「めぞん一刻(TVアニメ動画)」

総合得点
78.5
感想・評価
499
棚に入れた
2437
ランキング
540
★★★★★ 4.1 (499)
物語
4.3
作画
3.8
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

暁に鐘は鳴る。

アニメーション制作:スタジオディーン
1986年3月 - 1988年3月に放映されたTVアニメ。
全96話+OVA1話+劇場版1話。

原作は、『ビッグコミックスピリッツ』に7年間近く連載されていた高橋留美子によるラブストーリー漫画であり、
私が中学の時に全巻揃えて何度も読み返した作品です。

監督は、やまざきかずお(第1話 - 第26話)→安濃高志(第27話 - 第52話)→吉永尚之(第53話 - 第96話)

【概要/あらすじ】

時は1980年の晩秋。
東京にある「時計坂」という町(東久留米市がモデル)
坂の途中に「一刻館」という大変古い木造アパートがありました。
風呂無し。トイレは共同。雨漏りはするわ。あっちこっちメンテが必要なところばかり。
おまけに住人は騒がしい変人ばかりで毎日酒盛りばかりやってる。

主人公は五代裕作。19歳。煩悩多い冴えない男です。
大学受験に失敗し新潟から上京し予備校に通う浪人生で、
元から成績は良くはなかったのですが、
こんなヘンテコアパートに住んでちゃ受験勉強が捗る訳がなし!

「出て行く!出て行くんだ!!」
「こんなアパートにいたら、僕の一生は滅茶苦茶だ!!」
   
意を決して一刻館を去ろうとする五代くん。
ちょうどそこへやってきた一刻館の新しい管理人。
その名は音無響子。21歳。容姿端麗な美女です。
五代くんは若い男なわけでして、当然!美人には弱い。
手のひら返して、響子さん目当てで住み続けるわけですね。

五代くんと響子さん。大体がこの2人を中心として、
すれ違いあり、恋のライバルを交えて三角関係ありの日常ラブストーリーなのです。

【主な登場人物(ネタバレにつき閉じてます)】
{netabare}
五代裕作 … 浪人生。三流大学に進学し後に就職、学歴コンプレックス持ち。
音無響子 … 一刻館の管理人。五代くんの想い人で2つ年上の未亡人、美人で評判。
三鷹瞬 … 五代くんのライバル。キザでイケメンで金持ち。女好きだが悪いやつじゃない。犬が苦手。
一の瀬のおばさん … 一刻館の住人。夫と一人息子の賢太郎と同居。歩く酒樽。
四谷 … 一刻館の住人。年齢不詳職業不詳の中年覗き魔。変態。
六本木朱美 … 一刻館の住人。アパートをスケスケの服でうろつくホステス。擦れてるけど意外と常識人かも?
七尾こずえ … 五代くんが大学に入ってできた明るい彼女。でも本当に彼女なのか疑問。
八神いぶき … 教育実習で知り合って五代くんにべた惚れの女子高生。でも本当に恋なのかは不明。
九条明日菜 … 三鷹さんと政略結婚でお見合いして一目惚れの内気な旧華族令嬢。重度の愛犬家。{/netabare}

【感想】

昔のアニメでもHDリマスターやBD画質だと思ってたより、きれいだったりすることあって、
めぞん一刻も、その例にもれませんでした。作画を評価するのもなかなかに一概に語れないですね。

原作は恋愛漫画の金字塔であり、アニメは今も名作という扱いになってますが、
実際にはテコ入れのために監督が2回代わったり、原作と比較すると良くない部分があったりします。

第1話はドタバタしすぎてコレジャナイ感が強かった。(青年誌の漫画なのにね~)

特に酷いのが、初代監督が担当する最後の話が、
連続エピソードの途中で響子さんの怒りが爆発したシーンで終わっていて、
二代目監督が担当する次話では、季節が飛んで秋。何事もなかったかのように全く違う話になっています。
引き継ぎの打ち合わせを全くやってないが為に視聴者に疑問を抱かせるという理由で、
物語評価を5.0にしませんでした。それでも正直なところ、高橋留美子原作アニメでは一番だと思います。

原作ではエピソードが多いのにアニメでは削られた登場人物(二階堂望くん)がいたり、
入院中のカットされたエピソードがあったり(なのにアニオリ話が多かったり)中盤に粗が多かったです。

恋に一生懸命な女子高生・八神いぶきの登場から、三代目の監督になりますが、
アニメ放映中の季節に合わせるために原作後半エピソードを組み替えて、
五代くんの大学卒業前に原作にある就職浪人時代の話を全部ねじこんだりとで、
五代くんの自分を情けなく思う心情だとか説得力が薄まってるんじゃないかな?
と手放しに褒めるというほどでもないですね。
原作の名シーンをアニメでも感動的に演出してくれたということで、後期は評価できますが。

これは、昭和末期の男女の恋愛を描いた作品でありますが、
この作品の異色なところとして、五代くんと響子さんの出会いから思いを叶えるまでが恐ろしく長いですね。
(原作では6年半、アニメでは4年半でしたっけ?エピローグを除いてですが)

結果を最優先に早回しで進んでいく今どきのアニメとは正反対の作りでして、
本当は五代くんを好きなのに素直になれなくてヤキモチ焼きを拗らせてるマドンナ・響子さん。
そんな響子さんに振り回されながら、惚れた弱みでどうにもならない、五代くん。
二人の関係を長い目で見守り続ける。
この二人には、響子さんには三鷹、五代くんにはこずえちゃんなどそれぞれ別に好意を持つ人たちがいて、
三角関係展開が多く、三鷹さんが響子さんには勿体無いぐらいイイ男だったり、途中で登場する八神が可愛かったり、
魅力的な登場人物が多いですね。

主人公の五代くんは最初は冴えない煩悩多き子供っぽい青年でしたが、
いっぱい挫折して四苦八苦しながら自分に出来る仕事を見つけて、
人間として成長して良い表情を見せるようになっていきます。
それは人を好きになることで多くを学び、彼を変えたという証でもあります。

ヒロインの響子さんは一見おしとやかなマドンナなのに、
実際は感情の起伏の激しさが子供っぽくて、女性としての我儘な部分が強くて超めんどくさい性格、
人間的欠点も含めて人気があったと記憶しています。(アニメではマイルドになってますけどね)

二人がくっつくのに時間かかりまくりでしたが、前述の通り五代くんが成長するまでに必要だった時間であり、
大好きだった夫の惣一郎さんを失った悲しみから、響子さんが恋愛に臆病になっていて、
響子さんの心の整理に時間がかかったという事情があり、
響子さんの変化に数人との出会いと数年の日常の積み重ねがあります。
この二人には必要だった時間ということで、あんまり引き伸ばし感が無かったです。

一クールが標準のラノベ出身のアニメでは表現できない時間の流れの中にある物語に偶には触れてみると、
新鮮さがあるかもしれませんね。
ということで、若い人にも知って欲しい作品だと思いました。懐古趣味かもしれませんけどね!

このアニメの特色として他に挙げるならば…、
OPの歌手が斉藤由貴、安全地帯、村下孝蔵など凄く豪華ですね!
EDも来生たかお、ピカソらの歌に大人の香りがしてアニメソングとしては異質です。
名曲が多いですので、聴いてない人には是非ともオススメしたいですね!


思ったことを連々と書いただけですが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2018/03/29
閲覧 : 934
サンキュー:

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