「奏光のストレイン(TVアニメ動画)」

総合得点
60.1
感想・評価
100
棚に入れた
515
ランキング
5885
★★★★☆ 3.5 (100)
物語
3.5
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.5

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

WOWOWノンスクランブル枠のSFロボットアニメ。マイナーだけど外せない川澄綾子ヒロイン

2006年度にWOWOWノンスクランブル枠で放送されたロボットアニメ。
シンプルながら大きな破綻の無い舞台設定やシナリオ、分かり易いストーリー。
放送枠の関係からかマイナー気味だけど、1クールのハードSFアニメとして中々良作です。
マイナーだけど個人的に贔屓のアニメ、ちょっと過大評価気味かも。


{netabare}『物語』
遥か遠い未来、銀河中に広がった人類が、勢力を2分して何百年も戦争やっている世界観。
ブラコン気味で兄大好きっ娘なヒロイン・セーラであったが、なんと兄が敵国に寝帰り、仲間が全滅!
…序盤早々、いい感じにラブコメの波動を感じていた戦友がまさかの退場!?
※序盤いきなり全滅スタート、以降一貫した目的で戦う、は後の「キスダム」に通じるかも。

エリートパイロットは皆自分専用のユニット持ち、それが破損するともう戦えない設定。
兄の猛攻でソレを失ったセーラは、強力な専用機に乗れなくなってしまい、モブ兵並みに弱くなってしまう。

全てを失ったセーラは、兄の裏切りの真意を知るべく、戦いに身を投じて行く…。
世界観やヒロインの目的意識がシンプルかつ不動で、またテンポ良く進むので、序盤からかなり引き込まれました。
身内が裏切者という事で味方からイヂめられる、小公女セーラが元ネタらしいです。
モブ女子兵の陰湿なイジメこわい。
それでもストイックにクールに耐えつつ、健気に目的の為に戦うセーラは強いヒロインだった。
ここで頼もしい仲間達に出逢い(序盤の前科があるので、また死なないかハラハラしたw)更に謎の少女の人形エミリィ(この人形のお陰で強力専用機の操縦適性復活してまた大活躍)との邂逅で、少しずつ成長していく。
…ここら辺、陰湿イジメシーンある割には、すぐに仲間のフォロー入ったり、また実戦での活躍のカタルシスもあり、話のテンポが良い為か、意外に不快にならずに視聴出来るのが良かった。

「光速に近い動きすると相対論の効果で時間がズレる」(俗にいう、ウラシマ効果)を取り入れた設定、「トップをねらえ!」を彷彿とさせる。
ヒロインが不屈の闘志で戦うところも。
光速に近い速度での宇宙空間でのロボットバトルでも、結構作戦使われたり、単調にならずに一定の緊迫感保っていたのも良い。

終盤、再び兄との邂逅で、兄が裏切った真相が判明。
軍の超光速通信の技術は実は異星人(エミリィ)達が知覚を距離無視して共有する性質を利用したモノで、その為にエミリィ達の種族を残虐な生体実験で虐殺、その怨念を受け取った兄は、人類そのものへの復讐の鬼と化していた…。
ふむふむ?つまりお兄さんは、幼女の同胞の為に代わりに人類に復讐してたのね?
なんだよ、人類最低じゃん!幼女にヒドイ事した人類が悪じゃん。
…それでもたった一人の肉親な可愛い妹を無慈悲に殺そうとするとは!?
ここら辺の経緯は本編では説明不足が目立ち若干の不自然さを感じてしまう。
多分お兄さんは、何か思念を受け取って、暴走したんだろう。
詳しく語られなくても、何となくそう思わせる描写はある事だし、そこは視聴者に推測させる作風なのだろう(と好意的に視聴)。
ラストは兄との決着が付き、兄は死んだが最期は妹に想い託して、静かだが余韻の残る良エンディング。

総じて
緻密とまではいかないが、かなり分かり易く一貫性のある舞台設定。
終始大きな矛盾を感じさせず、終盤の真相も設定的にうまく繋がるのが上手い。
ヒロインの目的意識が一貫していて、セーラのドラマとしては分かり易い。
兄の妹への無慈悲さがちょっと不自然?まあ洗脳に近い状態と見れば、終わり良ければすべて良し。
あまり派手な盛り上がりは無い地味めのアニメですが、1クールのSFアニメとしては、中々印象に残るアニメでした。


『作画』
2006年度アニメで若干の古さはあるも、むしろ古き良き美少女絵で好みのキャラデザ。
セーラはクールビューティーで正統派美少女な美しさがあった。
メカデザインや戦闘描写はスピード感はさほど無いものの、亜光速戦闘の設定を活かしたバトルは意外に熱い。

『声優』
セーラは川澄綾子さんがクールビューティーに好演。
時に優しさや、哀しみや兄への想いで激昂したり、エミリィ人形を無くしてのヤンデレ気味な焦燥等、セーラの魅力を遺憾なく発揮。
マイナーではあるが個人的に川澄さん演じるヒロインでは外せない、好きなキャラの一人です。
セーラの良き理解者ロッティのゆかなさんにも注目。
敵の女性指揮官の田中敦子さんが色っぽい。
男性陣が割と豪華。

『音楽』
OP、ED共に趣のある良曲。
大宇宙を舞台に亜光速で戦う世界観を感じさせてくれる。
特にEDは美しい曲で、本作視聴後にいい余韻を残してくれる。
BGMも良い。

『キャラ』
セーラは、辛い境遇でも不屈に一貫した目的で戦う強いヒロイン。
クールビューティーな正統派美少女で可愛い。
感情抑え気味だが、本当は優しさや哀しみを胸に秘めているのもステキ。
良くも悪くもセーラ一強のストーリーなので、セーラ以外のキャラの印象はやや落ちるかも。

第二の仲間達が皆いいチームのお陰で、シリアスになり過ぎずに大分救われている。
兄はラスト付近までは、あんなに愛していた妹を本気で殺そうとしたり何考えてるのか不明なキャラだった。
まあ、最終的に事情が判明するし、終わり良ければすべて良し。
幼女のエミリィは可愛いが、人間的なコミュニケーション取れるタイプでは無いので、ストーリー上はお人形みたいだった。
何気に両陣営の軍人がそこそこ有能なのも好印象。{/netabare}

投稿 : 2014/10/10
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サンキュー:

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