「∀-ターンエーガンダム(TVアニメ動画)」

総合得点
76.8
感想・評価
492
棚に入れた
2566
ランキング
658
★★★★☆ 4.0 (492)
物語
4.1
作画
3.8
声優
3.9
音楽
4.1
キャラ
4.0

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二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ヒゲでハゲで股間が搭乗口の奇抜なデザイン

「全て」を意味する∀の記号を冠したガンダム。
その名の通り、本作は宇宙世紀やアナザーガンダム、またそれ以外の、今現在制作されていないガンダム作品も含めて「全て」のガンダムの終着点として作成されたガンダムで、幾多にも繰り返される宇宙戦争の歴史が過ぎ去ったさらなる未来という設定になっています。
作中では、過去の悲惨な歴史を黒歴史と称して封印しており、甚大な被害を被った黒歴史最後の悲劇からさらに数千年かかって人類がある程度の生活レベルを取り戻した時代とされています。

ストーリーは、基本的に地球に入植したい月の人々(ムーンレイス)と、地球人との戦いの話になっています。
月の女王であるディアナ・ソレルは、終始話し合いによる平和的解決を望んでいて、技術に劣る地球人も会談に応じる用意があったのですが、早まった兵が地球上にあるノックスの街を襲撃し、地球の兵(ミリシャ)と交戦状態となってしまう。
戦闘を仕掛けてはならないという命令が出ているのですが、復讐のため、防衛のため、あるいは単純に敵を撃滅すれば全て丸く収まるという考えを持ってしまったがために戦いが勃発する。
主人公は地球先行潜入員として地球に降り立っていたムーンレイスの少年、ロラン・セアック。
成人式の夜、その儀式の最中に街が襲われ、崩れ落ちた神像「ホワイトドール」の中から現れた機械人形に乗り込み、ムーンレイスを撃退したことから以降、ホワイトドール(∀ガンダム)を操り戦うことになります。
序盤は傍から見るといくらでも穏便に解決する方法があるのではないかと思いながらも、一部の身勝手な人の振る舞いから争いが泥沼化する様子に悲しみを感じるシーンが多かったように思いました。

過去のガンダム作品とは異なり、牧歌的で穏やかな雰囲気を持つ作品です。
本格的な戦闘は後期になってからで、序盤から中盤までは話の中心は戦闘ではなく、政治的な駆け引きや街の人の話が中心となっています。
遙か未来の設定ながら地球の技術レベルは産業革命後あたりがモデルになっており、月からの脅威に対し、マウンテンサイクルから発掘した黒歴史の遺産である機械人形を持って対抗します。
つまり地球軍はモビルスーツを開発せず、発掘された宇宙世紀のザク、カプール、そして∀ガンダムが地球軍側の主力モビルスーツとなっています。

主役機の∀ガンダムは、ヒゲのようなブレードアンテナを備え、股間に搭乗口があるという、それまでのガンダムとは異質なデザインになっています。
ガンダムのみではなく、新規のモビルスーツに関してはそれまでのモビルスーツデザインとは違った雰囲気を持っていて、好き嫌いは分かれるところだと思います。
本作のモビルスーツデザインはシド・ミードという外国人デザイナーが行っており、モビルスーツデザインには賛否がありますが、個人的には性能よりもインパクトがあるデザインが好きなので、本作のモビルスーツは見分けがつきやすくて良いと思いました。
また、確かにヒゲでハゲで股間が搭乗口の奇抜なデザインとは思いますが、本作の雰囲気にはピッタリの素敵なデザインかと、私的には思います。
その後出てくるターンXはもっとガンダムらしくなく、こちらはデザイン含めいまいちな印象です。
別談ですが、∀のライバル機だから∃(ターンイー)ガンダムにすれば良かったのでは、と思ったり。

初期OPが西城秀樹、EDが谷村新司で、音楽が菅野よう子だったり、色んな意味で異質なガンダム作品です。
ストーリーはあまり起伏がないながらも、全50話最初から最後まで楽しく見終えることができました。
過去のガンダムは見なくても話はわかりますが、全作品とは言わずともある程度見ておいたほうが楽しめると思います。

投稿 : 2018/03/11
閲覧 : 442
サンキュー:

3

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