「地獄少女 二籠 -ふたこもり(TVアニメ動画)」

総合得点
66.6
感想・評価
374
棚に入れた
2185
ランキング
2734
★★★★☆ 3.7 (374)
物語
3.8
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.8

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ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

怨念怨嗟悪念嫉妬憤怒遺恨

害意毒気悪意鬱憤憎悪憤慨怨恨憤懣悲憤慷慨逆恨み




…恨みつらみを表す言葉のなんと多いことか。それだけ人の世で 強く 多く抱かれる感情ということでしょう。
相変わらず怨み恨まれの混濁した世界観は続きます。酷い人に酷い目に合わされる→おこ→地獄送りというワンパターンではなく、さまざまな方向に人の想いが絡まり 結末が移ろいでいくので、一期以上に観ていて飽きない話作りになっています。

それにしても一話は酷かった(褒め)
自分が地獄少女を観ているとわかっていても、彼女が救われることを願ってしまった。
あれは本当に理不尽すぎるいじめ。いじめられるほうにも落ち度があるとかほざく阿呆もいるけど、ねえよ。特にこの話だと完全に被害者。あんな可愛い子いじめるとかおかしいよ。地味な子扱いされてたけど、地獄少女に出てきた女の子の中でもかなり可愛い部類でしょ。
加害者は何の理由もなく、ただ楽しいから虐めていた。
地獄少女は他にもカスみたいな屑がぞろぞろ登場する。でも
「あり得ない、あんな酷い人間現実には居ないよ!」…と言い切れないのがこの作品と現実の怖いところ。
ONE PIECEのスパンダム
フランダースの犬の金物屋
こいつら以上に胸糞悪いアニメキャラは居ないと思ってたけど、この作品にいっぱい居ました。

一期にも増して鬱鬱としたストーリーが多かったけど、既にだいぶ耐性がついていたのでわりと平気でした…割と。きっと今ならダンサー・イン・ザ・ダークも観れるはず…


そもそもダメな人は一期の3〜4話くらいまでにはギブアップしてるだろう作品だから、一期視聴済みで二篭を途中で見るの辞めた人はたぶん少ないでしょう。


そんな凄惨な話の中で
ん、一期でやればよかったんじゃ?と思ったのは輪入道たち3人が地獄少女に拾われる話。(19話→輪入道、17話→一目連、21話→骨女)
別に二期まで温存しなきゃいけなかった話ではない気が…?
一期では まだ全員の話が原作で出揃ってなかったのか、それとも構成上入れる余裕がなかったのかな?

それとも、今回は前期に比べると
地獄少女メンバーが依頼主の事情に率先して首突っ込むことが増えてる。
その行動原理として、過去の身の上話を入れたほうがわかりやすいからそうしたのでしょうか。

まあ20話「乙女のアルバム」とか変に首突っ込んだせいで話が悪いほうに進んだこともあったけど。
一目連が無駄に関わらなければ、あの女の子たち地獄送りにならず普通に仲直りできてたでしょ。最後に「今度巡り会ったときは仲良くできるといいな…」みたいなこと呟いてたけど、自分の行動に反省はしてないみたいだった。


二篭で三藁の過去話があったのは…
→ラスト26話に繋がるからだった!お嬢と三藁の絆が描かれていたことで、この最終話が活きて切ないものになったのだ…





♡ラブリーヒルズが全然ラブリーじゃない件

昔 トレンディドラマに出た男が
ドラマのプロデューサーだった友達のせいで仕事を干されたと言いがかりをつけPを逆恨み→嫌がらせ→やり過ぎた悪戯でPの奥さんをボウガンで殺してしまう→家を尋ねてきたPに犯人だとばれる→口封じに殺そうとしたところをPの息子に見られ、殺害しようとする→しかし、恨みを買っていた別の女性に地獄送りにされる→少年は父親殺害未遂、母親殺害の疑いをかけられる


序盤のほうで出て
ああ…胸糞悪い話だったなぁ
と思ったらその後に再び登場。
ええ、警察沙汰になってたからそのまま済むわけないですよね

近隣住民から疑いの眼差しで見られ心を閉ざしていたときに、かつてラブリーヒルズに住んでいた女と出会う→束の間のおねショタ交流→女、地獄送り→再び孤独

なぜだ!なぜなんだ!彼に救いは与えられないのか?地獄はあっても神は存在しないのか!?

身の回りの人間を全て不幸にする「悪魔の子」のレッテルを貼られてしまう たくま少年。
人が消えるのを彼のせいにして
街の人々は憎いご近所さんを地獄送りにしまくります。なんてカオス。歌が下手だって馬鹿にされて地獄通信にアクセスできるとか…どんだけ沸点低いんだよ!
むかつくママ友やらバイトの先輩やら…いちいち消してたらキリがないでしょう(´・ω・`)ガチで住人居なくなりそう。
私だったらそんな人間のために自分も地獄送りになるのは嫌だけど…。

今までの話だと地獄少女サイドは
一つ一つの案件をじっくり見てきたけど、この街の住人は罪のなすりつけができるので悩む間も無くばんばん紐を解く。悪の象徴がいることで、己の罪悪感が減るからだろうか?深く悩みはせず、気軽に気楽に…。
そうなったら、地獄少女はただ送るしかない。

あいにとって
悪いこと全ての責任を押しつけられる、というのは遥か過去の自分自身を見てるようなものだったろう。いつの世でも正常な思考を放棄した集団ほど恐ろしいものは無い。
今まで感情を殺して多くの理不尽な怨みも流してきたけど、最終話ではついにたくまが地獄送りの対象となる。地獄少女からしたら自身を地獄に流すより辛いだろう。かつて自分を苦しめた村人と同じ行為をすることになるのだから…。これは耐えられるもの・耐えてよいものではない。

贖罪のため400年もの間地獄少女を務めてきたが、あいはここで初めてその仕事を放棄する。
その結果
役を解かれ、現世に戻される→肉体が400年分の経過を一気に受けるということ
三藁たちとの記憶も消えている
あいは苦しみに耐えながらも憎しみに染まったたくまを追う

なんとか
ラブリーな住人たちに殺されそうになっていた たくまを助けたが、地獄行きを怖れる住民によってあいが袋叩きに合う。
ここはとても画面を観てられなかった。骨女の気持ちがよくわかる。でも観なければいけない。それが彼女が出した結論なのだから。

あいが導き出した答え……
自分が死ぬことで、憎しみを自分に集中させて怨みの悪循環を絶とうとしたのだ…自分が死ぬことで終わりにさせたかったのか。
ルルーシュと同じで あいも本当は優しい人間なんだよね。

EDは それぞれのシリーズのテーマ
一期EDは地獄少女の任に縫いつけられている自分の運命を嘆くような歌詞。地獄少女の秘密を追う物語だったが、二期EDでは地獄通信のシステムや怨みの連鎖に対する嘆きを唄っているように感じた。人の怨み…どうしたら消えるのか、いつになれば消えるのか、いつか消える日が来るまで心を閉ざして流し続けましょう、そんなあいの心が歌われている。能登さん相変わらずゾクゾクする歌声で素敵です。

人の憎悪を何百年も間近で見てきた地獄少女。怨み恨まれ その行く末。
彼女なりの答えが出て、あいの魂・彼女の愛した者の魂も解放された。いちおうハッピーエンドなのかな。こういう終わり方か〜、あいは救われた…けど切ないなと思っていたら
最期に再び地獄通信の画面が!?
あいが天に召されても地獄少女のシステムは無くならず、次の地獄少女が任命されるだけ…ってことなのか?人の世に怨念があるかぎり 消えはしない業なのだろうか。
そもそも何故こんなシステムがあるのか?は3期で語られるのだろう、ってか あい居なくなったのにどう話続けたんだろう?
GYAOでまた配信してくれないかなー、できれば秋アニメがひと段落したころに。





新キャラのキクリはトラブルメーカー?何故現れ、何がしたいのかよくわからない…そこが怖い。三つ目の蜘蛛に憑依されていたみたいだけど普段の悪戯もキクリの意思ではなかったのかな?「キクリ悪くないもん」ってよく言ってたような…
地獄のお偉いさんとしては
あいが充分に地獄少女の役割を果たしたから、そろそろ罪に対する答えを聞こうとしていろいろ画策していたのかも。キクリ自身はあいを慕っていたみたいだけど、3期でも出てくるのかな?
余談だけど、あの目は京騒戯画の八瀬を思い出した。他のアニオタの人は八瀬を見てキクリを思い出したんだろうな

投稿 : 2014/12/07
閲覧 : 478
サンキュー:

5

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