「言の葉の庭(アニメ映画)」

総合得点
85.8
感想・評価
1995
棚に入れた
9509
ランキング
215
★★★★★ 4.1 (1995)
物語
3.9
作画
4.6
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.8

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ネタバレ

もふ(´-ω⊂゛) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

2度見たくなる 素敵な作品

初めて新海監督作品をちゃんと見ました。とにかく作画が美しかった。内容を全く知らずに見たのですが、今(梅雨)の季節にぴったりな雨をテーマとした作品で。私はあまり雨が好きではないのですが、雨も少しいいものだなと感じました。5観点評価についてですね。
物語3.5:46分という短い上映時間で青年と女性の出会いから別れまできれいにまとまっていました。「一人で歩けなくなった女性」「孤悲の物語」というのがとても巧妙な表現だと感じました。

キャラ3.5:主人公タカオはとても好青年。本当に周囲とは全く違うものを見ているんだなと思います。真っ直ぐな子です。雪野さんは美しく大人な雰囲気を持ちつつもどこか儚げで。花澤さんの声も相まってとても魅力的な女性でした。

音楽4.0:主題歌は秦基博さんの「Rain」です。初めて聞いたのですが、いい曲です。サビの「行かないで 行かないで」という部分が好きです。なんとなく映画の場面を想起してしまいます。サントラも哀愁漂う曲調で雰囲気でるなと思いました。

声優3.5:満足です!大人な役どころの花澤さんもいいものです!

作画4.5:とにかく美しい。人も背景も。専門用語などはよくわからないのですが、デジタル技師といいますか、その、技術がすごいです、とりあえず。実写か絵か分からないレベルの再現率です。色の塗り方も特徴的。人の肌の影の色が緑だったり。個人的には雪野さんの足が好きでした。

{netabare}
かなりうるっときました!最後の雪野先生が走り出すシーンからタカオとの対話のシーン。迫力もあってグッと引き込まれました。毎日毎日がんばって学校に行こうとしていたのに、あと一歩の勇気が出せずにいたんだなと、これまで謎の多かった雪野先生の感情が一気に伝わってきてジーンとしました。私も(学校にではないですが)精神的問題でどうしても一歩踏み出せないといった経験があるので余計に・・・!
とても理不尽な理由で学校を追われた雪野先生。四国で幸せになってもらいたい。タカオはこれからも真っ直ぐに先生のことを想って靴作りに励みそうです。この時代に手紙のやり取りっていうのがいいですね!
とにかく、一時間足らずでここまで作品に入り込めるのか、と思いました。本当にキャラが深い。
タカオは15歳にして自立しているし、また自分が子供だと自覚している点がさらに大人びているな思いました。その反面、先輩に殴りかかったり、本をもらって目を輝かせたりと子どもらしいところもあって。最後には雪野先生にストレートに気持ちを伝えたり荒ぶる感情をぶつけたりと素直で熱い子だなと思いました。
雪野先生は謎の人というのが最初の印象。社会人として大丈夫かこの人と思っていました。チョコとビールしか味がしないという点やファンデーションが割れて涙するシーンから何か病気でもう長くないのかなと序盤は推測しました。また病死別れの話か、と思っていたのですが意外な真相で。ほんとに雪野先生は悪くない・・・見てるこっちが辛いです。あの元彼?の先生はやめといたほうがいい。女性の扱い悪そうだわ!(独断)。とにかくダメ男な気がしてならない。でないと電話のシーンでわざわざ別の女の影を出した意味が分からん。タカオに「さん付け」で呼ばれて「先生でしょ」と正したり、「あそこで一人で歩ける練習をしてたの。靴(タカオ)がなくても歩けるように」と告白をやんわりと断ったり、自分の気持ちに蓋をして先生と生徒との距離を保とうとする姿が切なかった・・・。靴を履かずに鍵も閉めずに走り出し、本心を涙ながらに訴えたラストのシーンが泣けます。タカオから告白された時の顔が一番良かった・・・美しい!万葉集の和歌の使い方もよかった。と、感想が終わらないのでこの辺で割愛。DVDをお店に返す前にもう一度見直したのですが、2度目は見る目が変わるので伏線や台詞の重みが一段と分かりやすくて心に響きました。
{/netabare}

投稿 : 2015/06/16
閲覧 : 195
サンキュー:

9

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