「灰と幻想のグリムガル(TVアニメ動画)」

総合得点
87.2
感想・評価
1954
棚に入れた
9392
ランキング
161
★★★★☆ 3.9 (1954)
物語
3.8
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.8

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

灰と幻想のグリムガルの雑感「青臭い僕らの冒険譚」

突如異世界に放り込まれ、見知らぬ者たちとパーティを組むことになって・・・
ハァ・・やれやれ、またこのパターンですかいと1話を観始めて思ったものですが、
このアニメはゴブリンが強かったw
パーティ6人掛かりでもゴブリン一匹相手にするのも四苦八苦と、
この視点は新しいと思いましたw
中盤位までゴブリン、ゴブリン、ゴブリンなので
「ゴブリンアニメ」なんてネット上で囁かれていたりw

ただ、このアニメの本質はそこではないでしょうね。

「僕たちはいつも失敗ばかりだ・・・

失敗を重ねて、互いに傷つけ合って、

それでも今を生きていこうとしている」

なんてハルヒロのポエム調の独白が唐突に始まるわけですよ。
(ちなみにこの台詞は私が適当に作ったものです)
そこで、待ってましたと言わんばかりにピアノの前奏が始まって、
しっとりとした挿入歌が流れるんですよ。
その時のカットは、パステルカラーの水彩画のような止絵だったりしてね。

何が言いたいのかというと、本作は非常に青臭い作品だと思ったということです。
では、ここからはネタバレありで語りましょう。


{netabare}万能のリーダー役であるマナトを失い、ハルヒロがその役を担うことになるわけですけど、
ハルヒロはマナトのようにうまく立ち回ることができません。
さらに、新たにパーティに加わったメリイは頑なに心を閉ざしています。
若さ故に人との距離感をうまく保てない彼らは、
不器用に愚直ながらも互いに向き合っていこうとしますが、
私が勝手に作ったハルヒロの独白のように失敗ばかりで互いに傷つけ合ってしまうと。
彼らの言動は、大人の私から見れば、
なんでここでそんな行動を取るの? 何故この場面でそんな空気の読めない発言をするの?
と間違いだらけです。
そんな未熟な彼らの青臭いやり取りを許容できるかどうかは結構重要なポイントかもしれませんね。
共同生活を通して、徐々に相手の長所や短所だったりに気付いていって、
中には特別な感情を抱く者も・・・
あーこれって「外国」を「異世界」にした「あいのり」(昔のバラティ)かもね。
いや、「あいのり」視聴したことないけどw

主人公役のハルヒロの声優さんはナチュラルな演技で定評のある細谷佳正さんです。
若干鼻声混じりのリアルな高校生っぽい声ですw
そういう演技指導があったのかもしれませんが、等身大の若者というのは、
制作側もかなり意識していたのかなと。
会話のやり取りなんかにもそれは感じました。
「あのさ・・・(結構な間を置いて) ごめん、何でもない」
「チッ・・何だよ・・・」
みたいなそんなやり取りとかね。

私は等身大の若者の青臭いやり取りなんて決して好きじゃないですけど、
それでも本作は結構楽しんで観れましたw
以前だったら、「こんなくだらねー茶番はFU❍Kだ!!」くらい言っていたでしょうけど
私も丸くなったのかもしれませんw

それで、本作の評価なんですけど、これは非常に難しいというか、現状評価しようがないです。
青臭いやり取りを是とするのか非とするのか、実はそんなことは瑣末なことだと思っています。
この作品の肝は、最後若干仄めかしていましたけど、
「何故ハルヒロたちはこんな異世界に飛ばされてしまったのか」ということです。
ここは劇中かなり伏せられていたんですけど、
そうならば、ここにあっと驚くような仕掛けがあるだろうと期待してしまうわけです。
実は元の世界ではこのパーティの関係は・・・とかも気になる所です。
本作は良く言えば丁寧に、悪く言えば些か冗長なんですけど、
腰を据えてじっくりとした作りという印象です。
アニメ慣れしている視聴者はついつい1クール毎の評価をしてしまいがちですけど、
この作品に関しては、長期的な視点でというのが必要なのかもしれません。
これは、あくまでストーリー面の話なので、
作風が自分には合わない、キャラが好きになれないということなら
視聴断念も致し方なしかと。
私は続編に期待したいですね。{/netabare}


(おまけ)

ポエムのようなハルヒロの独白、そして毎話のように流れる挿入歌(それも全部違う曲)と
これらが本作の青臭さをより一層際立たせているわけですけど、
ここに、並々ならぬこだわりを感じます。
気になったのでちょっと調べてみたら原作(ラノベ)の作者さんは
元ストリートミュージシャンだったとか。
作者さんの意向なんでしょうかね。

投稿 : 2016/04/02
閲覧 : 383
サンキュー:

36

灰と幻想のグリムガルのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
灰と幻想のグリムガルのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

takarockが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ