「映画 五等分の花嫁(アニメ映画)」

総合得点
75.3
感想・評価
172
棚に入れた
645
ランキング
805
★★★★☆ 4.0 (172)
物語
4.0
作画
3.9
声優
4.2
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

納得の結末!でも、ダイジェストっぽい展開がちょっと残念!?

この物語は、結末が分かっていながら、その結末が分からないと言う大きな矛盾、
それこそが最大の見せ場となります。
原作を知らない場合、その結末がどうなるのか、それ自体がとても楽しみでした。
同時にどれだけやきもきさせられたことか。
でも、それも本作までです。

5人は、今まで、なんでも五等分をモットーにどんな「問題」も解いてきました。
でも、今度の「問題」は、5等分できません。
とても「難問」ですが、5人は、どのような「解答」を導き出すのでしょうか?
そして、誰よりもこの「難問」を解かないといけないのは、主人公本人でした。


※ここからは、ネタバレです。


■納得の結末
{netabare}
初恋の相手、しかも、両想いだった二人が結ばれると言う王道の展開でした。

落ちこぼれの主人公が変わることができたのは、その子に出会ったのがきっかけです。
つまり、今の自分があるのは、その子のおかげなんです。
だからこそ、これからも一緒にいたい、そして、寄り添い、支えあいたい相手なのです。

これなら文句はありません。
むしろ他の子だったら、しっくりこないものがどこかに残ったに違いありません。
いちばん綺麗な終わり方だったと思います。

と、言うわけで、主人公が解いた「難問」、その答えは「四葉」でした。

そして、5人もこの「難問」を解いて、それぞれが納得する答えを出したのです。
つまり、心の整理をつけ、未来に向かって自分の道を歩んでいきます。
{/netabare}


■四つ葉のクローバー
{netabare}
「四葉」と言えば、思いつくのが「四つ葉のクローバー」です。
花言葉は、「幸運」、「私のものになって」という意味があります。
これだけでも十分意味深ですよね。

でも、四つの葉にもそれぞれ意味があるそうです。
それは、「希望」、「信仰」、「愛情」、「幸福」です。

この物語の四葉もそんな人生を歩んできました。

【希望】
主人公と最初に出会ったとき、将来への"希望"を持ちました。

【信仰】
自分は特別な存在だと"信じ"、自分ができることを頑張ってきました。
一方、他の姉妹に対しては、信じる気持ちの強さから冷たく当たることもありました。

【愛情】
四葉が落第したとき、姉妹の"愛情"を再認識します。
また、主人公は、四葉のことを見分けてくれました。
同じ顔でも"愛情"があれば見分けられるからです。

【幸福】
最後、お互い初恋同士で両想いだった二人は結ばれ、"幸せ"になります。

この物語では、「四葉」と言う名前から、最初からそうなると決まっていたのです。
{/netabare}


■ダイジェストっぽい展開がちょっと残念
{netabare}
上映時間は、2時間16分です。
嫌な予感がしませんか?
上映時間が長いと言うことは、実はもっと長い内容だったものを、
頑張って減らしてこの長さになったんじゃないかと考えてしまうのです。

案の定、ぎゅっと詰め込んで頑張っているのは分かるのですが、
なんとなくダイジェストっぽく感じてしまう部分がありました。
端的に言ってしまうと、ストーリーがちょっと雑なんです。

ここからは、そのあたりのことを書いていきます。
この作品を好きな方は、閉じたままでお願いします。


(1)結末への持って行き方がちょっと雑
{netabare}
TVシリーズでは、一花、ニ乃、三玖の恋愛感情が深く掘り下げられていました。
それによりとても感情移入させられ、応援もしたくなりました。

一方、四葉、五月は、自分の実力の無さに対する掘り下げがメインでした。
それにより、主人公に対する恋愛感情があまり感じられませんでした。

このバランスから、逆に一花、ニ乃、三玖は、選ばれないんだろうなと分かります。
女の子に対してこの表現は失礼なのですが、当て馬的な役割だと思えたからです。
それでも、私は、三玖だったらいいのになと思ってしまいました。同情ですね・・・。

逆に四葉については、ネタバレ防止のためかあまり恋愛的な側面はありませんでした。
それでも、四葉は、過去に関する最大の秘密の持ち主なので、本命です。
しかも、それをひた隠しにしていたという理由があるので納得はできます。
でも、そのことを映画で語るにはあまりにも短すぎました・・・。

一方、五月は、最初こそ主人公との出会いのきっかけとなった女の子でした。
しかし、その後は、特に主人公のことがどうしても好きと言うようには見えません。
また、姉妹の中で四葉の秘密を握っているので、サポート的な役割だろうと感じます。

そんな5人が、最後、主人公に自分を選んでもらうと言う場面において、
同列に並ぶことに少しアンバランスさを感じました。

できれば、映画では、四葉が抱く恋愛感情についてもっと触れてほしかったです。
TVシリーズで描いてきた他の三人にくらべると圧倒的に少ないのです。
正直、主人公のことをどれだけ心の奥で想い続けてきたのかが分かりませんでした。
{/netabare}


(2)学園祭期間中の主人公と5人の関りがちょっと雑
{netabare}
主人公が学園祭期間中に誰に決めるか答えを考えると5人に言いました。
5人は、その期間中、それぞれの役割があるので、別行動をします。
そんな中、5人が個別に主人公にアプローチをするのです。

しかし、その内容が、一花、ニ乃、三玖は、いきなりのキス。
でも、これは、3人の今までの気持ちを考えると分からなくもありません。

でも、四葉もキスです。
四葉に関しては、それまでの恋愛感情の掘り下げが少々足りていませんでした。
そのため、これによりその心の奥にあったものを表現しようとしたのかもしれません。
でも、ちょっと強引だったかな・・・。

五月に関しては、そもそも恋愛と言う感じではなく、主人公に対する信頼でした。
{/netabare}


(3)実の父親の登場がちょっと雑
{netabare}
五つ子の実の父親が登場するのですが、正直、展開に白けました。
この人物は、母親がシングルマザーとなり貧乏で苦労した原因をつくった人物です。

この人物の登場は、血がつながっていない今の父親の存在意義を確立するためと、
母親に憧れている五月の行き場のない怒りに区切りをつけさせるためです。

その意図は、いいのですが、いきなり登場して五月に大きい口をたたきます。
そうかと思ったら、五月がちょっと怒るといきなり土下座。
仕舞いには、今の父親に対して、「無責任」と言う始末・・・。

この物語では、いままで前触れすらなかった人物です。
いきなり現れて、たった数分間で、家族関係と五月の問題に決着をつけようとします。
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(4)幼馴染の女の子の登場がちょっと雑
{netabare}
幼馴染の女の子が登場するのですが、正直、こちらも展開に白けました。

この子は、主人公が過去に四葉に出会う前に少しだけ気になった子です。
でも、初恋までの存在ではありません。
そして、この子もまた、その過去に四葉には会っているようです。

この子が登場した理由は、主人公と仲良くすることにより四葉に嫉妬させることです。
その意図はいいのですが、いきなり登場してニ乃と五月と恋のライバル対決です。
その後、四葉とも接触しますが、まぁ、その流れが雑。
そもそも、この子は過去に数分間登場しただけの存在なので、いきなり感がすごいです。
{/netabare}
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■まとめ

最後の結末はどうなるか分からないと言う展開がとても面白い作品でした。
でも、その根底にあるのは、5人それぞれの気持ちです。
TVシリーズでは、それを丁寧に積み上げてきたように見えました。
それに比べると映画は、すこし雑に感じてしまったのが残念でした。

でも、結末は、私としては、すごく納得できるものがありました。
そして、綺麗な形で完結してくれたことも嬉しかったです。

投稿 : 2022/05/23
閲覧 : 199
サンキュー:

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