血風連あにこれ支部 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
愛は剣よりも強し、という事なのか
歌とロボットと三角関係なコンセプトを持つマクロスの初代作品(正確には劇場版リメイクらしいが)。
事前にネタバレである程度知ってはいましたが、荒廃した地球を見るのは辛かった…。
砂漠だらけで汚染されていて、草木もろくに生えていない。当然のように生存者は皆無。
後のマクロスシリーズでも地球が一切出てこないのはこういう背景があるからこそですか。
メカ作画も板野サーカスと呼ばれるミサイル作画も良かったですが、話のインパクトが凄まじかったですね。
荒廃した地球をさ迷って、ボロボロになった食器をテーブルに並べて「お帰りなさい」と言うシーンは、かなり胸に来るものがありました。
キャラデザはやや古臭い感じがするものの、シリーズ化して人気が出るのもわかりますね。
恋愛的な面では、ヒロインAとイチャイチャした後でそう間を置かずにヒロインBとくっつくので多少の唐突感は感じざるを得なかったです…。
この主人公は別に嫌いでもありませんが、劇場版という短い尺で三角関係を描くのはいささかきついものがあったかもしれません。
さて、話の内容ですが。男と女が争っている…分かりやすい程に愛を失った種族が、歌によって文化に目覚めさせられるという話だった。
このゼントラーディ、元々人間と同じ遺伝子構造を持っている、という裏設定らしいですが。
人類が元々持っている闘争本能を透かして見せられている気がして、何とも微妙な気分になりましたね。
歌が世界を救うなんて言うと大げさに聞こえますが、確かに悲惨な戦場にいてドンパチやるよりは、アイドルにハマってCDをバカ買いでもしてた方が幾分かマシなのかもしれません。言い方はキザですが、愛は剣よりも強しという事ですか。
一言付け加えれば、ゼントラーディが人間の「ズル賢さ」という性質を持っていなかった事が救いかなと思いました。