なーとか さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
海夢ちゃんの演技方針だけが不満、それ以外は満点
原作組です、原作時点でマイベストタイトルなので、再現度が高い時点でとても良いアニメでした。
むしろキャラデや作画などは、アニメ化が決まる前から「アニメで再現するの難しそうだなー、でも人気だからアニメ化するんだろうなー不安だなー」と思っていたぐらいなので、度肝を抜かれる再現度でした。
昔から少女漫画系作画のアニメ化は線の質等がアニメのそれと乖離しすぎていてなかなか再現仕切るのが難しいものでしたが、最近は本当に上手く寄せてくれますね、その中でもピカイチの寄せでした。
漫画では表現しきれない動きや、コマ間のやり取りなどが補完された上で原作の良さが出てくれるのは本当に嬉しいですね。
総合的には満足ですが、タイトルの通り海夢ちゃんの演技だけがちょっと不満です。
下手とかではないんです、声優さんとして十分上手な御方だと思うので演技力に不満があるわけではありません、ただただ演技方針に疑問が残る視聴でした。
多分音響さんとか監督さんの意向なのでしょう、あのイントネーションは「ギャル」ではありません、あくまでも「アニメヒロインとしてのギャル」になってしまったのが残念でなりません。
とはいえ、べったべたなギャルイントネーションにしてしまうとオタ受けが悪い(かもしれなかった)という事情も容易に推測できるので仕方ないのかもしれませんが、それでもやはり不満ですね。
コスプレ同様、海夢ちゃんて真剣にギャルをやってるはずなんですよ。
つまりファッションギャルではなく、生粋のギャルなはずなんですね。
この作品はオタクに優しいギャルモノではありません、生粋ギャルの趣味がたまたま二次元オタ系だったというだけで、彼女にとって「ギャル」と「コスプレイヤー」そこの重要度に差は無いはずなんです。
にもかかわらず、二次元オタに優しい演技指導・演技方針になってしまって「ギャル要素」を軽視してしまったのは、制作スタッフの日和りに見えてしまいとても残念でした。
ビス恋は「ギャルクラスタの人がコスプレをするギャップ」からの面白さが独り歩きしてしてしまいがちですが、ごじょー君にも共通する「そもそも特定クラスタにおける趣味嗜好へのバイアスをぶっ飛ばしていく」というカタルシスの元に成り立っているお話だと解釈しています。
アニメ化された範囲の先でごじょー君が変化していく様などは、まさにこの点の集約です。
だからこそ「オタクウケの良いギャル」にはしてほしくありませんでした。
だってそうでないと「オタク向け作品に出てくる都合の良いギャル」というバイアスをぶっ飛ばしきれていないじゃないですか。
長々と語りましたが、それでも大人の事情はあるわけで、商業作品としてターゲットを蔑ろにしてはいけないというのも否定できません。
なので、アニメ化全体としては本当に満足しています。
この人気ならきっと2期も来てくれるでしょう、その時はぜひ、もう少しだけギャルという要素にも寛容な方針にしてくれたら良いな、と思っています。