「銀河英雄伝説(TVアニメ動画)」

総合得点
89.1
感想・評価
944
棚に入れた
4041
ランキング
90
★★★★★ 4.3 (944)
物語
4.6
作画
3.8
声優
4.5
音楽
4.2
キャラ
4.5

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イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

徹底して高水準を突き詰めたアニメ

記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。したくない時、受諾しない時は以降の文章を読み進めないこと。受諾する方のみ文面を読んでもらいたい。参考になったと思うときのみ、参キューしてほしい。

長期間もののアニメは、作品の中身が真水であることは少なく、水増しが主であるが、銀河英雄伝説はすべて真水である。
それはTVアニメの見逃しによりストーリーがわからなくなり、結果的に重要な回を設けられないという問題点をすべてOVA作品にすることで解決しているからだ。
視聴していない回があるのならば、購入して観ればよい。拠って見逃すことによる混乱は回避された。
過去のネックとなっていた問題が消失したことにより、本編だけでも110話という壮大なストーリーを描ききることが可能となったのである。
今でこそ映像技術の差により粗さが見られるが、OVA作品による手抜きのない画像だけで構成されている。作画崩壊などありえない。
また、当時の著名な声優はほぼすべて登場するため、銀河声優伝説と評される時もある。
要約すると、非常に質の高いSF作品の原作、画質では豊富で潤沢な予算が取れるOVA作品、銀河声優伝説というほどの豪華な声優陣、音楽は重層なクラッシックと、
何一つとして低レベルの要素がない作りになっているのだ。

銀河英雄伝説には名言集ができるほどの名言が散りばめられている。
ネットでは個人的に挙げるものが多くあり、検索すれば簡単に閲覧できる。
その中でも、これから視聴する人に向けて、ヤン・ウェンリーとラインハルト・フォン・ローエングラム、
二人の名言の幾つかを紹介したい。


ユリアン、戦っている相手国の民衆なんてどうなってもいい、などという考えかただけはしないでくれ。国家というサングラスをかけて事象をながめると、視野がせまくなるし遠くも見えなくなる。できるだけ、敵味方にこだわらない考えかたをしてほしいんだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

法にしたがうのは市民として当然のことだ。だが、国家が自らさだめた法に背いて個人の権利を侵そうとしたとき、それに盲従するのは市民としてはむしろ罪悪だ。なぜなら民主国家の市民には、国家の侵す犯罪や誤謬に対して異議を申したて、批判し、抵抗する権利と義務があるからだよ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

ユリアン、吾々は軍人だ。そして民主共和政体とは、しばしば銃口から生まれる。軍事力は民主政治を産み落としながら、その功績を誇ることは許されない。それは不公正なことではない。なぜなら民主主義とは力を持った者の自制にこそ神髄があるからだ。強者の自制を法律と機構によって制度化したのが民主主義なのだ。そして軍隊が自制しなければ、誰にも自制の必要などない。


        ――――ヤン・ウェンリー――――

人間の歴史に「絶対的な善と絶対的な悪の戦い」など存在しない。あるのは、主観的な善と主観的な善との争いであり、正義の信念と正義の信念の相克である。
一方的な侵略戦争の場合ですら、侵略する側は自分こそ正義だと信じているものだ。戦争が絶えないのはそれゆえである。人間が神と正義を信じているかぎり・・・戦争は無くなるはずがない。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂をとってもそれを批判することができない状態を、政治の腐敗というんだ。貴官たちは言論の統制を布告した、それだけでも、貴官たちが帝国の専制政治や同盟の現在の政治を非難する資格はなかったと思わないか

        ――――ヤン・ウェンリー――――

中尉……私は少し歴史を学んだ。それで知ったのだが,人間の社会には思想の潮流が二つあるんだ。命以上の価値が存在する、という説と、命に勝るものはない、という説とだ。
人は戦いを始めるとき前者を口実にし、戦いをやめるとき後者を理由にする。それを何百年、何千年も続けてきた……このさき、何千年もそうなんだろうか

        ――――ヤン・ウェンリー――――

戦う以上、犠牲が皆無と言う事はありえない。だが同時に、犠牲の増加に反比例して戦勝の効果は減少する。
 この双方の命題を両立させる点に用兵学の存在意義があるはずだ。
つまり最小の犠牲で最大の効果を、という事であり、冷酷な表現を用いれば、いかに効率よく味方を殺すか、という事になるだろうな・・・。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


軍隊は暴力機関であり、暴力には二種類あるって事だ。
支配し抑圧するための暴力と、解放の手段の暴力だ。国家の軍隊というやつは、本質的に前者の組織なんだ。
残念な事だが、歴史がそれを証明している。権力者と市民が対立した時、軍隊が市民の味方をした例は非常に少ない。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


敵の望む事を汲んで乗ってやる、そののち反転。油断した敵を撃破。敵の美点、長所を利用する。敵の思考パターンにそった行動を予測して、その方向にわざと動かしてやる。こちらが一次的に有利になったからといって喜んで動くと敵の策略にはまる。戦略を読め。予測内の思考をするのは凡人。予測を超える思考ができて名将だ。


        ――――ヤン・ウェンリー――――


信念とは、過ちや愚行を正当化するための化粧であるにすぎない。化粧が厚いほど、その下の顔は醜い。
信念のために人を殺すのは、金銭のために人を殺すより下等な事だ。なぜなら、金銭は万人に共通の価値を有するが、信念の価値は当人にしか通用しないからだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

固い信念なんてもんは かえって信用おけんね。だいたい戦争なんてものは固い信念を持った者同士が起こすんだからね。
正義と信念こそ、この世で最も戦いを好むものだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

さて、もうすぐ戦いが始まる。ろくでもない戦いだが、それだけに勝たなくては意味がない。
勝つための計算はしてあるから、無理をせず、気楽にやってくれ。かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利に比べれば、たいした価値のあるものじゃない。それでは、みんな、そろそろ始めるとしようか!

        ――――ヤン・ウェンリー――――


国家が細胞分裂して個人になるのではなく、主体的な意志を持った個人が集まって国家を構成するものである以上、どちらが主でどちらが従であるか、民主主義社会にとっては自明の理でしょう。人間は国家がなくても生きられますが、人間なくして国家は存立しえません。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


戦略および戦術の最上なるものは、敵を喜ばせながら罠にかけることだろうね。(中略)種をまいた後、ぐっすり眠って、起きてみたら巨大な豆の木が天にむかってそびえていた、というのが最高だな。 

        ――――ヤン・ウェンリー――――

簒奪(さんだつ)が世襲より悪いなどと、誰が定めたのか。それは既得権を守ろうとする支配者の自己正当化の論理にすぎないではないか。簒奪や武力叛乱による以外、権力独占を打破する方法がないのであれば、変革を志す者がその唯一の道を選ぶのは当然のことである。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

奪ったにせよ、きずいたにせよ、最初の者は賞賛を受ける資格がある。それは当然だ。 
……だが、自分の実力や努力によることなく、単に相続によって権力や富や名誉を手に入れた者が、何を主張する権利を持っているというのだ? 奴らには、実力ある者に対して慈悲を乞う道が許されるだけだ。おとなしく歴史の波に消えていくことこそ、唯一の選択だ。血統による王朝などという存在自体がおぞましいと私は思う。権力は一代かぎりのもので、それは譲られるべきものではない、奪われるべきものだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

運命? 俺は俺の長所によって成功し、自分の短所によって滅びるだろう。運命などに俺の人生を左右されてたまるか。全て、俺の器量の範囲内だ!

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私は宇宙を盗みたいのではない、奪いたいのだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私に学ぼうと思うな。私の模倣は誰にもできぬ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

体制に対する民衆の信頼を得るには、ふたつのものがあればよい。公平な裁判と、同じく公平な税制度。ただそれだけだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

ロイエンタール「勝利か死……ですか」 ラインハルト「違うな。勝利か死かではない 勝利か、より完全な勝利かだ」

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

最も強大で賢明な者が世を支配すればよい。政治体制はどうでもよい。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私は覇者たろうと志してきたし、それを実現するためにひとつの掟を自分自身に科してきた。つまり、自ら陣頭に立つことだ。
かつて戦って倒してきた能なしの大貴族どもと私が異なる点はそこにある。兵士たちが私を支持する理由もだ。
戦うにあたり、卿らにあらためて言っておこう。かつてのゴールデンバウム王朝の過去はいざ知らず、ローエングラム王朝あるかぎり、銀河帝国の軍隊は、皇帝が必ず陣頭に立つ!
ローエングラム王朝の皇帝は、兵士の背中に隠れて、安全な宮廷から戦いを指揮したりする事はせぬ!
卿らに誓約しよう、卑怯者がローエングラム王朝において、至尊の座を占めることは、決して無いと!

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――


追記
レビューに記載された言論を規制したい人は、個人の意見を以てするのではなく、あにこれの法的論拠に基づいて規約に記載する必要がある。
運営諸氏に連絡し、説得し、規制を規約に付け加えてもらうこと。

投稿 : 2012/01/14
閲覧 : 1227
サンキュー:

50

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