
他にも
豪華な声優さんがたくさん登場してて
太っ腹~(ギャラって高いのかな?)

っていうか
こっちに費用掛けすぎてしまって
主軸のほうにお金が回らなくなったから
こんな中途半端な結末になったんじゃないの?
って思うくらいです

最終回は
メインのお話とはほとんど関係のない
臓物アニマルくんたちを主役にした
おまけのエピソード回になってしまって
とても不満の残る内容でした


原作はとてもいいお話だっただけに
ちょっともったいない内容でしたね

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

65.1 3 パラダイスアニメランキング3位
プリキュアオールスターズDX3 未来に届け!世界をつなぐ☆虹色の花(アニメ映画)

2011年3月19日
★★★★☆ 3.9 (45)
217人が棚に入れました
 人気TVアニメ「プリキュア」シリーズの劇場版、その記念すべき10作目となる「プリキュアオールスターズDX」第3弾。TVシリーズ8作目「スイートプリキュア♪」のキュアメロディ&キュアリズムも加わり、総勢21人にパワーアップしたプリキュアがスクリーンで大活躍。幼馴染みの北条響と南野奏は元気いっぱいの中学2年生。オープン初日の巨大ショッピングモールへやって来た2人。気づけば現実の世界と妖精たちの世界が合体していて大混乱に。そこに突然、かつてプリキュアたちを苦しめた強敵たちが姿を現わす。彼らは、世界をつなぐ虹色の花“プリズムフラワー”を狙い、すべてを暗黒の世界にしようと企んでいた。この世界の危機に、プリキュア21人全員が力を合わせて立ち向かう。

声優・キャラクター
小清水亜美、折笠富美子、水樹奈々、水沢史絵、桑島法子、久川綾、沖佳苗、喜多村英梨、中川亜紀子、小松由佳、三瓶由布子、竹内順子、伊瀬茉莉也、永野愛、前田愛、仙台エリ、樹元オリエ、榎本温子、本名陽子、ゆかな、田中理恵

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

プリキュアのお祭りパート3

プリキュアオールスターズも3作目。
映画で歴代プリキュアを全員集合させて悪者を倒すって話。

何かもう、プリキュアファンにはたまらない演出。
21人連続で変身するシーンは、思わずキターって思うw
変身シーンなんてつまらないって声も聞こえてきそうだが
これはこれでいいのである。

また、必殺技のオンパレード。
21人で一斉にはなつ必殺技は圧巻w
まさにプリキュアのお祭りなのである。
相変わらず、なぜか「ルミナリエー」の掛け声で
ぐっときてしまう不思議。

しかしながら、物語も結構考えられており
このDX3は絆をうまく表現されており
後半は意外にも感動してしまったりする。
思わず泣きそうになったのは秘密。

そして、さすが映画というべきかぬるぬる動く。
動く動く。
プリキュアは基本肉弾戦なので動くと気持ちいい。

声優陣はあたりまえだが豪華w
全員だからね。
アフレコとかどうなってるのか興味がわくw

少し気になったのは、昔のプリキュアの作画が
ちょっと変わった印象を受けた。
何か人相変わった?って感じw

また女児向けの演出として、このプリキュアシリーズは
ミラクルライトというものが存在する。
劇場にいくと配られ、劇中でプリキュアにパワーを
送るシーンでミラクルライトを館内で振るのである。
こういう演出は何かいいなあと思ったりする。

お子様がいらっしゃる方は是非お子様と観ていただければと思う。
いつの間にか見入っている自分がいることに気づくだろうw


と、まあ色々書いてきたが
何が言いたいかというと

「堪忍袋の緒が切れました」いただきましたw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

久瑠実三十郎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

続編、3作目、人数過多の3拍子が揃ってこの面白さ!

「プリキュアオールスターズDX」3作目にして「プリキュアオールスターズシリーズ最終作」という何ともややこしい名義を引っさげてやって来たのが本作。

21人のプリキュアというと妙に少なく感じるかもですが、当時はこれでも「スゲェ人数になったなぁ・・・」と驚いたものです。

内容は至極単純。
プリキュア達が名前も覚えてないような歴代敵キャラ(劇場版)をぶっ飛ばすというもの。
いわゆるお祭り映画というもので、プリキュア以外にも歴代作に出てきた脇役、敵キャラ(ザケンナーからデザトリアンまで)が100人以上出演。

ファンは当然大喜び。

その上プリキュア達は終始戦いっぱなしときた!
あっちでボコスカやれば、こっちでもボコスカ、もひとつおまけにボッコのコ!!
プリキュアだけではなく、妖精たちにもしっかり花を持たせる憎い演出も見どころの1つ。

こうしたおバカなどんちゃん騒ぎが目立つものの、ストーリー自体も「前をしっかり見据えて進む勇気を持つことの大切さ」を説くような内容になっています。

なので、お祭り騒ぎを心行くまで楽しむことも出来るし、深いお話を哲学者のように考察する事も出来るという「1つの映画で2度楽しめる作品」になっているわけです。

これぞ映画ですね。



まぁ、兎にも角にもこれが最終作。


と思いきや、舌の根が乾かない内に新シリーズを作ると言い出した。
それを聞いた時私たちは舌を翻しちゃった。
でも、この新シリーズ以降プリキュア映画は下を見据えて一直線に進んでいく事になってしまうのですが、それはまた別の話。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
ネタバレ

にゃんちゅ(・ω・` さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

バラバラにされるパートナー

初代~スイート2人までの、総勢21人。

ぎりぎり変身シーンのカットなし。決め台詞もしっかり。

個人的には、一番好きなプリキュア映画です。

OPからして引き込まれる!
シリーズ事の登場に、曲も合わさって、
桃キュア、青緑白キュア、黄紫赤キュアでの演出の
オールスターズならでわや!!!!!
素晴らしい!!!!

OPだけで、どのキャラなのかが分かりやすく、
期待たかまる~♪

そして、内容ですが、
敵キャラが懐かしく、見ていてほっこり。

そしてバラバラの異世界に飛ばされるプリキュア達・・・

{netabare} 桃キュアは砂漠地帯。
結構肉対戦で、基本アホが多いので、指示も言葉足らずw
パートナーいないと一番ダメなやつらw

青緑白キュアは船の墓場。(海)
基本2番手キャラなので、桃キュアの後に続く戦闘スタイルなので先陣きるやつがいないけど、冷静で戦闘も安心して見れる。
(やっぱりマリンだけ浮いているけど)

残りの、黄赤紫キュアはスゴロク~。
すっごいPOPな場所でちょっとしたギャグパートでした。~ {/netabare}


個性がすごい発揮されてて、みていてとても楽しかったです。

集合し、シリーズ事の攻撃BGMがシリーズOPソングになっていて、
そこも良かった。
いい仕事するじゃねーか!!!

最後は、ちょっとした感動もあり。
EDは、シリーズ事に、「初めて妖精と出会ったシーン」が流れ、

もう 大 満 足 !!!!

何回見ても楽しい作品だわ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2
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